JP2018176720A - 基材成形システム、搬送装置、保持部材および基材成形方法 - Google Patents

基材成形システム、搬送装置、保持部材および基材成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基材の成形を行うことによって成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる基材成形システム、搬送装置、保持部材および基材成形方法を提供する。【解決手段】基材を成形することにより成形品を作製するための基材成形システム10において、搬送装置40は、基材生成装置20により生成された生成基材および成形装置30により生成基材から成形された成形品を保持するための保持部材44と、保持部材44を移動させるための移動機構42とを有しており、保持部材44は、基材生成装置20により生成された生成基材を保持するとともに加熱する第1の保持面44bと、成形装置30により生成基材から成形された成形品を保持する第2の保持面44cとを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、基材生成装置により生成された生成基材を成形することにより成形品を作製するための基材成形システム、生成基材および生成基材を成形することにより作製される成形品を搬送するための搬送装置、このような搬送装置に設けられた保持部材およびこのような基材成形システムによる基材成形方法に関する。
従来から、射出成形機等を利用して基材(例えば、フィルム)を成形することにより成形品を作製する際に、以下の工程が1工程ずつ順番に行われている。より詳細には、原反からフィルムを繰り出す工程と、繰り出したフィルムをシート状にカットする工程と、カットしたシート状のフィルムを軟化させるために加熱する工程と、金型を用いて加熱したフィルムの真空成形を行う工程と、樹脂を射出する工程と、成形品を取り出す工程とが1工程ずつ順番に行なわれるようになっている。
また、特許文献1には、射出成形機の内部に多関節ロボットのロボットハンドを設置し、このロボットハンドにより金型から成形品の取り出しを行うようになっている射出成形システムが開示されている。また、特許文献2には、射出成形機の外部に加熱機構を設け、あるフィルムの真空成形を行っている間に他のフィルムを予め加熱しておくことにより、成形品の生産時間を短縮するための構成が開示されている。
特許第5926352号公報 特許第5866398号公報
しかしながら、従来の射出成形システムにおいては、成形品を作製するための各工程を順番に行うようになっているため、シート状のフィルムの加熱や射出成形等に時間のかかる成形品を作製する場合には、それぞれの工程の遅れが成形品の生産時間の遅れに直接的に影響してしまうという問題があった。
また、特許文献1に開示されている射出成形システムは、射出成形装置の内部にロボットハンドを設置しているため、このロボットハンドの可動範囲が狭くなってしまい、場合によっては射出成形機の各構成部材とロボットハンドとが干渉してしまう可能性があるという問題がある。一方、引用文献2に開示されている射出成形システムにおいては、射出成形機の外部に加熱部を設けているため、フィルムを加熱部により加熱した後に当該加熱部から射出成形機にフィルムを搬送しなければならず、射出成形機にフィルムを供給するためのロボットや、成形品を搬送するためのロボット等の複数のロボットを導入する必要があり、システム全体の構成が複雑なものとなってしまうという問題がある。また、引用文献2に開示されている射出成形システムにおいては、シート状のフィルムの一辺のみが保持された状態で加熱されるため、シート状のフィルムが薄いものである場合には、加熱された際にシワや反り等が発生する可能性があるという問題がある。また、シワや反り等が発生したシート状のフィルムは、真空成形を行う際の金型への吸着が不十分なものとなるためシート状のフィルムを金型に密着させることができず、成形品の意匠性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、成形装置によって生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、次に成形されるべき生成基材を成形装置に向かって搬送しながら加熱することができ、よって複数の生成基材を順次成形することにより成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる基材成形システム、搬送装置、保持部材および基材成形方法を提供することを目的とする。
本発明の基材成形システムは、基材を成形することにより成形品を作製するための基材成形システムであって、基材を生成する基材生成装置と、前記基材生成装置により生成された生成基材の成形を行う成形装置と、前記基材生成装置により生成された生成基材を前記基材生成装置から前記成形装置に搬送する搬送装置と、を備え、前記搬送装置は、前記基材生成装置により生成された生成基材および前記成形装置により生成基材から成形された成形品を保持するための保持部材と、前記保持部材を移動させるための移動機構とを有しており、前記保持部材は、前記基材生成装置により生成された生成基材を保持するとともに加熱する第1の保持面と、前記成形装置により生成基材から成形された成形品を保持する第2の保持面とを有していることを特徴とする。
このような基材成形システムによれば、成形装置によって生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、次に成形されるべき生成基材を成形装置に向かって搬送しながら加熱することができ、よって複数の生成基材を順次成形することにより成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる。
本発明の基材成形システムにおいては、前記成形装置は、前記基材生成装置により生成された生成基材の真空成形および樹脂の射出成形を行うようになっていてもよい。
この場合、前記成形装置は、当該成形装置に送られた生成基材の一方の面に対して真空成形を行うとともに他方の面に対して樹脂の射出成形を行うようになっていてもよい。
本発明の基材成形システムにおいては、前記搬送装置における前記移動機構は多関節ロボットからなっていてもよい。
本発明の基材成形システムにおいては、前記搬送装置における前記保持部材の前記第1の保持面は、生成基材を真空吸着することにより保持するようになっていてもよい。
