JP2018180530A - トナー用添加剤 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の欠点を解消するために、圧縮性流体(液体二酸化炭素等)を用いてトナーを製造する技術が知られている(例えば、特許文献3〜7参照)。
また、トナーの定着温度低下、熱定着ローラー表面への汚染防止、キャリア又は現像ローラーへの汚染防止、印刷面の光沢度調整と画像強度向上のために、トナーにワックスを含有させる技術が知られている。
しかし、圧縮性流体中で、ワックスを含有するトナーを製造した場合、製造工程中に、ワックス分散剤等のトナーに用いる添加剤が、トナーバインダー樹脂から圧縮流体中に抽出され、トナー中のワックスの分散性等が低下する結果、得られるトナーの性能(帯電安定性及び耐熱保存性等)も低下するという課題があった。
即ち本発明は、エステル(E)を含有するトナー用添加剤であって、(E)がポリオール(A)とポリカルボン酸(B)との縮重合物であるポリエステルポリオール(C)と、鎖状アルキル基を有する炭素数18〜24のモノカルボン酸(D)とのエステルであり、前記エステル(E)の酸価が1mgKOH/g未満であり、前記エステル(E)の水酸基価が10〜60mgKOH/gであり、前記エステル(E)のガラス転移点が−35〜40℃であるトナー用添加剤;前記のトナー用添加剤、トナーバインダー樹脂(R)、着色剤(g)並びにエステルワックス、ポリオレフィンワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール及び炭素数30〜50の脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のワックス(w)を含有するトナーである。
炭素数3〜20の脂環式ポリオールとしては、炭素数3〜20の脂環式ジオール[1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘプタンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン]、炭素数3〜20の脂環式トリオール(1,3,5−シクロヘキサントリオール等)、炭素数3〜20の脂環式4〜8価アルコール(ソルビタン等)及び糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等)等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ポリオールとしては、炭素数6〜20の芳香族ジオール(1,4−ベンゼンジエタノール、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF、2−メチルビスフェノールA、2,6−ジメチルビスフェノールA及び2,2’−ジエチルビスフェノールF等)、炭素数6〜20の芳香族トリオール(フロログルシン及びピロガロール等)及び炭素数6〜20の芳香族4〜8価アルコール(1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン及び1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン等)等が挙げられる。
これらのポリオール(A)の内、耐熱保存性の観点から好ましくは、炭素数2〜20の鎖状脂肪族ポリオール及び炭素数6〜20の芳香族ポリオールの炭素数2〜12のアルキレンオキサイドであり、更に好ましくは炭素数2〜20の鎖状脂肪族トリオール及び炭素数6〜20の芳香族ジオールの炭素数2〜12のアルキレンオキサイド付加物である。
炭素数5〜20の脂環式ポリカルボン酸としては、炭素数5〜20の脂環式ジカルボン酸(シクロプロパンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸及びショウノウ酸等)及び炭素数6〜20の脂環式3〜6価カルボン酸(シクロヘキサントリカルボン酸等)等が挙げられる。
炭素数8〜20の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸及びジフェニルスルホンジカルボン酸等)及び炭素数9〜20の芳香族3〜6価カルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
これらのポリカルボン酸(B)の内、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましくは、炭素数2〜20の鎖状脂肪族ポリカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、更に好ましくは炭素数2〜20の鎖状脂肪族ジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素数9〜20の芳香族3〜6価カルボン酸であり、特に好ましくは炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
耐熱保存性の観点から更に好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜20のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸であり、特に好ましくはアジピン酸、テレフタル酸及びトリメリット酸であり、最も好ましくはテレフタル酸及びトリメリット酸である。
これらの内、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性の観点から好ましいのは、(A)として前記の炭素数6〜20の芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物(付加モル数2〜5)を用い、(B)としてアジピン酸、テレフタル酸及びトリメリット酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸(更に好ましくはテレフタル酸及び/又はトリメリット酸)を用いた(C)である。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、更に好ましくは160〜250℃、特に好ましくは170〜235℃で、ポリオール(A)とポリカルボン酸(B)とを重縮合反応させることにより行うことができる。また、反応時間は、重縮合反応の反応率の観点から、好ましくは30分以上、更に好ましくは2〜40時間である。
なお、上記の製造方法において、ポリカルボン酸(B)に代えて、ポリカルボン酸(B)の無水物及び/又はポリカルボン酸(B)の低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)等を用いてもよいし、これらをポリカルボン酸(B)と併用してもよい。
また、ポリエステル重合安定性を得る目的で、安定剤を添加してもよい。安定剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン及びヒンダードフェノール化合物等が挙げられる。
モノカルボン酸(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
後に詳述するトナーに用いるワックスとして、低温定着性及び耐熱保存性の観点から好ましいのは、エステルワックスを構成するカルボン酸由来の基の炭素数及びアルコール由来の基の炭素数がそれぞれ22であるエステルワックスであり、トナーにこのエステルワックスを用いる場合は、モノカルボン酸(D)としては、炭素数が22であるベヘン酸を用いることが好ましい。
前記のエステル(E)の内、低温定着性、帯電安定性及び画像強度の観点から好ましいくは、(A)として前記の炭素数6〜20の芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物(付加モル数2〜5)を用い、(B)としてアジピン酸、テレフタル酸及び/又はトリメリット酸(更に好ましくはテレフタル酸及び/又はトリメリット酸)を用い、(D)としてベヘン酸を用いた(E)である。
エステル(E)の水酸基価が、10未満であると流動性の観点から好ましくなく、60を超えると耐熱保存性の観点から好ましくない。
