JP2018172012A - エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】排気抑制モード時において、安定した排気抑制状態を確保できるエアバッグを提供すること。【解決手段】エアバッグ19は、バッグ部20内に配設させた閉塞部材34とテザー32とを有してなる内圧調整機構30を備える。内圧調整機構は、テザーを緩めてバッグ部の排気口27から膨張用ガスGを排気する排気モードEMと、テザーを張らせて膨張用ガスの排気を抑制する排気抑制モードRMとに調整する。閉塞部材は、バッグ部の内周面20b側に配設され、流出口40の周縁にテザーの先端32bを結合させる。閉塞部材は、テザーの緩んだ排気モード時、流出口を排気口と一致させ、排気抑制モード時、流出口周縁41aをテザーに引っ張らせて、蓋部形成用部位46を排気口側にずらし、バッグ部の内圧により、蓋部形成用部位の蓋部50を排気口の周縁に当て、排気口を閉塞する。【選択図】図8

Description

本発明は、車両に搭載されるエアバッグ装置のエアバッグに関し、特に、流入した膨張用ガスを排気させたり、あるいは、排気を抑制して、エアバッグの内圧を調整可能な内圧調整機構を備えたエアバッグに関する。
従来、エアバッグ装置のエアバッグでは、内圧調整機構にテザーを利用したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。これらの内圧調整機構は、膨張するエアバッグが収納部位から突出する際、乗員が収納部位に接近していれば、内圧調整機構の排気口から膨張用ガスを排気させて、エアバッグの内圧上昇を抑制して、接近した乗員にエアバッグが強く当たることを防止し、また、乗員が、接近しすぎていない適正位置にいれば、エアバッグが迅速に膨張完了できるように、膨張用ガスの排気を抑制するものであった。このような内圧調整機構の構成は、膨張するバッグ部に設けられた排気口の周縁を、チューブ状にし、チューブ状の部位に、バッグ部の内側から延びた所定長さのテザーを結合させる構成としていた。
このような内圧調整機構では、乗員が収納部位に接近した状態でエアバッグのバッグ部が膨張すれば、バッグ部の膨張完了前のテザーが緩んだ状態で、バッグ部が乗員と干渉することから、テザーは、緩んだ状態のままとなって、排気口のチューブ状部位を開口させた状態を維持する。そのため、開口状態の排気口から膨張用ガスが排気されて、バッグ部の膨張が抑制され、バッグ部は、接近した乗員への押圧力を低減できた。一方、乗員が接近しすぎていない適正位置に位置すれば、収納部位からエアバッグのバッグ部が円滑に突出して、テザーが張った状態となる。そのため、排気口周縁のチューブ状部位が、テザーに引っ張られてバッグ部内に進入し、そしてさらに、バッグ部内の内圧により、チューブ状部位が押し潰されて閉塞されることから、排気口からの膨張用ガスの排気が抑制されて、バッグ部は膨張を迅速に完了させることができた。
特開2008−207579号公報 米国特許第7,328,915号明細書
しかし、従来のエアバッグでは、排気抑制モードの状態では、バッグ部内の内圧により、バッグ部内に引き込んだ筒状のチューブ状部位を押し潰して、排気口を閉塞する構成であって、その押し潰し状態は、チューブ状部位の周壁を中心側に集める状態であることから、シワを生じさせて中心側に集まる状態を避けられず、シワの隙間から膨張用ガスが漏れる状態を防止できない。特に、安定した排気モードを維持できるように、チューブ状部位の開口面積を広げれば、一層、チューブ状部位の周壁の周方向の長さが長くなって、排気抑制モード時、チューブ状部位の中心側に集まって生ずるシワが増え、一層、ガス漏れを助長してしまう。そのため、従来のエアバッグの構成では、排気抑制モードに移行しても、膨張用ガスの漏れを生じさせてしまい、排気抑制モードの安定した排気抑制状態の確保に課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、排気抑制モード時において、安定した排気抑制状態を確保可能なエアバッグを提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグは、可撓性を有したシート材から周壁を形成されて、流入する膨張用ガスにより膨張するバッグ部と、
該バッグ部から膨張用ガスを排気させるように前記周壁に開口した排気口と、
可撓性を有した部材から形成されて、取付基部から延びた先端を前記排気口の周縁付近に結合させて、前記バッグ部内に配設される可撓性を有したテザー、を有して構成される内圧調整機構と、
を備えて構成され、
前記内圧調整機構が、前記テザーの緩められている際、前記排気口からの膨張用ガスの排気を容易にする排気モードとし、前記テザーの張られている際、前記排気口からの膨張用ガスの排気を抑制する排気抑制モードとするように調整する構成のエアバッグであって、
前記内圧調整機構が、
前記バッグ部の内周面側における前記排気口の周縁に、前記排気口と連通可能な流出口を開口させ、かつ、該流出口の周縁に前記テザーの先端を結合させた可撓性を有したシート状の閉塞部材、を配設させて構成され、
前記閉塞部材が、
前記テザーの先端を結合させた前記流出口の周縁の結合部位と前記流出口の開口中心とを結ぶ直線を基準線として、該基準線を略中央とした幅方向の両側における前記基準線と略平行の両縁側を、前記排気口の周縁に結合させて、前記バッグ部内に配設されるとともに、
前記基準線に沿った前記テザーの前記結合部位側における端縁と、前記流出口と、の間の部位を、前記排気口の周縁に当てて前記排気口を閉塞可能な蓋部として構成可能に、
前記基準線に沿った前記テザーの前記結合部位側における端縁と前記流出口との間の蓋部形成用の部位の長さ寸法を、前記テザーの前記結合部位から幅方向の縁側における前記排気口の周縁への結合部位までの長さ寸法より、長く設定して配設され、
前記テザーが、
前記排気モード時の緩んでいる際、前記流出口を前記排気口に連通された状態を維持可能な長さ寸法とし、かつ、前記排気抑制モード時の張っている際、前記閉塞部材の前記流出口の周縁を前記バッグ部の内周面から離隔させるように、前記テザーの前記結合部位を引張り可能な長さ寸法として、
