JP2018176982A - ビーコン端末および警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 危険箇所への接近を報知できるビーコン端末および警報システムを提供する。【解決手段】 実施形態によれば、ビーコン端末は、通信部と、判定部と、音声部とを有する。通信部は、駅構内における危険箇所又は危険箇所の周囲に配置されるビーコンから発信される電波を受信する。判定部は、前記通信部により受信した電波の強さに基づいて当該電波の発信元のビーコンまでの距離を判定する。音声部は、前記判定部により判定した前記ビーコンまでの距離に応じた音を発する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、ビーコン端末および警報システムに関する。
従来、ホームなどの駅構内では、点字ブロック等を設置し、危険箇所への接近を抑止することによりホーム端からの転落防止などの対策を行っている。しかしながら、点字ブロックは、気が付きにくいことがあり、設置が困難な場所もある。また、近年では、ホーム端に可動柵(ホームドア)を設けられることもあるが、可動柵は転落を物理的に阻止するものであって危険箇所への接近自体を抑止するものではない。また、可動柵は設置が困難な場所があり、駅係員等による人的な対応が必要な状況がある。
特開2001−351191号公報
上記の課題を解決するために、本発明は、危険箇所への接近を報知できるビーコン端末および警報システムを提供することを目的とする。
実施形態によれば、ビーコン端末は、通信部と、判定部と、音声部とを有する。通信部は、駅構内における危険箇所又は危険箇所の周囲に配置されるビーコンから発信される電波を受信する。判定部は、前記通信部により受信した電波の強さに基づいて当該電波の発信元のビーコンまでの距離を判定する。音声部は、前記判定部により判定した前記ビーコンまでの距離に応じた音を発する。
図1は、実施形態に係る警報システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係るビーコンの構成例を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係るビーコン端末の構成例を示すブロック図である。 図4は、実施形態に係る監視装置の構成例を示すブロック図である。 図5は、実施形態に係るビーコンの設置例を示す図である。 図6は、実施形態に係るビーコンの通信領域の例を示す図である。 図7は、実施形態に係るビーコンの動作例を説明するためのフローチャートである。 図8は、実施形態に係るビーコン端末の動作例を説明するためのフローチャートである。 図9は、実施形態に係る監視装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態に係る警報システムの全体構成例を概略的に示す図である。
警報システムは、駅構内などの特定エリアにおいて、人物(ユーザ)に対して特定箇所(危険箇所、危険領域、立入禁止領域など)への接近を報知したり、特定箇所の近傍にいるユーザを監視したりするシステムである。本実施形態に係る警報システムは、駅構内での危険箇所への接近に対する警報を行うものに限定されるものではないが、以下の説明においては、駅構内のホームにおいてユーザが危険箇所へ接近したことを報知するシステムについて説明するものとする。
図1に示すように、警報システム1は、複数のビーコン2、ビーコン端末3、監視装置4、および、表示装置5を有する。
複数のビーコン2は、アラーム、音声案内あるいは光などの警報を発するビーコン端末3が受信可能な電波を発信する。各ビーコン2は、危険箇所あるいは危険領域との境界付近に設置される。各ビーコン2は、所定の通信領域を有し、通信領域内のビーコン端末3が受信可能な電波を発信する。各ビーコン2が発する電波は、通信領域内において、発信源としての当該ビーコン2の設置位置からの距離が遠くなるにつれて強さが弱くなる。
また、各ビーコン2は、発信した電波を受信したビーコン端末3からの応答としての電波を受信し、ビーコン端末3までの距離を判定する機能を有する。さらに、各ビーコン2は、監視装置4との通信機能を有する。各ビーコン2は、通信領域内のビーコン端末3からの応答に基づいて判定したビーコン端末3までの距離を示す情報を含むビーコン端末3の位置情報を監視装置4へ供給する。
