JP2018172559A - 重合体粒子分散体ならびにその製造方法 - Google Patents

重合体粒子分散体ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非極性溶媒中の重合体粒子分散体として、重合体粒子の分散性に優れ、190℃以上の温度での耐熱分散性を有する重合体粒子分散体ならびにその製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の重合体粒子分散体の製造方法は、Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有する重合体粒子が、極性溶媒に分散した重合体粒子分散体の製造方法であって、上記極性溶媒が、SP値11〜15.5、沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満であり、下記の工程(1)及び(2)を含んでいる。工程(1) 表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’が分散した、水の含有量が50質量%以上の含水溶媒に、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物を添加して、加水分解反応および/または縮合反応を行い、上記コア粒子前駆体P’の表面に上記ポリメタロキサン被膜を形成する重合体粒子製造工程工程(2) 上記重合体粒子製造工程で得られた反応液から溶媒置換をして、上記含水溶媒を上記極性溶媒で置換する溶媒置換工程【選択図】なし

Description

本発明は、重合体粒子分散体ならびにその製造方法に関する。
従来、樹脂成形品の耐ブロッキング性や滑り性などの物性の向上や、更なる特性の付与を目的として、基材樹脂に、有機質あるいは無機質の粒子を含有させた樹脂組成物が提案されている。粒子を含有させた樹脂組成物の製造方法として、粒子を、樹脂を合成する重合段階に添加する方法(粒子添加方式)がある。有機質の粒子、有機高分子粒子においては基材樹脂との親和性がよく、屈折率が基材樹脂と近いためにフィルムの透明性が高くる。しかし、一般に有機高分子粒子は耐熱性が劣り、樹脂組成物重合時あるいは溶融成形時に軟化しやすくこれに起因して凝集によるポリマー中の有機粒子の分散性不良などが生じる問題があった。
特許文献1には、樹脂中での粒子の耐熱性、分散性の向上を目的に、有機高分子粒子に酸化ケイ素を被覆させることが記載されている。有機高分子微粒子の表面に酸化ケイ素を被覆する方法として、有機高分子微粒子を分散したアルカリ性水溶液にケイ酸ソーダ溶液を添加し、加熱下硫酸によるケイ酸ソーダの加水分解を行ない、該有機高分子微粒子の表面に酸化ケイ素の被覆層を形成させる方法が好ましく用いられることが記載されている。エチレングリコール等の分散媒への分散法は例えば高速分散機、超音波分散機、サンドミル、ロールシール等を用いてもよいことが記載されている。実施例では、反応後、水洗、ろ過を行ない、得られた粒子をエチレングリコールに添加し10重量%のエチレングリコールスラリーとしたことが記載されている。
しかしながら、ケイ酸ソーダを使用した酸化ケイ素被覆層の形成方法では、余剰の酸化ケイ素を除去するために処理後に水洗浄が必要である。また、粒子の水洗後も酸化ケイ素やナトリウムイオンをゼロにすることは困難であり、大量の酸化ケイ素やナトリウムイオンが残っているとポリエチレンテレフタレート樹脂が着色したり、ポリエチレンテレフタレート樹脂の特性に悪影響を与える可能性があり好ましくない。また、濾過乾燥した粒子をエチレングリコールに添加する手法では、粒子の凝集を高度に制御することが困難であった。
特許文献2には、従来の粒子添加方式の欠点を改良し、特に易滑性と透明性のバランスに優れたポリエステルフィルムとして、芳香族ジカルボン酸を主とする二官能性酸成分と少なくとも一種のグリコール成分よりなるポリエステルが、熱分解温度が380℃以上である架橋ポリスチレン粒子を含有してなるポリエステル組成物が記載されている。そして、架橋ポリスチレン粒子の耐熱性向上あるいは屈折率コントロールのために、架橋ポリスチレン粒子のまわりにSiO、TiOなどの無機物を被覆してもよいことが記載されている。そして、粒子のエチレングリコール等の分散媒への分散法は特許文献1と同じく例えば高速分散機、サンドミル、ロールシール等を用いてもよいことが記載されている。
しかしながら、粒子の無機物による被覆条件については検討されておらず、また、エチレングリコール等の分散媒への分散法にもさらなる向上が求められていた。
特許文献3には、導電性微粒子を提供するにあたり、Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有し、上記コア粒子Pの表面に上記ポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている重合体微粒子が記載されている。
しかしながら、この粒子のエチレングリコール等の極性溶媒への分散方法ならびにその分散性、基材樹脂への含有時の分散性、ならびに樹脂組成物重合時あるいは溶融成形時に求められる耐熱分散性については何ら検討されていない。
特公平7−15050号公報 特許第2643257号公報 特許第5340686号公報
従って、本発明の課題は、所定の極性溶媒中の重合体粒子分散体として、重合体粒子の分散性に優れ、190℃以上の温度での耐熱分散性を有する重合体粒子分散体の製造方法ならびに重合体粒子分散体を提供することにある。
本発明者らは、重合体粒子分散体を製造するに際し、特定の骨格を有するコア粒子に特定の被膜を設けた重合体粒子を、該重合体粒子を含む反応液の溶媒置換をして所定の極性溶媒中に分散させることにより、該極性溶媒中の重合体粒子分散体として分散性に優れ、且つ190℃以上の温度での耐熱分散性を有する重合体粒子分散体を提供できることを見出した。
すなわち、本発明の重合体粒子分散体の製造方法は、Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有する重合体粒子が、極性溶媒に分散した重合体粒子分散体の製造方法であって、
上記極性溶媒が、SP値11〜15.5、沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満であり、下記の工程(1)及び(2)を含んでいる。
工程(1) 表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’が分散した、水の含有量が50質量%以上の含水溶媒に、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物を添加して、加水分解反応および/または縮合反応を行い、上記コア粒子前駆体P’の表面に上記ポリメタロキサン被膜を形成する重合体粒子製造工程。
工程(2) 上記重合体粒子製造工程で得られた反応液から溶媒置換をして、上記含水溶媒を上記極性溶媒で置換する溶媒置換工程。
また、本発明の重合体粒子分散体は、極性溶媒に重合体粒子が分散した重合体粒子分散体であって、
上記極性溶媒が、SP値11〜15.5、沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満であり、
上記重合体粒子が、
Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有し;
上記コア粒子Pが(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格とビニル系重合体とを含む有機無機複合粒子から形成され;
上記コア粒子Pの表面に上記ポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている。
また、本発明のポリエステル樹脂用添加剤分散体は、上記重合体粒子分散体を含んでいる。
さらに、本発明のポリエステル樹脂は、重合体粒子を含有するポリエステル樹脂であって、
上記重合体粒子が、
Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有し;
上記コア粒子Pが(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格とビニル系重合体とを含む有機無機複合粒子から形成され;
上記コア粒子Pの表面に上記ポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている。
本発明によれば、所定の極性溶媒中の重合体粒子分散体として、重合体粒子の分散性に優れ、190℃以上の温度での耐熱分散性を有する重合体粒子分散体を提供できる。
実施例1の、ポリシロキサン被膜を有する重合体粒子の断面の顕微鏡写真である。 実施例4の、ポリシロキサン被膜を有する重合体粒子の断面の顕微鏡写真である。 比較例1の粒子の断面の顕微鏡写真である。
1.重合体粒子分散体の製造方法
本発明の重合体粒子分散体の製造方法は、Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有する重合体粒子が、極性溶媒に分散した重合体粒子分散体の製造方法であって、