設定されていることを特徴とする。
本発明に係るエアバッグでは、所定の収納部位に折り畳まれて収納された状態で膨張用ガスが流入されれば、バッグ部が膨張する。その際、内圧調整機構は、収納当初から排気モードの状態としてテザーが緩んだままであれば、テザーの先端を結合させた部位、すなわち、閉塞部材の流出口の周縁を引っ張らないことから、排気モードの状態を維持できる。すなわち、閉塞部材の流出口が排気口との連通状態を維持して、膨張用ガスは、流出口を経て、排気口から、バッグ部外に排気される。
その後、バッグ部が流入した膨張用ガスにより内圧を高めて膨張し、ついで、テザーが張った状態となれば、テザーが、先端を結合させた部位、すなわち、閉塞部材の流出口周縁の結合部位を、引っ張る。すると、閉塞部材の流出口の周縁が、バッグ部の内周面から離隔されて、閉塞部材における流出口周縁の排気口からずれていた蓋部形成用部位も、バッグ部の周壁から離れ、そして、蓋部形成用部位が、膨張用ガスの内圧を受けて、蓋部を排気口の周縁に当て、蓋部が排気口を閉塞可能となる。この閉塞状態は、閉塞部材の流出口の周縁における基準線の直交方向の幅方向の長さ寸法より長さ寸法を余分に長くした蓋部形成用部位の蓋部を利用し、その蓋部を排気口周縁に押し付けて、排気口を閉塞するものであり、さらに、流出口周縁のテザー結合部位が、テザーにより強く引っ張られても、蓋部形成用部位自体が、排気口周縁から蓋部を引き剥がされない十分な長さ寸法を、確保しておけば、蓋部は、閉塞した排気口の周縁から剥がれず、排気口からの膨張用ガスの漏れを生じさせない。さらに、蓋部が排気口を閉塞した後、テザーが緩んでも、バッグ部に内圧が発生していれば、蓋部が排気口の周縁から離れず、膨張用ガスを排気させ難いことから、安定した排気抑制モードを確保できる。
したがって、本発明に係るエアバッグでは、排気抑制モード時において、安定した排気抑制状態を確保できる。また、内圧調整機構は、共に可撓性を有した閉塞部材やテザーから構成されており、バッグ部とともに、容易に折り畳むことができて、エアバッグの折畳や収納性を阻害しない。
そして、本発明に係るエアバッグでは、前記閉塞部材が、
前記蓋部形成用の部位に、前記基準線に沿った実質的な長さ寸法を長くするように、前記基準線と直交方向の折目を設けて折ったタックを設けた状態で、前記基準線と直交方向の両側を、前記排気口の周縁に結合させて、配設されていることが望ましい。
このような構成では、蓋部形成用の部位における基準線に沿った配設寸法を、タックにより、実質的に、短くすることができ、逆に、配設寸法より、蓋部形成用部位の基準線に沿った実際の長さ寸法を長くできる。そのため、このような構成では、排気抑制モード時において、蓋部が排気口を閉塞する際に、タックによる長さ寸法の余裕により、蓋部を、排気口の周縁に当て、さらに、排気口を経てバッグ部の外周面側に突出させるように、バッグ部の内周面側から排気口に嵌め込んで、蓋部で栓をするように排気口を閉塞することができて、排気抑制モード時の排気口から膨張用ガスの漏れを、一層、安定して防止できる。
さらに、本発明に係るエアバッグでは、前記内圧調整機構が、前記テザーの取付基部側に元部側を取り付けた補助テザーを備え、
該補助テザーが、
前記閉塞部材の前記基準線に沿った前記端縁の反対側の離隔側縁から、前記閉塞部材と前記バッグ部の排気口周縁との間を経て、前記タックを設けた前記蓋部形成用部位の部位に、先端を結合させるとともに、
前記排気モードから前記排気抑制モードへの移行時に、前記蓋部形成用部位を前記排気口側へずらすように引張り可能で、かつ、前記蓋部の前記排気口周縁からの剥がれを抑制可能な長さ寸法、として、
配設されていてもよい。
このような構成では、排気モードから排気抑制モードに移行する際、流出口の周縁に結合されたテザー(主テザー)と別に、補助テザーが、タックを設けた蓋部形成用部位を、タックの折りを伸ばしつつ、排気口側にずらすように直接的に引っ張ることから、蓋部を、円滑に、排気口の周縁に配置させることが可能となり、排気モードから排気抑制モードへ移行する際、迅速に排気口を閉塞することが可能となる。勿論、補助テザーは、蓋部の排気口周縁からの剥がれを抑制可能な長さ寸法としており、蓋部による排気口の閉塞を阻害しない。
また、本発明に係るエアバッグでは、前記閉塞部材が、
前記基準線に沿った前記テザーの前記結合部位側における前記端縁を、前記バッグ部の周壁に結合させていることが望ましい。
このような構成では、蓋部形成用の部位における基準線に沿った端縁が、テザーの張った際にバッグ部の内周面から離れない(浮き上がらない)ことから、バッグ部の内周面側からの浮き上がりを抑制して、蓋部形成用部位を排気口側へずらすことができ、バッグ部の内圧を利用し、蓋部を迅速に排気口の周縁に張り付かせることができて、排気モードから排気抑制モードへ移行する際、迅速に排気口を閉塞することができる。
本発明に係る一実施形態のエアバッグが使用される助手席用のエアバッグ装置の車両搭載状態の概略縦断面図である。 実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態の前方側から見た概略斜視図であり、併せて、排気モード時の排気口周縁の部分拡大斜視図を示す。 図2のエアバッグの前後方向に沿った概略縦断面図である。 図2のエアバッグの排気抑制モード時における排気口周縁の概略正面図と概略縦断面図である。 図2のエアバッグの排気モード時における排気口周縁の概略正面図と概略縦断面図である。 実施形態におけるエアバッグの作動時の膨張過程を説明する図であり、乗員が接近している状態を示す。 実施形態におけるエアバッグの作動時の膨張過程を説明する図であり、乗員が適正位置に位置する状態を示す。 実施形態の内圧調整機構の排気モードから排気抑制モードに移行する状態を順に説明する概略縦断面図である。 実施形態の内圧調整機構の排気モードから排気抑制モードに移行する状態を順に説明する概略正面図である。 実施形態のエアバッグの内圧調整機構の製造過程を順に説明する図である。 実施形態のエアバッグの内圧調整機構の製造過程を順に説明する図であり、図10の後の工程を説明する。 実施形態の内圧調整機構の変形例の動作状態を説明する概略正面図である。 