JP2018176671A - 熱収縮性積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高融点樹脂を含有していても美麗に包装することが可能な、熱収縮性積層フィルムを提供する。【解決手段】融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂を含有するA層と、融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂を含有するB層とが、交互に少なくとも16層以上積層されてなる熱収縮性積層フィルムであって、前記熱収縮性積層フィルムは、前記熱収縮性積層フィルムの積層方向に直交する第一方向の140℃における熱収縮率と、前記積層方向に直交し、且つ、前記第一方向に垂直な第二方向の140℃における熱収縮率とが、いずれも30%以上であり、所定の構成を有する比較の3層フィルムとの比較において、前記熱収縮性積層フィルムにおける前記A層の結晶化度が、前記比較の3層フィルムにおける前記A’層の結晶化度よりも3%以上小さい、ことを特徴とする、熱収縮性積層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、熱収縮性積層フィルムに関し、より具体的には、包装機による包装に適し、食品包装分野に使用するのに好適な熱収縮性積層フィルムに関する。
食品等の被包装物を包装する方法としては、例えば、家庭用ラップ包装、オーバーラップ包装、ひねり包装、袋詰め包装、スキン包装、ピローシュリンク包装などのシュリンク包装(収縮包装と同義語)、ストレッチ包装、トップシール包装などが挙げられる。これらの中でも、近年では、被包装物の形状及び大きさに依らず、同時に複数個の製品を迅速かつタイトに包装でき、得られる包装物の外観が美しいことから、シュリンク包装が広く流通している。そして、シュリンク包装の中でも、ピローシュリンク包装は、連続的で且つ高速で包装でき、特に良好な仕上がりの包装体を得ることが出来るため、食品や雑貨などの包装に多用されている。
このようなピローシュリンク包装を施す被包装体の主な例としては、弁当や総菜を入れた蓋付きのポリスチレン製又はフィラー入りポリプロピレン(PP)製などの耐熱容器;肉や魚を入れた蓋の無い発泡ポリスチレン製、PP製又は紙製などのトレー;等が挙げられ、いずれの場合も、容器又はトレーを、余裕を持たせてゆったり包装し、その後に熱風を吹き付けて収縮させることで、角残りの少ない美麗な包装体が得られる。
近年は、炭酸ガスの排出の削減や包装ラインの速度アップによる経費削減等のために、シュリンク包装時の加熱温度の低温化や、同加熱温度における高収縮率化が望まれている。そのため、シュリンク包装に使用するフィルム(シュリンクフィルム)は、高い収縮性を有していることが好ましい。
そのような高い収縮性を有するフィルムとして、例えば、特許文献1には、低密度ポリエチレン、又はビニルエステル単量体、脂肪族不飽和モノカルボン酸、該モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれる単量体とエチレンとの共重合体、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の重合体を用いた冷間延伸多層フィルムが開示されている。
特公平1−47311号公報
ここで、食品包装などに用いるピローシュリンク包装では、融点が比較的低い熱可塑性樹脂を使用することが多く、特許文献1に記載の技術においても、融点の低いポリオレフィン系樹脂の層の構成及び配置の組み合わせにより、低温延伸性と熱収縮性とを向上させている。しかしながら、高融点樹脂を含有するフィルムについては、十分な熱収縮性を発揮させることが困難であり、包装を美麗に仕上げるという点で課題となっている。
そこで、本発明は、高融点樹脂を含有していても美麗に包装することが可能な、熱収縮性積層フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1)融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂を含有するA層と、融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂を含有するB層とが、交互に少なくとも16層以上積層されてなる熱収縮性積層フィルムであって、前記熱収縮性積層フィルムは、
前記熱収縮性積層フィルムの積層方向に直交する第一方向の140℃における熱収縮率と、前記積層方向に直交し、且つ、前記第一方向に垂直な第二方向の140℃における熱収縮率とが、いずれも30%以上であり、
前記A層と同一組成であるA’層、前記B層と同一組成であるB’層、及び前記A層と同一組成であるA’層を、この順で、層厚比率がA’層:B’層:A’層=25:50:25となるように積層されてなり且つ前記熱収縮性積層フィルムと同一の全厚を有する比較の3層フィルムとの比較において、前記熱収縮性積層フィルムにおける前記A層の結晶化度が、前記比較の3層フィルムにおける前記A’層の結晶化度よりも3%以上小さい、ことを特徴とする、熱収縮性積層フィルム。
(2)前記比較の3層フィルムとの比較において、前記熱収縮性積層フィルムの前記第一方向の140℃における熱収縮率及び前記第二方向の140℃における熱収縮率が、いずれも、前記比較の3層フィルムの積層方向に直交する第三方向の140℃における熱収縮率、及び、前記積層方向に直交し、且つ、前記第三方向に垂直な第四方向の140℃における熱収縮率よりも3%以上大きい、項目(1)に記載の熱収縮性積層フィルム。