本発明の基材成形システムにおいては、前記搬送装置における前記保持部材の前記第2の保持面は、成形品を真空吸着することにより保持するようになっていてもよい。
本発明の基材成形システムにおいては、前記搬送装置における前記保持部材は、略長方形形状である本体部分を有しており、前記本体部分の表面には前記第1の保持面が設けられているとともに、前記本体部分の裏面には前記第2の保持面が設けられていてもよい。
本発明の基材成形システムにおいては、前記搬送装置における前記保持部材において、生成基材を前記第1の保持面により保持させるための構成と、成形品を前記第2の保持面により保持させるための構成とが互いに異なるようになっていてもよい。
本発明の搬送装置は、基材生成装置により生成された生成基材および生成基材を成形することにより作製される成形品を搬送するための搬送装置であって、生成基材および成形品を保持するための保持部材と、前記保持部材を移動させるための移動機構と、を備え、前記保持部材は、生成基材を保持するとともに加熱する第1の保持面と、成形品を保持する第2の保持面とを有していることを特徴とする。
このような搬送装置によれば、成形装置によって生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、次に成形されるべき生成基材を成形装置に向かって搬送しながら加熱することができ、よって複数の生成基材を順次成形することにより成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる。
本発明の搬送装置においては、前記移動機構は多関節ロボットからなっていてもよい。
本発明の保持部材は、基材生成装置により生成された生成基材および生成基材を成形することにより作製される成形品を保持するための枠部分を有する保持部材であって、生成基材を保持するとともに、前記枠部分が取り付けられた構造材側に設置された加熱部材により生成基材を加熱する第1の保持面と、生成基材を成形することにより作製される成形品を保持する第2の保持面と、を備えたことを特徴とする。
このような保持部材によれば、成形装置によって生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、次に成形されるべき生成基材を成形装置に向かって搬送しながら加熱することができ、よって複数の生成基材を順次成形することにより成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる。
本発明の保持部材においては、前記第1の保持面は、生成基材を真空吸着することにより保持するようになっていてもよい。
本発明の保持部材においては、前記第2の保持面は、成形品を真空吸着することにより保持するようになっていてもよい。
本発明の保持部材は、略長方形形状である本体部分を有しており、前記本体部分の表面には前記第1の保持面が設けられているとともに、前記本体部分の裏面には前記第2の保持面が設けられていてもよい。
本発明の保持部材においては、基材生成装置により生成された生成基材を前記第1の保持面により保持させるための構成と、成形品を前記第2の保持面により保持させるための構成とが互いに異なるようになっていてもよい。
本発明の基材成形方法は、基材を生成する工程と、生成された生成基材を搬送装置の保持部材により保持させた後に当該搬送装置により生成基材を成形装置に搬送し、この際に前記保持部材により保持される生成基材を加熱する工程と、前記成形装置により生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する工程と、を備え、前記成形装置により生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、前記成形装置により次に成形されるべき生成基材を前記搬送装置により前記成形装置に向かって搬送しながら加熱するようになっていることを特徴とする。
このような基材成形方法によれば、成形装置によって生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、次に成形されるべき生成基材を成形装置に向かって搬送しながら加熱することができ、よって複数の生成基材を順次成形することにより成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる。
本発明の基材成形方法においては、前記成形装置により成形されるべき生成基材を前記搬送装置により前記成形装置に保持させる際に、前記成形装置により作製された成形品を前記搬送装置により当該成形装置から取り出すようになっていてもよい。
この場合、前記成形装置により作製された成形品を前記搬送装置により当該成形装置から取り出す際に、前記保持部材において、前記搬送装置により生成基材が前記成形装置に搬送される際に当該生成基材が保持される箇所とは異なる箇所で成形品が保持されるようになっていてもよい。
本発明の基材成形システム、搬送装置、保持部材および基材成形方法によれば、基材の成形を行うことによって成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態による基材成形システムの構成を概略的に示す上面図である。 図1に示す基材成形システムの斜視図である。 図1等に示す基材成形システムの搬送装置における保持部材の構成を示す側面図である。 図3に示す保持部材における第1の保持面側の構成の詳細を示す構成図である。 図3に示す保持部材における第2の保持面側の構成の詳細を示す構成図である。 図1等に示す基材成形システムの搬送装置の制御系の構成を示す機能ブロック図である。 図1等に示す基材成形システムにおいて基材の成形を行うことによって成形品を作製する際の途中の状態を示す上面図である。 図7に示す状態から引き続く、図1等に示す基材成形システムにおいて基材の成形を行うことによって成形品を作製する際の途中の状態を示す上面図である。 図8に示す状態から引き続く、図1等に示す基材成形システムにおいて基材の成形を行うことによって成形品を作製する際の途中の状態を示す上面図である。 図9に示す状態から引き続く、図1等に示す基材成形システムにおいて基材の成形を行うことによって成形品を作製する際の途中の状態を示す上面図である。 (a)は、本発明の実施の形態の基材成形システムによる基材成形方法を示すフローチャートであり、(b)は、従来技術の基材成形システムによる基材成形方法を示すフローチャートである。 