実施形態の内圧調整機構の他の変形例の製造過程を順に説明する図である。 図13に示す内圧調整機構の変形例の動作状態を説明する概略正面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態では、図1に示すように、助手席用エアバッグ装置Mに使用されるエアバッグ19を例に採り説明する。助手席用エアバッグ装置Mは、助手席の前方に配置され、図1に示すように、ウインドシールド4の下方におけるインストルメントパネル(以下「インパネ」と省略する)1の上面2側の内部に搭載されるトップマウントタイプとされている。エアバッグ装置Mは、折り畳まれたエアバッグ19と、エアバッグ19に膨張用ガスを供給するインフレーター8と、エアバッグ19及びインフレーター8を収納保持する収納部位としてのケース12と、エアバッグ19及びインフレーター8をケース12に取り付けるためのリテーナ9と、折り畳まれたエアバッグ19の上方を覆うエアバッグカバー6と、を備えて構成されている。
エアバッグカバー6は、合成樹脂製のインパネ1と一体的に形成されて、展開膨張時のエアバッグ19に押されて前後両側に開く二枚の扉部6a,6bを備えて構成されている。また、エアバッグカバー6における扉部6a,6bの周囲には、ケース12に連結される連結壁部6cが形成されている。連結壁部6cには、ケース12の係止爪12cを係止するための係止孔6dが形成されている。
インフレーター8は、複数のガス吐出口8bを有した略円柱状の本体部8aと、インフレーター8をケース12に取り付けるためのフランジ部8cと、を備えて構成されている。
収納部位としてのケース12は、上端側に長方形状の開口を有した板金製の略直方体形状に形成され、インフレーター8を下方から挿入させて取り付ける略長方形板状の底壁部12aと、底壁部12aの外周縁から上方に延びてエアバッグカバー6の連結壁部6cを係止する周壁部12bと、を備えて構成されている。周壁部12bの上端には、連結壁部6cの係止孔6dに挿入されて、連結壁部6cを係止する係止爪12cが形成されている。
そして、実施形態の場合、エアバッグ19とインフレーター8とは、エアバッグ19内に配置させたリテーナ9の各ボルト9aを、取付手段として、エアバッグ19における後述する流入用開口23の周縁の取付座22、ケース12の底壁部12a、及び、インフレーター8のフランジ部8cに、貫通させて、ナット10止めすることにより、ケース12の底壁部12aに取り付けられている。また、ケース12の底壁部12aには、車両のボディ側に連結される図示しないブラケットが、配設されている。
エアバッグ19は、図1の二点鎖線や図2,3に示すように、膨張用ガスを流入させて膨張し、膨張完了時に、インパネ1の上面2とインパネ1上方のウインドシールド4との間を塞ぐように配置可能な略袋状のバッグ部20と、バッグ部20から膨張用ガスGを排気させるようにバッグ部20の周壁21に開口した排気口27と、排気口27からの膨張用ガスGの排気の有無を調整する内圧調整機構30と、を備えて構成されている。
バッグ部20は、可撓性を有したポリアミド製の織布等のシート材からなる周壁21を備え、図2,3に示すように、膨張完了形状を、頂部を前端側に配設させた略四角錐形状としている。膨張完了時の周壁21は、乗員側となる後壁部21a、後壁部21aの周縁の上下左右から前方に延びる上壁部21b、下壁部21c、左壁部21d、及び、右壁部21e、を備えて構成されている。バッグ部20の膨張完了時の前端付近における下壁部21cの左右方向の略中央には、内部に膨張用ガスを流入可能に略円形に開口する流入用開口23が形成されている。流入用開口23の周縁は、ケース12の底壁部12aに取り付けられる取付座22として、リテーナ9のボルト9aを挿通させて、ケース12の底壁部12aに取り付けるための複数(実施形態の場合、4個)の取付孔24が、形成されている。なお、後壁部21aは、実施形態の場合、左右方向の中央に、前方側に凹む凹部21aaを上下方向に沿うように配設させている。
排気口27は、左右の左壁部21dと右壁部21eとの前部側に配設されており、それぞれ、円形に開口されている。
なお、周壁21の左壁部21dと右壁部21eとの後部側には、別途、バッグ部20の膨張完了後における余剰の膨張用ガスGを排気するベントホール25も、開口されている。
内圧調整機構30は、共に、ポリアミドの織布等から形成された可撓性を有したテザー32と、閉塞部材34と、を備えて構成されている。なお、内圧調整機構30は、排気口27がバッグ部20の左壁部21dと右壁部21eとの二箇所に設けられており、実施形態の場合、二つの排気口27に対応して、二箇所に配設されている。
テザー32は、取付基部32aから延びた先端32bを排気口27の周縁の閉塞部材34に結合させている。実施形態の場合、テザー32は、左右の排気口27にそれぞれ対応して、2本、配設され、共に、取付基部32aを、バッグ部20の下壁部21cにおける左右方向の中央付近における後壁部21a近傍の部位に、縫製により結合させている。各テザー32の先端32bは、それぞれ、左右の排気口27の周縁における閉塞部材34の所定部位に、縫製により結合されている。
内圧調整機構30は、実施形態の場合、図4〜8に示すように、テザー32の緩められている際、排気口27からの膨張用ガスGの排気を容易にする排気モードEMとし、テザー32の張られている際、排気口27からの膨張用ガスGの排気を抑制する排気抑制モードRMとするように調整している。具体的には、テザー32が張った状態は、バッグ部20の後壁部21aがインパネ1の後面3を越えて、取付基部32aが後面3より後方となる後退位置BPに配置された状態であり(図7のB参照)、その場合には、内圧調整機構30は、排気抑制モードRMとし、取付基部32aが後退位置BPより前方側、例えば、後面3付近では、テザー32は緩んだ状態となり(図6のB参照)、内圧調整機構30は、排気モードEMとなる。このテザー32が緩んだ状態は、取付基部32aが後退位置BPより前方側に位置すれば、バッグ部20の膨張途中でも維持され、図6のA,Bに示すように、後壁部21aが近接乗員IPに当たる場合では、テザー32は、張ることなく、緩んだ状態を維持される。