上記極性溶媒が、SP値11〜15.5、沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満であり、下記の工程(1)及び(2)を含んでいる。
工程(1) 表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’が分散した、水の含有量が50質量%以上の含水溶媒に、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物を添加して、加水分解反応および/または縮合反応を行い、上記コア粒子前駆体P’の表面に上記ポリメタロキサン被膜を形成する重合体粒子製造工程
工程(2) 上記重合体粒子製造工程で得られた反応液から溶媒置換をして、上記含水溶媒を上記極性溶媒で置換する溶媒置換工程
1−1 工程(1)重合体粒子製造工程
工程(1)重合体粒子製造工程では、表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’が分散した、水の含有量が50質量%以上の含水溶媒に、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物を添加して、加水分解反応および/または縮合反応を行い、上記コア粒子前駆体P’の表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を形成する。
表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’は、任意の適切な方法によって製造し得る。コア粒子前駆体P’は、好ましくは、Si−OH基または加水分解によりSi−OH基を形成し得る基を有し、重合性不飽和結合を有するケイ素化合物および/またはポリシロキサン化合物を重合することにより得ることができる。
ここで、上述の加水分解によりSi−OH基を形成し得る基としては、Si原子に結合するOR基(R:アルキル基、アシル基、アリール基、アラルキル基)、ハロゲン原子、水素原子が好ましく、OR基におけるRがアルキル基であるアルコキシ基がより好ましい。すなわち、後述するRrSiZsで表される化合物または該化合物の加水分解縮合物からなるポリシロキサン化合物の存在下で重合することが好ましい形態である。
また、上述の製法において、該ケイ素化合物またはポリシロキサンが重合性不飽和結合を有するため、単独で重合することによっても、あるいは、重合性不飽和結合を有するモノマーの共存下で重合することによっても、コア粒子前駆体P’を得ることができる。
上述の製法において、重合の形態としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、ゾルゲル重合法、ゾルゲルシード重合法、分散重合法、析出重合法が挙げられる。
表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’を製造する方法としては、具体的には、例えば、下記の(方法1)および(方法2)が挙げられる。なお、表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’を製造するにあたって、表面にアルコキシシリル基を有するコア粒子前駆体P’’がまず得られる場合には、ポリメタロキサン被覆を行うための反応に先立って、任意の適切な方法によって、アルコキシシリル基を−Si−OH基に変換することが好ましい。
(方法1)RrSiZsで表される化合物(ただし、Rは重合性不飽和結合を含む基を有する炭化水素基)および/またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物と重合性モノマーとの混合物を重合する方法。
方法1の好ましい具体的な重合形態としては、懸濁重合法、分散重合法、析出重合法が挙げられる。
(方法2)RrSiZsで表される化合物(ただし、Rは重合性不飽和結合を含む基を有する炭化水素基)を含水有機溶媒中で加水分解縮合し、ポリシロキサン粒子とした後に、重合性モノマーを吸収させてから、重合する方法。
方法2の好ましい具体的な重合形態としては、ゾルゲルシード重合法が挙げられる。
上記(方法1)および(方法2)において、上記Rは、重合性不飽和結合を含む基を有する炭化水素基である。上記重合性不飽和結合を含む基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロキシ基が挙げられる。上記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基が挙げられる。
上記(方法1)および(方法2)において、上記Zは−OH基、−OR基、ハロゲン原子、水素原子のいずれかであり、上記Rはアルキル基、アシル基、アリール基、アラルキル基である。上記Zとしては、好ましくは、−OH基、−OR基でRが炭素数1〜4のアルキル基の基、−OR基でRがアセチル基の基が挙げられる。
上記(方法1)および(方法2)において、上記rおよびsは、r+s=4を満たす整数であり、好ましくは、rが1〜3の整数であり、より好ましくはrが1または2である。
上記(方法1)および(方法2)において、上記重合性モノマーとしては、重合性不飽和結合を有するモノマーであれば任意の適切なモノマーを採用し得る。
上記(方法1)および(方法2)において、上記重合の形態としては、任意の適切な重合形態を採用し得る。例えば、懸濁重合、シード重合、分散重合、ゾルゲルシード重合が挙げられる。好ましくは、懸濁重合、ゾルゲルシード重合であり、より好ましくはゾルゲルシード重合である。ゾルゲルシード重合で行うと、最終的に得られる重合体粒子の粒子径の変動係数(CV値)を小さくすることが可能となる。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の製造方法においては、表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’を1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’は、より具体的には、有機無機複合粒子である。本発明にいう有機無機複合粒子とは、無機質成分である無機質骨格と有機質成分であるビニル系重合体とを必須としてなる複合体粒子であって、無機質骨格は、(メタ)アクリロキシ基を有するシリコン化合物を必須とする無機化合物原料を加水分解・縮合してなるポリシロキサン骨格構造からなる骨格、すなわち、(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格構造からなり、この無機質骨格を構成するポリシロキサン骨格構造中にビニル系重合体が含まれてなる粒子、つまり、該ポリシロキサン骨格間にビニル系重合体が存在している粒子である。本発明においては、表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’、ならびに後述の、コア粒子前駆体P’の表面にポリメタロキサン被膜を形成した重合体粒子におけるコア粒子Pについても、有機無機複合粒子と称する。
本発明にいう有機無機複合粒子は、有機質成分のほとんどが無機質粒子の表面に被覆されてなる粒子や、有機質成分が無機質粒子の表面でグラフトされてなる粒子や、有機質部分と無機質部分とを有する重合性単量体を重合させてなる粒子、とは形態上異なる。
上記無機質粒子(上記無機質骨格からなる粒子状物)の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、粉砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等の、任意の適切な粒子形状が採用され得る。
上記無機質粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、最も好ましくは1〜30μmである。上記無機質粒子の平均粒子径が上記範囲内である場合は、後述する重合性モノマーの吸収が効率よく進行するといった有利な効果を発揮することができる。
上記無機質粒子の粒度分布のシャープさは、変動係数(CV値)で示し得る。上記変動係数(CV値)は、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。上記変動係数(CV値)が上記範囲内である場合は、後述する重合性モノマーの吸収が効率よく行えるといった有利な効果を発揮することができる。
上述した好ましい有機無機複合粒子の製造方法であるゾルゲルシード重合法(方法2の好ましい形態)に関して以下に説明する。
上記無機質粒子である(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン粒子は、例えば、以下に示す縮合工程を含む方法により得られることが好ましい。上記縮合工程とは、(メタ)アクリロキシ基を有する加水分解性シリコン化合物を必須とする加水分解性シリコン化合物群を用いて加水分解および縮合する工程であり、この縮合工程では、触媒としてアンモニア等の塩基性触媒を用いてもよい。