エステル(E)の水酸基価は、トナーに用いるワックスとの親和性及び低分子量成分の残存量の観点から、好ましくは10〜35mgKOH/gであり、更に好ましくは15〜25mgKOH/gである。
エステル(E)の水酸基価は、ポリエステルポリオール(C)の末端水酸基数からモノカルボン酸(D)のカルボキシル基数を差し引いた値から計算することができ、エステル(E)を構成するポリエステルポリオール(C)とモノカルボン酸(D)の比率によって調整可能である。
エステル(E)の酸価が、1以上であると耐ホットオフセット性の観点から好ましくない。
エステル(E)のガラス転移点が、−35℃未満であると耐熱保存性の観点から好ましくなく、40℃を超えると低温定着性の観点から好ましくない。
エステル(E)のガラス転移点は、トナーに用いるワックスとの親和性の観点から、好ましくは−35〜5℃である。
具体的には試料5mgをガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱し、ガラス転移温度より約50℃低い温度まで毎分60℃で冷却した後、ガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱する。
上記測定によって得られたデータから、縦軸を吸発熱量、横軸を温度とするグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
また、前記のエステル(E)の重量平均分子量(以下Mwと略記する)は、後に詳述する製造方法に用いる溶剤(F)への溶解性、画像強度及び耐熱保存性の観点から4,000〜20,000であることが好ましく、更に好ましくは4,000〜10,000である。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
本発明のトナー用添加剤は、特にワックス分散剤としての効果が優れているため、本発明のトナー用添加剤を用いて製造したトナーは、ワックス分散性に優れる。このため、得られるトナーは、帯電安定性及び耐熱保存性に優れる。
トナーバインダー樹脂(R)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明においてフロー軟化温度は、以下の方法で測定することができる。
<フロー軟化温度の測定方法>
降下式フローテスター[(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とした。
着色剤(g)の具体例としては、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられる。
上記の着色剤(g)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末並びにマグネタイト、ヘマタイト及びフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
エステルワックスとして好ましくは、カルボン酸とアルコールのエステルであって、カルボン酸又はアルコールの少なくとも一方が長鎖アルキル基を有しているエステルである。
また、エステルワックスの合成に用いるその他のカルボン酸としては、多価カルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸及びアコニット酸等)等が挙げられる。
また、エステルワックスの合成に用いるその他のアルコールとしては、多価アルコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、糖アルコール、糖類(ペンタエリトリトール、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース並びにこれらの糖類の二糖及びオリゴ糖等]等が挙げられる。
また、エステルワックスを構成するカルボン酸由来の基の炭素数及びアルコール由来の基の炭素数は、それぞれ低温定着性の観点から22以下であることが好ましく、耐熱保存性の観点からは炭素数21以上であることが好ましく、低温定着性及び耐熱保存性の観点の観点から更に好ましくは炭素数22である。
エステルワックスを構成するカルボン酸由来の基の炭素数及びアルコール由来の基の炭素数がそれぞれ22であるエステルワックスとしては、ベヘン酸とベヘニルアルコールとのモノエステル等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスは、パラフィンワックス等として天然物から得ることもできる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、トリアコンタノール等が挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪酸としては、トリアコンタンカルボン酸等が挙げられる。
これらの内、低温定着性と耐熱保存性の観点から、エステルワックスが好ましく、更に好ましくはベヘン酸とベヘニルアルコールとのモノエステルである。
ゼン、クロロベンゼン及びキシレン等)、脂肪族炭化水素溶剤(ヘキサン及びシクロヘキサン等)、複素環芳香族アミン(ピリジン及びN−メチルピロリドン等)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの内、取り扱いの観点から好ましいのは、ケトン溶剤、エステル溶剤及びアルコール溶剤であり、更に好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、酢酸エチル及びt−ブチルアルコールである。
本発明のトナーが有機微粒子(H)を含有する場合は、トナーバインダー樹脂(R)、着色剤(g)及びワックス(w)を含有する粒子の表面に、有機微粒子(H)が固着されたもの、有機微粒子(H)由来の皮膜が形成されたもの、有機微粒子(H)の一部が皮膜化されたもののいずれであってもよい。
「有機微粒子(H)が上記の粒子の表面に固着されている」とは、有機微粒子(H)が単に樹脂粒子(Y)の表面に付着し容易に脱離するような場合は含まないものとする。
なお、トナーの表面状態及び形状は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)を用い、樹脂粒子の表面を1万倍または3万倍拡大した写真にて観察できる。
本発明のトナーが含有するトナーバインダー樹脂(R)の重量割合は、低温定着性の観点から、トナーの重量を基準として、75〜90重量%であることが好ましい。
本発明のトナーが含有する着色剤(g)の含有量は、低温定着性の観点から、トナーバインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜11重量部、更に好ましくは3〜10重量部である。
本発明のトナーが含有するワックス(w)の重量割合は、トナーの重量に基づき、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
本発明のトナーが流動化剤を含有する場合、流動化剤の重量割合は、トナーの重量に基づき、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜4重量%である。
本発明のトナーが溶剤(F)を含有する場合、溶剤(F)の重量割合は、トナーの重量に基づき、0.01〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.01〜5重量%である。
本発明のトナーが有機微粒子(H)を含有する場合、有機微粒子(H)の重量割合は、トナーの重量に基づき、5〜15重量%であることが好ましい。
トナーの組成比が上記の範囲であることで、帯電安定性が良好になる。
攪拌速度を上げれば体積平均粒子径が小さくなり、また樹脂(R)に対する有機微粒子(H)の比率を多くすれば体積平均粒子径が小さくなる。
Dv/Dnについても同様であり、攪拌速度を上げればDv/Dnが小さくなり、また樹脂(R)に対する有機微粒子(H)の比率を多くすればDv/Dnが小さくなる。
本発明のトナーは、必要に応じて、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、体積平均粒子径、体積平均粒子径と個数平均粒子径の比を更に調整することもできる。