ビーコン端末3は、駅構内を移動するユーザが携帯するものである。例えば、ビーコン端末3は、ユーザが携帯する杖に設置してもよい。また、ビーコン端末3は、ネックレス、ブレスレットあるいは腕時計などに設けてもよい。また、ビーコン端末3は、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末あるいはタブレットPCなどのユーザが携帯可能な電子装置の1つの機能として実現されるものであってもよい。
ビーコン端末3は、ビーコン2と無線通信する機能を有する。例えば、ビーコン端末3とビーコン2との無線通信は、低消費電力のブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信である。ただし、ビーコン2とビーコン端末3との無線通信は、特定の通信方式に限定されるものでなく、無線LANなどであっても良い。
ビーコン端末3は、ビーコン2の通信領域に入ると、ビーコン2が発信する電波を受信する。ビーコン2からの電波を受信すると、ビーコン端末3は、受信した電波の強さに基づいてビーコン2までの距離を判定し、ビーコン2までの距離に応じた警報(音または光)を出力する。例えば、ビーコン端末3は、ビーコン2との距離が近くなればなるほど(受信する電波が強くなればなるほど)、アラームの音量を大きくする。
また、ビーコン端末3は、ビーコン2からの電波を受信すると、受信した電波に対する応答信号としての電波を発信する。ビーコン端末3は、例えば、当該ビーコン端末3の識別情報(ID)を示す応答信号としての電波を発信する。
監視装置4は、各ビーコン2と通信する機能を有する。監視装置4は、各ビーコン2から通信領域にあるビーコン端末3を示す情報を取得する。監視装置4は、例えば、汎用のサーバ装置により構成され、データ処理などの機能を有する。監視装置4は、表示装置5に接続される。表示装置5は、監視装置4の制御に応じて情報を表示する。監視装置4は、例えば、ビーコン2から取得する情報に基づいてビーコン端末3の位置を示す情報を表示装置5に表示する。
監視装置4は、運行管理システム6と通信する機能も有する。監視装置4は、運行管理システム6から列車の運行状況を示す情報を取得する。例えば、監視装置4は、運行管理システム6からホームに列車が到着(停車)したこと、あるいは、列車が発車したことなどの情報を取得する。
次に、ビーコン2の構成について説明する。
図2は、ビーコン2の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、ビーコン2は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、記憶部24、ビーコン通信部25、および、通信部26などを有する。また、ビーコン2は、外部電源に接続して電源電力を得る電源回路を有するのであっても良いし、適宜充電されるバッテリを電源とするものであっても良い。
プロセッサ21、ROM22およびRAM23は、装置全体を制御する制御部として機能する。プロセッサ21は、例えば、CPUなどの演算部である。プロセッサ21は、ROM22又は記憶部24が記憶するプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。ROM22は、不揮発性のメモリであり、プログラムメモリとして機能する。ROM22は、プロセッサ21が実行するプログラムや制御データなどを記憶する。RAM23は、一時的にデータを保持するワーキングメモリとして機能する。RAM23は、プログラムをロードしたり、プロセッサ21が処理中のデータを保持したりする。RAM23は、通信データなどを一時的に保持するバッファメモリとしても機能する。
記憶部24は、データを記憶するメモリである。記憶部24は、HDD或はSSDなどの書換え可能な不揮発性メモリを含む。例えば、記憶部24は、プロセッサ21が実行可能なプログラムを記憶しても良いし、各種の判定に用いる情報を記憶しても良い。
通信部26は、監視装置4と通信するための通信インターフェースである。通信部26は、LANなどを介して監視装置4と通信するものであっても良いし、無線通信により監視装置4と通信するものであっても良い。
ビーコン通信部25は、ビーコン端末3と無線通信するための通信ユニットである。ビーコン通信部25は、指向性アンテナおよび通信制御部などを有し、ビーコン端末3との通信が可能な所定の通信領域が設定される。ビーコン通信部25は、ビーコン端末3との無線通信が行えるものであれば良く、ビーコン端末3の通信方式に応じた通信制御を行う。ビーコン通信部25は、ビーコン端末3から受信する電波の強度を判定する機能を有する。ビーコン通信部25は、ビーコン端末3から受信する電波の強度または電波の強度に基づくビーコン端末3までの距離を判定する。
