JP2018172505A - マグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法 - Google Patents

マグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マグネシウム及びマグネシウム合金の表面をグロスの高い、すなわち光沢度に優れた表面を歩留まり良く得ることが可能な研磨用組成物、及び研磨方法を提供することを課題とする。【解決手段】アルキレングリコールの重合体または共重合体、ポリビニルピロリドン、6価以上の糖アルコール及び合成多糖類からなる群から選ばれる化合物の1種または2種以上のグロス向上剤と、砥粒と、水とを含有し、pHが10以上である、マグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法に関する。
マグネシウム及びマグネシウム合金は、金属材料の中でも軽量であるため、種々の用途、特に軽量化が要求される携帯型電子機器などに幅広く使用されている。また、マグネシウム及びマグネシウム合金の表面は鏡面を有することができその美観を生かした製品が製造されるようになってきている。このため、従来から、マグネシウム又はマグネシウム合金の表面の研磨による鏡面仕上げや平滑化が行われてきた。
例えば、特許文献1には、マグネシウム板をアルミナ砥粒を備えるナイロンワイヤ製ブラシロールを用いて研磨することにより、表面酸化膜の厚みを減らし、光沢度保持率を高めることが開示されている。
しかしながら、このような従来の研磨方法では、グロスの高い光沢度にすぐれた表面を効率的に得ることができない場合があった。
特開2006−297397号公報
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、マグネシウム及びマグネシウム合金の表面をグロスが高く光沢度に優れた表面を歩留まり良く得ることが可能な研磨用組成物、及び研磨方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は、アルキレングリコールの重合体または共重合体、ポリビニルピロリドン、6価以上の糖アルコール及び合成多糖類からなる群から選ばれる化合物の1種または2種以上のグロス向上剤と、砥粒と、水とを含有し、pHが10以上である研磨用組成物を使用することによって、マグネシウム及びマグネシウム合金の表面の表面研磨において、グロスが高い優れた表面を、効率的に得ることを可能にする。
本発明によれば、マグネシウム及びマグネシウム合金のグロスが高い表面を得ることが可能である。
本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
<グロス向上剤>
本実施形態の研磨用組成物は、グロス向上剤を含む。グロス向上剤とは、これを含有することによって、研磨した際の被研磨材料であるマグネシウムおよびマグネシウム合金の表面のグロスを向上させることが出きる成分を意味する。グロス向上剤は、アルキレングリコールの重合体または共重合体、ポリビニルピロリドン、6価以上の糖アルコール及び合成多糖類からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物である。
グロス値は、JIS Z 8741に準拠した「鏡面光沢度―測定法」に基づいて、光の試料面に対する入射角を20度としたときの試料面からの鏡面反射光束φsを測定した値で定義される。後述するように、例えば、コニカミノルタ社製GM-60Plus/268Plus光沢計等を使用してグロス値を測定することができる。グロス値が高いほど、表面の光沢度が高く優れた鏡面が得られる。
アルキレングリコールの重合体または共重合体は、単重合体としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられ、共重合体としては、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体(ブロック共重合体、ランダム重合体)などが挙げられる。好ましくは、ポリアルキレングリコールであってよく、さらには、ポリエチレングリコールであってもよい。分子量は、200〜20000であってもよい。
ポリビニルピロリドンは、ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドン(含有)共重合体であってよく、好ましくは、ポリビニルピロリドンであってもよい。分子量は5000〜500000であってもよい。
6価以上の糖アルコールは、ヘキシトール(6価)、ヘプチトール(7価)、オクチトール(8価)などであってもよい。ヘキシトールとしては、ソルビトール、マンニトール、ダルシトールなどが挙げられる。ヘプチトールとしては、ボレミトール、ベルセイトールなどが挙げられる。オクチトールとしては、D−エリトロ−D−ガラクト−オクチトールなどが挙げられる。5価以下の糖アルコール(ペンチトール)、例えば、キシリトール、リビトールなどは含まれない。
合成多糖類としては、プルラン、エルシナンなどのαグルカンが挙げられる。分子量は、5000〜500000であってもよい。天然多糖類や単糖類、二糖類などは除かれる。
グロス向上剤の含有量は特に限定されるものではないが、0.01〜10.0質量%であってよく、0.05〜5.0質量%であってもよい。
<砥粒>
