JP2018173245A - 廃棄物処理プラント及び廃棄物処理プラントの起動方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1は、ダイオキシン対策を考慮して炉内温度を850℃まで上昇させた後にごみの燃焼を開始させるものである。特許文献1においては、ごみ焼却ストーカ炉の起動時に、炉内に設けた助燃バーナを着火するとともに直火式空気加熱器で加熱した空気をストーカ炉の下部から供給して炉内温度を上昇させるものである。
本発明の一態様に係る廃棄物処理プラントは、廃棄物を燃焼させる焼却炉と、燃料を燃焼させて駆動力を発生する内燃機関と、前記内燃機関から排出される排ガスを前記廃棄物処理プラントの外部へ導く排出流路と、前記排ガスを前記焼却炉へ導く導入流路と、前記焼却炉を起動する際に、前記内燃機関から排出される前記排ガスの少なくとも一部を前記導入流路へ供給するよう調整する調整部と、を備える。
このようにすることで、内燃機関発電機を駆動して電力を得るために利用される内燃機関からの排ガスの熱を利用して、焼却炉の温度を上昇させることができる。そのため、焼却炉の温度を上昇させるためにのみ利用される別途の機器を設置することや、その機器を動作させるための燃料が不要となる。
上記構成の廃棄物処理プラントによれば、所定時間と第1所定温度を焼却炉の内部で大きな温度差が生じずかつ十分に加熱された状態となるように設定することにより、焼却炉の内部を適切な温度状態とすることができる。また、その適切な温度状態において起動用バーナを着火することにより、焼却炉の起動までに必要となる起動用燃料の消費量を少なくすることができる。
第2所定温度として焼却炉で廃棄物の焼却を開始するのに適切な温度(例えば、600℃)を設定することにより、起動用バーナによる起動用燃料の消費量を、焼却炉を起動するために必要な最小限の量とすることができる。
前記廃棄物から生成されたメタン含有バイオガスを内燃機関であるガスエンジンの燃料として用いることができるため、内燃機関の燃料として廃棄物以外の別途の燃料を用いる必要がない。よって、製造コストおよび運用コストを増加させることなく、廃棄物のみを用いて焼却炉を起動することができる廃棄物処理プラントを提供することができる。
このようにすることで、廃棄物の燃焼により発生した熱により蒸気を生成し、蒸気のエネルギーをタービン発電機で電力として回収することができる。
本実施形態に係る廃棄物発電プラント1は、図1に示すように、廃棄物を燃焼して生成された燃焼ガスによって蒸気を生成する焼却炉3と、焼却炉3からの蒸気によって駆動される蒸気タービン4と、廃棄物からメタン含有バイオガスを生成するメタン発酵槽5と、メタン発酵槽5からのメタン含有バイオガスを燃焼させて駆動力を発生するガスエンジン(内燃機関)6と、廃棄物発電プラント1の全体を制御する制御装置50と、を備えている。
焼却炉3で廃棄物(固形ごみ)を燃焼させる際に焼却炉3の内部の温度が低温であるとダイオキシンが発生する可能性が高くなる。そのため、本実施形態では、焼却炉3の内部の温度が所定温度(例えば、600℃)に到達した後に、焼却炉3への廃棄物の投入を開始する。
焼却炉3は、例えば図2に示すストーカ式焼却炉であり、廃棄物Dを受け入れる投入ホッパ3Aと、投入ホッパ3Aに投入された廃棄物Dを炉内に供給するフィーダ3Iと、フィーダ3Iから供給された廃棄物Dを移送するストーカ3Bと、ストーカ3Bの下方から一次空気を供給する一次空気供給部3Cと、ストーカ3Bが移送する廃棄物Dを燃焼する焼却炉本体3Dと、焼却炉本体3Dから排出される燃焼排ガスによって水蒸気を生成するボイラ3Eと、焼却炉本体3Dへ二次空気を供給する二次空気供給部3Fと、焼却炉3を起動する際に用いられる起動用バーナ3Gと、焼却炉本体3Dの炉内温度を計測する温度センサ(温度計測部)3Hと、を備える。
フィーダ3Iは、板状の部材を水平方向に移動させることにより、板状の部材に積載される廃棄物Dをストーカ3Bへ供給する。
前述したように、焼却炉3で廃棄物(固形ごみ)を燃焼させる際に、焼却炉3の内部の温度が低温であるとダイオキシンが発生する可能性が高くなる。そのため、本実施形態では、焼却炉3の内部の温度が所定温度(例えば、600℃)に到達した後に、焼却炉3への廃棄物の投入を開始する。
以下、焼却炉3の内部の温度を所定温度まで上昇させて焼却炉3を起動させる動作について説明する。図3に示す各ステップにおける処理は、制御装置50からの制御指令に基づいて廃棄物発電プラント1の各部が実行するものである。
図4に示すように、焼却炉3の起動を開始する前の停止状態(時間が0の状態)において、温度センサ3Hが計測する焼却炉3の炉内温度は、大気中の空気と略同等の温度(例えば、20℃〜40℃)となっている。
ステップS301において、制御装置50は、閉状態から開状態へ切り替えるよう導入調整弁31aへ制御指令を出力する。導入調整弁31aは、制御装置50からの制御指令に応答して閉状態から開状態へ切り替える。導入調整弁31aは、開状態とすることにより、焼却炉3を起動する際に、ガスエンジン6から排出される燃焼排ガスの一部を排ガス導入管31へ供給するよう調整する。
ステップS307において、制御装置50は、押込送風機3Faが送風する風量を調整することにより、二次空気供給ノズル3Daおよび二次空気供給ノズル3Dbへ供給する二次空気の空気量を調整する。
