JP4833774B2 - 工業用熱処理炉向けの常圧燃焼タービンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、常圧で高温の排ガスまたは可燃性ガスを排出する浸炭炉・焼入炉などの工業用熱処理炉と組み合わせて、それらのガスを作動ガスとすることにより、効率的に廃熱利用する常圧燃焼タービンシステムに関するものである。
従来、一般的なガスタービンエンジンでは、先ず大気圧の空気を圧縮機で昇圧して燃焼器に導き、その圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させ、その後にタービンで動力を回収しているため、燃料の圧力を圧縮機出口の空気圧力よりも高くする必要があり、燃料として、圧縮が可能な化石燃料が主として用いられている。一方、近年では、常圧燃焼で得られた常圧の高温ガスをタービンで膨張させ、再生熱交換器や冷却器により熱回収した後に、圧縮機により吸引・昇圧する構成の常圧燃焼タービンシステムが知られている(特許文献1参照)。この常圧燃焼タービンシステムは、常圧燃焼および常圧廃熱利用ができることから、各種ガス化燃料、固形燃料および未利用高温ガスなどを利用することができ、排ガスを循環させて系外への放出熱量を削減できる利点がある。
前記特許文献1の図4には、常圧で高温の排ガスが発生する工業用熱処理炉で発生した高温排ガスを、作動ガスとしてタービンにそのまま導入し、これにより発生した動力で発電機を駆動して発電を行う常圧燃焼タービンシステムが提案されている。この常圧燃焼タービンシステムでは、工業用熱処理炉の高温排ガスを発電電力として効率的に廃熱回収することができる。
特開2004−132183号公報(図4)
しかしながら、工業用熱処理炉と組み合わせた前記常圧燃焼タービンエンジンでは、工業用熱処理炉から導入した高温排ガスをタービンで膨張させるために、圧縮機の吸引力でタービンの上流側を負圧とし、その圧縮機の吸引力がタービンを通して工業用熱処理炉に作用して、燃焼用空気を工業用熱処理炉内に導入しているので、常圧燃焼タービンエンジンが何らかの原因によって停止または運転条件が変更(例えば部分負荷運転に移行)された場合には、工業用熱処理炉の運転が不能になる。前記常圧燃焼タービンエンジンは、工業用熱処理炉を使用する工場などにおいて、工業用熱処理炉の補助的装置として付設されるものであるにも拘らず、その補助的装置の停止または運転条件の変更によって肝心の工業用熱処理炉が運転不能になる事態は避けなければならない。
他方、常圧燃焼タービンエンジンの補機類、および工業用熱処理炉のバーナーへの燃料供給装置(燃料ポンプを含む)等は商用電力により駆動されるので、落雷や回線事故により、停電ないし瞬間電圧低下(瞬低)が起きると、常圧燃焼タービンエンジンの停止とバーナーの失火を招く。バーナーが失火すると、路内に可燃物が充満し、路内が高温であることから、爆発の危険があり、安全運転上好ましくない。また、工業用熱処理炉の運転を継続することが不可能となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたもので、常圧燃焼タービンエンジンが何らかの原因により停止または運転条件が変更された場合にも工業用熱処理炉を支障なく運転継続させることができる常圧燃焼タービンシステムを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、商用電力の供給停止ないし瞬低が起きても、工業用熱処理炉の失火を防止してシステム全体が自立運転を可能にすることにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る常圧燃焼タービンシステムは、空気を導入するブロアが付設された工業用熱処理炉からの排ガスを作動ガスとして膨張させるタービンおよび前記タービンからの作動ガスを昇圧する圧縮機を有する常圧燃焼タービンエンジンと、前記工業用熱処理炉からの排ガスを前記タービンまたは外部に導出する導出通路とを備え、前記導出通路に、前記常圧燃焼タービンエンジンが停止または部分負荷運転しているときに前記導出通路内の圧力を受けて開作動し、前記排ガスの全部もしくは一部を外部に放出させる排気ダンパが設けられている。ここで、「常圧」とは、タービンシステムの設置環境の圧力を言い、それよりも低い圧力を負圧と言う。また、「外部」とは、本発明の常圧燃焼タービンシステムの外を言い、大気、外部の排熱利用機器等を含む。
