JP2018180702A - 探査車とそれを用いた探査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】探査車を持ち運びしやすくし、作業に先行して無人で探査を行う。【解決手段】車輪5を有する車体4と、車体4を前後進自在に走行させる駆動モータ10と、車輪5の回転を計測し計測データを出力する回転数検知センサ32と、設定走行距離Lsと速度Vs、Vlとのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報D1、D2が入力されると、駆動モータ10を制御して車体4を探査方向に走行させ、回転数検知センサ32から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離Lcを導き、車体4が計測により導かれた走行距離Lsに達すると車体4を復帰させる制御盤20と、探査時、周囲の様子を撮影するカメラ30A〜30Cとを設け、車体4をレール3に配し、走行指示情報D1、D2に基づいて車体4を探査方向に走行させ、探査走行時、カメラ30A〜30Cにより周囲の様子を撮影し、走行距離Lcが設定走行距離Lsに達すると、車体4を復帰させる。【選択図】図9
Description
本発明は、鉄道において軌道を点検する探査車とそれを用いた探査方法に関するものである。
従来、荒天後の鉄道の点検作業や、保守時の点検作業では、保線用カートを軌道上に持ち込み、一人または複数の作業員が乗り込んで走行し、目視により軌道上の点検作業を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。この従来の保線用カートは、車輪により軌道上を走行する台車と、前後の車軸に駆動チェーンを通じて回転駆動力を出力する直流ブラシレスモータと、台車に着脱自在に取り付けられ、直流ブラシレスモータに電力を供給するリチウムイオンバッテリと、リチウムイオンバッテリから直流ブラシレスモータに供給される電力をオン・オフ可能に制御するとともに直流ブラシレスモータの回転駆動力を可変に制御し、前後の各直流ブラシレスモータを同期させて回転駆動させる駆動制御装置とを備えて構成される。
しかしながら、上記従来の点検作業では、保線用カートに実際に作業員が乗り込み、目視による点検作業を行うため、例えば、荒天後に倒木や土砂崩れなどの可能性が考えられる危険な場所に作業員を派遣するのは、勢い慎重にならざるを得ず、復旧作業に手間取るという問題がある。また、実際に人が乗り込む保線用カートを軌道に持ち込んで用いなければならず、人を運ぶためモータやバッテリが大型化し、カート自体が大型化・重量化してしまうという問題がある。このため、点検作業にあたっては、一人の作業員で保線用カートを軌道に持ち込むのは難しく、複数の作業員が必要となるという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、作業員による点検作業や保守作業に先立って無人で安全かつ効率よく点検を行うことができ、しかも、軽量かつ簡素な構成で、一人の作業員でも持ち運びでき、元の場所に自動的に戻ってくることができる探査車とそれを用いた探査方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の発明に係る探査車は、車輪を有し経路に配置される車体と、車輪を回動自在に駆動させ、車体を走行させる駆動手段と、車輪の回転を計測する計測手段と、走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を経路に沿って探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えたことを特徴としている。
本発明の第1の発明に係る探査車では、車輪を有し経路に配置される車体と、車輪を回動自在に駆動させ、車体を走行させる駆動手段と、車輪の回転を計測する計測手段と、走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を経路に沿って探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えたことにより、作業員が探査場所や点検場所に行く前に予め無人で点検し、戻ってくると、探査場所や点検場所だけでなく経路の様子も映像で確認することができ、作業の安全性が向上するとともに、映像に基づいて作業プランをたてることができ、作業効率が向上する。また、探査車を簡素な構造として軽量化することができるので、持ち運びしやすく、機動性に富んだ使い方ができる。
さらに、本発明に係る探査車では、車体には、障害物を検知し制御手段に検知信号を出力する障害物検知手段を設け、制御手段は、車体走行時、障害物検知手段から検知信号を受け取ると、車体の走行を停止し元の走行開始位置に復帰させることが好ましい。係る構成とすることにより、危険な場所に作業員を派遣するのに先だって、無人の探査車で探査することができるので、点検保守作業の安全性が向上する。また、車体には、入出力表示面を通じて走行指示情報が制御手段に入力されるとともに、入力された走行指示情報と計測により導かれた走行距離とを表示可能な入出力表示手段を設けるようにしてもよい。このような構成とすることにより、作業員は現場で機動的かつ柔軟に走行指示情報を設定することができる。さらに、走行指示情報は、それぞれ予め設定された設定走行距離と設定速度との情報が含まれる第1の走行指示情報と、歩行速度に準じて設定された歩行対応速度の情報が含まれる第2の走行指示情報とを含み、制御手段は、第1の走行指示情報に基づいて探査車が設定走行距離に達すると復帰させる自動往復走行モードと、第2の走行指示情報に基づいて探査車を前進、後進または停止のうちいずれかを選択して制御する手動走行モードとのうちいずれか一方のモードに基づいて車体を走行させ、入出力表示手段の入出力表示面には、これら走行モードが選択可能に表示されるとともに、作業員により一方の走行モードが選択されると、入出力表示手段は、選択された走行モードでの走行を制御手段に指示し、制御手段は、自動往復走行モード選択時、入出力表示面の前進走行指示部が操作されると、走行開始の指令信号を駆動手段に送信し、手動走行モード選択時、入出力表示面の前進走行指示部が操作されると、前進の指令信号を、後退走行指示部が操作されると、後退の指令信号をそれぞれ駆動手段に送信するとともに、車体に設けられた制動装置を操作して駆動手段の動作を停止させ、車体を停止させることが好ましい。係る構成とすることにより、探査距離の遠近に応じて走行モードを切り換えて走行指示情報を送ることができ、作業性が向上し効率よく探査を行うことができる。
また、制御手段は、車体に搭載された制御盤と、作業員により携帯され、この制御盤に無線を介して制御指令信号を遠隔操作により入力する遠隔操作装置とを備えて構成されることが好ましい。このような構成とすることにより、探査車から離れた場所で制御指令信号を送出することができるので、操作性が向上し、安全に作業を行うことができる。さらに、遠隔操作装置は、前進と後進の各指令信号をそれぞれ制御盤に送信する前進走行指示ボタンと後退走行指示ボタンとを有し、遠隔操作装置は、自動往復走行モード選択時には、前進走行指示ボタンのワンタッチ操作により探査走行開始の指令信号を制御盤に送信し、手動走行モード選択時には、前進走行指示ボタンの押し続け操作により前進走行の指令信号を制御盤に継続して送信し、後退走行指示ボタンの押し続け操作により後退走行の指令信号を制御盤に継続して送信し、これら両走行指示ボタンの非操作時、制御盤への送信を停止し、車体を停止させることが好ましい。係る構成とすることにより、作業者は手元で遠隔操作装置を用いて機動的に操作することができ、操作性が向上する。また、入出力表示手段には、選択操作されると制御盤に障害物検知手段の動作を停止させる作動オン・オフ部が表示されるとともに、遠隔操作装置は、操作されると制御盤に障害物検知手段の動作を停止させる作動オン・オフボタンを有するようにしてもよい。さらに、各走行モードにおける探査走行時の設定速度を、歩行速度に準じた1km/h以上5km/h未満の低速とし、任意の設定速度を5km/h以上の高速とし、第1の走行指示情報の設定速度は、作業開始直前に入力された任意の速度が優先して設定されることが好ましい。また、探査走行時と復帰時の速度を異ならせ、復帰時の速度を探査走行時の速度より高速にしてもよい。このように構成することにより、作業の効率化を図ることができる。さらに、車体を管状枠からなる無人の四輪台車により構成し、この四輪台車は、バッテリと電気的にそれぞれ接続され、車輪を駆動する電動モータを備えるとともに、制動装置を、常時車輪を制動し電動モータの動作時のみ制動を解除する電磁ブレーキにより構成し、電磁ブレーキには、操作に応じて制動を強制的に解除する制動強制解除部材を設けてもよい。また、撮像手段を、経路または経路周囲の状況を計測または検査する計測・検査手段により構成してもよい。
