JP2018178208A - 内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートおよびその製造方法 - Google Patents

内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性と優れた耐脱落性を兼備する内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート及びその製造方法の提供。
【解決手段】長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下析出させた焼戻マルテンサイト相を基地相とし、さらに該基地相中に硬質粒子を、面積率で31〜80%分散させた組織とし、基地相および前記硬質粒子、あるいはさらに固体潤滑剤粒子を含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、V及びWのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で10〜50%、更にNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で10〜80%、含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成とする、バルブシート。これにより、密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、多量に硬質粒子を含有する、耐摩耗性及び耐脱落性に優れたバルブシート。
【選択図】なし

Description

本発明は、内燃機関用バルブシートに係り、とくに鉄基焼結合金製バルブシートの耐摩耗性および耐脱落性の向上に関する。
バルブシートは、シリンダヘッドに圧入され、燃焼ガスのシールとバルブを冷却する役割を担っている。シリンダヘッドに圧入されたバルブシートは、バルブによる叩かれ、すべりによる摩耗、燃焼ガスによる熱サイクル、燃料および燃料に含まれる添加物およびその燃焼物、熱変成物等による腐食等を受ける。このため、バルブシートには、耐摩耗性、耐熱性、耐食性に加えて、相手攻撃性が低いことが要求されている。
このような要求に対し、例えば、特許文献1には、基地中にコバルト基硬質粒子が分散されてなる内燃機関用バルブシートで、基地成分として、重量%で、C:0.5〜1.5%を含み、さらにNi、Co及びMoよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を合計で2.0〜20.0%含有し、残部Feである組成を有し、基地中にコバルト基硬質粒子を26〜50重量%含み、空孔率が5〜20%で、空孔内に低融点金属を溶浸されたバルブシートが記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、優れた耐摩耗性、低い相手攻撃性を兼ね備えたバルブシートとすることができ、ガス燃料エンジン用内燃機関のバルブシートに好適であるとしている。
また、特許文献2には、wt%で、Mo:4〜30%、C:0.2〜3%、Ni:1〜30%、Mn:0.5〜10%、Co:2〜40%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する焼結合金が記載されている。なお、特許文献2に記載された技術では、Cr:5%以下、Si:2%以下の少なくとも1種を含有してもよいとしている。特許文献2に記載された技術で使用する硬質粒子は、wt%で、C:0.3%以下、Mo:10〜60%、Ni:5〜40%、Mn:1〜20%、Co:5〜40%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。なお、硬質粒子は、混合粉全量に対する重量%で10〜60%配合するとし、これにより、焼結時に硬質粒子、基地の元素の拡散が促進され、製造された焼結合金の密度が向上するとしている。また、Moが拡散され、拡散したMoが炭化物や酸化被膜を形成することで、耐摩耗性および固体潤滑性に優れた焼結合金となるとしている。
また、特許文献3には、基地相中に硬質粒子を分散させたバルブシート材であって、基地相が、質量%で、C:0.3〜1.5%、Ni、Co、Mo、Cr、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で1〜20%、含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有し、硬質粒子として、ビッカース硬さで500HV0.1〜1200HV0.1の硬さを有す硬質粒子を、質量%で10〜60%含有し、6.7g/cm以上の密度と、350MPa以上の圧環強さを有する内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート材が記載されている。なお、硬質粒子としては、Fe基硬質粒子、Co基硬質粒子、Ni基硬質粒子のいずれかとすることが好ましいとしている。これにより、ガス燃料用エンジンにおけるような使用環境においても、優れた強度とともに、優れた耐摩耗性を確保できるバルブシートを製造できるとしている。
また、バルブシートは、エンジン運転中に燃焼ガスにより加熱され、温度が上昇する。一方、シリンダヘッドは水または空気で冷却され、低い温度に保持されている。そのため、バルブシートの温度が上昇すればするほど、バルブシートには大きな圧縮応力が生じることになる。この圧縮応力が材料の弾性限を超えると、バルブシートは塑性変形を起こし、シリンダヘッドから脱落しやすくなる。脱落を防止するためには、バルブシートの弾性限を高めることが要求される。
このような要求に対し、例えば、特許文献4には、上部材用および下部材用のそれぞれの原料粉を金型に充填し、圧縮成形し上下二層からなる一体の圧粉体を得る成形工程と、該圧粉体を保護雰囲気中で900〜1200℃の温度範囲で加熱し焼結させて焼結体とする焼結工程と、該焼結体を保護雰囲気中で600〜900℃の温度範囲で加熱し、その後徐冷し軟化焼結体を得る軟化工程と、該軟化焼結体を回転鍛造により高密度化した鍛圧体を得る鍛圧工程と、該鍛圧体を保護雰囲気中で1000〜1200℃の温度範囲で再焼結する再焼結工程と、基地組織の均一化を図る焼入焼戻しを行う熱処理工程とからなる、焼結により一体化された上部材と下部材の二層からなる焼結合金製バルブシートの製造方法が記載されている。なお、特許文献4に記載された技術では、上部材は、平均粒径250μm以下で硬さ400HV以上の硬質粒子を体積率で5〜25%分散させ、気孔率が5%未満である焼結合金としている。特許文献4に記載された技術によれば、運転時のシリンダヘッドでの熱サイクルにより発生する圧縮応力に耐えられる、耐脱落性および耐摩耗性に優れたバルブシートが得られるとしている。
