JP2018181200A - 物品管理システム、rfタグシートおよび物品管理方法 - Google Patents

物品管理システム、rfタグシートおよび物品管理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018181200A
JP2018181200A JP2017083817A JP2017083817A JP2018181200A JP 2018181200 A JP2018181200 A JP 2018181200A JP 2017083817 A JP2017083817 A JP 2017083817A JP 2017083817 A JP2017083817 A JP 2017083817A JP 2018181200 A JP2018181200 A JP 2018181200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tag
sheet
antenna
article
tags
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017083817A
Other languages
English (en)
Inventor
由樹 桑原
Yuki Kuwabara
由樹 桑原
浅村 直也
Naoya Asamura
直也 浅村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2017083817A priority Critical patent/JP2018181200A/ja
Publication of JP2018181200A publication Critical patent/JP2018181200A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】金属製物品の管理に対応した物品管理システム、RFタグシートおよび物品管理方法を提供する。【解決手段】複数のRFタグ11は、RFタグシート10がスパッタターゲット30とともにケース40に収納され、ケース40がアンテナシート20の設置された棚50に設置された設置状態において、スパッタターゲット30のケース40内における位置によらず、複数のRFタグ11のうち少なくとも1つのRFタグ11の一部が、アンテナシート20の受信範囲内であって、アンテナシート20に向かう直線上に、スパッタターゲット30のケース40内での移動範囲が含まれない配置で、RFタグシート10に固着される。【選択図】図1

Description

本発明は、物品管理システム、RFタグシートおよび物品管理方法に関する。
RF(Radio Frequency)タグに格納された識別情報を含む電波をアンテナで受信して、リーダライタで読み取るRFID(Radio Frequency Identifier)システムが研究されている。そして、RFIDシステムのアンテナとして、シート状のアンテナであるアンテナシートを利用する物品管理システムが実用化されている。この物品管理システムは、棚に敷設されたアンテナシートを介して、物品に付着されたRFタグをリーダライタで読み取ることによって、物品の置かれた棚の位置を把握することができる。
特許文献1には、物品の搬送用のパレットに、複数の同一情報を記憶させたRFタグを、支持ホルダを介して隣接するように取り付け、複数のRFタグからの信号を受信する認識システムが開示されている。この認識システムは、一部のRFタグに故障が発生した場合でも、残りの正常なRFタグから信号を受信することを目的としている。
特開2003−67683号公報
RFタグは、金属製物品に付着させると、リーダライタから放射される電波が金属で反射して、RFタグから放射される微弱な応答波が金属面からの反射波で妨害されることがある。そこで、金属製物品を管理する方法として、金属製物品とRFタグとを別々にケースに収納することが考えられる。しかし、金属製物品、RFタグおよび電波を捕捉するためのアンテナの位置関係によって、金属製物品の影響を受けてしまう。したがって、RFタグが金属製物品の影響を受けないようにする工夫が必要である。このような問題に対し、特許文献1に記載された認識システムを適用して、RFタグを複数設ける仕組みが考えられる。しかし、単にRFタグを複数設けても、複数のRFタグのすべてが金属製物品の影響を受けると読み取りができないという問題は、依然として解決されない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、金属製物品の管理に対応した物品管理システム、RFタグシートおよび物品管理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る物品管理システムは、
シート状の絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートと、
前記複数のRFタグが発する前記識別情報を含む電波を捕捉し、前記識別情報を含む信号を送信するアンテナと、
前記アンテナから前記信号を受信し、前記信号に含まれる前記識別情報を読み取る読み取りユニットと、
前記読み取りユニットから前記識別情報を取得し、前記識別情報に基づいて、前記物品を管理する処理を実行する制御手段と、を備え、
前記複数のRFタグは、前記RFタグシートが前記物品とともにケースに収納され、前記ケースが前記アンテナの設置された棚に設置された設置状態において、前記物品の前記ケース内における位置によらず、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記物品の前記ケース内での移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着される。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る物品管理システムは、
シート状の絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートと、
前記複数のRFタグが発する前記識別情報を含む電波を捕捉し、前記識別情報を含む信号を送信するアンテナと、
前記アンテナから前記信号を受信し、前記信号に含まれる前記識別情報を読み取る読み取りユニットと、
前記読み取りユニットから前記識別情報を取得し、前記識別情報に基づいて、前記物品を管理する処理を実行する制御手段と、を備え、
前記複数のRFタグは、前記RFタグシートが前記物品とともにケースに収納され、前記ケース内には、前記物品の前記ケース内での移動を制限するための固定治具が設置され、前記ケースが前記アンテナの設置された棚に設置された設置状態において、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記固定治具によって制限された前記物品の移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着される。
前記アンテナは、2次元通信を行うアンテナシートであってもよい。
前記RFタグシートは、前記設置状態における前記物品の水平方向の最大サイズよりも長い短辺を有する長方形状であり、
前記アンテナシートは、前記RFタグシートの長辺の長さよりも短い短辺と、前記RFタグシートの短辺の長さよりも長い長辺とからなる長方形状であり、