図1に示す基材成形システムの成形装置の他の構成例を示す構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図11は、本実施の形態に係る基材成形システムおよびこのような基材成形システムによる基材成形方法を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による基材成形システムの構成を概略的に示す上面図であり、図2は、図1に示す基材成形システムの斜視図である。また、図3乃至図5は、図1等に示す基材成形システムの搬送装置における保持部材の構成を示す側面図や構成図である。また、図6は、図1等に示す基材成形システムの搬送装置の制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図7乃至図10は、それぞれ、図1等に示す基材成形システムにおいて基材の成形を行うことによって成形品を作製する際の途中の状態を順に示す上面図である。また、図11(a)は、本実施の形態の基材成形システムによる基材成形方法を示すフローチャートであり、図11(b)は、従来技術の基材成形システムによる基材成形方法を示すフローチャートである。また、図11は、図1に示す基材成形システムの成形装置の他の構成例を示す構成図である。なお、図1において、本実施の形態に係る基材成形システムで作業を行う作業者を参照符合Mで示す。また、図2、図3、図7乃至図10および図12において、成形装置により成形される前の生成基材を参照符合W1で示し、成形装置により生成基材が成形されることによって作製された成形品を参照符合W2で示す。
まず、本実施の形態に係る基材成形システム10について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、本実施の形態に係る基材成形システム10は、シート状のフィルム等の基材を生成する基材生成装置20と、基材生成装置20により生成された生成基材の成形を行う成形装置30と、基材生成装置20により生成された生成基材を基材生成装置20から成形装置30に搬送する搬送装置40とを備えている。このような基材成形システム10では、まずシート状のフィルム等の基材を基材生成装置20により生成し、次に基材生成装置20により生成された生成基材を搬送装置40により当該基材生成装置20から成形装置30に搬送し、その後に成形装置30によって生成基材の成形を行うことにより成形品を作製するようになっている。また、本実施の形態の基材成形方法によれば、成形装置30により生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、成形装置30により次に成形されるべき生成基材を搬送装置40により基材生成装置20から成形装置30に向かって搬送しながら加熱するようになっている。このような基材成形システム10の各構成部材の詳細について以下に説明する。
図2に示すように、基材生成装置20は、原反22から繰り出された帯状のフィルム等の基材を間欠的に搬送する搬送ローラ等の搬送部24と、搬送部24により搬送される帯状の基材の先端部分を切断するカッター等の切断部26とを有しており、帯状の基材の先端部分が切断部26によって切断されることによりシート状(言い換えると、枚葉状)の基材が生成されるようになっている。また、図2に示すように、原反22の幅方向における端部近傍には、原反22の繰り出し方向に沿った方向において、複数の位置合わせマーク(参照符号Mで表示)が所定の間隔をあけて並ぶよう形成されている。また、切断されたシート状の基材における所定の箇所に1つの位置合わせマークが含まれるよう基材生成装置20の切断部26により帯状の基材が切断されるようになっている。後述するように、搬送装置40によって基材生成装置20からシート状の基材が取り出されるときに、この位置合わせマークによってシート状の基材に対する搬送装置40の位置決めが行われるようになっている。ここで、基材生成装置20において原反22から繰り出される基材として、例えばアクリル、PET、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネートおよびポリプロピレンのうちいずれかの単層または複層のフィルム等の材料が用いられるようになっている。ここで、基材として複層のフィルム等の材料が用いられる場合には、合計の厚みが50〜1000μmの範囲内の大きさであればよい。より詳細には、それぞれの層の厚みの大きさは層の数により決まり、合計の厚みである50〜1000μmの範囲内で規定されるようになる。
成形装置30は、基材生成装置20により生成された生成基材の真空成形および樹脂の射出成形を行うようになっている。より詳細には、成形装置30は、当該成形装置30に送られた生成基材の一方の面に対して真空成形を行うとともに他方の面に対して樹脂の射出成形を行うようになっている。具体的に説明すると、図1および図2等に示すように、成形装置30は、可動金型32と、固定金型34と、可動金型32を保持する可動金型保持部36と、固定金型34を保持する固定金型保持部38とを有しており、可動金型32と固定金型34とが互いに接触しているときにこれらの可動金型32と固定金型34との間に凹形状のキャビティ(空洞部分)が形成されるようになっている。より詳細には、可動金型32には凹部32aが形成されるとともに、固定金型34には凹部32aに入る凸部34aが設けられており、可動金型32と固定金型34とが互いに接触し、凸部34aが凹部32aに入れられたときに、これらの凸部34aと凹部32aとの間に凹形状のキャビティが形成されるようになっている。
搬送装置40により成形装置30に送られた生成基材は、当該成形装置30の可動金型32により真空成形が行われるようになっている。より詳細には、図1に示すように、可動金型32の凹部32aには気体の流路33が接続されており、当該流路33には吸引ポンプ31が接続されている。そして、吸引ポンプ31により流路33から気体が引かれることにより、搬送装置40により成形装置30に送られた生成基材は可動金型32に真空吸着される。この際に、生成基材は可動金型32の凹部32aに入るようになり、このことにより生成基材は凹部32aの形状に沿うよう真空成形されるようになる。また、図1等に示すように、可動金型32には位置合わせマーク32bが形成されており、後述するように、搬送装置40により生成基材が受け渡されるときにこの位置合わせマーク32bによって可動金型32に対する搬送装置40(すなわち、生成基材)の位置決めが行われるようになっている。
