JP5438146B2 - 加圧流動炉システム - Google Patents

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Description

本発明は、下水汚泥、バイオマス、塵芥、屎尿汚泥、都市ゴミ等の被処理物を燃焼する加圧流動炉システムに関するものであり、より詳細には、加圧流動炉から排出される燃焼排ガスの利用率を高めるために、加圧流動炉に燃焼空気を供給する過給器の上流側と下流側にそれぞれ廃熱ボイラを備えた加圧流動炉システムに関する。
被処理物を加圧下で燃焼処理する加圧流動炉システムが知られている。このシステムでは、加圧流動炉から排出された燃焼排ガスの有する熱エネルギーおよび圧力を利用して過給機を駆動させ、圧縮空気を生成し、この圧縮空気を、加圧流動炉で燃焼に必要な燃焼空気とすることを特徴とする燃焼システムである。このように被処理物を燃焼処理させた際に生じる燃焼排ガスにより燃焼空気を生成できるため、燃焼空気を供給するためのブロワを設ける必要はなく、省エネルギー型の燃焼設備として開発が進められている。
このような加圧流動炉システムにおいては、加圧流動炉に燃焼空気を供給する過給器の下流側に廃熱ボイラを配置して、熱回収を行い、廃熱ボイラから排出される水蒸気を過給器の上流側に還元し、過給器に供給する燃焼排ガスの容量を増加させる加圧焼却炉設備が提案されている(特許文献1)。
特開2008−25965号公報
しかしながら、加圧流動炉から排出される燃焼排ガスは、相応の熱量を有しているものの特許文献1に記載された廃熱ボイラは、過給機の下流側にのみ配置されているため、途中の配管や機器からの放熱、また、過給機による熱エネルギーの消費により燃焼排ガスの熱回収率が低いというおそれがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、加圧流動炉から排出される燃焼排ガスの熱回収率を高めた加圧流動炉システムを具現し、加圧流動炉に燃焼空気を供給する燃焼排ガスによって回動させられるタービンとタービンの回動に伴って回動させられるコンプレッサーを内装する過給機の安定的な駆動を具現することにある。
上記課題を解決した本発明及び作用効果は次のとおりである。
第1発明は、被処理物を燃焼させる加圧流動炉と、該加圧流動炉から排出された燃焼排ガスと加圧流動炉に供給される燃焼空気の熱交換を行なう空気予熱器と、該燃焼排ガスによって回動させられるタービンとタービンの回動に伴って回動させられるコンプレッサーを内装する過給機と、前記燃焼排ガス内の不純物を除去する排煙処理塔を備える加圧流動炉システムにおいて、
前記加圧流動炉と過給機の間に、前記空気予熱器と並列させて水蒸気を生成する第一廃熱ボイラを配置し、
前記過給機と排煙処理塔の間に、水蒸気を生成する第二廃熱ボイラを配置したことを特徴とする。
(作用効果)
加圧流動炉と過給機の間に、空気予熱器と並列させて水蒸気を生成する第一廃熱ボイラを配置し、前記過給機と排煙処理塔の間に、水蒸気を生成する第二廃熱ボイラを配置しているので、過給機で必要な熱エネルギーを残しつつ、余剰の熱エネルギーを回収することができる。したがって加圧流動炉から排出された燃焼排ガスからの熱回収率を向上させることが可能となる。
第2発明は、本第1発明の構成において、前記第一廃熱ボイラおよび第二廃熱ボイラの少なくとも一方から排出された水蒸気を発電装置に供給することを特徴とする。
(作用効果)
第一廃熱ボイラ、および第二廃熱ボイラの少なくとも一方から排出された水蒸気により発電する発電装置に供給するので、加圧流動炉から排出された燃焼排ガスの有するエネルギーを電気に替えて効率良く使用することができる。なお、発電した電気は、施設内で使用することが可能である。
第3発明は、第1又は2発明の構成において、前記廃熱ボイラのうち、第二廃熱ボイラにのみ、灰排出装置を設けていることを特徴とする。
(作用効果)
圧力が低下した焼排ガスが供給される第二廃熱ボイラにのみ灰排出装置を設けることで設備コストを低減しつつ、メンテナンス性を向上させることが可能となる。
第4発明は、第1〜3発明の構成において、前記第一廃熱ボイラ、第二廃熱ボイラおよび発電装置の少なくとも1つから排出された水蒸気を白煙防止用空気の温度を上昇させる白煙防止用熱交換器に供給することを特徴とする。
(作用効果)
第一廃熱ボイラ、第二廃熱ボイラおよび発電装置の少なくとも1つから排出された水蒸気を白煙防止用空気の温度を上昇させる白煙防止用熱交換器に供給するので、加圧流動炉から排出された燃焼排ガスの有するエネルギーを白煙防止用空気の温度の上昇に使用してより一層効率良く使用することができる。
第5発明は、第1〜4発明の構成において、前記空気予熱器の燃焼排ガスの排出口の下流側近傍に第一流量調整器を配置し、該第一流量調整器によって前記空気予熱器に流入する燃焼排ガスの流量を調整することを特徴とする。
(作用効果)
空気予熱器の下流側に第一流量調整器を配置し、第一流量調整器によって空気予熱器に流入する燃焼排ガスの流量を調整するので、加圧流動炉の温度を所定の温度に維持し、加圧流動炉から排出される燃焼排ガスによって過給機を安定に駆動することができる。なお、第一流量調整器として、ダンパや弁など開閉機構を備えた機器を用いることが好ましい。
第6発明は、第5発明の構成において、前記第一廃熱ボイラに水を供給するポンプを配置し、該ポンプによって前記過給機に供給する燃焼排ガスの温度を調整することを特徴とする。
(作用効果)
ポンプによって過給機に供給する燃焼排ガスの温度を調整するので、加圧流動炉から排出される燃焼排ガスによって過給機をより一層安定に駆動することができる。