上記加水分解性シリコン化合物群には、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリロキシ基を有する加水分解性シリコン化合物[以下、シリコン化合物(1)と称することがある。]を必須成分として用い、必要に応じて、下記一般式(2)で示されるシリコン化合物[以下、シリコン化合物(2)と称することがある。]を併用してもよい。また、上記シリコン化合物(1)、(2)の誘導体を上記シリコン化合物(1)と併用してもよい。
(ここで、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、および炭素数2〜5のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の基を示す。hは1または2であり、iは0または1である。)
(ここで、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、エポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、および炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、および炭素数2〜5のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。jは1〜3の整数である。)
シリコン化合物(1)としては、具体的には、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
シリコン化合物(2)としては、具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアセトキシシラン等の上記一般式(2)でn=0の4官能性シラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の上記一般式(2)でn=1の3官能性シラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルジシランジオール等の上記一般式(2)でn=2の2官能性シラン;等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
シリコン化合物(1)および(2)の誘導体としては、具体的には、例えば、シリコン化合物(1)および(2)が含有するOR基またはOR基に関してその少なくとも1つがβ−ジカルボニル基および/または他のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物と、シリコン化合物(1)および(2)および/またはそのキレート化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた低縮合物と、からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましい。
上記無機質粒子(ポリシロキサン粒子)は、上記シリコン化合物群を、水を含む溶媒中で加水分解させ縮合させて得られる。加水分解および縮合については、一括、分割、連続等、任意の適切な方法を採用し得る。加水分解および縮合をさせるにあたり、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよい。また、溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤が存在していてもよい。
上記有機溶剤としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;などが好ましく挙げられる。これらは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記加水分解および縮合は、例えば、上記シリコン化合物群および有機溶剤等を、水を含む溶媒に添加し、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃の温度範囲で、好ましくは30分〜100時間攪拌することによって行われる。また、上述のようにして得られた粒子を、種粒子として予め合成系に仕込んでおき、そこに上記シリコン化合物群を添加して上記種粒子を成長させることにより、無機質粒子を得ることもできる。このようにして、上記シリコン化合物群を、水を含む溶媒中で、任意の適切な条件下で、加水分解および縮合させることにより、粒子が析出しスラリーが生成する。析出した粒子は、上述の(メタ)アクリロキシ基を有するシリコン化合物(1)を必須成分として用いて得られるものであるため、(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン粒子が得られる。
上記加水分解および縮合を行うにあたっての任意の適切な条件は、例えば、得られたスラリーにおいて、シリコン化合物(1)およびシリコン化合物(2)の濃度が20質量%以下、水濃度が50質量%以上、触媒濃度が10質量%以下となるような条件が好ましい。
上記加水分解および縮合を行うにあたっては、水の含有量が50質量%以上の含水溶媒に、表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’を分散し、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物を添加して、加水分解反応および/または縮合反応を行う。より好ましい条件としては、水濃度が50〜99.89質量%、触媒濃度が0.01〜10質量%、有機溶剤濃度が0〜49.89質量%、上記シリコン化合物群の濃度が0.1〜30質量%、上記シリコン化合物群の添加時間が0.001〜500時間、反応温度が0〜100℃である。また、上記種粒子の濃度は、0〜10質量%に設定することが好ましい。
上記無機質粒子は、上述のように上記シリコン化合物群を原料無機化合物として得られるものであるため、この無機化合物中のケイ素原子に由来する無機質部分(ポリシロキサン骨格)を含んでなり、(メタ)アクリロキシ基などの有機基を有するものである。
上記無機質粒子は、該粒子中に、つまり、該粒子を構成するポリシロキサン骨格間に、後述する重合性モノマーを容易に吸収し、かつ、保持しておくことのできる粒子である。これは、無機質粒子が有している(メタ)アクリロキシ基が重合性モノマー等の有機化合物との相溶性に非常に優れているからであり、また、上記無機質粒子が重合性モノマーを吸収するのに好適な架橋度となっているからであるともいえる。この重合性モノマーが最終的に有機質成分であるビニル系重合体となる。
上記重合性モノマーとしては、分子内に少なくとも1個以上のエチレン性不飽和基を含有する化合物であればよい。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体類;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、等のポリエチレングリコール成分を有する単量体類;(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等のアルキル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタンフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロアミル(メタ)アクリレート等のフッ素原子含有(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルマン、α−クロロスチレン、0−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル;等が挙げられる。
上記重合性モノマーは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記無機質粒子に上記重合性モノマーを吸収させる際に、例えば、あらかじめ上記重合性モノマーを乳化分散させエマルションを生成させておく場合には、安定なエマルションとするため、疎水性の重合性モノマーを好適に用いることができる。
重合性モノマーを吸収させる際には、上述の乳化分散させてなるエマルション中に、ラジカル重合開始剤を含有させておくことが好ましい。該重合開始剤の量は、通常、重合性モノマー総量に対して、0.01〜10質量%が好ましい。該重合開始剤は、従来公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。
得られるコア粒子前駆体P’における機械的特性に関する効果を容易に調節するようにするため、架橋性モノマーを用いても良い。上記架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジアリルフタレートおよびその異性体、トリアリルイソシアヌレートおよびその誘導体、等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。上記架橋性モノマーの使用量としては、全モノマー成分中、5〜100質量%が好ましい。