前記複数のRFタグは、前記RFタグシートの第1の長辺の中点から前記第1の長辺に沿って基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第1のRFタグと、前記第1の長辺とは異なる第2の長辺の中点から前記第2の長辺に沿って前記第1のRFタグとは反対方向に前記基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第2のRFタグとを含んでもよい。
前記基準値は、前記アンテナシートの短辺の半分の長さであってもよい。
前記基準値は、前記アンテナシートの短辺の半分の長さよりも小さくてもよい。
前記RFタグシートは、前記設置状態における前記物品の水平方向の最大サイズよりも長い短辺を有する長方形状であり、
前記アンテナシートは、前記RFタグシートの長辺の長さよりも短い短辺と、前記RFタグシートの短辺の長さよりも長い長辺とからなる長方形状であり、
前記複数のRFタグは、前記RFタグシートの四隅に固着される4つのRFタグを含んでもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るRFタグシートは、
長方形状のシート状である絶縁体と、
前記絶縁体に固着される複数のRFタグと、を備え、
前記複数のRFタグは、前記絶縁体の第1の長辺の中点から前記第1の長辺に沿って基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第1のRFタグと、前記第1の長辺とは異なる第2の長辺の中点から前記第2の長辺に沿って前記第1のRFタグとは反対方向に前記基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第2のRFタグとを含む。
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点に係るRFタグシートは、
長方形状のシート状である絶縁体と、
前記絶縁体に固着される複数のRFタグと、を備え、
前記複数のRFタグは、前記絶縁体の四隅に固着される4つのRFタグを含む。
上記目的を達成するために、本発明の第5の観点に係る物品管理方法は、
棚にアンテナを設置し、
シート状である絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートを前記物品とともにケースに収納し、
前記ケースを前記棚に設置し、
前記複数のRFタグを、前記RFタグシートを前記物品とともにケースに収納し、前記ケースを前記アンテナの設置された前記棚に設置した設置状態において、前記物品の前記ケース内における位置によらず、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記物品の前記ケース内での移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着する。
上記目的を達成するために、本発明の第6の観点に係る物品管理方法は、
棚にアンテナを設置し、
シート状である絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートを前記物品とともに、前記物品のケース内での移動を制限するための固定治具が設置されたケースに収納し、
前記ケースを前記棚に設置し、
前記複数のRFタグを、前記RFタグシートを前記物品とともにケースに収納し、前記ケースを前記アンテナの設置された前記棚に設置した設置状態において、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記固定治具によって制限された前記物品の移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着する。
本発明によれば、金属製物品の管理に対応した物品管理システム、RFタグシートおよび物品管理方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る物品管理システムの構成図 本発明の第1実施形態に係るアンテナシートの平面図 本発明の第1実施形態に係るアンテナシートの図2におけるIII−III線断面図 本発明の第1実施形態に係るスパッタターゲットの平面図 本発明の第1実施形態に係るスパッタターゲットの図4におけるV−V線断面図 本発明の第1実施形態に係るスパッタターゲットとRFタグシートとが収納されたケースの断面図 本発明の第1実施形態に係るRFタグシートの平面図 本発明の第2実施形態に係るRFタグシートの平面図 本発明の第3実施形態に係るRFタグシートの平面図 本発明の第4実施形態に係るケースの平面図 本発明の第4実施形態に係るRFタグシートの平面図 本発明の実施例2に係るRFタグシートの平面図 本発明の実施例2に係るRFタグシートの平面図
(第1実施形態)
本発明に係る物品管理システムを、金属製物品としてのスパッタターゲットの管理システムに適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の物品管理システム1は、スパッタターゲット30の入出庫、ロケーション等を管理するシステムである。制御装置200は、RF(Radio Frequency)タグシート10から、管理対象の金属製物品であるスパッタターゲット30を識別するための識別情報を取得する。具体的には、制御装置200がリーダライタ100を制御し、アンテナシート20を介して、スパッタターゲット30とともにケース40に収納されたRFタグシート10から電波を受信する。また、制御装置200は、リーダライタ100を制御することにより、アンテナシート20を介して、RFタグ11に電波を送信して識別情報を書き込む。
物品管理システム1は、RFタグシート10と、アンテナシート20と、ケース40と、棚50と、リーダライタ100と、制御装置200とを備える。
RFタグシート10は、長方形状のポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂から形成された絶縁体シートの表面に、複数のRFタグ11が接着されたものである。複数のRFタグ11には、管理対象物品であるスパッタターゲット30を識別するための識別情報が格納されている。1枚のRFタグシート10に接着された複数のRFタグ11には、同一のスパッタターゲット30であることを識別するため、同一の識別情報が格納されている。
RFタグ11は、電力を供給するための電波を受信すると、スパッタターゲット30を識別するための識別情報を含む電波を放射するパッシブタグである。識別情報は、例えば、数値やアルファベットにより構成される文字列で表される。RFタグ11が受信および送信する電波の周波数は、UHF帯域の周波数であり、例えば、920MHzである。
アンテナシート20は、2次元通信技術を適用した通信用シートである。2次元通信技術は、線状のケーブルを媒体として1次元方向に通信する1次元通信および空気を媒体として3次元方向に通信する3次元通信とは異なり、平面状のシートを媒体として2次元方向に通信する通信方式である。アンテナシート20は、リーダライタ100から供給された電波を、シート面であるX−Y平面方向に伝播しつつ、アンテナシート20の表面から漏れさせる機能を有する。アンテナシート20は、リーダライタ100から供給された電波をRFタグ11に供給する機能と、RFタグ11から供給された電波をリーダライタ100に供給する機能と、を有する。