第7発明は、第5発明の構成において、前記過給機の燃焼排ガスの供給口の上流側近傍と燃焼排ガスの排出口の過給側近傍を接続した分岐管に第二流量調整器を配置し、該第二流量調整器によって前記過給機に供給する燃焼排ガスの流量を調整することを特徴とする。
(作用効果)
過給機の燃焼排ガスの供給口の上流側近傍と燃焼排ガスの排出口の過給側近傍を接続した分岐管に第二流量調整器を配置し、第二流量調整器によって前記過給機に供給する燃焼排ガスの流量を調整するので、加圧流動炉から排出される燃焼排ガスによって過給機をより一層安定に駆動することができる。なお、第二流量調整器として、ダンパや弁など開閉機構を備えた機器を用いることが好ましい。
第8発明は、第1〜7発明の構成において、前記加圧流動炉に被処理物を供給する配管には、被処理を加熱する被処理物加熱装置が設けられていることを特徴とする。
(作用効果)
被処理物を加熱することで加圧流動炉への入熱を増やすことが可能となるとともに、被処理物の流動性が向上するため、投入ポンプの必要動力を低減させることができる。
加圧流動炉から排出される燃焼排ガスの利用率を高め、加圧流動炉に燃焼空気を供給する過給器を安定的に駆動させることができる加圧流動炉システムを提案する。
第1実施形態の加圧流動炉システムの説明図である。 図1の部分拡大図である。 図1の部分拡大図である。 図1の部分拡大図である。 第2実施形態の加圧流動炉システムの説明図である。 図5の部分拡大図である。 図5の部分拡大図である。 図5の部分拡大図である。
以下、本発明の第1実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
<第1実施形態>
第1実施形態の加圧流動炉システム1を図1に示す。本システムは、下水汚泥や、都市ゴミ等の有機物が含有された被処理物を貯留する貯留装置10と、被処理物を焼却する加圧流動炉20と、燃焼排ガスと燃焼空気の熱交換を行なう空気予熱器40と、燃焼排ガス中の燃焼灰や粉塵等を捕集する集塵機50と、燃焼排ガスによって回動されるタービン61とタービン61の回動に伴って回動し加圧流動炉20に燃焼空気を供給するコンプレッサー62を内装する過給機60と、燃焼排ガスを外部に排出する排煙処理塔80を備えている。
また、加圧流動炉20と集塵機50の間には、蒸気を生成する第一廃熱ボイラ100が気予熱器40と並列して設けられており、過給機60と排煙処理塔80の間には、蒸気を生成する第二廃熱ボイラ110が設けられている。
(貯留装置)
貯留装置10には、含水率を65〜85質量%程度に脱水処理された下水汚泥などの被処理物が貯留される。
貯留装置10の下部には、図1、図2に示すように、加圧流動炉20に所定量の被処理物を供給する定量フィーダ11が配置される。定量フィーダ11の下部には、加圧流動炉20に被処理物を圧送する投入ポンプ12が配置されている。なお、投入ポンプ12としては、一軸ネジ式ポンプ、ピストンポンプ等を使用することができる。
投入ポンプ12と加圧流動炉20とを連通する配管には、被処理物を加温する被処理物加熱装置13Cを設けても良い。被処理物加熱装置13Cには、第一廃熱ボイラ、第二廃熱ボイラ、もしくは発電装置120から排出される水蒸気のうち少なくとも一つが供給され、被処理物を加熱する。被処理物加熱装置13Cは、2重管式の熱交換器や、プレート式熱交換器などが適用できる。
(加圧流動炉)
加圧流動炉20の下部には、流動媒体となる所定の粒径を有する砂等の固体粒子が充填されている。加圧流動炉20は、供給される燃焼空気によって固体粒子からなる流動層(砂層)の流動状態を維持しつつ、外部から供給される被処理物、必要に応じて供給される都市ガス、重油等の補助燃料を燃焼させるものである。
加圧流動炉20は、図1、図2に示すように、一側の側壁の下部には、砂層を加熱する補助燃料燃焼装置21が配置され、補助燃料燃焼装置21の上側近傍の部位には、始動時に砂層を加熱する始動用バーナ22が配置されている。また、加圧流動炉20の上部には、燃焼排ガスを冷却するためのウオータガン(図示省略)が配置され、燃焼排ガスの温度が所定温度以上に上昇した場合には冷却水を炉内に噴霧する。
加圧流動炉20の他側の側壁の下部には、加圧流動炉20の内部に燃焼空気を供給する燃焼空気供給管24が配置され、上部の細径化された側壁には、被処理物、補助燃料等の燃焼によって発生した排ガス、水蒸気を外部に排出する排出口90Aが形成されている。
また、加圧流動炉20の側壁には、加圧流動炉20の内部の温度を測定するために、温度センサ(第一温度センサ)20Aが設置されている。なお、本明細書においては、排ガス、水蒸気を総称して燃焼排ガスというものとする。
(空気予熱器)
加圧流動炉20からは排出された燃焼排ガスは、加圧流動炉20の後段に設置された空気予熱器40に配管90を介して供給される。空気予熱器40では、加圧流動炉20に供給される燃焼空気の温度を上昇させるために、燃焼排ガスと燃焼空気を間接的に熱交換が行われる。なお、空気予熱器40としては、シェルアンドチューブ式熱交換器を使用するのが望ましい。
空気予熱器40は、図1、図3に示すように、上部には、加圧流動炉20から排出された圧力約100〜200kPa、温度約850℃の燃焼排ガスを機内に供給する供給口90Bが形成され、一側の側壁の上部には、温度約130〜650℃の燃焼空気を機外に排出する排出口91Aが形成されている。また、燃焼排ガスの供給口90Bは、配管90を介して加圧流動炉20の排出口90Aに接続され、燃焼空気の排出口91Aは、配管91を介して加圧流動炉20に設けられた燃焼空気供給管24の後部に接続されている。
