JP2018174652A - パワーコンポーネント - Google Patents

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Abstract

【課題】構造を簡素化したパワーコンポーネントを提供する。【解決手段】パワーコンポーネント200は、パワーモジュール310、ドライバカード330、コントロールカード390を備えて一体に構成される。パワーモジュール310は、パワー半導体素子を内蔵するとともに、上面に交流端子およびP極直流端子、N極直流端子を有する。ドライバカード330は、パワーモジュール310の上層に設けられる。コントロールカード390は、ドライバカード330の上層に設けられる。ドライバカード330には、パワー部の配線が形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、パワーコンポーネントに関する。
パワーエレクトロニクスの分野において、コンバータやインバータなどのパワーコンポーネントが用いられる。パワーコンポーネントは一般的に、スイッチング素子(パワー半導体素子)を含むパワーモジュールと、パワーモジュールを駆動するドライバやコントローラを備え、それらの構成部品が3次元的に配置されて構造を有している。
特開2007−129838号公報 特開2006?238651号公報
このようなパワーコンポーネントでは、各構成部品を電気的に接続するために、多くのブスバーが使用されるが、それらは複雑に入り組んだ構造を有する。この構造的複雑さが、製造時の組み立てやメンテナンスの作業性を悪化させる要因のひとつとなっていた。
射出成形機では、複数軸に対応する複数のパワーコンポーネントが、ひとつの制御盤に収容される。ここでパワーコンポーネントの内部に収容しきれない構成部品(たとえばカレントセンサ、ノイズ対策用のフェライトコアやリアクトル)があると、それらを制御盤内にちりばめて配置せざるを得ず、装置内の配線の引き回しが複雑となり、ノイズの問題を引き起こす場合もあった。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、構造を簡素化したパワーコンポーネントの提供にある。
本発明のある態様はパワーコンポーネントに関する。パワーコンポーネントは、パワー半導体素子を内蔵するとともに、上面に交流端子およびP極直流端子、N極直流端子を有するパワーモジュールと、パワーモジュールの上層に設けられるドライバカードと、ドライバカードの上層に設けられるコントロールカードと、を備えて一体化され、ドライバカードにパワー部の配線が形成される。
この態様によると、パワー部の配線をドライバカードに形成することにより、複雑なブスバーの一部あるいは全部を省略することができ、パワーコンポーネントの構造を簡素化できる。
ドライバカードおよびコントロールカードの占有面積は、パワーモジュールのフットプリントと実質的に同等か小さくてもよい。これによりパワーコンポーネントを小型化できる。
ドライバカードは、交流端子とオーバーラップする箇所に設けられた開口と、開口の周部に設けられたビアホールと、を備えてもよい。
ビアホールがパワー部の配線の一部として機能するため、損失を低減できる。
パワーコンポーネントは、開口を挿通してパワーモジュールの交流端子と螺合するスタッド端子をさらに備えてもよい。
電流センサは、ドライバカードに実装されてもよい。これによりパワーモジュールを収容する制御盤に、電流センサを配置する必要がなくなり、配線を簡素化できる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、パワーコンポーネントの構造を簡素化できる。
実施の形態に係るパワーコンポーネントを備えるサーボシステムの等価回路図である。 図2(a)、(b)は、実施の形態に係るパワーコンポーネントの斜視図である。 パワーモジュールの斜視図である。 パワーモジュールおよびドライバカードの斜視図である。 パワー配線の構造を示す図である。 パワーモジュールおよびドライバカードの斜視図である。 射出成形機を示す図である。 射出成形機の電気系統を示すブロック図である。 射出成形機の制御盤を示す図である。 建設機械の一例であるショベルの外観を示す斜視図である。 ショベルの電気系統や油圧系統などのブロック図である。 ショベルの電気系統のブロック図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係るパワーコンポーネント200を備えるサーボシステム100の等価回路図である。サーボシステム100は、モータ102、エンコーダ104およびパワーコンポーネント200を備える。
エンコーダ104は、モータ102の位置情報もしくは回転数を検出する回転センサである。パワーコンポーネント200は、回転センサ104の出力にもとづいてモータ102を制御する。
