JP2018175286A - 調製システム及び調製方法 - Google Patents

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Masayuki Nomura
正行 野村
宏彰 村上
Hiroaki Murakami
宏彰 村上
輝浩 栗原
Teruhiro Kurihara
輝浩 栗原
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Abstract

【課題】自動化を促進可能な輸液の調製システム及び調製方法を提供する。【解決手段】ロボットシステム1は、調製室と、調製室に収容されたロボット100と、ロボット100の動作を制御するコントローラ300と、を有し、コントローラ300は、輸液を用いた調製を行うように、ロボット100の動作を制御する第1動作制御部と、輸液を収容した輸液バッグ5から所定量の輸液を抜き取り調製室2内で廃棄するように、ロボット100の動作を制御する第2動作制御部と、を有する。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、調製システム及び調製方法に関する。
特許文献1には、薬品容器に収容された抗がん剤などの薬品を輸液容器に注入する混注処理を実行する混注装置が記載されている。この混注装置は、混注処理の結果として輸液容器内の液体量が増加する場合、輸液容器からの輸液の抜取り作業を要する旨のメッセージを報知する。
国際公開第2016/088660号公報
上記従来技術では、作業者が手作業によって輸液の抜取り作業を行うこととなり、作業者の労力負担が増える。このため、抜取り作業を含めた調製作業全体の自動化が要望されていた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、自動化を促進可能な調製システム及び調製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、調製室と、前記調製室に収容されたロボットと、前記ロボットの動作を制御するコントローラと、を有し、前記コントローラは、輸液を用いた調製を行うように、前記ロボットの動作を制御する第1動作制御部と、前記輸液を収容した容器から所定量の前記輸液を抜き取り前記調製室内で廃棄するように、前記ロボットの動作を制御する第2動作制御部と、を有する調製システムが適用される。
また、本発明の別の観点によれば、調製室と、前記調製室に収容され、輸液を用いた調製を行うロボットと、前記調製室に収容され、前記ロボットが前記輸液を廃棄するための廃液設備と、を有する調製システムが適用される。
また、本発明の別の観点によれば、調製室内で輸液を用いた調製を行うための調製方法であって、前記輸液を収容した容器から所定量の前記輸液を抜き取ることと、抜き取った前記輸液を前記調製室内で廃棄することと、を有する調製方法が適用される。
本発明によれば、自動化を促進可能な調製システム及び調製方法を提供できる。
実施形態に係るロボットシステムの全体概略構成の一例を表す説明図である。 ロボットの構成の一例と共に輸液バッグ、注射器及び電子天秤の構成の一例を表す説明図である。 ロボットの構成の一例を表す説明図である。 調製装置の構成の一例を表す説明図である。 洗浄装置のフック部材に輸液バッグがセットされた状態の一例を概念的に表す説明図である。 洗浄装置による輸液バッグの洗浄動作の一例を概念的に表す説明図である。 洗浄装置によるエアブロー動作の一例を概念的に表す説明図である。 コントローラの機能的構成の一例を表す説明図である。 ロボットによる薬剤の調製方法の処理工程の一例を表す説明図である。 輸液バッグの空気抜き処理の詳細工程の一例を表す説明図である。 輸液バッグの空気抜き処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液バッグの空気抜き処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液バッグの載置処理の詳細工程の一例を表す説明図である。 輸液バッグの載置処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液バッグの載置処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液バッグの載置処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液バッグの載置処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の詳細工程の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の動作の一例を表す説明図である。 薬剤の調製処理の詳細工程の一例を表す説明図である。 薬剤の調製処理の動作の一例を表す説明図である。 薬剤の調製処理の動作の一例を表す説明図である。 薬剤の調製処理の動作の一例を表す説明図である。 薬剤の調製処理の動作の一例を表す説明図である。 薬剤の調製処理の動作の一例を表す説明図である。 輸液バッグの洗浄処理の詳細工程の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の変形例の動作の一例を表す説明図である。 輸液の廃棄処理の変形例の動作の一例を表す説明図である。 コントローラのハードウェア構成例を表す説明図である。
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下において、ロボットシステム等の構成の説明の便宜上、「上」「下」「左」「右」「前」「後」等の方向を図1〜図3等に注記する方向に定め、適宜使用する。但し、当該方向はロボットシステム等の設置態様によって変動するものであり、各構成の位置関係を限定するものではない。
<1.ロボットシステムの全体構成>
まず、図1及び図2を参照しつつ、実施形態に係るロボットシステム1の全体概略構成の一例について説明する。
ロボットシステム1は、輸液を用いて薬剤や輸液を調製する調製システムである。図1に示すように、ロボットシステム1は、調製室2と、調製室2に収容されたロボット100と、ロボット100の動作を制御するコントローラ300とを有する。
調製室2は、ロボット100が内部で調製作業を行うことが可能な調製室であり、内部雰囲気の外部への流出防止機能を有する。なお、この機能に加えて又は代えて、内部空間の気流を調整する機能や、内部空間を無菌状態に保つ機能等を有してもよい。この調製室2は、略直方体形状の筐体20を有する。なお、筐体20は、略直方体形状以外の形状(例えば略立方体形状や略円柱形状等)であってもよい。なお、調製室2としては、いわゆる安全キャビネットの他、例えばドラフトチャンバやクリーンベンチ、アイソレータ等が使用可能である。
筐体20の内部には、上記ロボット100と、作業台3とが配置されている。作業台3は、この例ではロボット100の前方、左方及び右方を取り囲むような形状、配置となっているが、これに限定されるものではない。
作業台3上には、ロボット100の可動範囲内に、調製に用いられる複数の機器が載置されたトレイ4、電子天秤200、保持装置400、調製装置500、洗浄装置600等を含む複数の装置等が配置されている。この例では、トレイ4はロボット100の右方、電子天秤200、保持装置400及び洗浄装置600はロボット100の前方、調製装置500はロボット100の左方に配置されている。なお、ロボット100の可動範囲内に配置される装置等の種類、及び、各装置等の配置位置は、これに限定されるものではない。
トレイ4には、調製用の機器として、輸液バッグ5(容器の一例)、注射器6、薬品容器7等が載置されている。ロボットシステム1は、これら輸液バッグ5、注射器6、薬品容器7等を用いて薬剤や輸液を調製する。なお、これら以外の機器をトレイ4に載置してもよい。
コントローラ300は、例えば演算装置や記録装置、入力装置等を有するコンピュータにより構成され、ロボット100と相互通信可能に接続されている。なお、コントローラ300は、ロボット100の内部に設けられてもよい。また、コントローラ300は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)とロボットコントローラ(RC)のいずれか一方または両方の組み合わせによって構成するようにしてもよい。
図2に示すように、輸液バッグ5は、バッグ本体51と、ポート部材52とを有する。バッグ本体51は、例えば柔軟性を有する透明な同一寸法の2枚の樹脂シートを重ね合わせ、その周縁を熱溶着等により接合した袋状物である。ポート部材52は、例えばプラスチック製であり、上記2枚の樹脂シートの間に挟まれた状態でバッグ本体51の端部に取り付けられている。ポート部材52の開口(図示省略)にはゴム栓(図示省略)が装着されており、該ゴム栓に注射器6の注射針63が挿抜される。輸液バッグ5には例えば生理食塩水やブドウ糖液等の輸液が密封されており、ロボットシステム1による薬剤の調製又は輸液の調製に使用される。調製された薬剤又は輸液は、輸液バッグ5から図示しない瓶針や点滴筒等を介して患者に投与される。