砥粒は、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、酸化クロム、酸化マグネシウム、二酸化マンガン、酸化亜鉛、ベンガラ粒子等の酸化物、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子、ダイヤモンド粒子、炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩等であってもよい。有機砥粒の例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子(ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。)、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。砥粒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
砥粒は、好ましくは、シリカ、アルミナ、セリア、チタニアおよびジルコニアから選ばれる1種又は2種以上であってもよい。シリカ粒子の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降シリカ等が挙げられる。アルミナはα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、または水和アルミナであってもよい。
砥粒の形状は特に限定されず、球形であってもよく、非球形であってもよい。非球形をなすシリカ粒子の具体例としては、ピーナッツ形状(すなわち、落花生の殻の形状)、繭形状、突起付き形状等の形状を有するシリカ粒子が挙げられる。シリカ粒子は、同形状の1種を単独で使用してもよく、形状の異なる2種以上を組み合わせて使用してもよい。例えば、多くがピーナッツ形状をしたシリカ粒子を好ましく採用し得る。
研磨用組成物中に含まれる砥粒は、一次粒子の形態であってもよく、複数の一次粒子が会合した二次粒子の形態であってもよい。また、一次粒子の形態の砥粒と二次粒子の形態の砥粒とが混在していてもよい。好ましい一態様では、少なくとも一部の砥粒が二次粒子の形態で研磨用組成物中に含まれている。
砥粒の平均一次粒子径は特に制限されないが、研磨速度等の観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、特に好ましくは20nm以上である。より高い研磨効果を得る観点から、平均一次粒子径は、25nm以上が好ましく、30nm以上がさらに好ましい。平均一次粒子径が40nm以上の砥粒を用いてもよい。また、保存安定性(例えば分散安定性)の観点から、砥粒の平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは70nm以下、例えば60nm以下である。なお、ここに開示される技術において、砥粒の平均一次粒子径は、例えば、BET法により測定される比表面積(m/g)から、D=2727/S(nm)の式により算出することができる。比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の表面積測定装置、商品名「Flow Sorb II 2300」を用いて行うことができる。
砥粒の平均二次粒子径(二次粒径)は特に限定されないが、研磨速度等の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上であり、さらに好ましくは20nm以上、特に好ましくは35nm以上である。より高い研磨効果を得る観点から、上記平均二次粒子径は、40nm以上(例えば50nm以上、典型的には60nm以上)であることが特に好ましい。また、保存安定性(例えば分散安定性)等の観点から、砥粒の平均二次粒子径は、200nm以下が適当であり、好ましくは150nm以下、より好ましくは100nm以下(例えば80nm以下)である。砥粒の平均二次粒子径は、例えば、日機装社製の型式「UPA−UT151」を用いた動的光散乱法により測定することができる。後述の実施例についても同様である。
特に限定するものではないが、砥粒の長径/短径比の平均値(平均アスペクト比)は、好ましくは1.01以上、さらに好ましくは1.05以上(例えば1.1以上)である。砥粒の平均アスペクト比の増大によって、より高い研磨レートが実現され得る。また、砥粒の平均アスペクト比は、研磨レートやスクラッチ低減等の観点から、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。
上記砥粒の形状(外形)や平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡観察により把握することができる。平均アスペクト比を把握する具体的な手順としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、独立した粒子の形状を認識できる所定個数(例えば200個)の砥粒粒子について、各々の粒子画像に外接する最小の長方形を描く。そして、各粒子画像に対して描かれた長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を長径/短径比(アスペクト比)として算出する。上記所定個数の粒子のアスペクト比を算術平均することにより、平均アスペクト比を求めることができる。
さらに、本実施形態の研磨用組成物中の砥粒の含有量は、特に限定されないが、0.5〜50質量%であってもよく、1〜30質量%であってもよい。砥粒の含有量が少なすぎると十分な研磨速度が得られないおそれがあり、多すぎると研磨用組成物が高コストとなるおそれがある。
<水>
本実施形態の研磨用組成物は、研磨材を分散させ他の成分を分散又は溶解する分散媒又は溶媒としての水を含有する。水は、他の成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後、フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、又は蒸留水が好ましい。
<pH及びpH調整剤>
