JP2005307902A - ベーンロータリ型真空ポンプ - Google Patents

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Noboru Iida
飯田  登
Atsushi Sakuta
作田  淳
Ryuichi Ono
竜一 大野
Tatsuya Nakamoto
達也 中本
Kiyoshi Sawai
澤井  清
Hiroyuki Fukuhara
弘之 福原
Hideki Murakami
秀樹 村上
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Abstract

【課題】シリンダの内面とロータの腐食を抑制したベーンロータリ型真空ポンプを提供する。
【解決手段】アルミニウム合金製のシリンダ111の内面に、ポリイミドやポリフェニレンサルファイド等の樹脂でできたリング171を、焼き嵌め、もしくは接着で取りつける。また、ロータ121や溝122の摺動部172の材質を樹脂製にするもので、これによりポンプ空間161に水分などが入ってきても腐食を防止することができ、高い信頼性を確保することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気圧縮機及び真空ポンプとして使用される回転式流体機械に関するものである。
従来、この種のベーンロータリ型ポンプとしては、無潤滑下で金属材からなるロータ、シリンダ、およびサイドプレートと、カーボンからなるベーン等で構成していた(例えば、特許文献1参照)。
図4は、従来の回転ベーン式ポンプのポンプ機構部の断面図である。図4に示すように、シリンダ1、ベーン2、ロータ3、サイドプレート4、軸5、吸入孔A、排気孔Bで構成されており、シリンダ1とロータ3、サイドプレート4は、金属系材料でできている。具体的には、シリンダ1とサイドプレート4は鉄系、及び、アルミニウム系材料、ベーン2は黒鉛材料、ロータ3は粒状、又は、塊状の黒鉛、又は、炭素を含有する銅系材料として、無潤滑下でも適用できるとして開示されている。
特開昭62−276291号公報
しかしながら、前記従来の構成では、金属材の地肌のまま、もしくは金属材に表面処理を施し、組み立てられることが多いため、圧縮室への水分その他の侵入により各部材が腐食することがあり、腐食によりロータの回転が阻害されるといった課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、圧縮室への水分その他の侵入があっても各部材が腐食せず信頼性の高いベーンロータリ型真空ポンプの提供を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のベーンロータリ型真空ポンプは、アルミ合金製のシリンダの内面に樹脂製のリングを取りつけ、またロータを樹脂製としたもので、圧縮室への水分、その他の侵入があっても各部材が腐食することがない。
本発明のベーンロータリ型真空ポンプは圧縮室への水分、その他の侵入があっても各部材の腐食を防止でき、高い信頼性を確保することができる。
請求項1に記載の発明は、筒状内壁を有するシリンダ内に、円筒形状のロータを前記シリンダの中心軸から偏心させた状態で配置し、前記ロータにはその中心軸方向に複数の溝を設け、これらの溝には自己潤滑性を有する材質よりなる板状のベーンを摺動可能な状態で嵌合させ、摺動面に自己潤滑性材質を備えたフロントプレートとエンドプレートを前記ロータとベーンを挟み込むように前記シリンダの端面に配置して複数のポンプ空間を形成し、前記ロータの中心軸にはメカシャフトを備えてポンプ機構部を構成し、前記エンドプレートの反ポンプ機構部側にはモータを配置し、前記モータが前記メカシャフトを駆動することにより、前記ポンプ空間が伸縮作用を生じるベーンロータリ型真空ポンプであって、前記シリンダをアルミ合金で構成すると共に、前記シリンダの前記筒状内壁部に樹脂製のリングを配置したものである。この構成によれば、水分、その他の侵入があってもシリンダの腐食を防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、ロータの材質を樹脂で構成したものである。そしてこの構成によれば水分、その他の侵入があってもシリンダとロータの腐食を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、前記樹脂製のリングとロータをポリイミド樹脂もしくはポリフェニレンサリファイド樹脂もしくはポリエーテルエーテルケトン樹脂もしくはポリアミドイミド樹脂で構成したものである。そしてこの構成によれば水分、その他の侵入があってもシリンダの腐食を防止することができるとともに、耐摩耗性が向上する。