なお、テザー32は、先端32bを内圧調整機構30の閉塞部材34の後述する流出口40の周縁41の前縁41a側に結合させた主テザーとして構成され、実施形態の内圧調整機構30では、主テザー32の他、バッグ部20の内部に、2本の補助テザー64も配設させている。各補助テザー64は、元部64a側を主テザー32の取付基部32a側に結合させて、先端64bを閉塞部材34の後述する山折り折目部位58に結合させている。
また、これらテザー32,64は、先端32b,64bを結合させる部位(流出口40の周縁41や山折り折目部位58)の幅方向より小さい幅寸法として、それらの部位(流出口40の周縁41や山折り折目部位58)の幅方向の中央に、結合させている。
内圧調整機構30の閉塞部材34は、図4,5に示すように、バッグ部20の内周面20b側における排気口27の周縁に、排気口27と連通可能な流出口40を開口させた略長方形のシート状としている。流出口40は、排気口27と同径の円形の開口としている。流出口40の周縁41の前縁41aには、テザー32の先端32bが結合されている。
閉塞部材34は、テザー32の先端32bを結合させた流出口40の周縁41の結合部位42と流出口40の開口中心C0とを結ぶ直線を基準線LBとして、基準線LBを略中央とした幅方向(上下方向に沿っている)の両側における基準線と略平行の両縁37,38側を、排気口27の周縁28に結合させて、バッグ部20内に配設されている。実施形態の場合、基準線LBは、前後方向に沿って配設され、その直交方向VDが幅方向となる。また、バッグ部20に結合される両縁37,38は、流出口40の周縁41を排気口27の周縁28に張り付かせて、流出口40を排気口27に一致させるように、流出口40の直径寸法より前後方向に長くして、排気口周縁28に結合されている(図11参照)。
そして、閉塞部材34は、基準線LBに沿ったテザー32の結合部位42側における端縁(前縁)36と流出口40との間の部位を、排気口27の周縁28に当てて排気口27を閉塞可能な蓋部50として構成可能な蓋部形成用部位46としている。すなわち、閉塞部材34は、図4,5,10,11に示すように、バッグ部20の内周面20b側から見て、流出口40を配設させた流出口側部45と、流出口側部45の前側の蓋部形成用部位46と、を前後に並設させている。
また、閉塞部材34は、基準線LBに沿ったテザー32の結合部位42側における端縁(前縁)36と流出口40との間の蓋部形成用の部位46の実質的な長さ寸法LHを、テザー32の結合部位42から幅方向の縁37,38側における排気口27の周縁28への結合部位76,77までの長さ寸法LVより、長く設定されている(図10のA,C参照)。
さらに、実施形態の閉塞部材34は、蓋部形成用部位46に、基準線LBに沿った実質的な長さ寸法LHを確保できるように、基準線LBと直交方向(閉塞部材34の幅方向と同じ)の折目54,55,56,57を設けて折ったタック52を設けた状態で、基準線LBと直交方向VDの両側37,38を、バッグ側結合部76,77により、排気口27の周縁28に結合させて、配設されている。そのため、実施形態の蓋部形成用部位46は、平らに展開した際、図10のAに示すように、タック52を設けるための流出口40の前縁41a近傍の本体部47と、端縁36側の端縁側部48と、を備えて構成されている。本体部47は、端縁側部48や流出口側部45より、幅寸法を狭くしており、端縁側部48や流出口側部45に連なる部位付近を除いて、上下の縁72a,72b,72c,72dをバッグ部20の周壁21に縫合されないように、すなわち、結合部位76,77間に収まるように、設定されている。
タック52は、本体部47の基準線LBに沿った方向(前後方向)での中央に、折目57を付けて、後縁(端縁36から後方に離れた離隔側縁)35側に端縁(前縁)36側を重ねるように、本体部47を折り重ね、さらに、折り重ねた部位に、折目55,56を付けて、折目57の部位を、流出口側部45の側で流出口40側に接近させ、ついで、折目54を付けて、端縁側部48を流出口40の周縁41側から離すように、折って、形成されている(図10のA,B参照)。
なお、タック52の形成時、折目57で本体部47を二つ折りした際、上下の重ねた縁、すなわち、上前縁72aと上後縁72b相互、及び、下前縁72cと下後縁72d相互とは、縫合糸80により、縫合される。
また、タック52の折目57の部位は、タック52を設けた状態で、閉塞部材34の上下の縁37,38を排気口27の周縁28に結合させれば、閉塞部材34における流出口40の周縁部位、すなわち、前縁41a側の部位41bとバッグ部20の排気口27の周縁28との間に介在される状態となり(図11のB参照)、さらに、折目57から、基準線LBに沿った端縁36側、すなわち、前方側に延びて流出口40の周縁部位41b側と端縁36側とへ延びる(連なる)山折り折目部位58となる(図9,10参照)。本体部47は、タック52の折目54,55,56,57により、4枚の重ね部47a,47b,47c(周縁部位41b),47dを構成して、排気抑制モードRM時に撓んで、排気口27を閉塞する蓋部50を形成することとなる。
なお、タック52は、排気モードEM時に、流出口40の開口面積を狭めないように、流出口40より、端縁36側、すなわち、前方側のエリアに配設される。
そして、実施形態の場合、山折り折目部位58の上下(流出口40を間にした上下)には、補助テザー64の先端64bがそれぞれ結合されている。補助テザー64,64は、閉塞部材34における流出口40の周縁41の流出口側部45と、バッグ部20の排気口27の周縁28との間を経て結合されている。
また、閉塞部材34は、基準線LBに沿った主テザー32の結合部位42側における端縁36を、バッグ側結合部78により、バッグ部20の周壁21に結合させている。タック52の折目55,56は、バッグ側結合部78の後方側に配置されて、バッグ部20側に結合されない。