(3)前記A層が、融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸及びポリプロピレンの少なくともいずれかを含有する、項目(1)又は(2)に記載の熱収縮性積層フィルム。
(4)前記B層が、融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂を含有する、項目(1)〜(3)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(5)各層の厚みが1000nm以下である、項目(1)〜(4)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
(6)全厚が10μm未満である、項目(1)〜(5)のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
本発明によれば、高融点樹脂を含有していても美麗に包装することが可能な、熱収縮性積層フィルムを提供することができる。
(熱収縮性積層フィルム)
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)の熱収縮性積層フィルムについて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[結晶化度など]
本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂を含有する層(A層)と、融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂を含有する層(B層)とからなり、A層とB層とが、交互に少なくとも16層以上積層されてなることを一特徴とする。なお、「融点」は、実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
また、本実施形態の熱収縮積層フィルムは、A層と同一組成であるA’層、B層と同一組成であるB’層、及びA層と同一組成であるA’層を、この順で、層厚比率がA’層:B’層:A’層=25:50:25となるように積層されてなり且つ上記熱収縮性積層フィルムと同一の全厚を有する比較の3層フィルム(以下、単に「比較の3層フィルム」と称することがある。)との比較において、上記熱収縮性積層フィルムにおけるA層の結晶化度が、上記比較の3層フィルムにおけるA’層の結晶化度よりも3%以上小さいことを一特徴とする。なお、「結晶化度」は、実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
上記熱収縮性積層フィルムにおけるA層の結晶化度と、上記比較の3層フィルムにおけるA’層の結晶化度との差(A’層の結晶化度−A層の結晶化度)が3%未満であると、結晶が融解したときに分子配向の緩和が十分に促されず、美麗な包装を可能にするための高い熱収縮性を発現させることができない。また、より高い熱収縮性を発現させる観点から、A層の結晶化度とA’層の結晶化度との差(A’層の結晶化度−A層の結晶化度)は、4%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。
ここで、本実施形態の熱収縮性積層フィルムのA層の結晶化度は、例えば、全厚を大きく変えることなく、繰り返し交互に積層させるA層及びB層の層数を調整することで、制御することができる。その理由は、必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、互いに異なる結晶性樹脂を含有する層が隣接してなる積層体を考えたときに、当該結晶性樹脂を溶融状態から結晶化する際には、その層界面で、不均一核生成による転移結晶化が生じることが知られている。また、層の厚みが小さいほど、含有される樹脂が結晶化する際に結晶が成長する空間が制限されるため、不完全な結晶の生成や、結晶のモルフォロジー変化の促進がより生じる。従って、全厚を大きく変えることなく、繰り返し交互に積層させるA層及びB層の層数を多くすることで、各層の体積に対する隣接層との接触面積の増大、及び、各層の体積の低減が図られて、本実施形態の熱収縮性積層フィルムにおけるA層の結晶化度を低減することができる(A層の結晶化度とA’層の結晶化度との差(A’層の結晶化度−A層の結晶化度)を大きくすることができる)と考えられる。
本実施形態の熱収縮性積層フィルムの各層の厚みは、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることがさらに好ましく、また、1000nm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましい。各層の厚みが10nm以上であれば、破断することなく容易に均一な層を形成することができる。また、各層の厚みが1000nm以下であれば、結晶が成長する空間を制限し、不完全な結晶の生成及び結晶のモルフォロジー変化の促進をより生じさせて、A層の結晶化度を有利に低減することができる。