スパッタターゲット30は、金属の薄膜を生成するための成膜材料である。スパッタターゲット30は、金、白金、ロジウム、パラジウム、クロム、コバルト、アルミニウム、ニッケル、銀、銅、鉄、チタン、タンタル、イリジウム、インジウム、ガリウム、ルテニウム、亜鉛、ゲルマニウム、マンガン、タングステン等の金属製ないしこれら金属を含む合金製の金属製物品である。スパッタターゲット30は、本実施形態に係る物品管理システム1の管理対象の物品である。
ケース40は、スパッタターゲット30をRFタグシート10とともに収納するための上部開口箱型である樹脂製のケースである。ケース40には、スパッタターゲット30の取扱いに関する指示書も収納する。ケース40は、RFタグシート10がぴったり収まる程度の大きさの収納領域を有する。すなわち、RFタグシート10は、ケース40に収納された状態では、周囲をケース40に囲われているため、平面方向の動きが制限される。一方、スパッタターゲット30は、ケース40の収納領域よりも小さく、ケース40の中で平面方向に動くものである。
棚50は、ケース40を設置するための棚である。棚50は、例えば、樹脂製の板から形成される。複数のスパッタターゲット30を管理する場合は、1つの棚50にケース40を複数個、例えば4つ程度まで並べることができる大きさである。また、複数の棚50は、鉛直方向に複数個連なる構成としても良いし、別個に独立した構成としても良い。棚50には、アンテナシート20が敷設される。棚50に敷設されたアンテナシート20は、RFタグシート10がスパッタターゲット30とともにケース40に収納され、ケース40が棚50に設置された設置状態において、RFタグ11から送信される電波を受信する受信範囲となる。
リーダライタ100は、制御装置200による制御に従って、RFタグ11に格納された識別情報を読み取ったり、RFタグ11に識別情報を書き込んだりする。リーダライタ100は、通信ケーブルを介して、制御装置200と接続される。また、リーダライタ100は、通信ケーブル110を介して、アンテナシート20と接続される。リーダライタ100は、制御装置200から識別情報の読み取りを指示する情報を受信した場合、電力供給のための電波に応じた電気信号をアンテナシート20に送信する。そして、リーダライタ100は、アンテナシート20が識別情報を含む電波を受信した場合、この電波に応じた電気信号をアンテナシート20から受信する。リーダライタ100は、受信した電気信号により示される識別情報を制御装置200に送信する。このように、リーダライタ100は、アンテナシート20から信号を受信し、信号に含まれる識別情報を読み取る読み取りユニットとして機能する。また、リーダライタ100は、制御装置200から識別情報の書き込みを指示する情報を受信した場合、識別情報を含む電気信号をアンテナシート20に送信する。
通信ケーブル110は、リーダライタ100とアンテナシート20とを接続するためのケーブルである。通信ケーブル110は、信号線とグランド線とを含む同軸ケーブルである。
制御装置200は、リーダライタ100による識別情報の読み込みや書き込みを制御する。制御装置200は、通信ケーブル110を介して、識別情報の読み取りをリーダライタ100に指示し、読み出された識別情報をリーダライタ100から受信する。また、制御装置200は、通信ケーブル110を介して、識別情報の書き込みをリーダライタ100に指示する。制御装置200は、例えば、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの端末装置である。
次に、アンテナシート20の構造について、詳細に説明する。図2は、アンテナシート20をZ軸方向の正の方向から見た平面図である。図2に示すように、アンテナシート20は、正三角形の開孔を多数有するメッシュ状の導体層を備える。このようなメッシュパターンを有するアンテナシート20は、アンテナシート20の近傍における電波強度が非常に高く、一方、アンテナシート20からの距離が離れた場所における電波強度が非常に低くなる。このため、アンテナシート20は、アンテナ感度が比較的低い通信相手と通信するのに好適である。つまり、アンテナシート20は、RFIDタグの読み取りに好適である。本実施形態では、アンテナシート20の長手方向における長さは800mmであり、アンテナシート20の幅方向における長さは100mmである。
図3は、図2におけるIII−III線の断面図である。図3に示すように、アンテナシート20は、保護フィルム22、第1の導体層23、絶縁体層24、第2の導体層25、保護フィルム26が、Z軸方向における座標の大きい方から順に重ねられて構成される。
第1の導体層23は、導体により構成され、メッシュ状の開孔が形成された層である。第1の導体層23は、アンテナシート20の内部を伝搬する電波を開孔から漏れ出させて、浸出領域27を形成する機能を有する。第1の導体層23は、例えば、Y軸方向に伸びる複数の線状導体と、Y軸に対して60度の角度を有し、X軸に対して30度の角度を有し、X−Y平面と平行な第1の軸方向に伸びる複数の線状導体と、第1の軸に対して60度の角度を有し、X−Y平面と平行な第2の軸方向に伸びる複数の線状導体とが相互に交差することにより、複数の正三角形の開孔が形成された層である。本実施形態では、正三角形の一辺の長さは、12.7mmである。
第2の導体層25は、導体により構成された平板状の層である。第2の導体層25は、アンテナシート20の内部を伝搬する電波が、アンテナシート20の裏面から漏れ出ることを抑制する機能を有する。第1の導体層23や第2の導体層25のサイズ(X軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、Z軸方向の長さ)は、例えば、100mm×800mm×0.032mmである。第1の導体層23や第2の導体層25は、例えば、金、銀、銅、アルミ、鉄、各種の合金などの金属により構成される。
絶縁体層24は、絶縁体(誘電体)により構成された層である。絶縁体層24は、リーダライタ100から放射された電波を、アンテナシート20が広がる方向、つまり、X−Y平面方向に伝搬する機能を有する。絶縁体層24は、通信に用いられる電波の周波数(例えば、920MHz)に応じた低誘電率の絶縁体であることが望ましい。例えば、絶縁体層24は、発泡ポリオレフィンにより構成される。絶縁体層24のサイズは、例えば、100mm×800mm×2mmである。
保護フィルム22は、絶縁体により構成された層である。保護フィルム22は、第1の導体層23の表面が傷つけられたり、第1の導体層23の表面が外部の導体と接触したりすることを抑制する機能を有する。保護フィルム26は、絶縁体により構成された層である。保護フィルム26は、第2の導体層25の表面が傷つけられたり、第2の導体層25の裏面が外部の導体と接触したりすることを抑制する機能を有する。保護フィルム22や保護フィルム26は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)により構成される。
浸出領域27は、アンテナシート20内を伝搬する電波がアンテナシート20の表面から漏れ出る領域である。つまり、アンテナシート20は、リーダライタ100から放射された電波を浸出領域27に局在化させる。そして、リーダライタ100の通信相手であるRFタグ11がアンテナシート20の表面付近に配置され、RFタグ11が浸出領域27近傍にあるときに、リーダライタ100とRFタグ11との通信が可能となる。