以下、圧縮性流体として二酸化炭素を用いて製造する方法について説明する。
また、必要に応じて、二酸化炭素(X)に代えて、有機微粒子(H)が二酸化炭素(X)中に分散されている分散体(X0)を用いることで、樹脂粒子(Y1)の表面に有機微粒子(H)が固着した樹脂粒子(Z1)を形成することができる。
上記の樹脂粒子(Y1)及び(Z1)が本発明のトナーに該当する。
以降、(Y1)及び/又は(Z1)が、(X)と(F)とを含有する分散媒体中に分散されたものを分散体(Q)とする。
着色剤分散液(G)は、更に顔料分散剤を含んでいることが好ましい。
前記の顔料分散剤としては、公知の顔料分散剤(特開2016−14826号公報等に記載の顔料分散剤)を用いることができる。
着色剤分散液(G)は、溶剤(F)中で、着色剤(g)を、ビーズミルにより粉砕する方法等で製造することができる。
ワックス分散液(W)は、ワックス(w)を含有する溶剤(F)中で、本発明のトナー用添加剤を、ビーズミルにより粉砕する方法等で製造することができる。
分散する方法の具体例としては、以下の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)着色剤分散液(G)と溶液(L)とワックス分散液(W)との混合液を、二酸化炭素(X)又は分散体(X0)中に、攪拌機や分散機等で分散する方法。
(2)着色剤分散液(G)と溶液(L)とワックス分散液(W)との混合液を、二酸化炭素(X)又は分散体(X0)中に、スプレーノズルを介して噴霧して液滴を形成し、液滴中の樹脂を過飽和状態とし、樹脂粒子を析出させる方法(ASES:Aerosol Solvent Extraction Systemとして知られている)。
(3)同軸の多重管(2重管、3重管等)から、着色剤分散液(G)、溶液(L)及びワックス分散液(W)の混合液と、二酸化炭素(X)又は分散体(X0)とを、高圧ガス及びエントレーナ等とともにそれぞれ別の管から同時に噴出させて、液滴に外部応力を加え分裂を促進させて、粒子を得る方法(SEDS:Solution Enhanced Dispersion by Supercritical Fluidsとして知られている)。
(4)着色剤分散液(G)と溶液(L)とワックス分散液(W)との混合液を、二酸化炭素(X)又は分散体(X0)中に噴出させて得られた液滴に超音波を照射する方法。
上記の観点から、(R)の溶液(L)の重量割合は、(X)の重量を基準として90重量%以下が好ましく、更に好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜70重量%である。
また、溶剤(F)の重量割合は、製造して得られる樹脂粒子(Y1)及び(Z1)の合計重量[投入するトナー用添加剤、トナーバインダー樹脂(R)、着色剤(g)、ワックス(w)及び有機微粒子(H)の重量から計算]を基準として、好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは20〜70重量%である。
また、樹脂(R)と二酸化炭素(X)の重量比[樹脂(R):二酸化炭素(X)]は、1:(0.1〜100)であることが好ましく、更に好ましくは1:(0.5〜50)、特に好ましくは1:(1〜20)である。
また、有機微粒子(H)と樹脂粒子(Y1)の重量比は、特に制限はないが、(H)の重量割合が、樹脂粒子(Y1)の重量を基準として、5〜20重量%であることが好ましく、更に好ましくは、5〜15重量%である。この範囲であれば、樹脂粒子(Z1)の分散性が向上する。
上記一定時間〔樹脂粒子(Y1)及び/又は樹脂粒子(Z1)が形成されるに要する時間も含む。〕は、10秒〜180分であることが好ましく、更に好ましくは30秒〜60分である。
膨潤は、一定時間、樹脂粒子(Y1)及び/又は樹脂粒子(Z1)を、二酸化炭素(X)と接触させることにより、二酸化炭素(X)が樹脂粒子(Y1)及び/又は樹脂粒子(Z1)中に浸透することで起こる。従って、膨潤の度合いは(X)との接触時間、(X)の圧力、温度によって調節できる。
分散体(X0)、分散体(Q)の温度も同様である。
有機微粒子(H)を用いる場合、二酸化炭素(X)での処理は、有機微粒子(H)のTg又は融点以上の温度でも未満の温度でも行うことができるが、Tg又は融点未満の温度において行うことが好ましい。
また、処理する際の二酸化炭素(X)は、上記の好ましい温度及び圧力に調整することで、液状、亜臨界状態又は超臨界状態とすることが好ましい。
溶剤(F)を除去又は減少させる方法として、そのまま容器を減圧にする方法があるが、(Y1)中に溶解した溶剤が凝縮し、樹脂粒子(Y1)を再溶解したり、樹脂粒子(Y1)及び/又は樹脂粒子(Z1)を捕集する際に樹脂粒子(Y1)及び/又は樹脂粒子(Z1)同士が合一してしまう等の問題が生じる場合がある。
よって、好ましい方法としては、例えば、分散体(Q)に、更に二酸化炭素(X)を混合することで、分散体(Q)から溶剤(F)を二酸化炭素(X)の相に抽出し、次に、溶剤(F)を含む二酸化炭素(X)を、溶剤(F)を含まない二酸化炭素(X)で置換し、その後に減圧する方法が挙げられる。
樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)の捕集方法は、特に限定されず、フィルターでろ別する方法及びサイクロン等により遠心分離する方法等が挙げられる。
樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)は、減圧後に捕集してもよく、また減圧前に一旦高圧中で捕集した後、減圧してもよい。高圧下で捕集した後に減圧する場合の、高圧下からの樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)の取り出し方としては、バッチ操作で捕集容器を減圧してもよく、またロータリーバルブを使用して連続的取り出し操作を行ってもよい。
分散体(Q)を冷却することによって、樹脂(R)の溶剤(F)への溶解度が低下し、樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)中の溶剤(F)が、樹脂粒子内部から二酸化炭素(X)と溶剤(F)を含む分散媒体相へ吐き出されることによって、樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)中の溶剤(F)含有量を、粒子同士の合一を抑制する観点から好ましい10重量%以下まで効率よく低下させることが出来る。この冷却する工程を含む方法であれば、他の脱溶剤方法と併用しても構わない。
冷却のために加える液状の二酸化炭素(X1)の量は、分散体(Q)の重量に対して、好ましくは0.5倍以上、さらに好ましくは1〜10倍である。(X1)の重量が0.5倍以上であると、(Q)の温度が容易にTa[℃]以下になる。
この場合の樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)の捕集方法は、特に限定されず、Ta〔℃〕以下に冷却した後の分散体(Q)をフィルターでろ別する方法及びサイクロン等により遠心分離する方法等が挙げられる。樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)は減圧後に捕集してもよく、また減圧前に一旦高圧中で捕集した後、減圧してもよい。高圧下で捕集した後に減圧する場合の、高圧下からの樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)の取り出し方としては、バッチ操作で捕集容器を減圧してもよく、またロータリーバルブを使用して連続的取り出し操作を行ってもよい。
上記方法中、好ましい捕集方法は、Ta[℃]以下に冷却された分散体(Q)をフィルターでろ別した後、減圧して捕集する方法である。減圧後、更に樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)の固形分の合計重量〔(F)及び(X)を除いた重量〕に対して、液状の二酸化炭素(X1)を、好ましくは2.5〜5倍の重量投入して、樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)中から更に溶剤(F)を抽出する操作を行うことによって、樹脂粒子(Y1)及び樹脂粒子(Z1)の合着をより抑えることができる。
