JP2018181153A - フィルム構造体 - Google Patents
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例えば、特許文献1に示すような透明基材の上に金属配線層と、視認性を低下させるため金属光沢の反射率を低下させる黒化層とを備える製造方式がある。
図10を用いて特許文献1について簡単に説明する。図10において、黒化層25を透明基材22に設けられている金属配線層24の上に備えることにより、金属配線層24の反射率を低下させることで視認性が低下する。なお、この方式については、特許文献1に詳しく説明されている。
金属配線の接着性を向上させるためには、単純には、金属配線の表面積を増やすか、又は、金属配線の表面粗さを粗くすればよいと考えられる。
しかしながら、単純に表面積を増やすと、視認性が上がってしまうという課題があった。また、単純に表面粗さを粗くすれば、断面積が小さな部分が生じてしまい、電気抵抗が増加してしまうという課題があった。
凹部が形成された透明基材と、
前記凹部の底部に設けられた金属配線と、
前記透明基材上に配された接着層とを備え、
前記金属配線の表面粗さが前記透明基材の表面粗さよりも小である。
以下、本発明の第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
図1に、本発明の第1の実施形態におけるフィルム構造体1の厚み方向の断面の一部を示した概略図を示す。フィルム構造体1の主な用途はノートパソコン又はタブレットなどにおけるタッチパネル用の静電容量式センサである。
図1において、フィルム構造体1は、透明基材2と、金属配線4と、接着層5とを備えて構成されている。
金属配線4は、金属で構成される導電層であり、少なくとも凹部3の底部3aの全部を覆うように配される。さらに、必要に応じて、凹部3の側面部3bにも金属配線4を設ければよい。一般的に、線幅が3μmを下回ると人間の目視では視認困難となり、線幅が2μm以下となると、人間の目視では視認不可能となる。このため、フィルム構造体1の平面視において、金属配線4の幅を2μm以下としている。一方で、凹部3の側面部3bに沿うように金属配線4を側面部3bにも設ける場合には、金属配線4の体積を増加させて、電気抵抗を下げることができる。加えて、金属配線4を凹部3の側面部3bに沿わせていることで、平面視において、金属配線4の幅は、凹部3の底部3aの幅と変わらない、すなわち、凹部3の側面部3bに沿う金属配線4は、凹部3の底部3aの金属配線4と重複するため(凹部3の側面部3bに沿う金属配線4は、平面視で見えない)、低い視認性を担保しつつ低抵抗を実現できる。
このようにすることで、金属配線4の視認性を低下させつつ凹部3の側面部3b及び底部3aに低抵抗率となるように金属配線4を設けながら、透明基材2の表面粗さRaを金属配線4の表面粗さRaよりも粗くすることで金属配線4と接着層5との接着性が向上したフィルム構造体1を製造できる。
本発明の第1の態様によれば、凹部が形成された透明基材と、
前記凹部の底部に設けられた金属配線と、
前記透明基材上に配された接着層とを備え、
前記金属配線の表面粗さが前記透明基材の表面粗さよりも小である、フィルム構造体を提供する。
このような構成によれば、透明基材の表面粗さを大きくすることで、透明基材と接着層との接着性を向上させることができる。また、これにより、透明基材表面の高い表面粗さRaにより、透明基材と接着層とのアンカー効果を増加させ、透明基材の上面部の接着層との密着性を確保することができる。
前記接着層の一部は、前記凹部内に位置する、第1の態様に記載のフィルム構造体を提供する。
このような構成により、接着層に対して凹部がアリ溝形状となり、かつ、そのアリ溝形状の凹部内に接着層の一部が位置することにより、接着層の透明基材に対する抜け止め効果を発揮させることができて接着層が透明基材から剥離しにくくなり、接着層と透明基材との接着性が更に向上する。
前記凹部の開口は、前記透明基材の厚さ方向の断面において、前記凹部の前記底部より狭小であって、平面視において、前記金属配線の幅は、前記凹部の前記底部の幅と同じであり、
前記接着層の一部は、前記凹部内に位置する、第1の態様に記載のフィルム構造体を提供する。
このような構成により、金属配線が底部と側面部に設けられるので、金属配線の体積を増加させ、抵抗率を低下させることができる。また、金属配線を凹部の側面部に沿わせていることで、平面視において、金属配線の幅は、凹部の底部の幅と変わらない。すなわち、凹部の側面部に沿う金属配線は、凹部の底部の金属配線と重複するため、低い視認性を担保しつつ低抵抗を実現できる。
このような構成により、透明基材の表面粗さRaをRa=4nm以上とすることで透明基材と接着層との接着性を向上することができるとともに、Ra=10nm以下とすることで、Ra=10nmを超えることによる光学鏡面が失われることを防止できる。
このような構成により、金属配線の局所的な細りが発生し難く、金属配線の断面積の低下が抑えられるため、電気抵抗の悪化を抑制することができる。また、金属配線の表面粗さを前記したように構成することにより、静電気による配線破壊も起こり難くすることができる。
2 透明基材
3 凹部
3a 底部
3b 側面部
3c 開口部
4 金属配線
5 接着層
6 透明保護基材
7 マスク層
7a 開口
9 透明基材の上面部
10 研磨剤
11 研磨工具
Claims (5)
- 凹部が形成された透明基材と、
前記凹部の底部に設けられた金属配線と、
前記透明基材上に配された接着層とを備え、
前記金属配線の表面粗さが前記透明基材の表面粗さよりも小である、フィルム構造体。 - 前記凹部の開口は、前記透明基材の厚さ方向の断面において、前記凹部の前記底部より狭小であり、
前記接着層の一部は、前記凹部内に位置する、請求項1に記載のフィルム構造体。 - 前記金属配線が前記凹部の側面部に沿わせて設けられ、
前記凹部の開口は、前記透明基材の厚さ方向の断面において、前記凹部の前記底部より狭小であって、平面視において、前記金属配線の幅は、前記凹部の前記底部の幅と同じであり、
前記接着層の一部は、前記凹部内に位置する、請求項1に記載のフィルム構造体。 - 前記透明基材の前記表面粗さがRa=4nm以上かつRa=10nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のフィルム構造体。
- 前記金属配線の前記表面粗さは、Ra=2nm以上かつRa=4nm以下である、請求項1〜4のいずれか1つに記載のフィルム構造体。
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