上述した重合性モノマー、好ましくは乳化分散させてなるエマルションを無機質粒子(ポリシロキサン粒子)が分散してなるスラリーと混合し、好ましくは、0.1〜5時間撹拌することにより、無機質粒子に重合性モノマーが吸収されてなる複合粒子前駆体が形成される。吸収時における温度は、吸収過程において重合性モノマーの重合が開始し難い点から、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、10〜40℃がさらに好ましい。
上述の複合粒子前駆体が分散したスラリーを、重合可能な温度、好ましくは50℃以上に加熱保持することにより、本発明におけるコア粒子前駆体P’として有機無機複合粒子が分散してなるスラリーが得られる。上記重合温度は、用いる重合開始剤にもよるが、通常、60〜100℃で行われることが好ましい。また、加熱保持時間は、通常、0.1〜10時間であることが好ましい。
本発明におけるコア粒子前駆体P’としての有機無機複合粒子は、また、Si−OH基または加水分解によりSi−OH基を形成し得る基を有して重合性不飽和結合を有するケイ素化合物および/またはポリシロキサン化合物を、重合性モノマーと混合した重合性単量体組成物を、水性媒体に懸濁し、加熱する方法(懸濁重合法)によっても得ることができる(方法1の好ましい形態)。Si−OH基または加水分解によりSi−OH基を形成し得る基を有して重合性不飽和結合を有するケイ素化合物としては、上記RrSiZsで表される化合物(ただし、Rは重合性不飽和結合を含む基を有する炭化水素基)を用いることが好ましい。重合性不飽和結合を有するポリシロキサン化合物としては、上記化合物を加水分解・縮合してなる縮合物を用いることが好ましい。中でも、前述の、重合性単量体組成物の安定な液滴からなる懸濁物を得て、凝集のない有機無機複合粒子を得るためには、Zがアルコキシ基であるRrSiZsで表される化合物(ただし、Rは重合性不飽和結合を含む基を有する炭化水素基)を用いることが好ましい。また、重合性単量体組成物には、重合開始剤を、該組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%含有させることが好ましい。懸濁重合法としては、従来公知の方法を採用し得る。重合のための加熱温度は、用いる重合開始剤にもよるが、通常、60〜100℃が好ましい。加熱保持時間は、通常、0.1〜10時間が好ましい。
上述の懸濁重合法で得られた有機無機複合粒子の場合、特に、ケイ素化合物としてZがアルコキシ基であるRrSiZsで表される化合物(ただし、Rは重合性不飽和結合を含む基を有する炭化水素基)を用いた場合には、得られる粒子においてアルコキシ基の状態が残存しているため、アルコキシシリル基をSi−OH基に変換する処理を行うことが好ましい。この処理により、ポリメタロキサン被膜の形成反応において、粒子表面に選択的に、ポリメタロキサンの形成反応が起こり、均一性に優れる被膜形成が行われるため好ましい。
アルコキシシリル基をSi−OH基に変換する処理は、例えば、塩基性または酸性の水性媒体中に粒子を浸漬することにより達成できる。好ましくは、さらに加熱処理を行う。例えば、懸濁重合後の有機無機複合粒子のスラリーに、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩、アンモニア、アミンなどを添加し、塩基性に調整した後、過熱する方法などを採用し得る。加熱温度、加熱時間にもよるが、経済的な温度、時間で該処理を行うためには、塩基性に調整する際、水性媒体のpHが9以上となるようにすることが好ましく、10以上となるようにすることがより好ましく、10〜11.8となるようにすることがさらに好ましい。酸性に調整する際には、水性媒体のpHが5以下となるようにすることが好ましく、4.5以下となるようにすることがより好ましく、2〜4.5となるようにすることがさらに好ましい。有機無機複合粒子の機械的な強度特性を損なわずに、アルコキシ基からSi−OH基への変換反応のみを行うためには、塩基性下で行うことが好ましく、pH調整に用いる化合物を除去しやすい点から、アンモニアを用いて塩基性に調整することが好ましい。加熱温度は、工業的に安価に行うためには、10〜100℃が好ましい。加熱保持時間は、工業的に安価に行うためには、0.1〜10時間が好ましい。また、撹拌下で行うことが好ましい。なお、アルコキシシリル基をSi−OH基に変換する処理は、懸濁重合法により得られる粒子のみに行うとは限らず、前述した他の方法によって得られる粒子にも採用し得る。
上記有機無機複合粒子は、無機質骨格構造中にビニル系重合体が含まれてなる粒子である。上記有機無機複合粒子の平均粒子径は、上述のように無機質粒子の骨格構造中にビニル系重合体が含まれ複合化された状態での平均粒子径のことであり、具体的には、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.2〜50μm、さらにより好ましくは0.3〜10μmである。平均粒子径が0.1μmよりも小さい場合、耐ブロッキング性効果および滑り性向上効果が十分に発現しないために多量の添加を必要としフィルムの光学的性能及び機械的強度が損なわれるおそれがある。一方、平均粒子径が100μmをよりも大きい場合、フィルムから粒子が脱落しやすくなり、フィルムの傷つきや機械的強度を引き起こすおそれがある。
上記有機無機複合粒子において、無機質骨格の有する(メタ)アクリロキシ基は、すべて単独で存在している形態であっても良いし、少なくとも1つが他の反応基および/または重合体と結合していても良い。上記結合している形態としては、例えば、ビニル系重合体と結合している形態、無機質骨格中の少なくとも1つの他の反応基と反応して結合または重合している形態、該形態でビニル系重合体と結合している形態、等が挙げられる。なかでも、ビニル系重合体と結合している形態の場合は、ビニル系重合体が無機質骨格の構造中にさらにしっかりと固定され、有機質成分であるビニル系重合体と無機質成分との構成比率、および、所望の粒子径や粒度分布のシャープさを、より確実に保持し、長期間安定した機械的特性を有し、耐溶剤性に優れているものとなり得る。
上記有機無機複合粒子において、無機質骨格に由来するポリシロキサン骨格を構成するSiOの量は、例えば、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1.0〜10質量%である。
上記有機無機複合粒子が(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格からなる3次元網目状の構造中にビニル系重合体が含まれてなる粒子であることを確認するには種々の方法が適用できるが、例えば、得られた粒子をトルエン等の有機溶剤で加熱抽出し、加熱抽出前後で粒子の粒子径および重量が変化しないことでビニル系重合体が無機質骨格で形成される3次元網目状構造内部(構造中)に取り込まれて存在していることを確認する方法、または、得られた粒子を切断し、その断面を観察することにより無機質骨格で形成される3次元網目状構造内部(構造中)にビニル系重合体が含まれてなることを確認する方法などが挙げられる。
上記有機無機複合粒子の形状は、特に限定されるわけではなく、具体的には、例えば、球状、針状、板状、鱗片状、紛砕状、偏状、まゆ状、こんぺい糖状などの形状を挙げることができる。
上記有機無機複合粒子は、好ましくは、ポリシロキサン骨格を構成するケイ素原子の少なくとも1つがSi−OH基を有することを特徴とする。
以下、ポリメタロキサン被膜を形成する方法について説明する。
加水分解可能な有機金属化合物としては、任意の適切な加水分解可能な有機金属化合物を採用し得る。具体的には、例えば、一般式MXnで表される金属アルコキシド(ただし、Mは原子価数nの金属原子であり、Xはアルコキシ基である)、一般式RpSiYqで表される有機ケイ素化合物(ただし、Rは置換基を有していても良い炭化水素基であり、Yは−OH基、−OR基、ハロゲン原子、水素原子のいずれかであり、Rはアルキル基、アシル基、アセチル基、アリール基、アラルキル基であり、pおよびqはp+q=4を満たす整数である)が好ましく挙げられる。
上記金属アルコキシドMXnにおいて、Mは原子価数nの金属原子であり、好ましくは、Si、Ti、Ar、Alである。
上記金属アルコキシドMXnにおいて、Xはアルコキシ基であり、好ましくは、炭素数1〜10のアルコキシ基、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基である。
上記有機ケイ素化合物RpSiYqにおいて、Rは置換基を有していても良い炭化水素基であり、好ましくは、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル基である。
上記有機ケイ素化合物RpSiYqにおいて、Yは−OH基、−OR基、ハロゲン原子、水素原子のいずれかであり、Rはアルキル基、アシル基、アセチル基、アリール基、アラルキル基である。上記Yは、好ましくは、−OH基、−OR基でRが炭素数1〜4のアルキル基の基、−OR基でRがアセチル基の基であり、より好ましくは、−OH基、−OR基でRがメチル基の基(メトキシ基)、−OR基でRがエチル基の基(エトキシ基)である。
上記有機ケイ素化合物RpSiYqにおいて、pおよびqは、p+q=4を満たす整数であり、好ましくは、pが0〜3の整数であり、より好ましくはpが0〜2の整数であり、さらに好ましくはpが0である。