パワーコンポーネント200は、コントローラ202、ラインドライバ210U〜210W、三相インバータ220、電流センサ222、電流検出回路224、電圧検出回路226、A/Dコンバータ228を備える。後述のようにパワーコンポーネント200は、パワーモジュール310、ドライバカード330、コントロールカード390の3つのブロックで構成される。図1には、各構成部品がいずれのブロックに設けられるかが示される。
電流検出回路224は電流センサ106と接続されており、モータ102に流れる相電流を示す電流検出信号VISを生成する。電圧検出回路226はモータ102に印加される相電圧を示す電圧検出信号VVSを生成する。図1では、三相分の電圧検出信号VVSを1本の配線で示す。電流検出信号VIS、電圧検出信号VVSは、A/Dコンバータ228によってデジタルの電流検出値DIS、電圧検出値DVSに変換される。
コントローラ202は、電流検出値DIS、電圧検出値DVSおよびエンコーダ104からの回転情報DENCにもとづいて、三相インバータ220を制御するPWM信号SPWM_U〜SPWM_Wを生成する。コントローラ202は、CPU204とPLD(プログラマブルロジックデバイス)206を含む。PLD206は、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよい。CPU204は、ソフトウェアプログラムを実行することにより、さまざまな処理を実行する。CPU204により実現される機能としては、ベクトル制御の機能、異常検出および保護機能などが例示される。
PLD206は、CPU204からの指令値REFおよび電流検出値DIS、電圧検出値DVSにもとづいてPWM信号SPWM_U,SPWM_V,SPWM_Wを生成する。PLD206は電流検出値DISをしきい値と比較することにより電流異常を検出可能であり、電圧検出値DVSをしきい値と比較することにより電圧異常を検出可能である。
ラインドライバ210U〜210Vは、コントローラ202が生成したPWM信号SPWM_U〜SPWM_Wを受け、三相インバータ220を駆動する。三相インバータ220は、IGBTやバイポーラトランジスタ、FETなどのパワーデバイスと、その駆動回路、保護回路などを含むインテリジェントパワーモジュール(IPM:Intelligent Power Module)である。
ラインドライバ210U〜210Wには、PWM信号SPWM_U〜SPWM_Wを遮断する機能が実装されている。コントローラ202によって異常が検出されると、ラインドライバ210によってPWM信号が遮断され、モータ102が停止する。
以上がサーボシステム100の基本構成である。続いてパワーコンポーネント200の構成を説明する。
図2(a)、(b)は、実施の形態に係るパワーコンポーネント200の斜視図である。図2(a)に示すように、主として、パワーモジュール310、ドライバカード330、コントロールカード390、スタッド端子370U〜370Wを備え、それらが積層された構造となっており、一体化(モジュール化)されている。図2には、主要な構成部品のみが示される。スタッド端子370U〜370Wは、パワーコンポーネント200の出力OUTU〜OUTWに対応する。図2(b)に示すように、パワーコンポーネント200は筐体400で覆ってもよい。筐体400には、DCリンク(たとえば図8の708P,708N)を介してDCリンク電圧(図8のVDC2)を受けるためのP極端子(P)とN極端子(N)が設けられる。P極端子とN極端子は、筐体400に埋め込まれた金属端子であり、それぞれは、後述のパワー配線350P,350N(図4)を介して、パワーモジュール310のP極直流端子およびN極直流端子(図3)と電気的に接続される。
図3は、パワーモジュール310の斜視図である。パワーモジュール310は、IGBTやFET、バイポーラトランジスタなどのパワー半導体素子を内蔵する。パワーモジュール310のパッケージの上面には、U相、V相、V相の交流端子(OUTU〜OUTW)およびP極直流端子(P)、N極直流端子(N)が設けられる。パワーモジュール310はIPMであり、パワー半導体素子の駆動回路や保護回路を備える。パワーモジュール310の上面には、ゲート駆動信号を初めとする信号や、電源電圧を受けるためのI/Oピン312が設けられる。さらに図3のパワーモジュール310は、回生放電抵抗器(DBR)およびDBRの経路をオン、オフするためのトランジスタを含む。パワーモジュール310のパッケージの上面には、DBR端子が設けられ、DBR端子に与える信号に応じて、トランジスタのオン、オフが制御される。図2に戻る。
ドライバカード330は、パワーモジュール310の上層に設けられる。ドライバカード330には、電流センサ222、電流検出回路224(図2に不図示)、電圧検出回路226(図2に不図示)、A/Dコンバータ228(図2に不図示)等が実装される。
