JP2018178860A - オイルポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベアリングの剛性の低下を抑制しつつ、ポンプシャフトとポンプハウジングとの間のベアリングを介して閉回路が形成されることを防止することができるオイルポンプを提供すること。【解決手段】オイルポンプ1は、ポンプギヤ3とポンプハウジング2とポンプシャフト4とベアリング5とを有する。ポンプハウジング2は、収容室20及び貫通孔23を有する。ポンプシャフト4は、収容室20及び貫通孔23の内側に配されている。ポンプシャフト4は、ポンプギヤ3に嵌入されている。ベアリング5は、径方向におけるポンプシャフト4の外周面41とポンプハウジング2の貫通孔23の内周面231との間に配されている。ベアリング5は、径方向に積層された複数の層からなる。複数の層のうちの少なくとも1層は、絶縁材料からなる絶縁層51である。複数の層における絶縁層51以外の層のうちの少なくとも1層は、金属材料からなる金属層52である。【選択図】図1

Description

本発明は、オイルポンプに関する。
吸入口から供給されたオイルを吐出口へ圧送するオイルポンプとしては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載のオイルポンプは、ポンプギヤと、前記ポンプギヤを収容するポンプハウジングと、前記ポンプギヤに嵌入され、前記ポンプギヤを回転させるポンプシャフトと、を有する。
また、特許文献1に記載されているように、オイルポンプは、トランスアクスル内に取り付けて用いられることがある。トランスアクスルは、オイルポンプと、モータと、モータのロータシャフトと、これらを収容するトランスアクスルケースと、を有する。
特許文献1に記載されたトランスアクスルは、ポンプハウジングとトランスアクスルケースとの間に、電気的絶縁性を有する絶縁ガスケットを介在させている。これにより、オイルポンプとトランスアクスルケースとの双方を通る電気的な閉回路が形成されることを防止している。閉回路が形成されることを防止することにより、モータの駆動に伴う誘導電流が発生することを防止し、これによって前記閉回路を構成する部材に放電が生じることによる電食の発生を防止しようとしている。
特開2016−158437号公報
しかしながら、特許文献1に記載のオイルポンプにおいて、ポンプハウジングとポンプシャフトとの間に配されたベアリングを介して、閉回路(例えばポンプシャフト、ベアリング、ポンプハウジング、ロータシャフトを通る閉回路)が形成されるおそれがある。これにより、モータの駆動に伴う誘導電流が発生し、当該誘導電流に起因する電食の発生が懸念される。
ここで、前述の問題を解決するために、前記ベアリングを単に絶縁部材のみで構成することも考えられる。しかしながら、ベアリングの剛性が低下しやすく、これによりベアリングの信頼性が低下しやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ベアリングの剛性の低下を抑制しつつ、ポンプシャフトとポンプハウジングとの間のベアリングを介して閉回路が形成されることを防止することができるオイルポンプを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、ポンプギヤと、
前記ポンプギヤを収容する収容室、及び、軸方向の一方において前記収容室に連通するとともに軸方向の他方に開放された貫通孔を有するポンプハウジングと、
前記収容室及び前記貫通孔の内側に配されるとともに、前記ポンプギヤに嵌入されたポンプシャフトと、
径方向における前記ポンプシャフトの外周面と前記ポンプハウジングの前記貫通孔の内周面との間に配されたベアリングと、を有し、
前記ベアリングは、径方向に積層された複数の層を有し、
前記複数の層のうちの少なくとも1層は、絶縁材料からなる絶縁層であり、
前記複数の層における前記絶縁層以外の層のうちの少なくとも1層は、金属材料からなる金属層である、オイルポンプにある。
前記オイルポンプにおいて、ベアリングは、径方向に積層された複数の層を有する。そして、複数の層のうちの少なくとも1層は、絶縁材料からなる絶縁層である。これにより、ポンプシャフトとポンプハウジングとの間のベアリングを介して閉回路が形成されることを防止することができる。
また、複数の層における絶縁層以外の層のうちの少なくとも1層は、金属材料からなる金属層である。それゆえ、ベアリング全体の剛性を向上させやすく、これによってベアリングの信頼性を向上させやすい。
以上のごとく、前記態様によれば、ベアリングの剛性の低下を抑制しつつ、ポンプシャフトとポンプハウジングとの間のベアリングを介して閉回路が形成されることを防止することができるオイルポンプを提供することができる。