この構成によれば、常圧燃焼タービンエンジンが何らかの原因により停止した場合には、圧縮機による吸引力が導出通路を介して工業用熱処理炉に作用しなくなるが、工業用熱処理炉では、常圧燃焼タービンエンジンの系外に設けたブロアによる空気の炉内への押込み力によって排ガスが炉外に排出され続け、この排出された排ガスの圧力により、導出通路に設けた排気ダンパが自動的に開作動して、排ガスが排気ダンパを通って外部に放出される。常圧燃焼タービンエンジンの運転条件が変更されて、例えば部分負荷で運転される場合、圧縮機による吸引力が低下して、エンジンの必要流量に対して余剰の排ガスが導出通路内に存在することがあるが、この導出通路内の排ガスの圧力を受けて排気ダンパが開作動し、排ガスを外部に放出する。したがって、常圧燃焼タービンエンジンが停止または運転条件が変更された場合であっても、工業用熱処理炉の運転を支障なく継続することができる。
前記常圧燃焼タービンエンジンにより駆動される発電機と、前記発電機からの電力を前記工業用熱処理炉における前記ブロアを含む運転補機群に供給する電力供給系統とを設けた場合には、発電機からの電力によってシステム全体を自立運転させることが可能になる。つまり、この電力を工業用熱処理炉の運転に必要な前記ブロア、燃料供給装置、制御装置等の運転補機群に供給することにより、本発明の常圧燃焼タービンシステムは商用電源を用いずに自立運転を図ることができる。落雷や電力回線の故障による瞬間電圧低下(瞬低)、停電等の不具合が生じても、常圧燃焼タービンシステムは運転を継続することが可能となる。特に瞬低等に起因する工業用熱処理炉の失火が抑制され、安全運転を確保することができる。
本発明において、前記常圧燃焼タービンエンジンにおける前記タービンの上流側に、工業用熱処理炉からの排ガスに燃料と必要な空気とを供給して燃焼させる燃焼器を設けることができる。この構成によれば、工業用熱処理炉からの排ガスの熱エネルギが、常圧燃焼タービンエンジンを十分な効率で作動させるのに不足している場合、燃焼器により排ガスに追い焚きして、所望の熱エネルギを有する燃焼ガスをタービンに供給して、高い効率で常圧燃焼タービンエンジンを作動させることができる。特に、前記発電機と電力供給系統とを備えて自立運転する場合に有効である。
自立運転を図る場合、前記発電機、電力供給系統および燃焼器に加えて、蓄電池を設け、この蓄電池により、発電機に電力を供給して前記常圧燃焼タービンエンジンを駆動する電動機として作動させるとともに、前記燃焼器へ燃料を供給する燃料供給装置に電力を供給して作動させるのが好ましい。これにより、商用電力を使用せずに、燃焼器に燃料を供給して常圧燃焼タービンエンジンを始動することができる。工業用熱処理炉が安定運転状態になって、発電機の発生電力のみでシステムの自立運転が可能になれば、蓄電池からの電力供給は停止できる。また、燃焼器での追い炊きがなくても工業用熱処理炉からの排ガスのみで自立運転が可能になれば、燃焼器への燃料の供給を停止することができる。
前記工業用熱処理炉は、例えば可燃性ガスを処理ガスとして使用するものであり、前記工業用熱処理炉から排出される可燃性ガスが前記燃焼器に燃料として供給されている。可燃性ガス(CO,HC等)を処理ガスとして使用する浸炭炉のような工業用熱処理炉では、燃焼ガスがラジアントチューブなどを通して炉内を循環するので、そのラジアントチューブから排出される常圧の排ガスをそのまま常圧燃焼タービンエンジンに導入することができる。