次に、ビーコン端末3の構成について説明する。
図4は、ビーコン端末3の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、ビーコン端末3は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、記憶部34、ビーコン通信部35、発光部36および音声部37などを有する。なお、ビーコン端末3は、ユーザが携帯可能な形状の本体を有し、本体にはバッテリ、電池又は受信する電波などから動作用の電力を生成する電源回路を有するものとする。
プロセッサ31、ROM32およびRAM33は、ビーコン端末3を制御するメイン制御部として機能する。プロセッサ31は、例えば、CPUなどの演算部である。プロセッサ31は、ROM32又は記憶部34が記憶するプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。ROM32は、不揮発性のメモリであり、プログラムメモリとして機能する。ROM32は、プロセッサ31が実行するプログラムや制御データなどを記憶する。RAM33は、一時的にデータを保持するワーキングメモリとして機能する。RAM33は、プログラムをロードしたり、プロセッサ41が処理中のデータを保持したりする。RAM33は、通信データなどを一時的に保持するバッファメモリとしても機能する。
記憶部34は、データを記憶するメモリである。記憶部34は、書換え可能な不揮発性メモリを含む。
ビーコン通信部35は、ビーコン2と無線通信するための通信ユニットである。ビーコン通信部35は、ビーコン2からの電波を受信し、ビーコン2が受信可能な電波を発信する。ビーコン通信部35は、当該ビーコン端末3に与えられた識別情報(ID)を示す信号を含む電波を発信する。ビーコン通信部35は、省電力型の近距離無線通信(例えば、ブルートゥース(登録商標))あるいは無線LANなどの通信規格で規定される通信方式によってビーコン2との無線通信を行う。
発光部36は、光を発光する。発光部36は、例えば、LEDなどにより構成する。発光部36は、危険箇所への接近を報知する光を発するものであれば良い。例えば、発光部36は、プロセッサ31による制御に応じて複数の色の光を発光するものであっても良いし、特定のパターンで光を発光するものであっても良い。また、発光部36は、文字や図柄などを表示する表示部で構成しても良い。
音声部37は、音を出力する。音声部37は、危険箇所への接近などを報知する音を発するものであれば良い。例えば、音声部37は、音量の制御が可能なアラームを発生するものであっても良いし、予め設定された音声案内(メッセージ)の何れかを発生するものであっても良い。
次に、監視装置4の構成について説明する。
図4は、監視装置4の構成例を概略的に示すブロック図である。
図4に示すように、監視装置4は、プロセッサ41、ROM42、RAM43、記憶部44、第1通信部45および第2通信部46などを有する。
プロセッサ41は、監視装置4全体の制御を司る。プロセッサ41は、例えば、CPUである。プロセッサ41は、ROM42あるいは記憶部44に記憶されている種々のプログラムに基づいて動作することにより種々の機能を実現する。ROM42は、予めプログラムおよび制御データなどが記憶されている不揮発性のメモリである。例えば、ROM42は、プログラムメモリとして機能する。RAM43は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM43は、プロセッサ41が処理中のデータなどを一時保管するバッファメモリとして機能する。また、RAM43は、第1通信部45或いは第2通信部46が送受信するデータを一時的に記憶するためのバッファとしても機能する。
記憶部44は、書き換えが可能な不揮発性のメモリである。記憶部44は、例えば、HDD、SSD、EEPROM(登録商標)、フラッシュROMなどのデータの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリにより構成される。
第1通信部45は、ビーコン2とデータ通信を行うための通信インターフェースである。第1通信部45は、ビーコン2と通信可能なインターフェースであれば良い。第2通信部46は、運行管理システム6との通信が可能な通信インターフェースである。
