JP2018178943A - エマルジョン燃料生成装置 - Google Patents

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欣也 井上
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Abstract

【課題】エンジンを安定した運転状態に保ち、且つ強酸性の凝縮水によるエンジンのダメージを防止した上で、凝縮水を適切に処理できるエマルジョン燃料生成装置を提供する。【解決手段】燃料を貯留する燃料タンク(14)と、混合用水を貯留する混合用水タンク(22)と、燃料タンクと混合用水タンクから燃料と混合用水とが供給され、エマルジョン燃料が生成されるエマルジョン燃料タンク(17)と、エマルジョン燃料を加熱する加熱手段(116)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明はエマルジョン燃料生成装置に係り、特にエンジンの排ガスを冷却する排ガス冷却器内に溜まった凝縮水を処理する技術に関する。
例えば、燃費向上やNOx低減等を目的としてエンジンに備えられたEGR装置は、排気通路を流れる排ガスをEGRガスとしてEGR通路を経て吸気通路に還流させている。EGRガスの密度を高めるためにEGR通路にはEGRクーラが介装されており、このEGRクーラにEGRガスを流通させて冷却している。EGRガスが冷却される際にはEGRガス中に含まれる水蒸気が凝縮するため、EGRクーラ内には多量の凝縮水が溜まる。このような凝縮水は、エンジンの運転領域の急変により一気に筒内に導入されてトラブルの要因になるため、EGRクーラ内の凝縮水を処理する凝縮水処理装置が実用化されている。
例えば特許文献1に記載の技術では、EGR通路を流れる排ガスから分離した凝縮水を貯留部に貯留し、気化部により毛細管現象を利用して吸い寄せて気化させた上で、吸気管に発生した負圧によりエンジンの筒内に導入して処理している(特許文献1)。
特開2016−44602号公報
上記のように特許文献1の凝縮水処理装置は凝縮水の処理にエンジンを利用しているが、エンジンへの影響については何ら配慮されていなかった。
即ち、毛細管現象を利用した凝縮水の気化に関しても、負圧を利用した筒内への導入に関しても、エンジンの運転領域に応じて大きく変動し、言わば成り行きにまかせたものでしかない。このため気化した凝縮水の筒内への導入量は適切とは言い難く、エンジンの安定した運転を妨げる要因になった。
また、排ガス成分を含んだ凝縮水は強酸性であり、そのままの凝縮水を吸気通路を経て筒内に導入させれば、吸気通路や吸気バルブ、或いは筒内(シリンダヘッドやピストン頂部)が強酸性の凝縮水により腐食してダメージを受けるという問題もあった。
そこで、凝縮水を燃料と混合してエマルジョン燃料を生成する技術が開発されている。
このようなエマルジョン燃料を生成するために凝縮水と燃料とをより効率よく混ぜることについて、更なる改善の余地がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、強酸性の凝縮水によるエンジンのダメージを防止した上で、凝縮水をより適切に処理することができるエマルジョン燃料生成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のエマルジョン燃料生成装置は、燃料を貯留する燃料タンクと、混合用水を貯留する混合用水タンクと、前記燃料タンク内の前記燃料と前記混合用水タンク内の前記混合用水とが供給され、エマルジョン燃料が生成されるエマルジョン燃料タンクと、前記エマルジョン燃料を加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする。
これにより、燃料を貯留する燃料タンクと混合用水を貯留する混合用水タンクとからエマルジョン燃料タンクに燃料と混合用水とが供給されてエマルジョン燃料が生成され、加熱手段によってエマルジョン燃料に熱を付与して加熱することで、燃料及び混合用水の表面張力や粘性が小さくなり微粒化が促進されるため、エマルジョン燃料に含まれる混合用水と燃料とを良好に混合することが可能とされる。
その他の態様として、エンジンの排ガスを冷却して該エンジンの筒内に導入する排ガス冷却器と、前記排ガスの冷却により前記排ガス冷却器内に発生した凝縮水を貯留する凝縮水容器をさらに有し、前記混合用水は前記凝縮水であり、混合用水タンクは前記凝縮水容器であるのが好ましい。
これにより、混合用水として排ガスの冷却により排ガス冷却器内に発生した凝縮水を用い、混合用水タンクとして凝縮水を貯留する凝縮水容器を用いることで、凝縮水の酸性度は燃料による希釈で弱められることから、エンジンへのダメージを防止した上で凝縮水を適切に処理可能とされる。この際、加熱手段によってエマルジョン燃料を加熱することで、エマルジョン燃料に含まれる凝縮水と燃料とを良好に混合することが可能とされる。
その他の態様として、エンジンの駆動によって発生する熱を付与される熱媒体と、該熱媒体が流通する熱媒体通路と、前記エマルジョン燃料タンク内の前記エマルジョン燃料と前記熱媒体通路内を流れる前記熱媒体との間で熱交換可能な熱交換器とをさらに有し、前記加熱手段は前記熱交換器であるのが好ましい。
これにより、熱交換器を用いてエマルジョン燃料と熱媒体とで熱交換をしてエマルジョン燃料を加熱することで、エンジンによって発生する熱を利用してエマルジョン燃料を加熱することが可能とされる。
その他の態様として、前記エンジンの冷却水と外気とで熱交換をして該冷却水を冷却するラジエータと、前記エンジンと前記ラジエータとを前記冷却水を流通可能に接続する高温冷却水路とをさらに有し、前記熱媒体は前記冷却水であって、前記熱媒体通路は前記高温冷却水路であるのが好ましい。