また、本発明のトナーはキャリア粒子を用いない場合であっても、帯電ブレード等の部材と摩擦させることで、電気的潜像を形成することもできる。
尚、以下において部は重量部を表す。
以下の方法で、本発明のトナー用添加剤(J−1)〜(J−8)、(J−19)〜(J−21)及び比較用のトナー用添加剤(J’−1)を製造した。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]303.7部(24.0モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]334.6部(23.6モル%)、テレフタル酸226.8部(37.6モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸181.7部(14.7モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から反応物を取り出し、エステル化合物(E−1)を得た。
エステル化合物(E−1)の酸価は0.4mgKOH/g、水酸基価は15mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−25℃、Mnは2,700、Mwは6,100であった。
上記で得たエステル化合物(E−1)をトナー用添加剤(J−1)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]721.6部(53.1モル%)、テレフタル酸274.9部(42.4モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸60.6部(4.6モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−2)を得た。
エステル化合物(E−2)の酸価は0.3mgKOH/g、水酸基価は40mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は40℃、Mnは2,600、Mwは6,200であった。
上記で得たエステル化合物(E−2)をトナー用添加剤(J−2)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]581.7部(45.0モル%)、テレフタル酸221.6部(35.9モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸242.2部(19.1モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−3)を得た。
エステル化合物(E−3)の酸価は0.4mgKOH/g、水酸基価は10mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−33℃、Mnは2,600、Mwは6,400であった。
上記で得たエステル化合物(E−3)をトナー用添加剤(J−3)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]356.3部(28.0モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物392.5部(27.6モル%)、テレフタル酸240.2部(39.6モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸60.6部(4.9モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−4)を得た。
エステル化合物(E−4)の酸価は0.2mgKOH/g、水酸基価は60mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は20℃、Mnは1,500、Mwは4,100であった。
上記で得たエステル化合物(E−4)をトナー用添加剤(J−4)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]314.8部(24.2モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]346.8部(23.8モル%)、テレフタル酸235.1部(37.8モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でステアリン酸151.7部(14.2モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−5)を得た。
エステル化合物(E−5)の酸価は0.3mgKOH/g、水酸基価は15mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は5℃、Mnは2,600、Mwは6,000であった。
上記で得たエステル化合物(E−5)をトナー用添加剤(J−5)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]290.6部(22.2モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]320.5部(21.9モル%)、トリメチロールプロパン14.7部(2.9モル%)、テレフタル酸242.3部(38.8モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸181.7部(14.2モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−6)を得た。
エステル化合物(E−6)の酸価は0.2mgKOH/g、水酸基価は20mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−25℃、Mnは2,900、Mwは9,100であった。
上記で得たエステル化合物(E−6)をトナー用添加剤(J−6)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]305.4部(24.5モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]336.4部(24.1モル%)、テレフタル酸196.8部(33.0モル%)、無水トリメリット酸24.6部(3.6モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸181.7部(14.9モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−7)を得た。
エステル化合物(E−7)の酸価は0.3mgKOH/g、水酸基価は20mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−23℃、Mnは3,000、Mwは9,500であった。 上記で得たエステル化合物(E−7)をトナー用添加剤(J−7)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBPE−20、三洋化成工業(株)製]617.6部(47.8モル%)、テレフタル酸253.6部(38.6モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸181.7部(13.5モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−8)を得た。
エステル化合物(E−8)の酸価は0.4mgKOH/g、水酸基価は20mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−23℃、Mnは2,500、Mwは5,500であった。