空気予熱器40の他側の側壁の下部には、圧力約100〜200kPa、温度約200〜700℃の燃焼排ガスを機外に排出する排出口92Aが形成され、排出口92Aの上側近傍の部位には、圧力約100〜200kPa、温度約10〜140℃の燃焼空気を機内に供給する供給口95Bが形成されている。
(第一廃熱ボイラ)
第一廃熱ボイラ100は、加圧流動炉20の後段に空気予熱器40と並列に配置され、加圧流動炉20から排出される燃焼排ガスを有効に活用するために、加圧流動炉20から供給された燃焼排ガスによって第一廃熱ボイラ100に供給された水の温度を上昇させて水蒸気にする機器である。なお、第一廃熱ボイラ100の設置位置は、空気予熱器40と並列に限定されることはなく、加圧流動炉20と過給機60の間であれば、空気予熱器40と直列に設置しても良い。なお、第一廃熱ボイラ100には公知の廃熱ボイラを使用することができるが、特に水管ボイラを採用することが好ましい。
第一廃熱ボイラ100は、図1、図3に示すように、上部には、加圧流動炉20から排出された圧力約100〜200kPa、温度約850℃の燃焼排ガスを機内に供給する供給口90Cが形成され、側壁の上部には、水蒸気を機外に排出する複数の排出口101Aが形成されている。また、燃焼排ガスの供給口90Cは、配管90を介して加圧流動炉20の排出口90Aに接続されており、配管90は、中間部で第一廃熱ボイラ100の供給口90Cに延伸する分岐管を有している。
第一廃熱ボイラ100の他側の側壁の下部には、燃焼排ガスを機外に排出する排出口92Cが形成され、側壁の下部には、ポンプ81Cを介して外部から供給される水を機内に供給する供給口101Cが形成されている。
第一廃熱ボイラ100の上方には、第一廃熱ボイラ100で生成された水蒸気を貯留する蒸気ドラム102が配置されている。
蒸気ドラム102の下部には、水蒸気を機内に供給する複数の供給口101Bが形成され、上部には、貯留された水蒸気を機外に排出する排出口103Aが形成されている。また、水蒸気の供給口101Bは、配管101を介して第一廃熱ボイラ100の排出口101Aに接続されている。
第一廃熱ボイラ100の下方には、蒸気ドラム102で貯留された水蒸気に含まれる水分を除去するスチームヘッダ104が配置されている。
スチームヘッダ104の上面の一側には、蒸気ドラム102で貯留された水蒸気を機内に供給する供給口103Bと、後述する第二廃熱ボイラ110から排出された水蒸気を機内に供給する供給口103Cが形成され、他側には、水分が除去された蒸気を機外に排出する排出口105Aが形成されている。また、水蒸気の供給口103Bは、配管103を介して蒸気ドラム102の排出口103Aに接続されており、供給口103Cは、配管112を介して第二廃熱ボイラ110の排出口110Aに接続されている。
スチームヘッダ104の後段には、スチームを利用して発電する発電装置120が設置されている。発電装置120として、供給されたスチームによりスチームタービンや、スクリュウロータを回転させ発電する発電装置、スチームを利用して装置内を循環する熱媒を蒸発させ、蒸発した熱媒によりタービンを駆動させるランキンサイクルを利用した発電装置などを採用することができる。
発電装置120の上面の一側には、蒸気を供給する供給口105Bが形成され、他側には、第一廃熱ボイラ100内を循環した蒸気を排出する排出口105Cが形成されている。また、蒸気を供給する供給口105Bは、配管105を介してスチームヘッダ104の排出口105Aに接続されており、発電装置120の排出口105Cから排出された蒸気は、白煙防止用熱交換器70に供給される。
(集塵機)
空気予熱器40および第一廃熱ボイラ100から排出された燃焼排ガスは、合流後、集塵機50に供給される。集塵機50では、燃焼排ガス中の焼却灰やダスト、流動砂等の不純物が除去される。なお、集塵機50としては、セラミックバグフィルタ、サイクロンなど公知の集塵機を用いることができるが、特にセラミックバグフィルタが好適である。
集塵機50は、図1、図3に示すように、一側の側壁の下部には、空気予熱器40と第一廃熱ボイラ100から排出された圧力100〜200kPa、温度200〜700℃の燃焼排ガスを機内に供給する供給口92Bが形成され、上部には、不純物等が取除かれた燃焼排ガスを機外に排出する排出口93Aが形成されている。また、燃焼排ガスの供給口92Bは、配管92を介して空気予熱器40の燃焼排ガスの排出口92Aと、第一廃熱ボイラ100の燃焼排ガスの排出口92Cに接続されており、排出口92A、92Cの近傍には、それぞれダンパ等からなる流量調整器92G、92Hが設けられている。
集塵機50内には、燃焼排ガスに混在する不純物等を取除くために、下部に形成された供給口92Bと上部に形成された排出口93Aの上下方向に間の部位に、セラミックバグフィルタ等から選択されるフィルタ(図示省略)が内装されている。フィルタで取除かれた燃焼排ガス中の不純物等は、集塵機50内の底部に一時的に貯留された後、定期的に外部に排出される。
(過給機)
過給機60は、集塵機50の後段に配置されており、集塵機50から排出される燃焼排ガスによって回動されるタービン61と、タービン61の回動をコンプレッサー62に伝動する軸63と、軸63を介して伝動されたタービン61の回動に伴って回動して燃焼空気を生成するコンプレッサー62とを備える機器である。