本発明の第2の発明に係る探査車を用いた探査方法は、車輪を有し経路に配置される車体と、車輪を回動自在に駆動させ、車体を走行させる駆動手段と、車輪の回転を計測する計測手段と、走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を経路に沿って探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えた探査車を用いた探査方法であって、作業員により車体を経路に配置する第1のステップと、制御手段に走行指示情報が入力されると、制御手段により入力された走行指示情報に基づいて車体を駆動制御して探査方向に走行させ、探査走行時、撮像手段により周囲の様子を撮影する第2のステップと、計測手段により車輪の回転を計測し、計測されたデータに基づいて実際に走行した走行距離を導く第3のステップと、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると、車体を復帰させる第4のステップとを有することを特徴としている。
本発明の第2の発明に係る探査車を用いた探査方法では、車輪を有し経路に配置される車体と、車輪を回動自在に駆動させ、車体を走行させる駆動手段と、車輪の回転を計測する計測手段と、走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を経路に沿って探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えた探査車を用いた探査方法であって、作業員により車体を経路に配置する第1のステップと、制御手段に走行指示情報が入力されると、制御手段により入力された走行指示情報に基づいて車体を駆動制御して探査方向に走行させ、探査走行時、撮像手段により周囲の様子を撮影する第2のステップと、計測手段により車輪の回転を計測し、計測されたデータに基づいて実際に走行した走行距離を導く第3のステップと、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると、車体を復帰させる第4のステップとを有するようにしたことにより、作業員が探査場所や点検場所に行く前に予め無人で点検し、戻ってくると、探査場所や点検場所だけでなく経路の様子も映像で確認することができ、作業の安全性が向上するとともに、映像に基づいて作業プランをたてることができ、作業効率が向上する。
さらに、本発明に係る探査車を用いた探査方法では、車体には、障害物を検知し制御手段に検知信号を出力する障害物検知手段と、入出力表示面を通じて走行指示情報が制御手段に入力されるとともに、入力された走行指示情報と計測により導かれた走行距離とを表示可能な入出力表示手段とを設け、制御手段は、車体走行時、障害物検知手段から検知信号を受け取ると、車体の走行を停止し元の走行開始位置に復帰させるよう構成され、第2のステップで、探査走行時に、制御手段は、障害物検知手段により障害物が検知されると、車体の走行を停止し、第3のステップで、停止位置までの実際の走行距離を導き、第4のステップで、停止位置から車体を復帰させ、入出力表示面に実際の走行距離を表示することが好ましい。係る構成とすることにより、危険な場所に作業員を派遣するのに先だって、無人の探査車で探査することができるので、点検保守作業の安全性が向上する。また、走行指示情報は、それぞれ予め設定された設定走行距離と設定速度との情報が含まれる第1の走行指示情報と、歩行速度に準じて設定された歩行対応速度の情報が含まれる第2の走行指示情報とを含み、制御手段は、第1の走行指示情報に基づいて探査車が設定走行距離に達すると復帰させる自動往復走行モードと、第2の走行指示情報に基づいて探査車を前進、後進または停止のうちいずれかを選択して制御する手動走行モードとのうちいずれか一方のモードに基づいて車体を走行させるよう構成され、第2のステップで、作業員により自動往復走行モードまたは手動走行モードのいずれか一方が選択されることが好ましい。係る構成とすることにより、探査距離の遠近に応じて走行モードを切り換えて走行指示情報を送ることができ、作業性が向上し効率よく探査を行うことができる。さらに、制御手段は、車体に搭載された制御盤と、作業員により携帯され、この制御盤に無線を介して制御指令信号を遠隔操作により入力する遠隔操作装置とを備え、第2のステップで、自動往復走行モード選択時に、遠隔操作装置の前進走行指示ボタンをワンタッチ操作すると、走行開始の指令信号を制御盤に送信して、車体の走行を開始させ、手動走行モード選択時に、遠隔操作装置の前進走行指示ボタンを押し続けると、制御盤に前進の指令信号を継続して送信し、車体を継続して前進させ、遠隔操作装置の復帰操作ボタンを押し続け操作すると、制御盤に後進の指令信号を継続して送信し、車体を継続して後進させ、前進走行指示ボタンと復帰操作ボタンとのいずれも操作されないと、車体を停止させたままにすることが好ましい。このような構成とすることにより、探査車から離れた場所で制御指令信号を送出することができるので、操作性が向上し、安全に作業を行うことができる。
本発明に係る探査車は、車輪を有し経路に配置される車体と、車輪を回動自在に駆動させ、車体を走行させる駆動手段と、車輪の回転を計測する計測手段と、走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を経路に沿って探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えた「請求項1の構成」ようにしたので、作業員が探査や点検に行く前に、予め無人で点検し、復帰後、映像で確認することができ、作業の安全性が向上するとともに作業効率が向上する。また、探査車を簡素な構造として軽量化することができるので、持ち運びしやすく、作業性が向上する。
本発明に係る探査車を用いた探査方法は、車輪を有し経路に配置される車体と、車輪を回動自在に駆動させ、車体を走行させる駆動手段と、車輪の回転を計測する計測手段と、走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を経路に沿って探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えた探査車を用いた探査方法であって、作業員により車体を経路に配置する第1のステップと、制御手段に走行指示情報が入力されると、制御手段により入力された走行指示情報に基づいて車体を駆動制御して探査方向に走行させ、探査走行時、撮像手段により周囲の様子を撮影する第2のステップと、計測手段により車輪の回転を計測し、計測されたデータに基づいて実際に走行した走行距離を導く第3のステップと、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると、車体を復帰させる第4のステップとを有するようにしたので、作業員が点検場所に行く前に予め点検することができ、作業の安全性が向上するとともに作業効率が向上する。