電波インターフェース21は、第1の電極210と、第2の電極220と、誘電体230と、を備える。電波インターフェース21は、第1の電極210と第2の電極220とが、誘電体230とアンテナシート20とを挟み込むように構成される。第1の電極210と第2の電極220とは、導体により構成された平板状の電極である。誘電体230は、誘電体により構成される。第1の電極210には、通信ケーブル110が備える信号線が接続される。第2の電極220には、通信ケーブル110が備えるグランド線が接続される。電波インターフェース21は、リーダライタ100から受信した電気信号に対応する電波を第1の電極210と第2の電極220との間に発生させ、発生させた電波をアンテナシート20に注入する。また、電波インターフェース21は、アンテナシート20から供給された電波(第1の電極210と第2の電極220との間に発生した電波)に対応する電気信号を発生させ、発生させた電気信号をリーダライタ100に送信する。第1の電極210、第2の電極220、誘電体230の大きさ、形状、素材は、例えば、通信に用いられる電波の周波数により決定される。
次に、RFタグシート10とスパッタターゲット30をケース40に収納する態様について、図面を参照して説明する。前提として、スパッタターゲット30は、図4および図4のV−V線断面図である図5に示すように、円盤状の金属が2つ重なった形状の物品である。2つの円盤状の金属のうち、大きい方の円盤は、直径180mmの円を底辺とする円柱から形成されている。スパッタターゲット30の厚さは10mmである。
RFタグシート10とスパッタターゲット30をケース40に収納する際は、図6に示すように、ケース40内の一番下には、スパッタターゲット30が設置され、その上に、クリアケース70が設置される。クリアケース70には、一番下にRFタグシート10が挟み込まれ、その上に、必要に応じて、1枚または複数枚の指示書60が挟み込まれる。クリアケース70の外寸は、ケース40の内寸よりもわずかに小さいだけであるため、ケース40に収納された状態では、クリアケース70のX−Y平面内の移動量は小さい。一方、スパッタターゲット30は、ケース40の内寸よりも小さく、X−Y平面内の移動量はクリアケース70よりも大きい。
次に、ケース40の上から見たRFタグシート10、スパッタターゲット30およびアンテナシート20の位置関係について、図7を参照して説明する。例えば、RFタグシート10に接着されたRFタグ11が、ケース40の上から見て、スパッタターゲット30と重ならず、アンテナシート20に重なっている場合は、そのRFタグ11は読み取り可能である。逆に、ケース40の上から見て、RFタグ11がスパッタターゲット30に重なっている場合には、アンテナシート20から放射された電波がスパッタターゲット30で反射して、そのRFタグ11から放射される応答波を妨害する。したがって、スパッタターゲット30の位置によらず、いずれかのRFタグ11がスパッタターゲット30に重ならないような配置が必要である。
そこで、本実施形態に係るRFタグシート10は、図7に示すように、RFタグ11aおよびRFタグ11bが配置される。RFタグ11aおよびRFタグ11bは、幅10mm、長さ100mmである。RFタグ11aはRFタグシート10の第1の長辺に沿って配置される。RFタグ11aは、第1の長辺の中点MaからX軸の負方向に50mm分シフトした点Saを覆う位置に配置される。RFタグ11bは、RFタグシート10の第1の長辺とは異なる第2の長辺に沿って配置される。RFタグ11bは、第1の長辺の中点MbからX軸の正方向に50mm分シフトした点Sbを覆う位置に配置される。
アンテナシート20は、棚50のX軸方向の中心に配置される。これにより、図7に示すように、RFタグ11aおよびRFタグ11bは、いずれもアンテナシート20に重なっているため、アンテナシート20の受信範囲内である。ここで、RFタグシート10をケース40に収納する際、X軸方向の向きが反対になる可能性がある。しかし、アンテナシート20が棚50のX軸方向の中心に配置されているため、RFタグシート10の長手方向がX軸方向である限り、RFタグシート10のX軸方向の向きに関わらず、RFタグ11aおよびRFタグ11bはいずれもアンテナシート20の受信範囲内である。また、同様に、RFタグ11aおよびRFタグ11bの接着面がZ軸正方向と負方向のいずれを向いているかに関わらず、RFタグ11aおよびRFタグ11bはいずれもアンテナシート20の受信範囲内である。
スパッタターゲット30は、ケース40内でX−Y平面方向に移動する。例えば、図7に示すように、ケース40の中心に位置する場合、RFタグ11aおよびRFタグ11bのいずれとも重なっていない。仮に、スパッタターゲット30が、図7に示す位置からY軸負方向に移動すると、RFタグ11aと重なる場合がある。しかし、スパッタターゲット30の移動する方向がY軸負方向である限り、RFタグ11bには重なることは無いため、少なくともRFタグ11bはスパッタターゲット30に重ならず、その影響を受けないため、RFタグ11bは読み取り可能である。逆に、スパッタターゲット30が図7に示す位置からY軸正方向に移動すると、RFタグ11bと重なる場合がある。しかし、スパッタターゲット30の移動する方向がY軸正方向である限り、RFタグ11aには重なることは無いため、少なくともRFタグ11aはスパッタターゲット30に重ならず、その影響を受けないため、RFタグ11aは読み取り可能である。また、Y軸方向に移動しない場合、スパッタターゲット30はRFタグ11aにもRFタグ11bにも近づくことはなく、RFタグ11aおよびRFタグ11bは読み取り可能である。
次に、物品管理システム1の動作について説明する。制御装置200は、リーダライタ100に識別情報の読み取りを指示する信号を送信する。リーダライタ100は、制御装置200から識別情報の読み取りを指示する信号を受信すると、複数のアンテナシート20に対して、一定時間おきに、順に電気信号を送信する。この一定時間は、リーダライタ100の読み取り性能、1つのアンテナシート20が読み取るRFタグ11の数などを考慮して設定され、例えば、500msとする。
アンテナシート20が電気信号を受信すると、電波インターフェース21は、受信した電気信号に対応する電波を発生させ、シート面であるX−Y平面方向に伝播しつつ、アンテナシート20の表面から漏れさせる。これにより、受信範囲にあるRFタグ11に電波を供給し、RFタグ11から識別情報を含む電波を受信する。そして、RFタグ11から受信した電波を、シート面であるX−Y平面方向に伝播して、電波インターフェース21に供給する。電波インターフェース21は、供給された電波を電気信号に変換し、通信ケーブル110を介して、電気信号をリーダライタ100に送信する。
リーダライタ100は、受信した電気信号に含まれる識別情報を読み取り、制御装置200に送信する。このようにして、制御装置200は、複数の識別情報を取得して、スパッタターゲット30が棚50に収納されているか否かを一定時間おきに取得し、取得した情報を図示しない記憶装置に格納する。ユーザは、制御装置200の図示しないインターフェースを操作して、記憶装置に格納された情報を取得して、スパッタターゲット30がどの棚50にいつ存在していたかを把握することによって、スパッタターゲット30を管理する。