さらに、本発明において、工業用熱処理炉への供給空気と工業用熱処理炉からの排ガスとの間で熱交換して前記供給空気を加熱する再生器を備えていることが好ましい。この構成よれば、工業用熱処理炉からの排ガスを利用して工業用熱処理炉への供給空気を予熱するので、工業用熱処理炉での燃焼効率が向上し、燃料を節約できる。
本発明の工業用熱処理炉向けの常圧燃焼タービンシステムによれば、常圧燃焼タービンエンジンが何らかの原因により停止または運転条件が変更された場合に、その圧縮機による吸収力が工業用熱処理炉に作用しなくなるかまたは低下するが、常圧燃焼タービンエンジンの系外に設けたブロアによる空気の工業用熱処理炉内への押込み力によって排ガスが炉外に排出され続け、この排出された排ガスの圧力により、導出通路に設けた排気ダンパが自動的に開作動して、排ガスを大気に放出する。したがって、常圧燃焼タービンエンジンの停止または運転条件の変更にかかわりなく工業用熱処理炉の運転を支障なく継続することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る常圧燃焼タービンシステムの概略構成を示すブロック図である。このシステムは、表面処理などの種々の処理に使用される工業用熱処理炉(以下、単に「熱処理炉」という)1Aと組み合わされて、熱処理炉1Aから排出されるほぼ常圧の排ガスG1を作動ガスとして利用する常圧燃焼タービンエンジン2Aを有している。
前記熱処理炉1Aはブロア7、バーナー12、および燃料ポンプを含む運転補機群を有しており、ブロア7から供給される空気Aと第1の燃料供給装置15から供給される燃料F1とをバーナー12で燃焼させて、その燃焼ガスを炉内に吹き込むことにより、炉内を常圧の高温雰囲気とし、被処理物13を加熱処理するものである。ブロア7による空気の押込み力によって、熱処理炉1Aから、常圧の高温排ガスG1が排出される。ブロア7および第1の燃料供給装置15は、制御装置16により制御される。排ガスG1の温度は高い方が常圧燃焼タービンエンジン2Aの熱効率上好ましい。特に排ガスG1の温度は900℃以上が好ましい。この実施形態における熱処理炉1Aとしては、例えば、焼き入れ炉、バイオマスガス化炉あるいは後述の浸炭炉などがある。かかる熱処理炉の排ガス温度は900℃以上が一般的である。
前記常圧燃焼タービンエンジン2Aは、熱処理炉1Aから排出される常圧で高温の排ガスG1を作動ガスとして負圧にまで膨張させるタービン3と、このタービン3からの作動ガスG2中の水分を凝縮してガス量を減少させるとともにガス温度を低下させる冷却器11と、前記タービン3が発生する動力により駆動されて、冷却器11で冷却された排ガスG3を昇圧する圧縮機4とを備えている。常圧燃焼タービンエンジン2Aは、この例では一軸型であり、タービン3と圧縮機4が同一回転軸14に結合され、さらに、この回転軸14に、負荷である発電機17が結合されている。なお、常圧燃焼タービンエンジン2Aは二軸型として、第1軸でタービン3と圧縮機4を連結し、第2軸でタービン3と発電機17を連結することもできる。
発電機17の電力は、例えばインバータ・コンバータを内蔵した電力変換器35を経て、前記ブロア7、第1の燃料供給装置15および制御装置16等の、熱処理炉1Aの運転補機群に供給される。前記電力変換器35およびこれから運転補機群への配電線Lが、電力供給系統36を構成している。