これにより、エンジンの駆動によって発生する熱を冷却水を介してエマルジョン燃料に伝達することで、ラジエータによる冷却水と外気との熱交換によって外気に棄てていた熱を利用してエマルジョン燃料を加熱することができ、より良好にエマルジョン燃料を生成することが可能とされる。換言すれば、エマルジョン燃料によって冷却水を冷却することが可能とされる。
その他の態様として、前記高温冷却水路に設けられ、前記ラジエータへ接続する前記高温冷却水路を開閉可能とする冷却水路弁をさらに有するのが好ましい。
これにより、冷却水路弁によってラジエータへ接続する高温冷却水路を開閉可能にすることで、例えばエンジン及びエマルジョン燃料の温度に応じて冷却水路弁を開閉し、エンジン及びエマルジョン燃料の温度を調整することが可能とされる。
その他の態様として、前記冷却水路弁は、前記高温冷却水路の前記冷却水の流れ方向で視て前記熱交換器の下流に設けられ、所定温度以上のときに前記冷却水を流通させるサーモスタットであるのが好ましい。
これにより、冷却水路弁を、高温冷却水路の冷却水の流れ方向で視て熱交換器の下流に設け、所定温度以上のときに冷却水を流通させるサーモスタットとすることで、例えば所定温度をエマルジョン燃料の生成に適した温度とした場合、冷却水の温度が所定温度となるまでサーモスタットが高温冷却水路を閉鎖してラジエータに冷却水を流通させないので、冷却水が所定温度、例えばエマルジョン燃料の生成に適した温度になるまで冷却水の冷却を行わないようすることが可能とされる。さらに、冷却水が所定温度に達した後は、サーモスタットが高温冷却水路を開放してラジエータに冷却水を流通させるので、冷却水をラジエータによって冷却し、エマルジョン燃料の過加熱を防止すると共に該エマルジョン燃料の生成に適した温度を一定に保つことが可能とされる。
その他の態様として、前記冷却水路弁は、前記高温冷却水路の前記冷却水の流れ方向で視て前記熱交換器の上流に設けられた制御水路弁であって、前記エマルジョン燃料の温度を検出する温度センサと、前記エマルジョン燃料タンク及び前記制御水路弁をバイパスするバイパス水路と、前記制御水路弁を開閉制御可能な制御手段とをさらに有し、前記制御手段は、前記温度センサにより検出した前記エマルジョン燃料の温度が規定温度より低いと判別するときにのみ、前記制御水路弁を開放して前記冷却水を前記熱交換器に流入するのが好ましい。
これにより、温度センサにより検出したエマルジョン燃料の温度が規定温度より低いと判別するときにのみ、制御手段によって高温冷却水路に設けられた冷却水路弁を開放して冷却水を熱交換器に流入することで、エマルジョン燃料の温度に応じて冷却水路弁を開閉することが可能なため、例えばエンジンの温度が高く、エマルジョン燃料の温度も高い場合には、エマルジョン燃料を加熱することなく、ラジエータによって冷却水を積極的に冷却してエンジンを冷却することが可能とされる。
その他の態様として、凝縮水槽及び燃料槽の下側に撹拌槽を画成してなる一体容器と、前記凝縮水槽に一時的に貯留された凝縮水及び前記燃料槽に一時的に貯留された燃料を、それぞれ予め設定された流量比で重力により前記撹拌槽内に流下・供給する混合弁と、前記撹拌槽内の前記凝縮水及び前記燃料を撹拌する撹拌装置とを備え、前記エマルジョン燃料タンクは前記撹拌槽であり、前記加熱手段は、前記撹拌槽内の前記エマルジョン燃料を加熱するのが好ましい。
これにより、排ガス冷却器内に発生した凝縮水が凝縮水槽に一時的に貯留されると共に、燃料が燃料槽内に一時的に貯留されるが、これらの凝縮水及び燃料は、混合弁を介して所定の流量比で撹拌槽内に流下・供給され、加熱手段により一定の混合比のエマルジョン燃料を良好に生成することが可能とされる。
その他の態様として、前記エマルジョン燃料タンクから前記エマルジョン燃料が加圧手段により加圧されて追混合噴射弁から噴射され供給される密閉容器をさらに備え、加熱手段は、前記密閉容器内の前記エマルジョン燃料をも加熱するのが好ましい。
これにより、エマルジョン燃料が加圧手段による加圧後に追混合噴射弁から密閉容器内に噴射され、加熱手段により加熱されて微粒化され、その際にエマルジョン燃料に含まれる凝縮水と燃料がさらに良好に混合される。このため、乳化剤を要することなく均質なエマルジョン燃料を生成可能となる。
その他の態様として、エンジンの駆動によって発生する排ガスを車両の外部に排出する排気管をさらに有し、前記熱媒体は前記排ガスであって、前記熱媒体通路は前記排気管であるのが好ましい。
これにより、エンジンの駆動によって発生する排ガスの熱をエマルジョン燃料に伝達することで、排ガスと共に外気に棄てていた熱を利用してエマルジョン燃料を加熱することができ、より良好にエマルジョン燃料を生成することが可能とされる。
その他の態様として、前記エマルジョン燃料タンクは、前記エンジンの近傍に設けられているのが好ましい。
これにより、エンジンの駆動によって発生する熱のうち、例えば冷却水に伝達せず該エンジンから漏れ出る熱をエンジンの近傍に設けたエマルジョン燃料タンクに貯留されるエマルジョン燃料に付与することで、エマルジョン燃料をエンジンから発生する熱によって加熱することが可能とされる。
その他の態様として、前記混合用水及び前記燃料を撹拌する撹拌装置をさらに有するのが好ましい。
これにより、加熱手段によって加熱されるエマルジョン燃料を撹拌装置によって撹拌することで、エマルジョン燃料をより良好に生成することが可能とされる。
本発明のエマルジョン燃料生成装置によれば、燃料を貯留する燃料タンクと混合用水を貯留する混合用水タンクとからエマルジョン燃料タンクに燃料と混合用水とが供給されてエマルジョン燃料が生成され、加熱手段によってエマルジョン燃料に熱を付与して加熱したので、燃料及び混合用水の表面張力や粘性が小さくなり微粒化が促進されるため、エマルジョン燃料に含まれる混合用水と燃料とを良好に混合することができる。