このようにして、制御装置200は、リーダライタ100から識別情報を取得し、識別情報に基づいて、スパッタターゲット30を管理する処理を実行する制御手段として機能する。
本実施形態に係る物品管理システム1は、スパッタターゲット30のケース40内の位置によらず、RFタグシート10に接着されたいずれかのRFタグ11を読み取ることができる。したがって、ユーザは、ケース内のスパッタターゲット30の位置に注意を払う必要がない。また、物品管理システム1は、1つの棚50にアンテナシート20を1枚敷設すれば足り、RFタグシート10にRFタグ11を2つ接着すれば足りるため、安価に実現可能である。
本実施形態におけるRFタグ11aおよびRFタグ11bは、設置状態において、アンテナシート20の長辺近くに配置される。図7に示す例において、点Ma−点Sa間の距離および点Mb−点Sb間の距離は、アンテナシート20の形状を考慮した基準値である。ここでは、アンテナシート20の幅が100mmであることを考慮して、その半分である50mmとしている。ただし、本発明の範囲はそれに限られものでは無く、管理対象となる物品の大きさを考慮して、例えば、基準値を40mmとしても良い。ただし、アンテナシート20の幅の半分よりも大きい値では、RFタグ11aおよびRFタグ11bが同時にアンテナシート20の受信範囲であることにはならないため、少なくとも、アンテナシート20の幅の半分以下を基準値とする。
また、本明細書において、点を「覆う」位置とは、厳密に点を覆う位置である必要はなく、本発明の目的および機能を満たす限りにおいて、わずかな位置のずれがあっても良い。
また、本実施形態に係るRFタグシート10には、同一の識別情報を格納されたRFタグ11が複数枚接着されている例を例示した。しかし、本発明の範囲はこれに限られない。例えば、制御装置200に接続された図示しない記憶装置に、スパッタターゲット30と識別情報との対応表を格納しておく。制御装置200は、記憶装置に格納された対応表を適宜参照して、識別情報ごとにどのスパッタターゲット30と紐付いているかを把握する。このような方法により、別々の識別情報であっても同一の物品を示すことが可能となるため、1枚のRFタグシート10に格納される識別情報が同一でなくてもよい。
本実施形態に係る物品管理システム1は、スパッタターゲットを管理対象としていたが、本発明の範囲はこれに限られない。特に、1つのケースに収納する物品が1つの物品に限定されるものではなく、例えば、複数のねじ、ボルト等の工具を収納した工具セットを管理対象としても良い。また、本発明の範囲が使用用途に限定されることはなく、金属製物品が管理可能なシステムであれば、その他の物品の管理に使用しても、本発明の範囲となることはもちろんである。また、このような実施形態とした場合には、逆に、制御装置200が、すべてのRFタグ情報が読み取れた場合には、ケース内にRFタグシートのみが存在し、管理対象となる金属製物品が他の場所にあると判断して、その旨の表示をするようにすることも可能である。
(第2実施形態)
第1実施形態では、アンテナシート20を棚50の中心に敷設した場合に対応して、2つのRFタグ11が接着されたRFタグシート10の例を例示した。本実施形態では、アンテナシート20を棚50の端に設置して、隅にRFタグ11が接着されたRFタグシート10を採用した実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係るRFタグシート10は、図8に示すように、四隅に4つのRFタグ11c、11d、11e、11fを備える。それぞれのRFタグは同一の形状であり、長辺の長さが49mm、短辺の長さが18mmの長方形状である。アンテナシート20は、設置状態において、その長辺がRFタグシート10の短辺の位置に重なっている。これにより、図8の配置であれば、RFタグ11eおよびRFタグ11fが、いずれもアンテナシート20の受信範囲内である。この場合、RFタグシート10をケース40に収納する際、X軸方向の向きが反対になると、RFタグ11cおよびRFタグ11dがアンテナシート20の受信範囲内である。このように、RFタグシート10をケース40に収納する際のX軸方向の向き、およびケース40を棚50に設置する際のX軸方向の向きによって、RFタグ11cおよびRFタグ11dがアンテナシート20の受信範囲内となるか、RFタグ11eおよびRFタグ11fがアンテナシート20の受信範囲内となるかが変わる。しかし、いずれにしても、4つのRFタグ11c、11d、11e、11fのうち、2つが受信範囲となることに変わりは無い。
一方、スパッタターゲット30は、本実施形態においても、ケース40内でX−Y平面方向に移動する。例えば、図8に示すように、ケース40内におけるX軸正方向に最も大きく、Y軸方向の中央の位置にスパッタターゲット30がある場合、RFタグ11eおよびRFタグ11fは、ともにスパッタターゲット30に重ならず、その影響を受けないため、いずれも読み取り可能である。仮に、スパッタターゲット30がその位置からY軸正方向に移動すると、RFタグ11fに重なる可能性があるが、RFタグ11eに重なることは無いため、少なくとも、RFタグ11eは読み取り可能である。反対に、スパッタターゲット30が図8に示す位置からY軸負方向に移動すると、RFタグ11eに可能性があるが、RFタグ11fに重なることは無いため、少なくとも、RFタグ11fは読み取り可能である。
本実施形態に係る物品管理システム1は、スパッタターゲット30のケース40内の位置によらず、RFタグシート10に接着されたいずれかのRFタグを読み取ることができる。したがって、ユーザは、ケース内のスパッタターゲット30の位置に注意を払う必要がない。また、物品管理システム1は、1つの棚50にアンテナシートを1枚敷設すれば足りるため、安価に実現可能である。さらに、本実施形態に係るRFタグシート10は、4隅にRFタグ11c、11d、11e、11fが接着されているため、特に、管理対象の物品の形状が、Z軸正方向から見て円形である場合、物品がRFタグ11c、11d、11e、11fに重なりにくく、好適である。
(第3実施形態)
第1実施形態および第2実施形態では、金属非対応のRFタグであることを前提に、RFタグ11がスパッタターゲット30からなるべく遠くに配置されるRFタグシート10の例を例示した。本実施形態では、RFタグ11が金属対応のタグであることを前提として配置されたRFタグシートを採用した実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係るRFタグシート10は、図9に示すように、長辺の長さが180mm、短辺の長さが21mmの長方形上のアルミテープ12が接着され、その両端にアルミテープ12とRFタグシート10にまたがる位置に2つのRFタグ11g、11hを備える。アルミテープ12は、アルミニウム材を圧延したアルミ箔のテープであり裏面に接着剤を塗布して粘着テープとしたものである。それぞれのRFタグ11g、11hは同一の形状であり、長辺の長さが40mm、短辺の長さが21mmの長方形状である。