さらに、前記常圧燃焼タービンシステムは、熱処理炉1Aからの排ガスG1をタービン3に供給する供給路8aおよびこの供給路8aから分岐して排ガスG1を煙突10を介して大気中に放出する放出路8bとを含む導出通路8を備えている。この導出通路8の放出路8bに、上流側が下流側よりも高圧のときに二点鎖線で示すように開作動する排気ダンパ9が設けられている。この排気ダンパ9は、板状の弁体18の上端部が水平なピポット軸19により揺動自在に吊り下げられたただけの簡単な開閉弁構造である。弁体18が、熱処理炉1Aからの排ガスG1の圧力を受けて、実線位置(閉位置)から二点鎖線で示す位置(開位置)の間で自由に移動することによって開閉動作し、熱処理炉1Aからの排ガスG1の全部をタービン3と煙突10とに切り換えて導出させるか、または、中間開度となって排ガスG1の一部を煙突10に、他部をタービン3に導出させる。弁体18は、常圧燃焼タービンエンジン2Aの運転中または熱処理炉1Aの停止中は、自重により実線で示す閉止位置にある。
前記排気ダンパ9としては、自重式のほかに、スプリングを使用してそのスプリング力により排気ダンパを閉位置に保持する構成としてもよい。その場合、排気ダンパの上流側と下流側に差圧のない、通常の運転状態では、排気ダンパは閉位置にあり、常圧燃焼タービンエンジン2Aが運転停止して、上流側の圧力が上昇すると、スプリング力に抗して排気ダンパが開く。また、他の例として、空気圧シリンダを利用した排気ダンパであってもよい。自重式またはスプリング式の排気ダンパはその作用から、上流側にドラフト(残留ガス)を生じるので、熱処理炉1Aの炉内圧力がドラフト分だけ高くなり、ブロア7の運転動力を多く必要とする。そこで、常圧燃焼タービンエンジン2Aの停止を検知する手段を設けて、当該手段からの検知信号を受けて空気圧シリンダを全開させれば、上流側に余分なドラフトが生じないので、ブロア7の運転動力は少なくて済む。空気圧シリンダの空気源として、圧縮空気ボンベを使用することができる。
つぎに、前記タービンシステムの作用について説明する。熱処理炉1Aから排出された常圧で高温の排ガスG1が、導出通路8の供給路8aを通ってタービン3に送られて、このタービン3を駆動し、その発生動力により圧縮機4と発電機17が駆動される。また、前記排ガスG1は、タービン3を通過することにより負圧にまで膨張し、この膨張した負圧・中温の作動ガスG2が冷却器11に送られて冷却されることにより低温化されたのち、圧縮機4に送られ、ここで、常圧まで昇圧されて煙突10から大気に放出される。圧縮機4に送られる作動ガスG3は、冷却器11で冷却されて低温となっているため、圧縮機4の必要動力が減少して、常圧燃焼タービンエンジン2Aの効率が向上する。したがって、このタービンシステムでは、熱処理炉1Aから排出される常圧で高温の排ガスG1の熱エネルギを常圧燃焼タービンエンジン2Aの発電に有効利用して、効果的な廃熱回収を行うことができる。
前記常圧燃焼タービンエンジン2Aの駆動時には、圧縮機4からの吸引力が導出通路8の供給路8aに作用しているため、導出通路8では供給路8aが分岐路8bよりも低圧となるので、排気ダンパ9の弁体18が実線で示すように分岐路8bを閉じる状態となり、熱処理炉1Aから出た排ガスG1の全てが供給路8aに流入する。
常圧燃焼タービンエンジン2Aが何らかの原因により駆動を停止した場合には、圧縮機4による吸引力が供給路8aを介して熱処理炉1Aに作用しなくなるが、熱処理炉1Aでは、ブロア7による空気Aの炉内への押込み力によって排ガスG1が排出され続ける。タービン3は回転していないから、熱処理炉1Aから排出される排ガスG1が供給路8aに詰まった状態となり、供給路8a内が分岐路8b内よりも高圧となるので、この圧力を受けて、排気ダンパ9の弁体18が二点鎖線で示すように自動的に開作動する。そのため、前記排ガスG1は、分岐路8bを通って煙突10から大気に放出されるので、常圧燃焼タービンエンジン2Aの停止状態でも、熱処理炉1Aの運転を支障なく継続することができる。常圧燃焼タービンエンジン2Aが部分負荷運転のときのように多量の排ガスを必要としない場合、排ガスG1の圧力によって排気ダンパ9の弁体18が中間開度になり、排ガスG1の一部が煙突10に流出し、他部がタービン3に導入される。