上記有機ケイ素化合物RpSiYqにおいて、p=0の化合物とp=1または2の化合物との混合物を用いることも好ましい。この場合、p=0の化合物とp=1または2の化合物との比率は、モル比で、好ましくは10:0〜1:9、より好ましくは10:0〜5:5、さらに好ましくは10:0〜8:2である。
上記有機ケイ素化合物ならびに上記金属アルコキシドとしては、具体的には、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン(または、γ−トリメトキシシリルプロピル−β−メタクリロキシエチルエーテルともいう)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラアセトキシシラン等の4官能性シラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシラン等の3官能性シラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジフェニルジシランジオール等の上記一般式(2)でn=2の2官能性シラン;等を挙げることができる。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の製造方法においては、上記加水分解可能な有機金属化合物を1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。例えば、上記金属アルコキシドMXnを1種のみ用いても良いし、上記金属アルコキシドMXnを2種以上併用しても良いし、上記有機ケイ素化合物RpSiYqを1種のみ用いても良いし、上記有機ケイ素化合物RpSiYqを2種以上併用しても良いし、上記金属アルコキシドMXnの1種以上と上記有機ケイ素化合物RpSiYqの1種以上を併用しても良い。特に、本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の屈折率などを調整したり、本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の樹脂との親和性を向上させる上で、上記金属アルコキシドMXnの1種以上と上記有機ケイ素化合物RpSiYqの1種以上を併用することは好ましい形態である。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の製造方法においては、表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’が分散された溶媒に、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物を添加して、加水分解反応および/または縮合反応を行う。
上記加水分解反応および縮合反応については、一括、分割、連続等、任意の適切な方法を採用し得る。加水分解反応および縮合反応をさせるにあたり、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を用いてもよい。
上記溶媒としては、具体的には、例えば、水;メタノール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロヘキサン等の(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;などが好ましく挙げられる。これらは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記加水分解反応および縮合反応は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜70℃の温度範囲で、好ましくは30分〜100時間攪拌することによって行われる。
上記加水分解および縮合を行うにあたっての任意の適切な条件は、より好ましくは、触媒濃度が0.01〜10質量%、水濃度が50〜99質量%、水以外の溶媒濃度が1〜50質量%、コア粒子前駆体P’の濃度が0.1〜30質量%、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物の添加時間が0.001〜500時間、反応温度が0〜100℃である。
加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物の添加量は、コア粒子前駆体P’100質量部に対して1〜25質量部程度が好ましい。加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物の添加量が少ないと、ポリメタロキサン被膜の形成が不十分となり、後述の好ましいポリメタロキサン被膜の膜厚が得られにくくなる場合がある。
1−2 工程(2)溶媒置換工程
溶媒置換工程では、上記重合体粒子製造工程で得られた反応液から溶媒置換をして、上記含水溶媒を極性溶媒で置換する。溶媒置換は、周知の方法で行うことができる。具体的には、例えば、ロータリーエバポレーターのフラスコの中に、上記重合体粒子製造工程で得られたポリメタロキサン被膜を有する重合体粒子が、含水溶媒に分散した分散体100部と、極性溶媒を80〜100部を加え、次いで、ロータリーエバポレーターを駆動して、温度70〜90℃、圧力1torr程度の減圧条件下で、上記フラスコを100rpm程度の速度で回転させて、水を蒸発させ、これを冷却して系外に排出する。この操作を0.5〜1.5時間程度続けて、上記含水溶媒中に含まれる水を上記極性溶媒で置換し、Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有する重合体粒子が上記極性溶媒に分散した重合体粒子分散体を製造できる。また、上記重合体粒子製造工程で得られたポリメタロキサン被膜を有する重合体粒子に、極性溶媒を加え撹拌しながら、次いで極性溶媒の沸点付近の温度に加熱し水を蒸発させ、これを冷却して系外に排出してもよい。ここで、含水溶媒は、上述の通り、水の含有量が50質量%以上の溶媒であり、極性溶媒は、SP値11〜15.5、沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満の溶媒である。上記極性溶媒は、SP値11〜15.5、沸点100℃超の化合物を含んでいることが好ましい。
上記SP値11〜15.5、沸点100℃超の化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンチルグリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロブタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオールなどが挙げられる。上記極性溶媒としては、上記化合物を1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記化合物の中でも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオールがより好ましく、エチレングリコールがさらに好ましい。
上記極性溶媒中の上記化合物の含有量は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
また、上記極性溶媒において水の含有量は50質量%未満であり、40質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
2.重合体粒子分散体
本発明の重合体粒子分散体は、所定の極性溶媒に、所定の重合体粒子が分散した重合体粒子分散体である。
2−1 重合体粒子
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子は、Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有し;
上記コア粒子Pが(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格とビニル系重合体とを含む有機無機複合粒子から形成され;
上記コア粒子Pの表面に上記ポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子において、上記ポリメタロキサン被膜は、任意の適切なメタロキサン結合の繰り返しからなる骨格から構成される。好ましくは、金属原子Siを含むポリシロキサン被膜である。
上記ポリシロキサン被膜は、一般式RtYuSiOvで表される被膜である。
上記ポリシロキサン被膜RtYuSiOvにおいて、Rは置換基を有していても良い炭化水素基であり、好ましくは、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル基である。
上記ポリシロキサン被膜RtYuSiOvにおいて、Yは−OH基、−OR基、ハロゲン原子、水素原子のいずれかであり、Rはアルキル基、アシル基、アセチル基、アリール基、アラルキル基である。上記Yは、好ましくは、−OH基、−OR基でRが炭素数1〜4のアルキル基の基、−OR基でRがアセチル基の基であり、より好ましくは、−OH基、−OR基でRがメチル基の基(メトキシ基)、−OR基でRがエチル基の基(エトキシ基)である。
