JP6869780B2 - 廃棄物処理プラント及び廃棄物処理プラントの運転方法 - Google Patents
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Description
廃棄物を焼却する焼却炉において、廃棄物である都市ごみ等を一定量で安定して供給することは困難である。また、質にバラツキがある廃棄物を焼却炉で燃焼させた場合に、燃焼ガスの発生量、燃焼空気量、燃料の供給量の変化等により、焼却炉で発生する熱量が変化する。焼却炉で発生する熱量が変化すると、それに伴って焼却炉で生成される蒸気の流量も変化する。特に、廃棄物として水分の多い低質ごみが投入された場合には、水分が蒸発する際に周囲の熱を奪うために焼却炉内の温度が低下し、それに伴って焼却炉で生成される蒸気の流量も低下してしまう。
特許文献1は、ごみ供給量を表わす給塵効率が上昇したときに、一次燃焼空気の供給量を増加側に補正し、一次燃焼空気の加熱温度の目標値を高温側に補正することで、凝縮した通気性の低いごみが供給された場合の燃焼量の低下を回避するものである。
本発明の一態様に係る廃棄物処理プラントは、廃棄物を燃焼させて蒸気を生成する焼却炉と、前記焼却炉が生成した前記蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記焼却炉へ供給される給水を加熱する加熱器と、前記蒸気タービンから前記加熱器へ前記蒸気を抽気する抽気流路と、燃料を燃焼させて駆動力を発生する内燃機関と、前記内燃機関から排出される排ガスを前記加熱器へ導く導入流路と、前記蒸気タービンの出力が目標出力となるように、前記蒸気タービンから前記加熱器へ抽気される前記蒸気の流量を調整する制御部と、を備え、前記制御部は、前記蒸気タービンから前記加熱器へ抽気される前記蒸気の流量に応じて、前記導入流路から前記加熱器へ導かれる前記排ガスの熱量を制御する。
また、制御部は、蒸気タービンから加熱器へ抽気される蒸気の流量に応じて、導入流路から加熱器へ導かれる排ガスの熱量を制御する。例えば、蒸気タービンから加熱器へ抽気される蒸気の流量を減少させた場合は、その減少分を補うように導入流路から加熱器へ導かれる排ガスの熱量を増加させる。そのため、加熱器へ抽気される蒸気の流量の減少により給水を加熱する熱量が減少する場合であっても、その減少分を補うように排ガスが給水を加熱する熱量が増加する。
蒸気タービンの出力が目標出力となるように制御部が内燃機関の出力を制御することで、ごみの性状の変化等により焼却炉で発生する熱量が変動する場合であっても、蒸気タービンの出力を一定に維持することが可能となる。
蒸気タービンの出力が目標出力となるように制御部が導入流路から加熱器へ導かれる排ガスの流量を調整することで、ごみの性状の変化等により焼却炉で発生する熱量が変動する場合であっても、蒸気タービンの出力を一定に維持することが可能となる。
このようにすることで、蒸気を凝縮した水を、内燃機関から排出される排ガスを熱源とする第1加熱器、および蒸気タービンから排出された蒸気を熱源とする第2加熱器の双方で加熱し、焼却炉へ供給することができる。
このようにすることで、廃棄物の燃焼により発生した熱により蒸気を生成し、蒸気のエネルギーをタービン発電機で電力として回収することができる。また、蒸気タービンの出力が目標出力となるように内燃機関の出力を制御することで、ごみの性状の変化等により焼却炉で発生する熱量が変動する場合であっても、タービン発電機の発電出力を一定に維持することが可能となる。
このようにすることで、内燃機関での燃料の燃焼により発生した駆動力を内燃機関発電機で電力として回収することができる。
前記廃棄物から生成されたメタン含有バイオガスを内燃機関であるガスエンジンの燃料として用いることができるため、内燃機関の燃料として廃棄物以外の別途の燃料を用いる必要がない。よって、廃棄物処理プラントの製造コストおよび運用コストを低減することができる。
また、第2制御工程は、蒸気タービンから加熱器へ抽気される蒸気の流量に応じて、導入流路から加熱器へ導かれる排ガスの熱量を制御する。例えば、蒸気タービンから加熱器へ抽気される蒸気の流量を減少させた場合は、その減少分を補うように導入流路から加熱器へ導かれる排ガスの熱量を増加させる。そのため、加熱器へ抽気される蒸気の流量の減少により給水を加熱する熱量が減少する場合であっても、その減少分を補うように排ガスが給水を加熱する熱量が増加する。
