JP2018177554A - 微細Mg2Si粒子を製造する方法及び微細Mg2Si粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】固相−固相反応による均一な組成のMg−Si合金微細粒子の製造方法を提供する。【解決手段】粒子の一部表面にOが付着しているSi粉末と平均粒子径D50が100μmのMg粉末とをMg2Siの化学量論比で均一に混合した混合粉をるつぼ内に収納し、真空排気後に550−650℃の温度で2〜5時間保持して、平均粒子径D50が100μm以下である微細Mg2Si粒子を製造する製造方法。【選択図】 図1
Description
本発明は、Mg−Si合金の微細粒子を製造する方法及びMg−Si合金の微細粒子に関する。
合金の製造方法として、溶解法、固相−液相反応法、固相−固相反応法、メカニカルミリング法が知られている。図19はMg−Si系状態図(相図)である。Mg2Siの融点は1085℃であることがわかる。一方、Mgの融点は約650℃である。
特許文献1においては、メカニカルミリング法によりMg−Si合金を製造している。メカニカルミリング法は、硬質Cr鋼容器にステンレス製ボールを入れ、さらに配合粉末を入れて容器を振動あるいは回転させることによって、容器内の粉末を混合あるいは粉砕して合金化して合金を製造する方法である。メカニカルアロイング装置として、振動ボールミル、遊星型ボールミル、転動型ボールミル、回転子挿入型ボールミルを挙げることができる。
特許文献2においては、ホットプレス法、熱間等方圧プレス法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)、熱間圧延法、熱間押出法、熱間鍛造法などの熱処理によってMg−Si合金を製造している。
金属Aは融点がTfus(A)で沸点がTvap(A)であり、金属Cは融点がTfus(C)で沸点がTvap(C)であるとする。金属Aの融点Tfus(A)が金属Cの融点Tfus(C)とほぼ等しい場合には溶解法による合金製造は問題ない。しかしながら、金属Cの融点Tfus(C)が金属Aの沸点Tvap(A)より高い場合には、金属A−金属Cの合金を溶解法によって製造しようとすると、大気圧においては金属Aの蒸発量が極めて大きくなり、金属A−金属Cの合金の組成を制御するのが困難である。加圧炉中で金属Aと金属Cを加熱溶解することによって金属Aの蒸発を抑えることができるが、製造コストが高くなる。したがって、金属Cの融点Tfus(C)が金属Aの沸点Tvap(A)より高い場合には、溶融法による金属A−金属Cの合金の製造は、組成制御が困難であるとともに製造コストが高くなる。
また、溶融法により得られる合金はバルク状であるので、合金粉末とするためにはバルク状の合金を粉砕しなければならない。粉砕することによって、不純物が混入して合金の純度が低下するおそれがあるとともに製造コストが高くなり問題である。バルク状の合金を粉砕して製造したMg2Si粉末に混入するMgOの量は約3wt%である。
メカニカルミリング法によって金属A−金属Cの合金を作成しようとすると、容器の材料やボールの材料が剥離し、金属A−金属Cの合金中に不純物として混入する。したがって、メカニカルミリング法による金属A−金属Cの合金の製造は、得られる金属A−金属Cの合金中に容器の材料やボールの材料が混入しやすく、純度が低く、均一な組成を得る
のが困難であり問題である。
のが困難であり問題である。
したがって、本発明により解決しようとする課題は、Mg2Siの含有量が高く、均一な組成を得ることができる固相−固相反応法によるMg−Si合金微細粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の別の課題は、Mg2Siの含有量が高く、粒子径が均一なMg−Si合金微細粒子を提供することにある。
本発明の別の課題は、Mg2Siの含有量が高く、粒子径が均一なMg−Si合金微細粒子を提供することにある。
当該課題は、請求項1に記載の第1の本発明、すなわち、粒子の一部表面にOが付着しているSi粉末と平均粒子径D50が100μmのMg粉末とをMg2Siの化学量論比で均一に混合した混合粉をるつぼ内に収納し、真空排気後に550−650℃の温度で2〜5時間保持して、平均粒子径D50が100μm以下である微細Mg2Si粒子を製造する方法によって、達成される。
第1の本発明の実施態様においては、請求項2に記載のように、Si粉末の純度が99.9%以上であり、平均粒子径D50が0.1−100μmであり、Mg粉末の純度が99.9%であり、平均粒子径D50が200μm以下である。
当該課題は、請求項3に記載の第2の本発明、すなわち、Mg2Siの含有量が90wt%以上であり、平均粒子径D50が100μm以下である微細Mg2Si粒子によっても達成される。
平均粒子径D50が100μm程度のMg粉末を原料として用いるので、室温において発火することなく安全に取り扱うことができる。
真空雰囲気においてSi粒子とMg粒子を比較的低い約600℃で約5時間保持することによって固相−固相反応でMgがSi粒子の表面から中心に向かって熱物質拡散して均質な組成のMg2Si粒子を製造することができる。これはSi粒子の一部表面に付着しているOとMgとが大きな発熱を伴うテルミット反応を起こしたためであると考えられる。真空排気を続けながら、次第に温度を上げていくと約400℃近辺で急激な真空度の悪化(気圧の上昇)が見られる。これは、Si粒子表面のOとMgがテルミット反応を起こしたためであり、瞬間的に粒子界面で急激な反応が生じて、粒子同士の接触面積が拡大して、その後の拡散が進みやすくなったと推測される。
また、Mgの融点以下の温度で保持しているため、Mg粒子の溶融や気化はほとんど生じないとともに、粒子の凝集や融着はほとんど生ぜず、原料粒子の平均粒子径とほとんど同等の平均粒子径のSi2Mg粒子を得ることができる。
以下、本発明のMg−Si合金微細粒子の製造方法の実施例について説明する。
実施例1
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用した。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は2μmであった。
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用した。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は2μmであった。
上記のMg粉末43.2gと上記のSi粉末25.0gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Mg粉末とSi粉末は均一に混合されていた。このようにして混合原料を得た。