運行管理システム6は、駅構内の状況を示す情報を管理するシステムであり、例えば、ホームにおける列車の停車および発車などを管理する。監視装置4は、第2通信部46を介して運行管理システム6から列車の停車および発車などを含む駅構内の状況を示す情報を取得する。また、運行管理システム6は、各ビーコン2と通信接続し、各ビーコン2に対して列車の停車および発車などを含む駅構内の状況を示す情報を構成としても良い。なお、第1通信部45および第2通信部46は、1つの通信ユニットで構成しても良い。
次に、ビーコン2の設置位置について説明する。
図5は、ビーコン2の設置例を示す図である。また、図6は、複数のビーコン2による通信領域の構成例を示す図である。図5では、駅構内におけるビーコン2の設置例として、駅のホームにおける各所に複数のビーコン2を設置した例を示している。
図5に示す設置例において、ホーム端には、複数のビーコン2が並べて設置されている。また、図5に示す設置例では、ホーム端以外にも、ホームの先端および後端付近、階段付近、エレベータの設置場所付近などにもビーコン2が設置されている。つまり、図5は、ホーム端の外側(列車が到着する側)、ホームの先端又は後端よりも外側、階段部分、エレベータの設置場所などを危険箇所としてビーコン2を配置した例を示している。なお、ビーコン2を設置する箇所は、ビーコン端末3を携帯するユーザに接近を報知(警告)すべき場所であれば良く、運用形態などに応じて適宜設定可能である。
ホーム端などに並べられて設置された複数のビーコン2は、図6に示すような通信領域を形成する。図6に示すように、複数のビーコン2は、ホーム端などにおいて隣り合うビーコン2との通信領域が重なり合うように設置される。複数のビーコン2は、少なくても危険箇所との境界(例えば、ホーム端)においてビーコン端末3との距離が非常に近いと判定されるように通信領域を形成する。
また、本実施形態では、各ビーコン2の通信領域において、ビーコン2(正確にはビーコン通信部25のアンテナ)からの距離に応じて複数段階の領域が設定されるものとする。図6に示す例では、ビーコン2からの距離に応じて3段階の領域(遠い領域、近い領域、非常に近い領域)が設定されているものとする。ビーコン端末3は、ビーコン2から発信された電波を受信すると、受信した電波の強さに基づいて電波の発信元であるビーコン2からの距離に応じて3段階に分けられたどの領域にあるかを判定する。ビーコン端末3は、ビーコン2からの距離に応じて分けられた領域に応じた警報を出力する。
例えば、ビーコン端末3を携帯するユーザがビーコン2に接近すればするほど、当該ビーコン端末3は、受信する電波(ビーコン2から発信された電波)が強くなるため、音声部37が発するアラームの音量を大きくする。この場合、ビーコン端末3は、当該ビーコン端末3を携帯するユーザがホーム端に設置されているビーコン2に接近すればするほど、大きいアラームを出力することとなる。これにより、ビーコン端末3(ビーコン端末3を携帯するユーザ)は、ビーコン2が設置されているホーム端に接近していることを報知できる。
また、ビーコン端末3は、ビーコン2との距離(ビーコン2から受信する電波の強さ)に応じた音声案内(メッセージ)を音声部37により出力するようにしても良い。例えば、ビーコン端末3は、ビーコン2に対して非常に近い領域にある場合には「ホーム端に接近しています」などの危険箇所に接近していることを報知する音声メッセージを出力するようにしても良い。
また、ビーコン端末3は、ビーコン2との距離(ビーコン2から受信する電波の強さ)に応じて発光部36が発光する光を制御するようにしても良い。例えば、ビーコン端末3の発光部36は、ビーコン2に対して「非常に近い領域」にある場合には赤色の光を出力し、「近い領域」にある場合には黄色の光を出力し、「遠い領域」にある場合には緑色の光を出力するようにしても良い。また、ビーコン端末3の発光部36は、ビーコン2に対する領域に応じて発光パターンなどを制御するようにしても良い。
ビーコン2が設置されるホーム端の外側には、列車が到着するものとする。ホーム端の外側に停車した列車に乗車する場合、ユーザは、ホーム端を越えて列車内に移動(乗車)する。ユーザが列車へ乗車する際にアラームなどの警報を出力させないようにするため、列車がホーム端の外側に停車して乗客が乗降可能な状態になると、ホーム端に設置したビーコン2は、電波の発信を停止する。これにより、ホームに停車している列車に乗降可能な状況である場合には、ビーコン端末3は、ホーム端に設置したビーコン2からの電波を受信しないため、ホーム端に接近しても警報(音および光)を出力しないようにできる。