閉塞部材34は、既述したように、図10のAに示すように、可撓性を有したポリアミドの織布等から形成された略長方形形状のシート状の閉塞部材用基布70から形成されている。また、閉塞部材34は、既述したように、流出口側部45と蓋部形成用部位46とから構成され、蓋部形成用部位46は、本体部47と端縁側部48とから構成されている。そして、閉塞部材用基布70は、流出口40を開口させた流出口側部45を構成する口側部位71と、蓋部形成用部位46の本体部47を構成する蓋側部位72と、蓋部形成用部位46の端縁側部48を構成する端側部位74と、から構成されている。本体部47を構成する蓋側部位72は、バッグ部20に結合されないタック52を形成できるように、流出口側部45を構成する口側部位71や端縁側部48を構成する端側部位74より、幅寸法を小さくしている。
閉塞部材用基布70から閉塞部材34を形成する工程は、まず、既述したように、タック52を形成する。すなわち、本体部47の基準線LBに沿った方向(前後方向)での中央に、折目57を付けて、離隔側縁(後縁)35側に端縁(前縁)36側を重ねるように、本体部47を折り重ねて、重ねた上前縁72aと上後縁72b相互、及び、下前縁72cと下後縁72d相互とを、縫合糸80により、縫合する。そして、折り重ねた本体部47に、折目55,56を付けて、折目57の部位を流出口40側に接近させ、ついで、折目54を付けて、端縁側部48を流出口40の周縁41側から離すように、折れば、図10のBに示すように、結合前部材82を形成することができる。
その後、図10のB,Cに示すように、流出口40を排気口27に一致させるように、結合前部材82をバッグ部20の内周面20b側に重ねて配置させ、閉塞部材用基布70の口側部位71と端側部位74との上下の縁71a,71b,74a,74bと端側部位74の前縁74cとを、縫合糸80により、バッグ部20に結合させて、バッグ側結合部76,77,78を設ければ、上下の縁37,38と前縁36とを、排気口27の周囲で、バッグ部20の内周面20b側に結合させた閉塞部材34を配設することができる。
その後、図11のA,B,Cに示すように、主テザー32の先端32bを、流出口40の前縁41aに結合させ、補助テザー64,64の先端64bを、流出口側部45とバッグ部20の周壁21との間を通して、山折り折目部位58の流出口40から上下にずれた位置に結合させれば、内圧調整機構30を形成することができて、エアバッグ19を製造することができる。
なお、主テザー32や補助テザー64は、例えば、元部64aを結合させておいた主テザー32の取付基部32aを、予め、周壁21の所定位置に結合させておき、閉塞部材34を周壁21に結合させた後に、先端32b,64b側を、既述のように、流出口40の前縁41aや山折り折目部位58に結合させればよい。また、テザー32,64の配設前には、予め、バッグ部20は、流入用開口23や取付座22を形成しておく。
配設された主テザー32は、内圧調整機構30の排気抑制モードRMにおける主テザー32の張った状態で(図4参照)、閉塞部材34の流出口40の周縁41をバッグ部20の内周面20bから離隔させるように、テザー32の結合部位42を引張り可能な長さ寸法LM(図7参照)としている。詳しくは、閉塞部材34の上下の両縁37,38が周壁21を引っ張る状態の長さ寸法LMとしている。また、主テザー32は、内圧調整機構30の排気モードEMにおける主テザー32の緩んだ状態で(図5参照)、流出口40を排気口27に連通された状態を維持可能な長さ寸法LMとしている。
補助テザー64は、内圧調整機構30の排気モードEMにおける補助テザー64の緩んだ状態で(図5参照)、山折り折目部位58を流出口40より前方側に配置させて流出口40の領域に進入させない長さ寸法LSとし、内圧調整機構30の排気抑制モードRMにおける補助テザー64の張った状態で(図4,9参照)、山折り折目部位58を閉塞部材34の離隔側縁(後縁)35付近に配置させるように、すなわち、蓋部形成用部位46を排気口27側へずらすように、基準線LBに沿って後方側へ引っ張る長さ寸法LS、としている。また、この長さ寸法LSは、補助テザー64が排気抑制モードRMに移行して、蓋部形成用部位46を後方側に引っ張っても、排気口27を閉塞した状態の蓋部50を排気口周縁28から引き剥がさない長さ寸法LS、として設定されている。
バッグ部20に内圧調整機構30を取り付けてエアバッグ19を製造した後には、エアバッグ装置Mとして車両に搭載できるように、まず、各ボルト9aを取付孔24から突出させるようにして、リテーナ9をバッグ部20内に収納して、エアバッグ19のバッグ部20をテザー32,64と共に折り畳む。ついで、折り崩れしないように、折り崩れ防止用の図示しないラッピング材により、エアバッグ19を包む。
なお、エアバッグ19を折り畳む際、内圧調整機構30は、図2の括弧書きや図5に示す排気モードEMの状態として折り畳む。すなわち、テザー32,64を緩め、流出口40を排気口27に重ねて一致した状態として、その状態で、エアバッグ19を折り畳む。
そして、折り畳んだエアバッグ19をラッピング材で包んだ後には、各ボルト9aをケース12の底壁部12aから突出させるようにして、折り畳んだエアバッグ19をケース12内に収納させ、インフレーター8の本体部8aをケース12の底壁部12aの下方からケース12内に挿入しつつ、底壁部12aから突出している各ボルト9aを、インフレーター8のフランジ部8cに挿通させて、インフレーター8のフランジ部8cから突出した各ボルト9aにナット10を締結させれば、インフレーター8とともに、エアバッグ19をケース12に取り付けることができる。そして、車両に搭載されたインパネ1におけるエアバッグカバー6の連結壁部6cに対して、係止孔6dに係止爪12cを挿入させて、ケース12の周壁部12bを係止させ、ケース12の図示しない所定のブラケットを、車両のボディ側に固定させれば、エアバッグ装置Mを車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Mの車両への搭載後、車両の衝突時に、インフレーター8の各ガス吐出口8bから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ19は、内部に膨張用ガスを流入させて膨張し、図示しないラッピング材を破断するとともに、エアバッグカバー6の扉部6a,6bを押し開かせて、エアバッグカバー6の扉部6a,6bを押し開いて形成される開口を経て、ケース12から上方へ突出するとともに、車両後方側に向かって突出しつつ展開膨張して、図1の二点鎖線に示すように、インパネ1の上面2とインパネ1上方のウインドシールド4との間を塞ぐように、膨張を完了させることとなる。