前述のとおり、発電機17の電力は、電力供給系統36を介して、熱処理炉1Aの運転に必要なブロア7、燃料供給装置15、制御装置16等の運転補機群に供給されているので、この常圧燃焼タービンシステムは、発電電力が十分であれば、商用電源を用いずに自立運転が可能になる。したがって、落雷や電力回線の故障による瞬低、停電等の不具合が生じても、常圧燃焼タービンシステムの運転を継続することが可能となる。特に瞬低等に起因する熱処理炉1Aの失火が抑制され、安全運転を確保することができる。これは、電力事情に不安のある地域において特に有益である。また、発電機17の電力をシステム設置場所の他の動力用または照明用の電源として利用することもでき、電気代を節約できる。電気会社に売電することもできる。また、非常時などのバックアップ電源として使用することもできる。
図2は本発明の第2実施形態に係る常圧燃焼タービンシステムの概略構成を示すブロック図である。このタービンシステムでは、第1実施形態と同様の構成に加えて、常圧燃焼タービンエンジン2Bにおけるタービン3の上流側の供給路8aに、熱処理炉1Aからの排ガスG1に燃料F2および必要な空気を供給して燃焼させる燃焼器20と、これに燃料F2を供給する燃料ポンプを含む第2の燃料供給装置37とを有している。第2の燃料供給装置37は制御装置16により制御される。さらに、このシステムには、電力変換器35を介して発電機17と第2の燃料供給装置37とに電力を供給する蓄電池38が設置されている。この蓄電池38は、常圧燃焼タービンエンジン2Bの始動時に、発電機17を始動用の電動機として作動させるとともに、燃焼器20へ燃料を供給する第2の燃料供給装置37に電力を供給して作動させる。蓄電池38からは、電力変換器35を介して、熱処理炉1Aのブロア7、第1の燃料供給装置15および制御装置16等の運転補機群へも電力が供給される。発電機17の作動時には電力変換器35を介して蓄電池38が充電される。
第1実施形態では、高温の排ガスG1を出す熱処理炉1Aを利用した場合を例示したが、この第2実施形態タービンシステムでは第1実施形態よりは低い排ガスではあるが、比較的高温(例えば600℃〜900℃)の排ガスG1を出す熱処理炉1Aを利用している。この比較的高温の排ガスG1の熱エネルギのみで常圧燃焼タービンエンジン2Bを駆動する場合には、常圧燃焼タービンエンジン2Bの熱効率が第1実施形態に比べて低くなる。そこで、この第2実施形態では、燃焼器20において、前記排ガスG1に燃料F2と必要な空気を供給して追い焚きすることにより、燃焼器20から、第1実施形態と同程度の高温となった常圧の燃焼ガスを、作動ガスG2としてタービン3に供給するようにしている。この第2実施形態に係る熱処理炉としては、焼鈍し炉やバイオマスガス化炉がある。これらの炉の排ガス温度は600℃〜800℃が一般的であり、比較的高温である。
これにより、このタービンシステムは、例えば600℃〜900℃程度の比較的高温の排ガスG1を出す熱処理炉1Aを利用しながらも、第1実施形態と同様に作用して、常圧燃焼タービンエンジン2Bが何らかの原因により停止または運転条件が変更された場合であっても、熱処理炉1の運転を支障なく継続することができる。また、前記常圧燃焼タービンエンジン2Bは、燃焼器20での追い焚きにより大きな発電力が得られる。こうして発電力が大きくなることから、第1実施形態の場合と同様に、発電機17の電力を、電力供給系統36を介して、熱処理炉1Aのブロア7、燃料供給装置15、制御装置16等の運転補機群に供給することで、商用電源を用いずに、常圧燃焼タービンシステムの自立運転が可能になる。