上記で得たエステル化合物(E−8)をトナー用添加剤(J−8)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]304.6部(23.1モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]324.4部(21.2モル%)、グリセリン[シグマアルドリッチ社製]10.5部(3.0モル%)、テレフタル酸246.2部(39.2モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸157.2部(12.2モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−19)を得た。
エステル化合物(E−19)の酸価は0.2mgKOH/g、水酸基価は19mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−26℃、Mnは2,300、Mwは3,400であった。
上記で得たエステル化合物(E−19)をトナー用添加剤(J−19)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]283.4部(21.4モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]324.4部(21.2モル%)、デカントリオール[シグマアルドリッチ社製]39.1部(5.4モル%)、テレフタル酸251.4部(39.8モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸163.3部(12.6モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−20)を得た。
エステル化合物(E−20)の酸価は0.4mgKOH/g、水酸基価は21mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−16℃、Mnは2,200、Mwは4,800であった。
上記で得たエステル化合物(E−20)をトナー用添加剤(J−20)とした。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]338.8部(26.4モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]364.6部(24.6モル%)、1,3−ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン[シグマアルドリッチ社製]17.5部(1.5モル%)、テレフタル酸247.9部(40.5モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点でベヘン酸89.2部(7.1モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら2時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、180℃で1時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から取り出し、エステル化合物(E−21)を得た。
エステル化合物(E−21)の酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は20mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は−26℃、Mnは3,000、Mwは8,700であった。
上記で得たエステル化合物(E−21)をトナー用添加剤(J−21)とした。
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、キシレン454部、低分子量ポリエチレン[三洋化成工業(株)製、サンワックスLEL−400、軟化点:128℃]150部を投入し、窒素置換後170℃に昇温して十分溶解し、スチレン716部、アクリル酸ブチル46部、アクリロニトリル88部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34部及びキシレン119部の混合溶液を、3時間かけて滴下した後、170℃で重合し、更に170℃で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤(E’−1)を得た。ワックス分散剤(E’−1)のMwは5200であった。
上記で得たワックス分散剤(E’−1)を、比較用のトナー用添加剤(J’−1)とした。
結果を表1にまとめる。
酸価及び水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定した。
ガラス転移点は、セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定した。
具体的には試料5mgをガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱し、ガラス転移温度より約50℃低い温度まで毎分60℃で冷却した後、ガラス転移終了時より約30℃高い温度まで毎分20℃で加熱した。
上記測定によって得られたデータから、縦軸を吸発熱量、横軸を温度とするグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
Mn及びMwは、GPCを用いて以下の条件で測定した。
装置 : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム : TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
本発明のトナー用添加剤がトナーバインダー樹脂から二酸化炭素相へ抽出されにくい程、前記の二酸化炭素を用いたトナーの製造方法で得られるトナーは、トナー用添加剤を十分に含有しているため、本発明のトナー用添加剤の効果が、より効率よく発揮される。
<二酸化炭素相への抽出されにくさのモデル評価>
下記評価例1〜11及び比較評価例1〜2のように、トナーバインダー樹脂(R)の溶液(L)と、ワックス分散液(W)との混合物に一定量のヘキサンを添加することで、液状の上層と粘ちょう物である下層に分離させた後に、上層を採取した。採取した上層の重量と固形分濃度を測定し、上層に抽出された固形分量の割合(溶液(L)及びワックス分散液(W)に含まれる固形分の合計重量対する上層に含まれる固形分の重量の割合)を算出した。
極性が比較的低いヘキサンを二酸化炭素のモデル溶媒として考え、ヘキサンが主成分である媒体中へ抽出された固形分量の割合を上記の計算方法で求める。抽出された固形分のうちトナーバインダーの低分子量成分は一定であるため、固形分量の割合から、二酸化炭素中へ抽出のされにくさを見積もることができる。
即ち、上層に抽出された固形分の量が少ない程、極性の低い二酸化炭素を用いても、トナー用添加剤が、トナーバインダー樹脂から離脱しにくいことを意味する。
ビーカー内に下記製造例2で得られた非晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−1)26.3部、下記製造例9で得られたワックス分散液(W−1)13.6部を投入し、ディスパー(プライミクス製)を用い、回転数3000rpmで2分間分散した。その分散体にヘキサン60.0部を追加し、さらにディスパー(プライミクス製)を用い、回転数3000rpmで2分間分散した後静置した。液状の上層と粘ちょう物の下層に分離したのちに、上層だけデカンテーションし、上層の重量と固形分濃度を測定した。上層へ抽出された固形分量の割合は8.0%であった。
実施例1において、ワックス分散液(W−1)に代えて、下記製造例10〜19で製造した表2に記載のワックス分散液(W)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施した。
各評価例の結果を表2に示す。
ビーカー内に製造例2で得られた非晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−1)34.6部、アセトン5.4部を投入し、ディスパー(プライミクス製)を用い、回転数3000rpmで2分間分散した。その分散体にヘキサン60.0部を追加し、さらにディスパー(プライミクス製)を用い、回転数3000rpmで2分間分散した後静置した。液状の上層と粘ちょう物の下層に分離したのちに、上層だけデカンテーションし、上層の重量と固形分濃度を測定した。上層へ抽出された固形分量の割合は4.0%であった。