注射器6(シリンジの一例)は、輸液等の移送に使用される。注射器6は、径や長さの異なる複数種類が用意されており、移送する輸液の種類、移送量等に応じて使い分けられる。本実施形態では、説明の便宜上、図1に示すように径や長さの異なる2種類の注射器6A,6Bを使用する場合を一例として説明するが、1種類のみ使用してもよいし、3種類以上の注射器を使用してもよい。
図2(後述の図7も同様)は、保持装置400に径及び長さが大きい注射器6A(例えばシリンジ容量50ml)をセットした場合を図示している。図2(後述の図7も参照)に示すように、注射器6Aは、外筒61と、外筒61に対して進退動作可能なプランジャ62と、外筒61の先端に取り付けられた注射針63とを有する。径及び長さが小さい注射器6B(例えばシリンジ容量20ml)も同様の構成であるので、以下では注射器6Bのプランジャ等の構成についても注射器6Aと同じ符号で説明する。
薬品容器7には、粉末状または液体状の薬品が封入されている。ロボットシステム1では、薬剤を調製する場合、注射器6により輸液バッグ5から所定量の輸液が抜き取られ、次いで薬品容器7から所定量の薬品が吸引されて輸液バッグ5に注入されることで、輸液バッグ5において輸液と薬品が混合調製される。輸液を調製する場合も同様である。なお、図1は3本の薬品容器7がトレイ4に載置された場合を図示しているが、薬品容器7の数はこれに限定されるものではない。また、薬品容器7としては、例えばガラス製のバイアル瓶等が使用されるが、これに限定されるものではなく、例えば樹脂製の容器等でもよい。
電子天秤(質量測定器の一例)200は、図2に示すように、輸液バッグ5が寝かせた状態で載置される載置台201を有する。載置台201の載置面201aは、右側端部よりも左側端部の方が下方となるように傾斜している。つまり、載置面201aは、輸液バッグ5のポート部材52が左側を向くように載置された場合に、ポート部材52がバッグ本体51の当該ポート部材52とは反対側の端部よりも鉛直方向において下方となるように傾斜している。
電子天秤200は、載置された輸液バッグ5の質量を測定する。測定された質量データは、電子天秤200よりコントローラ300に出力される。これにより、コントローラ300は、輸液バッグ5と注射器6との間で輸液や薬剤の移送をしつつ、その移送量を同時に監視することができる。また、電子天秤200は傾倒機構202を有しており、載置面201aの右端側(保持装置400とは反対側の端部)がより高くなるように載置台201を傾倒させることができる。
保持装置400は、注射器6の外筒61及び注射針63の位置が固定され、且つ、プランジャ62の外筒61に対する進退動作が可能なように、注射器6を注射針63が載置台201側を向くように保持する。図2に示すように、注射器6は、注射針63が載置台201に載置された輸液バッグ5のポート部材52と略同じ高さにおいて、略水平方向を向くように保持される。また、保持装置400は、径の異なる複数種類の注射器6を保持するための径の異なる複数のホルダ(図示省略)を切替可能に構成されている。
調製装置500は、輸液と薬剤とを混合して薬剤を調製したり、異なる輸液と輸液を混合して所定の輸液を調製する装置である。ロボット100は、注射器6を調製装置500に移送して調製装置500にセットする。薬剤を調製する場合には、調製装置500により注射器6のプランジャ62が操作されて、ロボット100により保持された薬品容器7から薬品が注射器6に吸引される。次に、調製装置500により注射器6のプランジャ62が操作されて、ロボット100により保持された輸液バッグ5に薬品が注入される。これにより、輸液バッグ5内で内容物が混合されて薬剤が調製される。輸液を調製する場合も同様である。
洗浄装置600は、調製済みの輸液バッグ5を洗浄する装置である。調製室2内では、調製時の薬剤の飛沫やこぼれた薬剤等が輸液バッグ5の表面に付着している可能性がある。そして、ロボットシステム1では、毒性やアレルギー性の強い薬剤等を使用して調製作業を行う場合がある。このため、オゾン水等の洗浄液で輸液バッグ5を洗浄することにより、有害物質が調製室2の外部に洩れないようにすることができる。洗浄装置600の詳細については後述する。なお、洗浄液には水を含まない液体も含まれる。また、調製室2内部の除菌及び滅菌のために例えば過酸化水素水ミストなどの洗浄液を庫内に噴射する装置が設けられている。
<2.ロボットの構成>
次に、図2及び図3を参照しつつ、ロボット100の構成の一例について説明する。
図2及び図3に示すように、ロボット100は、基台101と、胴体部102と、別体として構成された2つのアーム103L,103Rとを有する、いわゆる双腕ロボットである。なお、ロボット100は必ずしも双腕ロボットである必要はなく、単一のアームのみ有するロボットとして構成してもよい。
基台101は、ロボット100の設置面(この例では調製室2における床面)に対し、例えばアンカーボルト等により固定されている。なお、基台101は、調製室2における床面以外の面(例えば天井面や側面等)に固定されてもよい。
胴体部102は、基台101の先端部に、基台101の固定面に略垂直な回転軸心Ax1まわりに旋回可能に支持されている。この胴体部102は、基台101との間の関節部に設けられたアクチュエータAc1の駆動により、基台101の先端部に対し、回転軸心Ax1まわりに旋回駆動される。
アーム103Lは、胴体部102の一方側の側部に回動可能に支持されている。このアーム103Lは、肩部104Lと、上腕A部105Lと、上腕B部106Lと、下腕部107Lと、手首A部108Lと、手首B部109Lと、フランジ部110Lとを備える。
肩部104Lは、胴体部102の一方側の側部に、回転軸心Ax1に略垂直な回転軸心Ax2まわりに回動可能に支持されている。この肩部104Lは、胴体部102との間の関節部に設けられたアクチュエータAc2の駆動により、胴体部102の一方側の側部に対し、回転軸心Ax2まわりに回動駆動される。
上腕A部105Lは、肩部104Lの先端側に、回転軸心Ax2に略垂直な回転軸心Ax3まわりに旋回可能に支持されている。この上腕A部105Lは、肩部104Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc3の駆動により、肩部104Lの先端側に対し、回転軸心Ax3まわりに旋回駆動される。
上腕B部106Lは、上腕A部105Lの先端側に、回転軸心Ax3に略垂直な回転軸心Ax4まわりに回動可能に支持されている。この上腕B部106Lは、上腕A部105Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc4の駆動により、上腕A部105Lの先端側に対し、回転軸心Ax4まわりに回動駆動される。
下腕部107Lは、上腕B部106Lの先端側に、回転軸心Ax4に略垂直な回転軸心Ax5まわりに旋回可能に支持されている。この下腕部107Lは、上腕B部106Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc5の駆動により、上腕B部106Lの先端側に対し、回転軸心Ax5まわりに旋回駆動される。
手首A部108Lは、下腕部107Lの先端側に、回転軸心Ax5に略垂直な回転軸心Ax6まわりに回動可能に支持されている。この手首A部108Lは、下腕部107Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc6の駆動により、下腕部107Lの先端側に対し、回転軸心Ax6まわりに回動駆動される。
手首B部109Lは、手首A部108Lの先端側に、回転軸心Ax6に略垂直な回転軸心Ax7まわりに旋回可能に支持されている。この手首B部109Lは、手首A部108Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc7の駆動により、手首A部108Lの先端側に対し、回転軸心Ax7まわりに旋回駆動される。
フランジ部110Lは、手首B部109Lの先端側に、回転軸心Ax7に略垂直な回転軸心Ax8まわりに回動可能に支持されている。このフランジ部110Lは、手首B部109Lとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc8の駆動により、手首B部109Lの先端側に対し、回転軸心Ax8まわりに回動駆動される。また、フランジ部110Lの先端には、第1ハンド120Lが取り付けられている。
アーム103Lの先端に取り付けられたハンド120Lは、フランジ部110Lの回転軸心Ax8まわりの回動と共に、回転軸心Ax8まわりに回動する。このハンド120Lは、互いに遠近する方向に動作可能な一対の爪部材130,130を備える。そして、このハンド120Lは、爪部材130,130で上記輸液バッグ5のポート部材52や薬品容器7等を把持したり、上記保持装置400や洗浄装置600等の各種装置を操作することが可能である。