以下、本発明に係る探査車について、図面に示す一実施形態により説明する。本発明の一実施形態に係る探査車2は、図1ないし図3に示すように、鉄道のレール(経路)3(3A、3B)に載置されて走行される。探査車2は、無人で走行される軌道走行用台車からなる車体(車枠)4と、車体4に回動自在に設けられレール3を転動する前後輪の車輪5とを備えている。
車体4は、管状枠4A〜4Jにより構成される。すなわち、車体4は、左右の側枠4A、4Bを備えている。側枠4A、4Bは、図3に示すように、下辺部4Ad、4Bdと、この下辺部4Ad、4Bdより短寸の上辺部4Au、4Buと、下辺部両端の湾曲部から垂直に立ち上がる垂直立ち上がり部4Al、4Blと、垂直立ち上がり部4Al、4Blに連続し上辺部両端の弧状部に接続される前後の傾斜部4As、4Bsとを有して形成される。車体4は、図1および図2に示すように、これら側枠4A、4Bと、これら両側枠4A、4Bの下辺部間をそれぞれ連結する下枠4C、4Dと、両側枠4A、4Bの上辺部4Au、4Bu間をそれぞれ連結する上枠4E、4Fと、両側枠4A、4Bの垂直立ち上がり部4Al、4Bl間を前後でそれぞれ連結する前後枠4G、4Hと、両側枠4A、4B間の中央に等間隔に隔てられて設けられ、両側枠4A、4Bとほぼ同一の形状を有し、下枠4C、4Dと前後枠4G、4Hと上枠4E、4Fとを連結する中央枠4Iとを備えて構成される。
左右の両側枠4A、4B間には、各下辺部4Ad、4Bdの前後にそれぞれ車軸6A、6Bが回動自在に支持され、車軸6A、6Bの両端に車輪5が取り付けられる。各側枠4A、4Bには、上辺部4Au、4Buと下辺部4Ad、4Bdとの間にそれぞれ、L字状の支持金具4Aa、4Ab、4Ba、4Bbが設けられる。下枠4C、4D間には、中央枠4Iと左側の側枠4Aとの間に支持枠4Jが設けられる。これら枠4A〜4Jはアルミ製の中空パイプから形成され、軽量化を図るようになっている。また、中央枠4Iと右側枠4Bの下辺部4Bdとの間には、前後の下枠4C、4D間に支持床4Kが設けられる。
これら中央枠4Iの下辺部と支持枠4Jとには、駆動モータ(駆動手段)10が、中央枠4I下辺部と支持枠4Jと前方側の下枠4Cとの上には、バッテリ載置プレート11を介してリチウムイオンバッテリ12がそれぞれ搭載される。駆動モータ10の出力軸13には、カップリング14を介して回動力を後方側車軸6Bに伝達するプーリ75が設けられるとともに、この出力軸13の同一軸上に無励磁型電磁ブレーキ16が設けられる。この電磁ブレーキ16は非通電状態(リチウムイオンバッテリ12からの電源がオフ状態)で常時制動状態になっており、駆動モータ10の駆動時には、後述する制御盤20(図3、図4参照)からの指令信号に基づいて制動が解除される。駆動モータ10の非動作時でかつリチウムイオンバッテリ12に通電している状態か、または、非通電時には、制動状態となっている。この無励磁型電磁ブレーキ16は、リチウムイオンバッテリ12と通電・非通電状態に拘わらず、後述する操作杆(制動強制解除部材)16A(図3参照)の操作により手動で制動状態を強制的に解除することができるようになっている。
支持床4Kには、駆動モータ10と電気的に接続され駆動モータ10を駆動制御する制御盤(制御手段、コントローラ)20(図2、図3参照)と、この制御盤20と電気的に接続され、作業員により入力された第1第2の走行指示情報D1、D2をタッチパネル画面(表示面)22(図5参照)に表示するとともに、これら入力された第1第2の走行指示情報D1、D2を制御盤20に送信する入出力表示装置(タッチパネル表示装置、入出力表示手段)21とが搭載される(図1ないし図3参照)。これら制御盤20と入出力表示装置21は、角箱形のケース23内に収容される。駆動モータ10は、制御盤20を介してリチウムイオンバッテリ12と電気的に接続される。制御盤20は、図示しない中央演算処理装置とメモリ部とを備え、入出力表示装置21を通じて選択された第1第2の走行指示情報D1、D2のうちいずれか一方に基づいて駆動モータ10を正逆自在に回動させる。入出力表示装置21のタッチパネル画面22は、ケース23の右側壁部23Aに開口された窓23Bから外部に露出されるようになっている。車体4は、制御盤20により駆動モータ10が駆動制御されると無人で走行される。なお、制御盤20は、入出力部と表示部と中央演算処理部とメモリとを備えた端末装置から構成してもよい。
車体4の後枠4Hには、非常停止ボタン25が設けられる。この非常停止ボタン25を押し操作すると、無励磁型電磁ブレーキ16を非通電状態にして制動動作させ車体4を停止させるようになっている。また、無励磁型電磁ブレーキ16には、図示しない制動強制解除機構が設けられ、非通電時、操作杆16Aの操作により制動を強制的に解除するようになっている。ケース23の前方側の壁面には、回転灯(パトロールライト)26と警報器(ホーン)27が、また、前後枠4G、4Hの中央にはそれぞれ、LEDの照明装置28A、28Bが設けられる。
前方側照明装置28Aの下方には、衝突防止センサ(障害物検知手段)29が設けられる(図1、図2参照)。この衝突防止センサ29は、障害物OB(図11参照)を検知すると検知信号を制御盤20に送出するようになっている。制御盤20は、検知信号を受け取ると、駆動モータ10の駆動を一旦停止し、所望の時間(本実施形態では、1秒〜60秒)に設定された待機時間t経過後、駆動モータ10を逆に回転させて車体4を後退させ、元の探査開始位置に復帰させるようになっている。図2に示す符号Rdは、衝突防止センサ29の検出レベル(検出面)を示す。
前枠4Gの右方側と後枠4Hの左方側にはそれぞれ、ワイヤレスカメラ(撮像手段)30A、30Bが、前枠4Gの左方側には、360度カメラ30Cがそれぞれ設けられ、制御盤20のメモリ部または図示しない外付けの記憶装置に映像データを記録し保存するようになっている。これらカメラ30A、30B、30Cは、無線を通じて制御盤20により動作のオンオフが行われるようになっており、探査走行時に動作されるようになっている。探査方向の走行は、前進方向で行われ、復帰の後退方向は後進方向となっている。なお、作業内容に応じて、この方向を逆にし、探査方向の走行を後進方向としてもよい。車体4が探査用に前進方向に走行される際には、前方側のカメラ30Aと360度カメラCのみが動作し、車体4が後進方向に探査走行される際には、後方側のカメラ30Bと360度カメラCのみが動作されるようになっている。また、前方側照明装置28Aと後方側照明装置28Bは、入出力表示装置21のタッチパネル画面22に表示された操作ボタンにより点灯、消灯が操作されるようになっている。回転灯26は、衝突防止センサ29が解除されると、動作されるようになっている。なお、カメラ30A、30B、30Cには、図示しない送信装置を設け、作業員が携帯する図示しない端末装置を通じて、カメラ30A、30B、30Cで撮影された画像をリアルタイムで見るようにしてもよい。また、衝突防止センサ29は、上述のように、前方側だけでなく後方側にも設けるようにしてもよい。その場合、後進側の衝突防止センサを動作させれば、障害物OBを検知することができる。
探査車2には、図4に示すように、車輪5の回転に基づいて車体4が実際に走行した走行距離を導く走行距離計測機構(走行距離計測手段)31が設けられる。走行距離計測機構31は、後方側下枠4Dに設けられ、駆動側車軸6Bの探査走行時(前進方向走行時)の回転数を計測し、計測データを外部に出力する回転数検知センサ32と、この計測データと車輪5の径とに基づいて走行距離を導く制御盤20の中央演算処理装置(図示せず)とを備えて構成される。導かれた走行距離Lcは制御盤20を通じて入出力表示装置21のタッチパネル画面22に表示される。この走行距離計測機構31では、回転数検知センサ32が駆動側車軸6Bの回転数を計測し、計測データを制御盤20に出力すると、制御盤20はこの計測データと車輪5の径とに基づいて実際の走行距離Lcを導き、入出力表示装置21に実際に走行した走行距離Lcを表示するようになっている。