実施形態1における、オイルポンプの断面図。 実施形態1における、オイルポンプのベアリング周辺の拡大断面図。 実施形態1における、オイルポンプの、軸方向に直交するとともにベアリングを通る断面図。 実施形態1における、オイルポンプを前方から見た図。 実施形態1のオイルポンプを取り付けたトランスアクスルの断面図。 比較例のオイルポンプにおいて、形成され得る閉回路を説明するための断面図。 実施形態2における、オイルポンプのベアリング周辺の拡大断面図。 実施形態2における、オイルポンプの、軸方向に直交するとともにベアリングを通る断面図。 実施形態2における、絶縁層を取り付けたポンプハウジングの貫通孔周辺の断面図。 実施形態2における、金属層を取り付けたポンプシャフトの断面図。 実施形態2における、金属層を取り付けたポンプシャフトを、絶縁層を取り付けたポンプハウジングの貫通孔に挿入する様子を説明するための断面図。 実施形態3における、オイルポンプのベアリング周辺の拡大断面図。 実施形態3における、オイルポンプの、軸方向に直交するとともにベアリングを通る断面図。
(実施形態1)
オイルポンプの実施形態につき、図1〜図6を用いて説明する。
本実施形態のオイルポンプ1は、図1に示すごとく、オイルポンプ1は、ポンプギヤ3とポンプハウジング2とポンプシャフト4とベアリング5とを有する。ポンプハウジング2は、ポンプギヤ3を収容する収容室20を有する。また、ポンプハウジング2は、軸方向Xの一方において収容室20に連通するとともに軸方向Xの他方に開放された貫通孔23を有する。ポンプシャフト4は、収容室20及び貫通孔23の内側に配されている。また、ポンプシャフト4は、ポンプギヤ3に嵌入されている。図1〜図3に示すごとく、ベアリング5は、径方向におけるポンプシャフト4の外周面41とポンプハウジング2の貫通孔23の内周面231との間に配されている。
ベアリング5は、径方向に積層された複数の層を有する。そして、複数の層のうちの少なくとも1層は、絶縁材料からなる絶縁層51である。また、複数の層における絶縁層51以外の層のうちの少なくとも1層は、金属材料からなる金属層52である。
なお、軸方向Xは、ポンプシャフト4の軸が延びる方向である。以後、軸方向Xにおいて、貫通孔23の収容室20に連通する側を前方といい、貫通孔23における収容室20と反対側を後方という。また、単に径方向というときは、特に断らない限り、ベアリング5の径方向を意味するものとする。
オイルポンプ1は、吸入口から供給されたオイルを吐出口へ圧送するものである。本実施形態において、オイルポンプ1は、トランスアクスル内に配されて用いられる。そして、オイルポンプ1は、トランスアクスルのケース内に貯留されたオイルを循環させるものとして用いられる。オイルは、トランスアクスル内の各種ギヤ、各種ベアリング、各摺動部の潤滑剤として用いられる。しかしながら、オイルポンプ1は、トランスアクスル内に配されるものに限られない。
ポンプハウジング2は、アルミニウムからなる。図3に示すごとく、貫通孔23の内周面231は、円筒状を呈している。図2、図3に示すごとく、貫通孔23の内側に、ベアリング5が配されている。図3に示すごとく、軸方向Xから見たとき、ベアリング5は、円環状を呈している。本実施形態において、ベアリング5は、径方向に積層された2つの層からなる。各層は、軸方向Xから見たとき、円環状を呈している。本実施形態において、ベアリング5は、内周側に金属層52が配されており、外周側に絶縁層51が配されている。つまり、ベアリング5における複数の層のうちの内周端の層である最内周層は、金属層52である。そして、ベアリング5における複数の層のうちの外周端の層である最外周層は、絶縁層51である。
金属層52は、耐摩耗性に優れており、かつ、加工性の良い金属材料からなる。具体的には、金属層52としては、機械構造用炭素鋼、快削鋼(すなわちSUM)、冷間圧造用炭素鋼(すなわちSWCH)、クロムモリブデン鋼鋼材(すなわちSCM)、クロム鋼鋼材(すなわちSCr)、アルミニウム材料等を採用することができる。機械構造用炭素鋼としては、例えばS15C、S45C等を採用することができる。冷間圧造用炭素鋼としては、例えばSWCH10A、SWCH12A等を採用することができる。アルミニウム材料としては、ADC12、ADC10、2000系(Al−Cu系)合金、4000系(Al−Si系)合金等を採用することができる。