一方、アーム103Rは、上記アーム103Lと左右対称な構造を備え、胴体部102の他方側の側部に回動可能に支持されている。このアーム103Rは、肩部104Rと、上腕A部105Rと、上腕B部106Rと、下腕部107Rと、手首A部108Rと、手首B部109Rと、フランジ部110Rとを備える。
肩部104Rは、胴体部102の他方側の側部に、回転軸心Ax1に略垂直な回転軸心Ax9まわりに回動可能に支持されている。この肩部104Rは、胴体部102との間の関節部に設けられたアクチュエータAc9の駆動により、胴体部102の他方側の側部に対し、回転軸心Ax9まわりに回動駆動される。
上腕A部105Rは、肩部104Rの先端側に、回転軸心Ax9に略垂直な回転軸心Ax10まわりに旋回可能に支持されている。この上腕A部105Rは、肩部104Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc10の駆動により、肩部104Rの先端側に対し、回転軸心Ax10まわりに旋回駆動される。
上腕B部106Rは、上腕A部105Rの先端側に、回転軸心Ax10に略垂直な回転軸心Ax11まわりに回動可能に支持されている。この上腕B部106Rは、上腕A部105Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc11の駆動により、上腕A部105Rの先端側に対し、回転軸心Ax11まわりに回動駆動される。
下腕部107Rは、上腕B部106Rの先端側に、回転軸心Ax11に略垂直な回転軸心Ax12まわりに旋回可能に支持されている。この下腕部107Rは、上腕B部106Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc12の駆動により、上腕B部106Rの先端側に対し、回転軸心Ax12まわりに旋回駆動される。
手首A部108Rは、下腕部107Rの先端側に、回転軸心Ax12に略垂直な回転軸心Ax13まわりに回動可能に支持されている。この手首A部108Rは、下腕部107Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc13の駆動により、下腕部107Rの先端側に対し、回転軸心Ax13まわりに回動駆動される。
手首B部109Rは、手首A部108Rの先端側に、回転軸心Ax13に略垂直な回転軸心Ax14まわりに旋回可能に支持されている。この手首B部109Rは、手首A部108Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc14の駆動により、手首A部108Rの先端側に対し、回転軸心Ax14まわりに旋回駆動される。
フランジ部110Rは、手首B部109Rの先端側に、回転軸心Ax14に略垂直な回転軸心Ax15まわりに回動可能に支持されている。このフランジ部110Rは、手首B部109Rとの間の関節部に設けられたアクチュエータAc15の駆動により、手首B部109Rの先端側に対し、回転軸心Ax15まわりに回動駆動される。また、フランジ部110Rの先端には、第2ハンド120Rが取り付けられている。
アーム103Rの先端に取り付けられたハンド120Rは、フランジ部110Rの回転軸心Ax15まわりの回動と共に、回転軸心Ax15まわりに回動する。このハンド120Rは、互いに遠近する方向に動作可能な一対の爪部材140,140を備える。そして、このハンド120Rは、爪部材140,140で上記注射器6の外筒61又はプランジャ62等を把持したり、上記保持装置400や洗浄装置600等の各種装置を操作することが可能である。
このとき、図3に示すように、回転軸心Ax1と回転軸心Ax2,Ax9とが基台101の固定面と略垂直な方向に長さD1だけオフセットされるように、基台101に対し胴体部102がせり出して形成されている。これにより、肩部104L,104Rの下側の空間を作業スペースとすることができると共に、胴体部102を回転軸心Ax1まわりに回転させることでアーム103L,103Rの可到範囲が拡大される。
またこのとき、回転軸心Ax11と回転軸心Ax12との上面視での位置が長さD2だけオフセットされるように、上腕B部106Rの形状が設定されると共に、回転軸心Ax12と回転軸心Ax13との上面視での位置が長さD3だけオフセットされるように、下腕部107Rの形状が設定されている。そして、ロボット100が、回転軸心Ax11と回転軸心Ax13とが略平行となる姿勢をとったときに、回転軸心Ax11と回転軸心Ax13とのオフセット長さが(D2+D3)となる。これにより、人間の「肘」に相当する上腕B部106Rと下腕部107Rとの間の関節部を屈曲させたときに、人間の「上腕」に相当する上腕A部105R及び上腕B部106Rと、人間の「下腕」に相当する下腕部107Rとの間のクリアランスを大きく確保することができ、フランジ部110Rの先端部に取り付けられたハンド120をより胴体部102に近づけた場合でもアーム103Rの動作自由度が拡大される。
アーム103Lについても同様であり、回転軸心Ax4と回転軸心Ax5との上面視での位置が長さD2だけオフセットされるように、上腕B部106Lの形状が設定されると共に、回転軸心Ax5と回転軸心Ax6との上面視での位置が長さD3だけオフセットされるように、下腕部107Lの形状が設定されている。そして、ロボット100が、回転軸心Ax4と回転軸心Ax6とが略平行となる姿勢をとったときに、回転軸心Ax4と回転軸心Ax6とのオフセット長さが(D2+D3)となる。
また、上記アクチュエータAc1〜Ac15は、それぞれ、例えば減速機等を備えたサーボモータにより構成されている。そして、これらアクチュエータAc1〜Ac15の回転位置情報は、それぞれ、当該アクチュエータに内蔵された回転位置センサ(図示せず)からの信号として、所定の演算周期ごとに、上記コントローラ300へ出力される。
なお、上記では、アーム103L,103Rの長手方向(あるいは延材方向)に沿った回転軸心まわりの回転を「回動」と呼び、アーム103L,103Rの長手方向(あるいは延材方向)に略垂直な回転軸心まわりの回転を「旋回」と呼んで区別している。
また、上記説明における「垂直」は、厳密なものではなく、実質的に生じる公差・誤差は許容されるものとする。また、上記説明における「垂直」は、仮想軸心が交わることを意味するものではなく、仮想軸心同士がなす方向が交差するものであればねじれの位置の場合も含まれるものとする。
<3.調製装置の構成>
次に、図4を参照しつつ、調製装置500の構成の一例について説明する。
図4に示すように、調製装置500は、作業台3上に立設された支持フレーム501と、支持フレーム501の左右方向の一方側(この例では右側)に配置されたベース部502を有する。ベース部502には、注射器6を保持するホルダ503が設置されている。ホルダ503は、間隔を空けて配置された一対のホルダ部材503a,503bを有する。一方のホルダ503aは、注射器6の外筒61の長さ方向一方側(この例では図4中上側)を保持し、他方のホルダ503bは、外筒61の長さ方向他方側(この例では図4中下側)を保持する。これにより、調製装置500は注射器6の注射針63及び外筒61の位置を固定しつつプランジャ62の進退動作が可能なように、注射器6を保持することができる。
ベース部502には、プランジャ62を操作するための駆動機構510が設けられている。駆動機構510は、ベース部502から突出する方向及びベース部502に収容される方向に進退駆動する駆動アーム504と、駆動アーム504に固定され、注射器5のプランジャ62のフランジ部62a(図2参照)を把持するクランプ505と、ベース部502内に設置され、駆動アーム504を進退駆動させる図示しない直動モータとを有している。駆動機構510は、直動モータにより駆動アーム504を進退駆動させることで、クランプ505により把持されたプランジャ62を外筒61に対して進退させることができる。
支持フレーム501には、図示しない回転モータが設置されている。ベース部502は、回転モータの回転軸506に取り付けられることで、支持フレーム501により回転軸506の回転軸心Ax回りに回転可能に支持されている。これにより、調製装置500は、ホルダ503で保持された注射器6の姿勢を、回転軸心Ax回りの回転方向に自在に変更することができる。例えば、図4に示す状態では注射針63が下方を向いているが、回転モータによりベース部502を回転軸心Axの回りに180°回転させることにより、注射針63を上方に向けて、注射器6の姿勢を反転することができる。
<4.洗浄装置の構成>
次に、図5を参照しつつ、輸液バッグ5を洗浄する洗浄装置600の構成の一例について説明する。
図5A〜図5Cに示すように、洗浄装置600は、洗浄槽610(廃液設備の一例)と、蓋ユニット611とを有する。
図5Aに示すように、洗浄槽610は開口603を備える。具体的には、洗浄槽610は、例えば円筒状のタンクである本体部604と、本体部604の上端に設置された例えば四角形状の天板部605とを有しており、天板部605に上記開口603が形成されている。洗浄装置600は、本体部604が作業台3の内部に収容され、天板部605が作業台3の上面に露出されるように設置される。なお、洗浄槽610を含む洗浄装置600の全体が作業台3上に設置されてもよい。
