JP2018176182A - キャップの製造方法およびキャップ - Google Patents

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栄治 山本
宗孝 井田
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Abstract

【課題】キャップ製造工程の簡略化を図るとともにキャップ製造設備の汚れを抑えることができ、さらに成形後のキャップ本体にスタンプ印刷やインクジェット印刷を施そうとしたときでも、インク乗りが悪くなるのを防いで鮮明な印刷を行う。【解決手段】表裏面にインナーワックスとして3.0〜7.0PHRのワックスを含有する塗料が塗装された金属製の板材Aに潤滑剤を塗布せずに絞り加工を施すことにより、有底筒状のキャップ本体(キャップシェル21)を成形する。【選択図】図5

Description

本発明は、ボトル缶等の開口部の封止に用いられるキャップの製造方法およびキャップに関するものである。
このようなボトル缶用のキャップの製造方法として、例えば特許文献1には、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる板材を、天板部と円筒部とを有する有底筒状(カップ状)のキャップ本体に成形するのに際し、板材においてキャップ本体の内面となる面にはサイズニスとトップコートを塗装するとともに外面となる面にはサイズコートとトップコート(ツヤニス)を塗装した上で焼き付け乾燥し、さらに潤滑剤を塗布した上で有底筒状に成形することが記載されている。
ここで、このようなキャップ本体を成形するには、上述のような潤滑剤を塗布したアルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる圧延板材を円板状に打ち抜き、円形のダイ孔を有するダイの端面にこの円板状板材(ブランク材)の外周部を保持して、このダイの端面側から上記ダイ孔に円柱状のパンチを挿入することにより上記円板状板材を絞り加工して有底円筒状のキャップシェルに成形する。
次いで、このように成形されたキャップシェルの円筒部にフック部とナール凹部、ブリッジやスリット等が形成されるとともに、天板部の裏面にはライナーが配設される。さらに、こうしてライナーが配設されたキャップ本体は、飲料等が充填されたボトル缶の口金部に被せられ、絞り加工されてライナーが口金部上端に圧着されつつ、円筒部に口金部の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が成形されるとともに、円筒部の下端部は口金部の膨出部下端部に裾巻きされて口金部に取り付けられ、キャップとしてボトル缶を封止する。
特開2015−003325号公報
ところで、このようなキャップ本体を円板状のブランク材から有底筒状のキャップシェルに絞り加工する際に塗布される上記潤滑剤は、例えば流動パラフィンのようなワックスであり、従来はこのような潤滑剤を塗布した上で絞り加工を施さなければ、アルミニウムやアルミニウム合金のような板材をダイとパンチによるプレスによって有底筒状に絞り加工することができなかった。
しかしながら、このように潤滑剤を塗布することは、キャップの製造工程において潤滑剤の塗布工程自体が必要となるために製造工程の煩雑化を招くのは勿論、潤滑剤によってキャップの製造設備に汚れが生じるおそれもある。また、成形後のキャップ本体の外面に潤滑剤が残っていると、外面に例えばスタンプ印刷やインクジェット印刷を施そうとしたときに潤滑剤がインクを弾いてインク乗りが悪くなり、印刷が不鮮明となって印刷不良となるおそれもある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、キャップ製造工程の簡略化を図るとともにキャップ製造設備の汚れを抑えることができ、さらに成形後のキャップ本体にスタンプ印刷やインクジェット印刷を施そうとしたときでも、インク乗りが悪くなるのを防いで鮮明な印刷を行うことが可能なキャップの製造方法およびキャップを提供することを目的としている。