その際、内圧調整機構30は、図6のA,Bに示すように、バッグ部20の後壁部21aが近接乗員IPと干渉して、テザー32が、取付基部32aを後退位置BP(図7のB参照)に到達させずに、その前方側に待機させる状態となって、緩んでいれば、排気モードEMの状態を維持できる。すなわち、排気モードEMでは、図5に示すように、テザー32が、緩んだままであって、テザー32の先端32bを結合させた部位、すなわち、閉塞部材34の流出口40の周縁41の前縁41a側の結合部位42を引っ張らないことから、排気モードEMの状態を維持できる。そのため、閉塞部材34の流出口40が排気口27との連通状態を維持して、膨張用ガスGは、流出口40を経て、排気口27から、バッグ部20外に排気される。
したがって、エアバッグ19は、初期膨張時、近接乗員IPと干渉(当接)しても、強く押圧せずに、排気口27から膨張用ガスGを排気し続けて、膨張完了形状まで到達せずに、エアバッグ装置Mの作動を完了させる。
また、インパネ1から離れた適正位置に乗員PPがいる状態で、エアバッグ装置Mが作動する場合には、エアバッグ19は、図7のA,Bに示すように、バッグ部20が流入した膨張用ガスGにより内圧を高めて膨張し、ついで、テザー32が張った状態となれば、図8のA,Bに示すように、テザー32が、先端32bを結合させた部位、すなわち、閉塞部材34の流出口40の周縁41の結合部位42を、引っ張る。すると、図8のA,Bや図9のA,Bに示すように、閉塞部材34の流出口40の周縁41が、バッグ部20の内周面20bから離隔されて、閉塞部材34における流出口周縁41の排気口27からずれていた蓋部形成用部位46も、バッグ部20の周壁21から離れ、そして、蓋部形成用部位46が、膨張用ガスGの内圧を受けて、図8のC,Dや図9のCに示すように、蓋部50を排気口27の周縁28に当て、蓋部50が排気口27を閉塞可能となる。この閉塞状態は、閉塞部材34の流出口周縁41における基準線LBの直交方向の幅方向の長さ寸法LVより長さ寸法LHを余分に長く(LV<LH)した蓋部形成用部位46の蓋部50を利用し、その蓋部50を排気口周縁28に押し付けて、排気口27を閉塞するものであり、さらに、流出口周縁41のテザー結合部位42が、テザー32により強く引っ張られても、蓋部形成用部位46自体が、排気口周縁28から蓋部50を引き剥がされない十分な長さ寸法LHを、確保しておけば、蓋部50は、閉塞した排気口27の周縁28から剥がれず、排気口27からの膨張用ガスGの漏れを生じさせない。さらに、蓋部50が排気口27を閉塞した後、テザー32が緩んでも、バッグ部20に内圧が発生していれば、蓋部50が排気口27の周縁28から離れず、膨張用ガスGを排気させ難いことから、安定した排気抑制モードRMを確保できる。そして、エアバッグ19は、迅速に膨張を完了させて、クッション性よく、乗員PPを受け止めて保護することができる。
したがって、実施形態のエアバッグ19では、内圧調整機構30によるバッグ部20の排気抑制モードRMを安定して確保できる。また、内圧調整機構30は、共に可撓性を有したテザー32と閉塞部材34とから構成されており、バッグ部20とともに、容易に折り畳むことができて、エアバッグ19の折畳や収納性を阻害しない。
また、実施形態のエアバッグ19では、閉塞部材34が、蓋部形成用の部位46に、基準線LBに沿った実質的な長さ寸法を長くするように、基準線LBと直交方向の折目57,55,56,54を設けて折ったタック52を設けた状態で、基準線LBと直交方向VDの両側37,38を、排気口27の周縁28に結合させて、配設されている。
そのため、実施形態では、蓋部形成用の部位46における基準線LBに沿った配設寸法SLを、タック52により、実質的な長さ寸法LHより、短くすることができ、逆に、配設寸法SLより、蓋部形成用部位46の基準線LBに沿った実際の長さ寸法LHを長くできる。そのため、このような構成では、排気抑制モードRM時において、蓋部50が排気口27を閉塞する際に、タック52による長さ寸法の余裕(LH−SL分)により、蓋部50を、排気口27の周縁28に当て、さらに、排気口27を経てバッグ部20の外周面側に突出させるように、バッグ部20の内周面20b側から排気口27に嵌め込んで、蓋部50で栓をするように排気口27を閉塞することができて(図4,8のD参照)、排気抑制モードRM時の排気口27から膨張用ガスGの漏れを、一層、安定して防止できる。
なお、タック52は、縁72a,72b相互と縁72c,72d相互とが結合されて、閉塞された袋状となっており、排気口27を塞ぐ蓋部50が、袋状(キャップ状)の状態で塞ぐため、ガス漏れを生じさせない。
また、実施形態では、内圧調整機構30が、主テザー32の取付基部32a側に元部64a側を取り付けた補助テザー64を備えている。補助テザー64は、閉塞部材34の基準線LBに沿った端縁36の反対側の離隔側縁35から、閉塞部材34とバッグ部20の排気口周縁28との間を経て、タック52を設けた蓋部形成用部位46の部位(山折り折目部位)58に、先端64bを結合させている。そして、補助テザー64は、排気モードEMから排気抑制モードRMへの移行時に、蓋部形成用部位46を排気口27側へずらすように引張り可能で、かつ、蓋部50の排気口周縁28からの剥がれを抑制可能な長さ寸法LS、として配設されている。
そのため、実施形態では、排気モードEMから排気抑制モードRMに移行する際、流出口40の周縁41に結合された主テザー32と別に、補助テザー64が、図8,9に示すように、タック52を設けた蓋部形成用部位46を、タック52の折り(折目)54,55,56等を伸ばしつつ、排気口27側にずらすように直接的に引っ張ることから、蓋部50を、円滑に、排気口27の周縁28に配置させることが可能となり、排気モードEMから排気抑制モードRMへ移行する際、迅速に排気口27を閉塞することが可能となる。勿論、補助テザー64は、蓋部50の排気口周縁28からの剥がれを抑制可能な長さ寸法LSとしており、蓋部50による排気口27の閉塞を阻害しない。