例えば、混合用水として排ガスの冷却により排ガス冷却器内に発生した凝縮水を用い、混合用水タンクとして凝縮水を貯留する凝縮水容器を用いることにより、凝縮水の酸性度は燃料による希釈で弱められることから、エンジンへのダメージを防止した上で凝縮水を適切に処理可能とされる。また、燃料の形態で筒内に導入されたエマルジョン燃料は良好に燃焼することから、エンジンを安定した運転状態に保つことがさせることができる。
これにより、エンジンを安定した運転状態に保ち、且つ強酸性の凝縮水によるエンジンのダメージを防止した上で、凝縮水をより適切に処理することができる。
本発明に係るエマルジョン燃料生成装置が搭載された車両の概略構成図である。 第1実施形態のエンジンの凝縮水処理装置を示す全体構成図である。 エンジンの運転領域内のノッキング発生領域を示す特性図である。 別実施例に係るエマルジョン燃料生成装置が搭載された車両の概略構成図である。 更なる別実施例に係るエマルジョン燃料生成装置が搭載された車両の概略構成図である。 第2実施形態のエンジンの凝縮水処理装置を示す全体構成図である。 第3実施形態のエンジンの凝縮水処理装置を示す全体構成図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1を参照すると、本発明に係るエマルジョン燃料生成装置が搭載された車両100の概略構成図が示されている。
車両100の進行方向で視て前部にはエンジンユニット102が、後部には燃料タンク14が配設されている。
エンジンユニット102は、エンジン1、EGRクーラ8、凝縮水容器(混合用水タンク)22、撹拌容器(エマルジョン燃料タンク)17、冷却装置104を備えて構成されている。
図2は第1実施形態のエンジン1の凝縮水処理装置を示す全体構成図である。
エンジン1は吸気管噴射型の直列4気筒ガソリン機関として構成されている。エンジン1の吸気管には吸気マニホールド2が接続され、吸気マニホールド2は各気筒の吸気ポート3を介して筒内4と接続され、吸気ポート3には燃料噴射弁5(1気筒分を図示)が設けられている。また、各気筒の筒内4は、排気ポート6及び排気マニホールド7を介して排気管と接続されている。
図示はしないがエンジン1の運転中には、エアクリーナを介して吸気管内に吸気が導入されてスロットル弁により流量調整され、吸気マニホールド2により各気筒に分配されて燃料噴射弁5から噴射された燃料と共に吸気弁の開弁に伴って筒内4に流入する。筒内4で点火プラグの点火により燃料が燃焼してピストン及びクランク軸を介して機関トルクを発生させ、燃焼後の排ガスは排気弁の開弁に伴って各気筒の筒内4から排出されて排気マニホールド7により集合し、排気管を経て外部に排出される。
一方、エンジン1にはEGR装置が備えられている。周知のようにEGR装置は、吸気管と排気管とをEGR通路により接続し、このEGR通路上に介装されたEGR弁の開度をエンジン1の運転領域に応じて制御することにより、排気管を流れる排ガスをEGRガスとしてEGR通路を経て吸気管に還流させるものである。不活性なEGRガスの導入により、筒内4の燃焼温度が低下してNOxの生成が抑制される。
EGRガスの密度を高めるためにEGR通路には空冷或いは水冷式のEGRクーラ8(排ガス冷却器)が介装されており、このEGRクーラ8を流通することによりEGRガスが冷却される。EGRガスが冷却される際にはEGRガス中に含まれる水蒸気が凝縮するため、EGRクーラ8内には多量の凝縮水が発生して溜まる。
そこで、凝縮水と燃料からエマルジョン燃料を生成して筒内4に導入する機能を有する凝縮水処理装置が設けられており、以下、凝縮水と燃料からエマルジョン燃料を生成して筒内4に導入する機能を有する凝縮水処理装置について説明する。
エンジン1の各気筒の吸気ポート3には上記した燃料噴射弁5に加えて、以下に述べるエマルジョン燃料生成装置10で生成したエマルジョン燃料を噴射するための燃料噴射弁9がそれぞれ設けられている。説明の便宜上、本来の燃料のみを噴射する燃料噴射弁をガソリン噴射弁5と称し、エマルジョン燃料を噴射する燃料噴射弁をエマルジョン噴射弁9と称して区別する。
各気筒のガソリン噴射弁5はそれぞれ第2ガソリン路11を介して共通の第1燃料ポンプ12と接続され、第1燃料ポンプ12は第1ガソリン路13を介して燃料タンク14と接続されている。燃料タンク14内に貯留された燃料(ガソリン)は第1ガソリン路13を経て第1燃料ポンプ12に吸い込まれ、所定圧に加圧されて第2ガソリン路11を経て各気筒のガソリン噴射弁5に供給される。そして、上記のようにガソリン噴射弁5の開弁に伴い、燃料は吸気ポート3内に噴射されて筒内4での燃焼に供される。
また第1燃料ポンプ12は、流量調整弁15が介装された第3ガソリン路16を介して撹拌容器17と接続され、第1燃料ポンプ12から吐出された燃料の一部が流量調整弁15及び第3ガソリン路16を経て撹拌容器17内に供給される。撹拌容器17の下側には撹拌用モータ18(撹拌装置)が固定され、撹拌用モータ18の出力軸18aは撹拌容器17の底部を貫通して撹拌容器17内で撹拌翼19(撹拌装置)と連結され、撹拌用モータ18により撹拌翼19が回転駆動される。なお撹拌翼19の駆動は、撹拌用モータ18に代えてエンジン1で行ってもよい。
図1に示すように、撹拌容器17は、エンジン1の近傍に配設され、エンジン1の熱を付与されている。
また、撹拌容器17は流量調整弁20が介装された第2凝縮水路21を介して凝縮水容器22と接続され、凝縮水容器22は第1凝縮水路23を介してEGRクーラ8と接続されている。上記したようにEGRクーラ8はEGRガスの冷却機能を奏し、その内部にはEGRガス中に含まれる水蒸気の凝縮により凝縮水が発生する。本実施形態では、発生した凝縮水がEGRクーラ8内に溜まることなく、直ちに重力或いは図示しないポンプにより第1凝縮水路23を経て凝縮水容器22内に移送されて一時的に貯留される。そして、凝縮水容器22内に貯留された凝縮水は、後述するように必要に応じて第2凝縮水路21を経て撹拌容器17内に供給される。撹拌容器17は凝縮水容器22の下側に位置しており、凝縮水の撹拌容器17への移送には重力が利用される。