絶縁層51は、電気的絶縁性を有する絶縁材料からなる。絶縁層51を構成する絶縁材料は、スーパーエンジニアリングプラスチックや、エンジニアリングプラスチックとすることができる。スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えばPEEK(すなわちポリエーテルエーテルケトン)、PBN(すなわちポリブチレンナフタレート)、PPS(すなわちポリフェニレンサルファイド)、PTFE(すなわちポリテトラフルオロエチレン)を採用することができる。エンジニアリングプラスチックとしては、PC(すなわちポリカーボネート)、POM(すなわちポリアセタール)、PA(すなわちポリアミド)を採用することができる。また、PAとしては、例えばPA66(すなわち6ナイロン)、PA66(66ナイロン)を採用することができる。
図2、図3に示すごとく、金属層52は、絶縁層51の内側に圧入されている。金属層52の線膨張係数と絶縁層51の線膨張係数との差は、後述するように、クリープが生じない程度に小さく設計されている。
また、ベアリング5は、貫通孔23に圧入されている。すなわち、貫通孔23の内周面231に、ベアリング5の最外周層である絶縁層51の外周面が圧接している。そして、絶縁層51の線膨張係数とポンプハウジング2の線膨張係数との差も、後述するように、クリープが生じない程度に小さく設計されている。
つまり、ベアリング5における径方向に隣接する少なくとも一対の層と、ベアリング5及びポンプハウジング2と、ベアリング5及びポンプシャフト4と、のうち少なくとも1組は、互いに圧接して圧接部を構成している。本実施形態においては、ベアリング5における絶縁層51及び金属層52と、ベアリング5及びポンプハウジング2とが、圧接部を構成している。圧接部を構成する部材間の線膨張係数差の絶対値は、鉄とアルミニウムとの線膨張係数差の絶対値以下である。これにより、圧接部を構成する部材間の線膨張係数差は、クリープが生じない程度に小さく設計されている。以後の実施形態でも同様である。
ベアリング5の内側に、ポンプシャフト4が挿入されている。ポンプシャフト4は、ベアリング5の内周面に圧接されない。すなわち、ポンプシャフト4の外径は、ベアリング5の最内周層の内径よりも若干小さい。これにより、ベアリング5における最内周層である金属層52と、ポンプシャフト4とは、互いに摺動可能に構成されている。ベアリング5における、ポンプシャフト4の外周面に対して摺動する摺動面(すなわちベアリング5の最内周層の金属層52の内周面)は、表面粗度を小さくするよう切削加工されている。
図1に示すごとく、ポンプハウジング2における貫通孔23の前方に、貫通孔23と連通するように収容室20が形成されている。収容室20は、貫通孔23よりも大径に形成されている。また、収容室20は、前方に向かって開放されている。図4に示すごとく、収容室20は、前方から見たとき、円形を呈している。
図1、図4に示すごとく、収容室20に、ポンプギヤ3を有するポンプ体300が挿入配置されている。本実施形態において、ポンプ体300は、容積式のポンプの一種である内接歯車式のポンプである。ポンプ体300は、環状のアウタロータ30と、アウタロータ30の内側に配されたポンプギヤ3とを有する。図4に示すごとく、アウタロータ30には、内周部に複数の内歯301が形成されている。ポンプギヤ3は、アウタロータ30の内周側に収容されている。ポンプギヤ3には、アウタロータ30の内歯301よりも少ない数の外歯31が外周側に形成されている。また、ポンプギヤ3は、その中央部に、軸方向Xに貫通してなるシャフト挿入孔32を有する。図1に示すごとく、ベアリング5内に配されているポンプシャフト4は、ポンプギヤ3のシャフト挿入孔32にも挿入されている。図4に示すごとく、ポンプシャフト4の外周面41は、ポンプギヤ3のシャフト挿入孔32に挿入される領域から前端までにわたって形成された、一対の係合面42を有する。一対の係合面42は、軸方向Xに平行に面取りされており、互いに平行に形成されている。そして、シャフト挿入孔32の内周面も、ポンプシャフト4の外周面41に沿った形状を有する。
後述するように、オイルポンプ1の使用時において、図5に示すごとく、ポンプハウジング2の収容室20は前方からトランスアクスル10のケース101の一部によって覆われる。そして、オイルポンプ1使用時において、ポンプ体300は、アウタロータ30及びポンプギヤ3を、互いに相対的に回転させるとともに、ポンプハウジング2に対しても相対的に回転させる。そして、図4に示すごとく、回転に伴い、アウタロータ30の内歯301とポンプギヤ3の外歯31との間に形成された隙間の体積を増減させ、オイルをポンプハウジング2に形成された吸入開口部21を介して、ポンプハウジング2に形成された図示しない吸入口から吸入し、ポンプハウジング2に形成された吐出開口部22を介して、ポンプハウジング2に形成された図示しない吐出口から、オイルポンプ1の外部であって、トランスアクスルのケース内へ吐出する。