入出力表示装置21には、作業員によりタッチパネル画面22を通じて、第1第2の走行指示情報D1、D2が入力されるようになっている。第1第2の走行指示情報D1、D2には、異なる走行モードにそれぞれ対応する第1第2の走行指示情報がD1、D2が含まれる。第1の走行指示情報D1は、作業員によりそれぞれ入力されて設定された設定走行距離(探査用の移動距離)Lsと設定速度Vs(またはVl)とにより構成される。この第1の走行指示情報D1は、自動往復走行モードM−ARによる駆動制御として制御盤20の図示しないメモリ部に記憶される。自動往復走行モードM−ARは、車体4を設定速度Vsで走行させ、実際の走行距離Lcが設定走行距離Lsに達すると、車体4を一旦停止させて、元の走行開始位置まで復帰させる運転モードである。第2の走行指示情報D2は、作業員により入力されて設定された設定速度Vl(またはVs)のみにより構成され、走行距離の情報は含まれていない。この第2の走行指示情報D2は手動走行モードM−RCによる駆動制御として制御盤20に記憶される。手動走行モードM−RCは、車体4の前進、後進または停止の動作を、一つ一つ手動の操作で行う運転モードで、前進時または後進時の速度を設定速度Vl(またはVs)とする運転モードである。すなわち、第1の走行指示情報D1では、設定走行距離Lsと設定走行速度Vs(またはVl)との両方が設定されるのに対し、第2の走行指示情報D2では、走行距離を設定せず、速度Vlのみ設定する点が異なっており、これにより、車体4の走行を制御する運転モードが、自動往復走行モードM−ARと手動走行モードM−RCとに分けられる。
第2の走行指示情報の設定速度Vlは、盤内のボリュームとして安全上予め制御盤20に設定された歩行速度に準じた1km/h以上5km/h未満の範囲の速度で、この範囲の低い速度から選択されて設定されるようになっている。つまり、作業員がレール3に沿って歩いて行く速度に準じる速度またはそれより遅い速度に設定される。運転モードがこの手動走行モードM−RCの場合、車体4が作業員に付き添って走行することになり、必要に応じて、非常停止ボタン25で停止させることもできるようになっている。
他方、第1の走行指示情報D1の設定速度Vsは、これら低速度より高速の任意の速度(5km/h以上)で、本実施形態では、最高20km/hまでの速度が設定できるようになっている。また、設定走行距離Lsは、本実施形態に係る探査車2では、1〜2000mの範囲で設定され、標準の設定を2kmとしている。なお、作業内容や探査目的に応じて搭載するリチウムイオンバッテリ12の搭載台数により8km以上にも設定できる。なお、1〜5km/hの範囲の低速度に設定すると、歩行速度またはそれより低速となり安全な速度とすることができることに加え、このような低速に設定すると、用途に応じて、例えば、軌間測定装置(計測・検査手段)を搭載してレーザーで軌間を計測したり、図12、図13に示すように、建築限界測定装置(計測・検査手段)50を搭載して建築限界を測定する際に正確なデータを得ることができるようになっている。すなわち、カメラ30A、30B、30Cによる探査経路に沿って撮像データを取得するだけでなく、探査経路に沿って、軌間を測定したり建築限界を測定することができるようになっている。この他にも、搭載する装置の変更によって、軌道の高低差やレールの遊間、或いは絶縁・短絡の抵抗値などの保線上、不可欠な種々のデータを計測・測定することが可能となっている。このように、軌間測定装置や建築限界測定装置等を搭載して計測や測定を行う場合、運転モードを自動往復走行モードM−ARに設定し、第1の走行指示情報D1の設定速度を、歩行速度に準じた1km/h以上5km/h未満の範囲の低速度Vlに設定してもよいことはいうまでもない。建築限界測定装置50は、図12に示すように、上枠4E、4F上に設けられ、レーザー照射により、トンネル内の建築限界を測定するようになっている。建築限界測定データは制御盤20または図示しないパソコン(携帯端末)に送られ、走行情報と関連づけされ、位置または場所が特定されるようになっている。
第1の走行指示情報D1に基づいて走行が制御される場合、すなわち、自動往復走行モードM−ARで走行が制御される場合、制御盤20は、予め設定された設定走行距離Lsと設定速度Vs(Vl)とに基づいて車体4を走行させ、車体4が設定走行距離Lsに達すると、車体4を一旦停止させて所定時間t(本実施形態では、1秒〜60秒、図6の(B)の待機時間設定画面参照)止まり、その後折り返して、元の走行開始位置に復帰させるようになっている。制御盤20は、設定走行距離Lsに達したか否かを、走行距離計測機構31により導かれた実際に走行した走行距離Lc(=走行開始位置からの到達距離Lr)に基づいて判別するようになっている。また、制御盤20は、車体4が走行中、衝突防止センサ29が障害物OBを検知すると、車体4を一旦停止させて所定時間t(1秒〜60秒)止まり、その後、元の走行開始位置に復帰させるようになっている。停止時に所定の停止時間tを設定するのは、カメラ30A、30B、30Cにより停止位置における現場の状況をより確実に残すためである。
第2の走行指示情報D2に基づいて走行が制御される場合、すなわち、手動走行モードM−RCで走行が制御される場合、制御盤20は、予め歩行速度に準じた1km/h以上5km/h未満の範囲の速度から所望の速度を選択して設定速度Vl(例えば、Vl=3km/h)として入力し、入出力表示装置21のタッチパネル画面22の操作ボタン(「前進」ボタン24A、「後退」ボタン24B、図6の(A)の手動操作画面参照)の操作により前進または後進させ、作業員の歩行に応じて追従させるようになっている。このとき、カメラ30A、30B、30Cは必要に応じて動作させてもよいし、動作させなくともよい。そして、作業員とともにこの手動走行モードM−RCで探査用に走行させる際には、車体4は作業員に追従するので、衝突防止センサ29の動作を停止させるようにしてもよい。
入出力表示装置21のタッチパネル画面22には、図5(A)の距離設定画面に示すように、走行モード入力表示部(「AUTO−RETURN」で表示)22Dにこれら走行モードM−AR、M−RCの情報が選択可能に表示されるようになっている。この走行モード入力表示部22Dが点灯していると、自動往復走行モードM−ARが選択されている状態を示し、この表示部22Dがタッチ操作されて消灯されていると、手動走行モードM−RCが選択されている状態を示している。
また、このタッチパネル画面22には、走行距離計測機構31により導かれた実際に走行した走行距離Lcが走行距離表示部22Aに出力されて表示される。さらに、このタッチパネル画面22には、車体4が探査用の走行を開始して折り返すまでの距離、すなわち、走行開始位置から折り返し位置までの到達距離Lr(Ls≧Lr=Lc)が到達距離表示部22Cに表示される。到達距離Lrは、探査車2が障害物OBを検知することなく、設定された設定走行距離Ls分の走行が完了した場合には、設定走行距離Lsと同じとなり、探査車2が障害物OBを検知した場合、走行開始から検知して折り返すまでの実際の走行距離Lcとなる。このため、障害物OBを検知した場合、走行開始位置からどの位の距離に障害物OBがあるかわかるようになっている。また、このタッチパネル画面22には、速度表示部22G(図5の(B)の速度設定画面参照、「速度」で表示))には、実際に走行している速度Vrが表示される。これら設定走行距離Ls、設定速度Vs、実際の走行距離Lcは制御盤20の図示しないメモリ部に記録される。