また、特許文献5には、原料粉を金型に充填し、圧縮成形し圧粉体を得る成形工程と、該圧粉体を保護雰囲気中で900〜1200℃の温度範囲で加熱し焼結させて1次焼結体とする1次焼結工程と、該1次焼結体を再圧または鍛造し高密度の再圧体または鍛造体を得る再圧/鍛造工程と、該再圧体または該鍛造体を保護雰囲気中で1000〜1200℃の温度範囲で焼結する2次焼結工程とからなる、バルブシート用鉄基焼結合金材の製造方法が記載されている。特許文献5に記載された技術では、基地中に硬質粒子として、Cr−Mo−Si−Co系合金粒子を面積率で10〜30%分散させ、かつ気孔率が体積率で1〜10%である鉄基焼結合金材となるとしている。特許文献5に記載された技術によれば、耐摩耗性および耐熱ヘタリ性に優れた焼結合金材が得られるとしている。
特開平09−242516号公報 特許第4624600号公報 特開2006−299404号公報 特開平09−151712号公報 特開2000−54087号公報
近年、内燃機関(エンジン)の更なる低燃費化や、厳しい排ガス規制への対応等が要求され、エンジンへの熱負荷が高くなっている。それにともない、バルブシートにおいても、耐摩耗性、耐脱落性の更なる向上が要求されている。
このような要求に対し、特許文献1〜3に記載された技術では、硬質粒子の多量含有により、耐摩耗性を向上させるとしている。しかし、硬質粒子を多量に含有すると、通常、焼結体の高密度化が達成できにくくなる。そのため、所望の耐摩耗性、耐脱落性を確保できにくくなるという問題があった。
また、特許文献4、5に記載された技術においても、軟質焼結体への鍛圧、あるいは焼結体への再圧/鍛造によっても、多量の硬質粒子を含有しているため、所望の高密度化を達成できず、所望の優れた耐摩耗性と優れた耐脱落性とを兼備できないという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、優れた耐摩耗性と優れた耐脱落性とを兼備する内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、まず、圧入されたバルブシートの耐脱落性に及ぼす各種要因について鋭意検討した。その結果、基地相中に適正量の微細炭化物が析出した組織とすることにより、耐脱落性が顕著に向上することを知見した。また、焼結体に熱間鍛造による加工を施すことにより、硬質粒子を多量に含む場合でも所望の高い密度を容易に得ることができ、焼結体に熱間鍛造による加工を施し、さらに基地相中に適正量の微細炭化物が析出した組織とすることにより、耐脱落性が顕著に向上することも知見した。
まず、本発明の基礎となった実験結果について、説明する。
鉄系粉末と、合金元素粉と、硬質粒子粉と、をそれぞれ所定量、配合し混合して混合粉とした。硬質粒子粉として、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子粉を、混合粉全量に対する質量%で、20〜75%となるように配合した。また、合金元素粉として、混合粉全量に対する質量%で、黒鉛粉を1%、Co粉を4%配合した。なお、一部ではさらに、Cu粉を3%、Ni粉を2%配合した。また、鉄系粉末として、純鉄粉、合金鉄粉、合金鋼粉のいずれかを配合し、炭化物形成元素量を変化させて、基地中に析出する炭化物量を調整した。
得られた混合粉を、金型に充填し、プレス成形してバルブシート形状(外径φ39mm×内径φ32mm×厚さ6mm)の圧粉体に加工した。得られたバルブシート形状の圧粉体を保護雰囲気中で焼結温度:1130℃の焼結処理を施し、ついで、900〜1100℃で、所定密度となるように、熱間鍛造加工を施した。なお、比較として、一部は冷間で鍛造加工を施した。ついで、熱処理(焼入焼戻処理)を施した。なお、焼入加熱温度は1000℃、焼戻温度は640℃とした。得られた焼結体について、組織観察、密度測定を実施した。さらに、耐脱落性試験(抜出し試験)を実施した。
組織観察は、バルブシートの断面を組織観察用として研磨し、ナイタール液で腐食したのち、金属顕微鏡で観察し、撮像した写真(100μm×140μm)から、任意の60μm×60μmの範囲について、基地相中に析出した炭化物の面積率を測定した。また、密度測定は、アルキメデス法を用いた。
なお、得られたバルブシートは、所定の寸法精度を満足するように仕上加工して、耐脱落性試験(抜出し試験)に供した。
耐脱落性試験(抜出し試験)は、つぎのとおりとした。
バルブシート1を常温で、シリンダヘッド相当品(冶具)5に圧入する。圧入したままで、図3に示すように、一定温度に保持された冷却水9中に保持された耐熱耐水容器6中で、バルブシート1に、カートリッジヒータ7で、所定の熱サイクルを負荷する。所定の熱サイクルを負荷したのち、万能試験機(押し冶具)を用いて、バルブシートを押し、シリンダヘッド相当品(冶具)5から抜き出すときの荷重(抜出し荷重)を測定した。なお、8は、ダミー試験片である。試験条件は下記のとおりとした。
初期締め代:90μm
冶具材質:FC250
熱サイクル条件:550℃×1hr加熱保持したのち70℃まで空冷する処理を10サイクル繰り返す。
抜出し速度:1mm/min
得られた結果を、抜出し荷重と炭化物面積率との関係で図1に示す。なお、図1では、密度がほぼ7.6g/cmであるものをプロットしている。
図1から、基地相中に、適正量(面積率で27%以下)の微細炭化物が析出した組織とすることにより、抜出し荷重が顕著に高くなることがわかる。しかし、微細炭化物が多量になると、抜出し荷重は低下する傾向を示すこともわかる。なお、図1から、基地中の微細炭化物の析出量は、面積率で0.5%以上とすることが好ましい。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)基地相中に硬質粒子を分散させた単層構造の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートであって、前記基地相が長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下析出させた焼戻マルテンサイト相からなり、さらに前記硬質粒子として、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上を、面積率で31〜80%分散させてなる組織を有し、密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(2)(1)において、前記基地相が、さらに固体潤滑剤粒子を質量%で、4%以下分散させてなることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(3)(2)において、前記固体潤滑剤粒子が、MnS、MoS、CaFのうちのいずれかあることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記基地相および前記