請求項4に記載の発明で、前記ロータの前記複数の溝の摺動部をポリイミド樹脂もしくはポリフェニレンサリファイド樹脂もしくはポリエーテルエーテルケトンもしくはポリアミドイミドで構成し、前記摺動部以外のロータの材質を前記複数の溝部を構成した樹脂以外で構成したものである。そしてこの構成によれば、水分、その他の侵入があってもシリンダの腐食を防止することができ、耐摩耗性が向上すると共に、ロータを安価にすることができる。
請求項5に記載の発明は、前記樹脂製のリングを多孔質樹脂とし、前記多孔質樹脂に潤滑油を含浸したものである。この構成によれば、多孔質に存在する潤滑油により、シリンダの内面の摺動性が改善できる。
請求項6に記載の発明は、シリンダ内面のリングの材質を多孔質金属とし、前記多孔質金属に潤滑油を含浸したものである。この構成によれば多孔質に存在する潤滑油により、シリンダの内面の摺動性が改善できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるベーンロータリ型真空ポンプの断面図で、図2は、図1に示すベーンロータリ型真空ポンプのポンプ機構部の断面図である。
図1,2において、ベーンロータリ型真空ポンプは、ポンプ機構部100とモータ部200と冷却回路部300により構成されている。ポンプ機構部100は、筒状内壁を有するシリンダ111と、円筒形状のロータ121と、自己潤滑性材質よりなるベーン131と、フロントプレート141とエンドプレート151とから構成されている。ロータ121はシリンダ111の中心軸から偏心した状態で配置され、ロータ121の中心軸方向に設けられた複数の溝122に、ベーン131が摺動可能な状態で嵌合されている。そしてこれらの両側には、フロントプレート141とエンドプレート151が隣接配置され、ポンプ空間161を形成している。またロータ121の中心軸にはメカシャフト123が備えられており、このメカシャフトが回転することで、ロータ121も一体となって回転し、それに伴ってベーン131が溝122の内部で移動する。運転中はベーン131の先端がシリンダ111の内壁と接触回転することにより、ポンプ空間161が仕切られ、吸入、圧縮、及び吐出を繰り返してポンプ機能を果たしている。
モータ部200は、ステータ211とモータロータ221とモータケーシング231とから構成されている。ステータ211はエンドプレート151とモータケーシング231で両側から挟み込まれ、その内部にモータロータ221を備えている。モータロータ221の中心軸にはモータシャフト222が備えられており、その両端近くの2ヶ所で、それぞれ軸受155及び235により支承されている。ここで用いられる軸受としては、グリ
ス封入タイプのボールベアリングが望ましい。またモータシャフト222とメカシャフト123は一体型となっており、モータロータ221の回転が直接ロータ121の回転となるため、動力の伝達ロスは発生しない。
冷却回路部300は、冷却ファン311とエアーガイド321とから構成されている。モータシャフト222の反ポンプ機構側端部に冷却ファン311を取り付け、その周りをエアーガイド321で囲い、風の分散を防いでいる。またモータケーシング231の軸方向端面には複数の貫通穴が設けられており、風回路を形成することでモータ部200の冷却を行っている。
図2において、本実施の形態では、シリンダ111の内面には樹脂でできたリング171が、焼き嵌めもしくは接着でとめられて、リング171の内面がベーン131の先端と摺動するようになっている。ポンプの運転中、ポンプ空間161に水などが入ってきてもリング171は樹脂で構成されているので腐食することは無く、高い信頼性を確保できる。またシリンダの外側をアルミ合金としているので、放熱性が高い。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1において、ロータ121の材質を樹脂にしたものである。ローター121を樹脂にすることによりポンプ空間161に水などが入ってきてもローター121は腐食することが無く、高い信頼性を確保できる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1又は実施の形態2において、リング171とロータ121の樹脂をポリイミド樹脂もしくはポリフェニレンサリファイド樹脂もしくはポリエーテルエーテルケトンもしくはポリアミドイミドで構成したものである。これらの樹脂によりリング171とロータ121は高い耐摩耗性と耐食性を両立でき、高い信頼性をもつベーンロータリ型真空ポンプとすることができる。