また、延伸フィルムにおいて、高分子の結晶領域は、配向している非晶鎖を拘束し留める役割、いわゆる疑似架橋の役割を果たすことが知られており、この領域にある結晶が融解すると、拘束されていた非晶鎖の緩和現象が生じることで、熱収縮が開始する傾向がある。そのため、本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、高熱収縮性の向上や熱収縮率開始点の低温化の観点から、層界面が多い方が好ましく、具体的には、A層とB層とが、交互に少なくとも16層以上繰り返し積層されてなることを要し、また、64層以上繰り返し積層されてなることが好ましく、128層以上繰り返し積層されてなることがより好ましい。また、本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、高熱収縮性の向上や熱収縮率開始点の低温化の観点から、全厚が小さい方が好ましく、具体的には、全厚が50um未満であることが好ましく、30um未満であることがより好ましく、10um未満であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「A層とB層とが交互に積層されてなる」とは、A層とB層とが交互に1層ずつ積層されてなることを意味する。
本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、所定の樹脂を含有するA層と、所定の樹脂を含有するB層とからなり、前記層の他に、基材層、接着層、ガスバリア層、ヒートシール層等をさらに含むことができる。熱収縮性積層フィルムの層構造としては、例えば、下記の例が挙げられる。これらの層構造によれば、本発明の効果が一層顕著に奏される。
・A層/B層/A層・・・/B層(「繰り返し部1」とする)
・B層/A層/B層・・・/A層(「繰り返し部2」とする)
・A層/B層/A層/B層・・・/A層(「繰り返し部3」とする)
・B層/A層/B層/A層・・・/B層(「繰り返し部4」とする)
・基材層/(繰り返し部1〜4のいずれか)/基材層
・基材層/(繰り返し部1〜4のいずれか)/ヒートシール層
・基材層/接着層/(繰り返し部1〜4のいずれか)/接着層/基材層
・基材層/接着層/(繰り返し部1〜4のいずれか)/接着層/ヒートシール層
以下、本実施形態の熱収縮性積層フィルムを構成する各層について、具体的に詳述する。
[A層]
A層は、融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂を含有する。ここで、融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としては、高融点を有するという観点から、例えば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル類;ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリテトラメチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステル類;ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド重合体;ナイロン6/66、ナイロン6/12等の脂肪族ポリアミド共重合体;MXD6(ポリメタキシレンアジパミド)等の芳香族ポリアミド重合体;ポリメチルペンテン;ポリプロピレン;エチレンビニル共重合体ケン化物;等が挙げられ、これらのうち少なくとも1種が選択されることが好ましい。また、融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としては、融点と結晶化度とが比較的高く加工しやすいという観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸及びポリプロピレンの少なくともいずれかを用いることがより好ましい。また、転移結晶化を促進するという観点から、A層は、融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂を50質量%以上の割合で含有することが好ましく、60質量%以上の割合で含有することがより好ましく、70質量%以上の割合で含有することがさらに好ましい。
なお、A層は、その特性を損なわない範囲で、上記結晶性熱可塑性樹脂以外の成分、例えば、各種界面活性剤、アンチブロック剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、防曇剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含有していてもよい。
[B層]
B層は、融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂を含有する。また、本実施形態の熱収縮性積層フィルムにおいて、B層は、A層の両隣に位置することができる。B層が融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂を含有することにより、非晶鎖の緩和現象が生じ、積層フィルムの熱収縮性を高めることができる。また、B層が含有する上記結晶性熱可塑性樹脂の融点は、非晶鎖の緩和現象を促進させ、熱収縮性をより向上させるという観点から、130℃未満であることが好ましく、120℃未満であることがより好ましい。