また、図1に示すように、固定金型保持部38には、可動金型32と固定金型34とが互いに接触しているときにこれらの可動金型32と固定金型34との間に形成されるキャビティに熱可塑性樹脂等の樹脂を供給する樹脂供給路35が設けられており、この樹脂供給路35には当該樹脂供給路35に樹脂を供給する樹脂供給部39が接続されている。可動金型32と固定金型34とが互いに接触しているときに、樹脂供給部39から樹脂供給路35を介して可動金型32と固定金型34との間に形成される凹形状のキャビティに樹脂が供給されることにより、可動金型32により真空成形された生成基材の表面(具体的には、凹部32aに対向する面とは反対側の面)に対して樹脂の射出成形が行われるようになる。ここで、樹脂供給部39から樹脂供給路35を介して可動金型32と固定金型34との間のキャビティに供給される樹脂として、例えばアクリル、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、ポリカーボネートおよびポリプロピレンのうちいずれか一つまたはこれらを混合した材料が用いられるようになっている。また、キャビティに供給される樹脂に、上述した複数の材料の界面が溶融した傾斜材料が含まれるようになっていてもよい。
また、図1および図2に示すように、成形装置30は、可動金型保持部36をガイドするガイド部37を有しており、可動金型保持部36はガイド部37に沿って固定金型保持部38に向かう方向および固定金型保持部38から遠ざかる方向にそれぞれ移動するようになっている。なお、図1は、可動金型保持部36が固定金型保持部38から離間しているときの状態を示しており、図7は、可動金型保持部36が固定金型保持部38に接近することにより可動金型32と固定金型34とが互いに接触しているときの状態を示している。
ここで、本実施の形態では、成形装置30による生成基材の成形温度は80〜160℃であることが好ましい。また、成形装置30により生成基材の真空成形が行われる際に、真空度は最大で大気圧である約100,000Paから最小で0.1Paの範囲内の大きさであることが好ましい。また、可動金型32および固定金型34による生成基材に対するプレス圧は0kN〜40,000kNの範囲内の大きさであることが好ましい。
搬送装置40は、基材生成装置20により生成された生成基材を当該基材生成装置20から成形装置30に搬送したり、成形装置30により生成基材から成形された成形品を当該成形装置30から取り出したりするものである。具体的には、図1および図2に示すように、搬送装置40は、基材生成装置20により生成された生成基材および成形装置30により生成基材から成形された成形品を保持するための保持部材44と、保持部材44を移動させるための移動機構42とを有している。ここで、本実施の形態では、移動機構42として多関節ロボットが用いられるようになっている。このような多関節ロボットによって、保持部材44により保持される基板や成形品の向きを変えることができるようになる。なお、移動機構42は多関節ロボットに限定されることはない。基材生成装置20により生成された生成基材を当該基材生成装置20から成形装置30に搬送したり、成形装置30により生成基材から成形された成形品を当該成形装置30から取り出したりすることができるものであれば、移動機構42として多関節ロボット以外のものが用いられてもよい。
図3に示すように、保持部材44は略長方形形状である本体部分44aを有しており、この本体部分44aの一方の面には、基材生成装置20により生成された生成基材(図3において参照符合W1で表示)を保持するとともに加熱する第1の保持面44bが形成されている。また、本体部分44aの他方の面には、成形装置30により生成基材から成形された成形品(図3において参照符合W2で表示)を保持する第2の保持面44cが形成されている。また、本実施の形態においては、本体部分44aは成形品を保持するための枠部分としても機能するようになっている。
ここで、図6等に示すように、搬送装置40は、カメラ等の撮像部40aと、撮像部40aにより撮像された画像に基づいて移動機構42を制御する制御部49とを有している。より詳細には、撮像部40aは、基材生成装置20により生成された生成基材に設けられた位置合わせマーク(図2において参照符号Mで表示)や、可動金型32に設けられた位置合わせマーク32bを撮像するようになっている。また、制御部49は、撮像部40aにより撮像された画像における位置合わせマーク32b等に基づいて、移動機構42を制御するようになっている。より具体的には、制御部49は、基材生成装置20により生成された生成基材を保持部材44により保持する前に、撮像部40aにより生成基材の撮像を行うよう撮像部40aを制御するようになっている。また、制御部49は、撮像部40aにより撮像された生成基材の画像における位置合わせマークの位置に基づいて搬送装置40の移動機構42を制御することにより、生成基材に対する移動機構42(より具体的には、保持部材44)の位置合わせを行うようになっている。このため、生成基材に対する保持部材44の位置合わせを行った後に、保持部材44によって生成基材を保持することができる。
また、制御部49は、保持部材44により保持された生成基材を成形装置30に受け渡す前にも、可動金型32に形成された位置合わせマーク32bを撮像するよう撮像部40aを制御するようになっている。また、制御部49は、撮像部40aにより撮像された可動金型32の画像における位置合わせマーク32bの位置に基づいて移動機構42を制御することにより、可動金型32に対する移動機構42(より具体的には、保持部材44に保持された生成基材)の位置合わせを行うようになっている。このため、可動金型32に対する生成基材の位置合わせを行った後に可動金型32に生成基材を受け渡すことができる。言い換えると、本実施の形態においては、生成基材に形成された位置合わせマークや可動金型32に設けられた位置合わせマーク32bに基づいて、搬送装置40による生成基材のハンドリング位置を補正するようになっている。このように、基材生成装置20により生成された生成基材を保持部材44により保持するとき、および可動金型32に生成基材を受け渡すときの両方において位置合わせを行うようになっているため、成形装置30によって高品質な成形品を再現性良く生産することができるようになっている。