ここで、本発明の発明者等は、上述のようにブランク材を絞り加工して有底筒状のキャップシェルに成形する際のダイにおいて、ブランク材の外周部を保持するダイのパンチ挿入方向に対向する端面とダイ孔の内周面との交差稜線部に形成される断面円弧状の面取部について、その円弧の半径を従来よりも大きくしたり、あるいはダイのパンチ挿入方向に対向する端面側の断面の半径をダイ孔の内周面側の断面の半径よりも大きくしたりすることにより、キャップシェルに成形される板材に流動パラフィン等の潤滑剤を塗布しなくても、板材の材料流れ性を向上させて有底筒状に成形可能であるとの知見を得るに至った。
そこで、本発明のキャップの製造方法は、このような知見に基づき、上記課題を解決して上述のような目的を達成するために、表裏面にインナーワックスとして3.0〜7.0PHRのワックスを含有する塗料が塗装された金属製の板材に潤滑剤を塗布せずに絞り加工を施すことにより、有底筒状のキャップ本体を成形することを特徴とする。ここで、PHRとは、per hundred resinの略であり、樹脂の重量を100として添加する物質の重量を示したものである。
また、本発明のキャップは、同じく上記知見に基づき、有底筒状の金属製のキャップ本体の内外面に、インナーワックスとして3.0〜7.0PHRのワックスを含有する塗料が塗装されていることを特徴とする。
ここで、本発明のキャップの製造方法およびキャップにおいて、上記インナーワックスとして含有されるワックスは、例えば0.1〜2.5PHRのポリエチレン、0.5〜1.0PHRのラノリン、0.5〜1.0PHRのカルナバ、0.5〜1.0PHRのマイクロクリスタリン、0.1〜1.0PHRのフッ素、0.05〜0.5PHRのシリコンのうちの複数種であり、これらのインナーワックスはキャップ本体の内外面となる板材の表裏面に塗装されて焼き付け乾燥されるサイズニスやトップコートのツヤニスに由来するものである。
従って、板材には潤滑剤としての流動パラフィンのようなワックスが塗布されることはなく、このような潤滑剤の塗布工程をキャップの製造工程から省くことが可能となるとともに、上述のインナーワックスは板材に焼き付けられて乾燥されるので、キャップの製造設備を汚すこともない。また、成形されたキャップ本体に潤滑剤が残ることもないので、成形後にスタンプ印刷やインクジェット印刷を施す場合でもインクの乗りを良好として鮮明な印刷を行うことができる。
なお、本発明のキャップの製造方法においては、上記絞り加工における絞り比を1.66〜1.97の範囲とすることが望ましい。通常は1回の絞り加工によって板材を有底筒状に成形するキャップの製造方法においては、絞り比が1.66を下回ると所定の寸法、形状のキャップ本体を成形することができなくなるおそれが生じる一方、絞り比が1.97を上回ると上述のような知見に基づくダイによっても潤滑剤を塗布しなければ板材を有底筒状に絞り加工することができなくなるおそれがある。
以上説明したように、本発明によれば、板材に潤滑剤を塗布する工程を省略してキャップの製造工程の簡略化を図ることができるとともに、キャップの製造設備が潤滑剤によって汚されるのを防ぐこともでき、さらにキャップ本体の成形後にスタンプ印刷やインクジェット印刷を施す場合でもインク乗りを良好にして印刷不良が発生するのを防止することが可能となる。
本発明のキャップの一実施形態を示すキャップ本体の一部破断側面図である。 図1に示すキャップ本体に成形されるキャップシェルを成形するキャップシェル成形装置において、成形される板材が保持される前の状態を示す側断面図である。 図2に示すキャップシェル成形装置において、成形される板材が円板状に切断されて保持された状態を示す側断面図である。 図2に示すキャップシェル成形装置において、円板状の板材に絞り加工を行い、トリムカッターによって開放端部が切断された状態を示す側断面図である。 図4におけるトリムカッターの先端部周辺の拡大図である。 図2ないし図5に示すキャップシェル成形装置に用いられるダイの(a)一例を示す側断面図、(b)他の例を示す図(a)におけるX部分に相当する部分の拡大側断面図である。 図2ないし図6に示すキャップシェル成形装置によって成形されたキャップシェルの側断面図である。
図1は、本発明のキャップの一実施形態を示すボトル缶用キャップのキャップ本体1の一部破断側断面図であり、図2ないし図5は、このキャップ本体1に成形される有底円筒状のキャップシェル21を成形するキャップシェル成形装置10の側断面図であり、図6はこのキャップシェル成形装置10に用いられるキャップシェル成形用のダイ11の側断面図であり、図7はこのキャップシェル成形装置10によって成形されるキャップシェル21の側断面図である。