なお、排気モードEMから排気抑制モードRMへの移行時、膨張用ガスGの流れやバッグ部20内の内圧により、蓋部形成用部位46が迅速に排気口周縁28に配置されて、蓋部50が排気口27を迅速に閉塞可能であれば(図12のA,B,C参照)、図12に示すエアバッグ19Aの内圧調整機構30Aのように、テザー32だけを配設して、補助テザー64を無くすようにしてもよい。
また、実施形態では、閉塞部材34が、基準線LBに沿ったテザー32の結合部位42側における端縁36を、バッグ部20の周壁21に結合させている。
そのため、実施形態では、蓋部形成用部位46における基準線LBに沿った端縁36が、テザー32の張った際にバッグ部20の内周面20bから離れない(浮き上がらない)ことから、バッグ部20の内周面20b側からの浮き上がりを抑制して、蓋部形成用部位46を排気口27側へずらすことができ、バッグ部20の内圧を利用し、蓋部50を迅速に排気口の周縁に張り付かせることができて、排気モードEMから排気抑制モードRMへ移行する際、迅速に排気口27を閉塞することができる。
勿論、排気モードEMから排気抑制モードRMに移行する際、円滑に排気口27を閉塞できれば、図13,14に示すエアバッグ19Bの内圧調整機構30Bのように構成してもよい。
この内圧調整機構30の閉塞部材34Bは、図13に示すように、実施形態の閉塞部材34の閉塞部材用基布70より、重ね部47a,47bを無くした分、使用する閉塞部材用基布70Bが、基準線LBに沿った長さ寸法LHを短くし、そして、前縁(端縁)36B側をバッグ部20に結合させていない。すなわち、蓋部形成用部位46Bが、本体部47Bと端縁側部48とを備えて構成されているものの、本体部47Bが、閉塞部材用基布70の重ね部47a,47bを無くし、端縁側部48に連なる重ね部47dと流出口40に連なる重ね部47cとを、折目60を設けて、反転させるように、相互に連結させて、また、折目61を設けて折り返して、重ね部47dを、端縁側部48の裏側(バッグ部20側)に配設させて、構成されている。そして、バッグ部20への結合部位は、閉塞部材34Bの上縁37と下縁38の上下両側だけとしている。
この閉塞部材34Bの製造は、図13のA,Bに示すように、閉塞部材用基布70Bの本体部47の基準線LBに沿った方向(前後方向)での中央に、折目60を付けて、離隔側縁(後縁)35側に端縁(前縁)36側を重ねるように、本体部47Bを折り重ねて、重ねた上縁72a相互と下縁72c相互とを、縫合糸80により、縫合する。そして、折目61を付けて、端縁側部48を流出口40の周縁41側から離すように、折れば、図13のBに示すように、結合前部材82Bを形成することができる。その後、図13のB,Cに示すように、流出口40を排気口27に一致させるように、結合前部材82Bをバッグ部20の内周面20b側に重ねて配置させ、閉塞部材用基布70Bの口側部位71と端側部位74との上下の縁71a,71b,74a,74bを、縫合糸80により、バッグ部20に結合させて、バッグ側結合部76,77を設ければ、上下の縁37,38だけを、排気口27の周囲で、バッグ部20の内周面20b側に結合させれば、閉塞部材34Bを形成して、バッグ部20に配設することができる。
この閉塞部材34Bでも、折目の数が少ないものの、二つの折目60,61によるタック52Bにより、閉塞部材34と同様に、配設寸法SLより、基準線(テザー32の先端32bを結合させた流出口40の周縁41の結合部位42と流出口40の開口中心C1とを結ぶ直線)LBに沿った蓋部形成用部位46Bにおける結合部位42から端縁36Bまでの実質的な長さ寸法LHを、長くしている。
そして、テザー32を閉塞部材34Bの結合部位42に結合させて、エアバッグ19Bを製造した後は、実施形態と同様に、折り畳んで、助手席用のエアバッグ装置Mとして車両に搭載するように使用する。
このエアバッグ19Bでも、テザー32が緩んでいる排気モードEMでは、流出口40を経て排気口27から膨張用ガスGが排気され、図14のAに示すように、排気モードEMを維持する。その後、バッグ部20が流入した膨張用ガスGにより内圧を高めて膨張し、ついで、テザー32が張った状態となれば、図14のA,Bに示すように、テザー32が、先端32bを結合させた閉塞部材34Bの結合部位42を、引っ張る。すると、閉塞部材34Bの流出口40の周縁41が、バッグ部20の内周面20bから離隔されて、閉塞部材34Bにおける流出口周縁41の排気口27からずれていた蓋部形成用部位46Bも、バッグ部20の周壁21から離れ、そして、蓋部形成用部位46Bが、膨張用ガスGの内圧を受けて、図14のB,Cに示すように、袋状(キャップ状)の蓋部50を排気口27の周縁28に当て、蓋部50が排気口27を閉塞可能となる。この閉塞状態は、閉塞部材34Bの流出口周縁41における基準線LBの直交方向の幅方向の長さ寸法LVより長さ寸法LHを余分に長く(LV<LH:図13参照)した蓋部形成用部位46Bの蓋部50を利用し、その蓋部50を排気口周縁28に押し付けて、排気口27を閉塞するものであり、さらに、流出口周縁41のテザー結合部位42が、テザー32により強く引っ張られても、蓋部形成用部位46B自体が、排気口周縁28から蓋部50を引き剥がされない十分な結合部位42から端縁36Bまでの長さ寸法LHを、確保していれば、端縁36B自体が、実施形態の蓋部形成用部位46に比べて、排気口27側に大きくずれても、蓋部50は、閉塞した排気口27の周縁28から剥がれず、排気口27からの膨張用ガスGの漏れを生じさせないことから、実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
なお、実施形態では、テザー32の取付基部32a側を、バッグ部20における膨張時に突出する側の後壁部21aの近傍の周壁21(下壁部21c)側に取り付けたが、流出口40の周縁41の結合部位42を引っ張るようにテザー32が作用すれば、取付基部32a側は、バッグ部20の流入用開口23を有した取付座22側に結合させたり等して、適宜、変更することができる。