過給機60には、図1、図3に示すように、タービン61の下部には、集塵機50から排出される圧力100〜200kPa、温度200〜650℃の燃焼排ガスを機内に供給する供給口93Eが形成され、タービン61の側部には、燃焼排ガスを機外に排出する排出口97Eが形成されている。また、燃焼排ガスの供給口93Eは、配管93を介して集塵機50の排出口93Aに接続されており、供給口93Eの近傍には、供給される燃焼排ガスの温度を測定する温度センサ(第二温度センサ)93Fが配置されている。
過給機60のコンプレッサー62の側部には、空気を機内に供給する供給口67Eが形成され、コンプレッサー62の上部には、圧力150〜200kPa、温度約15〜150℃の燃焼空気を機外に排出する排出口94Eが形成されている。
空気の供給口67Eは、配管67、66を介して起動用ブロワ65に接続され、燃焼空気の排出口94Eは、配管94、96、95を介して空気予熱器40の供給口95Bと、配管94、96を介して加圧流動炉20の始動用バーナ22の後部にそれぞれ接続されて制御されている。
(起動用ブロワ)
起動用ブロワ65は、加圧流動炉システム1の始動時に、始動用バーナ22に燃焼空気を供給する機器である。また、起動用ブロワ65は、貯留装置10からの被処理物の供給の中断等によって、過給機60のタービン61に供給される燃焼排ガスが減少し、コンプレッサー62から排出される燃焼空気が減少した場合に、強制的にコンプレッサー62に外気を供給する機能を併せ持っている。
被処理物から発生する臭気ガスを加圧流動炉20で燃焼させて脱臭するため貯留装置10は配管15を介して配管16に接続されている。また、過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気量を計測する流量計95Gが設けられている。
(第二廃熱ボイラ)
第二廃熱ボイラ110は、過給機60の後段に配置され、過給機60から排出される燃焼排ガスを有効に活用するために、過給機60から供給された燃焼排ガスによって第二廃熱ボイラ110に供給された水の温度を上昇させて水蒸気にする機器である。
第二廃熱ボイラ110は、図1、図4に示すように、一側の側壁には、過給機60から排出された温度200〜550℃の燃焼排ガスを機内に供給する供給口97Bが形成され、他側の側壁には、燃焼排ガスを機外に排出する排気口98Aが設けられている。また、上部には、ポンプ81Cを介して外部から供給される水を機内に供給する供給口110Bと、第二廃熱ボイラ110内で生成された水蒸気を機外に排出する排出口110Aが設けられている。また、下部には、内部に堆積した粉塵などを排出するためのたとえば、バルブなどからなる、灰排出装置110Cが備えられている。なお、第二廃熱ボイラ110には、公知のボイラを採用することができるが、水管ボイラが好適である。
燃焼排ガスの供給口97Bは、配管97を介して過給機60の排出口97Eに接続されている。また、配管93と配管97は配管114で接続され、配管114には、過給機60に供給される燃焼排ガスの流量を調整する流量調整器(第二流量調整器)114Dが設置されている。
(白煙防止用熱交換器)
白煙防止用熱交換器70は、発電装置120から供給された水蒸気と白煙防止ファン65Aから供給された白煙防止用空気を間接的に熱交換する機器である。白煙防止用熱交換器70としてシェルアンドチューブ式熱交換器やプレート式熱交換器を使用することができる。
白煙防止用熱交換器70は、図1、図4に示すように、一側の側壁には、白煙防止ファン65Aから排出された圧力3〜10kPa、温度約10〜40℃の白煙防止用空気を機内に供給する供給口70Aが形成され、下部には、第二廃熱ボイラ110から排出された水蒸気を機内に供給する供給口70Bが形成されている。
また、他側の側壁には、熱交換によって温度約70〜95℃に上昇した白煙防止用空気を機外に排出する排出口70Cが形成され、上部には、水蒸気を機外に排出する排出口70Dが形成されている。
(排煙処理塔)
排煙処理塔80は、燃焼排ガスに含まれる不純物等の外部への排出を防止する機器であり、排煙処理塔80の上部には煙突87が配置されている。なお、煙突87は、排煙処理塔80の上部に設置されているが、これに限定されることなく、排煙処理塔とは別に独立して設置しても良い。
排煙処理塔80は、図1、図4に示すように、一側の側壁の下部には、第二廃熱ボイラ110から排出された燃焼排ガスを機内に供給する供給口98Bが形成され、煙突87の一側の側壁の下部には、白煙防止用熱交換器70から排出された白煙防止用空気を煙突87に供給する供給口99Bが形成されている。また、燃焼排ガスの供給口98Bは、配管98を介して第二廃熱ボイラ110の側壁に形成された排出口98Aに接続され、白煙防止用空気の供給口99Bは、配管99を介して白煙防止用熱交換器70の側壁に形成された排出口70Cに接続されている。
排煙処理塔80の他側の側壁の上部には、外部から供給される水を機内に噴霧する噴霧管84が配置され、中間部と、下部には、それぞれ、循環ポンプ83を介して排煙処理塔80の底部に貯留された苛性ソーダが含有された苛性ソーダ水を機内に噴霧する噴霧管85が配置されている。
排煙処理塔80に貯留された苛性ソーダ水は、苛性ソーダポンプを介して苛性ソーダタンクから供給され、常時適正量に維持されている。また、排煙処理塔80から排出される温度50〜80℃の排水を有する熱エネルギーを回収し、再利用する熱利用装置を設けることができる。熱利用装置として、バイナリー発電(図示省略)などを使用することが可能である。
排煙処理塔80に供給された燃焼排ガスは、不純物等を除去された後、白煙防止用空気と混合され、煙突87から外部に排出される。