硬質粒子、あるいはさらに固体潤滑剤粒子を含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%、さらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(5)バルブ当たり面側層と該バルブ当たり面側層と一体的に接合されてなる支持部材側層とからなる二層構造の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートであって、前記バルブ当たり面側層が、該バルブ当たり面側層の基地相が長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下析出させた焼戻マルテンサイト相からなり、該基地相中に硬質粒子として、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上を面積率で31〜80%分散させてなる組織を有し、前記支持部材側層が、該支持部材側層の基地相が長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下析出させた焼戻マルテンサイト相からなり、あるいはさらに該基地相中に、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちのいずれかである硬質粒子を面積率で80%以下分散させてなる組織を有し、密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(6)(5)において、前記バルブ当たり面側層の前記基地相が、さらに固体潤滑剤粒子を質量%で、4%以下分散させてなることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(7)(5)または(6)において、前記支持部材側層の前記基地相が、さらに固体潤滑剤粒子を質量%で、4%以下分散させてなることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(8)(6)または(7)において、前記固体潤滑剤粒子が、MnS、MoS、CaFのうちのいずれかあることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(9)(5)ないし(8)のいずれかにおいて、前記バルブ当たり面側層の前記基地相および前記硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%、さらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるバルブ当たり面側層組成を有し、前記支持部材側層が、基地相と硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で80%以下と、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる支持部材側層組成を有することを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
(10)原料粉を混合し混合粉とする混合工程と、該混合粉を金型に充填し、圧縮・成形して圧粉体を得る成形工程と、該圧粉体を加熱・焼結してバルブシート状焼結体とする焼結工程と、該バルブシート状焼結体にさらに熱処理を施し所定の特性を付与する熱処理工程と、を順次施し、単層構造の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートとする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法であって、前記混合粉を、原料粉として、純鉄粉、合金鉄粉および合金鋼粉のうちから選ばれた1種または2種以上からなる鉄系粉末と、合金元素粉と、硬質粒子粉と、あるいはさらに固体潤滑剤粉とを配合し混合したものとし、前記硬質粒子粉が、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上であり、該硬質粒子粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、25〜75%とし、あるいはさらに、前記固体潤滑剤粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、4%以下とし、前記混合粉を、前記焼結体の、基地相と硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%と、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成となるように、配合、調整したものとし、前記焼結工程に引続きさらに、前記バルブシート状焼結体に熱間鍛造を行う熱間加工工程を施し、しかる後に前記熱処理工程を施し、密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れた単層構造のバルブシートとすることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法。
(11)バルブ当たり面側層用原料粉を混合しバルブ当たり面側層用混合粉とし、さらに支持部材側層用原料粉を混合し支持部材側層用混合粉とする混合工程と、該バルブ当たり面側層用混合粉とさらに該支持部材側層用混合粉とをその順に金型に充填し、圧縮・成形してバルブ当たり面側層と支持部材側層との二層構造からなる圧粉体を得る成形工程と、該圧粉体を加熱・焼結してバルブシート状焼結体とする焼結工程と、該バルブシート状焼結体にさらに熱処理を施し所定の特性を付与する熱処理工程と、を順次施し、二層構造のバルブシートとする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法であって、前記バルブ当たり面側層用混合粉を、原料粉として純鉄粉、合金鉄粉および合金鋼粉のうちから選ばれた1種または2種以上からなる鉄系粉末と、合金元素粉と、硬質粒子粉と、あるいはさらに固体潤滑剤粉とを配合し混合したものとし、前記硬質粒子粉が、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上であり、該硬質粒子粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、25〜75%とし、あるいはさらに、前記固体潤滑剤粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、4%以下とし、前記バルブ当たり面側層用混合粉を、前記焼結体のバルブ当たり面側層の基地相と硬質粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%と、