次に、保持部材44における第1の保持面44b側の構成の詳細について図3および図4を用いて説明する。図4は、図3に示す保持部材44における本体部分44aの第1の保持面44bを図3における左側から右に向かって見たときの構成を示す構成図である。図3および図4に示すように、本体部分44aの第1の保持面44b側には略長方形形状の枠体46が設けられており、この枠体46には複数(具体的には、4本)の細長いスリット46aが設けられており、各スリット46aによりシート状の生成基材の四辺近傍の箇所が真空吸着されるようになっている。より詳細には、図3に示すように、各スリット46aには気体の流路46bが接続されており、当該流路46bにはロータリーポンプ等の吸引ポンプ41が接続されている。そして、吸引ポンプ41により各流路46bから気体が吸引されることにより、シート状の生成基材の四辺近傍の箇所が各スリット46aに真空吸着されるようになる。また、第1の保持面44bにはヒータ47(すなわち、加熱部材)が取り付けられており、枠体46に設けられた各スリット46aに真空吸着されるシート状の生成基材がヒータ47により例えば50〜200℃に加熱させられるようになっている。このことにより、成形装置30により成形されるシート状の生成基材の軟化が行われる。なお、枠体46に複数のスリット46aを設ける代わりに、枠体46自体をスポンジ等の多孔質のものから形成し、当該枠体46から気体を吸引することによりシート状の生成基材を枠体46に直接吸着させるようにしてもよい。なお、本実施の形態においてはヒータ47は枠状の本体部分44aの内側に配置されているが、このような構成に限定されることはない。例えば、本体部分44aの内側ではなく外側にヒータ47を配置するようにしてもよい。あるいは、枠部分が取り付けられた構造材(例えば、搬送装置40の構成部材)側にヒータ47を配置するようにしてもよい。
保持部材44における第2の保持面44c側の構成の詳細について図3および図5を用いて説明する。図5は、図3に示す保持部材44における本体部分44aの第2の保持面44cを図3における右側から左に向かって見たときの構成を示す構成図である。図3および図5に示すように、本体部分44aの第2の保持面44cには複数の吸着パッド48が設けられており、各吸着パッド48には吸着穴48aが設けられている。これらの複数の吸着パッド48の各吸着穴48aにより成形品の複数の箇所が真空吸着されるようになっている。より詳細には、各吸着パッド48は例えばゴム等の可撓性を有する材料から構成されており、成形品が各吸着パッド48に吸着されたときに当該吸着パッド48によって成形品が傷つかないようになっている。また、図3に示すように、各吸着穴48aには気体の流路48bが接続されており、当該流路48bには吸引ポンプ41が接続されている。そして、吸引ポンプ41により各流路48bから気体が吸引されることにより、成形品の複数の箇所が各吸着穴48aに真空吸着されるようになる。
また、保持部材44の第2の保持面44cにおいて、各吸着パッド48が設けられる位置を変更することができるようになっている。また、各吸着パッド48による成形品の吸着方向も変更することができるようになっている。ここで、吸着方向とは、各吸着パッド48の吸着穴48aにおける空気の吸引方向のことを指しており、例えば図5に示す吸引方向は図3における左方向である。また、各吸着パッド48における吸着方向を変更することにより、各吸着パッド48によって例えば成形品を図3における上方向や下方向に吸着することができるようになる。このように、各吸着パッド48が設けられる位置および吸着方向を変更することができるため、第2の保持面44cは、様々な形状の成形品を安定的に保持することができるようになる。
なお、吸引ポンプ41は、第1の保持面44bに関連する流路46b、および第2の保持面44cに関連する流路48bのうちいずれか一方または両方から気体を吸引するようになっている。具体的には、図示しない切替弁によって吸引ポンプ41の接続先が流路46bおよび流路48bのうちいずれか一方または両方に切り替えられるようになっている。
このように、本実施の形態では、保持部材44において生成基材を第1の保持面44bにより保持させるための構成と、成形品を第2の保持面44cにより保持させるための構成とが互いに異なるようになっている。
また、図6に示すように、搬送装置40は、当該搬送装置40の各構成部材を制御する制御部49を有している。より詳細には、制御部49には、撮像部40aと、吸引ポンプ41と、移動機構42と、ヒータ47とが接続されている。上述したように、制御部49は、撮像部40aにより撮像された画像における、生成基材に形成されている位置合わせマーク(図2において参照符号Mで表示)や成形装置30の可動金型32に形成されている位置合わせマーク32bの位置に基づいて移動機構42を制御するようになっている。
次に、このような構成からなる基材成形システム10による基材成形方法について図7乃至図10を用いて説明する。
本実施の形態による基材成形システム10により基材を成形して成形品を作製するにあたり、作業者が搬送装置40の電源をオンにすると、当該搬送装置40におけるヒータ47の加熱が開始される。そして、ヒータ47が所定の温度に達したと判断されると、以下に示すような、基材を順次成形することにより成形品を作製するサイクルが開始される。
基材を順次成形することにより成形品を作製するサイクルにおいて、まず基材生成装置20によりシート状の基材を生成する。具体的には、基材生成装置20において原反22から繰り出された帯状の基材をローラ等の搬送部24により搬送し、この帯状の基材の先端部分が所定の位置に到達するようにする。また、基材生成装置20における所定の位置に到達した基材の先端部分に搬送装置40の保持部材44における第1の保持面44bが対向するよう、移動機構42により保持部材44を移動させる。そして、基材生成装置20における所定の位置に到達した基材の先端部分に搬送装置40の保持部材44における第1の保持面44bが対向したと判断されると、搬送装置40において吸引ポンプ41により流路46bから気体を吸引させる。このことにより、基材生成装置20において原反22から繰り出された帯状の基材の先端部分が保持部材44の枠体46に真空吸着される。そして、帯状の基材の先端部分が保持部材44の枠体46に真空吸着されたと判断されると、基材生成装置20において切断部26により帯状の基材の先端部分が切断され、シート状の基材が生成される。なお、このようにして生成されるシート状の基材は保持部材44の枠体46に真空吸着されたものとなる。