次に、ビーコン2の動作について説明する。
図7は、ビーコン2の動作例を説明するためのフローチャートである。
駅構内に設置された各ビーコン2のプロセッサ21は、所定の間隔で、接近してくるユーザに対して警報を出力すべき状況(電波を発信すべき状況)であるかを判定する(S11)。各ビーコン2が電波を発信しなければ、ビーコン端末3は、アラームや光などの警報を出力しない。このため、各ビーコン2のプロセッサ21は、接近してくるユーザに対して警報を出力すべき状況でない場合には、電波の発信を停止してビーコン端末3が警報(音又は光)を出力しないようにする。
本実施形態においては、ホーム端に停車している列車に乗客が乗車可能な状況である場合には、ビーコン端末3が警報を出力しないようにするものとする。例えば、ビーコン2のプロセッサ21は、監視装置4を介して運行管理システム6から取得する情報に基づいてホームに停車中の列車への乗車が可能な状態であるかを判定する。停車中の列車への乗車が可能な状態であれば、ホーム端に設置されたビーコン2のプロセッサ21は、ユーザに対する警報を停止すべき状況であると判定する。また、列車への乗車が可能な状態でなければ、ホーム端に設置されたビーコン2のプロセッサ21は、接近してくるユーザに対して警報を出力すべき状況であると判定する。これにより、ユーザが携帯するビーコン端末3は、列車に乗車可能な状況では警報を出力しないようにできる。
ユーザに対して警報を出力すべき状況ではないと判定した場合(S12、NO)、ビーコン2のプロセッサ21は、ビーコン通信部25による電波の発信を停止する。また、接近してくるユーザに対して警報を出力すべき状況であると判定した場合(S12、YES)、ビーコン2のプロセッサ21は、通信領域内のビーコン端末3が受信可能な電波をビーコン通信部25から発信する(S13)。
ビーコン2のプロセッサ21は、ビーコン通信部25によって、電波を発信するとともに通信領域内にあるビーコン端末3からの応答信号としての電波を受信可能な状態となっている(S14)。ビーコン2からの電波を受信したビーコン端末3は、識別情報(ID)を含む応答信号としての電波を出力する。ビーコン端末3から応答(電波)が無ければ(S14、NO)、ビーコン2のプロセッサ21は、S11へ戻る。
ビーコン端末3から応答を受信すると(S14、YES)、ビーコン2のプロセッサ21は、受信した応答信号から応答の発信元であるビーコン端末3のIDを特定する(S15)。さらに、ビーコン端末3から応答としての電波を受信すると、ビーコン2のプロセッサ21は、受信した応答としての電波の強さに基づいて当該ビーコン端末3までの距離を判定する(S16)。例えば、ビーコン2のプロセッサ21は、図6に示すように、距離に応じて分けた複数領域(例えば、遠い領域、近い領域又は非常に近い領域)のうちどの領域にビーコン端末3があるかを判定する。
ビーコン端末3までの距離(ビーコン端末3がある領域)を判定すると、プロセッサ21は、応答を送信したビーコン端末3の位置を示す位置情報を監視装置4へ送信する(S17)。ここで、ビーコン2が監視装置4へ送信するビーコン端末3の位置情報は、例えば、ビーコン端末3からの応答を受信したビーコンの設置位置を示す情報、応答を発信したビーコン端末3のID、応答を受信したビーコン2から応答を発信したビーコン端末3までの距離を示す情報などを含む情報であるものとする。また、ビーコン2は、複数のビーコン端末3から応答を受信することがある。このような場合、ビーコン2のプロセッサ21は、応答を受信した全てのビーコン端末3に対してS15−17の処理を実行し、S11へ戻る。
次に、ビーコン端末3の動作について説明する。
図8は、ビーコン端末3の動作例を説明するためのフローチャートである。
ビーコン端末3のビーコン通信部35は、ビーコン2からの電波を受信可能な状態となっている(S21)。ビーコン通信部35によりビーコン2からの電波を受信すると(S21、YES)、ビーコン端末3のプロセッサ31は、受信した電波の強さに基づいて電波の発信元であるビーコン2までの距離を判定する(S22)。例えば、ビーコン端末3のプロセッサ31は、図6に示すように、ビーコン2からの距離に応じて分けた複数領域(例えば、遠い領域、近い領域又は非常に近い領域)のうち、どの領域に当該ビーコン端末3があるかを判定する。