(実施の形態4)
図3は、本発明の実施の形態4におけるベーンロータリ型真空ポンプのロータの断面図である。図3において、ロータ121の溝122の摺動部172をポリイミド樹脂もしくはポリフェニレンサリファイド樹脂もしくはポリエーテルエーテルケトンもしくはポリアミドイミドで構成し、摺動部172以外のロータの材質を摺動部172を構成した樹脂以外で構成したもので、ベーンと摺動する摺動部172は高い耐摩耗性の樹脂で構成し、摺動部172以外のロータ材質を摺動性が比較的良好でない樹脂とすることができるため、リング171とロータ121は高い耐摩耗性と耐錆性と低コストを兼ね備えたベーンロータリ型真空ポンプとすることができる。
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態1〜4においてリング171の樹脂を多孔質の樹脂にした上で、この多孔質樹脂に潤滑油を含浸させたもので、多孔質樹脂から微少ににじみ出る潤滑油がシリンダとベーンとの摺動性を良化させることができるため、信頼性の高いベーンロータリ型真空ポンプとすることができる。
(実施の形態6)
実施の形態6は、実施の形態1〜4においてリング171を多孔質の金属にした上で、この多孔質金属に潤滑油を含浸させたもので、多孔質金属から微少ににじみ出る潤滑油がシリンダとベーンとの摺動性を良化させることができるため、信頼性の高いベーンロータリ型真空ポンプとすることができる。
以上のように、本発明にかかるベーンロータリ型真空ポンプは、圧縮室内の耐食性を向上させたことにより、多湿での使用にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるベーンロータリ型真空ポンプの断面図 図1に示すベーンロータリ型真空ポンプのポンプ機構部の断面図 本発明の実施の形態4におけるベーンロータリ型真空ポンプのロータの断面図 従来の回転ベーン式ポンプのポンプ機構部の断面図
符号の説明
100 ポンプ機構部
111 シリンダ
121 ロータ
122 溝
123 メカシャフト
131 ベーン
141 フロントプレート
151 エンドプレート
161 ポンプ空間
171 リング
172 摺動部
200 モータ部
300 冷却回路部

Claims (6)

  1. 筒状内壁を有するシリンダ内に、円筒形状のロータを前記シリンダの中心軸から偏心させた状態で配置し、前記ロータにはその中心軸方向に複数の溝を設け、これらの溝には自己潤滑性を有する材質よりなる板状のベーンを摺動可能な状態で嵌合させ、摺動面に自己潤滑性材質を備えたフロントプレートとエンドプレートとを前記ロータとベーンを挟み込むように前記シリンダの端面に配置して複数のポンプ空間を形成し、前記ロータの中心軸にはメカシャフトを備えてポンプ機構部を構成し、前記エンドプレートの反ポンプ機構部側にはモータを配置し、前記モータが前記メカシャフトを駆動することにより、前記ポンプ空間が伸縮作用を生じるベーンロータリ型真空ポンプであって、前記シリンダをアルミ合金で構成すると共に、前記シリンダの前記筒状内壁部に樹脂製のリングを配置したベーンロータリ型真空ポンプ。
  2. ロータの材質を樹脂で構成した請求項1に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  3. 樹脂製のリングとロータをポリイミド樹脂もしくはポリフェニレンサリファイド樹脂もしくはポリエーテルエーテルケトン樹脂もしくはポリアミドイミド樹脂で構成した請求項1又は請求項2に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  4. ロータの複数の溝の摺動部をポリイミド樹脂もしくはポリフェニレンサリファイド樹脂もしくはポリエーテルエーテルケトンもしくはポリアミドイミドで構成し、前記摺動部以外のロータの材質を前記摺動部を構成した樹脂以外で構成した請求項1に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  5. 樹脂製のリングを多孔質樹脂とし、前記多孔質樹脂に潤滑油を含浸した請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のに記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
  6. 樹脂製のリングの材質を多孔質金属とし、前記多孔質金属に潤滑油を含浸した請求項1に記載のベーンロータリ型真空ポンプ。
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