コントロールカード390は、ドライバカード330の上層に設けられる。コントロールカード390は2層構造となっており、上層のカード390Aには、CPU204およびPLD206が実装される。下層のカード390Bには、CPU204と外部の上位コントローラを接続するための通信用コネクタ392や、USBポート394などが設けられる。またコントロールカード390(下層のカード390B)には、アナログ回路用あるいはデジタル回路用の電源電圧(5V,12V)を生成する制御電源が搭載される。トランス396は、制御電源の構成部品である。なおスペースに余裕がある場合には、コントロールカード390を1層で構成してもよい。
パワーコンポーネント200の特徴のひとつは、ドライバカード330にパワー部(強電部)の配線が形成されることである。これにより従来のパワーコンポーネントで必要であったブスバーが削減されており、小型化が実現されている。すなわちドライバカード330はブスバーとしての機能も果たすため、ブスバーカードとも称する。
またパワーコンポーネント200の特徴の別のひとつは、ドライバカード330およびコントロールカード390の占有面積は、パワーモジュール310のフットプリントと実質的に同等か、それよりも小さいことである。これによりパワーコンポーネント200のサイズは、非常に小さくなる。
図4は、パワーモジュール310およびドライバカード330の斜視図である。ドライバカード330は、パワーモジュール310に密着して設けられる。ドライバカード330は、開口332U〜332W,334P,334N,335を有する。開口332U〜332Wは、パワーモジュール310のU相、V相、V相の交流端子(OUTU〜OUTW)それぞれとオーバーラップする箇所に設けられ、開口334P,334Nは、P極直流端子(P)、N極直流端子(N)それぞれとオーバーラップする箇所に設けられ、開口335はDBR端子とオーバーラップする箇所に設けられる。
ドライバカード330には、コンデンサ336、トランス338、コンデンサ340、接続ピン342、コネクタ344、オペアンプ346,348、サポート349が設けられる。コンデンサ336はたとえばノイズ除去のために設けられるスナバコンデンサである。トランス338は制御電源用である。コンデンサ340は、パワーモジュール310に内蔵される駆動回路に対する電源電圧を安定化する。接続ピン342は、その下側においてパワーモジュール310のI/Oピン312と接続され、その上側は、図示しないコントロールカード390と接続される。コネクタ344は図示しないコントロールカード390との通信インタフェースである。オペアンプ346は図1の電流検出回路224を構成しており、オペアンプ348は図1の電圧検出回路226を構成する。
ドライバカード330はさらに、複数の出力配線350U〜350W、複数のDC配線350P,350N(以下、これらをパワー配線350と総称する)を備える。これらはパワー部の配線であり、従来のパワーモジュールにおけるブスバーの代替である。パワー配線350における電流の向きは主として基板と垂直方向であるが、平面方向に電流が流れるように構成してもよい。
図5は、パワー配線350の構造を示す図である。ドライバカード330は、配線層362,364および絶縁層366からなるプリント基板360を含む。ここでは単層のプリント基板を示すが、多層であってもよい。
パワー配線350は、上部ランド352、下部ランド354、ビアホール(スルーホール)356を備える。下部ランド354は、配線層364にパワーモジュール310の端子(OUTU〜OUTW,P,N)とオーバーラップして設けられ、パワーモジュール310の端子の表面とのコンタクトの機能を果たす。上部ランド352は、配線層362に下部ランド354とオーバーラップして設けられる。上部ランド352、下部ランド354およびドライバカード330の絶縁層366には開口332(334)が設けられる。上部ランド352、下部ランド354は、導電性を高めるために厚膜配線とすることが望ましい。一般的なプリント基板の配線層の厚みは30〜50μm程度であるのに対して、パワー配線に用いる配線層の厚みは、100μm以上、好ましくは150〜250μm程度とするのが好ましい。
複数のビアホール356は、開口332(334)の周部に開口332を取り囲むように設けられる。ビアホール356は、上部ランド352と下部ランド354を電気的に接続する。
詳しくは後述するが、開口332にはスタッド端子などが挿通し、このスタッド端子がパワー部の配線としての機能を果たすが、パワー配線350を設けることで、ブスバーと比べて遜色のないレベルまで導電率を高めることができる。
図6は、パワーモジュール310およびドライバカード330の斜視図である。各相のスタッド端子370は、対応する開口332を挿通して、パワーモジュール310の交流端子それぞれと螺合している。図2の電流センサ222はたとえばカレントトランスであり、スタッド端子370U〜370Wを取り囲むように設けられる。