下記の方法で、本発明のトナー(T−1)〜(T−13)及び比較用のトナー(T’−1)〜(T’−2)を作成した。
下記の方法で、本発明のトナーの製造に用いるトナーバインダー樹脂(R−1)〜(R−2)、結晶性ポリエステル(P−1)及びその溶液(L−1)〜(L−2)を作成した。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物[ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]197.2部(14.2モル%)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物[ニューポールBP−3P、三洋化成工業(株)製]515.1部(33.1モル%)、トリメチロールプロパン15.7部(2.9モル%)、テレフタル酸300.5部(45.3モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、220℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、220℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で無水トリメリット酸34.1部(4.5モル%)を投入し、180℃で窒素気流下にて2時間反応させた後に、反応槽から反応物を取り出し、非晶性ポリエステルトナーバインダー樹脂(R−1)を得た。
非晶性ポリエステルトナーバインダー樹脂(R−1)の酸価は20mgKOH/g、水酸基価は20mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)は58℃、Mnは4,000、Mwは20,000、フロー軟化温度T1/2は110℃であった。
温度計、撹拌機の付いた耐圧反応槽中に、製造例1で作成した非晶性ポリエステルトナーバインダー(R−1)77.7部、アセトン162.5部を投入し、60℃で2時間撹拌させ、非晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−1)を得た。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール249.3部(35.3モル%)、1,12−ドデカンジカルボン酸441.9部(32.6モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2部を投入し、210℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら4時間反応させた。更に0.5〜2.5kPaの減圧下にて、210℃で10時間反応させた。酸価が1未満になった時点で、反応槽から反応物を取り出し、結晶性ポリエステル(P−1)を得た。
結晶性ポリエステル(P−1)の酸価は0.4mgKOH/g、水酸基価は32mgKOH/g、融点(Tm)は72℃、Mnは4,000、Mwは11,000であった。
冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽にメチルエチルケトン500部、製造例3で得られた結晶性ポリエステル(P−1)を691.2部投入し、80℃で溶解させることで、結晶性ポリエステル溶液を得た。
次に、別の冷却管、温度計、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、メチルエチルケトン500部、1,4−シクロヘキサンジメタノール130.0部(14.5モル%)、トルエンジイソシアネート183.9部(17.7モル%)を入れ、80℃で5時間反応を行い、イソシアネート含量が2.0%になった時点で上記の結晶性ポリエステル溶液を投入した。続けて80℃で3時間反応を行い、イソシアネート含量が0.05%未満になった時点で、反応槽から取り出した。取り出した樹脂溶液を80℃、0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間脱溶剤を行い、結晶性ポリエステルトナーバインダー樹脂(R−2)を得た。
結晶性ポリエステルトナーバインダー樹脂(R−2)の酸価は0.4mgKOH/g、水酸基価は12mgKOH/g、融点(Tm)は63℃、Mnは13,000、Mwは43,000、フロー軟化温度T1/2は115℃であった。
なお、イソシアネート含量は、JIS K 6806に記載の方法で測定した(以下同様)。
温度計、撹拌機の付いた耐圧反応槽中に、製造例4で作成した結晶性ポリエステルトナーバインダー(R−2)77.7部、アセトン162.5部を投入し、60℃で2時間撹拌させ、結晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−2)を得た。
上記のトナー用添加剤と同様の方法で測定した。
降下式フローテスター[(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とした。
試料(5mg)を採取してアルミパンに入れ、DSC(示差走査熱量測定)[セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580]により、昇温速度毎分10℃で、結晶溶融による吸熱ピークの温度(℃)を求めた。
下記の方法で、本発明のトナーの製造に用いる有機微粒子(H−1)の分散液(S−1)を作成した。
攪拌装置のついた容器に、THF400部、トリレンジイソシアネート229部を投入し、反応容器内の空気を窒素置換した後加熱して40℃とした。次に、ヒドロキシエチルメタクリレート171部を1時間で滴下し、ビスマス触媒[ネオスタンU−600、日東化成(株)製]0.1部加えて40℃で1時間反応を行い、分子末端にイソシアネート基を持つビニルモノマー溶液を得た。次に、攪拌装置のついた容器に、THF398部、製造例3で得られた結晶性ポリエステル(P−1)398部を投入し、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱して70℃で結晶性ポリエステル(P−1)を均一に溶解させた。ここにビニルモノマー溶液56部を1時間で滴下し、ビスマス触媒[ネオスタンU−600、日東化成(株)製]0.1部加えて70℃3時間反応を行い、マクロモノマー(mm−1)溶液を得た。マクロモノマー(mm−1)溶液のイソシアネート含量は0.0%であった。
攪拌機を備えた反応容器内にTHF500部を仕込み、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱して還流温度とした。次に、ベヘニルアクリレート160部、メタクリル酸60部、製造例6で得られたマクロモノマー(mm−1)溶液200部、メタクリル変性シリコーン[信越化学工業(株)製、X22−2426、Mw:12,000]80部、アゾビスイソブチロニトリル1.5部の混合物を反応容器内に2時間かけて適下後、還流温度で6時間熟成し、有機微粒子(H−1)の分散液(S−1)を得た。有機微粒子分散液(S−1)をレーザー式粒度分布測定装置[LA−920、(株)堀場製作所製]で測定した体積平均粒径は0.15μmであった。
<製造例8><着色剤分散液(G−1)の調整>
下記の方法で、本発明のトナーの製造に用いる着色剤分散液(G−1)を作成した。
アセトン800部、フタロシアニン顔料[クロモファインブルー、大日精化工業(株)製]152.5部、顔料分散剤[SOLSPERSE26000、日本ルーブリゾール(株)製]47.5部を混合した後、ビーズミル[ダイノーミルマルチラボ、(株)シンマルエンタープライゼス製]で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、顔料分散液を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置[LA−920、(株)堀場製作所製]で測定した体積平均粒径は、0.25μmであった。