基材生成装置20において切断部26により帯状の基材の先端部分が切断されてシート状の基材が生成されたと判断されると、当該生成基材は搬送装置40により基材生成装置20から成形装置30に搬送される。この際に、保持部材44の枠体46に真空吸着されている生成基材はヒータ47により加熱され、当該生成基材の軟化が行われるようになる。そして、搬送装置40により搬送される生成基材が成形装置30の近傍に到達すると、図7に示すように、生成基材は保持部材44により保持された状態で成形装置30の近傍で待機するようになる。なお、後述するように、搬送装置40により生成基材が基材生成装置20から成形装置30に搬送されるとともに加熱される間に、成形装置30において一つ前の生成基材を成形して成形品を作製する動作が行われている。そして、成形装置30において成形品が作製されると、図8に示すように可動金型保持部36が固定金型保持部38から離間する方向(すなわち、図8における左向き)に移動し、可動金型32が固定金型34から離間する(このような、可動金型32が固定金型34から離間した状態を「金型が開く」ともいう)。
図8に示すように可動金型32が固定金型34から離間したと判断されると、図9に示すように、生成基材を第1の保持面44bにより保持している保持部材44が可動金型32に近接するよう保持部材44が移動機構42により移動させられる。そして、成形装置30において吸引ポンプ31により流路33から気体が引かれるとともに搬送装置40における吸引ポンプ41による流路46bからの気体の吸引が停止される。このことにより、搬送装置40の保持部材44から成形装置30の可動金型32に生成基材が受け渡され、この受け渡された生成基材は可動金型32に真空吸着される。生成基材が可動金型32に真空吸着されたと判断されると、吸引ポンプ31により流路33から気体を吸引する力が強くなる。このことにより、生成基材は可動金型32の凹部32aに入るようになり、当該生成基材は凹部32aの形状に沿うよう真空成形されるようになる。その後、保持部材44の第2の保持面44cが固定金型34に近接するよう保持部材44が移動機構42により移動させられる。そして、固定金型34の凸部34aにより保持されている成形品が保持部材44の第2の保持面44cに近接するようになると、搬送装置40において吸引ポンプ41により流路48bから気体が引かれるようになる。このことにより、成形品が保持部材44の各吸着パッド48に真空吸着される。その後、図10に示すように、保持部材44が固定金型34から遠ざかるよう保持部材44が移動機構42により移動させられ、当該保持部材44は移動機構42により図示しない成形品の収容ケース等に移動させられる。そして、成形品の収容ケース等に保持部材44が移動したと判断されると、搬送装置40における吸引ポンプ41による流路48bからの気体の吸引が停止される。このことにより、保持部材44により保持されていた成形品が収容ケース等に収容されるようになる。なお、このような保持部材44により保持されていた成形品を収容ケース等に収容させる動作を「成形品の排出」ともいう。
このように、本実施の形態では、成形装置30により成形されるべき生成基材を搬送装置40により成形装置30の可動金型32に保持させる際に、成形装置30により作製された成形品を搬送装置40により当該成形装置30から取り出すようになっている。また、成形装置30により作製された成形品を搬送装置40により当該成形装置30から取り出す際に、保持部材44において、搬送装置40により生成基材が成形装置30に搬送される際に当該生成基材が保持される箇所(すなわち、第1の保持面44b)とは異なる箇所(すなわち、第2の保持面44c)で成形品が保持されるようになる。
なお、上記の説明では、可動金型32が固定金型34から離間した後、まず搬送装置40の保持部材44により保持されている生成基材を可動金型32に受け渡し、次に固定金型34から成形品を保持部材44により取り出すような動作について説明したが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。他の態様として、可動金型32が固定金型34から離間した後、まず固定金型34の凸部34aにより保持されている成形品を保持部材44の第2の保持面44cにより保持させ、次に保持部材44の第1の保持面44bにより保持されている生成基材を可動金型32に受け渡し、最後に保持部材44を成形装置30から離間させることにより当該保持部材44の第2の保持面44cにより保持されている成形品を収容ケース等に収容させるようにしてもよい。
搬送装置40の保持部材44から成形装置30の可動金型32に受け渡された生成基材が真空成形されるとともに成形装置30の固定金型34から保持部材44により成形品が取り出され、この保持部材44が可動金型32と固定金型34との間の空間から退避したと判断されると、可動金型保持部36が固定金型保持部38に接近する方向(すなわち、図7乃至図10における右向き)に移動し、図7に示すように可動金型32と固定金型34とが互いに接触するようになる。そして、可動金型32と固定金型34とが互いに接触していると判断されると、樹脂供給部39から樹脂供給路35を介して可動金型32と固定金型34との間に形成されるキャビティに樹脂が供給される。このことにより、可動金型32により真空成形された生成基材の表面(具体的には、凹部32aに対向する面とは反対側の面)に対して樹脂の射出成形が行われる。このようにして成形品が作製され、作製された成形品は固定金型34の凸部34aにより保持されるようになる。なお、成形装置30において生成基材に対して樹脂の射出成形が行われることにより成形品が作製される間に、次の生成基材が搬送装置40から成形装置30に向かって搬送され、この際に当該生成基材は搬送装置40のヒータ47により加熱されるようになる。