本実施形態の研磨用組成物のpHは10以上であり、好ましくは11以上であってもよい。pHの調整は、添加剤であるpH調整剤によって行ってもよい。pH調整剤は、研磨用組成物のpHを調整し、これにより、研磨対象物の研磨速度や研磨材の分散性等を制御することができる。pH調整剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合しても用いてもよい。
pH調整剤としては、公知の塩基、又はそれらの塩を使用することができる。pH調整剤として使用できる塩基としては、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン、水酸化第四アンモニウム等の有機塩基、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアンモニア等が挙げられる。これらの塩基の中でも、入手容易性から水酸化カリウム、アンモニアが好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態の研磨用組成物は、その性能を向上させるために、必要に応じて、pH調整剤以外の添加剤をさらに含有してもよい。例えば、研磨用組成物は、錯化剤、エッチング剤、酸化剤等の研磨速度をさらに高める作用を有する添加剤を含有してもよい。また、研磨用組成物は、研磨対象物の表面や研磨材の表面に作用する水溶性重合体(共重合体やその塩、誘導体でもよい)を含有してもよい。さらに、研磨用組成物は、研磨材の分散性を向上させる分散剤や研磨材の凝集体の再分散を容易にする分散助剤のような添加剤を含有してもよい。さらに、研磨用組成物は、防腐剤、防黴剤、防錆剤のような公知の添加剤を含有してもよい。
これらの各種添加剤は、研磨用組成物において通常添加できるものとして、多くの特許文献等において公知であり、添加剤の種類及び添加量は特に限定されるものではない。ただし、これらの添加剤を添加する場合の添加量は、研磨用組成物全体に対して、それぞれ1質量%未満であることが好ましく、それぞれ0.5質量%未満であることがより好ましい。これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
錯化剤の例としては、無機酸、有機酸、アミノ酸、ニトリル化合物、及びキレート剤等が挙げられる。無機酸の具体例としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、炭酸等が挙げられる。有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸等が挙げられる。メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、及びイセチオン酸等の有機硫酸も使用可能である。無機酸又は有機酸の代わりにあるいは無機酸又は有機酸と組み合わせて、無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩等の塩を用いてもよい。これらの錯化剤の中でもグリシン、アラニン、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、イセチオン酸、又はそれらの塩が好ましい。
キレート剤の例としては、グルコン酸等のカルボン酸系キレート剤や、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルテトラアミン等のアミン系キレート剤や、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のポリアミノポリカルボン酸系キレート剤があげられる。また、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸等の有機ホスホン酸系キレート剤や、フェノール誘導体や、1,3−ジケトン等も、キレート剤の例として挙げることができる。
エッチング剤の例としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、フッ酸等の無機酸や、酢酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の有機酸や、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリや、アミン、第四級アンモニウム水酸化物等の有機アルカリ等が挙げられる。
酸化剤の例としては、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過塩素酸塩、過硫酸塩、硝酸、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。
水溶性重合体(共重合体やその塩、誘導体でもよい)の例としては、ポリアクリル酸塩等のポリカルボン酸や、ポリホスホン酸や、ポリスチレンスルホン酸等のポリスルホン酸や、キタンサンガム、アルギン酸ナトリウム等の多糖類や、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。また、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ソルビタンモノオレエート、単一種又は複数種のオキシアルキレン単位を有するオキシアルキレン系重合体等も、水溶性重合体の例として挙げることができる。
分散助剤の例としては、ピロリン酸塩や、ヘキサメタリン酸塩等の縮合リン酸塩等が挙げられる。防腐剤の例としては、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。防黴剤の例としては、オキサゾリジン−2,5−ジオン等のオキサゾリン等が挙げられる。