また、蓄電池38により、発電機17を電動機として作動させて回転軸14を回転させるとともに、第2の燃料供給装置37を作動させて燃焼器20へ燃料を供給させて高温ガスを生成させる。こうして常圧燃焼タービンエンジン2Bを始動させる。蓄電池38による運転補機群7,15,16への電力供給によって熱処理炉1Aも運転される。熱処理炉1Aが安定運転状態になって、その排ガスG1のみでの発電による電力でシステムの自立運転が可能になれば、蓄電池38による電力供給や燃焼器20への燃料F2の供給を停止することができる。この自立運転のシステムにおいて蓄電池38はなくてもよい。その場合、始動時のみ商用電力を使用することになり、商用電力と発電機17の発電電力とを切り換えてシステムに供給する電力切換器が必要になるが、蓄電池38が不要となるので、保守費用の低減を図ることができる。
図3は本発明の第3実施形態に係る常圧燃焼タービンシステムの概略構成を示すブロック図である。このタービンシステムでは、第2実施形態と同様の常圧燃焼タービンエンジン2Bが浸炭炉1Bに接続されている。この浸炭炉1Bは可燃性ガスであるRXガス(CO、HCを含むガス)を処理ガスとして用いる熱処理炉である。この浸炭炉1Bからの排ガスG1を再生器21を介して常圧燃焼タービンエンジン2Bの燃焼器20に供給し、再生器21において、ブロワ22からの供給空気Aと熱処理炉1Bからの排ガスG1との間で熱交換して,前記空気Aを予熱した予熱空気A1を浸炭炉1Bのバーナー23に供給している。バーナー23に燃料F1を供給する第1の燃料供給装置15およびブロア22は制御装置16により制御される。
この浸炭炉1Bは、炉内に供給した可燃性ガスを燃焼させないように、再生器21からの予熱空気A1と燃料Fとの燃焼による燃焼ガスをラジアントチューブ24内で流動させることにより、炉内を高温雰囲気にしている。したがって、浸炭炉1Bのラジアントチューブ24から、第1実施形態と同様に、常圧で高温の排ガスG1が導出通路8に排出されるとともに、浸炭炉1Bから、排出路31を通って未利用可燃性ガスG6も排出される。未利用可燃性ガスG6は、浸炭処理に利用されずに余ったガスであり、従来では処理用バーナーで燃焼させて排出していた。このタービンシステムでは、前記未利用可燃性ガスG6の一部または全部を、導入路32により燃焼器20に燃料の一部または全部として供給して燃焼させている。
前記タービンシステムでは、ブロワ22からの供給空気Aを再生器21において浸炭炉1Bからの排ガスG1との間で熱交換し、これにより得られた予熱空気A1を、ラジアントチューブ24の入口に設けられたバーナー23に供給しているので、バーナー23での燃焼効率が向上する。また、浸炭炉1Bから排出される未利用可燃性ガスG5を、従来のように環境に排出することなく、常圧燃焼タービンエンジン28の燃焼器20に送って燃焼させることにより有効利用しているため、運転コストを低減することができる。
さらに、このタービンシステムにおいても、常圧燃焼タービンエンジン2Bに排ガスG1を追い焚きするための燃焼器20を設けているから、大きな発電力が得られるので、停電発生時などのバックアップ電源として使用することができる。
この第3実施形態において、燃焼器20に未利用可燃性ガスG6とともに別の燃料を供給してもよい。また、燃焼器20に未利用可燃性ガスG6を供給しないで、別の燃料のみを供給してもよい。さらに燃焼器20または再生器21を省くこともできる。
なお、第1および第2実施形態においても、第3実施形態と同様の再生器を熱処理炉1Aの出口に設けて、この再生器において、熱処理炉1Aへの供給空気Aと熱処理炉1Aからの排ガスG1との間で熱交換することにより,予熱した空気を熱処理炉1Aに供給するようにしてもよい。
上記各実施形態において、排気ダンパ9を通った排ガスは煙突10から大気中に放出する代わりに、例えば温水器や乾燥炉等の排熱利用機器に導入してもよく、こうすれば、システム全体の熱効率がさらに向上する。