図1は本実施例において使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。混合原料2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、混合原料2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(Tr)から600℃(Tmax)まで1時間(0〜t1)かけて昇温し、600℃(Tmax)で5時間(t1〜t2)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
600℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。図20は酸化物のエリンガム図であり、MgOの生成についてのギブスエネルギーから、Mgの酸化反応に伴って大量の熱が発生することがわかる。
600℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。図20は酸化物のエリンガム図であり、MgOの生成についてのギブスエネルギーから、Mgの酸化反応に伴って大量の熱が発生することがわかる。
混合原料2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末について、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像を観察した。図3、図4は得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。なお図4の(b)は図3の部分拡大写真であり、図4の(a)は拡大部分を示している。SEM観察の結果、試料粉末は1μm程度の微細粒子が凝集した形態であり、原料のSi粉末の平均粒子径と同等であった。また、部分拡大写真から、一部に幅1μm未満の繊維状物が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2500HLを用いてX線回析分析を行った。図5の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はMg2Siの標準ピークパターンであり、(c)はMgOの標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンである。得られた試料は、大部分がMg2Siであり、MgO及びSiも含まれていることがわかる。
実施例2
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用した。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は2μmであった。
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用した。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は2μmであった。
上記のMg粉末2594.3gと上記のSi粉末1500.0gをポリ容器内に秤量して、振とうしたところ、Mg粉末とSi粉末は均一に混合されていた。このようにして混合原料を得た。
図1は本実施例において使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ275mm×高さ280mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。混合原料2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、混合原料2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を10Paまで真空排気した。
10Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(Tr)から600℃(Tmax)まで1時間(0〜t1)かけて昇温し、600℃(Tmax)で5時間(t1〜t2)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
600℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
600℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
混合原料2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末の表面について、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像を観察した。図6、図7は得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観
察写真である。なお図7の(b)は図6の部分拡大写真であり、図7の(a)は拡大位置を示している。SEM観察の結果、大きな塊状物上に、大きさ10μm未満の微細粒子が凝集した形態が認められた。
察写真である。なお図7の(b)は図6の部分拡大写真であり、図7の(a)は拡大位置を示している。SEM観察の結果、大きな塊状物上に、大きさ10μm未満の微細粒子が凝集した形態が認められた。
さらに、得られた試料粉末の断面を作成し、断面を観察し、Mg分布、Si分布、O分布を測定した。図8は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はMg分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
断面を観察すると、大きな塊状物及び微細粒子はほぼ均一な明度となっており、構成元素の組成が均一であることが推定される。塊状物のごく一部に、明度の高い部位が認められる。
Mg分布及びSi分布ともに粒子の表面から中心にわたって均一であった。Oはほぼ全面にわたって認められないが、極わずかな点在が認められた。このことから、得られた試料粉末の組成は粒子の表面から中心にわたって均一になっていると考えられる。
断面を観察すると、大きな塊状物及び微細粒子はほぼ均一な明度となっており、構成元素の組成が均一であることが推定される。塊状物のごく一部に、明度の高い部位が認められる。