上記ポリシロキサン被膜RtYuSiOvにおいて、t、u、vは、v=(4−t−u)/2を満たす数である。
上記ポリシロキサン被膜RtYuSiOvにおいて、tは、好ましくは0≦t<3であり、より好ましくは0≦t≦2、さらに好ましくは0≦t≦1、特に好ましくは0≦t≦0.5である。
上記ポリシロキサン被膜RtYuSiOvにおいて、uは、好ましくは0≦u<3であり、より好ましくは0<u≦2.5、さらに好ましくは0≦u≦2、特に好ましくは0≦u≦1.5である。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.2〜50μm、さらに好ましくは0.3〜10μmである。本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の平均粒子径が上記範囲を外れると、本発明の効果が十分に発現できないおそれがある。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子においては、上記ポリメタロキサン被膜の被覆率(本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子の全表面中におけるコア粒子Pの外表面が露出していない部分の割合)が、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは100%である。上記ポリメタロキサン被膜の被覆率が上記範囲を外れると、本発明の効果が十分に発現できないおそれがある。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子においては、上記ポリメタロキサン被膜の厚みが、好ましくは1〜300nmであり、より好ましくは3〜200nmであり、さらに好ましくは5〜100nmである。上記ポリメタロキサン被膜の厚みが上記範囲を外れると、本発明の効果が十分に発現できないおそれがある。また、上記ポリメタロキサン被膜の厚みが小さすぎると、ポリメタロキサン被膜の化学的安定性が低下するおそれがあり、分散性を十分に確保できないおそれがある。また、上記ポリメタロキサン被膜の厚みが大きすぎると、加熱や冷却時のコア粒子Pとの熱膨張係数の差に基づく割れやクラックや剥離が生じるおそれがある。
本発明の重合体粒子分散体に含まれる重合体粒子においては、上記ポリメタロキサン被膜の厚みが前記コア粒子Pの表面上で実質的に均一であることが好ましい。上記ポリメタロキサン被膜の厚みが前記コア粒子Pの表面上で実質的に均一であることにより、本発明の効果を十分に発現することが可能となる。ここで、上記「実質的に均一である」とは、前記コア粒子Pの表面上における任意の部分の上記ポリメタロキサン被膜の厚みの振れが、好ましくは±20%以内、より好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、最も好ましくは±3%以内であることを意味する。
2−2 極性溶媒
本発明の重合体粒子分散体に含まれる極性溶媒は、SP値11〜15.5で沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満である。極性溶媒としては、上記と好ましい態様は同じである。このような極性溶媒を選択することにより、重合体粒子の分散性に優れ、190℃以上の温度での耐熱分散性を有する重合体粒子分散体が得られる。
2−3 分散性
本発明の重合体粒子分散体は、重合体粒子の上記極性溶媒中での分散性に優れている。重合体粒子の分散性は、重合体粒子分散体(固形分1%)をマイクロスコープで例えば倍率1000倍で観察し、重合体粒子が個々に分散しているか、視野中に存在する凝集体が何個の粒子からなるかにより評価できる。本発明の重合体粒子分散体では、マイクロスコープで倍率1000倍で観察した場合に、視野中に10個以上からなる凝集が認められず、上記極性溶媒中での分散性に優れている。該視野中の凝集体は、5個以下からなることが好ましく、3個未満からなることがより好ましく、凝集体が観察されないのがさらに好ましい。
2−4 190℃以上の温度での耐熱分散性
本発明の重合体粒子分散体は、190℃以上の温度での耐熱分散性に優れている。重合体粒子分散体の耐熱分散性は、重合体粒子分散体(固形分1%)を190℃で10分間加熱した後、マイクロスコープで例えば倍率1000倍で観察し、重合体粒子が個々に分散しているか、視野中に存在する凝集体が何個の粒子からなるかにより評価できる。本発明の重合体粒子分散体では、マイクロスコープで倍率1000倍で観察した場合に、視野中に10個以上からなる凝集が認められず、上記極性溶媒中での分散性に優れている。該視野中の凝集体は、5個以下からなることが好ましく、3個未満からなることがより好ましく、凝集体が観察されないのがさらに好ましい。
2−5 重合体粒子の含有量
本発明の重合体粒子分散体における重合体粒子の含有量としては、重合体粒子分散体100質量%中、5〜20質量%が好ましい。
2−6 酸化防止剤
本発明に係る重合体粒子分散体は、酸化防止剤を含むものであってもよい。酸化防止剤を含むことにより、耐熱分散性により優れるために粒子同士の凝集をより抑制できる。酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、およびビタミンE系酸化防止剤などが挙げられる。なお、上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、当該酸化防止剤の構造中に、パラ置換2,6−ジ−tert−ブチルフェノール構造を有するものを意味し、硫黄系酸化防止剤は、硫黄元素を含み、酸化防止機能を有するもの、リン系酸化防止剤は、その構造中にリン原子を含むもの、ラクトン系酸化防止剤は、環状のエステル構造を有するものを意味する。これらの構造は2種以上を同時に含んでいてもよく、この場合、本明細書では、主として酸化防止効果を発揮する部分に応じて、各酸化防止剤を分類する。
3.ポリエステル樹脂用添加剤分散体
本発明のポリエステル樹脂用添加剤分散体は、上記重合体粒子分散体を含んでいる。上記ポリエステル樹脂用添加剤分散体に含まれる重合体粒子分散体は、上記重合体粒子分散体と好ましい態様は同じである。
4.ポリエステル樹脂
本発明のポリエステル樹脂は、重合体粒子を含有するポリエステル樹脂であって、上記重合体粒子が、Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有している。上記コア粒子Pは、(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格とビニル系重合体とを含む有機無機複合粒子から形成され、上記コア粒子Pの表面に上記ポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている。上記重合体粒子は、上記重合体粒子分散体における重合体粒子と好ましい態様は同じである。
5.用途
本発明の重合体粒子分散体は、従来の分散体に比べて高温での耐熱分散性に優れる。従って、本発明の重合体粒子分散体は、樹脂を合成する重合段階に添加した場合に粒子同士が凝集しにくく、また、窒素雰囲気下等の非酸化性雰囲気中で樹脂に対して溶融混合した場合に分解物を発生し難く、樹脂の着色や残留気泡等を生じにくいため、樹脂用添加剤として好適に使用できる。また、粒子を無機被覆する際に、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩を使用しないため、ナトリウム等の不純物の残留による着色を抑制できる。このため、特にフィルム用添加剤として好適に使用できる。本発明の重合体粒子分散体を添加する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、好ましくはポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、比較的融点が高く、溶融混合を高い温度で行う必要があるポリエステル樹脂の添加剤として本発明のポリエステル樹脂用添加剤分散体を用いると、より本発明の効果が発揮される。
樹脂用添加剤の中でも、本発明の重合体粒子分散体は耐熱分散性に優れ、さらに着色が抑えられ(無色性に優れ)、組成によって熱可塑性樹脂用粒子の屈折率を比較的広範囲に制御できることから樹脂用アンチブロッキング剤、光拡散剤として有用である。本発明の重合体粒子分散体を樹脂用添加剤として使用する場合、重合体粒子分散体を単独で使用してもよいし、他の成分と混合して用いてもよい。
6.マスターバッチ
上述したように、本発明の重合体粒子分散体は樹脂用添加剤として有用である。また、本発明の重合体粒子分散体は耐熱分散性に優れるため、樹脂を合成する重合段階に添加した場合に粒子同士が凝集しにくい。また、溶融加工温度を高くすることができ、より低い溶融粘度での混合が可能となる。そのため、樹脂に対する重合体粒子分散体の配合量を高くしても、重合体粒子分散体中の粒子を均一に分散させやすい。よって、本発明の重合体粒子分散体と樹脂とを含むマスターバッチも好ましい態様である。