(燃焼排ガスの制御)
加圧流動炉システム1の定常運転を維持するためには、加圧流動炉20から排出された燃焼排ガスを過給機60のタービン61に所定量供給し、タービン61の回動に伴って回動するコンプレッサー62から排出された燃焼空気を加圧流動炉20に所定量供給する必要がある。
先ず、第一ステップとして、加圧流動炉20から排出される燃焼排ガスの温度を所定の温度に維持するために加圧流動炉20の側壁に配置された第一温度センサ20Aの測定値に応じて、空気予熱器40の排出口92Aの近傍に配置された流量調整器92Gを駆動し、空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を調整する。
第一温度センサ20Aの測定値が所定の温度(650〜900℃)よりも低い場合には、流量調整器(第一流量調整器)92Gを開方向に駆動して、空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を増加させて、空気予熱器40への供給熱量を増加させ、燃焼空気の温度を上昇させる。これにより、温度が上昇した燃焼空気が加圧流動炉20に供給されるために加圧流動炉20の温度が上昇し、加圧流動炉20から排出される燃焼排ガスの温度を上昇させることができる。
一方、第一温度センサ20Aの測定値が所定の温度(650〜900℃)よりも高い場合には、流量調整器(第一流量調整器)92Gを閉方向に駆動して、空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を減少させて、空気予熱器への供給熱量を減少させ、燃焼空気の温度を下降させる。これにより、温度が下降した燃焼空気が加圧流動炉20に供給されるために加圧流動炉20の温度が下降し、加圧流動炉20から排出される燃焼排ガスの温度が下降させることができる。
なお、第一ステップにあっては、空気予熱器40の流量調整器(第一流量調整器)92Gを駆動して空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を調整しているが、第一廃熱ボイラ100の排出口92Cの近傍に配置された流量調整器92Hを駆動して空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を調整することもできる。
次に、第二ステップとして、過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量を所定の流量に維持するために、過給機60と空気予熱器40を接続する配管95に配置された流量計95Gの測定値に応じて、ポンプ81Cを駆動し、第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を調整する。
流量計95Gの測定値が補助燃料供給量、および被処理物供給量に基づいて算定した所定の設定値よりも低い場合、ポンプ81Cの回転数を低下、および/または流量制御弁81Eの開度を閉方向に調整して第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を減少させて、第一廃熱ボイラ100から排出される燃焼排ガスの温度を上昇させる。これにより、温度が上昇した燃焼排ガスが過給機60のタービン61に供給されるためにタービン61の回転数が増加し、タービン61の回動に伴って回動する過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量が増加する。
一方、流量計95Gの測定値が所定の設定値よりも高い場合、ポンプ81Cの回転数を増加、および/または流量制御弁81Eの開度を開方向に調整して、第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を増加させて、第一廃熱ボイラ100から排出される燃焼空気の温度を低下させる。これにより、温度が低下した燃焼空気が過給機60のタービン61に供給されるためタービン61の回転数が低下し、タービン61の回動に伴って回動する過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量が減少する。
また、第二ステップに替えて、第三ステップとして過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量を所定の排出量に維持するために、過給機60と空気予熱器40を接続する配管95に配置された流量計95Gの測定値に応じて、配管114に配置された流量調整器114Dを駆動し、過給機60を経由することなく配管114を介して第二廃熱ボイラ110に供給される燃焼排ガスの供給量を調整することもできる。
流量計95Gの測定値が所定の設定値よりも低い場合、流量調整器114Dを駆動して、配管114を流れて第二廃熱ボイラ110に供給される燃焼排ガスの供給量を減少させる。これにより、多量の燃焼排ガスが過給機60のタービン61に供給されるためにタービン61の回転数が増加し、タービン61の回動に伴って回動する過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量が増加する。
一方、流量計95Gの測定値が所定の設定値よりも低い場合、流量調整器114Dを駆動して、配管114を流れて第二廃熱ボイラ110に供給される燃焼排ガスの供給量を増加させる。これにより、少量の燃焼排ガスが過給機60のタービン61に供給されるためにタービン61の回転数が低下し、タービン61の回動に伴って回動する過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量が減少する。