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成となるように、調整し、前記支持部材用混合粉を、原料粉として純鉄粉、合金鉄粉および合金鋼粉のうちから選ばれた1種または2種以上からなる鉄系粉末と、合金元素粉と、あるいはさらに硬質粒子粉および/または固体潤滑剤粉とを配合し混合したものとし、前記硬質粒子粉が、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上であり、該硬質粒子粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、75%以下とし、前記固体潤滑剤粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、4%以下とし、前記支持部材側層用混合粉を、前記焼結体の支持部材側層の基地相と硬質粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で80%以下と、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる支持部材側層組成を有するように混合し、調整したものとし、前記焼結工程に引続きさらに、前記バルブシート状焼結体に熱間鍛造を行う熱間加工工程を施し、しかる後に前記熱処理工程を施し、密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れた二層構造のバルブシートとすることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法。
(12)(10)または(11)において、前記固体潤滑剤粒子が、MnS、MoS、CaFのうちのいずれかであることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法。
本発明によれば、優れた耐摩耗性と優れた耐脱落性を兼備するバルブシートを、容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、過酷な条件においても優れた耐久性を示すバルブシートが得られるという効果もある。
抜出し荷重に及ぼす基地相中に析出した微細炭化物量の影響を示すグラフである。 摩耗試験機の概略を模式的に示す説明図である。 抜出し試験の概要を模式的に示す説明図である。
本発明内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートは、単層構造、またはバルブ当たり面側層と支持部材側層とからなる2層構造のバルブシートとする。
まず、単層構造の本発明内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートについて説明する。
本発明バルブシートでは、基地相は、焼戻マルテンサイト相からなる。
本発明では、基地相中に、長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下、好ましくは0.5%以上析出させる。基地相中に微細炭化物を適正量析出させることにより、図1にも示すように、抜出し荷重が増加し、耐脱落性が向上する。なお、微細炭化物が27%を超えて多量に析出すると、圧環強さが低下し、かえって耐脱落性が低下する。このため、本発明では、焼戻マルテンサイト相を基地相とし、該基地相中に析出する微細炭化物を、面積率で25%以下の範囲に限定した。なお、好ましくは1〜25%である。
本発明では、基地相中に、さらに硬質粒子を面積率で31〜80%分散させてなる組織を有する。本発明では、耐摩耗性を向上させるため、従来より多量の、面積率で31〜80%の硬質粒子を分散させる。硬質粒子が面積率で31%未満では、ガス燃料用エンジンや大型ディーゼルエンジンのような厳しい環境下において、優れた耐摩耗性を確保できにくくなる。一方、80%を超えて多量の硬質粒子を分散させると、密度を高くできず、圧環強さが低下する。このため、硬質粒子の分散量は面積率で31〜80%の範囲に限定した。なお、好ましくは35〜60%である。
本発明バルブシートで基地相中に、分散させる硬質粒子は、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上とする。これら硬質粒子は、耐摩耗性の向上に大きく寄与し、かつ相手攻撃性が低い粒子であり、選択して1種以上、分散させる。
なお、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子は、650〜850HVの硬さを有し、例えば、質量%で、7.5〜9.5%Cr−27〜30%Mo−2.2〜2.7%Si−残部Coおよび不可避的不純物からなる組成を有する。また、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子は、900〜1100HVの硬さを有し、例えば、質量%で、24〜26%Cr−23〜26%Mo−9.5〜11.0%Ni−1.5〜2.5%Si−残部Coおよび不可避的不純物からなる組成を有する。Mo系硬質粒子は、1100〜1300HVの硬さを有し、例えば、質量%で、60〜70%Mo−残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
さらに、本発明バルブシートでは、基地相および硬質粒子、あるいはさらに固体潤滑剤粒子を含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%、さらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。ここで、固体潤滑剤粒子としては、MnS、MoS、CaFのうちのいずれかとすることが好ましい。
つぎに、基地部組成の限定理由について説明する。なお、以下、質量%は、単に%で示す。
C:0.5〜1.8%
Cは、基地相あるいは硬質粒子に含まれ、焼結体の硬さ、耐摩耗性を向上させるとともに、さらに基地相中に微細炭化物として析出し、耐熱ヘタリ性、耐脱落性の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.5%以上の含有を必要とする。一方、1.8%を超えて多量に含有すると、基地相硬さが増加しすぎて、相手攻撃性が増加する。このため、Cは0.5〜1.8%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.6〜1.4%である。
Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上:合計で10〜50%