マスターバッチに用いられる樹脂としては、好ましくは熱可塑性樹脂、より好ましくはポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、比較的融点が高く、溶融混合を高い温度で行う必要があるポリエステル樹脂の添加剤として本発明の重合体粒子分散体を用いると、より本発明の効果が発揮される。そのため、本発明の重合体粒子分散体を含有するポリエステル用添加剤とポリエステル樹脂とを含有するマスターバッチは本発明の好適態様である。
上記ポリエステル樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリテトラメチレン−2,6−ナフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
マスターバッチにおける重合体粒子分散体の含有量は、特に限定されないが、マスターバッチ中の樹脂100質量部に対して、重合体粒子分散体中の重合体粒子として0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは35質量部以下、一層好ましくは30質量部以下である。
本発明の重合体粒子分散体を含有するマスターバッチを調製する方法としては、樹脂を合成する重合段階に重合体粒子分散体を添加混合する方法;重合後の樹脂に対してエクストルーダー等を用いて溶融混合する方法;樹脂を溶剤に溶解した状態で重合体粒子分散体を添加混合する方法等が採用できる。これらの中でも、樹脂を合成する重合段階に重合体粒子分散体を添加混合する方法は、本発明の重合体粒子分散体を用いる効果が顕著に発揮されるとともに、重合体粒子を高濃度に分散含有された樹脂組成物を製造しやすいため、マスターバッチの製造に好適である。
樹脂を合成する重合段階に重合体粒子分散体を添加混合する方法において、樹脂に含まれる重合体粒子の含有量は、特に限定されないが、樹脂100質量部に対して、重合体粒子が0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、10質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、一層好ましくは2質量部以下である。
樹脂を合成する重合段階で混合する方法としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂に添加する場合、エチレングリコール等のグリコール成分とジカルボン酸(エステル)成分との重合反応時に、重合体粒子分散体を添加して重合体粒子の存在下で重合反応を行う方法が挙げられる。
溶融混練する方法としては、例えば、粉末あるいはペレット状のポリエステル樹脂と、重合体粒子分散体を混合し、撹拌しながらポリエステル樹脂を溶融させて混合処理する方法;ポリエステル樹脂を溶融させた状態で熱可塑性樹脂用粒子(粉体あるいは溶剤に分散させた形態)を混合する方法;等が挙げられる。
調製されたマスターバッチは、通常、粉末状あるいはペレット状に加工される。そして、マスターバッチを、このマスターバッチに含まれる樹脂と同様の樹脂に添加し、溶融混合して樹脂組成物が調製される。本発明の重合体粒子分散体を添加剤として用いることで、着色や気泡の発生の抑制された樹脂組成物が得られる。
7.樹脂組成物
本発明の重合体粒子分散体と樹脂とを含む樹脂組成物も好ましい態様である。本発明の重合体粒子分散体は、樹脂を合成する重合段階に添加した場合に粒子同士が凝集しにくく、窒素雰囲気下等の非酸化性雰囲気中で樹脂に対して溶融混合した場合に分解物を発生しにくいため、着色や残留気泡等が抑制された樹脂組成物が得られる。また、本発明の重合体粒子分散体は、樹脂組成物を加熱成型する際にも、粒子の凝集が少なく、また分解物を発生しにくいため、着色や残留気泡等が抑制された樹脂成型体が得られる。樹脂組成物は、上記マスターバッチと樹脂を混合して調製するのが好ましい。
樹脂組成物を、フィルム等に成型する方法としては、射出成形、押出成形等の加熱成形;樹脂組成物を溶剤で希釈して、液状の樹脂組成物を基材となる支持体に塗布する方法;等が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂用添加剤分散体とポリエステル樹脂とを混合する方法は特に限定されないが、ポリエステル樹脂の重合段階で添加するのが好ましい。
以下、実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。また、以下に述べる実施例において記載する「部」は「質量部」を表すものである。
<評価方法>
(1) 体積平均粒子径
粒度分布測定装置(「コールターマルチサイザーIII型」ベックマンコールター社製)により30,000個の粒子の粒子径を測定し、体積基準の粒子径分布より、体積平均粒子径、粒子径の標準偏差を求めるとともに、下記式に従って粒子径のCV値(変動係数)を算出した。
粒子径のCV値(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
(2) 耐熱分散性評価
ポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)及び重合体微粒子エチレングリコール分散体(4)にエチレングリコール(EG)を添加し固形分1%に調整した。上記、1%分散液を耐圧ガラス管に10mlとマグネチックスタラーを入れ、190℃のオイルバスで10分間加熱撹拌を行った。加熱前(条件1)と加熱後(条件2)の分散液をマイクロスコープ(倍率1000倍)で観察し、粒子の分散状態を以下の基準で評価した。
○ 個々の粒子が分散、2個からなる凝集体が存在
△ 視野中に3〜9個からなる凝集体が存在
× 視野中に10個以上からなる凝集体が存在
<重合体粒子分散体の作製>
[実施例1]
ビーカーにスチレン[St]80部、トリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPTMA]10部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン[KBM−503]10部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)1.0部を加え溶解した。撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えたフラスコに、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(商品名「ハイテノール(登録商標)NF−08」、第一工業製薬株式会社製)1.0部を溶解した脱イオン水150部を仕込み、ビーカーの溶液を加え、T.K.ホモジナイザー(特殊機化工業株式会社製)により8000rpmで7分間撹拌して均一な懸濁液とし、脱イオン水250部を添加した。次いで、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら液温が65℃になるまで加熱して、反応容器を65℃に保温した。自己発熱により液温が67℃に到達した時点を反応開始とし、この温度で1時間撹拌を続けた後、重合液をさらに85℃まで昇温させて1.5時間撹拌して重合反応を完了した。反応液を冷却、ろ過し、コア粒子前駆体(被覆工程前)水分散体(1)を得た。得られたコア粒子前駆体水分散体(1)の固形分は18.8%であり、粒子径をコールターマルチナイザーIII型(ベックマンコールター社製)により測定したところ、平均粒子径が2.37μm、CV値(変動係数)が36.8%であった。表1に、モノマー成分の合計を100質量部とした、各モノマー成分の使用割合を記載した。また、得られたコア粒子前駆体水分散体(1)の評価結果を表1に示した。なお、粒子の平均粒子径は体積平均粒子径である。また、表1中の「シェル」は、ポリシロキサン被膜である。
続いて、コア粒子前駆体水分散体(1)の表面に存在するアルコキシシリル基を加水分解して−Si−OH基とするため、得られたコア粒子前駆体水分散体(1)530部(重合体粒子100部)に25%アンモニア水5.0部、脱イオン水260部、メタノール200部を加え、40℃で15分撹拌した。次いで、テトラエトキシシラン20部加え、40℃で2時間撹拌を行い、反応液を冷却して、ポリシロキサン被覆を有する重合体粒子の水/メタノール分散体(2)を得た。
ポリシロキサン被覆を有する重合体粒子の水/メタノール分散体(2)を固液分離、乾燥し得られたポリシロキサン被膜を有する重合体粒子を走査透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、倍率250,000倍〜600,000倍で断面を撮影した。断面電子像を図1に示す。ポリシロキサン被膜の厚みを測長し、10点の平均は36.3nmであった。
また、ロータリーエバポレーター(ヤマト科学株式会社製RE540)のフラスコの中に、得られたポリシロキサン被覆を有する重合体粒子の水/メタノール分散体(2)100部を入れ、さらにエチレングリコール(EG)90部を加えた。