ビーコン2までの距離を判定すると、プロセッサ31は、ビーコン2までの距離(受信した電波の強さ)に応じた音量のアラームを音声部37から出力する(S23)。ビーコン端末3のプロセッサ31は、ビーコン2までの距離が近ければ近いほど、危険であることを報知するための音による警報を音声部37により出力する。
例えば、ビーコン2までの距離を3段階(遠い、近い、非常に近い)の領域で判定する場合、プロセッサ31は、ビーコン2までの距離に応じた3段階の領域ごとの音量でアラームを鳴らす。すなわち、プロセッサ31は、当該ビーコン端末3が、遠い領域であれば小さい音量(第1の音量)でアラームを鳴らし、近い領域であれば第1の音量よりも大きい第2の音量(例えば、ユーザがはっきり認識できる程度の音量)でアラームを鳴らし、非常に近い領域であれば第2の音量よりも大きい第3の音量(例えば、ユーザおよび周囲の人の注意を引くような音量)でアラームを鳴らす。
また、ビーコン端末3のプロセッサ31は、ビーコン2までの距離に応じた音声案内(メッセージ)を出力するようにしても良い。例えば、当該ビーコン端末3がビーコン2に対して遠い領域に存在する場合、音声部37は、「安全な位置にいる」ことを案内する音声を出力するようにしても良い。また、当該ビーコン端末3がビーコン2に対して近い領域に存在する場合、音声部37は、「近くに危険箇所がある」ことを案内する音声を出力しても良い。当該ビーコン端末3がビーコン2に対して非常に近い領域に存在する場合、音声部37は、「危険箇所が接近していること」或いは「このまま進むと危険箇所に転落或いは衝突すること」などを案内する音声を出力するようにしても良い。
このような音声案内を出力する形態は、ビーコン端末3の記憶部34にビーコン2からの距離(各領域)に応じた種々の音声案内を予め記憶しておき、ビーコン2からの距離(ビーコン2から受信した電波の強さ)に応じた音声案内を音声部37から出力するようにすれば実現できる。
また、ビーコン2までの距離を判定すると、プロセッサ31は、ビーコン2までの距離(受信した電波の強さ)に応じて発光部36が出力する光を制御する(S24)。ビーコン端末3のプロセッサ31は、ビーコン2までの距離が近ければ近いほど、危険であることを報知するための光による警報を発光部36に出力させる。例えば、プロセッサ31は、当該ビーコン端末3が、遠い領域に存在する場合には安全な位置であることを示す光(例えば青色の光)を点灯させ、近い領域に存在する場合には注意が必要な位置にあることを示す光(例えば黄色の光)を点灯させ、非常に近い領域に存在する場合には危険箇所を回避する行動が必要な位置にあることを示す光(例えば赤色の光)を点灯させる。
また、ビーコン2からの電波を受信すると、ビーコン端末3のプロセッサ31は、電波の発信元であるビーコン2に対する応答信号としての電波を発信する(S25)。プロセッサ31は、当該ビーコン端末3の識別情報(ID)を含む応答信号としての電波をビーコン通信部35により発信する。
以上のような動作により、ビーコンおよびビーコン端末を含む警報システムは、駅構内の危険箇所に設置したビーコンにユーザが携帯するビーコン端末が近付いたら、ビーコン端末がアラーム音などの警報を出力する。これにより、ビーコン端末を携帯するユーザは、駅構内における危険箇所に接近したことを警報によって認識できる。また、ビーコン端末は、ビーコンを設置した危険箇所へ近づけば大きなアラームを鳴らし、遠ざかればアラームを小さくする。これにより、ビーコン端末を携帯するユーザは、ホーム端などの危険箇所へ接近している状態か遠ざかっている状態かを音で知ることができる。
また、ビーコンは外部システムから得られる情報などに基づいて駅構内の状況を判定し、駅構内の状況に応じて電波の発信を停止することによりビーコン端末からの警報の出力を停止する。これにより、警報システムは、状況に応じた警報をユーザに提供できる。例えば、ホームに停車した列車が乗降可能な状況である場合にホーム端に設置したビーコンが電波の発信を停止することにより、当該列車に乗車するユーザが携帯するビーコン端末がアラームなどの警報を出力することを防止できる。
次に、監視装置4の動作について説明する。
図9は、監視装置4の動作例を説明するためのフローチャートである。
監視装置4のプロセッサ41は、各ビーコン2からビーコン端末3の位置を示す位置情報を随時受信する(S31)。上述したように、ビーコン端末3の位置情報は、ビーコン端末3からの応答を受信したビーコン2の設置位置を示す情報、応答を発信したビーコン端末3のID、応答を受信したビーコン2から応答を発信したビーコン端末3までの距離を示す情報などを含む情報である。