蓋ユニット611は、ロボット100によって洗浄槽610の天板部605に着脱されることにより、開口603を閉塞又は開放させる。蓋ユニット611は、連結板615と、蓋プレート616と、取っ手617と、フック部材618とを有する。蓋プレート616は、開口603を閉塞するためのプレートであり、開口603と概略同じ形状で開口603よりも大きな面積を有する。連結板615は、蓋プレート616を貫通するように蓋プレート616の後側(すなわちロボット100側)に設けられている。蓋プレート616は、連結板615の長手方向略中央部に連結板615を囲むように取り付けられている。取っ手617は、連結板615の上部に設けられており、ロボット100のハンド120R(ハンド120Lでもよい)により把持される。フック部材618は、連結板615の下部に設けられている。蓋プレート616の上面には、輸液の廃棄用ホルダ620が上方に向けて突出するように設置されている。廃棄用ホルダ620の設置位置は、蓋プレート616上の空いたスペースであれば特に限定されるものではないが、本実施形態では右前方部に設置されている(図1参照)。
フック部材618は、板状の部材であり、例えばその中央部に輸液バッグ5のポート部材52を係止可能な切欠き部618aを有する。フック部材618には、調製された薬剤や輸液が封入された輸液バッグ5等がつり下げられる。フック部材618は、ロボット100がハンド120L,120Rのいずれかを用いて取っ手617を把持し、蓋ユニット611を天板部605に着脱することで開口603を介して洗浄槽610に出し入れされる。なお、フック部材618の係止構造や開口603の閉塞構造はこれに限定されるものではない。
フック部材618の下部には、例えば3本の支柱619が下方に向けて延設されている。これらの支柱619は、輸液バッグ5の洗浄時にバッグ本体51に当接することにより、洗浄液やエアの圧力によって輸液バッグ5が回転するのを防止する。なお、支柱609の数は上記に限定されるものではなく、1本又は2本でもよいし、4本以上としてもよい。
洗浄槽610内には、例えばオゾン水等の洗浄液が噴出される複数の洗浄用ノズル607が設置されている。図5Bに示すように、フック部材618が洗浄槽610内に移動され、蓋プレート616が開口603を閉塞した状態において、複数の洗浄用ノズル607から輸液バッグ5に向けて洗浄液が噴出される。このとき、洗浄液が輸液バッグ5のバッグ本体51だけでなくポート部材52に対しても噴出されるように、連結板603の長さや洗浄用ノズル607の配置高さ等が設定されている。
また、洗浄槽610内には、洗浄用ノズル607の上方、言い換えると洗浄用ノズル607の開口603側に、エアノズル608が設置されている。エアノズル608は、洗浄槽610内に配置された輸液バッグ5の近傍に配置され、複数箇所に形成されたエアの噴出孔608aを備えた1以上のパイプを有する。この例では、エアノズル608は、開口603の近傍に設置された円環状のチューブ又はパイプの周方向複数箇所に例えば斜め下方(水平方向でもよい)を向いた複数の噴出孔608aを形成された構成となっている。但し、エアノズル608の構成はこれに限定されるものではない。例えば、環状パイプを使用せず、噴出孔608aを備えた棒状のパイプを周方向に並列に配置した構成としてもよい。
図5Cに示すように、輸液バッグ5の洗浄が完了し、フック部材618が引き上げられる際に、エアノズル608の複数の噴出孔608aから輸液バッグ5に向けてエアが噴出される。これにより、洗浄液が除去された状態で、輸液バッグ5を洗浄槽610から取り出すことができる。なお、洗浄液の除去効果を上げるために、ロボット100により蓋ユニット611を上げ下げして、輸液バッグ5へのエア噴出を長めに行ってもよい。また、エアノズル608を、洗浄用ノズル607の下方に設けてもよい。また、洗浄用ノズル607をエアノズル608と同様の構成としてもよい。
廃棄用ホルダ620は、輸液の廃棄に使用される。すなわち、輸液を用いて調製作業を行う際に、例えば調製後の薬剤量を輸液バッグ5の容量に合わせたり、調製後の薬剤量を電子カルテにより規定された処方量に合わせる等のために、予め輸液バッグ5から所定量の余分な輸液を抜き取ることが必要な場合がある。本実施形態では、ロボット100が注射器6を用いて輸液バッグ5から所定量の輸液を抜き取り、抜き取った輸液を洗浄槽610に廃棄する。廃棄用ホルダ620は、輸液バッグ5から輸液を吸引した注射器6を蓋ユニット611上に保持し、注射器6から輸液を洗浄槽610に廃棄するために使用される。
廃棄用ホルダ620は、注射器6の外筒61を保持する円筒状のホルダ本体622と、ホルダ本体622の底部に設けられた複数(この例では3本)の脚部621を備える。複数の脚部621は蓋プレート616の上面に固定されており、ホルダ本体622は蓋プレート616の上面から離間した状態で設置されている。ホルダ本体622の底部には、保持された外筒61の先端の注射針63を脚部621間の空間に突出させるための図示しない挿通穴が設けられている。この挿通穴を介して下方に突出した注射針63は、蓋プレート616に設けられた貫通穴613に挿入される。これにより、注射器6から洗浄槽610に輸液を廃棄することが可能となる。
ロボット100は、ハンド120Rを用いて注射器6を洗浄槽610に装着された蓋ユニット611の廃棄用ホルダ620にセットする。そして、ハンド120Lを用いてプランジャ62を操作することで、注射器6に吸引した輸液を洗浄槽610に廃棄する。
<5.コントローラの機能的構成>
次に、図6を参照しつつ、コントローラ300の機能的構成の一例について説明する。
コントローラ300は、ロボット100の動作を制御すると共に、ロボットシステム1のその他の機器(調製装置500等)を含む、システム全体の動作を制御する。図6に示すように、コントローラ300は、第1動作制御部301と、第2動作制御部302と、第3動作制御部303と、第4動作制御部304と、データ取得部305と、演算部306とを有する。
第1動作制御部301は、輸液を用いた調製(薬剤の調製や輸液自体の調製を含む)を行うように、ロボット100等の動作を制御する。
第2動作制御部302は、輸液を収容した輸液バッグ5から注射器6を用いて所定量の輸液を抜き取り調製室2内(具体的には洗浄槽610)で廃棄するように、ロボット100の動作を制御する(後述の図20A、図20B参照)。その際に、第2動作制御部302は、電子天秤200において傾倒機構202により傾倒された載置台201に載置された輸液バッグ5から輸液を抜き取るように、ロボット100等の動作を制御する。
第3動作制御部303は、輸液バッグ5から輸液を抜き取る際に、輸液バッグ5を電子天秤200に載置するように、ロボット100等の動作を制御する(後述の図15A、図15B参照)
第4動作制御部304は、第2動作制御部302により輸液の抜き取り動作が実行される前に、輸液バッグ5から空気を抜くように、ロボット100等の動作を制御する。
データ取得部305は、上位コントローラ310に備えられた電子カルテデータベース311から調製する薬剤や輸液の処方データ(処方量等を含む)を取得する。上位コントローラ310は、例えば演算装置や記録装置、入力装置等を有するコンピュータにより構成され、コントローラ300と相互通信可能に接続されている。上位コントローラ310は、ロボットシステム1の外部に設けられてもよいし、内部に設けられてもよい。
演算部306は、データ取得部305により取得した処方データと、使用する注射器6のシリンジ容量(例えば注射器6Aは50ml、注射器6Bは20ml)と、に基づいて、第2動作制御部302により実行される注射器6を用いた輸液バッグ5からの輸液の抜き取り動作の回数を演算する。例えば、注射器6Aを用いて300mlの輸液の抜き取りを行う場合には6回、注射器6Bを用いて90mlの輸液の抜き取りを行う場合には5回(この場合、1〜4回目は20mlの抜き取りとなり5回目は10mlの抜き取りとなる)と演算される。
なお、上述した各処理部301〜306における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、1つの処理部で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、コントローラ300の各機能は、後述するCPU901(図23参照)が実行するプログラムにより実装されてもよいし、その一部又は全部がASICやFPGA等の専用集積回路907(図23参照)、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
<6.薬剤を調製する処理工程>
次に、図7を参照しつつ、コントローラ300により実行される、ロボット100による調製方法の処理工程の一例について説明する。以下では、薬剤を調製する場合について説明する。
