JP2018172267A - 塩害防止用混和材及びそれを用いたセメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】モルタル・コンクリートの塩害による耐久性劣化を防ぐための手段であって、特別な処理も必要とせず、単に混和するだけで、しかも比較的少量の使用で、高い塩化物イオン浸透抵抗性をモルタル・コンクリートに付与することが可能な混和材の提供。【解決手段】化学成分としてAl2O3を40〜50質量%とSiO2を45〜55質量%含み、鉄のFe2O3換算含有量が3.0質量%以下であり、かつ粒子径0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上である非晶質アルミノシリケートを有効成分とする塩害防止用混和材。【選択図】なし

Description

本発明はモルタル・コンクリートの塩害による耐久性劣化防止のため、塩化物イオン浸透抵抗性を高める混和材に関する。
老朽化や劣化により、今後補修が必要となる構造物は増加するが、それらの補修費用の増大が懸念されている。また、新設の構造物も耐用年数の長いものが求められる。このため、補修用や新築用に限らず、安価で製造・施工が容易な高耐久性の材料が求められている。鉄筋コンクリート構造物の劣化原因の一つとして塩化物イオンの浸透による鉄筋腐食が挙げられており、その対策としていくつかの方策が開発されている。例えばモルタル・コンクリートに混和材(剤)を使用することが検討されている。
具体的には、混和剤として樹脂を配合することで水の浸透を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、樹脂は高価であると共に、樹脂を含む排水が漏出した場合には環境への影響が考えられるため排水汚染等の問題が生じる。
また、亜硝酸カルシウムが防錆剤として提案されている(例えば、特許文献2参照)が、亜硝酸カルシウムは鉄筋に作用するため、モルタル・コンクリートそのものを緻密化するわけではない。また、亜硝酸カルシウムはセメントの凝結促進剤でもあるため、流動性の低下や可使時間の低下を招くことがある。その他にも、塩化物イオンのトラップ剤としてCaO/Al23モル比が0.15〜0.7のカルシウムアルミネートを含む材料が提案されている(例えば、特許文献3参照)が、カルシウムアルミネートは高温で焼成する必要があるため、コストが高くなる。また、カルシウムアルミネートは微粉砕を行うことが困難である。一方、混和剤ではなく、コンクリート表面に塗布することで耐久性を付与する材料も開発されている(例えば、特許文献4参照)が、この方法は材料を表面全体に塗布するため、作業に大変手間がかかり、作業効率も低く労務コストが高くなり易い。
特開2013−119498号公報 特開昭53−003423号公報 特開2010−100473号公報 特開2013−193885号公報
本発明はモルタル・コンクリートの塩害による耐久性劣化を防ぐための手段であって、特別な処理も必要とせず、単に混和するだけで、しかも比較的少量の使用で、高い塩化物イオン浸透抵抗性をモルタル・コンクリートに付与することが可能な混和材を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく種々検討した結果、特定の不純物を制限した特定の化学組成と粒度構成のメタカオリン(非晶質アルミノシリケート)を用いれば、容易かつ安価に塩化物イオンのモルタルやコンクリート中への進入抵抗性を飛躍的に高めることができるという知見を得、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[7]を提供するものである。
[1]化学成分としてAl23を40〜50質量%とSiO2を45〜55質量%含み、鉄のFe23換算含有量が3.0質量%以下であり、かつ粒子径0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上である非晶質アルミノシリケートを有効成分とする塩害防止用混和材。
[2]前記非晶質アルミノシリケートが、0.1μm以上50μm以下の粒子含有量が90体積%以上、かつ粒子径0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上である前記[1]の塩害防止用混和材。
[3]前記非晶質アルミノシリケートが、0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上、かつ7μm以上50μm以下の粒子の含有量が15〜50体積%である前記[1]又は[2]の塩害防止用混和材。
[4]前記非晶質アルミノシリケートのBET比表面積が8〜20m2/gである前記[1]〜[3]のいずれかの塩害防止用混和材。
[5]前記非晶質アルミノシリケート中のマグネシウムのMgO換算含有量が0.3質量%以下である前記[1]〜[4]のいずれかの塩害防止用混和材。
[6]石膏及び/又はカルシウムアルミネートをさらに含む、前記[1]〜[5]のいずれかの塩害防止用混和材。
[7]セメント及び前記[1]〜[6]のいずれかの塩害防止用混和材からなる結合材を含むセメント組成物であって、前記非晶質アルミノシリケートの混和量が結合材の総質量を基準として、内割で3〜15質量%である、セメント組成物。
本発明の塩害防止用混和材を用いれば、容易かつ安価に、塩化物イオンのモルタルやコンクリート中への進入抵抗性を飛躍的に高めることができ、進入しても深くまで到達しないため、塩害によるモルタル・コンクリートの劣化を十分防ぐことが可能となる。