図6のドライバカード330の上に、コントロールカード390が取り付けられ、図2のパワーコンポーネント200が完成する。
以上がパワーコンポーネント200の構成である。
(用途)
続いてパワーコンポーネントの用途を説明する。パワーコンポーネントは、射出成形機やプレスなどの産業用機械に用いることができる。
図7は、射出成形機600を示す図である。射出成形機600は主として、射出装置611、型締装置612、金型装置643、エジェクタ装置671を備える。これらはベースフレーム613の上に支持されている。
(1)金型装置
金型装置643は固定金型644および可動金型645を含む。射出装置611は、樹脂を加熱して溶かし、金型装置643の内部空間に流し込む(射出)。型締装置612は、固定金型644と可動金型645とを締結し、内部の樹脂に圧力を加え、冷却し、樹脂を金型に応じた形状に成形する。エジェクタ装置671は、成形された樹脂を金型装置643から取り出す。
(2)射出装置
射出成形機600の具体的な構成を説明する。射出装置611は、射出装置フレーム614によって支持されている。ガイド681は、射出装置フレーム614の長手方向に配設される。そして、射出装置フレーム614によってボールねじ軸621が回転自在に支持され、ボールねじ軸621の一端が可塑化移動用モータ622に連結される。また、ボールねじ軸621とボールねじナット623とが螺合させられ、ボールねじナット623と射出装置611とがスプリング624およびブラケット625を介して連結される。したがって、可塑化移動用モータ622を正方向あるいは逆方向に駆動すると、可塑化移動用モータ622の回転運動は、ボールねじ軸621とボールねじナット623との組合せ、すなわち、ねじ装置691によって直線運動に変換され、この直線運動がブラケット625に伝達される。そして、ブラケット625がガイド681に沿って矢印A方向に移動させられ、射出装置611が進退させられる。
また、ブラケット625には、前方(図における左方)に向けて加熱シリンダ615が固定され、加熱シリンダ615の前端(図における左端)に射出ノズル616が配設される。そして、加熱シリンダ615にホッパ617が配設されるとともに、加熱シリンダ615の内部にはスクリュ626が進退(図における左右方向に移動)自在に、かつ、回転自在に配設され、スクリュ626の後端(図における右端)が支持部材682によって支持される。
支持部材682には計量装置駆動用サーボモータ(以下、計量用サーボモータと略称する)683が取り付けられ、この計量用サーボモータ683を駆動することによって発生させられた回転がタイミングベルト684を介してスクリュ626に伝達されるようになっている。
射出装置フレーム614には、スクリュ626と平行にボールねじ軸685が回転自在に支持されるとともに、ボールねじ軸685と射出装置駆動用サーボモータ(以下、射出用サーボモータと略称する)686とがタイミングベルト687を介して連結される。そして、ボールねじ軸685の前端は、支持部材682に固定されたボールねじナット674と螺合させられる。したがって、射出用サーボモータ686を駆動すると、その回転運動は、ボールねじ軸685とボールねじナット674との組合せ、すなわち、ねじ装置692によって直線運動に変換され、直線運動が支持部材682に伝達される。
次に、射出装置611の動作について説明する。まず、計量工程においては、計量用サーボモータ683を駆動し、タイミングベルト684を介してスクリュ626を回転させ、スクリュ626を所定の位置まで後退(図における右方に移動)させる。このとき、ホッパ617から供給された樹脂は、加熱シリンダ615内において加熱されて溶融させられ、スクリュ626の後退に伴ってスクリュ626の前方に溜められる。
次に、射出工程においては、射出ノズル616を固定金型644に押し付け、射出用サーボモータ686を駆動し、タイミングベルト687を介してボールねじ軸685を回転させる。このとき、支持部材682はボールねじ軸685の回転に伴って移動させられ、スクリュ626を前進(図における左方に移動)させるので、スクリュ626の前方に溜められた樹脂は射出ノズル616から射出され、固定金型644と可動金型645との間に形成されたキャビティ空間647に充填される。
(3) 型締装置
次に、型締装置612について説明する。型締装置612は、射出装置611と対向するようにしてベースフレーム613に支持される。型締装置612は、固定プラテン651、トグルサポート652、固定プラテン651とトグルサポート652との間に架設されたタイバー653、固定プラテン651と対向して配設され、タイバー653に沿って進退自在に配設された可動プラテン654、および、可動プラテン654とトグルサポート652との間に配設されたトグル機構656を備える。そして、固定プラテン651および可動プラテン654に、互いに対向させて固定金型644および可動金型645がそれぞれ取り付けられる。