Mo、Cr、VおよびWはいずれも、固溶して基地相硬さを増加させ、耐摩耗性の向上に寄与するとともに、さらに炭化物形成元素であり、基地相中に微細炭化物として析出し、耐脱落性の向上に寄与する元素である。本発明では選択して1種以上含有させる。なかでもMoを含有させることが好ましい。このような効果を得るためには、これらの元素を合計で10%以上含有させる必要がある。一方、これらの元素を50%を超えて含有すると、基地硬さが増加しすぎて相手攻撃性が増加するうえ、耐脱落性が低下する。このため、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上の含有は合計で10〜50%の範囲に限定した。なお、好ましくは11〜40%である。
Ni、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上:合計で10〜80%
Ni、Co、Cu、Si、S、Ca、Fは、基地相あるいは硬質粒子、固体潤滑剤粒子に含まれ、焼結体の強度、硬さを増加させ、さらには耐摩耗性を向上させる。本発明では、選択して1種または2種以上を含有する。なお、Coは、基地相の靭性を向上させるために、基地相中に含有させることが好ましい。このような効果を得るためには、これら元素を合計で10%以上含有させる必要がある。一方、合計で80%を超えて多量に含有すると、相手攻撃性が増加し、圧環強さが低下する。このため、Ni、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上は合計で10〜80%の範囲に限定した。なお、好ましくは合計で11〜60%である。
基地部では、上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
つぎに、二層構造の本発明内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートについて説明する。
二層構造のバルブシートでは、バルブに当接するバルブ当たり面側層と、該バルブ当たり面側層と一体的に接合されてなり、シリンダヘッド等の支持部材に当接する支持部材側層とから構成される。
本発明では、二層構造のバルブシートにおける「バルブ当たり面側層」は、耐摩耗性等の所望の特性を確保するために、上記した単層構造のバルブシートと同じ組成、組織を有する、ものとする。
一方、二層構造のバルブシートにおける「支持部材側層」は、バルブ当り面側層と境界面を介して一体化されている。支持部材側層は、バルブ当たり面側層を支え、バルブシートとして所望の強度を確保できる組成とすることが要求される。支持部材側層は、バルブと当接しないため、バルブ当たり面側層と同程度の耐摩耗性を保持する必要はなく、コスト削減の意味もあって、「バルブ当たり面側層」におけるような、多量の硬質粒子を含有する必要はない。支持部材側層では、硬質粒子を含有しないか、あるいは含有してもバルブ当り面側層の含有量未満に限定すること、が好ましい。
支持部材側層の基地相は、焼戻マルテンサイト相からなる。
また、支持部材側層の基地相中には、長径:30μm以下の微細炭化物を、支持部材側層全量に対する面積率で27%以下好ましくは0.5%以上析出させる。基地相中に微細炭化物を適正量析出させることにより、抜出し荷重が増加し、耐脱落性が向上する。なお、微細炭化物が27%を超えて多量に析出すると、かえって耐脱落性が低下する。このため、支持部材側層では、焼戻マルテンサイト相を基地相とし、該基地相中に析出する微細炭化物を、面積率で27%以下に限定した。なお、好ましくは1〜25%である。また、これら微細炭化物は、強度増加の観点から、Mo、Cr、V、Wのうちから選ばれた1種または2種以上の炭化物、とりわけMo炭化物とすることが好ましい。
支持部材側層における、基地相と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子、硬質粒子とを含む基地部は、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で80%以下とを、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
つぎに、支持部材側層の組成限定理由について説明する。
C:0.5〜1.8%
Cは、基地相に含まれ、焼結体の硬さ、強度を増加させ、さらに基地相中に微細炭化物として析出し、耐脱落性の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.5%以上の含有を必要とする。一方、1.8%を超えて多量に含有すると、基地相硬さが増加しすぎて、相手攻撃性が増加する。このため、Cは0.5〜1.8%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.6〜1.4%である。
Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上:合計で50%以下
Mo、Cr、VおよびWはいずれも、固溶して基地相硬さを増加させ、所望の強度確保に寄与するとともに、さらに炭化物形成元素であり、基地相中に微細炭化物として析出して、耐脱落性の向上に寄与する元素である。本発明では選択して1種以上含有させる。なかでもMoを含有させることが好ましい。このような効果を得るためには、これらの元素を合計で10%以上含有させることが望ましい。一方、これらの元素を50%を超えて含有すると、基地硬さが増加しすぎて、耐脱落性が低下する。このため、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上の含有は合計で50%以下に限定した。なお、好ましくは10〜30%である。
Ni、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上:合計で80%以下
Ni、Co、Cu、Si、S、Ca、Fは、基地相、あるいは、硬質粒子、固体潤滑剤粒子に含まれ、焼結体の強度、硬さ、さらには耐摩耗性を向上させる元素であり、本発明では、選択して1種または2種以上を含有する。このような効果を得るためには、これら元素を合計で0.01%以上含有させることが好ましい。一方、合計で80%を超えて多量に含有すると、相手攻撃性が増加し、圧環強さが低下する。このため、Ni、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上は合計で80%以下に限定した。なお、好ましくは合計で0.03〜60%である。
支持部材側層では、上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
つぎに、本発明バルブシートの好ましい製造方法について説明する。
原料粉を混合する混合工程と、該混合粉を金型に充填し、圧縮・成形して圧粉体を得る成形工程と、該圧粉体を加熱・焼結して焼結体とする焼結工程と、該焼結体に熱間鍛造を行う熱間加工工程と、さらに熱処理を施し所定の特性を付与する熱処理工程と、を順次施す。