また、本実施の形態の基材成形システム10による基材成形方法によれば、成形装置30により生成基材の成形(具体的には、生成基材に対する樹脂の射出成形)を行うことによって成形品を作製する間に、成形装置30により次に成形されるべき生成基材を搬送装置40により成形装置30に向かって搬送しながら加熱するようになっている。このように、成形装置30によって生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、次に成形されるべき生成基材を成形装置30に向かって搬送しながら加熱することにより、複数の生成基材を順次成形することにより成形品を作製する際の全体の処理時間を短縮することができる。このような技術的事項について図11を用いて説明する。なお、図11(a)は、本実施の形態の基材成形システム10による基材成形方法を示すフローチャートであり、図11(b)は、従来技術の基材成形システムによる基材成形方法を示すフローチャートである。
本実施の形態の基材成形システム10における搬送装置40では、基材生成装置20により生成された生成基材を保持部材44の第1の保持面44bにより保持するとともに加熱することができ、また、成形装置30により生成基材から成形された成形品を保持部材44の第2の保持面44cにより保持することができるため、成形装置30において生成基材に樹脂を射出成形する間に、搬送装置40により次の生成基材の搬送および加熱を行うことができる。具体的には、図11(a)に示すように、成形装置30において1枚目の生成基材に樹脂を射出成形する間に、搬送装置40により2枚目の生成基材の搬送および加熱を行うことができる。また、搬送装置40の移動機構42として多関節ロボットを用いており、かつ移動機構42が成形装置30の外側に設けられているため、可動金型32と固定金型34とが離間しているときのスペースが狭い場合にも、移動機構42と基材成形システム10の各構成部材とが接触してしまうことを防止することができるようになっている。これに対し、従来技術の基材成形システムでは、基材生成装置により生成された生成基材を成形装置に搬送する搬送装置にヒータが設けられていないため、基材生成装置により生成された生成基材を当該基材生成装置から取り出した後、成形装置とは別に設けられた加熱装置に生成基材を搬送して当該加熱装置により生成基材の加熱を行わなければならない。そして、加熱装置により加熱された生成基材が搬送装置により成形装置に搬送されるようになる。また、従来技術の基材成形システムでは、搬送装置の保持部材は、シート状の生成基材を保持する保持面および成形品を保持する保持面の両方を有していないため、シート状の生成基材を成形装置の可動金型に受け渡した後、固定金型から成形品を受け取って排出するのに時間がかかるという問題がある。
また、従来技術の基材成形システムでは、図11(b)に示すように、基材生成装置において基材を繰り出す工程と、繰り出した基材を搬送装置により保持させるとともに当該基材を切断する工程と、シート状の生成基材を軟化させるために加熱する工程と、金型を用いて生成基材に樹脂を射出成形する工程と、成形品を排出する工程とが1工程ずつ順番に行なわれるようになっている。このため、複数の生成基材を成形することにより成形品を作製する場合には全体の処理時間が長くなってしまうという問題がある。具体的には、従来技術の基材成形システムによる基材成形方法では、3つの成形品を作製するのに時間bだけかかっていた。これに対し、本実施の形態の基材成形システム10による基材成形方法では、成形装置30において生成基材に樹脂を射出成形する間に、搬送装置40により次の生成基材の搬送および加熱を行うことにより、3つの成形品を作製するのに必要な時間はaとなり、時間cの分だけ全体の処理時間を短縮することができるようになる。
なお、本実施の形態による基材成形システムや基材成形方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、シート状の生成基材を成形することにより成形品を作製する成形装置として、図12に示すような可動金型62および固定金型64を有するような成形装置60が用いられてもよい。より詳細には、図12に示す成形装置60は、可動金型62と、固定金型64と、可動金型62を保持する可動金型保持部(図示せず)と、固定金型64を保持する固定金型保持部(図示せず)とを有しており、可動金型62と固定金型64とが互いに接触しているときにこれらの可動金型62と固定金型64との間に凹形状のキャビティ(空洞部分)が形成されるようになっている。より詳細には、可動金型62には凹部62aが形成されるとともに、固定金型64には凹部62aに入る凸部64aが設けられており、可動金型62と固定金型64とが互いに接触し、凸部64aが凹部62aに入れられたときに、これらの凸部64aと凹部62aとの間に凹形状のキャビティが形成されるようになっている。
また、図12に示すような成形装置60では、可動金型62の表面62bおよび固定金型64の表面64bはそれぞれ鉛直面(すなわち、図11において上下方向に沿った面)に対して傾斜している。このような場合でも、本実施の形態の搬送装置40によれば、保持部材44を移動させる移動機構42が多関節ロボットであるため、保持部材44における第1の保持面44bや第2の保持面44cを鉛直面に対して傾斜させることができる。このことにより、保持部材44の第1の保持面44bにより保持されているシート状の生成基材を可動金型62に適切に受け渡したり、固定金型64の凸部64aにより保持されている成形品を保持部材44の第2の保持面44cにより適切に取り出して排出したりすることができるようになる。
また、上述した基材成形システム10においては、可動金型32、62および固定金型34、64(すなわち、金属材料から構成される型)によって生成基材が成形されるようになっているが、このような態様に限定されることはない。例えば、成形装置において成形を行うための型として、金属以外の材料(例えば、セラミック等)から構成されたものが用いられるようになっていてもよい。
また、成形装置30の固定金型34に位置合わせマークを設けるようにしてもよい。この場合には、固定金型34から成形品を取り出すときに、当該固定金型34から取り出されるべき成形品に対する搬送装置40の位置合わせを行うことができるようになる。
また、本発明に係る基材成形システムにおける成形装置はシート状の生成基材の真空成形および樹脂の射出成形を行うものに限定されることはない。本発明に係る基材成形システムにおける成形装置として、シート状の生成基材の真空成形のみを行うものや樹脂の射出成形のみを行うもの、または他の種類の成形を行うものが用いられてもよい。
10 基材成形システム
20 基材生成装置
22 原反
24 搬送部
26 切断部
30 成形装置
31 吸引ポンプ
32 可動金型
32a 凹部
32b 位置合わせマーク
33 流路
34 固定金型
34a 凸部
35 樹脂供給路