図示はしないが凝縮水容器22には開閉式の給水口が設けられ、この給水口を介して任意に水道水等を凝縮水容器22に補給可能となっている。
一方、撹拌容器17は第1エマルジョン路24を介して第2燃料ポンプ25と接続され、第2燃料ポンプ25は第2エマルジョン路26を介して各気筒のエマルジョン噴射弁9とそれぞれ接続されている。
図1に戻り、冷却装置104は、ラジエータ110、ウォータジャケット112、サーモスタット(冷却水路弁)114、エマルジョン燃料熱交換器(加熱手段、熱交換器)116、冷却水ポンプ118、高温配管(熱媒体通路、高温冷却水路)120、低温配管122、バイパス管124で構成されている。
ラジエータ110は、複数の管を互いに空隙を有するように束ねた形状をしており、当該複数の管に対して垂直方向に延びる金属製で板状のフィンを複数有して構成されている。また、ラジエータ110は、エンジンユニット102の車両100進行方向で視て前部に位置している。これにより、空隙を通過する空気によって複数の管に流入された冷却水が熱交換されて冷却される。
ウォータジャケット112は、エンジン1内に冷却水を循環させる湯路であり、エンジン1全体を巡っている。即ち、エンジン1が燃料を燃焼することで発生する熱を冷却水に付与し、該冷却水を循環させることで、エンジン1全体を均一に冷却することができる。
高温配管120は、ウォータジャケット112、つまりエンジン1によって温められた冷却水をラジエータ110に流通させる配管であり、低温配管122は、ラジエータ110によって冷却された冷却水をエンジン1に流通される配管である。以降、説明の便宜上、高温配管120内を流通する冷却水を「高温冷却水」と称し、低温配管122内を流通する冷却水を「低温冷却水」と称して区別する。高温配管120には、高温冷却水の流通方向で視て上流側にエマルジョン燃料熱交換器116が、エマルジョン燃料熱交換器116の下流側にサーモスタット114が配設されている。
エマルジョン燃料熱交換器116は、撹拌容器17に貫通して設けられている。また、エマルジョン燃料熱交換器116は、例えばラジエータ110のように複数の管を互いに空隙を有するように束ねた形状をしており、撹拌容器17に蓄積されたエマルジョン燃料とエマルジョン燃料熱交換器116を流通する高温冷却水とで熱交換をさせる所謂熱交換器である。即ち、エマルジョン燃料熱交換器116によってエマルジョン燃料が高温冷却水から熱を奪うことで加熱され、換言すれば、高温冷却水を冷却することが可能となっている。なお、エマルジョン燃料熱交換器116の態様はこれに限らず、高温配管120と同じ態様のものでもよく、熱交換が行えればよい。
サーモスタット114は、エマルジョン燃料の温度が所定温度より低いときは高温配管120を閉止し、エマルジョン燃料の温度が所定温度以上のときは高温冷却水の温度に応じて開度を変更して高温配管120を開放する弁である。即ち、エマルジョン燃料の温度が所定温度より低いときは、ラジエータ110へ高温冷却水を流入させず、バイパス管124によって低温配管122に高温冷却水を流入する。そして、エマルジョン燃料の温度が所定温度以上のときは、ラジエータ110へ高温冷却水を流入して冷却することが可能となっている。
低温配管122には、冷却水ポンプ118が配設されている。冷却水ポンプ118は、低温冷却水をエンジン1方向に流動させるポンプであり、例えばエンジン1の駆動力を利用して駆動している。これにより、低温冷却水は冷却装置104内及びエンジン1内を循環することができる。
エンジン1の総合的な制御はECU(制御手段)31により実行され、ECU31は、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。
ECU31の入力側には、エンジン回転速度や冷却水温等のエンジン1の運転状態を検出する各種センサ類と共に、凝縮水容器22内に貯留される凝縮水の液面レベルを検出する液面センサ32、及び撹拌容器17内に貯留されるエマルジョン燃料の液面レベルを検出する液面センサ33が接続されている。またECU31の出力側には、上記したガソリン噴射弁5、エマルジョン噴射弁9、第1燃料ポンプ12及び第2燃料ポンプ25、撹拌用モータ18及び流量調整弁15,20が接続されると共に、運転席に設けられた凝縮水の不足を報知するための警告灯34、及び図示しない点火プラグを駆動するイグナイタ等の各種デバイス類が接続されている。
ECU31は、各センサからの検出情報に基づき点火時期や燃料噴射量等を決定し、決定した目標値に基づいてイグナイタやガソリン噴射弁5及びエマルジョン噴射弁9を駆動制御してエンジン1を運転する。
またECU31は、EGRクーラ8内に溜まった凝縮水を処理するために、エマルジョン燃料を生成してエマルジョン噴射弁9から噴射しており、以下、ECU31により実行される当該処理について説明する。
EGRクーラ8内で発生した凝縮水は、第1凝縮水路23を経て凝縮水容器22内に移送されて一時的に貯留されており、ECU31は通常時には流量調整弁15,20を共に閉弁状態に保持している。ECU31は液面センサ33からの検出情報に基づき撹拌容器17内のエマルジョン燃料の液面レベルを監視し、液面レベルが所定の下限まで低下すると流量調整弁15,20を共に開弁し、凝縮水容器22内の凝縮水及び第1燃料ポンプ12から吐出される燃料を撹拌容器17内に供給する。これらの凝縮水と燃料とによりエマルジョン燃料が生成されるのであるが、所定の混合比(例えば、凝縮水:燃料=30:70)となるように、ECU31は流量調整弁15,20を開度制御して凝縮水及び燃料の流量比を調整する。