図1に示すごとく、ポンプハウジング2は、後面の一部が凹むように形成された凹部24を有する。凹部24は、貫通孔23の外周側において、環状に形成されている。凹部24には、後述するロータシャフト102(図5参照)が配置される。
次に、図5を用いて、本実施形態のオイルポンプ1を取り付けたトランスアクスル10の一例につき説明する。
トランスアクスル10は、オイルポンプ1と、モータと、モータのロータシャフト102と、これらを収容するケース101とを有する。ケース101における前方部に形成された前方壁103は、オイルポンプ1の収容室20を前方から覆っている。図示は省略するが、オイルポンプ1は、ケース101の前方壁103に対して、軸方向Xに固定されている。図5に示すごとく、ポンプシャフト4の前端は、ケース101の前方壁103に軸方向Xに近接するとともに軸方向Xに対向している。これにより、ポンプシャフト4は、前方への変位が制限されている。
オイルポンプ1の後方に、ロータシャフト102が配されている。ロータシャフト102は、その前端部を、ポンプハウジング2の凹部24に挿入している。ロータシャフト102は、円筒状を呈している。ロータシャフト102は、ポンプシャフト4と同軸上に配されている。そして、ロータシャフト102は、貫通孔23及びポンプシャフト4を外周側から囲むように配されている。ロータシャフト102は、例えば、クロム鋼鋼材、機械構造用炭素鋼等からなる。
ロータシャフト102の前端部の外周面と、ポンプハウジング2の凹部24との間には、ボールベアリング104が配されている。これにより、ロータシャフト102は、オイルポンプ1に対して回転可能に構成されている。
また、ロータシャフト102の後端部は、トランスアクスル10のケース101の前方壁103の後方に配された後方壁105に、ボールベアリング106を介して接続されている。これにより、ロータシャフト102は、ケース101に対しても回転可能に構成されている。
また、ポンプシャフト4は、後方壁105に対して、後方ベアリング108を介して接続されている。これにより、ポンプシャフト4は、後方壁105に対しても回転可能に構成されている。
ポンプシャフト4の後端部は、入力シャフト109に嵌合されている。入力シャフト109は、図示しないエンジンに連結されている。そして、ポンプシャフト4は、入力シャフト109から回転力をうけて、回転できるよう構成されている。図示は省略するが、入力シャフト109は、トランスアクスル10のケース101に対し、軸方向Xに位置決めされている。これに伴い、入力シャフト109に嵌合されたポンプシャフト4も、軸方向Xに位置決めされている。
ロータシャフト102の外周面には、モータの一部を構成するロータコア107が嵌合されている。ロータコア107は、図示しないステータに生じる回転磁界を受け、これにより発生するトルクをロータシャフト102に伝える。前記トルクは、ロータシャフト102から、図示しないギヤ等の他の動力伝達機構に伝達される。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態において、ベアリング5は、径方向に積層された複数の層を有する。そして、複数の層のうちの少なくとも1層は、絶縁材料からなる絶縁層51である。これにより、ポンプシャフト4とポンプハウジング2との間のベアリング5を介して閉回路が形成されることを防止することができる。すなわち、本実施形態とは異なり、ベアリング5の全体が金属で形成されていた場合に、例えば、図6において一点鎖線Lで示すような、ポンプシャフト94、ベアリング95、ポンプハウジング92、ボールベアリング904、ロータシャフト912、ボールベアリング906、トランスアクスル91のケース911、後方ベアリング918を通る閉回路が形成されてしまうこと、及びこれに起因する電食の発生を防止することができる。
また、複数の層における絶縁層51以外の層のうちの少なくとも1層は、金属材料からなる金属層52である。それゆえ、ベアリング5全体の剛性を向上させやすく、これによってベアリング5の信頼性を向上させやすい。また、本実施形態において、ベアリング5の最内周層は、金属層52である。それゆえ、ベアリング5の内周面の加工性を向上させることができる。さらに、本実施形態において、ベアリング5における最内周層の金属層52と、ポンプシャフト4とは、互いに摺動可能に構成されている。このように、ベアリング5における他の部材との摺動面を金属層52によって構成することにより、前述のごとく、ベアリング5の内周面の加工性を向上させることができ、ベアリング5と他の部材との間の摺動性を確保することができる。さらに、ベアリング5の耐摩耗性を確保することもできる。