入出力表示装置21は、作業員によりタッチパネル画面22に表示された走行モードM−AR、M−RCのうち一方が選択されると、入出力表示装置21は選択された走行モードM−ARまたはM−RCの情報を制御盤20に送信し、制御盤20は選択された走行モードM−ARまたはM−RCに基づいて駆動モータ10を制御可能な状態に待機させるようになっている。自動往復走行モードM−ARが選択されて、駆動モータ10が制御可能な待機状態のとき、入出力表示装置21のタッチパネル画面22に表示された前進走行指示部24A(図6の(A)の手動操作画面参照、「前進」で表示)を作業員がタッチすると、入出力表示装置21は制御盤20に自動往復走行モードM−ARで走行開始の指令信号を送信するようになっている。他方、手動走行モードM−RCが選択された場合にも、駆動モータ10が制御可能な待機状態となり、作業員がこの前進走行指示部24Aにタッチすると、入出力表示装置21は制御盤20に手動走行モードM−ARで走行開始の指令信号を送信するようになっている。
第1の走行指示情報D1の設定走行距離Lsは、予め作業員によりタッチパネル画面22の設定走行距離入力表示部22B(図5の(A)参照、「設定値」で表示)を通じて入力され、第1の走行指示情報D1の設定速度(走行時と復帰時の設定速度)Vs(またはVl)は、設定速度入力表示部22H(図5の(B)参照、「設定値」で表示)を通じて入力される。つまり、作業員が設定走行距離入力表示部22Bの数字部をタッチすると、キーウインドウが表示され、走行距離の設定値を入力できるようになっている。また、設定速度入力表示部22Hの数字部をタッチすると、キーウインドウが表示され、速度の設定値を1km/h以上5km/h未満の範囲で入力できるようになっている。さらに、折り返し時の停止時間tは、予め作業員によりタッチパネル画面22の待機時間設定入力表示部24L(図6の(B)の待機時間設定画面参照、「待機時間設定」で表示)を通じて入力される。つまり、作業員が待機時間設定入力表示部24Lの数字部をタッチすると、キーウインドウが表示され、折り返し時の待機時間を1秒〜60秒の範囲で入力できるようになっている。そして、タッチパネル画面22で自動往復走行モードM−ARが選択されて、駆動モータ10が待機の状態で作業員がタッチパネル画面22の前進走行指示部24Aをタッチして選択すると、車体4は、自動往復走行モードM−ARに従って走行が開始されるようになっている。
なお、速度の設定は、第1の走行指示情報D1であれ、第2の走行指示情報D2であれ、設定速度入力表示部22Hを通じて、安全上、盤内のボリュームとして予め1km/h以上5km/h未満の範囲の低速度から所望の速度を設定できるようにしているが、あくまでタッチパネル画面22の設定速度入力表示部22Hを通じて入力される数値が優先され、1km/h以上5km/h未満の低速度より高速(例えば、5〜20km/h)であっても自在に設定できるようになっている。
第2の走行指示情報D2には、走行距離の設定は含まれておらず、手動走行モードM−RCの場合、自動往復走行モードM−ARと異なり、前進、後進または停止の動作を手動で行うので、車体4を先行させて走行させては、後退させて作業員の元に戻し、映像で異常の有無を確認しながら、探査経路に沿って順次進行してゆく場合に好適である。この場合であっても、制御盤20は、走行中に、衝突防止センサ28Aが障害物OBを検知すると、車体4を一旦その位置に停止させた後、後退させるようになっている。
なお、これら設定速度Vs、Vlは、上述のように、探査走行時と探査終了後の復帰時には、盤内のボリュームとして低速(1km/h以上5km/h未満)に設定されるか、設定速度入力表示部22Hを通じて1km/h以上5km/h未満の範囲より高速に設定し、走行時も復帰時も同じ速度に設定しているが、探査終了後の復帰時の速度を探査走行時の速度より高速に設定して、効率化を図ることが好ましい。
ところで、探査車2は、作業員が携帯可能で、無線により制御盤20に自動往復走行モードM−ARで走行の開始を、また、手動走行モードM−RCで前進または後退の指令信号を送出可能なリモートコントローラ(遠隔操作装置)40を備えている(図1および図7参照)。リモートコントローラ40は、図7に示すように、電源ボタン41と、ボタンの動作状態を示すインジケータ42と、それぞれ1から10の数字が振られたボタンが特定の機能を果たす番号ボタン「1」〜「10」とを備えている。インジケータ42は、上側に、点灯すると電源のオン状態を表示する電源オン・オフ表示部が、下側に、点灯すると、番号ボタンの押し操作状態を表示する操作状態表示部がそれぞれ設けられている。
このリモートコントローラ40は、図8に示すように、ボタン番号「1」(前進走行指示ボタン)が、タッチパネル画面22の前進走行指示部24Aに相当する前進ボタン(FWD)として、ボタン番号「2」(後退走行指示ボタン)がタッチパネル画面22の後退走行指示部24Bに相当する後進ボタン(REV)として、ボタン番号「6」がタッチパネル画面22のリセット部(作動オン・オフ部)24C(「RSET」で表示)に相当するリセットボタン(作動オン・オフボタン)(RST)として、ボタン番号「5」がタッチパネル画面22の警報部24D(「ホーン」で表示)に相当するホーンボタン(HORN)としてそれぞれ機能するようになっている。ボタン番号「6」のリセットボタンは、長押しすることによりON状態の衝突防止センサ29の動作を停止させるとともに、回転灯26を動作させて点灯させるようになっている。つまり、回転灯26の点灯により衝突防止センサ29の動作解除が確認できるようになっている。ボタン番号「5」のホーンボタン(HORN)は、押すと警報器27を鳴らすようになっている。電源ボタン41は、押し操作でリモートコントローラ40の電源が入り、無操作状態が続くと、1分後に電源が切れるようになっている。
リモートコントローラ40は、探査車2において、自動往復走行モードM−ARによる走行が選択されている場合、作業員が、ボタン番号「1」の前進ボタン(FWD)をワンタッチで一度押すと、予め設定された設定走行距離Lsを走行して復帰するようになっている。このとき、ボタン番号「2」の後進ボタン(REV)は動作しないようになっている(図8の(B)の「AUTO−RETURNモード」参照)。探査車2において、手動走行モードM−RCによる走行が選択されている場合、作業員が、ボタン番号「1」の前進ボタン(FWD)を押し続けると、車体4は前進方向に走行し、ボタン番号「1」の前進ボタン(FWD)から手を離すと停車するようになっている((図8の(A)の「RCモード」参照)。そして、作業員が、ボタン番号「2」の後進ボタン(REV)を押し続けると、車体4は後進方向(後退方向)に走行し、ボタン番号「2」の後進ボタン(REV)から手を離すと停車するようになっている。このため、作業員の移動に探査車2を追従させたり、現場から比較的短距離の探査に適している。すなわち、比較的短距離で異常の有無を確認しながら、探査経路に沿って順次進行してゆく場合に好適である。この場合も、走行中に、衝突防止センサ29が動作中であれば、障害物OBを検知した場合には、後退して復帰するようになっている。
タッチパネル画面22は、図5の(A)に示す距離設定画面で次項遷移部22F(「次項」で表示)をタッチすると、図5の(B)に示す速度設定画面に遷移する。図5の(B)の速度設定画面で次項遷移部22J(「次項」で表示)をタッチすると、図6の(A)に示す手動操作画面に遷移し、前項遷移部22K(「前項」で表示)をタッチすると、図5の(A)に示す距離設定画面に遷移する。また、図6の(A)に示す手動操作画面で、次項遷移部24E(「次項」で表示)をタッチすると、図6の(B)に示す待機時間設定画面に遷移し、前項遷移部24F(「前項」で表示)をタッチすると、図5の(B)の速度設定画面に遷移する。図6の(B)に示す待機時間設定画面で次項遷移部24G(「次項」で表示)をタッチすると、図5の(A)の距離設定画面に遷移し、前項遷移部24H(「前項」で表示)をタッチすると、図6の(A)の手動操作画面に遷移する。