[塩害防止用混和材]
本発明の塩害防止用混和材は、特定の不純物を制限し、かつ特定の粒度構成を有する非晶質アルミノシリケートを有効成分とする。非晶質アルミノシリケートはメタカオリンとも称されるもので、カオリナイトの脱水中間体であり、構造的に不安定なため、反応活性が高く、特に潜在水硬性を具備する。このような高い反応活性があるため、モルタル・コンクリート中においてアルミノシリケート中のアルミ成分により、塩化物イオン存在下でフリーデル氏塩を生成し、化学的に塩化物イオンを捕捉することができる。
本発明で使用する前記非晶質アルミノシリケートは、かような性状が特に強化されたものであり、そのためには以下の条件を満たす非晶質アルミノシリケートであることを必要とする。
(1)構造
非晶質のアルミノシリケートである。非晶質アルミノシリケートは前記のような含水珪酸塩鉱物結晶のカオリナイトの脱水した中間体であるため、結晶構造は破壊されている。非晶質アルミノシリケートは完全に非晶質でなくてもよいが、反応活性が低下しにくく、塩化物イオン浸透抵抗性も低下しにくいという観点から、好ましくはガラス化率で90質量%以上のものであり、より好ましくは95質量%以上のものである。
(2)化学組成
化学成分としてAl23を40〜50質量%とSiO2を45〜55質量%含むアルミノシリケートである。本発明に係る非晶質アルミノシリケートは結晶水や構造水を含まない。
SiO2含有量が55質量%を超えるものでは、水和反応活性が低下するため、強固で機械的耐久性のあるモルタル・コンクリートが得られ難いので好ましくない。また、Al23含有量が40質量%未満だと、塩化物イオンの吸着量が少なくなるので好ましくない。さらにAl23含有量が50質量%を超える非晶質アルミノシリケートは製造過程で結晶質Al23が生成し易くなり、反応活性の高い非晶質体の割合が減少する虞があるので好ましくない。
好ましいAl23含有量は41〜48質量%であり、より好ましくは42〜48質量%である。また、好ましいSiO2含有量は46〜54質量%であり、より好ましくは48〜54質量%である。
非晶質アルミノシリケート中の不純物としての鉄のFe23換算含有量は3.0質量%以下である。
非晶質アルミノシリケートにおける鉄のFe23換算含有量が3.0質量%を超えるものでは、アルミネート水和物の生成速度が低下するため好ましくない。非晶質アルミノシリケートにおける鉄のFe23換算含有量は、アルミネート水和物の生成速度をより一層促進するという観点から、2.5質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがより好ましい。
また、非晶質アルミノシリケート中の不純物としてのマグネシウムのMgO換算含有量は、水和反応を阻害するためアルミネート水和物の反応速度がさらに高く、強固で機械的耐久性のあるモルタル・コンクリートが得られやすいという観点から、0.3質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以下であることがさらに好ましい。
非晶質アルミノシリケートの中には不純物として鉄が含まれるが、鉄は反応の阻害要因となるため非晶質中のネットワークの一部に存在することは望ましくない。また非晶質アルミノシリケートの中にはマグネシウム含有量も少ないことが好ましい。
(3)粒度構成
非晶質アルミノシリケートの粒度構成は、粒子径0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上である。この範囲の粒子が50体積%未満だと、反応活性が低下し、塩化物イオンの浸透抵抗性が低下する虞が高まるので好ましくない。
好ましくは、0.1μm以上50μm以下の粒子含有量が90体積%以上かつ粒子径0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上のものであり、より好ましくは、0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上かつ7μm以上50μm以下の粒子の含有量が15〜50体積%のものであり、さらに好ましくは、0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が60〜85体積%かつ7μm以上50μm以下の粒子の含有量が15〜40体積%のものである。非晶質アルミノシリケートの粒度構成が上記範囲内であれば、塩化物イオンなどの浸透をさらに抑制できる傾向にある。
7μm以下のような粒径の小さい非晶質アルミノシリケートを多く用いることで反応性が向上し、より多くの塩化物イオンをトラップできると考えられる。さらにフィラー効果によりモルタル・コンクリートを緻密化し、塩化物イオンなどが浸透し難くなり、耐久性が全体的(物理的・化学的)に一層向上する。ここで粒子径範囲の粒子含有量は、非晶質アルミノシリケートの体積基準である。
非晶質アルミノシリケートの粒度構成の測定方法は特に限定されるものではなく、一般的な方法を用いることができる。粒度構成の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法を利用した粒度分布測定装置を用いることができる。粒度分布測定装置を用いる場合、湿式及び乾式のいずれの方式も利用することができる。
非晶質アルミノシリケートの比表面積は、好ましくは、BET比表面積で8〜20m2/gのものが好ましく、より好ましくはBET比表面積で10〜15m2/gのものである。