凝縮水及び燃料の供給は、液面レベルが所定の上限に達するまで或いは凝縮水容器22内の凝縮水が無くなるまで継続される。次いでECU31は撹拌用モータ18を作動させ、撹拌翼19により凝縮水と燃料を撹拌する。これにより撹拌容器17内で凝縮水と燃料とが混合されて所定の混合比のエマルジョン燃料が生成され、第2燃料ポンプ25により加圧されてエマルジョン噴射弁9に供給される。従って、エマルジョン噴射弁9の開弁に伴い、エマルジョン燃料はエンジン1の吸気ポート3内に噴射されて筒内4での燃焼に供される。
エンジン1の運転中において、ECU31はガソリン噴射弁5及びエマルジョン噴射弁9をエンジン1の運転領域に応じて駆動する。
図3はエンジン1の運転領域内のノッキングが発生する領域を示しており、特に高負荷・低回転域でノッキングが発生することが判る。ECU31は全ての運転領域でガソリン噴射弁5を駆動し、これに対してエマルジョン噴射弁9をノッキング発生領域で駆動する。従って、ノッキング発生領域以外(他の運転領域)では、エンジン1の要求出力から算出された要求燃料量となるようにガソリン噴射弁5の噴射量が制御される。
これに対してノッキング発生領域では要求燃料量を達成するように、ガソリン噴射弁5及びエマルジョン噴射弁9の噴射量が予め設定された比率で制御される。ノッキング発生領域内では、負荷が高くなるほどガソリン噴射弁5に対するエマルジョン噴射弁9の噴射量の比率が増加され、それに応じて筒内4に導入される凝縮水が増加して燃焼温度の低下によりノッキングの抑制が図られる。
但し、ガソリン噴射弁5及びエマルジョン噴射弁9の制御はこれに限るものではない。例えば液面センサ32により検出される凝縮水容器22内の液面レベルが予め設定された上限を超えた場合には、多量に発生した凝縮水を迅速に処理する必要がある。そこで、このような状況ではノッキング発生領域以外でもエマルジョン噴射弁9を駆動して、筒内4にエマルジョン燃料を導入・処理するようにしてもよい。
また、ガソリン噴射弁5を省略して全ての領域でエマルジョン噴射弁9を駆動し、常に筒内4にエマルジョン燃料を導入・処理するようにしてもよい。
次に、第1実施形態における別実施例について説明する。
図4を参照すると、別実施例に係るエマルジョン燃料生成装置10が搭載された車両100の概略構成図が示されており、別実施例では、高温配管120にエマルジョンバイパス管(バイパス水路)224と制御水路弁(冷却水路弁)214とが配設されている。また、別実施例では、撹拌容器17にはエマルジョン燃料の温度を検出する温度センサ230が設けられている。
制御水路弁214は、ECU31の制御によって開閉可能な弁である。また、制御水路弁214は、高温配管120の撹拌容器17より高温冷却水の流れ方向で視て上流側に配設されている。
エマルジョンバイパス管224は、撹拌容器17及び制御水路弁214に接続せずにサーモスタット114の高温冷却水の流れ方向で視てエマルジョン燃料熱交換器216の下流に、即ちサーモスタット114を介してラジエータ110に接続する配管である。
制御水路弁214及び温度センサ230は、ECU31と電気的に接続している。
ECU31は、温度センサ230によって検出されるエマルジョン燃料の温度が規定温度(例えばエマルジョン燃料を生成しやすい温度)より低いと判別するとき、制御水路弁214を開放して高温冷却水をエマルジョン燃料熱交換器216に流入させることでエマルジョン燃料を加熱することができる。また、ECU31は、温度センサ230によって検出されるエマルジョン燃料の温度が規定温度以上と判別するとき、制御水路弁214を閉鎖して高温冷却水をエマルジョン燃料熱交換器216に流入させないことでエマルジョン燃料を加熱しないようにすることができる。
図5を参照すると、更なる別実施例に係るエマルジョン燃料生成装置10が搭載された車両100の概略構成図が示されている。
更なる別実施例では、排気管300が撹拌容器17を貫通して配設されており、エマルジョン熱交換器316を介して排気管300によって撹拌容器17内のエマルジョン燃料が加熱されている。なお、撹拌容器17と排気管300との間に空隙を設けたり、断熱材を設けて撹拌容器17内のエマルジョン燃料を過加熱しないようにしてもよく、撹拌容器17を排気管300に貫通させるのではなく、撹拌容器17に接し、または近傍に設けるようにしてもよい。さらには、高温配管120にエマルジョンバイパス管224を設けたように、排気管300にバイパス経路を設けたり、制御可能な弁を設けるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る車両100に搭載されたエマルジョン燃料生成装置10では、燃料を貯留する燃料タンク14と、混合用水としての凝縮水を貯留する凝縮水容器22と、燃料タンク14から燃料と凝縮水容器22から凝縮水とが供給され、エマルジョン燃料が生成される撹拌容器17と、エマルジョン燃料に熱を付与して加熱する加熱手段とを備えている。
従って、燃料タンク14から燃料が、凝縮水容器22から凝縮水が撹拌容器17に供給されてエマルジョン燃料が生成され、加熱手段によってエマルジョン燃料に熱を付与して加熱するようにしたので、燃料及び混合用水の表面張力や粘性が小さくなり微粒化が促進されるため、エマルジョン燃料に含まれる混合用水と燃料とを良好に混合することができる。
即ち、エンジン1の排ガスを冷却して該エンジン1の筒内4に導入するEGRクーラ8を用いることで、凝縮水を凝縮水容器22に貯留することができる。また、凝縮水の酸性度は燃料による希釈で弱められることから、エンジン1へのダメージを防止した上で凝縮水を適切に処理できる。
そして、エンジン1の駆動によって発生する熱を付与される熱媒体としてエンジン1と熱交換をして該エンジン1を冷却する冷却水と、冷却水が流通する高温配管120と、高温配管120に設けられ、撹拌容器17に接し、または貫通し、エマルジョン燃料と冷却水とで熱交換が可能に構成されたエマルジョン燃料熱交換器116とを有し、エマルジョン燃料熱交換器116を用いてエマルジョン燃料と熱媒体とで熱交換をしてエマルジョン燃料を加熱する加熱手段を用いている。