また、仮にベアリング5をポンプシャフト4の外周面41に圧入する構成を採用した場合においても、ベアリング5の最内周層を金属層52とすることにより、ポンプシャフト4とベアリング5の金属層52との間の線膨張係数の差を、クリープが生じない程度の小さな値にしやすい。
また、ベアリング5における径方向に隣接する少なくとも一対の層と、ベアリング5及びポンプハウジング2と、ベアリング5及びポンプシャフト4と、のうち少なくとも1組は、互いに圧接して圧接部を構成しており、圧接部を構成する部材間の線膨張係数差の絶対値は、鉄とアルミニウムとの線膨張係数差の絶対値以下である。それゆえ、前記圧接部において、クリープが発生することを抑制することができ、これによって、ベアリング5の耐久性を確保することができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、ベアリングの剛性の低下を抑制しつつ、ポンプシャフトとポンプハウジングとの間のベアリングを介して閉回路が形成されることを防止することができるオイルポンプを提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図7、図8に示すごとく、実施形態1に対して、ベアリング5の金属層52と絶縁層51との間を、互いに摺動可能に構成した実施形態である。すなわち、金属層52は、絶縁層51の内側に圧入されていない。金属層52の外径は、絶縁層51の内径よりも小さい。そして、本実施形態において、金属層52の外周面は、絶縁層51の内周面との摺動性を確保するために表面粗度を小さくするよう切削加工されている。
ベアリング5は、最内周層である金属層52において、ポンプシャフト4に圧接している。つまり、ベアリング5の金属層52の内側に、ポンプシャフト4が圧入されている。すなわち、本実施形態においては、金属層52及びポンプシャフト4が圧接部を構成している。
また、ベアリング5は、最外周層である絶縁層51において、ポンプハウジング2の貫通孔23の内周面231に圧接している。つまり、ポンプハウジング2の貫通孔23に、絶縁層51が圧入されている。すなわち、本実施形態においては、絶縁層51及びポンプハウジング2も、圧接部を構成している。
本実施形態のオイルポンプ1を製造するに当たっては、図9に示すごとく、ベアリング5の絶縁層51のみを貫通孔23に圧入する。また、図10に示すごとく、ベアリング5の金属層52のみの内側に、ポンプシャフト4を圧入する。そして、図11に示すごとく、前述のように絶縁層51が取り付けられたポンプハウジング2の貫通孔23に、前述のように金属層52が取り付けられたポンプシャフト4を挿入する。そして、図7に示すごとく、軸方向Xにおいて、金属層52と絶縁層51との位置を揃える。以上のようにして、オイルポンプ1を製造する。ポンプシャフト4とポンプハウジング2との軸方向Xの位置決めは、例えば、前述のようにオイルポンプ1をトランスアクスル10内に取り付けた状態において、トランスアクスル10のケース101の前方壁103と、入力シャフト109との双方によって維持される(図5参照)。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態は、図12、図13に示すごとく、ベアリング5を、径方向に積層された3つの層から構成した実施形態である。本実施形態において、最内周層及び最外周層のそれぞれは、金属層である、最内周層の金属層を「金属層52」とし、最外周層の金属層を「金属層53」とする。最内周層の金属層52と、最外周層の金属層53とは、互いに同じ材料としても良いし、互いに異なる材料としてもよい。そして、最内周層と最外周層との間に、絶縁層51が介在している。すなわち、ベアリング5は、径方向の内側から外側に向かって、金属層52、絶縁層51、金属層53の順に積層されている。
本実施形態において、最内周層の金属層52と絶縁層51との間、及び、絶縁層51と最外周層の金属層53との間は、圧接している。すなわち、最外周層の金属層53の内側に絶縁層51が圧入されており、絶縁層51の内側に最内周層の金属層52が圧入されている。つまり、本実施形態においては、金属層52及び絶縁層51と、絶縁層51及び金属層53と、のそれぞれが圧接部を構成している。
本実施形態において、ベアリング5は、ポンプハウジング2の貫通孔23に圧入されていない。つまり、ベアリング5の最外周層の金属層53の外径は、貫通孔23の内径よりも小さい。これにより、最外周層の金属層53と、ポンプハウジング2の貫通孔23の内周面231とは、互いに摺動可能に構成されている。そして、本実施形態において、最外周層の金属層53の外周面は、表面粗度を小さくするよう切削加工されている。