二層構造の鉄基焼結合金製バルブシートの製造に当たっては、ダイ、コアロッド、上パンチ、下パンチ、互いに独立して駆動可能な2種のフィーダと、独立して駆動可能な仮押しパンチと、を有するプレス成形機を利用することが好ましい。
まず、混合工程では、支持部材側層用の原料粉として、鉄系粉末と、黒鉛粉末と、他の合金元素粉末等の合金元素粉末と、潤滑剤粒子粉末と、あるいはさらに硬質粒子粉末と、あるいはさらに固体潤滑剤粉末と、を上記した支持部材側層組成となるように、所定量配合し、混合、混練して、支持部材側層用混合粉とする。なお、鉄系粉末は、アトマイズ鉄粉、還元鉄粉等の純鉄粉とするか、あるいは、上記した支持部材側層の組成に含まれる合金元素を予合金した鉄粉あるいは鋼粉とすることが、好ましい。とくに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を予合金した鉄粉あるいは鋼粉とすることが、微細な炭化物を析出させるという観点からは好ましい。
一方、バルブ当り面側層用の原料粉は、鉄系粉末と、黒鉛粉末と、他の合金元素粉末等の合金元素粉末と、潤滑剤粒子粉末と、硬質粒子粉末と、あるいはさらに固体潤滑剤粉末と、を上記したバルブ当り面側層組成となるように、所定量配合し、混合して、バルブ当り面側層用混合粉とする。なお、鉄系粉末は、アトマイズ鉄粉、還元鉄粉等の純鉄粉とするか、あるいは、上記した支持部材側層の組成に含まれる合金元素を予合金した鉄粉あるいは鋼粉とすることが、好ましい。とくに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を予合金した鉄粉あるいは鋼粉とすることが、微細な炭化物を析出させるという観点からは好ましい。
第一のフィーダに支持部材側層用混合粉を、第二のフィーダにバルブ当り面側層用混合粉を、それぞれ装入しておく。第一のフィーダを移動させ、ダイとコアロッドを下パンチに対し相対的に上昇させて、支持部材側層用の充填空間を形成しながら、該充填空間に支持部材側層用混合粉を充填する。そして、仮押しパンチを移動させて、バルブ当り面側層との境界面となる上面が所定形状になるように、仮押しパンチの成形面形状、成形圧を調整して、支持部材側層用混合粉を仮押しする。
ついで、第二のフィーダを移動させ、ダイとコアロッドを下パンチに対して相対的に移動させて、バルブ当り面側層用の充填空間を形成しながら、該充填空間にバルブ当り面側層用混合粉を充填する。そして、上パンチを下降させて、バルブ当り面側層用混合粉および支持部材側層用混合粉とを一体的に加圧し、圧粉体とする。なお、加圧に際しては、圧粉体密度が6.5〜7.1g/cmの範囲となるように成形圧を調整することが好ましい。
なお、単層構造の鉄基焼結合金製バルブシートの製造に当たっては、上記した成形工程に代えて、上記したバルブ当り面側層用混合粉を、金型に充填し、圧縮成形し圧粉体とする成形工程とする。単層構造の鉄基焼結合金製バルブシートの製造に当たっては、通常の成形プレス機を利用することが好ましい。
ついで、得られた圧粉体に焼結工程を施す。焼結工程は、好ましくは、保護雰囲気中で、1000〜1200℃の温度範囲の温度に加熱し焼結する処理とし、バルブシート状焼結体を得る。焼結の加熱温度が、1000℃未満では焼結拡散が不十分で基地の形成が不十分であり、密度等の所望の焼結体特性を確保できない。また、1200℃を超える高温では、硬質粒子、基地の過拡散が生じ、耐摩耗性が低下する。このため、焼結の加熱温度は1000〜1200℃の温度範囲の温度に限定することが好ましい。
ついで、得られたバルブシート状焼結体に、熱間鍛造を行う熱間加工工程を施す。
本発明では、得られた焼結体に熱間鍛造を施す。これにより、硬質粒子を多量に含有する場合でも、密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上を有するバルブシートとすることができる。熱間鍛造は、常用の温度、好ましくは900〜1100℃の温度範囲で、所望の密度となるように、加工(鍛造)することが好ましい。なお、8.2g/cmを超える密度を確保するには、熱間加工装置への負荷が大きくなりすぎるため、密度は8.2g/cm以下に限定した。鍛造温度が900℃未満では、十分な鍛造効果を期待できない。一方、1100℃を超える高温では結晶粒の粗大化が生じ、靭性が低下する。
熱間加工工程を経た焼結体はついで、熱処理工程で、熱処理を施され、所望の特性を付与される。施される熱処理は、焼入焼戻処理とする。
焼入焼戻処理は、基地相が焼戻マルテンサイト相からなる組織を得るために、必要な処理であり、焼入加熱温度:900〜1100℃とすることが好ましい。加熱後の冷却は、ガス冷却とすることが好ましい。また、基地相中に微細な炭化物を適正量析出させるために、焼戻加熱温度:500〜700℃とすることが好ましい。焼戻後は、ガス冷却とすることが好ましい。
得られた熱処理済み焼結体は、通常の切削、研削加工して所望寸法のバルブシートとされる。
以下、実施例に基づき、さらに本発明について説明する。
単層構造、および二層構造のバルブシートを製造した。なお、二層構造のバルブシートでは、バルブ当たり面側層と支持部材側層とを軸方向長さで略1:1の比率とした。
原料粉として、表2に示す鉄系粉末と、合金元素粉と、表3に示す硬質粒子粉と、固体潤滑剤粒子粉と、を表1に示す配合量となるように調整し、混合、混錬してバルブシート用混合粉とした。なお、鉄系粉末は、純鉄粉、予合金鉄粉、予合金鋼粉とした。
得られた混合粉を、金型に充填し、成形プレス機で、バルブシート形状の圧粉体とした。なお、二層構造の鉄基焼結合金製バルブシートの製造に当たっては、ダイ、コアロッド、上パンチ、下パンチ、互いに独立して駆動可能な2種のフィーダと、独立して駆動可能な仮押しパンチと、を有するプレス成形機を利用した。
なお、圧粉体の密度は7.0g/cmを目標とした。得られた圧粉体についで、還元雰囲気中で、焼結温度:1130℃で焼結処理を行う焼結工程を施した。さらに、得られた焼結体に、1000〜1100℃で熱間鍛造を行う熱間加工工程を施した。なお、一部では、熱間鍛造に代えて、冷間鋳造とし、比較例とした。
ついで、熱間加工済みの焼結体に、熱処理工程を施した。熱処理は、加熱温度:1000℃に加熱し焼入れし、加熱温度:640℃で焼戻す焼入焼戻処理とした。得られた熱処理済み焼結体について、発光分光分析装置および炭素分析装置を用いて基地部の組成を測定し、表5に示す。
Figure 2018178208
Figure 2018178208
Figure 2018178208
Figure 2018178208
さらに熱処理済みの焼結体に、切削、研削加工を施して所定寸法のバルブシート(外径φ39mm×内径φ32mm×厚さ6mm)とした。
得られたバルブシートについて、組織観察、密度測定、耐摩耗性試験、耐脱落性試験、圧環強さ測定を実施した。試験方法はつぎのとおりとした。
(1)組織観察
得られたバルブシートの断面を組織観察用として研磨しナイタール液で腐食したのち、金属顕微鏡で組織を観察し、基地相の組織を同定した。得られたバルブシートの基地相はいずれも、焼戻マルテンサイト相であった。