Mg分布及びSi分布ともに粒子の表面から中心にわたって均一であった。Oはほぼ全面にわたって認められないが、極わずかな点在が認められた。このことから、得られた試料粉末の組成は粒子の表面から中心にわたって均一になっていると考えられる。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2500HLを用いてX線回析分析を行った。図9の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はMg2Siの標準ピークパターンであり、(c)はMgOの標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンである。得られた試料は、Mg2Siが約88wt%であり、MgOが約4wt%であった。
得られた試料粉末について、島津製のレーザー回折式粒子分布測定装置(SALD−3100)を用いて粒度分布を測定した。図21は得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。粒子径(μm)に対する頻度(%)及び積数(%)を示している。平均粒子径D50は13.4μmであった。
また、島津製のマイクロメリテックス細孔分布測定装置(オートポア9520形)を用いて、得られた試料粉末の細孔分布を測定した。図22は得られた試料粉末の細孔分布測定結果を示すグラフである。○印の点をプロットしたグラフはログ微分細孔容積分布を示し、右軸の目盛に対応している。+印の点をプロットしたグラフは積算細孔容積分布を示し、左軸の目盛に対応している。
かさ密度は0.65g/mLであり、気孔率は69%であった。
また、島津製のマイクロメリテックス細孔分布測定装置(オートポア9520形)を用いて、得られた試料粉末の細孔分布を測定した。図22は得られた試料粉末の細孔分布測定結果を示すグラフである。○印の点をプロットしたグラフはログ微分細孔容積分布を示し、右軸の目盛に対応している。+印の点をプロットしたグラフは積算細孔容積分布を示し、左軸の目盛に対応している。
かさ密度は0.65g/mLであり、気孔率は69%であった。
実施例3
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用し、Bを1wt%ドープした。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は1μmであった。
高純度化学品のB粉末を用いた。
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用し、Bを1wt%ドープした。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は1μmであった。
高純度化学品のB粉末を用いた。
上記のMg粉末51.9gと上記のSi粉末30.0gとB0.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Mg粉末とSi粉末とB粉末は均一に混合されていた。このようにして混合原料を得た。
図1は本実施例において使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。混合原料2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、混合原料2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(Tr)から600℃(Tmax)まで1時間(0〜t1)かけて昇温し、600℃(Tmax)で5時間(t1〜t2)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
600℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
600℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
混合原料2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末の表面について、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像を観察した。図10、図11は得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。なお図11の(b)は図10の部分拡大写真であり、図11の(a)は拡大位置を示している。SEM観察の結果、粉状物や球状物が凝縮した形態が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2500HLを用いてX線回析分析を行った。図12の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はMg2Siの標準ピークパターンであり、(c)はMgOの標準ピークパターンである。
実施例4
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用し、Sbを0.5wt%ドープした。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は1μmであった。
高純度化学品のSbを用い、粒子径は数mmであった。
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用し、Sbを0.5wt%ドープした。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全に取り扱うことができる。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は1μmであった。
高純度化学品のSbを用い、粒子径は数mmであった。
上記のMg粉末51.9gと上記のSi粉末30.0gとSb粉末0.4gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Mg粉末とSi粉末とSb粉末は均一に混合されていた。このようにして混合原料を得た。
図1は本実施例において使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。混合原料2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、混合原料2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(Tr)から550℃(Tmax)まで1時間(0〜t1)かけて昇温し、550℃(Tmax)で5時間(t1〜t2)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保