また、ベアリング5は、最内周層である金属層52において、ポンプシャフト4に圧接している。つまり、ベアリング5の最内周層の金属層52の内側に、ポンプシャフト4が圧入されている。すなわち、本実施形態においては、金属層52及びポンプシャフト4も、圧接部を構成している。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態において、ベアリング5の最外周層は、金属層53である。それゆえ、ベアリング5の外周面の加工性を確保することができる。さらに、本実施形態において、ベアリング5の最外周層の金属層53と、貫通孔23の内周面231とは、互いに摺動可能に構成されている。このように、ベアリング5における他の部材との摺動面を金属層53によって構成することにより、前述のごとく、ベアリング5の内周面の加工性を向上させることができ、ベアリング5と他の部材との間の摺動性を確保することができる。さらに、ベアリング5の耐摩耗性を確保することもできる。
また、ベアリング5の最内周層は、金属層52である。そして、ベアリン5の最内周層の金属層52の内側に、ポンプシャフト4が圧入されている。それゆえ、ポンプシャフト4とベアリング5の最内周層の金属層52との間の線膨張係数差を、クリープが生じない程度の小さな値にしやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、前記各実施形態において、ポンプ体を内接歯車式のポンプとしたが、その他のポンプとすることも可能である。
また、例えば、実施形態1においては、ポンプハウジングの内側にベアリングの最外周層の絶縁層を圧入し、絶縁層の内側に金属層を圧入する構成としたが、これに限られない。例えば、ポンプハウジングとベアリングの絶縁層と金属層とを、鋳込みにより一体的に成形してもよい。この場合、ポンプハウジングとベアリングの最外周層の絶縁層との間、及び絶縁層と金属層との間にクリープが生じることを防止できる。他の実施形態においても、同趣旨の変形をすることが可能である。
また、前記各実施形態において、ベアリングは、ポンプシャフト及びポンプハウジングの貫通孔の内周面の少なくとも一方に圧接している実施形態を示したが、これに限られない。例えば、ベアリングとポンプシャフトとを互いに摺動可能に構成するとともに、ベアリングとポンプハウジングの貫通孔の内周面とを互いに摺動可能に構成することも可能である。
1 オイルポンプ
2 ポンプハウジング
20 収容室
23 貫通孔
231 貫通孔の内周面
3 ポンプギヤ
4 ポンプシャフト
41 ポンプシャフトの外周面
5 ベアリング
51 絶縁層
52、53 金属層

Claims (6)

  1. ポンプギヤ(3)と、
    前記ポンプギヤを収容する収容室(20)、及び、軸方向(X)の一方において前記収容室に連通するとともに軸方向の他方に開放された貫通孔(23)を有するポンプハウジング(2)と、
    前記収容室及び前記貫通孔の内側に配されるとともに、前記ポンプギヤに嵌入されたポンプシャフト(4)と、
    径方向における前記ポンプシャフトの外周面(41)と前記ポンプハウジングの前記貫通孔の内周面(231)との間に配されたベアリング(5)と、を有し、
    前記ベアリングは、径方向に積層された複数の層を有し、
    前記複数の層のうちの少なくとも1層は、絶縁材料からなる絶縁層(51)であり、
    前記複数の層における前記絶縁層以外の層のうちの少なくとも1層は、金属材料からなる金属層(52、53)である、オイルポンプ(1)。
  2. 前記ベアリングにおける前記複数の層のうちの内周端の層である最内周層は、前記金属層である、請求項1に記載のオイルポンプ。
  3. 前記ベアリングにおける前記最内周層の前記金属層と、前記ポンプシャフトとは、互いに摺動可能に構成されている、請求項2に記載のオイルポンプ。
  4. 前記ベアリングにおける前記複数の層のうちの外周端の層である最外周層は、前記金属層である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオイルポンプ。
  5. 前記ベアリングにおける前記最外周層の前記金属層と、前記ポンプハウジングの前記貫通孔の前記内周面とは、互いに摺動可能に構成されている、請求項4に記載のオイルポンプ。
  6. 前記ベアリングにおける径方向に隣接する少なくとも一対の前記層と、前記ベアリング及び前記ポンプハウジングと、前記ベアリング及び前記ポンプシャフトと、のうち少なくとも1組は、互いに圧接して圧接部を構成しており、前記圧接部を構成する部材間の線膨張係数差の絶対値は、鉄とアルミニウムとの線膨張係数差の絶対値以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオイルポンプ。
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