B層が含有する融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂は、A層に含有される融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂と、非相溶であることが好ましい。これにより、A層に含有される樹脂を結晶化させる際に、当該樹脂を、これと非相溶である樹脂を含有するB層で拘束することができ、結晶が成長する空間を制限することで、A層の結晶化度を有利に低減することができる。
また、加工性に優れるという観点から、B層は、融点140°未満の結晶性熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましく、また、B層は、ポリオレフィン系樹脂を50質量%以上の割合で含有することが好ましく、60質量%以上の割合で含有することがより好ましく、70質量%以上の割合で含有することがさらに好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂が好ましい。ここで、ポリエチレン系樹脂とは、エチレンの重合体又はエチレンと他の1種若しくは2種以上のモノマーとの共重合体を示す。また、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンの重合体又はプロピレンと他の1種若しくは2種以上のモノマーとの共重合体を示す。そして、ポリブテン系樹脂とは、ブテンの重合体又はブテンと他の1種若しくは2種以上のモノマーとの共重合体を示す。
上記ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
上記ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(「VLDPE」、「ULDPE」と称される)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種とからなる共重合体が好ましく、エチレンと、炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種とからなる共重合体がより好ましい。上記α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を合わせて用いることができる。また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、構成する全モノマー中のα−オレフィンの割合(仕込みモノマー基準)が、6〜30質量%であることが好ましい。さらに、上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、軟質の共重合体であることが好ましく、具体的には、X線法による結晶化度が30%以下であることが好ましい。
また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、プロピレン、ブテン、ヘキセン及びオクテンから選ばれる少なくとも1種のコモノマーとの共重合体が、一般に入手が容易であり、好適に使用することができる。
上記ポリエチレン系樹脂は、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合することができ、シングルサイト系触媒を用いて重合したものであることが好ましい。また、上記ポリエチレン系樹脂は、クッション性の観点から、密度が0.860〜0.935g/cm2であることが好ましく、0.870〜0.930g/cm2であることがより好ましく、0.870〜0.925g/cm2であることがさらに好ましい。上記ポリエチレン系樹脂の密度が低いほど、クッション性は向上する傾向にあり、また、密度が0.935g/cm2より大きいと、透明性が悪化する傾向にある。高密度の樹脂を用いる場合には、低密度ポリエチレンを、例えば30質量%程度の割合で添加することで、透明性を改善することができる。
上記ポリエチレン系樹脂は、得られる熱収縮性積層フィルムの加工性の観点から、MFR(190℃、2.16kg)が0.5g〜30gであることが好ましく、0.8g〜30gであることがより好ましく、1.0g〜25gであることがさらに好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂としては、結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したポリエチレン系共重合体を使用することもできる。
また、上記ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン;プロピレン−α−オレフィン共重合体;プロピレンと、エチレンと、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンとの3元共重合体;等を、好適に使用することができる。
上記プロピレン−α−オレフィン共重合体とは、プロピレンとα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種とからなる共重合体を示す。上記プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、プロピレンと、エチレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種とからなる共重合体が好ましく、プロピレンと、エチレン及び炭素数4〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種とからなる共重合体がより好ましい。ここで、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を合わせて用いることができる。また、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体は、構成する全モノマー中のエチレン及び/又はα−オレフィンの割合(仕込みモノマー基準)が、6〜30質量%であることが好ましい。さらに、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体は、軟質の共重合体であることが好ましく、具体的には、X線法による結晶化度が30%以下であることが好ましい。