ビーコン2からビーコン端末3の位置情報を受信した場合(S31、YES)、プロセッサ41は、受信した位置情報に含まれるビーコン端末のIDが監視中のビーコン端末3のIDであるか否かにより、受信した位置情報が監視中のビーコン端末の位置情報であるか否かを判定する(S32)。本実施形態において、監視装置4は、各ビーコン2が応答を受信した各ビーコン端末3の位置を継続的に監視し、監視中のビーコン端末3の位置を示す情報を表示装置5に表示させるものとする。
受信した位置情報が監視中のビーコン端末3の位置情報でないと判定した場合(S32、NO)、プロセッサ41は、当該位置情報に含まれるビーコン端末のIDを監視対象のビーコン端末3のIDとして記憶部44に記憶する(S33)。例えば、プロセッサ41は、受信した位置情報に含まれるIDを新たな監視対象とするビーコン端末のIDとして記憶部44(またはRAM43)に記憶する。
新たな監視対象としてビーコン端末のIDを記憶部44に記憶すると、プロセッサ41は、受信した位置情報に基づいて駅構内における当該ビーコン端末3の位置を判定する(S34)。例えば、プロセッサ41は、応答を受信したビーコン2の設置位置とビーコン2からビーコン端末3までの距離とに基づいて駅構内における当該ビーコン端末3の位置(ビーコン端末3が存在する領域)を判定する。ビーコン端末3の位置を判定すると、プロセッサ41は、判定したビーコン端末が存在する位置(領域)を示す情報を監視対象として設定した当該ビーコン端末3のIDに対応づけて記憶部44に記憶する(S35)。
監視対象として設定したビーコン端末の位置を記憶すると、プロセッサ41は、当該ビーコン端末3の位置を示す情報を表示装置5に表示する(S36)。例えば、プロセッサ41は、駅構内(ホーム)を示すマップ上にビーコン端末3が存在する位置(領域)を表示する。また、プロセッサ41は、ビーコン端末3の位置(領域)を座標値で表示するようにしても良い。さらに、プロセッサ41は、新たにビーコン端末3を検出したこと示す案内を当該ビーコン端末3の位置を示す情報と共に表示装置5に表示するようにしても良い。
また、監視中のビーコン端末の位置情報を受信したと判定した場合(S32、YES)、プロセッサ41は、各ビーコン2からの受信する位置情報に基づいて当該ビーコン端末3の位置を判定する(S37)。本実施形態では、各ビーコン2の通信領域は、図6に示すように、近接するビーコンの通信領域と重なるように設置される。このため、ビーコン端末3が複数のビーコン2の通信領域が重なる位置にある場合、監視装置4は、当該ビーコン端末3の位置情報を複数のビーコン2から取得し、複数のビーコンから取得した位置情報に基づいて当該ビーコン端末がある位置(領域)を判定する。
すなわち、複数のビーコン2から同一のビーコン端末のIDを含む位置情報を受信している場合、プロセッサ41は、各ビーコン2からの位置情報に基づいて当該IDのビーコン端末3の位置を判定する。例えば、第1のビーコンと第2のビーコンとからそれぞれ同一IDを含む位置情報を受信した場合、プロセッサ41は、第1のビーコンからの位置情報で特定される領域と第2のビーコンからの位置情報で特定される領域とが重なる領域を、当該IDのビーコン端末がある位置(領域)と判定する。
監視中のビーコン端末3の位置を判定すると、プロセッサ41は、当該ビーコン端末のIDに対応づけて記憶部44に記憶している当該ビーコン端末の位置を示す情報を更新する(S38)。記憶部44に記憶するビーコン端末の位置を更新すると、プロセッサ41は、表示装置5に表示している当該ビーコン端末の表示位置を更新する(S39)。なお、監視中のビーコン端末の表示位置を更新する場合、プロセッサ41は、ビーコン端末の表示位置を更新するだけでなく、当該ビーコン端末の移動状況(更新前の位置からの移動方向など)を表示するようにしても良い。
また、プロセッサ41は、各ビーコン2からの位置情報に基づいて、監視中の各ビーコン端末3が未検出の状態が継続する時間を監視する(S40)。各ビーコン2が監視中のビーコン端末3からの応答を受信できない状況である場合(つまり、ビーコン2から監視中のビーコン端末の位置情報を受信できない場合)、プロセッサ41は、当該ビーコン端末3が未検出の状態であると判断する。