アンテナシート20は、棚50のX軸方向の中心に配置される。これにより、図9に示すように、アンテナシート20とRFタグシート10が重なり、RFタグ11gおよびRFタグ11hがいずれもアンテナシート20に重なっていて、アンテナシート20の受信範囲内である。また、RFタグシート10をケース40に収納する際、X軸方向の向きが反対になる可能性がある。しかし、アンテナシート20が棚50のX軸方向の中心に配置されているため、RFタグシート10の長手方向がX軸方向である限り、RFタグシート10のX軸方向の向きに関わらず、RFタグ11gおよびRFタグ11hはいずれもアンテナシート20の受信範囲内である。また、同様に、RFタグ11gおよびRFタグ11hの接着面がZ軸正方向と負方向のいずれを向いているかに関わらず、RFタグ11gおよびRFタグ11hはいずれもアンテナシート20の受信範囲内である。
一方、スパッタターゲット30は、本実施形態においても、ケース40内でX−Y平面方向に移動する。例えば、図9に示すように、ケース40の中心に位置する場合、RFタグ11gおよびRFタグ11hのいずれとも重なっていないが、距離が近い。この場合、RFタグ11gおよびRFタグ11hが金属対応のタグであれば、スパッタターゲット30との距離が近くても、完全に重なってしまわない限り、その影響は小さく、RFタグ11gおよびRFタグ11hは読み取り可能である。
また、仮にスパッタターゲット30が、図9に示す位置からY軸負方向に移動すると、RFタグ11gと重なる場合がある。しかし、スパッタターゲット30がY軸負方向に移動する限り、RFタグ11hには重なることは無いため、少なくともRFタグ11hはスパッタターゲット30に重ならず、その影響を受けないため、RFタグ11hは読み取り可能である。逆に、スパッタターゲット30が図7に示す位置からY軸正方向に移動すると、RFタグ11hと重なる場合がある。しかし、スパッタターゲット30がY軸正方向に移動する限り、RFタグ11gには重なることは無いため、少なくともRFタグ11gはスパッタターゲット30に重ならず、その影響を受けないため、RFタグ11gは読み取り可能である。また、Y軸方向に移動しない場合、スパッタターゲット30はRFタグ11gにもRFタグ11hにも近づくことはなく、RFタグ11gおよびRFタグ11hは読み取り可能である。
なお、一般に、金属対応タグは、近くに金属があると感度が上がることが知られている。そこで、アルミテープ12を近くに貼り付けることによって、RFタグ11gおよびRFタグ11hの感度が上がる。ただし、アルミテープ12は必須ではなく、例えば、スパッタターゲット30の大きさが、図9に示されるよりも小さい場合には、その影響は少なくなるため、アルミテープ12は無くても良い。
本実施形態に係る物品管理システム1は、スパッタターゲット30のケース40内の位置によらず、RFタグシート10に接着されたいずれかのRFタグを読み取ることができる。したがって、ユーザは、ケース内のスパッタターゲット30の位置に注意を払う必要がない。また、物品管理システム1は、1つの棚50にアンテナシート20を1枚敷設すれば足りるため、安価に実現可能である。さらに、本実施形態に係るRFタグシート10は、金属対応のRFタグ11g、11hが接着されているため、特に、管理対象の物品が金属である場合に、読み取り感度が下がりにくく、好適である。
(第4実施形態)
これまで、スパッタターゲット30の位置によらず、いずれかのRFタグ11が読み取れる位置となるように、複数のRFタグ11が配置されたRFタグシート10の例を例示した。以下では、スパッタターゲット30の位置を制限することによって、いずれかのRFタグ11が読み取れる位置となる実施形態を、図面を参照して説明する。
図10に示すように、ケース40には、2つの固定治具80a、80bが設置される。固定治具80a、80bは、樹脂製の直方体から形成され、ケース40に接着される。これにより、スパッタターゲット30は、移動を制限される。
本実施形態に係るRFタグシート10は、図11に示すように、短辺に2つのRFタグ11i、11jを備える。それぞれのRFタグ11i、11jは同一の形状であり、長辺の長さが49mm、短辺の長さが18mmの長方形状である。アンテナシート20は、設置状態において、その長辺がRFタグシート10の短辺の位置に重なっている。これにより、図11の配置であれば、RFタグ11jがアンテナシート20の受信範囲内である。この場合、RFタグシート10をケース40に収納する際、X軸方向の向きが反対になると、RFタグ11iがアンテナシート20の受信範囲内である。このように、RFタグシート10をケース40に収納する際のX軸方向の向き、およびケース40を棚50に設置する際のX軸方向の向きによって、RFタグ11iがアンテナシート20の受信範囲内となるか、RFタグ11jがアンテナシート20の受信範囲内となるかが変わる。しかし、いずれにしても、2つのRFタグ11i、11jのうちのいずれかが受信範囲となることに変わりは無い。
また、スパッタターゲット30は、2つの固定治具80a、80bによって移動を制限されているため、RFタグ11iおよびRFタグ11jと重なることは無い。したがって、RFタグ11iおよびRFタグ11jはいずれかが読み取り可能である。
このように、ケース40内に固定治具80a、80bを置くことによって、スパッタターゲット30が移動を制限されるため、RFタグ11の配置の制約が少なくなる。具体的には、スパッタターゲット30が移動できない範囲にRFタグ11を配置することによって、スパッタターゲット30とRFタグ11が重なることが無くなるため、アンテナシート20と重なる位置であれば、RFタグ11は読み取り可能となる。
本実施形態に係る固定治具の形状は、直方体であったが、これに限られない。例えば、板状の部材を立てて置いても良い。また、棒状の部材を複数個立てて置いても良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上述した実施形態は、適宜、自由に組み合わせても良い。また、本発明において採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施形態において示したものに限定されないことは勿論である。
上記実施形態に係るアンテナシート20の第1の導体層23に含まれるメッシュ状の開孔の形状が正三角形である例について説明した。本発明において、メッシュ状の開孔の形状は、正三角形に限定されないことは勿論である。メッシュ状の開孔の形状は、例えば、正三角形以外の三角形、三角形以外の多角形(長方形、正方形、平行四辺形、菱形、五角形、六角形など)、円形、楕円形などであってもよい。
上記実施形態では、電波の周波数として、UHF帯の周波数(920MHz)を採用する例について説明した。本発明において採用する電波の周波数は、この周波数に限定されない。例えば、マイクロ波の周波数(2.45GHz)を採用してもよい。
上記実施形態に係るアンテナシート20は、ケース40を設置した棚50の上の棚50の下面に設置しても、ケース40を設置した棚50に設置しても良い。また、いずれの場合も、ケース40と棚50の間に緩衝材を設置しても良い。特に、アンテナシート20がケース40を設置した棚50に設置される場合には、緩衝材を設置することによって、アンテナシート20から放射された電波に対するスパッタターゲット30の影響を軽減することができる。
(実施例1)
第2実施形態および第3実施形態に係るRFタグシート10の読み取り効果の確認のため、以下の内容でテストを行った。テスト実施条件は、表1の通りである。
Figure 2018181200