36 可動金型保持部
37 ガイド部
38 固定金型保持部
39 樹脂供給部
40 搬送装置
40a 撮像部
41 吸引ポンプ
42 移動機構
44 保持部材
44a 本体部分
44b 第1の保持面
44c 第2の保持面
46 枠体
46a スリット
46b 流路
47 ヒータ
48 吸着パッド
48a 吸着穴
48b 流路
49 制御部
60 成形装置
62 可動金型
62a 凹部
62b 表面
64 固定金型
64a 凸部
64b 表面

Claims (18)

  1. 基材を成形することにより成形品を作製するための基材成形システムであって、
    基材を生成する基材生成装置と、
    前記基材生成装置により生成された生成基材の成形を行う成形装置と、
    前記基材生成装置により生成された生成基材を前記基材生成装置から前記成形装置に搬送する搬送装置と、
    を備え、
    前記搬送装置は、前記基材生成装置により生成された生成基材および前記成形装置により生成基材から成形された成形品を保持するための保持部材と、前記保持部材を移動させるための移動機構とを有しており、
    前記保持部材は、前記基材生成装置により生成された生成基材を保持するとともに加熱する第1の保持面と、前記成形装置により生成基材から成形された成形品を保持する第2の保持面とを有している、基材成形システム。
  2. 前記成形装置は、前記基材生成装置により生成された生成基材の真空成形および樹脂の射出成形を行う、請求項1記載の基材成形システム。
  3. 前記成形装置は、当該成形装置に送られた生成基材の一方の面に対して真空成形を行うとともに他方の面に対して樹脂の射出成形を行うようになっている、請求項2記載の基材成形システム。
  4. 前記搬送装置における前記移動機構は多関節ロボットからなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基材成形システム。
  5. 前記搬送装置における前記保持部材の前記第1の保持面は、生成基材を真空吸着することにより保持する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基材成形システム。
  6. 前記搬送装置における前記保持部材の前記第2の保持面は、成形品を真空吸着することにより保持する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基材成形システム。
  7. 前記搬送装置における前記保持部材は、略長方形形状である本体部分を有しており、
    前記本体部分の表面には前記第1の保持面が設けられているとともに、前記本体部分の裏面には前記第2の保持面が設けられている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基材成形システム。
  8. 前記搬送装置における前記保持部材において、生成基材を前記第1の保持面により保持させるための構成と、成形品を前記第2の保持面により保持させるための構成とが互いに異なる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基材成形システム。
  9. 基材生成装置により生成された生成基材および生成基材を成形することにより作製される成形品を搬送するための搬送装置であって、
    生成基材および成形品を保持するための保持部材と、
    前記保持部材を移動させるための移動機構と、
    を備え、
    前記保持部材は、生成基材を保持するとともに加熱する第1の保持面と、成形品を保持する第2の保持面とを有している、搬送装置。
  10. 前記移動機構は多関節ロボットからなる、請求項9記載の搬送装置。
  11. 基材生成装置により生成された生成基材および生成基材を成形することにより作製される成形品を保持するための枠部分を有する保持部材であって、
    生成基材を保持するとともに、前記枠部分が取り付けられた構造材側に設置された加熱部材により生成基材を加熱する第1の保持面と、
    生成基材を成形することにより作製される成形品を保持する第2の保持面と、
    を備えた、保持部材。
  12. 前記第1の保持面は、生成基材を真空吸着することにより保持する、請求項11記載の保持部材。
  13. 前記第2の保持面は、成形品を真空吸着することにより保持する、請求項11または12記載の保持部材。
  14. 略長方形形状である本体部分を有しており、
    前記本体部分の表面には前記第1の保持面が設けられているとともに、前記本体部分の裏面には前記第2の保持面が設けられている、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の保持部材。
  15. 基材生成装置により生成された生成基材を前記第1の保持面により保持させるための構成と、成形品を前記第2の保持面により保持させるための構成とが互いに異なる、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の保持部材。
  16. 基材を生成する工程と、
    生成された生成基材を搬送装置の保持部材により保持させた後に当該搬送装置により生成基材を成形装置に搬送し、この際に前記保持部材により保持される生成基材を加熱する工程と、
    前記成形装置により生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する工程と、
    を備え、
    前記成形装置により生成基材の成形を行うことによって成形品を作製する間に、前記成形装置により次に成形されるべき生成基材を前記搬送装置により前記成形装置に向かって搬送しながら加熱するようになっている、基材成形方法。
  17. 前記成形装置により成形されるべき生成基材を前記搬送装置により前記成形装置に保持させる際に、前記成形装置により作製された成形品を前記搬送装置により当該成形装置から取り出すようになっている、請求項16記載の基材成形方法。
  18. 前記成形装置により作製された成形品を前記搬送装置により当該成形装置から取り出す際に、前記保持部材において、前記搬送装置により生成基材が前記成形装置に搬送される際に当該生成基材が保持される箇所とは異なる箇所で成形品が保持される、請求項17記載の基材成形方法。
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