ステップS100では、コントローラ300は、輸液バッグ5の空気抜き処理を実行する。この処理では、コントローラ300の第4動作制御部304の制御により、ロボット100は、アーム103Rのハンド120Rで注射器6を調製装置500に移送してセットし、調製装置500はベース部502等を回転させて注射針63を下方に向けた姿勢とする。また、ロボット100は、アーム103Lのハンド120Lで輸液バッグ5を調製装置500の下方に移送して注射針63をポート部材52のゴム栓に挿入した状態で保持し、調製装置500は注射器6のプランジャ62を操作して輸液バッグ5から空気を吸引する等の動作を行う(詳細は後述の図8、図9参照)。
ステップS200では、コントローラ300は、輸液バッグ5の載置処理を実行する。この処理では、コントローラ300の第3動作制御部303の制御により、ロボット100は、アーム103Lのハンド120Lで輸液バッグ5を電子天秤200に移送し載置する等の動作を行う(詳細は後述の図10〜図13参照)。
ステップS300では、コントローラ300は、輸液の廃棄処理を実行する。この処理では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、ロボット100は、アーム103Rのハンド210Rで注射器6を保持装置400に移送してセットし、アーム103Lのハンド120Lで電子天秤200に載置された輸液バッグ5を移動して注射針63をポート部材52のゴム栓に挿入し、ハンド120Rで注射器6のプランジャ62を操作して所定量の輸液を輸液バッグ5から吸引する。そして、ハンド120Rにより、輸液を吸引した注射器6を洗浄装置600に移送して廃棄用ホルダ620にセットし、ハンド120Lで注射器6のプランジャ63を操作して注射器6から輸液を洗浄槽610に廃棄する等の動作を行う(詳細は後述の図14〜図16参照)。
ステップS400では、コントローラ300は、薬剤の調製処理を実行する。この処理では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、ロボット100は、アーム103Rのハンド120Rで注射器6を調製装置500に移送してセットし、アーム103Lのハンド120Lで薬品容器7を調製装置500に移送し、ハンド120Lで薬品容器7を移送して注射針63を薬品容器7に挿入した状態で保持し、調製装置500は注射器6のプランジャ62を操作して薬品容器7から所定量の薬品を吸引する。また、ロボット100は、ハンド120Lで輸液バッグ5を調製装置500に移送して注射針63をポート部材52のゴム栓に挿入した状態で保持し、調製装置500は注射器6のプランジャ62を操作して注射器6から輸液バッグ5に所定量の薬品を注入し、輸液バッグ5内で薬品と輸液を混合して薬剤を調製する等の動作を行う(詳細は図17〜図19参照)。
ステップS500では、コントローラ300は、輸液バッグ5の洗浄処理を実行する。この処理では、コントローラ300の制御により、ロボット100は、ハンド120Rで蓋ユニット611を把持して持ち上げた状態で、ハンド120Lで輸液バッグ5を移送して蓋ユニット611のフック部材618につり下げ、輸液バッグ5を洗浄槽610内に移動し、洗浄完了後に輸液バッグ5を洗浄槽610から取り出す等の動作を行う(詳細は前述の図5と後述の図20参照)。
なお、上述した処理工程はあくまで一例であって、上記工程の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の工程を追加してもよい。
<7.輸液バッグの空気抜き処理の詳細工程>
次に、図8、図9を参照しつつ、上述した輸液バッグの空気抜き処理(ステップS100)の詳細工程の一例について説明する。
ステップS110では、コントローラ300の第4動作制御部304の制御により、ロボット100は、アーム103Rのハンド120Rを用いて注射器6の外筒61を把持し、注射器6をトレイ14から調製装置500に移送してホルダ503にセットする。注射器6のセットが終了すると、ハンド120Rは注射器6の把持を解除する。
ステップS120では、コントローラ300の第4動作制御部304の制御により、調製装置500は、セットされた注射器6の注射針63が下向きとなるようにベース部502等を回転させる。
ステップS130では、コントローラ300の第4動作制御部304の制御により、ロボット100は、アーム103Lのハンド120Lを用いて輸液バッグ5のポート部材52の首部52aを把持し、輸液バッグ5を調製装置500の下方に移送する。そして、ハンド120Lにより輸液バッグ5を上方向に移動して、注射針63をポート部材52のゴム栓に挿入させる。図9Aに、このときのロボット100の動作の一例を示す。このとき、輸液バッグ5はポート部材52を上方にして吊り下げられた状態となるため、バッグ本体51内の空気はポート部材52近傍に集約されており、挿入された注射針63は集約された空気内に位置することとなる。
ステップS140では、コントローラ300の第4動作制御部304の制御により、調製装置500は、駆動機構510を駆動してクランプ505により注射器6のプランジャ62を外筒61から引き抜く方向(上方向)に動作させることにより、ハンド120Lで把持した輸液バッグ5のバッグ本体51から所定量の空気を吸引して抜き取る。図9Bに、このときの調製装置500の動作の一例を示す。
なお、上述した処理工程はあくまで一例であって、上記工程の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の工程を追加してもよい。
<8.輸液バッグの載置処理の詳細工程>
次に、図10〜図13を参照しつつ、上述した輸液バッグの載置処理(ステップS200)の詳細工程の一例について説明する。
ステップS210では、コントローラ300の第3動作制御部303の制御により、ロボット100は、アーム103Lのハンド120Lを用いてポート部材52の首部52aを把持し、輸液バッグ5を電子天秤200に移送する。図11Aに、このときのロボット100の動作の一例を示す。なお、図11Aでは、アーム103Lの一部の構成の図示を省略する。
ステップS220では、コントローラ300の第3動作制御部303の制御により、ロボット100は、ハンド120Lで輸液バッグ5を電子天秤200の載置台201に載置する。この際、輸液バッグ5のポート部材52が保持装置400側を向くように、輸液バッグ5を載置台201に載置する。図11Bに、このときのロボット100の動作の一例を示す。なお、図11Bでは、アーム103Lの一部の構成の図示を省略する。
ステップS230では、コントローラ300の第3動作制御部303の制御により、ロボット100は、載置台201に載置された輸液バッグ5のポート部材52をハンド120Lの爪部材130で鉛直方向下向きに押し下げる。この押し下げは、1回でもよいし、複数回行ってもよい。これにより、ポート部材52内のエア抜きが行われる。図12に、このときのハンド120L等の動作の一例を示す。なお、このポート部材52の押し下げ動作を、ハンド120Rの爪部材140で実行してもよい。
ステップS240では、コントローラ300の第3動作制御部303の制御により、ロボット100は、載置台201に載置された輸液バッグ5のバック本体51にハンド120Lの爪部材130を接触させて、バック本体51をポート部材52側から反対側に向けてさする。このさすりは、1回でもよいし、複数回行ってもよい。これにより、載置面201aの傾斜を利用してバック本体51内の空気をポート部材52とは反対側に移動させ、ポート部材52側に空気が残るのを防止することができる。図13に、このときのハンド120Lの動作の一例を示す。なお、このバッグ本体51のさすり動作を、ハンド120Rの爪部材140で実行してもよい。
なお、上述した処理工程はあくまで一例であって、上記工程の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の工程を追加してもよい。
<9.輸液の廃棄処理の詳細工程>
次に、図14〜図16を参照しつつ、上述した輸液の廃棄処理(ステップS300)の詳細工程の一例について説明する。なお、図15A〜図15Dは、保持装置400に注射器6Aが保持された場合を図示している。
ステップS310では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、ロボット100は、アーム103Rのハンド120Rの爪部材140又はアーム103Lのハンド120Lの爪部材130を用いて保持装置400を操作し、使用する注射器6に応じてホルダを切り替える。この例では、注射器6A用のホルダに切り替える。
ステップS320では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、ロボット100は、ハンド120Rを用いて注射器6の外筒61を把持し、注射器6を保持装置400に移送してセットする。これにより、注射器6は保持装置400によって外筒61及び注射針63の位置を固定しつつプランジャ62の進退動作が可能なように保持される。
ステップS330では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、ロボット100は、ハンド120Lにより電子天秤200に載置されている輸液バッグ5のポート部材52を保持する。図15Aに、このときのハンド120L等の動作の一例を示す。