以下に、本発明の第1実施形態に係る廃棄物発電プラント(廃棄物処理プラント)1について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る廃棄物発電プラント1は、図1に示すように、廃棄物を燃焼して生成された燃焼ガスによって蒸気を生成する焼却炉3と、焼却炉3からの蒸気によって駆動される蒸気タービン4と、廃棄物からメタン含有バイオガスを生成するメタン発酵槽5と、メタン発酵槽5からのメタン含有バイオガスを燃焼させて駆動力を発生するガスエンジン(内燃機関)6と、廃棄物発電プラント1の全体を制御する制御装置50と、を備えている。
焼却炉3は、例えば図2に示すストーカ式焼却炉であり、廃棄物Dを受け入れる投入ホッパ3Aと、投入ホッパ3Aに投入された廃棄物Dを炉内に供給するフィーダ3Iと、フィーダ3Iから供給された廃棄物Dを移送するストーカ3Bと、ストーカ3Bの下方から一次空気を供給する一次空気供給部3Cと、ストーカ3Bが移送する廃棄物Dを燃焼する焼却炉本体3Dと、焼却炉本体3Dから排出される燃焼排ガスによって水蒸気を生成するボイラ3Eと、焼却炉本体3Dへ二次空気を供給する二次空気供給部3Fと、焼却炉3を起動する際に用いられる起動用バーナ3Gと、焼却炉本体3Dの炉内温度を計測する温度センサ3Hと、を備える。
フィーダ3Iは、板状の部材を水平方向に移動させることにより、板状の部材に積載される廃棄物Dをストーカ3Bへ供給する。
ここで、制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
図3において、SSVは焼却炉3から蒸気タービン4へ供給される蒸気流量の目標値を示し、SPVは焼却炉3から蒸気タービン4へ供給される蒸気流量の実測値を示す。また、ESVはガスエンジン6の出力の設定値を示し、EPVはガスエンジン6の出力の実測値を示す。
なお、目標値SSVとして、焼却炉3で発生させる蒸気流量の目標値そのものを設定してもよいし、焼却炉3で発生させる蒸気流量の目標値から所定値を減算した下限値を設定してもよい。
以上の補正値算出部50Dおよびコントローラ50Eの処理により、目標値SSVよりも実測値SPVが低い場合に、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気する蒸気流量を減少させて蒸気タービン4の出力を増加させることができる。
下限リミッタ50Aは、入力される値が正の値である場合にその値を補正値算出部50Bへ出力し、入力される値が負の値である場合に「0」の値を補正値算出部50Bへ出力する。すなわち、下限リミッタ50Aは、目標値SSVよりも実測値SPVが低い場合に、正の値を補正値算出部50Bへ出力する。目標値SSVよりも実測値SPVが低い場合、給水加熱器40へ抽気される蒸気の減少分を補うために、正の値を補正値算出部50Bへ出力する。
なお、ガスエンジン6から排出された燃焼排ガスを給水加熱器40に常時流している場合には、下限リミッタ50Aを使用せず、給水加熱器40へ抽気される蒸気を増加させる必要がある場合に、負の値を補正値算出部50Bへ出力してもよい。
以上の補正値算出部50Bおよびコントローラ50Cの処理により、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気する蒸気流量を減少させた場合に、その蒸気流量の減少に伴う給水温度の減少を補うことができる。
本実施形態の廃棄物発電プラント1によれば、制御装置50が、蒸気タービン4の出力が目標出力となるように、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気される蒸気の流量を調整する。例えば、蒸気タービン4の出力が目標出力よりも低い場合は、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気される蒸気の流量を減少させることにより、蒸気タービン4の出力が上昇する。