リーダライタ100の設定は、動作モードをマージンテストモードとした。このモードでは、リーダライタ100の起動電力を15dBmから30dBmまで、1dBmずつ変えてテストを行うことによって、読み取り可能な電力を把握するものである。電波を供給する時間は、500msとした。ケース40の位置は、アンテナシート20の中央、すなわち、給電点から40cmの位置にケース40を設置した。
第3実施形態に係るRFタグシート10のテストの実施結果は、表2の通りである。
Figure 2018181200
アンテナシート20がケース40を設置した棚50の上の棚50の下面に設置されている場合と、ケース40を設置した棚50の上面に設置されている場合について、テストを行った。それぞれの場合について、ケース40の下に緩衝材を敷くことによって、アンテナシート20とRFタグシート10の間の距離を変えてテストを行った。なお、「最小起動電力」とは、リーダライタ100の起動電力を、15dBmから30dBmまでの16通りの起動電力のうち、制御装置200によってRFタグ11g、11hに格納された情報の読み取りができた最小の起動電力である。「電波強度(最小起動電力)」とは、それぞれの最小の起動電力におけるRFタグ11g、11hから受信した電波の強度である。また、「電波強度(30dBm)」とは、起動電力30dBmにおけるRFタグ11g、11hから受信した電波の強度である。なお、RFタグシート10の上にコピー紙5枚を重ねても値に変化は無かった。
また、第2実施形態に係るRFタグシート10のテストの実施結果は、表3の通りである。
Figure 2018181200
なお、第2実施形態に係るRFタグシート10では、アンテナシート20がケース40を設置した棚50の上の棚50の下面に設置されている場合には、制御装置200によるRFタグ11c、11d、11e、11fに格納された情報の読み取りができなかった。
以上のテストにより、第2実施形態および第3実施形態に係るRFタグシート10は、スパッタターゲット30の影響を考慮しなければ、RFタグ11c、11d、11e、11fに格納された情報を読み取ることができることがわかった。なお、第1実施形態に係るRFタグシート10は、第2実施形態と同様に金属非対応のRFタグ11a、11bを使用するため、第1実施形態のテスト結果は、第2実施形態と同様の結果になると考えられる。
(実施例2)
次に、表1のテスト実施条件の下で、第2実施形態および第3実施形態に係るRFタグシート10について、スパッタターゲット30の位置による読み取り可否を確認するテストを行った。
第3実施形態に係るRFタグシート10について、アンテナシート20がケース40を設置した棚50の上の棚50の下面に設置されている場合と、ケース40を設置した棚50の上面に設置されている場合について、リーダライタ100の起動電力を固定し、スパッタターゲット30の位置を変えてテストを行った。スパッタターゲット30の位置は、図12に示す通りである。テストの結果は表4の通りである。
Figure 2018181200
次に、第2実施形態に係るRFタグシート10について、アンテナシート20をケース40が設置される棚50の上面に設置して、リーダライタ100の起動電力を固定し、スパッタターゲット30の位置を変えてテストを行った。スパッタターゲット30の位置は、図13に示す通りである。テストの結果は表5の通りである。
Figure 2018181200
テストの結果、第2実施形態および第3実施形態に係るRFタグシート10について、スパッタターゲット30の位置を変えても、いずれかのRFタグの読み取りが可能となっていることがわかった。
1…物品管理システム、10…RFタグシート、11,11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h,11i,11j…RFタグ、12…アルミテープ、20…アンテナシート、21…電波インターフェース、22…保護フィルム、23…第1の導体層、24…絶縁体層、25…第2の導体層、26…保護フィルム、27…浸出領域、30…スパッタターゲット、40…ケース、50…棚、60…指示書、70…クリアケース、80a,80b…固定治具、100…リーダライタ、110…通信ケーブル、200…制御装置、210…第1の電極、220…第2の電極、230…誘電体

Claims (11)

  1. シート状の絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートと、
    前記複数のRFタグが発する前記識別情報を含む電波を捕捉し、前記識別情報を含む信号を送信するアンテナと、
    前記アンテナから前記信号を受信し、前記信号に含まれる前記識別情報を読み取る読み取りユニットと、
    前記読み取りユニットから前記識別情報を取得し、前記識別情報に基づいて、前記物品を管理する処理を実行する制御手段と、を備え、
    前記複数のRFタグは、前記RFタグシートが前記物品とともにケースに収納され、前記ケースが前記アンテナの設置された棚に設置された設置状態において、前記物品の前記ケース内における位置によらず、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記物品の前記ケース内での移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着される、
    物品管理システム。
  2. シート状の絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートと、
    前記複数のRFタグが発する前記識別情報を含む電波を捕捉し、前記識別情報を含む信号を送信するアンテナと、
    前記アンテナから前記信号を受信し、前記信号に含まれる前記識別情報を読み取る読み取りユニットと、
    前記読み取りユニットから前記識別情報を取得し、前記識別情報に基づいて、前記物品を管理する処理を実行する制御手段と、を備え、
    前記複数のRFタグは、前記RFタグシートが前記物品とともにケースに収納され、前記ケース内には、前記物品の前記ケース内での移動を制限するための固定治具が設置され、前記ケースが前記アンテナの設置された棚に設置された設置状態において、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記固定治具によって制限された前記物品の移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着される、
    物品管理システム。
  3. 前記アンテナは、2次元通信を行うアンテナシートである、
    請求項1または2に記載の物品管理システム。
  4. 前記RFタグシートは、前記設置状態における前記物品の水平方向の最大サイズよりも長い短辺を有する長方形状であり、
    前記アンテナシートは、前記RFタグシートの長辺の長さよりも短い短辺と、前記RFタグシートの短辺の長さよりも長い長辺とからなる長方形状であり、
    前記複数のRFタグは、前記RFタグシートの第1の長辺の中点から前記第1の長辺に沿って基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第1のRFタグと、前記第1の長辺とは異なる第2の長辺の中点から前記第2の長辺に沿って前記第1のRFタグとは反対方向に前記基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第2のRFタグとを含む、