そして、ロボット100は、ハンド120Lの爪部材130で保持したポート部材52を注射針63に対して近づけるように移動させ、注射針63をポート部材52のゴム栓に挿入させる。図15Bに、このときのハンド120L等の動作の一例を示す。
ステップS340では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、電子天秤200の傾倒機構202は、載置面201aの保持装置400とは反対側の端部がより高くなるように載置台201を傾倒させる。図15Cに、このときの傾倒機構202の傾倒動作等の一例を示す。これにより、載置面201aに載置された輸液バッグ5はポート部材52とは反対側の端部が持ち上げられた傾倒姿勢となるので、ポート部材52側に空気が残るのをより効果的に防止できる。
ステップS350では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、ロボット100は、ハンド120Rの爪部材140で注射器6のプランジャ62を外筒61から引き抜く方向に動作させることで、所定量の輸液を輸液バッグ5から吸引する。このときの吸引量は、データ取得部305により取得された処方データや演算部306の演算結果等に基づいて決定される。図15Dに、このときのハンド120R等の動作の一例を示す。このとき、上述したように輸液バッグ5が傾倒した姿勢となっているので注射器6に空気が混入するのを防止できる。
ステップS360では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、ロボット100は、ハンド120Rを用いて注射器6の外筒61を把持し、注射器6Aを洗浄装置600の蓋プレート616に設置された廃棄用ホルダ620に移送してセットする。なおこのとき、蓋プレート616は洗浄槽610に装着された状態となっている。図16Aに、このときのハンド120R等の動作の一例を示す。
ステップS370では、コントローラ300の第2動作制御部302の制御により、ロボット100は、ハンド120Rで注射器6の外筒61を把持した状態で、ハンド120Lのベース部122Lに設けられた押し当て部材150(図16B以外では図示省略)を注射器6のプランジャ62のフランジ部62aに押し当ててプランジャ62を外筒61に押し込む方向(下方向)に移動させる。これにより、注射器6内の輸液が注射針63から洗浄槽610に廃棄される。図16Bに、このときのハンド120L等の動作の一例を示す。なお、押し当て部材150を必ずしも設ける必要はなく、ハンド120L自身(例えば爪部材130等)をプランジャ62のフランジ部62aに押し当ててもよい。なお、図16A及び図16Bでは、洗浄装置600の洗浄槽610の図示を省略している。
ステップS380では、コントローラ300の演算部306により、上記ステップS320〜ステップS370における一連の輸液の廃棄動作が規定回数実行されたか否かが判定される。輸液の廃棄動作が規定回数実行されていない場合(ステップS380:NO)は、先のステップS320に戻り、規定回数となるまで同様の手順を繰り返す。輸液の廃棄動作が規定回数実行された場合(ステップS380:YES)は、本フローを終了する。
なお、上述した処理工程はあくまで一例であって、上記工程の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の工程を追加してもよい。
<10.薬剤の調製処理の詳細工程>
次に、図17〜図19を参照しつつ、上述した薬剤の調製処理(ステップS400)の詳細工程の一例について説明する。
ステップS410では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、ロボット100は、アーム103Rのハンド120Rにより注射器6を調製装置500に移送してセットする。
ステップS420では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、調製装置500は、セットされた注射器6の注射針63が下向きとなるようにベース部502等を回転させる。
ステップS430では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、ロボット100は、ハンド120Lを用いて薬品容器7の首部72aを把持し、薬品容器7を調製装置500の下方に移送する。そして、ハンド120Lで薬品容器7を上方向に移動し、注射針63を薬品容器7に挿入させる。図18Aに、このときのハンド120L等の動作の一例を示す。
ステップS440では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、調製装置500は、セットされた注射器6の注射針63が上向きとなるようにベース部502等を回転させる。このときロボット100は、調製装置500の回転動作に対応するようにハンド120Lを回転軸心Ax回りに旋回させて、注射針63が挿入された状態を維持しつつ薬品容器7を旋回させて姿勢を(容器の上下方向が鉛直上下方向と反対となるように)反転させる。図18Bに、このときの調製装置7及びハンド120L等の動作の一例を示す。
ステップS450では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、調製装置500は、駆動機構510を駆動してクランプ505により注射器6のプランジャ62を外筒61から引き抜く方向(下方向)に動作させることにより、薬品容器7から薬品を吸引する。このとき、調製装置500はプランジャ62を引き抜く方向のみに動作させるのではなく、小刻みに往復動作をさせながら徐々に引き抜く方向(下方向)に動作させる。これにより、注射器6と薬品容器7の間で薬品と空気を交換しながら円滑に薬品を吸引することができる。また、薬品の吸引の際、ロボット100は、ハンド120Rの爪部材140を注射器6の外筒61の注射針63側の端部に当接させる。これにより、プランジャ62の往復動作による注射器6の振動やホルダ503からの外れを防止でき、吸引動作を安定させることができる。図18Cに、このときの調製装置7及びハンド120L,120R等の動作の一例を示す。
ステップS460では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、調製装置500は、セットされた注射器6の注射針63が下向きとなるようにベース部502等を回転させる。このときロボット100は、調製装置500の回転動作に対応するようにハンド120Lを回転軸心Ax回りに旋回させて、注射針63が挿入された状態を維持しつつ薬品容器7を旋回させて姿勢を(容器の上下方向が鉛直上下方向と一致するように)元の状態に戻す。
ステップS470では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、ロボット100は、薬品容器7を把持したハンド120Lを下方に移動させ、薬品容器7から注射針63を抜く。薬品容器7はハンド120Lにより所定の場所に移送される。なお、以上のように、注射器6を注射針63が下向きとなる姿勢とした上で(上記ステップS420及びステップS460)、薬品容器7に対して注射針63の挿抜を行うことにより、注射針63の挿抜の際の薬品の漏れを抑制できる。
ステップS480では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、ロボット100は、ハンド120Lにより輸液バッグ5のポート部材52を把持し、輸液バッグ5を調製装置500の下方に移送する。そして、下を向いている注射針63に対してハンド120Lにより輸液バッグ5を上方に移動し、注射針63をポート部材52に挿入させる。図19Aに、このときのハンド120L等の動作の一例を示す。
ステップS490では、コントローラ300の第1動作制御部301の制御により、調製装置500は、駆動機構510を駆動してクランプ505により注射器6のプランジャ62を外筒61に押し込む方向(下方向)に動作させることにより、薬剤を注射器6から輸液バッグ500に注入する。この際、ロボット100は、ハンド120Rの爪部材140を注射器6の外筒61の外周部に当接させる。これにより、プランジャ62の押し込み動作による注射器6の振動やホルダ503からの外れを防止でき、注入動作を安定させることができる。図19Bに、このときの調製装置7及びハンド120L,120R等の動作の一例を示す。
なお、上述した処理工程はあくまで一例であって、上記工程の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の工程を追加してもよい。
<11.輸液バッグの洗浄処理の詳細工程>
次に、図20及び前述の図5A〜図5Cを参照しつつ、上述した輸液バッグ5の洗浄処理(ステップS500)の詳細工程の一例について説明する。