図6の(A)に示す手動操作画面では、「前灯」ボタン24Iを押すと、前方側照明装置28Aが点灯し、もう一度押すと消灯する。同様に、「後灯」ボタン24Jを押すと、後方側照明装置28Bが点灯し、もう一度押すと消灯する。衝突防止機能オン・オフ表示部24K(「衝突防止OFF」で表示)は、タッチパネル画面22のリセット部24C(「RSET」で表示)またはリモートコントローラ40のボタン番号「6」(リセットボタン(RST))が操作されて、衝突防止センサ29の動作を解除すると、「衝突防止OFF」の表示が点灯される。衝突防止センサ29の動作時には、「衝突防止OFF」の表示が消えるようになっている。また、図6の(B)の待機時間設定画面では、ブレーキ動作状態表示部24Mは、押圧して選択操作すると点灯され、通電状態の電磁ブレーキ16の制動を解除するようになっている。通電状態の電磁ブレーキ16とは、電磁ブレーキ16と電気的に接続された制御盤20が通電されている状態をいう。この場合、駆動モータ10が非駆動状態にあっても、電磁ブレーキ16の制動が解除され、車体4は手押し可能になる。点灯状態のブレーキ動作状態表示部24Mを押圧操作し、消灯させると、通電状態の電磁ブレーキ16は制動状態が保持され、駆動モータ10の駆動時に制動が解除される。なお、非通電時の電磁ブレーキ16は、常時、制動状態となっており、この場合、制御盤20もオフの非通電状態で、タッチパネル画面22は点灯していない。この場合、制動強制解除部材としての操作杆16Aの操作により手動で制動状態を強制的に解除することができるようになっている。
次に、上記実施形態に係る探査車2の作用について説明する。上記実施形態に係る探査車2は、まず、所望の作業場所に探査車2を運び込むと、探査車2を鉄道のレール3に載置する。探査車2は車体4がアルミ製の中空パイプからなる枠4A〜4Jにより軽量化されているので、作業員一人で車体4を持ち運びできるようになっている。車体4がレール3に載置されると、リチウムイオンバッテリ12を搭載し、制御盤20と電気的に接続して準備が完了する(第1のステップS1)。
そして、この探査車4を自動往復走行モードM−ARで走行させる場合、図9に示すように、まず、作業員が予め計画された作業プランに基づいて、入出力表示装置21のタッチパネル画面22を通じて、設定走行距離Lsと設定速度Vs(またはVl)を第1の走行指示情報D1としてそれぞれ入力し設定する。これら情報は、制御盤20の図示しないメモリ部に記憶されるとともに、タッチパネル画面22に表示可能になっている。第1の走行指示情報D1が入力され設定されると、制御盤20により自動往復走行モードM−ARにおける走行指示情報と判別されて図示しないメモリ部に登録される。次に、図5の(A)に示すように、タッチパネル画面22に表示される距離設定画面で「AUTO−RETURN」で表示された走行モード入力表示部22Dをタッチ操作して、走行モード入力表示部22Dを点灯させ、自動往復走行モードM−ARによる走行を選択する。この段階で、車体4側では、自動往復走行モードM−ARによる走行の開始を待機している状態となっている。一方、リモートコントローラ40の電源ボタン41を押し操作して電源を入れると、インジケータ42の電源オン・オフ表示部が点灯される。この段階で、リモートコントローラ40側でも、自動往復走行モードM−ARによる走行の開始を待機している状態となっている。
次に、タッチパネル画面22に表示される距離設定画面(図5の(A)参照)を遷移させ、図6の(A)に示すように、手動操作画面に移動し、「前進」ボタンの前進走行指示部24Aをワンタッチで押して選択操作するか、または、コントローラ40のボタン番号「1」の前進ボタン(FWD)をワンタッチで押し操作すると、探査装置2は、第1の走行指示情報D1で設定された設定走行速度Vs(またはVl)で探査方向に前進走行を開始する。なお、自動往復走行モードM−ARが選択されている場合、コントローラ40の、ボタン番号「1」の前進ボタン(FWD)は動作するものの、ボタン番号「2」の後退ボタン(REV)は押し操作しても動作しないようになっている。コントローラ40は、図8の(B)に示すように、番号ボタンの、ボタン番号「6」の長押しで衝突防止センサ29の動作解除を行い、ボタン番号「5」のホーンボタン(HORN)で警報音を鳴らすようになっている。衝突防止センサ29の動作解除が行われると、制御盤20は、自動的に回転灯26を点灯させるようになっている。そして、探査装置2の走行開始と同時に、制御盤20により無線を通じて前方側のワイヤレスカメラ30Aと360度カメラ30Cとが動作される(第2のステップS2)。
探査装置2が走行を開始すると、走行距離計測機構31は、回転数検知センサ32が駆動側車軸6Bの回転数を計測し、計測データを制御盤20に出力すると、制御盤20は実際の走行距離Lcを導くようになっている(第3のステップS3)。そして、制御盤20は、導かれた実際の走行距離Lcが第1の走行指示情報D1で設定された設定走行距離Lsに達すると、車体4を一旦停止させて所定時間t(図6の(B)の待機時間設定画面における待機時間設定入力表示部24L参照)停止させ、その後折り返して、元の走行開始位置に復帰させる(図11の(A)参照)。この場合、実際の走行距離Lc=設定走行距離Ls=到達距離Lrとなる。復帰時の走行速度Vs(またはVl)は第1の走行指示情報D1で予め設定するようにしているが、前進方向の探査走行時の速度Vs(またはVl)より高速に設定し、戻ってくる速度を前進時より早くして、作業時間の短縮を図るようにしている。制御盤20は、車体4が折り返し走行を始めると、ワイヤレスカメラ30Aと360度カメラ30Cの動作を停止させるようにしている(第4のステップS4)。なお、制御盤20は、この第4のステップS4で、折り返し時にも、ワイヤレスカメラ30Aと360度カメラ30Cを動作させるようにしてもよい。こうして、作業員は、探査装置2が、実際の走行距離Lrが予め設定された設定走行距離Lsに達して元の走行開始位置に戻ってくると、その間に障害物OBはなかったと判断することができ、その間の様子を、ワイヤレスカメラ30Aと360度カメラ30Cに記録された映像を確認し、異常の有無を詳細に調べることができる。
ところで、第4のステップS4で、探査走行開始後、設定走行距離Lsに達する前に、衝突防止センサ29が、倒木や土砂などの障害物OBを検知すると、制御盤20は、車体4を一旦停止させて所定時間t(図6の(B)参照)停止させ、その後折り返して、元の走行開始位置に復帰させる(図11の(B)参照)。このとき、元の走行開始位置から障害物OBまでの到達距離Lrは、車体4の実際の走行距離Lcと同じで、設定走行距離Lsより短くなる(障害物OBまでの到達距離Lr=車体4の実際の走行距離Lc<設定走行距離Ls)。作業員は、復帰した探査車2のタッチパネル画面22に表示された走行距離表示部22Aの実際の走行距離Lcから、車体4の走行開始位置から障害物OBまでの到達距離Lrを知ることができ、その間の様子を、ワイヤレスカメラ30Aと360度カメラ30Cに記録された映像を確認し、障害物OBの状態を詳細に調べることができる。作業終了後は、元の走行開始位置に復帰した探査車2をレール3から撤去する。このため、次の作業に何が必要で何をすべきか、速やかに判断することができる。このように、探査領域から離れた場所で、無人かつ簡素軽量な探査装置2を作業員の派遣に先行して探査させることができるので、安全かつ効率的に探査作業を行うことができる。