また、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、プロピレンと、エチレン、ブテン、ヘキセン及びオクテンから選ばれる少なくとも1種のコモノマーとの共重合体が、一般に入手が容易であり、好適に使用することができる。
上記ポリプロピレン系樹脂は、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合することができ、シングルサイト系触媒を用いて重合したものであることが好ましい。また、上記ポリプロピレン系樹脂は、クッション性の観点から、密度が0.860〜0.920g/cm2であることが好ましく、0.870〜0.915g/cm2であることがより好ましく、0.870〜0.910g/cm2であることがさらに好ましい。上記ポリプロピレン系樹脂の密度が低いほど、融点が低下する傾向にあり、また、密度が0.920g/cm2より大きいと、透明性が悪化する傾向にある。
上記ポリプロピレン系樹脂は、得られる熱収縮性積層フィルムの加工性の観点から、MFR(230℃、2.16kgf)が0.3g〜15.0gであることが好ましく、0.5g〜1gであることがより好ましく、0.8g〜10gであることがさらに好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したポリプロピレン系共重合体を使用することもできる。
上記プロピレン−α−オレフィン共重合体及び上記3元共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等のいずれの形態でもよい。上記プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体が好ましく、また、上記3元共重合体としては、プロピレンとエチレンとブテンとのランダム共重合体が好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、チーグラー・ナッタ触媒のような触媒で重合された樹脂だけでなく、メタロセン系触媒等で重合された樹脂であってもよく、例えば、シンジオタクチックポリプロピレンや、アイソタクティックポリプロピレン等も使用することができる。また、ポリプロピレン系樹脂を構成する全モノマー中のプロピレンの割合(仕込みモノマー基準)は、60〜80質量%であると好ましい。さらに、熱収縮性が優れるという観点から、ポリプロピレン系樹脂は、構成する全モノマー中、プロピレンの割合(仕込みモノマー基準)が60〜80質量%であり、エチレンの割合(仕込みモノマー基準)が10〜30質量%であり、ブテンの割合(仕込みモノマー基準)が5〜20質量%である3元共重合体が好ましい。
また、上記ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂の総量に対して50質量%以下の高濃度のゴム成分を均一微分散させて、B層の作製に用いることもできる。
上記ポリブテン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂との相溶性が特に優れるため、得られる熱収縮性積層フィルムの硬さや腰を調整することを目的として、上記ポリプロピレン系樹脂と併用することが好ましい。上記ポリブテン系樹脂としては、ブテンと、エチレン、プロピレン及び炭素数5〜8のオレフィン系化合物から選ばれる少なくとも1種とからなる共重合体が好ましい。また、上記ポリブテン系樹脂は、構成する全モノマー中のブテンの割合(仕込みモノマー基準)が70質量%以上であることが好ましい。
なお、B層は、その特性を損なわない範囲で、上記結晶性熱可塑性樹脂以外の成分、例えば、各種界面活性剤、アンチブロック剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、防曇剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含有していてもよい。
[熱収縮率]
本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、積層方向に直交する第一方向の140℃における熱収縮率と、積層方向に直交し、且つ、第一方向に垂直な第二方向の140℃における熱収縮率とが、いずれも30%以上であることを一特徴とする。なお、「熱収縮率」は、実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