また、制御装置50は、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気される蒸気の流量に応じて、排ガス導入管31から給水加熱器40へ導かれる排ガスの熱量を制御する。例えば、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気される蒸気の流量を減少させた場合は、その減少分を補うように排ガス導入管31から給水加熱器40へ導かれる排ガスの熱量を増加させる。そのため、給水加熱器40へ抽気される蒸気の流量の減少により給水を加熱する熱量が減少する場合であっても、その減少分を補うように排ガスが給水を加熱する熱量が増加する。
以下、本発明の第2実施形態に係る廃棄物発電プラント(廃棄物処理プラント)1Aについて、図面を参照して説明する。
本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する部分を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
また、他の態様として、排出調整弁30aをガスエンジン用燃焼排ガス管30に設けない態様としてもよい。
図5において、SSVは焼却炉3から蒸気タービン4へ供給される蒸気流量の目標値を示し、SPVは焼却炉3から蒸気タービン4へ供給される蒸気流量の実測値を示す。また、VSVは導入調整弁31aの開度の設定値を示し、VPVは導入調整弁31aの開度の実測値を示す。
下限リミッタ50Aは、入力される値が正の値である場合にその値を補正値算出部51Bへ出力し、入力される値が負の値である場合に「0」の値を補正値算出部50Bへ出力する。すなわち、下限リミッタ50Aは、目標値SSVよりも実測値SPVが低い場合に、正の値を補正値算出部51Bへ出力する。目標値SSVよりも実測値SPVが低い場合、給水加熱器40へ抽気される蒸気の減少分を補うために、正の値を補正値算出部51Bへ出力する。
なお、ガスエンジン6から排出された燃焼排ガスを給水加熱器40に常時流している場合には、下限リミッタ50Aを使用せず、給水加熱器40へ抽気される蒸気を増加させる必要がある場合に、負の値を補正値算出部50Bへ出力してもよい。
以上の補正値算出部51Bおよびコントローラ51Cの処理により、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気する蒸気流量を減少させた場合に、その蒸気流量の減少に伴う給水温度の減少を補うことができる。
以下、本発明の第3実施形態に係る廃棄物発電プラント(廃棄物処理プラント)について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、第1実施形態および第2実施形態の変形例であり、以下で特に説明する部分を除き、第1実施形態および第2実施形態と同様であるものとする。
それに対して本実施形態の廃棄物発電プラントは、蒸気流量の目標値SSVよりも実測値SPVが低くなる場合に、蒸気タービン4から給水加熱器40へ抽気される蒸気流量の減少分を補うように、ガスエンジン6の出力および導入調整弁31aの開度の双方を増加させるものである。
図6に示すように、本実施形態の制御装置52は、下限リミッタ50Aと、補正値算出部50Bと、コントローラ50Cと、補正値算出部51Bと、コントローラ51Cと、補正値算出部50Dと、コントローラ50Eとを、機能ブロックとして備える。ここで、下限リミッタ50Aは、第1実施形態および第2実施形態と同様である。また、補正値算出部50Bおよびコントローラ50Cは、第1実施形態と同様である。また、補正値算出部51Bおよびコントローラ51Cは、第2実施形態と同様である。また、補正値算出部50Dおよびコントローラ50Eは、第1実施形態および第2実施形態と同様である。
以上の説明において、ガスエンジン6はメタン発酵槽5で生成したメタン含有バイオガスを燃料として用いるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、メタン、ブタン、プロパン等を主成分とした他の炭化水素系ガスを燃料として用いてもよい。
3 焼却炉
3A 投入ホッパ
3B ストーカ
3C 一次空気供給部
3D 焼却炉本体
3E ボイラ
3F 二次空気供給部
3G 起動用バーナ