ステップS510では、コントローラ300の制御により、ロボット100は、アーム103Rのハンド120Rを用いて蓋ユニット611の取っ手617を把持し、蓋ユニット611を洗浄槽610の天板部605から取り外し、輸液バッグ5をセットするための所定の位置に保持する。
ステップS520では、コントローラ300の制御により、ロボット100は、ハンド120Lにより輸液バッグ5を洗浄装置600に移送して蓋ユニット611のフック部材618にセットする(前述の図5A参照)。
ステップS530では、コントローラ300の制御により、ロボット100は、ハンド120Rにより蓋ユニット611を洗浄槽610に移送して装着する。これにより、輸液バッグ5が洗浄槽610に開口603から挿入され、蓋プレート616で開口603が閉塞される。
ステップS540では、コントローラ300の制御により、洗浄装置600は、複数の洗浄用ノズル607から輸液バッグ5の表面(ポート部材52を含む)に向けて洗浄液を噴出させ、輸液バッグ5を洗浄する(前述の図5B参照)。このとき、例えば、洗浄装置600に洗浄開始スイッチ等を設置しておき、ロボット100がハンド120L,120Rのいずれかを用いて該スイッチを操作してもよいし、蓋ユニット611が洗浄槽610に装着されたこと等をトリガーとして自動的に洗浄が始まるようにしてもよい。そして、洗浄装置600は、例えば洗浄液を所定の時間噴出させた後に停止させる。
ステップS550では、コントローラ300の制御により、洗浄装置600は、エアノズル608の複数の噴出孔608aから輸液バッグ5の表面等に向けてエアを噴出させる。ロボット100は、ハンド120Rにより蓋ユニット611を把持して洗浄槽610から取り外し、輸液バッグ5を引き上げながらエアを当てて輸液バッグ5の表面等の洗浄液を吹き払う(前述の図5C参照)。これにより、輸液バッグ5を引き上げつつエアを輸液バッグ5の表面全体に吹き付けることが可能となり、洗浄液の切れを向上できる。またこのとき、ロボット100は例えば蓋ユニット611の持ち上げ動作を複数回繰り返したり、持ち上げ動作を行いつつ蓋ユニット611の姿勢を変更して輸液バッグ5の位置や角度を変更する等により、輸液バッグ5に対するエアの当たり具合を調整することが可能であり、これによってさらに洗浄液の切れを向上することが可能である。
ステップS560では、コントローラ300の制御により、ロボット100は、ハンド120Rにより蓋ユニット611を輸液バッグ5を取り外すための所定の位置に移送して保持する。そして、ハンド120Lにより、洗浄が完了した輸液バッグ5のポート部材52を把持してフック部材618から取り外す。
ステップS570では、コントローラ300の制御により、ロボット100は、ハンド120Lにより洗浄が完了した輸液バッグ5をトレイ4に移送する。
なお、上述した処理工程はあくまで一例であって、上記工程の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の工程を追加してもよい。
<12.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のロボットシステム1は、調製室2と、調製室2に収容されたロボット100と、ロボット100の動作を制御するコントローラ300と、を有し、コントローラ300は、輸液を用いた調製を行うように、ロボット100の動作を制御する第1動作制御部301と、輸液を収容した輸液バッグ5から所定量の輸液を抜き取り調製室2内で廃棄するように、ロボット100の動作を制御する第2動作制御部とを有する。これにより、次の効果を奏する。
すなわち、輸液を用いて調製作業を行う際に、例えば調製後の薬剤量を容器の容量に合わせたり、調製後の薬剤量を電子カルテにより規定された処方量に合わせる等のために、予め輸液バッグ5から所定量の輸液を抜き取る作業が必要となる場合がある。この抜き取り作業を作業者が手作業で行う場合には、作業者の労力負担が増える上に、自動化の促進を妨げる要因となりうる。
本実施形態のロボットシステム1では、調製室2内でロボット100に調製作業を行わせるとともに、必要に応じてロボット100に輸液の抜き取り作業を行わせることができる。これにより、抜き取り作業を含めた調製作業全体の自動化を促進できると共に、作業者の労力負担を軽減できる。また、抜き取り作業を含めた調製作業全体を調製室2内で完結できるので、安全性を向上できる。
また、本実施形態では特に、コントローラ300は、処方データを取得するデータ取得部305と、処方データと調製に使用される注射器6の容量とに基づいて、第2動作制御部302により実行される注射器6を用いた輸液の抜き取り動作の回数を演算する演算部306とを有する。
これにより、処方データに基づく輸液の抜き取り量が注射器6の容量を上回る場合でも、複数回の抜き取り動作を行うことにより、処方量に応じた量の薬剤を調製することができる。また、調製に使用される注射器6の容量が変更された場合にも柔軟に対応できる。
また、本実施形態では特に、調製室2に収容され、載置された輸液バッグ5の質量を測定する電子天秤200を有し、コントローラ300は、輸液バッグ5を電子天秤200に載置するように、ロボット100の動作を制御する第3動作制御部303を有し、第2動作制御部302は、電子天秤200に載置された輸液バッグ5から輸液を抜き取るように、ロボット100の動作を制御する。
これにより、輸液バッグ5の質量を監視しつつ輸液の抜き取り作業を行うことができるので、輸液の抜き取り量の精度を向上できる。
また、本実施形態では特に、電子天秤200は、輸液バッグ5が載置される載置台201と、載置台201を傾倒させる傾倒機構202と、を有し、第2動作制御部302は、傾倒機構202により傾倒された載置台201に載置された輸液バッグ5から輸液を抜き取るように、ロボット100の動作を制御する。
このように、輸液バッグ5を傾倒させて輸液の抜き取りを行うことにより、注射器6に空気が混入することを防止できる。これにより、輸液の抜き取り量の精度をさらに向上できる。
また、本実施形態では特に、コントローラ300は、第2動作制御部302により輸液の抜き取り動作が実行される前に、輸液バッグ5から空気を抜くように、ロボット100の動作を制御する第4動作制御部304を有する。これにより、次の効果を奏する。
すなわち、調製される薬剤の種類によっては、輸液に混合される薬品の量(割合)が多く、輸液バッグ5の容量との兼ね合いで、輸液の抜き取りだけでは規定された処方量の薬剤を調製できない場合がある。
本実施形態では、調製前に輸液バッグ5から空気を抜くことで、実質的な輸液バッグ5の容量を増加させることができるので、上記のような種類の薬剤についても調製することが可能となる。すなわち、輸液バッグ5に対して輸液の抜き取りと空気の抜き取りの両方を行うことにより、調製の自由度が増し、調製可能な薬剤の種類を増やすことができる。
また、本実施形態では特に、調製室2に収容され、輸液バッグ5を洗浄するための洗浄槽610を有し、第2動作制御部302は、輸液バッグ5から抜き取った輸液を洗浄槽610に廃棄するように、ロボット100の動作を制御する。これにより、次の効果を奏する。
すなわち、ロボットシステム1においては、ロボット100による調製作業の際に、調製に使用される薬品や調製済みの薬剤が輸液バッグ5の表面に付着する可能性がある。本実施形態では、洗浄槽610によりそのような付着物を洗浄できるので、安全性を向上できる。また、洗浄槽610に輸液を廃棄することで、輸液を廃棄するための廃液設備(廃液槽や廃液管等)を新たに設置することが不要となるので、システムの大型化やコストの増大を抑制できる。
<13.変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では輸液を廃棄するために、輸液バッグ5から余分な輸液を吸引した注射器6を洗浄装置600の廃棄用ホルダ620に移送する場合を一例として説明したが、注射器6を移送することなく輸液を廃棄できる構成としてもよい。
本変形例における輸液の廃棄動作の一例を、図21及び図22を参照しつつ説明する。なお、図21及び図22は、保持装置400に注射器6Aが保持された場合を図示している。
図21に示すように、本変形例の注射器6Aは、外筒61と注射針63との間に三方弁80を備えている。三方弁80は3つのポートを有しており、1つ目のポートが注射器6Aの外筒61と、2つ目のポートが輸液バッグ5のポート部材52と、3つ目のポートが洗浄槽610に導入される廃棄管82にそれぞれ接続されている。
三方弁80は、ロボット100がハンド120L,120Rで操作可能なポート切替ハンドル81を備えている。ポート切替ハンドル81が図21に示す向きの場合、輸液バッグ5と注射器6Aとが連通され、廃棄管82との連通が遮断される。この状態で、ロボット100がハンド120Rを用いて注射器6のプランジャ62を外筒61から引き抜く方向に動作させると、輸液が輸液バッグ5から注射器6に吸引される。
次に、ポート切替ハンドル81が図22に示す向きに操作されると、注射器6Aと廃棄管82とが連通され、輸液バッグ5との連通が遮断される。この状態で、ロボット100がハンド120Rを用いて注射器6のプランジャ62を外筒61に押し込む方向に動作させると、注射器6内の輸液が三方弁80を通って廃棄管82に流れ、洗浄槽610に廃棄される。