次いで、ロータリーエバポレーターを駆動して、温度80℃、圧力1torrの減圧条件下で、上記フラスコを100rpmの速度で回転させ、冷却器で蒸発した水を系外に排出した。この操作を1時間続けて、上記水分散液中に含まれる水をEGで置換した、固形分10%のポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)を得た。
得られたポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)の耐熱分散性の評価結果を表1に示した。
[実施例2]
テトラエトキシシランの使用量を10部に変更した以外は実施例1と同様にしてポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)を作製した。
得られたポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)の耐熱分散性の評価結果を表1に示した。
[実施例3]
テトラエトキシシランの使用量を5部に変更した以外は実施例1と同様にしてポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)を作製した。
得られたポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)の耐熱分散性の評価結果を表1に示した。
[実施例4]
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)をジビニルベンゼン(商品名「DVB960」、新日鐵化学株式会社製)に、テトラエトキシシランをシリケート40(多摩化学株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)を作製した。得られた粒子の評価結果を表1に示した。
ポリシロキサン被覆を有する重合体粒子の水/メタノール分散体(2)を固液分離、乾燥し得られたポリシロキサン被膜を有する重合体粒子を走査透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、倍率250,000倍〜600,000倍で断面を撮影した。断面電子像を図2に示す。ポリシロキサン被膜の厚みを測長し、10点の平均は16.4nmであった。
得られたポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)の耐熱分散性の評価結果を表1に示した。
[実施例5]
スチレン(St)80部及びトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)10部をジビニルベンゼン(商品名「DVB810」、新日鐵化学株式会社製)90部に、テトラエトキシシランを5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)を作製した。得られた粒子の評価結果を表1に示した。
得られたポリシロキサン被膜を有する重合体粒子エチレングリコール分散体(3)の耐熱分散性の評価結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1と同様にしてコア粒子前駆体水分散体(1)を製造し、コア粒子前駆体にシロキサン被覆を形成することなく、このコア粒子前駆体水分散体(1)について実施例1と同様にして水分散体に含まれる水をEGで置換し、ポリシロキサン被膜を有さない有機無機複合粒子のエチレングリコール分散体(4)を作製した。得られた粒子の評価結果を表1に示した。
コア粒子前駆体水分散体(1)を固液分離、乾燥し得られた粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率40,000倍で粒子の断面を撮影した断面電子像を図3に示す。
[比較例2]
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)をジビニルベンゼン(商品名「DVB960」、新日鐵化学株式会社製)20部に、テトラエトキシシランをシリケート40(多摩化学株式会社製)20部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリシロキサン被膜したが、被膜工程で粒子が凝集していた。実施例1と同様に溶媒置換して得られた、Si原子を含まない有機粒子にポリシロキサン被膜した粒子のエチレングリコール分散体(5)の評価結果を表1に示した。
[比較例3]
スチレン(St)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503)をジビニルベンゼン(商品名「DVB810」、新日鐵化学株式会社製)100.0部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、Si原子を含まない有機粒子であってポリシロキサン被膜を有さない粒子の水分散体(6)を作製した。得られた水分散体(6)から実施例1と同様にしてエチレングリコール分散体(7)を作製した。得られた分散体(7)の評価結果を表1に示した。
表1における略称は、以下の通りである。
・TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
・DVB960:ジビニルベンゼン(約96%)、エチルビニルベンゼン混合物
・DVB810:ジビニルベンゼン(約80%)、エチルビニルベンゼン混合物
・TEOS:テトラエトキシシラン
・シリケート40:エチルポリシリケート[Sin−1(OC2n+2、n=4〜6]65%、テトラエトキシシラン30%、エタノール10%以下
・EG:エチレングリコール
表1に示すように、コア粒子Pが(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格とビニル系重合体とを含む有機無機複合粒子から形成され、コア粒子Pの表面にポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている重合体粒子がエチレングリコールに分散した実施例の重合体粒子分散体では、25℃と190℃における分散性に共に優れ、高耐熱分散性であった。
これに対し、コア粒子Pが(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格を含まない有機粒子から形成されていたり、コア粒子Pの表面にポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されていない重合体粒子がエチレングリコールに分散した比較例の重合体粒子分散体では、25℃及び/又は190℃における分散性が低く、耐熱分散性に劣っていた。
本発明の重合体粒子分散体は、従来の分散体に比べて、耐熱分散性が高い。従って、本発明の重合体粒子分散体は、耐ブロッキング剤等の樹脂用添加剤として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有する重合体粒子が、極性溶媒に分散した重合体粒子分散体の製造方法であって、
    前記極性溶媒が、SP値11〜15.5、沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満であり、下記の工程(1)及び(2)を含む、重合体粒子分散体の製造方法。
    工程(1) 表面に−Si−OH基を有するコア粒子前駆体P’が分散した、水の含有量が50質量%以上の含水溶媒に、加水分解可能な有機金属化合物またはその少なくとも一部が加水分解された縮合物を添加して、加水分解反応および/または縮合反応を行い、前記コア粒子前駆体P’の表面に前記ポリメタロキサン被膜を形成する重合体粒子製造工程
    工程(2) 前記重合体粒子製造工程で得られた反応液から溶媒置換をして、前記含水溶媒を前記極性溶媒で置換する溶媒置換工程
  2. 極性溶媒に重合体粒子が分散した重合体粒子分散体であって、
    前記極性溶媒が、SP値11〜15.5、沸点100℃超で、且つ、水の含有量が50質量%未満であり、
    前記重合体粒子が、
    Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有し;
    前記コア粒子Pが(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格とビニル系重合体とを含む有機無機複合粒子から形成され;
    前記コア粒子Pの表面に前記ポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている、
    重合体粒子分散体。
  3. 請求項2に記載の重合体粒子分散体を含む、
    ポリエステル樹脂用添加剤分散体。
  4. 重合体粒子を含有するポリエステル樹脂であって、
    前記重合体粒子が、
    Si原子を含むコア粒子Pの表面に金属原子Mを含むポリメタロキサン被膜を有し;
    前記コア粒子Pが(メタ)アクリロキシ基を有するポリシロキサン骨格からなる無機質骨格とビニル系重合体とを含む有機無機複合粒子から形成され;
    前記コア粒子Pの表面に前記ポリメタロキサン被膜が−Si−O−M−を含む構造によって結合されている
    ポリエステル樹脂。

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