また、得られたバルブシートの断面を組織観察用として研磨しナイタール液で腐食したのち、金属顕微鏡で観察し、撮像した写真(100μm×140μm)から、任意の60μm×60μmの範囲について、基地相中に析出した炭化物の面積率を測定した。
(2)密度測定
得られたバルブシートについて、アルキメデス法を用いて、密度を測定した。
(3)耐摩耗性試験
図2に示す単体リグ摩耗試験機を用いて単体リグ摩耗試験を実施した。バルブシート1をシリンダヘッド相当品の治具2に圧入したのち、試験機に装着した熱源3(LPG)によりバルブ4およびバルブシート1を加熱しながらクランク機構によりバルブ4を上下させて、試験した。なお、摩耗量はバルブ沈み量で測定した。なお、熱源3はLPGとした。試験条件はつぎのとおりとした。
試験温度:300℃(シート面)
試験時間:5h
カム回転数:2500rpm
バルブ回転数:10rpm
バルブ材:SUH35
リフト量:8mm
(4)耐脱落性試験
バルブシート1を常温で、シリンダヘッド相当品(試験冶具5)に圧入する。圧入したままで、図3に示すように、一定温度に保持された冷却水9中に保持された耐熱耐水容器6中で、バルブシート1に、カートリッジヒータ7で、所定の熱サイクルを負荷する。所定の熱サイクルを負荷したのち、万能試験機(押し冶具)を用いて、バルブシートを押し、シリンダヘッド相当品(冶具)5から抜き出すときの荷重(抜出し荷重)を測定した。なお、8は、ダミー試験片である。試験条件は下記のとおりとした。
初期締め代:90μm
冶具材質:FC250
熱サイクル条件:550℃×1hr加熱保持したのち70℃まで空冷する処理を10サイクル繰り返す。
抜出し速度:1mm/min
(5)圧環強さ測定
得られたバルブシートについて、JIS Z 2507の規定に準拠して、圧環強さを求めた。
なお、使用したバルブシートの寸法は、外径φ40mm×内径φ30mm×厚さ5mmとした。
得られた結果を表5に示す。
Figure 2018178208
Figure 2018178208
本発明例はいずれも、従来例に比べて、高い密度を有し、摩耗量も少なく、かつ相手攻撃性が低く耐摩耗性に優れ、さらに高い圧環強さを有し、抜出し荷重も高く、耐脱落性に優れたバルブシートであることがわかる。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、密度が低いか、摩耗量が多く耐摩耗性が低下しているか、圧環強さが低下しているか、あるいは抜出し荷重が低く耐脱落性が低下している。
1 バルブシート
2 冶具
3 熱源
4 バルブ
5 試験治具
6 耐熱耐水容器
7 カートリッジヒータ
8 ダミー試験片
9 冷却水

Claims (12)

  1. 基地相中に硬質粒子を分散させた単層構造の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートであって、
    前記基地相が長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下析出させた焼戻マルテンサイト相からなり、さらに前記硬質粒子として、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上を、面積率で31〜80%分散させてなる組織を有し、
    密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  2. 前記基地相が、さらに固体潤滑剤粒子を質量%で、4%以下分散させたものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  3. 前記固体潤滑剤粒子が、MnS、MoS、CaFのうちのいずれかあることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  4. 前記基地相および前記硬質粒子、あるいはさらに固体潤滑剤粒子を含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%、さらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  5. バルブ当たり面側層と該バルブ当たり面側層と一体的に接合されてなる支持部材側層とからなる二層構造の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートであって、
    前記バルブ当たり面側層が、該バルブ当たり面側層の基地相が長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下析出させた焼戻マルテンサイト相からなり、該基地相中に硬質粒子として、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上を面積率で31〜80%分散させてなる組織を有し、
    前記支持部材側層が、該支持部材側層の基地相が長径:30μm以下の微細炭化物を面積率で27%以下析出させた焼戻マルテンサイト相からなり、あるいはさらに該基地相中に、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちのいずれかである硬質粒子を面積率で80%以下分散させてなる組織を有し、
    密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  6. 前記バルブ当たり面側層の前記基地相が、さらに固体潤滑剤粒子を質量%で、4%以下分散させたものであることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  7. 前記支持部材側層の前記基地相が、さらに固体潤滑剤粒子を質量%で、4%以下分散させたものであることを特徴とする請求項5または6に記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  8. 前記固体潤滑剤粒子が、MnS、MoS、CaFのうちのいずれかあることを特徴とする請求項6または7に記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  9. 前記バルブ当たり面側層の前記基地相および前記硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%、さらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるバルブ当たり面側層組成を有し、