本実施形態のキャップにおけるキャップ本体1は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属材料によって形成されてキャップ中心線Cを中心とした有底円筒状をなしている。すなわち、このキャップ本体1においては、円板状の天板部2と、この天板部2の外周から上記キャップ中心線Cを中心として円筒状に延びる周壁部(円筒部)3とが一体成形されている。また、天板部2の裏面(下面)2aには、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンを主とする樹脂製の円板状のライナー4が配置される。
キャップ本体1の周壁部3には、天板部2寄りの上端部側に、複数のナール凹部5aが周方向に等間隔をあけて形成されたナール5と、このナール5の下端に連なり、ナール5の外径よりも外径が小径とされたグルーブ6とが形成されるとともに、天板部2とは反対の周壁部3の下端部側には、上端部側にビード7Aおよび破断容易部7Bと、この破断容易部7Bの下端に連なり、下端部側に延びる円筒状のフレア(開放端部)8が形成されている。
ナール凹部5aは、周方向にスリット状に開口形成されて開栓時に内圧を開放するベントホールであるスリット5bと、このスリット5bの上部開口端部および下部開口端部を周壁部3の内側に向けて曲げて形成した突起部とを備えている。ナール5は、開栓時にボトル缶用キャップとこれを把持する指との摩擦抵抗を増大させて手を滑らせることなく容易に開栓可能とするものである。
また、破断容易部7Bのキャップ中心線C方向の略中央部にも、側面視に周方向に延びて中心線Oに対する径方向内側に凹むスリット部7aが周方向に等間隔をあけて複数形成されるとともに、これらのスリット部7aの間の部分はブリッジ部7bとされている。このスリット部7aには、該スリット部7aの上端部側の長辺に、周壁部3を貫通するスリット7cが形成されている。
さらに、周壁部3の上端部側のグルーブ6と下端部側のビード7Aとの間の部分は、本実施形態のようなボトル缶用のキャップにおいて、ボトル缶の口金部にキャッピングされる際に、この口金部の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成される雌ネジ形成予定部9とされている。この雌ネジ形成予定部9はグルーブ6の外径よりも大きく、ビード7Aよりは小さな外径の略一定外径とされている。
さらにまた、このキャップ本体1の内面すなわち天板部2の上記裏面2aと周壁部3の内周面、およびキャップ本体1の外面すなわち天板部2の天面(上面)2bと周壁部3の外周面には塗料が塗装されて焼き付け乾燥されている。この塗料は、キャップ本体1の内面においてはサイズニスとトップコートが塗装されたものであり、外面においてはサイズコートとトップコート(ツヤニス)が塗装されたものである。なお、キャップ本体1の外面においては、必要に応じてサイズコートとトップコートの間に印刷によるインキが配される。
そして、このキャップ本体1の内外面に塗装される塗料は、インナーワックスとして3.0〜7.0PHRのワックスを含有するものとされている。このインナーワックスとして含有されるワックスは、0.1〜2.5PHRのポリエチレン、0.5〜1.0PHRのラノリン、0.5〜1.0PHRのカルナバ、0.5〜1.0PHRのマイクロクリスタリン、0.1〜1.0PHRのフッ素、0.05〜0.5PHRのシリコンのうちの複数種であって、キャップ本体1の内面においては上記サイズニスに由来するものであり、外面においてはトップコートのツヤニスに由来するものである。
このようなキャップ本体1は、図2ないし図6に示すようなキャップシェル成形装置10の下型10aに取り付けられたキャップシェル成形用のダイ11のダイ本体12と上型10bに設けられたパンチ13との間でアルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属材料よりなる圧延板材Aに絞り加工を行って、図7に示すような有底円筒状のキャップシェル21を成形し、このキャップシェル21にナール5やグルーブ6、ビード7Aおよび破断容易部7Bを形成することにより製造される。ダイ11のダイ本体12は、ダイス鋼のような硬質な鋼材等の金属材料により形成されてダイ中心線Oを中心とする円環状をなしており、パンチ13はこのダイ本体12内周部の円形孔であるダイ孔12aに挿入されて絞り加工を行う。