防食剤の例としては、界面活性剤、アルコール類、高分子、樹脂、アミン類、ピリジン類、テトラフェニルホスホニウム塩、ベンゾトリアゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、安息香酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が挙げられ、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドが挙げられる。
防腐剤の例としては、次亜塩素酸ナトリウム等があげられる。また、防黴剤の例としては、オキサゾリジン−2,5−ジオン等のオキサゾリン等があげられる。
<研磨対象物>
本発明の研磨用組成物の研磨対象物はマグネシウム又はマグネシウム合金である。
マグネシウム合金は、特に限定されないがアルミニウムを3質量%以上含有するMg−Al系合金であってもよい。Mg−Al系合金としては、Mg−Al−Zn系合金、Mg−Al−Mn系合金、Mg−Al−RE系合金、Mg−Al−Ca系合金及びMg−Al−Sr系合金などが挙げられる。
<研磨用組成物の製造方法>
本実施形態の研磨用組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、グロス向上剤と、砥粒と、所望により各種添加剤とを、水で撹拌、混合することによって製造することができる。例えば、ポリエチレングリコールと、シリカと、pH調整剤等の各種添加剤とを、水中で撹拌、混合することによって製造することができる。各成分を混合する際の温度は特に限定されるものではないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を向上させるために加熱してもよい。また、混合時間も特に限定されない。
本実施形態の研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型以上の多剤型であってもよい。また、研磨用組成物の供給経路を複数有する研磨装置を用いて研磨対象物の研磨を行う場合であれば、以下のようにして研磨を行ってもよい。すなわち、研磨用組成物の原料となる原料組成物を予め複数調製しておき、それら複数の原料組成物を供給経路を介して研磨装置内に供給し、研磨装置内でそれら複数の原料組成物が混合されて研磨用組成物を形成するようにして研磨を行ってもよい。
本実施形態の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液をさらに水で希釈することにより調製されてもよい。研磨用組成物が二剤型である場合には、研磨用組成物の原料となる二つの原料組成物の混合と希釈の順序は任意である。例えば、一方の原料組成物を水で希釈した後、他方の原料組成物と混合してもよいし、両方の原料組成物の混合と水での希釈を同時に行ってもよいし、あるいは、両方の原料組成物を混合した後に水で希釈してもよい。
<研磨装置及び研磨方法>
本実施形態の研磨用組成物は、例えば、通常の金属または合金からなる研磨対象物の研磨で通常に用いられる研磨装置及び研磨条件で使用することができる。研磨装置としては、一般的な片面研磨装置や両面研磨装置が使用可能である。片面研磨装置を用いて研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、研磨用組成物を供給しながら、研磨パッドが貼付された定盤を研磨対象物の片面に押しつけ、定盤を回転させることにより研磨対象物の片面を研磨する。両面研磨装置を用いて研磨する場合には、キャリアを用いて研磨対象物を保持し、研磨用組成物を供給しながら、研磨パッドが貼付された定盤を研磨対象物の両面に押しつけ、研磨パッドと研磨対象物を相反する方向に回転させることにより研磨対象物の両面を研磨する。いずれの研磨装置を用いた場合でも、研磨パッド及び研磨用組成物と研磨対象物との間の摩擦による物理的作用と、研磨用組成物が研磨対象物にもたらす化学的作用によって、研磨対象物は研磨される。
研磨条件のうち研磨荷重(研磨時に研磨対象物に負荷する圧力)については特に限定されないが、一般に研磨荷重が大きいほど研磨材と研磨対象物との間の摩擦力が高くなる。その結果、機械的加工特性が向上し、研磨速度が上昇する。研磨荷重は2kPa(20gf/cm)以上98kPa(1000gf/cm)以下であることが好ましく、より好ましくは3kPa(30gf/cm)以上78kPa(800gf/cm)以下、さらに好ましくは3kPa(30gf/cm)以上59kPa(600gf/cm)以下である。研磨荷重が上記の範囲内にある場合は、十分に高い研磨速度が発揮されることに加えて、研磨対象物の破損や表面欠陥の発生を低減することができる。
また、研磨条件のうち線速度(研磨時の研磨パッドと研磨対象物との相対速度)は、一般に、研磨パッドの回転速度、キャリアの回転速度、研磨対象物の大きさ、研磨対象物の数等の影響を受ける。線速度が大きい場合は、研磨対象物に研磨材が接触する頻度が高くなるため、研磨対象物と研磨材との間に働く摩擦力が大きくなり、研磨対象物に対する機械的研磨作用が大きくなる。また、摩擦によって発生する熱が、研磨用組成物による化学的研磨作用を高めることがある。
線速度は特に限定されないが、1m/分以上300m/分以下であることが好ましく、より好ましくは5m/分以上100m/分以下であることが好ましく、さらに好ましくは10m/分以上50m/分である。線速度が上記の範囲内にある場合は、十分に高い研磨速度が達成されることに加えて、研磨対象物に対し適度な摩擦力を付与することができる。一方で、研磨パッドと研磨対象物との間に直接発生する摩擦は、研磨に寄与しないため、極力小さいことが好ましい。
さらに、研磨条件のうち研磨用組成物の供給速度は、研磨対象物の種類や、研磨装置の種類や、他の研磨条件に依存するが、研磨用組成物が研磨対象物及び研磨パッドの全体に均一に供給されるのに十分な供給速度であることが好ましい。