熱収縮性積層フィルムの第一方向及び第二方向の140℃における熱収縮率の少なくともいずれかが30%未満であると、特にピローシュリンク包装やトップシール包装において、隙間なく美麗に包装することができない。また、一層美麗な包装を可能にする観点から、本実施形態の熱収縮性積層フィルムの第一方向及び第二方向の140℃における熱収縮率は、いずれも33%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましい。
なお、熱収縮性積層フィルムの熱収縮率は、例えば、A層に用いる熱可塑性樹脂の種類又は含有割合、B層に用いる熱可塑性樹脂の種類又は含有割合、積層フィルムの全厚、及び積層数の少なくともいずれかを適宜変更することにより、調整することができる。
また、熱収縮性積層フィルムの第一方向としては、任意の一方向を選択することができ、例えば、熱収縮性積層フィルムを、ロール等により延伸して、長さ方向(MD)の辺及び巾方向(MD)の辺を有する平面視矩形状に作製する場合には、長さ方向を第一方向としてもよい。
また、上述した比較の3層フィルムについて、上記と同様に、積層方向に直交する第三方向と、積層方向に直交し、且つ、第三方向に垂直な第四方向とを定義したときに、本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、上記第一方向の140℃における熱収縮率及び上記第二方向の140℃における熱収縮率が、いずれも、比較の3層フィルムの上記第三方向の140℃における熱収縮率及び上記第四方向の140℃における熱収縮率よりも、3%以上大きいことが好ましく、5%以上大きいことがより好ましく、7%以上大きいことがさらに好ましい。3%以上大きいことにより、より一層美麗に包装することができる。
なお、これを達成するための方法としては、例えば、A層の結晶化度とA’層の結晶化度との差(A’層の結晶化度−A層の結晶化度)を大きくする方法が挙げられる。
また、比較の3層フィルムの第三方向としては、任意の一方向を選択することができ、例えば、熱収縮性積層フィルムの第一方向と同様に、長さ方向(MD)を第三方向としてもよい。
そして、本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、熱収縮性に優れ、ピローシュリンク包装やトップシール包装、特には食品や雑貨などのピローシュリンク包装において、隙間なく美麗に包装するのに用いることができる。
[熱収縮性積層フィルムの製造]
本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、例えば、A層とB層とを交互に少なくとも16層繰り返す積層体(以下、場合により「未延伸原反」という。)を、共押出法により作製したあと、加熱延伸することにより、製造することができる。
以下に、共押出法について説明する。
共押出法では、それぞれ単独の押出機より樹脂を溶融押出して、多層ダイ中で積層し、溶融共押出して急冷することにより、未延伸原反を得ることができる。ここで、溶融共押出の方法としては、特に制限されず、例えば、多層のTダイや多層のサーキュラーダイ(環状ダイ)を用いる方法等が挙げられる。中でも、多層のサーキュラーダイを用いた方法が、均一な層を形成し易いという点で好ましい上、設備に関しての必要スペースや投資金額の点で有利であり、多品種少量生産に向き、所望の熱収縮率がより得られやすい。
急冷に使用する冷媒としては、通常60℃以下の水が好適に用いられる。当該冷媒は、溶融樹脂に直接接触させるか、又は金属ロールの内部冷媒として間接的に使用することができる。内部冷媒としては、水以外にもオイル等の公知のものが使用可能であり、また、冷媒を、冷風の吹き付けと併用することも可能である。
加熱延伸では、得られた未延伸原反を、例えば、未延伸原反を構成する樹脂の軟化温度以上に加熱して、例えば長さ方向(MD)及び巾方向(TD)に、1.5倍以上延伸する。また、延伸温度は分子配向が促される温度であれば制限はないが、50℃以上160℃以下であることが好ましく、60℃以上140℃以下であることがより好ましく、70℃以上120℃以下であることがさらに好ましい。このような加熱延伸を経て、本実施形態の熱収縮性積層フィルムを得ることができる。なお、延伸倍率は、目的に応じて適宜選択することができ、また、必要に応じて、延伸後に熱処理(熱弛緩処理)を行うこともできる。熱弛緩処理によれば、熱収縮性積層フィルムの分子配向が緩和し、それにより、輸送、及び/又は保管時の寸法変化が一層抑制される。
加熱延伸は、溶融押出直後のチューブに空気や窒素を吹き込んで延伸を行う、いわゆるダイレクトインフレーション法によっても行うことができる。但し、適度な熱収縮率をより確実に発現させるためには、二軸に延伸する方法が好ましく、上述のサーキュラーダイで得られた未延伸原反を加熱二軸延伸するチューブラー法(ダブルバブル法ともいう)がより好ましい。すなわち、本実施形態の熱収縮性積層フィルムは、二軸に延伸するチューブラー法により製造される積層フィルム、すなわち二軸延伸積層フィルムであることが好ましい。
なお、加熱延伸前又は加熱延伸後には、使用する樹脂に対して架橋処理を行ってもよい。架橋処理は、樹脂を加熱延伸する前に、エネルギー線照射によって行うことが好ましい。これにより、加熱延伸における積層体の溶融張力が増し、延伸の安定化をより高めることができる。なお、加熱延伸した後の積層体にエネルギー線を照射して、樹脂を架橋処理してもよい。エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、γ線等の電離性放射線が挙げられ、中でも、電子線が好ましい。