3H 温度センサ(温度計測部)
3I フィーダ
4 蒸気タービン
5 メタン発酵槽
6 ガスエンジン(内燃機関)
7 第1発電機(タービン発電機)
8 第2発電機(内燃機関発電機)
12 廃棄物供給路
13 燃焼空気導入管
14 ごみピット
15 廃棄物供給路
16 排ガス排熱回収装置
21 蒸気供給管
22 給水供給管
23 抽気蒸気管(抽気流路)
23a 抽気調整弁
24 復水器
28 バイオガス供給管
29 汚泥排出管
30 ガスエンジン用燃焼排ガス管
30a 排出調整弁
31 排ガス導入管(導入流路)
31a 導入調整弁
40 給水加熱器
41 第1給水加熱器
42 第2給水加熱器
50,51,52 制御装置(制御部)
D 廃棄物
Claims (8)
- 廃棄物処理プラントであって、
廃棄物を燃焼させて蒸気を生成する焼却炉と、
前記焼却炉が生成した前記蒸気によって駆動される蒸気タービンと、
前記焼却炉へ供給される給水を加熱する加熱器と、
前記蒸気タービンから前記加熱器へ前記蒸気を抽気する抽気流路と、
燃料を燃焼させて駆動力を発生する内燃機関と、
前記内燃機関から排出される排ガスを前記加熱器へ導く導入流路と、
前記蒸気タービンの出力が目標出力となるように、前記蒸気タービンから前記加熱器へ抽気される前記蒸気の流量を調整する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記蒸気タービンから前記加熱器へ抽気される前記蒸気の流量に応じて、前記導入流路から前記加熱器へ導かれる前記排ガスの熱量を制御する廃棄物処理プラント。 - 前記制御部は、前記導入流路から前記加熱器へ導かれる前記排ガスの熱量が調整されるよう前記内燃機関の出力を制御する請求項1に記載の廃棄物処理プラント。
- 前記導入流路に配置されるとともに前記加熱器へ導かれる前記排ガスの流量を調整する導入調整弁を備え、
前記制御部は、前記導入流路から前記加熱器へ導かれる前記排ガスの流量が調整されるよう前記導入調整弁の開度を制御する請求項1に記載の廃棄物処理プラント。 - 前記加熱器は、前記蒸気タービンから排出された前記蒸気を凝縮した水を加熱する第1加熱器および第2加熱器を有し、
前記導入流路は、前記内燃機関から排出される排ガスを前記第1加熱器へ導き、
前記抽気流路は、前記蒸気タービンから前記第2加熱器へ前記蒸気を抽気する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の廃棄物処理プラント。 - 前記蒸気タービンから伝達される駆動力により発電するタービン発電機を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の廃棄物処理プラント。
- 前記内燃機関から伝達される前記駆動力により発電する内燃機関発電機を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の廃棄物処理プラント。
- 前記内燃機関は、前記廃棄物から生成されたメタン含有バイオガスによって駆動するガスエンジンである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の廃棄物処理プラント。
- 廃棄物を燃焼させて蒸気を生成する焼却炉と、前記焼却炉が生成した前記蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記焼却炉へ供給される給水を加熱する加熱器と、前記蒸気タービンから前記加熱器へ前記蒸気を抽気する抽気流路と、燃料を燃焼させて駆動力を発生する内燃機関と、前記内燃機関から排出される排ガスを前記加熱器へ導く導入流路と、を備える廃棄物処理プラントの運転方法であって、
前記蒸気タービンの出力が目標出力となるように、前記蒸気タービンから前記加熱器へ抽気される前記蒸気の流量を調整するよう前記抽気流路に配置される抽気調整弁を制御する第1制御工程と、
前記蒸気タービンから前記加熱器へ抽気される前記蒸気の流量に応じて、前記導入流路から前記加熱器へ導かれる前記排ガスの熱量を制御する第2制御工程と、を備える廃棄物処理プラントの運転方法。
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