下記の方法で、本発明のトナーの製造に用いるワックス分散液(W−1)〜(W−8)、(W−19)〜(W−21)及び比較用のワックス分散液(W’−1)を作成した。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL(ベヘン酸ベヘニル)、日油(株)製]133.3部、実施例1で得られたトナー用添加剤(J−1)66.7部を混合した後、ビーズミル[ダイノーミルマルチラボ、(株)シンマルエンタープライゼス製]で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−1)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置[LA−920、(株)堀場製作所製]で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例2で得られたトナー用添加剤(J−2)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−2)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例3で得られたトナー用添加剤(J−3)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−3)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例4で得られたトナー用添加剤(J−4)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−4)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例5で得られたトナー用添加剤(J−5)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−5)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例6で得られたトナー用添加剤(J−6)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−6)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例7で得られたトナー用添加剤(J−7)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−7)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例8で得られたトナー用添加剤(J−8)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−8)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例19で得られたトナー用添加剤(J−19)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−19)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例20で得られたトナー用添加剤(J−20)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−20)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、実施例21で得られたトナー用添加剤(J−21)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W−21)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
アセトン800部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]133.3部、比較例1で得られた比較用のトナー用添加剤(J’−1)66.7部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、その後、ジルコニアビーズを濾別することで、ワックス分散液(W’−1)を得た。この分散液のレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.35μmであった。
ビーカー内に製造例2で得られた非晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−1)
240.2部、製造例8で得られた着色剤分散液(G−1)29.5部、および製造例9で得られたワックス分散液(W−1)27.0部を投入し、ホモミキサー[プライミクス製(株)製]を用い、回転数10000rpmで2分間分散して分散相(DP−1)を得た。
図1の実験装置において、まずバルブV1、V2を閉じ、ボンベB2、ポンプP4より粒子回収槽T4に二酸化炭素(純度99.99重量%)を導入し、14MPa、40℃に調整した。また樹脂溶液タンクT1に分散相(DP−1)、微粒子分散液タンクT2に製造例7で得られた有機微粒子分散液(S−1)を仕込んだ。次にボンベB1、ポンプP3より二酸化炭素を分散槽T3に導入し、9MPa、40℃に調整し、さらにタンクT2、ポンプP2より有機微粒子分散液(S−1)を導入した。次に分散槽T3の内部を2000rpmで攪拌しながら、タンクT1、ポンプP1より分散相(DP−1)を分散槽T3内に導入した。導入後T3の内部の圧力は14MPaとなった。
なお分散槽T3への仕込み組成の重量比は次の通りである。
分散相(DP−1) 296.7部
有機微粒子分散液(S−1) 25.0部
二酸化炭素 550.0部
なお導入した二酸化炭素の重量は、二酸化炭素の温度(40℃)及び圧力(15MPa)から二酸化炭素の密度を下記文献1に記載の状態式より算出し、これに分散槽T3の体積を乗じることにより算出した。
文献1:Journal of Physical and Chemical Refarence data、vol.25、P.1509〜1596
分散相(DP−1)を導入後、1分間攪拌し分散体(Q)を得た。バルブV1を開き、P3よりT4内に二酸化炭素を導入した後、分散体(Q)をT4内に導入し、この間圧力が一定に保たれるように、V2の開度を調節した。この操作を30秒間行い、V1を閉めた。この操作によりT4内に導入された樹脂溶液からの溶剤の抽出を行った。さらにT4を60℃に加熱し、15分間保持した。この操作により、有機微粒子分散液(S−1)を分散相(DP−1)から形成された樹脂粒子の表面に固着させ、トナー中間体粒子(TM−1)を生成した。次に圧力ボンベB2、ポンプP4より粒子回収槽T4に二酸化炭素を導入しつつ圧力調整バルブV2により圧力を14MPaに保持することにより、抽出された溶剤を含む二酸化炭素を溶剤トラップ槽T5に排出すると共に、トナー中間体粒子(TM−1)をフィルターF1に捕捉した。圧力ボンベB2、ポンプP4より粒子回収槽T4に二酸化炭素を導入する操作は、上記の分散槽T3に導入した二酸化炭素重量の5倍量を粒子回収槽T4に導入した時点で二酸化炭素の導入を停止した。この停止の時点で、溶剤を含む二酸化炭素を、溶剤を含まない二酸化炭素で置換すると共にトナー中間体粒子(TM−1)をフィルターF1に捕捉する操作は完了した。さらに、圧力調整バルブV2を少しずつ開き、粒子回収槽内を大気圧まで減圧し、フィルターF1に補足されている、体積平均粒径D50が6μmのトナー中間体粒子(TM−1)を得た。
前記トナー中間体粒子(TM−1)99部及びコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−1)を得た。
実施例9において、ワックス分散液(W−1)の代わりに、表3に記載のワックス分散剤(W)を用いたこと以外は、実施例9と同様に実施し、トナー中間体粒子(TM−2)〜(TM−8),(TM−11)〜(TM−13)及び本発明のトナー(T−2)〜(T−8),(T11)〜(T13)を得た。
実施例9において、非晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−1)の代わりに、結晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−2)を使用したこと以外は実施例9と同様に実施して、トナー中間体粒子(TM−9)及びトナー(T−9)を得た。