トグル機構656は、図示されない型締用サーボモータによってクロスヘッド658をトグルサポート652と可動プラテン654との間で進退させることによって、可動プラテン654をタイバー653に沿って進退させ、可動金型645を固定金型644に対して接離させて、型閉、型締および型開を行うようになっている。
そのために、トグル機構656は、クロスヘッド658に対して揺動自在に支持されたトグルレバー661、トグルサポート652に対して揺動自在に支持されたトグルレバー662、可動プラテン654に対して揺動自在に支持されたトグルアーム663から成り、トグルレバー661とトグルレバー662との間、およびトグルレバー662とトグルアーム663との間がそれぞれリンク結合される。
また、ボールねじ軸664がトグルサポート652に対して回転自在に支持され、ボールねじ軸664と、クロスヘッド658に固定されたボールねじナット665とが螺合させられる。そして、ボールねじ軸664を回転させるために、トグルサポート652の側面に型締用サーボモータ(図示省略)が取り付けられる。
したがって、型締用サーボモータを駆動すると、型締用サーボモータの回転運動が、ボールねじ軸664とボールねじナット665との組合せ、すなわち、ねじ装置693によって直線運動に変換され、直線運動がクロスヘッド658に伝達され、クロスヘッド658は矢印C方向に進退させられる。すなわち、クロスヘッド658を前進(図における右方に移動)させると、トグル機構656が伸展して可動プラテン654が前進させられ、型閉および型締が行われ、クロスヘッド658を後退(図における左方に移動)させると、トグル機構656が屈曲して可動プラテン654が後退させられ、型開が行われる。
(4)電気系統
図8は、射出成形機600の電気系統を示すブロック図である。整流器702は交流電源と接続され、交流電圧を整流する。DCリンク705には平滑コンデンサ703が接続されており、整流器702の出力電圧が平滑化される。コンバータ704は、平滑コンデンサ703に生ずる直流電圧(DCリンク電圧)VDC1を、所定の電圧レベルに安定化し、DCリンク708P,708N間にDCリンク電圧VDC2を発生する。DCリンク708P,708Nには平滑コンデンサ706が接続される。またDCリンク708P,708Nには、複数のインバータ720が接続される。各インバータ720は対応するモータ722を駆動する。モータ722A〜722Cは、上述の可塑化移動用モータ622、計量用サーボモータ683、射出用サーボモータ686、型締用サーボモータであってもよい。そのほか射出成形機600にはさまざまなサーボ機構が設けられており、各軸に、インバータ720とモータ722が設けられる。
双方向コンバータ710は、DCリンク708と蓄電モジュール712の間に設けられる。蓄電モジュール712は主としてバックアップ電源として機能し、交流電源が遮断された場合などに、双方向コンバータ710は、コンバータ704に変わって、蓄電モジュール712の電力を平滑コンデンサ706に供給する。また、インバータ720が回生運転を行い、余剰なエネルギーが発生した場合には、双方向コンバータ710はその余剰なエネルギーで蓄電モジュール712を充電する。
実施の形態に係るパワーコンポーネント200は、図8のインバータ720に用いることができる。図9は、射出成形機600の制御盤900を示す図である。制御盤900は、複数のパワーコンポーネント200(図8のインバータ720)、平滑コンデンサ902(図8の706)、ヒートシンク904、DCリンク906P,906N(図8の708P,708N)などを収容する。制御盤900には、図8の整流器702やコンバータ704も収容される。
従来の制御盤では、電流センサが図9に示す空きスペース910にちりばめて配置されていた。これに対して、図9の制御盤900では、電流センサはパワーコンポーネント200に内蔵されているため、パワー配線の引き回しが短くなり、ノイズを低減できる。また制御盤900を小型化できる。
図9では、ブスバー906Pとパワーコンポーネント200のP極直流端子を直接接続し、ブスバー906Nとパワーコンポーネント200のN極直流端子を直接接続したが、その限りではなく、小型ブスバー(ブスバー片)を介して接続してもよい。
パワーコンポーネントは、ショベルやクレーンなどの建設機械にも用いることができる。図10は、建設機械の一例であるショベル500の外観を示す斜視図である。ショベル500は、主として下部走行体(クローラ)502と、下部走行体502の上部に旋回機構503を介して回動自在に搭載された上部旋回体504とを備えている。
旋回体504には、アタッチメント510が取り付けられる。アタッチメント510は、ブーム512と、ブーム512の先端にリンク接続されたアーム514と、アーム514の先端にリンク接続されたバケット516とを備える。ブーム512、アーム514、およびバケット516は、それぞれブームシリンダ520、アームシリンダ522、およびバケットシリンダ524によって油圧駆動される。また、旋回体504には、オペレータを収容するための運転室508や、油圧を発生するためのエンジン506といった動力源が設けられている。