さらに、実施形態では、バッグ部20に二つの排気口27を設け、それらの排気口27に、それぞれ、テザー32,64に結合される閉塞部材34,32Bを設けた構成を説明したが、バッグ部20に一つの排気口27を形成して、その一つの排気口27に、テザー32,64に結合される閉塞部材34,34Bを設けるようにしてもよい。勿論、逆に、バッグ部20に3個以上の排気口27を形成し、それらの排気口27の少なくとも一つに、テザー32,64に結合される閉塞部材34,34Bを設けるようにしてもよい。
また、実施形態では、適正配置の乗員PPに対しては迅速に膨張を完了させ、近接乗員IPに対しては膨張させないように膨張用ガスGを排気させるように、助手席用エアバッグ装置Mのエアバッグ19に、内圧調整機構30を配設させる構成を例示したが、他の運転席用エアバッグ装置のエアバッグや膝保護用エアバッグ装置のエアバッグに、排気口を設けるとともに、本発明の内圧調整機構30を配設するように構成してもよい。
また、本発明のように、バッグ部に排気口と内圧調整機構とを設ける構成としては、エアバッグが、インナバッグと、インナバッグを覆うアウタバッグと、を備えた二重構造としている場合、インナバッグからアウタバッグに膨張用ガスを流入させる部位に、バッグ部としてのインナバッグに対し、排気口と内圧調整機構とを設けたり、アウタバッグに対し、排気口と内圧調整機構とを設けて、本発明を実施してもよい。勿論、エアバッグが、排気口としての連通口を有した区画壁で区画するように、複数のバッグ部を連結させて構成されるような場合、所定のバッグ部の連通口(排気口)に、本発明の内圧調整機構をテザーとともに設けて、本発明を実施しても良い。
さらに、排気抑制モードRMで排気口27を閉塞する蓋部50の部位に、膨張用ガスGを排気可能な開口(補助排気口)を設けて、排気口27の全開時より少ない排気量とした所定量の膨張用ガスGを排気させるように、構成してもよい。
19,19A,19B…エアバッグ、20…バッグ部、20b…内周面、21…周壁、27…排気口、28…周縁、30,30A,30B…内圧調整機構、32…(主)テザー、32a…取付基部、32b…先端、34,34A,34B…閉塞部材、35…離隔側縁・後縁、36,36B…端縁・前縁、40…流出口、41…周縁、41a…前縁、42…(主テザーの)結合部位、50…蓋部、52,52B…タック、64…補助テザー、64a…元部、64b…先端、
G…膨張用ガス、C1…(流出口の)開口中心、LB…基準線、EM…排気モード、RM…排気抑制モード、M…(助手席用)エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. 可撓性を有したシート材から周壁を形成されて、流入する膨張用ガスにより膨張するバッグ部と、
    該バッグ部から膨張用ガスを排気させるように前記周壁に開口した排気口と、
    可撓性を有した部材から形成されて、取付基部から延びた先端を前記排気口の周縁付近に結合させて、前記バッグ部内に配設される可撓性を有したテザー、を有して構成される内圧調整機構と、
    を備えて構成され、
    前記内圧調整機構が、前記テザーの緩められている際、前記排気口からの膨張用ガスの排気を容易にする排気モードとし、前記テザーの張られている際、前記排気口からの膨張用ガスの排気を抑制する排気抑制モードとするように調整する構成のエアバッグであって、
    前記内圧調整機構が、
    前記バッグ部の内周面側における前記排気口の周縁に、前記排気口と連通可能な流出口を開口させ、かつ、該流出口の周縁に前記テザーの先端を結合させた可撓性を有したシート状の閉塞部材、を配設させて構成され、
    前記閉塞部材が、
    前記テザーの先端を結合させた前記流出口の周縁の結合部位と前記流出口の開口中心とを結ぶ直線を基準線として、該基準線を略中央とした幅方向の両側における前記基準線と略平行の両縁側を、前記排気口の周縁に結合させて、前記バッグ部内に配設されるとともに、
    前記基準線に沿った前記テザーの前記結合部位側における端縁と、前記流出口と、の間の部位を、前記排気口の周縁に当てて前記排気口を閉塞可能な蓋部として構成可能に、
    前記基準線に沿った前記テザーの前記結合部位側における端縁と前記流出口との間の蓋部形成用の部位の長さ寸法を、前記テザーの前記結合部位から幅方向の縁側における前記排気口の周縁への結合部位までの長さ寸法より、長く設定して配設され、
    前記テザーが、
    前記排気モード時の緩んでいる際、前記流出口を前記排気口に連通された状態を維持可能な長さ寸法とし、かつ、前記排気抑制モード時の張っている際、前記閉塞部材の前記流出口の周縁を前記バッグ部の内周面から離隔させるように、前記テザーの前記結合部位を引張り可能な長さ寸法として、
    設定されていることを特徴とするエアバッグ。
  2. 前記閉塞部材が、
    前記蓋部形成用の部位に、前記基準線に沿った実質的な長さ寸法を長くするように、前記基準線と直交方向の折目を設けて折ったタックを設けた状態で、前記基準線と直交方向の両側を、前記排気口の周縁に結合させて、配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 前記内圧調整機構が、前記テザーの取付基部側に元部側を取り付けた補助テザーを備え、
    該補助テザーが、
    前記閉塞部材の前記基準線に沿った前記端縁の反対側の離隔側縁から、前記閉塞部材と前記バッグ部の排気口周縁との間を経て、前記タックを設けた前記蓋部形成用部位の部位に、先端を結合させるとともに、
    前記排気モードから前記排気抑制モードへの移行時に、前記蓋部形成用部位を前記排気口側へずらすように引張り可能で、かつ、前記蓋部の前記排気口周縁からの剥がれを抑制可能な長さ寸法、として、
    配設されていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ。
  4. 前記閉塞部材が、
    前記基準線に沿った前記テザーの前記結合部位側における前記端縁を、前記バッグ部の周壁に結合させていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグ。
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