製造例1で得られた非晶性ポリエステルトナーバインダー(R−1)86.4部に対して、フタロシアニン顔料[クロモファインブルー、大日精化工業(株)製]5.0部、エステルワックス[ユニスターM−2222SL、日油(株)製]4.0部、実施例1で得られたトナー用添加剤(J−1)2.0部を加え、下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて、上記の化合物の混合物を予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径D50が8μmのトナー中間体粒子(TM−10)を得た。
ついで、トナー粒子100部及びコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−10)を得た。
実施例9において、ワックス分散液(W−1)の代わりに、ワックス分散液(W’−1)を使用したこと以外は実施例9と同様に実施して、トナー中間体粒子(TM’−1)及びトナー(T’−1)を得た。
比較例2において、非晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−1)の代わりに、結晶性ポリエステルトナーバインダー溶液(L−2)を使用したこと以外は比較例2と同様に実施して、トナー中間体粒子(TM’−2)及びトナー(T’−2)を得た。
実施例9〜18、22〜24及び比較例2〜3で得たトナー中間体粒子の体積平均粒径は、以下の方法で測定した。
また、実施例9〜18、22〜24で得たトナー(T−1)〜(T−13)及び比較例2〜3で得た比較用のトナーについて、低温定着性、耐ホットオフセット性、流動性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度及びドキュメントオフセット性を、以下の方法で評価した。
結果を表3に示す。
トナー中間体粒子を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(濃度0.1重量%)に分散して体積平均粒径をコールターカウンター[マルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)]で測定した。
トナーを紙面上に0.85mg/cm2となるよう均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通す定着試験を、様々な定着温度で実施した。定着画像へのコールドオフセットの有無を目視評価し、コールドオフセットが発生せず定着できる最低温度(MFT)(℃)を測定した。
MFTが低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着試験を、様々な定着温度で実施した。定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生せずに定着できる最高温度(℃)を測定した。
ホットオフセットが発生せずに定着できる最高温度が高い程、耐ホットオフセット性に優れることを意味する。
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーのかさ密度(g/100ml)を測定し、流動性を下記の判定基準で判定した。
◎:33以上
○:28以上33未満
△:25以上28未満
×:25未満
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
◎:ブロッキングが発生していない。
○:ブロッキングがわずかに発生している。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿する。(2)(1)で調湿したトナーとフェライトキャリアの混合物を、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpmの条件で摩擦撹拌し、10分間摩擦撹拌した時点の帯電量及び60分間摩擦攪拌した時点の帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「60分間摩擦撹拌した時点の帯電量/10分間摩擦撹拌した時点の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
◎:0.8以上
○:0.7以上、0.8未満
△:0.6以上、0.7未満
×:0.6未満
低温定着性の評価において、定着できる最低温度で定着して得られた画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない最硬の鉛筆硬度を評価した。傷のつかない最硬の鉛筆硬度が高いほど、画像強度に優れることを意味する。
◎:H以上
○:HB〜F
△:B〜HB
×:2B以下
耐ホットオフセット性の評価において、定着できる最高温度で定着して得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm2)をかけ、60℃で60分間静置する。
重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
◎:抵抗なし
○:引き離す際、若干の抵抗あり
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
これは、本発明のトナー用添加剤によって、トナー中のワックスの分散性が向上したためと考えられる。
T2:溶液タンク
T3:分散槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度200℃、攪拌機つき)
T4:粒子回収槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度100℃)
T5:溶剤トラップ
F1:セラミックフィルター(メッシュ:0.5μm)
B1、B2:二酸化炭素ボンベ
P1、P2:溶液ポンプ
P3、P4:二酸化炭素ポンプ
V1:バルブ
V2:圧力調整バルブ
Claims (5)
- エステル(E)を含有するトナー用添加剤であって、(E)がポリオール(A)とポリカルボン酸(B)との縮重合物であるポリエステルポリオール(C)と、鎖状アルキル基を有する炭素数18〜24のモノカルボン酸(D)とのエステルであり、前記エステル(E)の酸価が1mgKOH/g未満であり、前記エステル(E)の水酸基価が10〜60mgKOH/gであり、前記エステル(E)のガラス転移点が−35〜40℃であるトナー用添加剤。
- 前記モノカルボン酸(D)が、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラギジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸及びリグノセリン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノカルボン酸である請求項1に記載のトナー用添加剤。
- 前記ポリオール(A)が、炭素数2〜20の鎖状脂肪族ポリオール及び炭素数6〜20の芳香族ポリオールのアルキレンオキサイド付加物からなる群より選ばれた1種以上の化合物である請求項1又は2に記載のトナー用添加剤。
- 前記ポリカルボン酸(B)が、炭素数8〜20の芳香族ポリカルボン酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー用添加剤。
- エステルワックス、ポリオレフィンワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール及び炭素数30〜50の脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のワックス(w)、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー用添加剤、トナーバインダー樹脂(R)並びに着色剤(g)を含有するトナー。
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