また、表面に基材層を備える熱収縮性積層フィルムを製造する場合には、加熱延伸後の基材層を含む積層体の表面に対して、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の表面処理を行うこともでき、これにより、熱収縮性積層フィルムに印刷適性を付与することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
樹脂の融点、及び実施例、比較例の積層フィルムのA層の結晶化度、熱収縮率、及び製造した積層フィルムを用いた包装体の仕上がり性を、以下の方法により測定・評価した。
[融点]
JIS−K−7121に準拠した。樹脂を5mg計量し、計量した樹脂について、熱履歴をキャンセルするために、昇温速度10℃/minの条件で0℃〜300℃まで昇温し、300℃で1min保持した。次いで、降温速度10℃/minの条件で300℃から0℃まで降温を行い、その際の発熱反応のピークを、結晶化温度として測定した。さらに0℃で1min保持した後に、再び昇温速度10℃/minの条件で0℃から300℃まで昇温を行い、その際の吸熱反応のピークを、融点として測定・評価した。なお、本明細書中では、融解ピークが複数存在する場合は、最も高温側の融解ピーク温度を、融点とみなす。
[結晶化度]
実施例の積層フィルムについては、層厚み方向の中心部から50%比率部分を切り出した後、A層とB層とに分離した。具体的には、例えば実施例1では、全厚40μmの中心部(最表面から厚み方向に20μmの箇所)から厚み両方向に対して10μmずつの範囲(最表面から厚み方向に10〜30μmの範囲)でサンプルを切り出し、更にA層とB層とに分離した。そして、分離したA層からサンプルを切り出し、JIS−K−7122に準拠して融解熱量を測定した。
一方、A層/B層/A層の3層である比較例の積層フィルムについては、A層、B層及びA層に分離し、分離したA層からサンプルを切り出し、上記と同様にして融解熱量を測定した。
そして、A層に含有させた結晶性熱可塑性樹脂についての100%結晶時の融解熱量を用い、以下の式により結晶化度を求めた。
結晶化度(%)=(測定した融解熱量)/(100%結晶時の融解熱量)×100
[熱収縮率]
ASTM−D2732に準拠して、140℃の温度にて積層フィルムを1分間収縮させたあと、積層フィルムの長さ方向(MD)及び巾方向(TD)の熱収縮率をそれぞれ測定した。
[包装体の仕上がり性]
製造した積層フィルムを所定の幅にスリットし、大森機械工業(株)製DW2002GPを用いて、内部に200gの粘土を入れたポリエチレンテレフタレート製トレー容器を用い、包装速度40パック/分で包装を行った。なお、包装は、積層フィルムの巾方向(TD)をトレー容器の短軸方向に合わせて行った。その後、熱風トンネルとしてK&Uシステム(株)製FB−800を用い、熱風温度を140℃に設定し、熱風を吹き付けた。そして、得られた包装体の仕上がり性について、目視にてトレー容器の外観評価を行って下記の基準により評価した。
A:積層フィルムがトレー容器に沿って隙間なく熱収縮し、非常に美麗な仕上がりである。
B:トレー容器と積層フィルムとの間に若干の隙間が認められるが、美麗な仕上がりである。
D:積層フィルムの熱収縮が不足しており、トレー容器と積層フィルムとの間に隙間が認められ、仕上がり不良である。
実施例及び比較例において使用した樹脂は、以下のとおりである。
PET:ポリエチレンテレフタレート(帝人(株)、TRN−8580FC、融点250℃)
PLA:ポリ乳酸(東レ(株)、V751X52、融点175℃)
PP:ポリプロピレン(サンアロマー(株)、PL500A、融点162℃)
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(旭化成(株)、EF0630,融点115℃)
HDPE:高密度ポリエチレン(旭化成(株)、F371、融点131℃)
LLDPE:線状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)、ユメリット1540F、融点114℃)、
LDPE:低密度ポリエチレン(旭化成(株)、F1920、融点119℃)
[実施例1]
A層に含有させる融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としてPETを、B層に含有させる融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂としてEVAを用い、層配置がA層/B層/A層・・・交互に繰り返し・・・/B層となるように、128層積層され、且つ、A層とB層との層厚比率(%)が50:50となるように、環状ダイを用いて共押出した後、冷水にて急冷固化して、各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。
この未延伸原反を延伸機内で加熱しながら、2対の差動ニップロール間に通し、エアー注入して、MDに4倍、TDに4倍、延伸(面積延伸倍率で16倍)及び熱処理を行い、各層が積層されてなる積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの詳細、及び評価結果を表1に示す。
[実施例2〜8]
層数、全厚、A層に用いた樹脂、及びB層に用いた樹脂の少なくともいずれかを、表1,2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの詳細、及び評価結果を表1,2に示す。