図11は、ショベル500の電気系統や油圧系統などのブロック図である。なお、図11では、機械的に動力を伝達する系統を二重線で、油圧系統を太い実線で、操縦系統を破線で、電気系統を細い実線でそれぞれ示している。
エンジン506および電動発電機530の回転軸は、共に減速機532の入力軸に接続され、互いに連結されている。エンジン506の負荷が大きいときには、電動発電機530が自身の駆動力によりエンジン506の駆動力を補助(アシスト)し、電動発電機530の駆動力が減速機532の出力軸を経てメインポンプ534に伝達される。一方、エンジン506の負荷が小さいときには、エンジン506の駆動力が減速機532を経て電動発電機530に伝達されることにより、電動発電機530が発電を行う。
電動発電機530はアシスト用インバータ531の2次側(出力)端に接続される。アシスト用インバータ531は、コントローラ540(アシスト用インバータコントローラ)からの指令にもとづき、電動発電機530の運転制御を行う。電動発電機530の駆動と発電との切りかえは、ショベル500における電気系統の駆動制御を行うコントローラ540により、エンジン506の負荷等に応じて行われる。
減速機532の出力軸にはメインポンプ534およびパイロットポンプ536が接続されており、メインポンプ534には高圧油圧ライン542を介してコントロールバルブ544が接続されている。コントロールバルブ544は、ショベル500における油圧系の制御を行う装置である。コントロールバルブ544には、図10に示した下部走行体502を駆動するための油圧モータ550Aおよび550Bの他、ブームシリンダ520、アームシリンダ522およびバケットシリンダ524が高圧油圧ラインを介して接続されており、コントロールバルブ544は、これらに供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御する。
パイロットポンプ536には、パイロットライン552を介して操作手段554が接続されている。操作手段554は、旋回用電動機560、下部走行体502、ブーム512、アーム514およびバケット516を操作するためのレバーやペダルであり、オペレータによって操作される。
操作手段554には、油圧ライン556を介してコントロールバルブ544が接続され、また、油圧ライン558を介して圧力センサ559が接続される。操作手段554は、パイロットライン552を通じて供給される油圧(1次側の油圧)をオペレータの操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作手段554から出力される2次側の油圧は、油圧ライン556を通じてコントロールバルブ544に供給されるとともに、圧力センサ559によって検出される。
圧力センサ559は、操作手段554に対して旋回機構503を旋回させるための操作が入力されると、この操作量を油圧ライン558内の油圧の変化として検出する。圧力センサ559は、油圧ライン558内の油圧を表す電気信号を出力する。この電気信号は、旋回指令としてコントローラ540に入力され、旋回用電動機560の駆動制御に用いられる。
コントローラ540(旋回用インバータコントローラ)は、操作入力に応じた回転速度指令を受け、レゾルバ562により検出される旋回用電動機560の旋回速度が、回転速度指令と一致するように、旋回用インバータ561を制御する。たとえば旋回用電動機560は、PWM(Pulse Width Modulation)制御指令により旋回用インバータ561によって交流駆動される。
コントローラ540は、CPU(Central Processing Unit)および内部メモリを含む演算処理装置によって構成され、内部メモリに格納された駆動制御用のプログラムをCPUが実行することにより実現される。コントローラ540は、各種センサおよび操作手段554等からの操作入力を受けて、アシスト用インバータ531、旋回用インバータ561および蓄電手段570等の駆動制御を行う。
旋回用電動機560は、図10の旋回機構503に設けられ、上部旋回体504を回動させる交流電動機である。旋回用電動機560の回転軸566には、レゾルバ562、メカニカルブレーキ563および旋回減速機564が接続される。
旋回用電動機560が力行運転を行う際には、旋回用電動機560の回転駆動力の回転力が旋回減速機564にて増幅され、旋回体504が加減速制御され回転運動を行う。また、旋回体504の慣性回転により、旋回減速機564にて回転数が増加されて旋回用電動機560に伝達され、回生電力を発生させる。