非晶質アルミノシリケートのBET比表面積がこの範囲であれば、反応活性がより高く、また流動性がさらに良好で、施工性に支障をきたしにくい。
本発明に係る非晶質アルミノシリケートは、化学組成が上述した範囲内のものであるカオリンなどの原料を焼成した後、ボールミルなどの粉砕機を用いて粒度を調整することで作製することができる。
原料は、700〜1100℃で5〜60分間焼成することが好ましい。このような焼成条件であれば、非晶質アルミノシリケートの粒度をより細かく調整しやすい。
本発明の塩害防止用混和材は、前述の非晶質アルミノシリケートを含有していればよく、他の成分を含む必要はないが、石膏類、カルシウムアルミネート類、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属硫酸塩、減水剤、AE剤、高性能減水剤、発泡剤、消泡剤、増粘剤、遅延剤等を含有していてもよい。
石膏類としては、例えば、無水石膏、半水石膏、二水石膏が挙げられる。石膏類としては、強度発現性をさらに向上させるという観点から、無水石膏が好ましい。石膏類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
塩害防止用混和材に石膏類を配合することで、モルタルが硬化した際、塩化物イオンなどの浸透抵抗性に加えて硬化体の収縮を抑制する効果を付与できる。
本発明の塩害防止用混和材において、非晶質アルミノシリケートに対する石膏類の配合量([石膏類の質量]/[非晶質アルミノシリケートの質量])は、塩化物イオンの浸透抵抗性と硬化体の収縮を抑制する効果とを両立させやすいという観点から、0.3〜3.5であることが好ましく、0.4〜3.2であることがより好ましく、0.5〜3であることがさらに好ましい。
カルシウムアルミネート類としては、CaOをC、Al23をA、Na2OをN、及びFe23をFとして表したとき、C3A、C2A、C127、CA、又はCA2等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、C4AF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC33・CaF2やC117・CaF2等と表示されるカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、C8NA3やC325等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネート、アルミナセメント、並びにC33・CaSO4等と表示されるカルシウムサルホアルミネートを総称するものである。このカルシウムアルミネート類は、結晶質のもの、非結晶質のもの、非晶質及び結晶質が混在したもののいずれも使用可能である。カルシウムアルミネート類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
塩害防止用混和材にカルシウムアルミネート類を配合することで、モルタルの硬化をさらに促進し、塩化物イオンなどの浸透抵抗性をより一層向上させることができる。
本発明の塩害防止用混和材において、非晶質アルミノシリケートに対するカルシウムアルミネート類の配合量([カルシウムアルミネート類の質量]/[非晶質アルミノシリケートの質量])は、モルタルの硬化を促進し、塩化物イオンなどの浸透抵抗性をより一層向上させやすいという観点から、0.5〜10であることが好ましく、0.6〜7であることがより好ましく、0.7〜5であることがさらに好ましい。
[セメント組成物]
本発明の一実施形態としては、セメント及び塩害防止用混和材からなる結合材を含むセメント組成物(プレミクス製品)が挙げられ、このような態様において塩害防止用混和材を利用することもできる。
モルタルやコンクリートに使用されるセメントは、ポルトランドセメントであれば何れのものでもよく、例えば高炉セメントなどのポルトランドセメントとの混合セメントであってもよい。セメントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
セメント組成物における非晶質アルミノシリケートの混和量は、結合材の総質量を基準として、内割で3〜15質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましく、5〜10質量%であることがさらに好ましい。非晶質アルミノシリケートの混和量が上記範囲内であれば、十分な塩化物イオン浸透抵抗性が得られやすく、中性化への耐性も低下しにくい傾向にある。
塩害防止用混和材が石膏類を含む場合、セメント組成物における石膏類の混和量は、結合材の総質量を基準として、内割で3〜20質量%であることが好ましく、5〜17質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。石膏類の混和量が上記範囲内であれば、塩化物イオンの浸透抵抗性と硬化体の収縮を抑制する効果とを両立させやすい。
塩害防止用混和材がカルシウムアルミネート類を含む場合、セメント組成物におけるカルシウムアルミネート類の混和量は、結合材の総質量を基準として、内割で3〜20質量%であることが好ましく、5〜17質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。カルシウムアルミネート類の混和量が上記範囲内であれば、モルタルの硬化をさらに促進し、塩化物イオンなどの浸透抵抗性をより一層向上させやすい。