従って、エンジン1によって発生する熱を利用してエマルジョン燃料を良好に加熱することができ、換言すれば、エマルジョン燃料によって冷却水を冷却することができる。
そして、高温配管120に設けられ、ラジエータ110へ接続する高温配管120を開閉可能とする冷却水路弁、即ちサーモスタット114を配設したので、冷却水やエマルジョン燃料の温度に応じてサーモスタット114を開閉し、エンジン1及びエマルジョン燃料の温度を調整することができる。
さらに、サーモスタット114を高温配管120における高温冷却水の流れ方向で視て下流側に設け、エマルジョン燃料の温度が所定温度以上のときに冷却水を流通させるようにしたので、例えば所定温度をエマルジョン燃料の生成に適した温度とした場合、該エマルジョン燃料の温度が所定温度となるまでサーモスタット114が高温配管120を閉鎖してラジエータ110に冷却水を流通させないこととなる。即ち、エマルジョン燃料が所定温度になるまで冷却水の冷却を行わずにエマルジョン燃料を温め、エマルジョン燃料が所定温度に達した後は、サーモスタットが高温配管120を開放してラジエータ110に冷却水を流通させるようにしたので、冷却水をラジエータ110によって冷却し、エマルジョン燃料の過加熱を防止すると共に該エマルジョン燃料の生成に適した温度を一定に保つことができる。
そして、撹拌容器17は、エンジン1の近傍に設けられ、エンジン1の駆動によって発生する熱を撹拌容器17に付与するようにしたので、エマルジョン燃料をエンジン1から発生する熱によって加熱することができる。
そして、凝縮水及び燃料を撹拌する撹拌用モータ18と撹拌翼19とを用いて撹拌するようにしたので、エマルジョン燃料をより良好に生成することができる。
そして、別実施例では、エマルジョン燃料の温度を検出する温度センサ230と、高温配管120の冷却水の流れ方向で視てエマルジョン燃料熱交換器216の上流に制御水路弁214と、撹拌容器17及び制御水路弁214に接続せずにラジエータ110に接続するエマルジョンバイパス管224と、制御水路弁214を開閉制御可能な制御手段とをさらに有し、温度センサ230により検出したエマルジョン燃料の温度が規定温度より低いと判別するときにのみ、制御水路弁214を開放して冷却水をエマルジョン燃料熱交換器216に流入するようにしている。これにより、エマルジョン燃料の温度に応じて冷却水路弁を開閉することで、例えばエンジン1の温度が高く、エマルジョン燃料の温度も高い場合には、エマルジョン燃料を加熱することなく、ラジエータ110によって冷却水を積極的に冷却してエンジン1を冷却することができる。
そして、更なる別実施例では、エンジン1の駆動によって発生する排ガスを車両100の外部に排出する排気管300を撹拌容器17に貫通して配設している。
これにより、エンジン1の駆動によって発生する排ガスの熱をエマルジョン燃料に伝達するようにしたので、排ガスと共に外気に棄てていた熱を利用してエマルジョン燃料を加熱することができ、より良好にエマルジョン燃料を生成することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を別のエンジン1の凝縮水処理装置に具体化した第2実施形態を説明する。
図6は第2実施形態のエンジン1の凝縮水処理装置を示す全体構成図である。
本実施形態の凝縮水処理装置の全体的な構成は第1実施形態のものと同様であり、相違点は、凝縮水容器22及び撹拌容器17を一体容器41に置き換えたことにある。そこで、重複する構成の箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に述べる。
一体容器41は、凝縮水槽42、燃料槽43及び撹拌槽(エマルジョン燃料タンク)44からなり、凝縮水槽42及び燃料槽43が並列配置で画成されると共に、それらの下側で隣接するように撹拌槽44が画成され、全体として1つの容器を構成している。第1実施形態の凝縮水容器22と同じく、凝縮水槽42は第1凝縮水路23を介してEGRクーラ8と接続され、EGRクーラ8からの凝縮水が一時的に凝縮水槽42内に貯留される。また第1実施形態の撹拌容器17と同じく、撹拌槽44は第1エマルジョン路24、第2燃料ポンプ25及び第2エマルジョン路26を介して各気筒のエマルジョン噴射弁9とそれぞれ接続されると共に、撹拌槽44の底部には撹拌用モータ18により回転駆動される撹拌翼19が配設されている。
また燃料槽43は、流量調整弁15を備えた第3ガソリン路16を介して第1燃料ポンプ12と接続され、第1燃料ポンプ12からの燃料が流量調整弁15を経て燃料槽43内に供給されて一時的に貯留される。流量調整弁15の開度はECU31により制御され、燃料槽43内の燃料は常に凝縮水槽42内の凝縮水と同一液面レベルに調整されている。
なお、以下の混合弁45による所定の流量比を達成できれば、必ずしも同一液面レベルとする必要はなく、互いに異なる液面レベルに保ってもよい。
一体容器41の凝縮水槽42と撹拌槽44との間、及び燃料槽43と撹拌槽44との間には、共通の混合弁45が介装されている。混合弁45の凝縮水槽42側の開度及び燃料槽43側の開度は、エマルジョン燃料の混合比と対応するように予め設定されており、それらの開度に応じた流量比で、凝縮水槽42内の凝縮水及び燃料槽43内の燃料が重力により撹拌槽44内に流下・供給される。結果として撹拌槽44内では、撹拌翼19により凝縮水及び燃料が混合されることで所定の混合比のエマルジョン燃料が生成される。
このようにして生成されたエマルジョン燃料が撹拌槽44からエマルジョン噴射弁9に供給され、エマルジョン噴射弁9の開弁に伴って吸気ポート3内に噴射されて筒内4での燃焼に供される。従って、重複する説明はしないが、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