レゾルバ562は、旋回用電動機560と機械的に連結され、旋回用電動機560の回転軸566の回転位置および回転角度を検出する。メカニカルブレーキ563は、機械的な制動力を発生させる制動装置であり、コントローラ540からの指令によって、旋回用電動機560の回転軸566を機械的に停止させる。旋回減速機564は、旋回用電動機560の回転軸566の回転速度を減速して旋回機構503に機械的に伝達する。
蓄電手段570は、旋回用インバータ561の電源であり、DCリンク電圧を供給する。蓄電手段570は、蓄電手段を含み、アシスト用インバータ531や旋回用インバータ561が回生運転を行う際には、それらからの回生エネルギーを蓄電可能に構成される。
図12は、ショベル500の電気系統のブロック図である。蓄電手段570は、蓄電モジュール572と、蓄電モジュール572の充放電を制御する双方向コンバータ574と、正極および負極の直流配線からなるDCリンク576とを備えている。DCリンク576には、平滑コンデンサ578が接続される。蓄電モジュール572としては、リチウムイオン電池等の充電可能な2次電池、キャパシタ、そのほか電力の授受が可能なその他の形態の電源を用いることができる。DCリンク576には、アシスト用インバータ531、旋回用インバータ561それぞれの1次側(直流入力)が接続されている。双方向コンバータ574は、コントローラ540によって、DCリンク576に生ずるDCリンク電圧VDCが所定の電圧レベルとなるように制御される。たとえば双方向コンバータ574は昇降圧コンバータであり、電動発電機530や旋回用電動機560が力行運転する際には、双方向コンバータ574を昇圧動作させ、それらに電源を供給する。反対に電動発電機530や旋回用電動機560が回生運転する際には、双方向コンバータ574を降圧動作させ、電動発電機530が発生した電力を蓄電器に回収する。なお、昇降圧コンバータの昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCリンク電圧値、バッテリ電圧値およびバッテリ電流値にもとづき、コントローラ540によって行われる。
以上がショベル500の全体構成である。図12の双方向コンバータ(昇降圧コンバータ)574および平滑コンデンサ578に、上述したパワーコンポーネント200のアーキテクチャを採用してもよい。
図12のアシスト用インバータ531や旋回用インバータ561に、パワーコンポーネント200のアーキテクチャを採用してもよい。
そのほか、実施の形態に係るパワーコンポーネント200は、電気自動車や電動フォークリフト、AGV(無人搬送車)にも採用することができる。
実施の形態では主としてインバータを例にパワーコンポーネント200を説明したが、コンバータにも本発明は適用可能である。
100…サーボシステム、102…モータ、104…回転センサ、200…パワーコンポーネント、202…コントローラ、204…CPU、206…PLD、210…ラインドライバ、220…三相インバータ、222…電流センサ、224…電流検出回路、226…電圧検出回路、228…A/Dコンバータ、310…パワーモジュール、330…ドライバカード、332,334,335…開口、336…コンデンサ、338…トランス、340…コンデンサ、342…接続ピン、344…コネクタ、346,348…オペアンプ、350…パワー配線、352…上部ランド、354…下部ランド、356…ビアホール、390…コントロールカード、392…通信用コネクタ、394…USBポート、396…トランス、900…制御盤、902…平滑コンデンサ、904…ヒートシンク。

Claims (5)

  1. パワー半導体素子を内蔵するとともに、上面に交流端子およびP極直流端子、N極直流端子を有するパワーモジュールと、
    前記パワーモジュールの上層に設けられるドライバカードと、
    前記ドライバカードの上層に設けられるコントロールカードと、
    を備えて一体化され、前記ドライバカードにパワー部の配線が形成されることを特徴とするパワーコンポーネント。
  2. 前記ドライバカードおよび前記コントロールカードの占有面積は、前記パワーモジュールのフットプリントと実質的に同等か、小さいことを特徴とする請求項1に記載のパワーコンポーネント。
  3. 前記ドライバカードは、
    前記交流端子とオーバーラップする箇所に設けられた開口と、
    前記開口の周部に設けられたビアホールと、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のパワーコンポーネント。
  4. 前記開口を挿通して前記パワーモジュールの前記交流端子と螺合するスタッド端子をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のパワーコンポーネント。
  5. 電流センサが前記ドライバカードに実装されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のパワーコンポーネント。
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