すなわち、プロセッサ41は、どのビーコン2からも監視中のビーコン端末3の位置情報が所定時間以上取得できない場合、当該ビーコン端末3を監視対象から削除すると判断する。あるビーコン端末3を監視対象から削除すると判断すると(S40、YES)、プロセッサ41は、監視対象として記憶部44に記憶している当該ビーコン端末3のIDを削除し(S41)、表示装置5による当該ビーコン端末3の位置の表示を削除する(S42)。
以上のように、本実施形態に係る警報システムは、ビーコン、ビーコン端末および監視装置を有する。ビーコン端末はビーコンに接近すると警報を出力する。ビーコンは通信領域内にあるビーコン端末の位置情報を監視装置へ通知する。監視装置はビーコンから取得するビーコン端末の位置情報に基づいてビーコン端末の位置を判定し、ビーコン端末の位置を示す情報を表示装置に表示させる。
これにより、実施形態によれば、駅構内におけるビーコン端末(ビーコン端末を携帯するユーザ)の位置を表示装置に表示させることができる。この結果として、駅係員は、表示装置に表示される情報によって駅構内におけるビーコン端末を携帯するユーザの位置あるいは動きなどを監視できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…警報システム、2…ビーコン、3…ビーコン端末、4…監視装置、5…表示装置、21…プロセッサ、24…記憶部、25…ビーコン通信部、26…通信部、31…プロセッサ、34…記憶部、35…ビーコン通信部、36…発光部、37…音声部、41…プロセッサ、44…記憶部、45…第1通信部、46…第2通信部。

Claims (7)

  1. 駅を利用するユーザが携帯可能なビーコン端末であって、
    駅構内における危険箇所又は危険箇所の周囲に配置されるビーコンから発信される電波を受信する通信部と、
    前記通信部により受信した電波の強さに基づいて当該電波の発信元のビーコンまでの距離を判定する判定部と、
    前記判定部により判定した前記ビーコンまでの距離に応じた音を発する音声部と、
    を有するビーコン端末。
  2. 前記音声部は、前記判定部により判定する前記ビーコンまでの距離が近ければ近いほど大きな音量のアラームを鳴らす、
    請求項1に記載のビーコン端末。
  3. 前記音声部は、前記判定部により判定する前記ビーコンまでの距離に応じた音声案内を出力する、
    請求項1に記載のビーコン端末。
  4. さらに、前記判定部により判定する前記ビーコンまでの距離に応じた光を発する発光部を有する、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のビーコン端末。
  5. 駅構内における危険箇所又は危険箇所の周囲に配置される複数のビーコンと駅を利用するユーザが携帯可能なビーコン端末とを有する警報システムであって、
    前記各ビーコンは、
    所定の通信領域内において前記ビーコン端末が受信可能な電波を発信する第1通信部を有し、
    前記ビーコン端末は、
    各ビーコンの通信領域においてビーコンが発信する電波を受信する第2通信部と、
    前記第2通信部により受信した電波の強さに基づいて当該電波の発信元のビーコンまでの距離を判定する判定部と、
    前記判定部により判定した前記電波の発信元のビーコンまでの距離に応じた音を発する音声部と、を有する、
    警報システム。
  6. 前記ビーコンは、
    当該ビーコンに接近するユーザに警報を出力すべき状況であるか否かを判定する状況判定部と、
    前記状況判定部がユーザに警報を出力すべき状況でないと判定した場合には前記第1通信部による電波の発信を停止し、前記状況判定部がユーザに警報を出力すべき状況であると判定した場合には前記第1通信部により電波を発信させる制御部と、を有する、
    請求項5に記載の警報システム。
  7. さらに監視装置を有する警報システムであって、
    前記各ビーコンは、前記第1通信部が受信した電波の発信元となるビーコン端末の位置情報を前記監視装置へ送信する第3通信部をさらに有し、
    前記監視装置は、
    前記各ビーコンからの前記ビーコン端末の位置情報を受信する第3通信部と、
    前記第3通信部により各ビーコンから受信する前記ビーコン端末の位置情報に基づいて前記駅構内における前記ビーコン端末の位置を判定する位置判定部と、
    前記位置判定部により判定したビーコン端末の位置を表示装置に表示させる表示制御部と、を有する、
    請求項5又は6の何れか1項に記載の警報システム。
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