さらに、第二ステップ、第三ステップに替えてあるいは第四ステップとして、過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量を所定流量に維持するために、過給機60の供給口93Eの近傍に配置された第二温度センサ93Fの測定値に応じて、ポンプ81Cの回転数、および/または流量制御弁81Eの開度を調整し、第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を調整することもできる。
なお、第一ステップ乃至第四ステップは、制御順序を特定する必要はなく、それぞれを同時に行うことが好ましい。
第二温度センサ93Fの測定値が所定の設定値(250〜650℃)よりも低い場合、ポンプ81Cの回転数を低下、および/または流量制御弁81Eの開度を閉方向を調整して第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を減少させて、第一廃熱ボイラ100から排出される燃焼排ガスの温度を上昇させる。これにより、温度が上昇した燃焼排ガスが過給機60のタービン61に供給されるためにタービン61の回転数が増加し、タービン61の回動に伴って回動する過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量が増加する。
一方、第二温度センサ93Fの測定値が所定の設定値(250〜650℃)よりも高い場合、ポンプ81Cの回転数を増加、または流量制御弁81Eの開度を開方向に調整して、第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を増加させて、第一廃熱ボイラ100から排出される燃焼空気の温度を低下させる。これにより、温度が低下した燃焼排ガスが過給機60のタービン61に供給されるためタービン61の回転数が低下し、タービン61の回動に伴って回動する過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量が減少する。
次に、第五ステップとして、加圧流動炉20の炉内温度を所定の温度に維持するために過給機60と空気予熱器40を接続する配管95に配置された流量計95Gの測定値に応じて、ポンプ81Cを駆動等し、過給機60を介して加圧流動炉20に供給される燃焼空気量を調整する。なお、第五ステップは、第一ステップによって空気予熱器40に供給する燃焼排ガス量を最低量まで低下させても、依然として炉内温度が所定の温度(650〜900℃)まで低下しない場合に行なう。
第五ステップでは、炉内温度を低下させるために、第二ステップの補助燃料供給量、被処理物供給量に基づいて算定した設定値よりも流量が多い第2設定値を設定し、流量計95Gの測定値が第2設定値よりも低い場合、第二ステップと同様に、ポンプ81Cの回転数を低下、および/または流量制御弁81Eの開度を閉方向に調整して第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を減少させて、第一廃熱ボイラ100から排出される燃焼排ガスの温度を上昇させる。これにより、温度が上昇した燃焼排ガスが過給機60のタービン61に供給されるためにタービン61の回転数が増加し、タービン61の回動に伴って回動する過給機60のコンプレッサー62から排出される燃焼空気の排出量が増加し、炉内温度を低下させることができる。また、第二ステップに替えて、前記第三ステップ、第四ステップを、第二ステップに替えて、第二ステップ、前記第三ステップ、第四ステップを組合せて行なうこともできる。
なお、燃焼排ガスから燃焼空気を排出する加圧流動炉システムにおいては、追加の動力を要することなく燃焼空気量を増やすことが可能となるので、流動ブロワにより燃焼空気量を制御する常圧の焼却炉と比較して、第五ステップが有効に作用する。
加圧流動炉20の炉内温度を効率的に低下させるため、第五ステップの前後に、または、第五ステップと同時に、第六ステップとして投入ポンプ12の回転数を低下、または、被処理物の供給配管に設置された流量調整弁13Eを閉方向に調整し、加圧流動炉に供給される被処理物の供給量を減少させることも可能である。なお、第六ステップは、廃熱ボイラでの熱回収量減少に繋がるため、第五ステップより後に行うことが好ましい。
次に、本発明の第2実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、同一機器、部材については同一符号を付し、重複した説明は省略する。
<第2実施形態>
第2実施形態の加圧流動炉システム1を図5に示す。第1実施形態に対し、過給機を2機、並列に設置した点で異なる。これらの過給機をそれぞれ第1過給機60A、および第2過給機60Bという。更に第2過給機60Bで生成される圧縮空気を白煙防止用空気として利用できるよう、エゼクタ71を設けている。
次にその概要を示す。第2実施形態の加圧流動炉システム1は、有機物が含有された被処理物を貯留する貯留装置10と、被処理物を焼却する加圧流動炉20と、燃焼排ガスと燃焼空気の熱交換を行なう空気予熱器40と、燃焼排ガス内の粉塵等を除去する集塵機50と、燃焼排ガスによって回動されるタービン61Aとタービン61Aの回動に伴って回動し加圧流動炉20に燃焼空気を供給するコンプレッサー62Aを内装する第一過給機60Aと、燃焼排ガスによって回動されるタービン61Bとタービン61Bの回動に伴って回動し白煙防止用熱交換器70に燃焼空気を供給するコンプレッサー62Bを内装する第二過給機60Bと、燃焼排ガスを外部に排出する排煙処理塔80を備えている。