加えて、凝縮水槽42、燃料槽43及び撹拌槽44からなる一体容器41を設け、且つ混合弁45により撹拌槽44内に凝縮水及び燃料を所定の流量比で供給するようにしたため、第1実施形態と比較して凝縮水処理装置の全体的な構成を簡略化できるという効果も得られる。
以上のように第2実施形態では、エマルジョン燃料生成装置は、凝縮水槽42及び燃料槽43の下側に撹拌槽44を画成してなる一体容器41と、凝縮水槽42に一時的に貯留された凝縮水及び燃料槽43に一時的に貯留された燃料を、それぞれ予め設定された流量比で重力により撹拌槽44内に流下・供給する混合弁45と、撹拌槽44内の凝縮水及び燃料を撹拌する流量調整弁20とから構成されている。
従って、EGRクーラ8内に発生した凝縮水が凝縮水槽42に一時的に貯留されると共に、燃料が燃料槽43内に一時的に貯留され、混合弁45を介して所定の流量比で撹拌槽44内に流下・供給されてエマルジョン燃料熱交換器116により一定の混合比のエマルジョン燃料を良好に生成することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明を別のエンジン1の凝縮水処理装置に具体化した第3実施形態を説明する。
図7は第3実施形態のエンジン1の凝縮水処理装置を示す全体構成図である。
本実施形態の凝縮水処理装置の全体的な構成は第1実施形態のものと同様であり、相違点は、撹拌容器17内で生成されたエマルジョン燃料をさらに良好にエマルジョン化すべく追混合装置51(追混合手段)を設けたことにある。そこで、重複する構成の箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に述べる。
追混合装置51は第1エマルジョン路24上に介装されており、追混合装置51の第3燃料ポンプ52(加圧手段)は第1エマルジョン路24を介して撹拌容器17に接続されると共に、密閉容器53内に臨むように配設された追混合噴射弁54と接続されている。
第3燃料ポンプ52及び追混合噴射弁54はECU31により駆動制御され、ECU31は、撹拌容器17内のエマルジョン燃料を第3燃料ポンプ52により加圧した後、追混合噴射弁54から噴射させる。密閉容器53内で空気中に噴射されることによりエマルジョン燃料は微粒化され、その際にエマルジョン燃料に含まれる凝縮水と燃料がさらに均質に混合される(以下、この処理を追混合と称する)。追混合後のエマルジョン燃料は一時的に密閉容器53に貯留され、その後に第2燃料ポンプ25によりエマルジョン噴射弁9に供給される。
また、密閉容器53には、エマルジョン燃料熱交換器416が貫通して設けられている。即ち、第1実施形態で説明したエマルジョン燃料熱交換器116と同様に、密閉容器53内で空気中に噴射されて微粒化したエマルジョン燃料と高温冷却水とで熱交換をして該エマルジョン燃料を加熱することができる。
第1実施形態では、凝縮水と燃料とのエマルジョン化のために、撹拌容器17内での撹拌に加えて乳化剤を必要とする場合もあるが、本実施形態では、追混合装置51により凝縮水と燃料とがさらに混合されるため、乳化剤を要することなく均質なエマルジョン燃料を生成することができる。よって、エンジン1の筒内4に供給される凝縮水量をより緻密に制御でき、結果として、エンジン1を安定した運転状態に保ちつつ一層良好なノッキング抑制効果を得ることができる。
一方、第3燃料ポンプ52の吸込側の第1エマルジョン路24上には切換弁55が介装され、この切換弁55は再循環路56を介して密閉容器53と接続されている。切換弁55は、第3燃料ポンプ52の吸込側を撹拌容器17に接続した導入位置と、第3燃料ポンプ52の吸込側を密閉容器53に接続した再循環位置との間で切換可能となっている。
切換弁55はECU31により駆動制御され、ECU31は、上記のように追混合噴射弁54からエマルジョン燃料を噴射した後の経過時間が予め設定された判定時間に達すると、切換弁55を導入位置から再循環位置に切り換えると共に、第3燃料ポンプ52及び追混合噴射弁54を作動させる。密閉容器53内のエマルジョン燃料は再循環路56を経て第3燃料ポンプ52に戻され、再度加圧された後に追混合噴射弁54から密閉容器53内に噴射される。
判定時間は、密閉容器53内のエマルジョン燃料に含まれる凝縮水と燃料とが時間経過と共に次第に分離して、エマルジョン燃料としての性能を保てなくなるまでの時間より若干短く設定されている。このため、例えば車両が長期駐車された場合等にはECU31により判定時間の経過と判定され、再び追混合噴射弁54からエマルジョン燃料が噴射される。よって、このような場合にも均質なエマルジョン燃料によって上記した作用効果が得られる。
なお、追混合の再実行は、必ずしも判定時間に基づく必要はない。例えば光学センサを用いて実際のエマルジョン燃料の分離状態を検出し、その検出結果に基づき追混合を再実行してもよい。
以上のように、第3実施形態では、撹拌容器17からエマルジョン燃料が供給され、該エマルジョン燃料を加圧手段により加圧して追混合噴射弁54から密閉容器53内に噴射し、噴射後のエマルジョン燃料をエマルジョン噴射弁9に供給する追混合手段をさらに備え、エマルジョン燃料熱交換器416は、密閉容器53を加熱している。
従って、エマルジョン燃料が加圧手段による加圧後に追混合噴射弁54から密閉容器53内に噴射され、加熱手段により加熱されて微粒化され、その際にエマルジョン燃料に含まれる凝縮水と燃料がさらに良好に混合される。このため、乳化剤を要することなく均質なエマルジョン燃料を生成できる。
以上で本発明に係るエマルジョン燃料生成装置の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、加熱手段をエマルジョン燃料熱交換器116、216、316、416を用いて説明しているが、これに限らず、電気的に作動するヒータを撹拌容器17や撹拌槽44に設けて加熱するようにしてもよい。