次に、第2のステップS2で、探査車4を手動走行モードM−RCで走行させる場合、図10に示すように、まず、作業員が、タッチパネル画面22を通じて、手動走行させる場合の設定速度Vl(またはVs)(ただし、入力された速度が優先される)のみを第2の走行指示情報D2として入力し設定すると、制御盤20は手動走行モードM−RCにおける走行指示情報と判別して図示しないメモリ部に登録する。次に、図5の(A)に示すタッチパネル画面22の距離設定画面で「AUTO−RETURN」で表示された走行モード入力表示部22Dをタッチ操作して、走行モード入力表示部22Dを消灯させ、手動走行モードM−RCによる走行を選択する。この段階で、車体4側では、手動走行モードM−RCによる走行の開始を待機している状態となっている。一方、リモートコントローラ40の電源ボタン41を押し操作して電源を入れると、インジケータ42の電源オン・オフ表示部が点灯される。この段階で、リモートコントローラ40側でも、手動走行モードM−RCによる走行の開始を待機している状態となっている。このとき、リモートコントローラ40は、上記自動往復走行モードM−ARと異なり、図8の(A)に示すように、番号ボタンの、ボタン番号「2」の後進ボタン(REV)が動作可能となっており、このボタン番号「2」を押し続けると後退を続け、押し操作を止めると停止するようになっている。また、ボタン番号「1」を押し続けると前進を続け、押し操作を止めると停止するようになっている。ボタン番号「6」とボタン番号「5」の動作は、自動往復走行モードM−ARの場合と同じである。
次に、タッチパネル画面22を遷移させ、図6の(A)に示すように、手動操作画面で「前進」ボタンの前進走行指示部24Aをワンタッチで選択操作するか、または、コントローラ40のボタン番号「1」の前進ボタン(FWD)を押し続け操作すると、探査装置2は、第1の走行指示情報D1で設定された設定走行速度Vl(またはVs)で探査方向に前進走行する。手動走行モードM−RCでは、歩行する作業員より探査車2が行き過ぎないよう設定走行速度を、歩行速度に準じるかそれより遅い速度となる1km/h以上5km/h未満の範囲の低速度の中から選択されて設定されるようになっている。このため、車体4が先に行き過ぎることがなく、作業員に付き添って走行することになり、必要に応じて、非常停止ボタン25で停止させることもできる。このとき、ワイヤレスカメラ30A、30Bと360度カメラ30Cは必要に応じて動作させるようにすればよい。
第3のステップS3では、探査装置2が走行を開始すると、走行距離計測機構31によりタッチパネル画面22の走行距離表示部22A(図5の(A)参照)に実際の走行距離Lcが表示されるので、手動走行モードM−RCで走行を開始してからどの位の距離を移動したかわかるようになっている(図11の(C)、(D)の実際の走行距離Lc1、Lc2参照)。そして、第4のステップで、作業員が歩行して所望の作業距離(Lc1+Lc2)に達すると、そこで、コントローラボタン40のボタン番号「2」またはタッチパネル画面22の後退走行指示部24Bを押し操作して探査車2を元の探査開始位置まで復帰させ(図11の(E)参照)、作業終了後、探査車2をレール3から撤去する。このように、手動走行モードM−RCでは、作業者は探査車2を歩行速度に合わせて安全に付き従わせることができ、手動走行と自動往復走行を自在に組み合わせて、機動性に富んだ使い方ができる。手動走行モードM−RCでは、衝突防止センサ29を作動させてもよいし、オフにしてもよい。作動させる場合、比較的長距離を走行させて探査することになる。衝突防止センサ29をオフにした場合、比較的短距離を走行させて探査することになり、探査車2の近辺で作業員が作業することになる。
このように、上記実施形態に係る探査車とそれを用いた探査方法では、探査車を軽量化することができ、持ち運びしやすい。このため、一人の作業員で持ち運びでき、機動性に富んだ使い方ができる。また、探査の対象場所がたとえ危険な場所であっても、軌道に持ち込みさえすれば無人で走行し点検後戻ってくるので、作業効率が向上するとともに作業の安全性が向上する。さらに、作業員が点検場所に行く前に予め点検することができ、障害物があった場合には、その対応を迅速に行うことができるので作業性が向上する。
なお、上記実施形態では、第1の走行指示情報D1の設定走行距離Lsと設定速度Vsは、入出力表示装置21のタッチパネル画面22を通じて入力するようにしているがこれに限られるものではなく、外部から通信を通じて、または、データが予め記憶されたメディアを通じて制御盤20に入力するようにしてもよい。また、上記実施形態では、リモートコントローラ40を通じて制御盤20に前後進や停止の指示を送信するようにしているが、これに限られるものではなく、制御盤20に通信装置を設け、リモートコントローラ40に代えてノートパソコンやスマートフォン等の端末装置を用いるようにしてもよい。その場合、カメラ30A〜30Cからの撮像データを端末装置に表示させるようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、自動往復走行モードM−ARで、折り返し時、元の走行開始位置に復帰させるようにしているが、これに限られるものではなく、復帰位置を元の走行開始位置を基準に探査方向に所定の距離前進した位置、またはその逆方向に所定の距離後進した位置に設定し、これら所定の距離を走行距離Lcから加減するようにしてもよい。また、自動往復走行モードM−ARで、コントローラ40の停止ボタンを使用可能にしてもよい。この場合、復帰動作している探査車2を途中で停止させることができる。さらに、上記実施形態では、手動走行モードM−RCで速度のみ設定して第2の走行指示情報D2としているが、これに限られるものではなく、速度はデフォルトで予め所定の速度(例えば、3km/h)に決めておき、走行距離を作業毎に入力して設定するようにしてもよいし、自動往復走行モードM−ARでも、速度をデフォルトで予め所定の速度に決めておき、設定を走行距離のみ行うようにしてもよい。また、上記実施形態では、軽量化を図るため、車体を無人の台車としているが、これに限られるものではなく、従来のような作業員の座席が設けられたより大型の台車に上記構成を適用し、探査時、作業員を乗せないで、無人で探査するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、探査車が走行する経路として鉄道の線路を例示しているがこれに限られるものではなく、車輪の走路を一方向に規制する経路であればよく、例えば、道路に車輪の幅に対応した溝を形成して経路としてもよく、一輪で走行するモノレールや橋梁などの保守用レールであってもよい。また、経路は、上方に延設されたH型鋼やT型鋼の経路であってもよく、その場合、探査車を経路に吊り下げるように配置してもよい。さらに、上記実施形態では、経路を車輪の走路を一方向に規制する経路を例示しているが、これに限られるもではなく、幅の広い道路であったり曲線状の経路であってもよく、車体を復帰させる際に後進ではなく、方向転換して復帰させるようにしてもよい。
3 レール(経路)
4 車体
5 車輪
10 駆動モータ(駆動手段)
20 制御盤(制御手段)
30A、30B ワイヤレスカメラ(撮像手段)
30C 360度カメラ(撮像手段)
32 回転数検知センサ(計測手段)
Ls 設定走行距離
Lc 走行距離(実際の走行距離)
Vs 高速度(設定速度)
Vl 低速度(設定速度)
D1 第1の走行指示情報(走行指示情報)
D2 第2の走行指示情報(走行指示情報)
4 車体
5 車輪
10 駆動モータ(駆動手段)
20 制御盤(制御手段)
30A、30B ワイヤレスカメラ(撮像手段)
30C 360度カメラ(撮像手段)
32 回転数検知センサ(計測手段)
Ls 設定走行距離
Lc 走行距離(実際の走行距離)
Vs 高速度(設定速度)
Vl 低速度(設定速度)
D1 第1の走行指示情報(走行指示情報)
D2 第2の走行指示情報(走行指示情報)
Claims (15)
- 車輪を有し経路に配置される車体と、
車輪を回動自在に駆動させ、車体を前後進自在に走行させる駆動手段と、
車輪の回転を計測し、計測データを外部に出力する計測手段と、
外部から走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、