このキャップシェル成形装置10においては、上述のような金属材料よりなる元板厚が例えば0.235mmの上記圧延板材Aから円板状のブランク材Bを打ち抜くとともに、このブランク材Bに上述のように絞り加工を行って有底円筒状のキャップシェル21を成形する。キャップシェル成形装置10の下型10aは、中央部にダイ11の上記ダイ本体12を備えるとともに、このダイ11の外周にはダイ本体12を取り囲むようにして上型10bとの間で圧延板材Aからブランク材Bを円板状に打ち抜く円環状のカットエッジダイ14が配設されている。カットエッジダイ14の上型10b側を向く端面14aの内周部には、ダイ中心線Oを中心とする円筒面状の内周面14bと、この内周面14bに垂直でキャップシェル成形用のダイ11のパンチ13側を向く端面12cから僅かに突出する端面14cとの交差稜線部に、円環状のカットエッジ14dが形成されている。
また、上型10bは、下型10aに対してダイ中心線O方向に相対的に離接可能に設けられている。この上型10bは、内周部のパンチ挿入方向F側(図2ないし図6における下側)に上記パンチ13と、このパンチ挿入方向Fとは反対側に円筒状のトリムカッター15を備えるとともに、これらパンチ13とトリムカッター15の外周には、下型10aのカットエッジダイ14との間で上記圧延板材Aからブランク材Bを打ち抜くとともに、打ち抜かれたブランク材Bの外周部を、ダイ11のダイ本体12においてパンチ13側を向いてパンチ挿入方向Fに対向する端面12cとの間で挟み込んで保持する円筒状の上部ダイ16を備え、さらにこの上部ダイ16の外周には、ブランク材Bが打ち抜かれる際にブランク材Bとなる部分の外周の圧延板材Aを押さえるやはり円筒状の板押さえ17を備えている。
パンチ13はトリムカッター15と一体にダイ中心線O方向に進退可能とされ、そのパンチ挿入方向Fを向く先端面13aはダイ中心線Oに垂直な平面とされるとともに、外周面13bはダイ中心線Oを中心とした円筒面とされ、これら先端面13aと外周面13bとの交差稜線部にはダイ中心線Oに沿った断面が凸円弧状をなす面取りが施されている。また、外周面13bの外径は、ダイ11のダイ本体12におけるダイ孔12aの内周面12bとの間でブランク材Bの絞り加工が可能な適正なクリアランスが設けられるように設定されている。
さらに、トリムカッター15は、やはりそのパンチ挿入方向Fを向く先端面15aがダイ中心線Oに垂直な平面とされるとともに、外周面15bはダイ中心線Oを中心とした円筒面であり、ただしこれら先端面15aと外周面15bとの交差稜線部は垂直に交差してトリムカットエッジ15cとされている。また、このトリムカッター15の外周面15bとダイ本体12におけるダイ孔12aの内周面12bとの間のクリアランスは、パンチ13の外周面13bとダイ孔12aの内周面12bとのクリアランスよりも小さく設定されており、成形されたキャップシェル21の開放端部を上記トリムカットエッジ15cとダイ孔12aの内周面12bとの間で切断可能とされている。
さらにまた、上部ダイ16も、パンチ挿入方向Fを向く先端面16aがダイ中心線Oに垂直な平面とされるとともに、外周面16bはカットエッジダイ14の内周面14bに嵌合可能な外径のダイ中心線Oを中心とした円筒面とされ、これら先端面16aと外周面16bとの交差稜線部は垂直に交差していて、この交差稜線部とカットエッジダイ14の上記カットエッジ14dとの間で圧延板材Aを切断して円板状のブランク材Bに打ち抜くとともに、こうして打ち抜かれたブランク材Bを先端面16aとダイ11のダイ本体12における上記端面12cとの間で挟み込んで保持する。
さらに、板押さえ17も、パンチ挿入方向Fを向く先端面17aがダイ中心線Oに垂直な平面とされ、この先端面17aの外径は、カットエッジダイ14の突出した上記端面14cの外径よりも大きく、これら板押さえ17の先端面17aとカットエッジダイ14の上記端面14cとの間で、ブランク材Bが打ち抜かれる前の圧延板材Aを挟み込んで保持する。なお、これらパンチ13およびトリムカッター15と、上部ダイ16と、板押さえ17とは、互いに独立してパンチ挿入方向Fに進退可能とされている。