    請求項3に記載の物品管理システム。
  5. 前記基準値は、前記アンテナシートの短辺の半分の長さである、
    請求項4に記載の物品管理システム。
  6. 前記基準値は、前記アンテナシートの短辺の半分の長さよりも小さい、
    請求項4に記載の物品管理システム。
  7. 前記RFタグシートは、前記設置状態における前記物品の水平方向の最大サイズよりも長い短辺を有する長方形状であり、
    前記アンテナシートは、前記RFタグシートの長辺の長さよりも短い短辺と、前記RFタグシートの短辺の長さよりも長い長辺とからなる長方形状であり、
    前記複数のRFタグは、前記RFタグシートの四隅に固着される4つのRFタグを含む、
    請求項3に記載の物品管理システム。
  8. 長方形状のシート状である絶縁体と、
    前記絶縁体に固着される複数のRFタグと、を備え、
    前記複数のRFタグは、前記絶縁体の第1の長辺の中点から前記第1の長辺に沿って基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第1のRFタグと、前記第1の長辺とは異なる第2の長辺の中点から前記第2の長辺に沿って前記第1のRFタグとは反対方向に前記基準値分シフトした点を覆う位置に固着される第2のRFタグとを含む、
    RFタグシート。
  9. 長方形状のシート状である絶縁体と、
    前記絶縁体に固着される複数のRFタグと、を備え、
    前記複数のRFタグは、前記絶縁体の四隅に固着される4つのRFタグを含む、
    RFタグシート。
  10. 棚にアンテナを設置し、
    シート状である絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートを前記物品とともにケースに収納し、
    前記ケースを前記棚に設置し、
    前記複数のRFタグを、前記RFタグシートを前記物品とともにケースに収納し、前記ケースを前記アンテナの設置された前記棚に設置した設置状態において、前記物品の前記ケース内における位置によらず、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記物品の前記ケース内での移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着する、
    物品管理方法。
  11. 棚にアンテナを設置し、
    シート状である絶縁体と、管理対象の物品を識別するための識別情報を記憶し、前記絶縁体に固着される複数のRFタグとを備えるRFタグシートを前記物品とともに、前記物品のケース内での移動を制限するための固定治具が設置されたケースに収納し、
    前記ケースを前記棚に設置し、
    前記複数のRFタグを、前記RFタグシートを前記物品とともにケースに収納し、前記ケースを前記アンテナの設置された前記棚に設置した設置状態において、前記複数のRFタグのうち少なくとも1つのRFタグの一部が、前記アンテナの受信範囲内であって、前記アンテナに向かう直線上に、前記固定治具によって制限された前記物品の移動範囲が含まれない配置で、前記RFタグシートに固着する、
    物品管理方法。
JP2017083817A 2017-04-20 2017-04-20 物品管理システム、rfタグシートおよび物品管理方法 Pending JP2018181200A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017083817A JP2018181200A (ja) 2017-04-20 2017-04-20 物品管理システム、rfタグシートおよび物品管理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017083817A JP2018181200A (ja) 2017-04-20 2017-04-20 物品管理システム、rfタグシートおよび物品管理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018181200A true JP2018181200A (ja) 2018-11-15

Family

ID=64275578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017083817A Pending JP2018181200A (ja) 2017-04-20 2017-04-20 物品管理システム、rfタグシートおよび物品管理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018181200A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9218560B2 (en) Device and method for establishing a data linkage between a RFID tag and an object to perform tagging test
JP5589630B2 (ja) アンテナ装置、rfidシステム
JP5121363B2 (ja) 通信改善装置、通信システムおよび物品情報取扱設備
CN107658548B (zh) 可动式天线及检查物品装置
JP4866456B2 (ja) Rfタグリーダライタ
JP2019003563A (ja) 情報出力システム
JP2014041410A (ja) ブースタアンテナ付非接触icラベル
JP5076439B2 (ja) Rfidタグ用ホルダー
US20220075966A1 (en) Communication sheet and electric power transmission method
JP6602524B2 (ja) 誘電体含有物内部に取り付けられたrfid装置を有する生産工具
JP2018181200A (ja) 物品管理システム、rfタグシートおよび物品管理方法
JP5715663B2 (ja) ハンディアンテナ、棚卸装置、棚卸システム及び棚卸方法
JP4445362B2 (ja) 無線タグ読取装置
JP6909067B2 (ja) 情報出力システム
JP5720271B2 (ja) 光記録媒体用ケース、ブーストアンテナ、および、管理システム
JP2009123058A (ja) 非接触型icタグ及び非接触型icタグの製造方法
JP2007156672A (ja) リーダライタモジュール
JP2018163602A (ja) 物品管理システム
JP6151733B2 (ja) アンテナ及びアンテナの偏波切替方法
JP4473084B2 (ja) 無線タグ読取装置
JP2014041444A (ja) Rfidタグ及びrfidシステム
JP4887813B2 (ja) Rfid情報記録媒体
JP2014041443A (ja) Rfidタグ及びrfidシステム
JP4961884B2 (ja) Rfidタグ用ホルダー
CN105989454A (zh) 货物装卸管理系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201117

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210518