    前記支持部材側層が、基地相と硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で80%以下と、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる支持部材側層組成を有することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシート。
  10. 原料粉を混合し混合粉とする混合工程と、該混合粉を金型に充填し、圧縮・成形して圧粉体を得る成形工程と、該圧粉体を加熱・焼結してバルブシート状焼結体とする焼結工程と、該バルブシート状焼結体にさらに熱処理を施し所定の特性を付与する熱処理工程と、を順次施し、単層構造の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートとする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法であって、
    前記混合粉を、原料粉として、純鉄粉、合金鉄粉および合金鋼粉のうちから選ばれた1種または2種以上からなる鉄系粉末と、合金元素粉と、硬質粒子粉と、あるいはさらに固体潤滑剤粉とを配合し混合したものとし、
    前記硬質粒子粉が、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上であり、該硬質粒子粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、25〜75%とし、あるいはさらに、前記固体潤滑剤粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、4%以下とし、
    前記混合粉を、前記焼結体の、基地相と硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%と、含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成となるように、配合、調整したものとし、
    前記焼結工程に引続きさらに、前記バルブシート状焼結体に熱間鍛造を行う熱間加工工程を施し、しかる後に前記熱処理工程を施し、
    密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れた単層構造のバルブシートとすることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法。
  11. バルブ当たり面側層用原料粉を混合しバルブ当たり面側層用混合粉とし、さらに支持部材側層用原料粉を混合し支持部材側層用混合粉とする混合工程と、
    該バルブ当たり面側層用混合粉とさらに該支持部材側層用混合粉とをその順に金型に充填し、圧縮・成形してバルブ当たり面側層と支持部材側層との二層構造からなる圧粉体を得る成形工程と、
    該圧粉体を加熱・焼結してバルブシート状焼結体とする焼結工程と、
    該バルブシート状焼結体にさらに熱処理を施し所定の特性を付与する熱処理工程と、を順次施し、二層構造のバルブシートとする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法であって、
    前記バルブ当たり面側層用混合粉を、原料粉として純鉄粉、合金鉄粉および合金鋼粉のうちから選ばれた1種または2種以上からなる鉄系粉末と、合金元素粉と、硬質粒子粉と、あるいはさらに固体潤滑剤粉とを配合し混合したものとし、前記硬質粒子粉が、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上であり、該硬質粒子粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、25〜75%とし、あるいはさらに、前記固体潤滑剤粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、4%以下とし、
    前記バルブ当たり面側層用混合粉を、前記焼結体のバルブ当たり面側層の基地相と硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜50%と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で10〜80%と、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成となるように、調整し、
    前記支持部材用混合粉を、原料粉として純鉄粉、合金鉄粉および合金鋼粉のうちから選ばれた1種または2種以上からなる鉄系粉末と、合金元素粉と、あるいはさらに硬質粒子粉および/または固体潤滑剤粉とを配合し混合したものとし、前記硬質粒子粉が、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子、Cr−Mo−Ni−Si−Co系硬質粒子、Mo系硬質粒子のうちから選ばれた1種または2種以上であり、該硬質粒子粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、75%以下とし、前記固体潤滑剤粉の配合量を、混合粉全量に対する質量%で、4%以下とし、
    前記支持部材側層用混合粉を、前記焼結体の支持部材側層の基地相と硬質粒子と、あるいはさらに固体潤滑剤粒子粉とを含む基地部が、質量%で、C:0.5〜1.8%を含み、さらに、Mo、Cr、VおよびWのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下と、あるいはさらにNi、Co、Cu、Si、S、Ca、Fのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で80%以下と、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる支持部材側層組成を有するように混合し、調整したものとし、
    前記焼結工程に引続きさらに、前記バルブシート状焼結体に熱間鍛造を行う熱間加工工程を施し、しかる後に前記熱処理工程を施し、
    密度:7.3〜8.2g/cm、圧環強さ:400MPa以上で、耐摩耗性および耐脱落性に優れた二層構造のバルブシートとすることを特徴とする内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法。
  12. 前記固体潤滑剤粒子が、MnS、MoS、CaFのうちのいずれかであることを特徴とする請求項10または11に記載の内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートの製造方法。
JP2017081234A 2017-04-17 2017-04-17 内燃機関用鉄基焼結合金製バルブシートおよびその製造方法 Active JP6827683B2 (ja)

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