そして、このようなキャップシェル成形装置10において、上記ダイ11には、図6(a)に示すようにダイ本体12のパンチ13側を向いてパンチ挿入方向Fに対向する端面12cすなわちパンチ挿入方向Fとは反対側を向く端面12cと、ダイ孔12aの内周面12bとの交差稜線部に、ダイ中心線Oに沿った断面が円弧状をなす面取部12dが形成されており、この面取部12dの円弧の半径Rは、例えば円板状のブランク材Bに打ち抜かれる圧延板材Aの元板厚0.235mmに対して0.7mm〜0.13mm、望ましくは1.0mm〜1.3mmと、従来よりも大きくされている。
または、図6(b)に示すように上記面取部12dの断面がなす円弧が、ダイ本体12の上記端面12c側の半径R1が内周面12b側の半径R2よりも大きくされた複合円弧とされている。例えば、この複合円弧の内周面12b側の半径R2は0.7mm〜1.0mmとされるとともに、端面12c側の半径R1が1.4mm〜2.0mmとされる。なお、この場合には、上記断面において、面取部12dがなす複合円弧とダイ孔12aの内周面12bとの接点と、該複合円弧とダイ本体12の上記端面12cとの接点とのダイ中心線O方向の間隔、すなわちダイ中心線O方向における上記面取部12dの長さLは、0.8mm〜1.4mmの範囲とされるのが望ましい。
このようなキャップシェル成形装置10によって圧延板材Aから本実施形態のキャップの上記キャップ本体1に製造されるキャップシェル21を成形するには、まず図2に示すように上型10bにおいて、板押さえ17の先端面17aから上部ダイ16の先端面16aをパンチ挿入方向Fとは反対側に後退させるとともに、この上部ダイ16の先端面16aからパンチ13の先端面13aをパンチ挿入方向Fとは反対側に後退させた状態で、板押さえ17と下型10aのカットエッジダイ14との間に圧延板材Aを配設する。
このとき、本発明のキャップの製造方法の一実施形態においては、キャップ本体1およびキャップシェル21の内面となる圧延板材Aの上面(表面)には上述のようなインナーワックスを含有するサイズニスとトップコートが塗装されるとともに、外面となる下面(裏面)にはサイズコートとトップコート(ツヤニス)が塗装されて焼き付け乾燥されているが、これら圧延板材Aの表裏面に流動パラフィン等のワックスよりなる潤滑剤は塗布されない。
次いで、図3に示すように上部ダイ16および板押さえ17を前進させて、板押さえ17の先端面17aとカットエッジダイ14の端面14cとの間で圧延板材Aを保持しながら、上部ダイ16の先端面16aをカットエッジダイ14のカットエッジ14dよりもパンチ挿入方向Fに突出させ、カットエッジ14dとの間で圧延板材Aを切断して円板状のブランク材Bに打ち抜くとともに、打ち抜かれたブランク材Bの外周部を先端面16aとダイ11のダイ本体12における端面12cとの間で挟み込んで保持する。そして、この状態からパンチ13およびトリムカッター15を前進させてパンチ13をキャップシェル成形用のダイ11のダイ本体12におけるダイ孔12aに挿入し、図4に示すようにブランク材Bをパンチ13とダイ孔12aとの間で絞り加工して有底円筒状に成形する。
さらに、パンチ13およびトリムカッター15を前進させると、トリムカッター15のトリムカットエッジ15cがダイ孔12aに挿入されて、図5に示すようにキャップシェル21の開放端部が切断され、図6に示すようなダイ中心線Oと同軸のキャップ中心線Cを中心とした円板状の天板部21aとその外周に円筒状の周壁部21bとが一体に成形された所定の高さを有する有底円筒状のキャップシェル21が得られる。従って、上述のように、このキャップシェル21にナール5やグルーブ6、ビード7Aおよび破断容易部7B等を形成することにより、上記実施形態のキャップにおけるキャップ本体1が製造される。
このように、上記構成のキャップシェル成形装置10を用いたキャップの製造方法においては、キャップシェル成形用のダイ11において面取部12dの断面がなす円弧の半径Rを大きくしたり、この円弧をダイ本体12のパンチ挿入方向Fに対向する端面12c側の半径R1が内周面12b側の半径R2よりも大きくされた複合円弧としたりすることにより、圧延板材Aから打ち抜かれたブランク材Bの絞り加工時の材料流れ性が向上する。このため、圧延板材Aに流動パラフィン等のワックスよりなる潤滑剤を塗布しなくても、ブランク材Bからキャップ中心線C方向に所定の高さを有するキャップシェル21を確実に成形してキャップ本体1を製造することができる。