また、本発明のタービンシステムは、熱処理炉の一種であるバイオマスガス化炉と組み合わせることもできる。その場合には、常圧で供給された燃料を燃焼させる常圧のバイオマスガス化炉から排出されるガス化炉生成ガスをそのまま常圧燃焼タービンエンジンに供給することができるので、簡素化された構成とすることができる。これに対し、通常のガスタービンエンジンを用いる場合には、バイオマスガス化炉を加圧可能な高圧容器とするか、または、常圧のバイオマスガス化炉を用いる場合には、このバイオマスガス化炉からの生成ガスを冷却するスクラバーや燃料圧縮機を別途設ける必要があり、いずれの場合にも、装置が大掛かりとなってコスト高となる。
本発明の第1実施形態に係る常圧燃焼タービンシステムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る常圧燃焼タービンシステムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る常圧燃焼タービンシステムの概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
1A 工業用熱処理炉
1B 浸炭炉(工業用熱処理炉)
2A,2B 常圧燃焼タービンエンジン
3 タービン
4 圧縮機
7 ブロア
8 導出通路
9 排気ダンパ
16 制御装置
20 燃焼器
21 再生器
36(35,L) 電力供給系統
37 燃料供給装置
G1 排ガス
A 空気

Claims (6)

  1. 空気を導入するブロアを有する工業用熱処理炉からの排ガスを作動ガスとして膨張させるタービン、および前記タービンからの作動ガスを昇圧する圧縮機を有する常圧燃焼タービンエンジンと、
    前記工業用熱処理炉からの排ガスを前記タービンまたは外部に導出する導出通路と、を備え、
    前記導出通路に、前記常圧燃焼タービンエンジンが停止または部分負荷運転しているときに前記導出通路内の圧力を受けて開作動し、前記排ガスの全部または一部を外部に放出させる排気ダンパが設けられている常圧燃焼タービンシステム。
  2. 請求項1において、さらに、
    前記常圧燃焼タービンエンジンにより駆動される発電機と、
    前記発電機からの電力を前記工業用熱処理炉における前記ブロアを含む運転補機群に供給する電力供給系統と、
    前記常圧燃焼タービンエンジンの、前記タービンの上流側に設けられた、前記工業用熱処理炉からの排ガスに燃料と必要な空気とを供給して燃焼させる燃焼器と、
    前記発電機に電力を供給して前記常圧燃焼タービンエンジンを駆動する電動機として作動させるとともに、前記燃焼器へ燃料を供給する燃料供給装置に電力を供給して作動させる蓄電池と、
    を備えた常圧燃焼タービンシステム。
  3. 空気を導入するブロアが付設された工業用熱処理炉からの排ガスを作動ガスとして膨張させるタービン、および前記タービンからの作動ガスを昇圧する圧縮機を有する常圧燃焼タービンエンジンと、
    前記常圧燃焼タービンエンジンにより駆動される発電機と、
    前記発電機からの電力を前記工業用熱処理炉における前記ブロアを含む運転補機群に供給する電力供給系統と、
    前記発電機の作動時に、この発電機の電力によって充電され、前記常圧タービンエンジンの停止中に、前記運転補機群に電力を供給する蓄電池と、
    を備えた常圧燃焼タービンシステム。
  4. 請求項1または3において、前記常圧燃焼タービンエンジンは、前記タービンの上流側に、前記工業用熱処理炉からの排ガスに燃料と必要な空気とを供給して燃焼させる燃焼器を備えた常圧燃焼タービンシステム。
  5. 請求項2または4において、前記工業用熱処理炉が可燃性ガスを処理ガスとして使用するものであり、前記工業用熱処理炉から排出される可燃性ガスが前記燃焼器に燃料として供給されている常圧燃焼タービンシステム。
  6. 請求項1からのいずれか一項において、前記工業用熱処理炉への供給空気と前記工業用熱処理炉からの排ガスとの間で熱交換して前記供給空気を加熱する再生器を備えた常圧燃焼タービンシステム。
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