探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えたことを特徴とする探査車。 - 車体には、障害物を検知し制御手段に検知信号を出力する障害物検知手段を設け、
制御手段は、車体走行時、障害物検知手段から検知信号を受け取ると、車体の走行を停止し元の走行開始位置に復帰させることを特徴とする請求項1に記載の探査車。 - 車体には、入出力表示面を通じて走行指示情報が制御手段に入力されるとともに、入力された走行指示情報と計測により導かれた走行距離とを表示可能な入出力表示手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の探査車。
- 走行指示情報は、それぞれ予め設定された設定走行距離と設定速度との情報が含まれる第1の走行指示情報と、歩行速度に準じて設定された歩行対応速度の情報が含まれる第2の走行指示情報とを含み、
制御手段は、第1の走行指示情報に基づいて探査車が設定走行距離に達すると復帰させる自動往復走行モードと、第2の走行指示情報に基づいて探査車を前進、後進または停止のうちいずれかを選択して制御する手動走行モードとのうちいずれか一方のモードに基づいて車体を走行させ、
入出力表示手段の入出力表示面には、これら走行モードが選択可能に表示されるとともに、作業員により一方の走行モードが選択されると、入出力表示手段は、選択された走行モードでの走行を制御手段に指示し、
制御手段は、自動往復走行モード選択時、入出力表示面の前進走行指示部が操作されると、走行開始の指令信号を駆動手段に送信し、
手動走行モード選択時、入出力表示面の前進走行指示部が操作されると、前進の指令信号を、後退走行指示部が操作されると、後退の指令信号をそれぞれ駆動手段に送信するとともに、車体に設けられた制動装置を操作して駆動手段の動作を停止させ、車体を停止させることを特徴とする請求項3に記載の探査車。 - 制御手段は、車体に搭載された制御盤と、作業員に携帯され、この制御盤に無線を介して制御指令信号を遠隔操作により入力する遠隔操作装置とを備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1に記載の探査車。
- 遠隔操作装置は、前進と後進の各指令信号をそれぞれ制御盤に送信する前進走行指示ボタンと後退走行指示ボタンとを有し、
遠隔操作装置は、自動往復走行モード選択時には、前進走行指示ボタンのワンタッチ操作により探査走行開始の指令信号を制御盤に送信し、
手動走行モード選択時には、前進走行指示ボタンの押し続け操作により前進走行の指令信号を制御盤に継続して送信し、後退走行指示ボタンの押し続け操作により後退走行の指令信号を制御盤に継続して送信し、これら両走行指示ボタンの非操作時、制御盤への送信を停止し、車体を停止させることを特徴とする請求項5に記載の探査車。 - 入出力表示手段には、選択操作されると制御盤に障害物検知手段の動作を停止させる作動オン・オフ部が表示されるとともに、
遠隔操作装置は、操作されると制御盤に障害物検知手段の動作を停止させる作動オン・オフボタンを有することを特徴とする請求項6に記載の探査車。 - 各走行モードにおける探査走行時の設定速度を、歩行速度に準じた1km/h以上5km/h未満の低速とし、任意の設定速度を5km/h以上の高速とし、第1の走行指示情報の設定速度は、作業開始直前に入力された任意の速度が優先して設定されることを特徴とする請求項4ないし7のうちいずれか1に記載の探査車。
- 探査走行時と復帰時の速度を異ならせ、復帰時の速度を探査走行時の速度より高速にしたことを特徴とする請求項8に記載の探査車。
- 車体を管状枠からなる無人の四輪台車により構成し、
この四輪台車は、バッテリと電気的にそれぞれ接続され、車輪を駆動する電動モータを備えるとともに、制動装置を、常時車輪を制動し電動モータの動作時のみ制動を解除する電磁ブレーキにより構成し、
電磁ブレーキには、操作に応じて制動を強制的に解除する制動強制解除部材を設けたことを特徴とする請求項1ないし9うちいずれか1に記載の探査車。 - 撮像手段が、経路または経路周囲の状況を計測または検査する計測・検査手段により構成されることを特徴とする請求項1ないし10うちいずれか1に記載の探査車。
- 車輪を有し経路に配置される車体と、
車輪を回動自在に駆動させ、車体を前後進自在に走行させる駆動手段と、
車輪の回転を計測し、計測データを外部に出力する計測手段と、
外部から走行距離と速度とのうち少なくともいずれか1を含む走行指示情報が入力されると、この走行指示情報に基づいて駆動手段を制御して車体を探査方向に走行させ、計測手段から受け取った計測データにより実際に走行した走行距離を導き、車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると車体を復帰させる制御手段と、
探査時、周囲の様子を撮影する撮像手段とを備えた探査車を用いた探査方法であって、
作業員により車体を経路に配置する第1のステップと、
制御手段に外部から走行指示情報が入力されると、制御手段により入力された走行指示情報に基づいて車体を駆動制御して探査方向に走行させ、探査走行時、撮像手段により周囲の様子を撮影する第2のステップと、
計測手段により車輪の回転を計測し、計測されたデータに基づいて実際に走行した走行距離を導く第3のステップと、
車体の実際の走行距離が走行指示情報の走行距離に達すると、車体を復帰させる第4のステップとを有することを特徴とする探査車を用いた探査方法。 - 車体には、障害物を検知し制御手段に検知信号を出力する障害物検知手段と、入出力表示面を通じて走行指示情報が制御手段に入力されるとともに、入力された走行指示情報と計測により導かれた走行距離とを表示可能な入出力表示手段とを設け、
制御手段は、車体走行時、障害物検知手段から検知信号を受け取ると、車体の走行を停止し元の走行開始位置に復帰させるよう構成され、
第2のステップで、探査走行時に、制御手段は、障害物検知手段により障害物が検知されると、車体の走行を停止し、第3のステップで、停止位置までの実際の走行距離を導き、第4のステップで、停止位置から車体を復帰させ、入出力表示面に実際の走行距離を表示することを特徴とする請求項12に記載の探査車を用いた探査方法。 - 走行指示情報は、それぞれ予め設定された設定走行距離と設定速度との情報が含まれる第1の走行指示情報と、歩行速度に準じて設定された歩行対応速度の情報が含まれる第2の走行指示情報とを含み、
制御手段は、第1の走行指示情報に基づいて探査車が設定走行距離に達すると復帰させる自動往復走行モードと、第2の走行指示情報に基づいて探査車を前進、後進または停止のうちいずれかを選択して制御する手動走行モードとのうちいずれか一方のモードに基づいて車体を走行させるよう構成され、
第2のステップで、作業員により自動往復走行モードまたは手動走行モードのいずれか一方が選択されることを特徴とする請求項12または13に記載の探査車を用いた探査方法。 - 制御手段は、車体に搭載された制御盤と、作業員により携帯され、この制御盤に無線を介して制御指令信号を遠隔操作により入力する遠隔操作装置とを備え、
第2のステップで、自動往復走行モード選択時に、遠隔操作装置の前進走行指示ボタンをワンタッチ操作すると、走行開始の指令信号を制御盤に送信して、車体の走行を開始させ、
手動走行モード選択時に、遠隔操作装置の前進走行指示ボタンを押し続けると、制御盤に前進の指令信号を継続して送信し、車体を継続して前進させ、遠隔操作装置の復帰操作ボタンを押し続け操作すると、制御盤に後進の指令信号を継続して送信し、車体を継続して後進させ、前進走行指示ボタンと復帰操作ボタンとのいずれも操作されないと、車体を停止させたままにすることを特徴とする請求項14に記載の探査車を用いた探査方法。
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