[比較例1]
A層に含有させる融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂としてPETを、B層に含有させる融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂としてEVAを用い、層配置がA層/B層/A層となるように3層積層され、且つ、層厚比率(%)がA層:B層:A層=25:50:25となるように、環状ダイを用いて共押出した後、冷水にて急冷固化して、各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。
この未延伸原反を延伸機内で加熱しながら、2対の差動ニップロール間に通し、エアー注入して、MDに4倍、TDに4倍、延伸(面積延伸倍率で16倍)及び熱処理を行い、各層が積層されてなる積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの詳細、及び評価結果を表1に示す。なお、比較例1の積層フィルムは、実施例1の積層フィルムに対する「比較の3層フィルム」に相当する。
[比較例2〜7]
全厚、A層に用いた樹脂、及びB層に用いた樹脂の少なくともいずれかを、表1,2に示すように変更したこと以外は比較例1と同様にして、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの詳細、及び評価結果を表1,2に示す。なお、比較例2の積層フィルムは、実施例2の積層フィルムに対する「比較の3層フィルム」に相当し、比較例3の積層フィルムは、実施例3〜5の積層フィルムに対する「比較の3層フィルム」に相当し、比較例4の積層フィルムは、実施例6の積層フィルムに対する「比較の3層フィルム」に相当し、比較例5の積層フィルムは、実施例7の積層フィルムに対する「比較の3層フィルム」に相当し、比較例6の積層フィルムは、実施例8の積層フィルムに対する「比較の3層フィルム」に相当する。
Figure 2018176671
Figure 2018176671
上記の結果から、実施例1〜8の積層フィルムは、包装体の仕上がり性の評価結果が良好であり、美麗に包装することが可能であることがわかる。一方で、上記の結果から、各実施例の積層フィルムに対する「比較の3層フィルム」に相当する比較例1〜6の積層フィルムは、熱収縮性が不十分であり、包装仕上がりが不良であることが分かる。また、比較例7で得られた積層フィルムは、A層に用いた樹脂、及びB層に用いた樹脂のいずれも低融点樹脂であるため、包装時にトレー容器と融着して破れが発生し、比較例1と同様に包装仕上がりが不良であることが分かる。
本発明によれば、高融点樹脂を含有していても美麗に包装することが可能な、熱収縮性積層フィルムを提供することができる。

Claims (6)

  1. 融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂を含有するA層と、融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂を含有するB層とが、交互に少なくとも16層以上積層されてなる熱収縮性積層フィルムであって、前記熱収縮性積層フィルムは、
    前記熱収縮性積層フィルムの積層方向に直交する第一方向の140℃における熱収縮率と、前記積層方向に直交し、且つ、前記第一方向に垂直な第二方向の140℃における熱収縮率とが、いずれも30%以上であり、
    前記A層と同一組成であるA’層、前記B層と同一組成であるB’層、及び前記A層と同一組成であるA’層を、この順で、層厚比率がA’層:B’層:A’層=25:50:25となるように積層されてなり且つ前記熱収縮性積層フィルムと同一の全厚を有する比較の3層フィルムとの比較において、前記熱収縮性積層フィルムにおける前記A層の結晶化度が、前記比較の3層フィルムにおける前記A’層の結晶化度よりも3%以上小さい、ことを特徴とする、熱収縮性積層フィルム。
  2. 前記比較の3層フィルムとの比較において、前記熱収縮性積層フィルムの前記第一方向の140℃における熱収縮率及び前記第二方向の140℃における熱収縮率が、いずれも、前記比較の3層フィルムの積層方向に直交する第三方向の140℃における熱収縮率、及び、前記積層方向に直交し、且つ、前記第三方向に垂直な第四方向の140℃における熱収縮率よりも3%以上大きい、請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
  3. 前記A層が、融点140℃以上の結晶性熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸及びポリプロピレンの少なくともいずれかを含有する、請求項1又は2に記載の熱収縮性積層フィルム。
  4. 前記B層が、融点140℃未満の結晶性熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
  5. 各層の厚みが1000nm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
  6. 全厚が10μm未満である、請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
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