本変形例によれば、ロボット100がポート切替ハンドル81を操作しつつ上記吸引及び廃棄動作を繰り返すことにより、前述の実施形態のように注射器6を移送することなく輸液を廃棄することができる。したがって、廃棄処理工程の簡略化により工程時間を短縮できると共に、廃棄用ホルダ620も不要となる。
なお、以上ではハンドルを操作して三方弁のポートを切り替える場合について説明したが、ポートが自動的に切り替わる三方弁を用いてもよい。この場合、注射器6のプランジャ62を外筒61から引き抜く方向に動作させると自動的に輸液バッグ5と注射器6Aとが連通され、プランジャ62を外筒61に押し込む方向に動作させると自動的に注射器6Aと廃棄管82とが連通される。これにより、ハンドルの操作が不要となるので、廃棄処理工程の更なる簡略化により工程時間をさらに短縮できる。
また以上では、輸液を洗浄装置600の洗浄槽610に廃棄する場合について説明したが、輸液の廃棄場所はこれに限定されるものではない。例えば、ロボットシステム1が洗浄装置600とは別に輸液や薬剤等の廃液設備を有する場合には、当該廃液設備に廃棄する構成としてもよい。
<14.コントローラのハードウェア構成例>
次に、図23を参照しつつ、上記で説明したCPU901が実行するプログラムにより実装された各動作制御部301〜304等による処理を実現するコントローラ300のハードウェア構成例について説明する。
図23に示すように、コントローラ300は、例えば、CPU901と、ROM903と、RAM905と、ASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路907と、入力装置913と、出力装置915と、ストレージ装置917と、ドライブ919と、接続ポート921と、通信装置923とを有する。これらの構成は、バス909や入出力インターフェース911を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
プログラムは、例えば、ROM903やRAM905、ストレージ装置917等の記録装置に記録しておくことができる。
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD・MOディスク・DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体925に、一時的又は永続的に記録しておくこともできる。このようなリムーバブル記録媒体925は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらのリムーバブル記録媒体925に記録されたプログラムは、ドライブ919により読み出されて、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置に記録されてもよい。
また、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置923がこのプログラムを受信する。そして、通信装置923が受信したプログラムは、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置に記録されてもよい。
また、プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器927に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート921を介し転送され、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置に記録されてもよい。
そして、CPU901が、上記記録装置に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の各動作制御部301〜304等による処理が実現される。この際、CPU901は、例えば、上記記録装置からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM905に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU901は、例えば、プログラムを通信装置923やドライブ919、接続ポート921を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置に記録せずに直接実行してもよい。
また、CPU901は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク(図示せず)等の入力装置913から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
そして、CPU901は、上記の処理を実行した結果を、例えば表示装置や音声出力装置等の出力装置915から出力してもよく、さらにCPU901は、必要に応じてこの処理結果を通信装置923や接続ポート921を介し送信してもよく、上記記録装置やリムーバブル記録媒体925に記録させてもよい。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 ロボットシステム(調製システムの一例)
2 調製室
5 輸液バッグ(容器の一例)
6 注射器(シリンジの一例)
100 ロボット
200 電子天秤(質量測定器の一例)
201 載置台
202 傾倒機構
300 コントローラ
301 第1動作制御部
302 第2動作制御部
303 第3動作制御部
304 第4動作制御部
305 データ取得部
306 演算部
610 洗浄槽(廃液設備の一例)

Claims (8)

  1. 調製室と、
    前記調製室に収容されたロボットと、
    前記ロボットの動作を制御するコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、
    輸液を用いた調製を行うように、前記ロボットの動作を制御する第1動作制御部と、
    前記輸液を収容した容器から所定量の前記輸液を抜き取り前記調製室内で廃棄するように、前記ロボットの動作を制御する第2動作制御部と、を有する
    ことを特徴とする調製システム。
  2. 前記コントローラは、
    処方データを取得するデータ取得部と、
    前記処方データと、前記調製に使用されるシリンジの容量と、に基づいて、前記第2動作制御部により実行される前記シリンジを用いた前記輸液の抜き取り動作の回数を演算する演算部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の調製システム。
  3. 前記調製室に収容され、載置された前記容器の質量を測定する質量測定器をさらに有し、
    前記コントローラは、
    前記容器を前記質量測定器に載置するように、前記ロボットの動作を制御する第3動作制御部を有し、
    前記第2動作制御部は、
    前記質量測定器に載置された前記容器から前記輸液を抜き取るように、前記ロボットの動作を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の調製システム。
  4. 前記質量測定器)は、
    前記容器が載置される載置台と、
    前記載置台を傾倒させる傾倒機構と、を有し、
    前記第2動作制御部は、
    前記傾倒機構により傾倒された前記載置台に載置された前記容器から前記輸液を抜き取るように、前記ロボットの動作を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の調製システム。
  5. 前記コントローラは、
    前記第2動作制御部により前記輸液の抜き取り動作が実行される前に、前記容器から空気を抜くように、前記ロボットの動作を制御する第4動作制御部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の調製システム。
  6. 前記調製室に収容され、前記容器を洗浄するための洗浄槽をさらに有し、
    前記第2動作制御部は、
    前記容器から抜き取った前記輸液を前記洗浄槽に廃棄するように、前記ロボットの動作を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の調製システム。
  7. 調製室と、
    前記調製室に収容され、輸液を用いた調製を行うロボットと、
    前記調製室に収容され、前記ロボットが前記輸液を廃棄するための廃液設備と、
    を有することを特徴とする調製システム。
  8. 調製室内で輸液を用いた調製を行うための調製方法であって、
    前記輸液を収容した容器から所定量の前記輸液を抜き取ることと、
    抜き取った前記輸液を前記調製室内で廃棄することと、
    を有することを特徴とする調製方法。
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