また、本実施形態では、自動車用エンジン1の凝縮水処理装置に具体化したが、エンジンの用途はこれに限るものではなく任意に変更可能であり、例えば船舶用のエンジン、或いは定置型の発電装置用エンジンに適用してもよい。
また、本実施形態では、EGRクーラ8内に発生した凝縮水の処理装置に具体化したが、本発明の排ガス冷却器はこれに限るものではなく、例えばインタクーラに適用してもよい。(EGRの還流により排ガスを含む)吸気がインタクーラを流通・冷却される際に、同じく凝縮水が発生するためである。また、車室内の空調(クーラー)で発生する凝縮水(ドレン水)を適用してもよい。
また、第1〜3実施形態では、ガソリン噴射弁5及びエマルジョン噴射弁9から吸気ポート3内に燃料噴射したが、何れか一方或いは双方を筒内直接噴射型として構成してもよい。
1 エンジン
8 EGRクーラ(排ガス冷却器)
10 エマルジョン燃料生成装置
17 撹拌容器(エマルジョン燃料タンク)
18 撹拌用モータ(撹拌装置)
19 撹拌翼(撹拌装置)
22 凝縮水容器(混合用水タンク)
31 ECU(制御手段)
41 一体容器
42 凝縮水槽
43 燃料槽
44 撹拌槽(エマルジョン燃料タンク)
45 混合弁
53 密閉容器
54 追混合噴射弁
100 車両
102 エンジンユニット
104 冷却装置
110 ラジエータ
114 サーモスタット(冷却水路弁)
116、216、316、416 エマルジョン燃料熱交換器(加熱手段、熱交換器)
120 高温配管(熱媒体通路、高温冷却水路)
214 制御水路弁(冷却水路弁)
224 エマルジョンバイパス管(バイパス水路)
230 温度センサ
300 排気管

Claims (12)

  1. 燃料を貯留する燃料タンクと、
    混合用水を貯留する混合用水タンクと、
    前記燃料タンク内の前記燃料と前記混合用水タンク内の前記混合用水とが供給され、エマルジョン燃料が生成されるエマルジョン燃料タンクと、
    前記エマルジョン燃料を加熱する加熱手段と、
    を備えるエマルジョン燃料生成装置。
  2. エンジンの排ガスを冷却して該エンジンの筒内に導入する排ガス冷却器と、前記排ガスの冷却により前記排ガス冷却器内に発生した凝縮水を貯留する凝縮水容器をさらに有し、
    前記混合用水は前記凝縮水であり、
    前記混合用水タンクは前記凝縮水容器である、請求項1に記載のエマルジョン燃料生成装置。
  3. エンジンの駆動により発生する熱が付与される熱媒体と、該熱媒体が流通する熱媒体通路と、前記エマルジョン燃料タンク内の前記エマルジョン燃料と前記熱媒体通路内を流れる前記熱媒体との間で熱交換可能な熱交換器とをさらに有し、
    前記加熱手段は前記熱交換器である、請求項1または2に記載のエマルジョン燃料生成装置。
  4. 前記エンジンの冷却水と外気とで熱交換をして該冷却水を冷却するラジエータと、
    前記エンジンと前記ラジエータとを前記冷却水を流通可能に接続する高温冷却水路とをさらに有し、
    前記熱媒体は前記冷却水であって、
    前記熱媒体通路は前記高温冷却水路である、請求項3に記載のエマルジョン燃料生成装置。
  5. 前記高温冷却水路に設けられ、前記ラジエータへ接続する前記高温冷却水路を開閉可能とする冷却水路弁をさらに有する、請求項4に記載のエマルジョン燃料生成装置。
  6. 前記冷却水路弁は、前記高温冷却水路の前記冷却水の流れ方向で視て前記熱交換器の下流に設けられ、所定温度以上のときに前記冷却水を流通させるサーモスタットである、請求項5に記載のエマルジョン燃料生成装置。
  7. 前記冷却水路弁は、前記高温冷却水路の前記冷却水の流れ方向で視て前記熱交換器の上流に設けられた制御水路弁であって、
    前記エマルジョン燃料の温度を検出する温度センサと、
    前記エマルジョン燃料タンク及び前記制御水路弁をバイパスするバイパス水路と、
    前記制御水路弁を開閉制御可能な制御手段とをさらに有し、
    前記制御手段は、前記温度センサにより検出した前記エマルジョン燃料の温度が規定温度より低いと判別するときにのみ、前記制御水路弁を開放して前記冷却水を前記熱交換器に流入する、請求項5に記載のエマルジョン燃料生成装置。
  8. 凝縮水槽及び燃料槽の下側に撹拌槽を画成してなる一体容器と、
    前記凝縮水槽に一時的に貯留された凝縮水及び前記燃料槽に一時的に貯留された燃料を、それぞれ予め設定された流量比で重力により前記撹拌槽内に流下・供給する混合弁とを備え、
    前記エマルジョン燃料タンクは前記撹拌槽であり、
    前記加熱手段は、前記撹拌槽内の前記エマルジョン燃料を加熱する、請求項2〜7のいずれかに記載のエマルジョン燃料生成装置。
  9. 前記エマルジョン燃料タンクから前記エマルジョン燃料が加圧手段により加圧されて追混合噴射弁から噴射され供給される密閉容器をさらに備え、
    前記加熱手段は、前記密閉容器内の前記エマルジョン燃料をも加熱する、請求項2〜8のいずれかに記載のエマルジョン燃料生成装置。
  10. 前記エンジンの駆動によって発生する排ガスを車両の外部に排出する排気管をさらに有し、
    前記熱媒体は前記排ガスであって、
    前記熱媒体通路は前記排気管である、請求項3に記載のエマルジョン燃料生成装置。
  11. 前記エマルジョン燃料タンクは、前記エンジンの近傍に設けられている、請求項2〜10のいずれかに記載のエマルジョン燃料生成装置。
  12. 前記混合用水及び前記燃料を撹拌する撹拌装置をさらに有する、請求項1〜11のいずれかに記載のエマルジョン燃料生成装置。
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