ステップS309において、制御装置50は、焼却炉本体3Dの炉内温度が廃棄物の投入を開始する温度Temp2まで上昇した時に、起動用バーナ3Gを停止するよう制御する。
本実施形態の廃棄物発電プラント1によれば、焼却炉3を起動する際に、ガスエンジン6から排出される燃焼排ガスの少なくとも一部が排ガス導入管31から焼却炉3へ導かれる。そのため、ガスエンジン6で駆動力を発生するために用いられた燃料の燃焼排ガスの熱を利用して焼却炉3の炉内温度を上昇させることができる。ガスエンジン6で発生する駆動力は、第2発電機8を駆動して電力を得るために利用することができる。そのため、焼却炉3の温度を上昇させるためにのみ利用される別途の機器を設置することや、その機器を動作させるための燃料が不要となる。よって、製造コストおよび運用コストを増加させることなく焼却炉3を起動することができる廃棄物発電プラント1を提供することができる。
このような廃棄物発電プラント1によれば、所定時間とTemp1を焼却炉3の内部で大きな温度差が生じずかつ十分に加熱された状態となるように設定する(例えば、Temp1を400℃に設定する)ことにより、焼却炉3の内部を適切な温度状態とすることができる。また、その適切な温度状態において起動用バーナ3Gを着火することにより、焼却炉3の起動までに必要となる起動用燃料の消費量を少なくすることができる。
Temp2として焼却炉3で廃棄物の焼却を開始するのに適切な温度(例えば、600℃)を設定することにより、起動用バーナ3Gによる起動用燃料の消費量を、焼却炉3を起動するために必要な最小限の量とすることができる。
このようにすることで、廃棄物の燃焼により発生した熱により蒸気を生成し、蒸気のエネルギーを第1発電機7で電力として回収することができる。
以上の説明において、ガスエンジン6はメタン発酵槽5で生成したメタン含有バイオガスを燃料として用いるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、メタン、ブタン、プロパン等を主成分とした他の炭化水素系ガスを燃料として用いてもよい。
3 焼却炉
3A 投入ホッパ
3B ストーカ
3C 一次空気供給部
3D 焼却炉本体
3E ボイラ
3F 二次空気供給部
3G 起動用バーナ
3H 温度センサ(温度計測部)
3I フィーダ
4 蒸気タービン
5 メタン発酵槽
6 ガスエンジン(内燃機関)
7 第1発電機(タービン発電機)
8 第2発電機(内燃機関発電機)
12 廃棄物供給路
13 燃焼空気導入管
14 ごみピット
15 廃棄物供給路
16 排ガス排熱回収装置
21 蒸気供給管
22 給水供給管
24 復水器
26 給水加熱器
28 バイオガス供給管
29 汚泥排出管
30 ガスエンジン用燃焼排ガス管(排出流路)
30a 排出調整弁(調整部)
31 排ガス導入管(導入流路)
31a 導入調整弁(調整部)
50 制御装置(制御部)
D 廃棄物
Claims (7)
- 廃棄物処理プラントであって、
廃棄物を燃焼させる焼却炉と、
燃料を燃焼させて駆動力を発生する内燃機関と、
前記内燃機関から排出される排ガスを前記廃棄物処理プラントの外部へ導く排出流路と、
前記排ガスを前記焼却炉へ導く導入流路と、
前記焼却炉を起動する際に、前記内燃機関から排出される前記排ガスの少なくとも一部を前記導入流路へ供給するよう調整する調整部と、を備える廃棄物処理プラント。 - 前記内燃機関から伝達される前記駆動力により発電する内燃機関発電機を備える請求項1に記載の廃棄物処理プラント。
- 前記焼却炉は、
該焼却炉の内部の温度を計測する温度計測部と、
起動用燃料を燃焼させる起動用バーナと、を有し、
前記温度計測部が計測する温度が所定時間に渡って第1所定温度に維持した後に、前記起動用バーナが着火するよう制御する制御部を更に備える請求項1または請求項2に記載の廃棄物処理プラント。 - 前記制御部は、前記温度計測部が計測する温度が前記第1所定温度よりも高い第2所定温度に到達した場合に、前記廃棄物の投入を開始させ、前記起動用バーナを停止させるよう制御する請求項3に記載の廃棄物処理プラント。
- 前記内燃機関は、前記廃棄物から生成されたメタン含有バイオガスによって駆動するガスエンジンである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の廃棄物処理プラント。
- 前記焼却炉は、前記廃棄物を燃焼させて蒸気を生成し、
前記焼却炉が生成した前記蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記蒸気タービンから伝達される駆動力により発電するタービン発電機と、を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の廃棄物処理プラント。 - 廃棄物を燃焼させる焼却炉と、燃料により駆動する内燃機関と、を備える廃棄物処理プラントの起動方法であって、
前記内燃機関から排出される排ガスの少なくとも一部を前記焼却炉へ導く工程を備える廃棄物処理プラントの起動方法。
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