セメント組成物は細骨材や粗骨材を含んでもよい。モルタルやコンクリートに使用される細骨材や粗骨材としては、例えば、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂、スラグ骨材等が挙げられる。細骨材や粗骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。細骨材や粗骨材の含有量は、目的とするモルタルやコンクリートの性状に応じて適宜設定することができる。
セメント組成物は、通常用いられる混練器具により上述した各材料を混合することで調製でき、その器具は特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば、ホバートミキサ、ハンドミキサ、傾胴ミキサ、二軸ミキサ等が挙げられる。
本発明の塩害防止用混和材は、モルタルやコンクリートに対して塩化物イオンなどの浸透抵抗性を向上させることができる。また、本発明のセメント組成物は、本発明の塩害防止用混和材を含むものであるため、その硬化体は塩化物イオンなどの浸透抵抗性が向上したものとなる。そのため、本発明の塩害防止用混和材及びそれを含むセメント組成物は鉄筋コンクリートなどの通常の用途に加え、海岸沿岸部のコンクリート構造物などの塩害被害の影響が出やすい場所での使用に適している。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
・実験例1
[試験方法]
化学組成:蛍光X線装置を用いてオーダー分析にて実施
粒径:レーザー回折・散乱法(株式会社セイシン企業:LMS−300)により湿式測定した。
塩化物イオン浸透深さ:
塩化物イオン浸透深さ測定用のモルタル試験体(W/C=50質量% S/C=3とし、混和材はセメントに内割)はφ5×10cmとし、材齢1日までは湿空箱内で養生した。また材齢1日にて脱型後、材齢7日まで水中(約20℃)養生し、10質量%の食塩水に13週間浸漬させ作成した。
試験体を割裂した断面に、約20℃の室内で、フルオレセインナトリウム水溶液(0.1質量%)及び硝酸銀水溶液(0.1N)を吹きかけ、発色しない部分を塩化物イオンの浸透深さとした。
[使用材料]
A:メタカオリン カオリンを900℃にて30分焼成し製造したメタカオリンをボールミルにて粉砕し、所定の粒度とした。
BET比表面積:A−1=10.0m2/g,A−2=13.5m2/g,A−3=6.0m2/g
B:メタカオリン(市販品)BET比表面積:11.5m2/g
C:メタカオリン(市販品)BET比表面積:13.5m2/g
D:メタカオリン(市販品)BET比表面積:12.0m2/g
E:フライアッシュ(市販品)ブレーン比表面積:3200cm2/g
F:シリカヒューム(市販品)BET比表面積:22m2/g
[試験結果]
表1に示す。
Figure 2018172267
表1から明らかなように、鉄含有量が少なく、化学組成及び粒度構成が本発明の範囲内にある非晶質アルミノシリケートを用いれば、モルタルやコンクリートへの塩化物イオン浸透抵抗性を顕著に高めることができる。
・実験例2
[試験方法]
化学組成、粒径、塩化物イオン浸透深さは、実験例1と同様の方法で測定した。
[試験結果]
表2に示す。
Figure 2018172267
表2から明らかなように、石膏類を含む塩害防止用混和材を用いることで、硬化体の塩化物イオンの浸透抵抗性を確保しつつ、硬化体の収縮を抑制できることがわかる。また、石膏類及びカルシウムアルミネートを含む塩害防止用混和材を用いることで、硬化体の塩化物イオンの浸透抵抗性をさらに向上させ、硬化体の収縮も抑制できることがわかる。

Claims (7)

  1. 化学成分としてAl23を40〜50質量%とSiO2を45〜55質量%含み、鉄のFe23換算含有量が3.0質量%以下であり、かつ粒子径0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上である非晶質アルミノシリケートを有効成分とする塩害防止用混和材。
  2. 前記非晶質アルミノシリケートが、0.1μm以上50μm以下の粒子含有量が90体積%以上、かつ粒子径0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上である請求項1記載の塩害防止用混和材。
  3. 前記非晶質アルミノシリケートが、0.1μm以上7μm以下の粒子の含有割合が50体積%以上、かつ7μm以上50μm以下の粒子の含有量が15〜50体積%である請求項1又は2記載の塩害防止用混和材。
  4. 前記非晶質アルミノシリケートのBET比表面積が8〜20m2/gである請求項1〜3のいずれか1項記載の塩害防止用混和材。
  5. 前記非晶質アルミノシリケート中のマグネシウムのMgO換算含有量が0.3質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の塩害防止用混和材。
  6. 石膏類及び/又はカルシウムアルミネート類をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の塩害防止用混和材。
  7. セメント及び請求項1〜6のいずれか1項記載の塩害防止用混和材からなる結合材を含むセメント組成物であって、
    前記非晶質アルミノシリケートの混和量が、前記結合材の総質量を基準として、内割で3〜15質量%である、セメント組成物。
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