また、加圧流動炉20と集塵機50の間には、蒸気を生成する第一廃熱ボイラ100が気予熱器40と並列して設けられており、過給機60と排煙処理塔80の間には、蒸気を生成する第二廃熱ボイラ110が設けられている。
(第一過給機)
第一過給機60Aは、集塵機50の後段に配置されており、集塵機50から排出される燃焼排ガスによって回動されるタービン61Aと、タービン61Aの回動をコンプレッサー62Aに伝動する軸63Aと、軸63Aを介して伝動されたタービン61Aの回動に伴って回動して燃焼空気を生成するコンプレッサー62Aとを備える機器である。
第一過給機60Aには、図5、図7に示すように、タービン61Aの下部には、集塵機50から排出される圧力約100〜200kPa、温度200〜650℃の燃焼排ガスを機内に供給する供給口93Bが形成され、タービン61Aの側部には、燃焼排ガスを機外に排出する排出口97Aが形成されている。また、燃焼排ガスの供給口93Bは、配管93を介して集塵機50の排出口93Aに接続されている。なお、後述する、配管93の分岐管に設置された流量調整器93Dを調整することによって、加圧流動炉20に必要な燃焼空気を供給する第一過給機60Aのタービン61Aに集塵機50から排出された50〜90%の燃焼排ガスを供給している。流量調整器93Dとしては、流量調整ダンパ、流量調整バルブなどを用いることができる。この流量調整器93Dは、第一過給機60Aから供給される圧縮空気の流量、圧力を測定する測定手段(図示せず)で検出した測定値に基づいて制御される。具体的には測定値が所定の値となるよう第一過給機60Aに供給する燃焼排ガスを制御するものである。
第一過給機60Aのコンプレッサー62Aの側部には、空気を機内に供給する供給口67Bが形成され、コンプレッサー62の上部には、圧力50〜200kPa、温度15〜200℃の燃焼空気を機外に排出する排出口94Aが形成されている。
空気の供給口67Bは、配管67、66を介して起動用ブロワ65に接続され、燃焼空気の排出口94Aは、配管94、96、95を介して空気予熱器40の供給口95Bと、配管94、96を介して加圧流動炉20の始動用バーナ22の後部にそれぞれ接続されて制御されている。
(第二過給機)
第二過給機60Bは、集塵機50の後段に第一過給機60Aと並列して配置されており、集塵機50から排出される燃焼排ガスによって回動されるタービン61Bと、タービン61Bの回動をコンプレッサー62Bに伝動する軸63Bと、軸63Bを介して伝動されたタービン61Bの回動に伴って回動して白煙防止用空気を生成するコンプレッサー62Bとを備える機器である。
第二過給機60Bには、図5、図7に示すように、タービン61Bの下部には、集塵機50から排出される圧力100〜200kPa、温度250〜650℃の燃焼排ガスを機内に供給する供給口93Cが形成され、タービン61Bの側部には、燃焼排ガスを機外に排出する排出口97Cが形成されている。
燃焼排ガスの供給口93Cは、配管93を介して集塵機50の排出口93Aに接続されており、配管93は、中間部で第二過給機60Bの供給口93Cに延伸する分岐管を有している。また、配管93の分岐管と配管97の分岐管は配管111で接続され、配管111には、第二過給機60Bに供給される燃焼排ガスの流量を調整する流量調整器111Dが設置されている。流量調整器111Dによって、集塵機50から排出された10〜50%の燃焼排ガスが第二過給機60Bに供給される。流量調整器111Dとしては、流量調整ダンパ、流量調整バルブなどを用いることができる。この流量調整器111Dは、第二過給機60Bから供給される圧縮空気の流量、圧力を測定する測定手段(図示せず)で検出した測定値に基づいて制御される。具体的には測定値が所定の値となるよう第二過給機60Bに供給する燃焼排ガスを制御するものである。
第二過給機60Bのコンプレッサー62Bの側部には、空気を機内に吸気する供給口67Cが形成され、コンプレッサー62Bの上部には、圧力80〜150kPa、温度70〜120℃の白煙防止用空気を機外に排出する排出口94Cが形成されている。
配管72を介して空気の供給口67Cには空気が供給され、白煙防止用空気の排出口94Cは、配管74、エゼクタ71、配管73を介して白煙防止用熱交換器70の供給口70Aに接続されている。白煙防止用熱交換器70は、一方の側壁に白煙防止用空気を機内に供給する供給口70Aが形成され、下部には、発電装置120から排出された水蒸気を機内に供給する供給口70Bが形成されている。また、他側の側壁には、熱交換によって温度70〜95℃に上昇した白煙防止用空気を機外に排出する排出口70Cが形成され、上部には、水蒸気を機外に排出する排出口70Dが形成されている。
白煙防止用熱交換器に供給する水蒸気は、発電装置120から排出される水蒸気に限定されるものではなく、第一廃熱ボイラや第二廃熱ボイラから排出されるものでも良いし、スチームヘッダ110を介して供給されても良い。
(第二廃熱ボイラ)
第二廃熱ボイラ110は、第一過給機60A、第二過給機、60Bの後段に配置される。第一過給機60A、第二過給機60Bから排出された燃焼排ガスは、配管97を介して第二廃熱ボイラ110に供給される。
(燃焼排ガスの制御)
加圧流動炉システム1の定常運転を維持するためには、加圧流動炉20から排出された燃焼排ガスを第一過給機60Aのタービン61Aに所定量供給し、タービン61Aの回動に伴って回動するコンプレッサー62Aから排出された燃焼空気を加圧流動炉20に所定量供給する必要がある。