従って、圧延板材Aの表裏面に潤滑剤を塗布する工程が不要となってキャップ製造工程の簡略化を図ることができるのは勿論、このような潤滑剤によってキャップの製造設備が汚されるのも防ぐことができる。また、インナーワックスとして含有されるワックスは上述のように圧延板材Aの表裏面に塗装されて焼き付け乾燥された塗料のサイズニスやトップコートのツヤニスに由来するものであるので、このインナーワックスによってキャップの製造設備が汚されることはない。
さらに、上記圧延板材Aから成形されたキャップシェル21や、このキャップシェル21から製造されたキャップ本体1にスタンプ印刷やインクジェット印刷を施すような場合でも、これらキャップシェル21やキャップ本体1に潤滑剤が残ることもないので、潤滑剤によってスタンプ印刷やインクジェット印刷のインクが弾かれるようなこともない。このため、キャップシェル21やキャップ本体1へのインク乗りを良好として、鮮明な印刷を行うことが可能となる。
なお、このようなキャップの製造方法においては、上記キャップシェル成形装置10におけるブランク材Bからキャップシェル21への絞り加工における絞り比を1.66〜1.97の範囲とすることが望ましい。通常は1回の絞り加工によってブランク材Bを有底筒状のキャップシェル21に成形するキャップの製造方法においては、絞り比が1.66を下回ると所定の寸法、形状のキャップシェル21およびキャップ本体1を成形することができなくなるおそれがある。その一方で、絞り比が1.97を上回ると上述のようなダイ11によっても潤滑剤を塗布しなければブランク材Bを有底筒状のキャップシェル21に絞り加工することができなくなるおそれがある。
また、上記実施形態では、口金部に形成された雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成される雌ネジ形成予定部9を備えたキャップ本体1を有するネジ付きボトル缶用のキャップの製造方法およびキャップに本発明を適用する場合について説明したが、このような雌ネジ部が形成されないネジ無しのボトル缶用のキャップの製造方法およびキャップに本発明を適用することも可能である。
1 キャップ本体
2 キャップ本体1の天板部
3 キャップ本体1の周壁部
4 ライナー
5 ナール
6 グルーブ
7A ビード
7B 破断容易部
8 フレア
9 雌ネジ形成予定部
10 キャップシェル成形装置
10a 下型
10b 上型
11 ダイ
12 ダイ本体
12a ダイ孔
12b ダイ孔12aの内周面
12c ダイ本体12のパンチ挿入方向Fに対向する端面
12d 面取部
13 パンチ
14 カットエッジダイ
15 トリムカッター
16 上部ダイ
17 板押さえ
21 キャップシェル
21a キャップシェル21の天板部
21b キャップシェル21の周壁部
C キャップ中心線
O ダイ中心線(ダイ孔12aの中心線)
F パンチ挿入方向
A 圧延板材
B ブランク材

Claims (5)

  1. 表裏面にインナーワックスとして3.0〜7.0PHRのワックスを含有する塗料が塗装された金属製の板材に潤滑剤を塗布せずに絞り加工を施すことにより、有底筒状のキャップ本体を成形することを特徴とするキャップの製造方法。
  2. 上記インナーワックスとして含有されるワックスは、0.1〜2.5PHRのポリエチレン、0.5〜1.0PHRのラノリン、0.5〜1.0PHRのカルナバ、0.5〜1.0PHRのマイクロクリスタリン、0.1〜1.0PHRのフッ素、0.05〜0.5PHRのシリコンのうちの複数種であることを特徴とする請求項1に記載のキャップの製造方法。
  3. 上記絞り加工における絞り比が1.66〜1.97の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキャップの製造方法。
  4. 有底筒状の金属製のキャップ本体の内外面に、インナーワックスとして3.0〜7.0PHRのワックスを含有する塗料が塗装されていることを特徴とするキャップ。
  5. 上記インナーワックスとして含有されるワックスは、0.1〜2.5PHRのポリエチレン、0.5〜1.0PHRのラノリン、0.5〜1.0PHRのカルナバ、0.5〜1.0PHRのマイクロクリスタリン、0.1〜1.0PHRのフッ素、0.05〜0.5PHRのシリコンのうちの複数種であることを特徴とする請求項4に記載のキャップ。
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