持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
550℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
550℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
混合原料2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。微量のSiが検出された。
得られた試料粉末の表面について、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像を観察した。図13、図14は得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。なお図14の(b)は図13の部分拡大写真であり、図14の(a)は拡大位置を示している。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2500HLを用いてX線回析分析を行った。図15の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はMg2Siの標準ピークパターンであり、(c)はMgOの標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンである。得られた試料粉末は、Mg2Siが約90wt%であり、MgOが約5wt%であった。微量であるがSiが検出された。加熱温度がMg2Siを製造するにはやや低いと考えられる。
実施例5
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用し、Sbを0.5wt%ドープした。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全である。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は1μmであった。
高純度化学品のSbを乳鉢で粉砕して使用した。
原料として、Mg粉末及びSi粉末を使用し、Sbを0.5wt%ドープした。
Mg粉末(関東金属製)の純度は99.9%であり、平均粒子径は100μmであった。Mg粉末は粒子径が100μm程度であれば、室温で急激に酸化することはなく安全である。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%であり、平均粒子径は1μmであった。
高純度化学品のSbを乳鉢で粉砕して使用した。
上記のMg粉末51.9gと上記のSi粉末30.0gとSb粉末0.4gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Mg粉末とSi粉末とSb粉末は均一に混合されていた。
このようにして混合原料を得た。
このようにして混合原料を得た。
図1は本実施例において使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。混合原料2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、混合原料2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(Tr)から550℃(Tmax)まで1時間(0〜t1)かけて昇温し、550℃(Tmax)で5時間(t1〜t2)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
550℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
550℃(Tmax)で保持している間の真空度は平均すると数10Paであったが、昇温時、400℃近辺で真空度が瞬間的に大幅に低下した。その間に、Mgが急激に酸化し、発熱するテルミット反応が生じたものと推測される。
混合原料2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末の表面について、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像を観察した。図16、図17は得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。なお図17の(b)は図16の部分拡大写真であり、図17の(a)は拡大位置を示している。SEM観察の結果、表面に粒状物が凝集した塊状物、粒状物、粉状物が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2500HLを用いてX線回析分析を行った。図18の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はMg2Siの標準ピークパターンであり、(c)はMgOの標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンである。得られた試料粉末は、Mg2Siが約81wt%であり、MgOが約10wt%であった。微量であるがSiが検出された。加熱温度がMg2Siを製造するにはやや低いと考えられる。
本発明のMg2Si微粒子は、組成が均一であることから、最軽量合金材料、高耐食性溶射材料、熱電材料、生体医療材料等として産業上利用することができる。
1 黒鉛るつぼ
2 混合原料
3 真空容器
4 高周波加熱装置
5 配管
6 真空ポンプ
11 ガス抜き穴
2 混合原料
3 真空容器
4 高周波加熱装置
5 配管
6 真空ポンプ
11 ガス抜き穴
Claims (3)
- 粒子の一部表面にOが付着しているSi粉末と平均粒子径D50が100μmのMg粉末とをMg2Siの化学量論比で均一に混合した混合粉をるつぼ内に収納し、真空排気後に550〜650℃の温度で2〜5時間保持して、平均粒子径D50が100μm以下である微細Mg2Si粒子を製造する方法。
- Si粉末の純度が99.9%以上であり、平均粒子径D50が0.1〜100μmであり、Mg粉末の純度が99.9%であり、平均粒子径D50が200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の微細Mg2Si粒子を製造する方法。
- Mg2Siの含有量が90wt%以上であり、平均粒子径D50が100μm以下である微細Mg2Si粒子。
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