先ず、第一ステップとして、加圧流動炉20から排出される燃焼排ガスの温度を所定の温度に維持するために加圧流動炉20の側壁に配置された第一温度センサ20Aの測定値に応じて、空気予熱器40の排出口92Aの近傍に配置された流量調整器92Gを駆動し、空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を調整する。なお、第一ステップにあっては、空気予熱器40の流量調整器92Gを駆動して空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を調整しているが、第一廃熱ボイラ100の排出口92Cの近傍に配置された流量調整器92Hを駆動して空気予熱器40に供給される燃焼排ガスの供給量を調整することもできる。
次に、第二ステップとして、第一過給機60Aのコンプレッサー62Aから排出される燃焼空気の排出量を所定の排出量に維持するために、第一過給機60Aと空気予熱器40を接続する配管95に配置された流量計95Gの測定値に応じて、ポンプ81Cの回転数を低下、および/または流量制御弁81Eの開度を調整して第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を調整する。
また、第二ステップに替えて、第三ステップとして第一過給機60Aのコンプレッサー62Aから排出される燃焼空気の排出量を所定の排出量に維持するために、第一過給機60Aと空気予熱器40を接続する配管95に配置された流量計95Gの測定値に応じて、配管93の分岐管に配置された流量調整器93Dを駆動し、第一過給機60Aを経由することなく配管93の分岐管を介して第二過給機60Bに供給される燃焼排ガスの供給量を調整することもできる。
さらに、第二ステップ、第三ステップに替えて第四ステップとして、第一過給機60Aのコンプレッサー62Aから排出される燃焼空気の排出量を所定の排出量に維持するために、過第一過給機60Aの供給口93Eの近傍に配置された第二温度センサ93Fの測定値に応じて、ポンプ81Cの回転数を低下、および/または流量制御弁81Eの開度を調整して第一廃熱ボイラ100に供給される水の供給量を調整することもできる。なお、重複を避け説明は省略するが、第一〜四ステップと共に前記した第五、六ステップを用いることもできる。
第2実施形態においては、第2過給機60Bにより生成された圧縮空気をエゼクタ71の駆動源として利用し、風量を増大させたことにより、白煙防止用ファンを設置することなく白煙防止用空気を得ることが可能となる。これにより燃焼排ガスの効率的な熱回収だけでなく、設備全体の消費電力を低減させることができ、より省エネルギーな燃焼設備を提供することができる。
1 加圧流動炉システム
10 貯留装置
13C 被処理物加熱装置
20 加圧流動炉
40 空気予熱器
50 集塵機
60 過給機
61 タービン
62 コンプレッサー
70 白煙防止用熱交換器
80 排煙処理塔
81C ポンプ
81E 流量調整弁
87 煙突
92G 流量調整器(第一流量調整器)
92H 流量調整器
100 第一廃熱ボイラ
110 第二廃熱ボイラ
110C 灰排出装置
114D 流量調整器(第二流量調整器)
120 発電装置

Claims (8)

  1. 被処理物を燃焼させる加圧流動炉と、該加圧流動炉から排出された燃焼排ガスと加圧流動炉に供給される燃焼空気の熱交換を行なう空気予熱器と、該燃焼排ガスによって回動させられるタービンとタービンの回動に伴って回動させられるコンプレッサーを内装する過給機と、前記燃焼排ガス内の不純物を除去する排煙処理塔を備える加圧流動炉システムにおいて、
    前記加圧流動炉と過給機の間に、前記空気予熱器と並列させて水蒸気を生成する第一廃熱ボイラを配置し、
    前記過給機と排煙処理塔の間に、水蒸気を生成する第二廃熱ボイラを配置したことを特徴とする加圧流動炉システム。
  2. 前記第一廃熱ボイラおよび第二廃熱ボイラの少なくとも一方から排出された水蒸気を発電装置に供給する請求項1記載の加圧流動炉システム。
  3. 前記廃熱ボイラのうち、第二廃熱ボイラにのみ、灰排出装置を設けている請求項1又は2記載の加圧流動炉システム。
  4. 前記第一廃熱ボイラ、第二廃熱ボイラおよび発電装置の少なくとも1つから排出された水蒸気を白煙防止用空気の温度を上昇させる白煙防止用熱交換器に供給する請求項1〜3のいずれか1項に記載の加圧流動炉システム。
  5. 前記空気予熱器の燃焼排ガスの排出口の下流側近傍に第一流量調整器を配置し、該第一流量調整器によって前記空気予熱器に流入する燃焼排ガスの流量を調整する請求項1〜4のいずれか1項に記載の加圧流動炉システム。
  6. 前記第一廃熱ボイラに水を供給するポンプを配置し、該ポンプによって前記過給機に供給する燃焼排ガスの温度を調整する請求項5記載の加圧流動炉システム。
  7. 前記過給機の燃焼排ガスの供給口の上流側近傍と燃焼排ガスの排出口の過給側近傍を接続した分岐管に第二流量調整器を配置し、該第二流量調整器によって前記過給機に供給する燃焼排ガスの流量を調整する請求項5記載の加圧流動炉システム。
  8. 前記加圧流動炉に被処理物を供給する配管には、被処理を加熱する被処理物加熱装置が設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の加圧流動炉システム。
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