研磨パッドの種類は特に限定されるものではなく、材質、厚さ、硬度等の物性が種々異なるものを用いることができる。例えば、ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等の種々の材質の研磨パッドを用いることができる。また、砥粒を含む研磨パッド、砥粒を含まない研磨パッドのいずれの研磨パッドも用いることができる。
さらに、本実施形態の研磨用組成物は、研磨対象物の研磨に使用された後に回収し、研磨対象物の研磨に再使用することができる。研磨用組成物を再使用する方法の一例としては、研磨装置から排出された使用済みの研磨用組成物をタンクに回収し、タンク内から再度研磨装置内へ循環させて研磨に使用する方法が挙げられる。研磨用組成物を循環使用すれば、廃液として排出される研磨用組成物の量を減らすことができるので、環境負荷を低減することができる。また、使用する研磨用組成物の量を減らすことができるので、研磨対象物の研磨に要する製造コストを抑制することができる。
本実施形態の研磨用組成物を再使用する際には、研磨に使用したことにより消費、損失された研磨材、添加剤等の一部又は全部を、組成調整剤として添加した上で再使用するとよい。研磨材、添加剤等を任意の混合比率で混合したものを組成調整剤として用いてもよいし、研磨材、添加剤等をそのまま単独で組成調整剤として用いてもよい。組成調整剤を追加で添加することにより、研磨用組成物が再使用されるのに好適な組成に調整され、好適な研磨を行うことができる。組成調整剤に含有される研磨材、添加剤の濃度は任意であり、特に限定されず、タンクの大きさや研磨条件に応じて適宜調整すればよい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
まず、表1に示される含有量(質量%)となるように、砥粒としてコロイダルシリカ粒子、グロス向上剤として表1に示される化合物群から選ばれる化合物、pH調整剤として水酸化カリウム及び純水を混合して、実施例1〜28の研磨用組成物を製造した。また、実施例1〜28のグロス向上剤に替えて、表1に示す化合物群から選ばれる化合物を配合して、比較例1〜14、17〜25の研磨用組成物を製造した。比較例16および19ではグロス向上剤およびこれに替わる化合物を添加しなかった。実施例および比較例の研磨用組成物中の各成分の含有量(質量%)は表1に記載の通りであり、残部は純水である。また、各研磨用組成物のpHは、表1に記載の通りである。比較例19〜25は、pHを9に調整した。さらに、比較例15では研磨用組成物を使用せずに、表面に#240相当のアルミナ砥粒を有するブラシにより、0.5wt%水酸化ナトリウムの水溶液を流しながら特許文献1と同様の方法で研磨した。
Figure 2018172505
次に、これら研磨用組成物を使用して研磨対象物の研磨を行い、被研磨面のグロス値を測定した。研磨対象物は、ASTM規格におけるAZ91合金相当材を使用した。グロス値は、JIS Z 8741に準拠した「鏡面光沢度―測定法」に基づいて、光の試料面に対する入射角を20度としたときの試料面からの鏡面反射光束φsを測定した値である。本実施例では、コニカミノルタ社製GM-60Plus/268Plus光沢計を使用してグロス値を測定した。
研磨条件は以下の通りである。
研磨装置:片面研磨装置(定盤の直径:380mm)
研磨パッド:スウェード製研磨パッド
研磨荷重:9.8kPa(100gf/cm
定盤の回転速度:90min−1
研磨速度(線速度):10.7m/分
研磨時間:5分
研磨用組成物の供給速度:10mL/分
結果を表1に示す。表1に示す結果から分かるように、実施例1〜28は、基板のグロス値が1770以上であり、十分に優れた光沢面が得られた。これに対して、比較例1〜25はグロス値が1770未満であり、表面の光沢性が不十分であった。

Claims (7)

  1. アルキレングリコールの重合体または共重合体、ポリビニルピロリドン、6価以上の糖アルコール及び合成多糖類からなる群から選ばれる化合物の1種または2種以上のグロス向上剤と、砥粒と、水とを含有し、pHが10以上である、マグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物。
  2. 前記グロス向上剤が、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、プルランから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載のマグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物。
  3. 前記グロス向上剤が、ポリエチレングリコール及びポリビニルピロリドンから選ばれる1種又は2種である請求項2に記載のマグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物。
  4. 前記グロス向上剤が、ソルビトール、プルランから選ばれる1種又は2種である請求項2に記載のマグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物。
  5. 前記マグネシウム合金はアルミニウムを3質量%以上含有するMg−Al系合金である請求項1〜4のいずれか一項に記載のマグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物。
  6. 前記Mg−Al系合金は、Mg−Al−Zn系合金、Mg−Al−Mn系合金、Mg−Al−RE系合金、Mg−Al−Ca系合金及びMg−Al−Sr系合金から選択される請求項5に記載のマグネシウム又はマグネシウム合金の研磨用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて、マグネシウム又はマグネシウム合金を研磨することを特徴とする研磨方法。
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