JP2018170309A - 薄膜チップ形電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境下でも抵抗値変動の少ない薄膜チップ形電子部品を提供することを目的とする。
【解決手段】アルミナからなる基板1上面の両端部に一対の上面電極2を設け、基板1上面及び上面電極2の上面に設けられた薄膜抵抗体5を備え、上面電極2はAuを含み、薄膜抵抗体5は、Ni、Cr、Al、Siを含み、上面電極2と薄膜抵抗体5との間にバリアメタル層4を設けたものであり、このように構成することにより上面電極2と薄膜抵抗体5の間で金属化合物を生成することを防ぎ、高温下でも優れた抵抗値安定性を有する薄膜チップ形電子部品を得ることができるものである。
【選択図】図1
【解決手段】アルミナからなる基板1上面の両端部に一対の上面電極2を設け、基板1上面及び上面電極2の上面に設けられた薄膜抵抗体5を備え、上面電極2はAuを含み、薄膜抵抗体5は、Ni、Cr、Al、Siを含み、上面電極2と薄膜抵抗体5との間にバリアメタル層4を設けたものであり、このように構成することにより上面電極2と薄膜抵抗体5の間で金属化合物を生成することを防ぎ、高温下でも優れた抵抗値安定性を有する薄膜チップ形電子部品を得ることができるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、耐熱性を要求される電子機器に使用される薄膜チップ形電子部品、特に薄膜抵抗体を用いた電子部品に関するものである。
従来の薄膜チップ形電子部品の構造としては、基板上面の両端部に一対に設けられた上面電極は、NiCrAlSiの4元系合金からなる薄膜抵抗体と電気的に接続されるように設けられていた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特許文献1に開示されている従来の耐熱性を有する薄膜抵抗体の構造としては、基板の上面両端部にAuを含む金属有機化合物を主成分とする導電性ペーストからなる一対の上面電極が設けられ、上面電極の上部に電気的に接続されるように設けられたNiCrAlSiからなる薄膜抵抗体とを備えている。この構造では、150℃程度の温度ではほとんど抵抗値は変化しないが、200℃程度の高温に長時間置かれることによって、構成元素の熱拡散が促進され、上面電極と薄膜抵抗体の界面にAu-Al合金が生成され、抵抗値安定性が悪化してしまうという課題を有していた。
本発明は上記課題を解決するために、アルミナからなる基板上面の両端部に一対の上面電極を設け、基板上面及び上面電極の上面に設けられた薄膜抵抗体を備え、上面電極はAuを含み、薄膜抵抗体は、Ni、Cr、Al、Siを含み、上面電極と薄膜抵抗体との間にバリアメタル層を設けたものである。この構成により、従来のバリアメタル層のない構造と比較し、Au-Al合金の発生を抑制することができ、これにより、高温下でも優れた抵抗値安定性を有する薄膜チップ形電子部品を得ることができるという作用効果を有するものである。
さらに、バリアメタル層は、Ti、Ta、Pt、W、Ni、Cr、Cuのうち1つの金属または少なくともこれらの1つの金属を含む合金から構成することが望ましい。この構成により、従来のバリアメタル層のない構造と比較し、Au-Al合金の発生を抑制することができ、これにより、高温下でも優れた抵抗値安定性を有する薄膜チップ形電子部品を得ることができるという作用効果を有するものである。
さらにバリアメタル層は、上面電極の上面および薄膜チップ形電子部品の端面部分を除いた上面電極の外周部を覆うことが望ましい。このようにすることにより、上面電極の外周部付近でAu-Al合金の発生を抑制するとともに、上面電極と基板で構成される階段状の段差が、バリアメタル層によりゆるやかに被覆されることで、上面電極端部での薄膜抵抗体の被覆性が向上し、これにより、高温下でも優れた抵抗値安定性を有する薄膜チップ形電子部品を得ることができるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の薄膜チップ形電子部品は、基板と、基板の両端部に一対に設けられた上面電極と、基板上面及び上面電極の上面に設けられた薄膜抵抗体とを備え、上面電極と薄膜抵抗体との間にバリアメタル層を設けたもので、高温環境下での元素拡散の抑制と薄膜抵抗体の被覆性向上により、従来品に比べて大幅な耐熱性向上を実現させることができるという優れた効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明について説明する。
以下、実施の形態1を用いて、本発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における薄膜チップ形電子部品の一例である薄膜角チップ抵抗器の断面図を示したものである。96%以上のアルミナを含有してなるアルミナ基板からなる基板1の上面の両端部には一対の上面電極2が設けられ、かつ基板1の下面の両端部には一対の下面電極3が設けられている。一対の上面電極2の上面および基板1の上面の一部にはバリアメタル層4が設けられている。そしてバリアメタル層4の上面と基板1の上面の一部に薄膜抵抗体5が設けられている。この薄膜抵抗体5はNi、Cr、Al、Siの4元素を主成分とする薄膜材料で構成され、Ni/Cr比は重量比で45/55〜55/45となるようにし、Alは全重量に対して10〜18重量%含有するようにし、Siは全重量に対して2〜6重量%含有するようにしている。
バリアメタル層4は、Auを含む上面電極2を覆うことで、Alを含む薄膜抵抗体5と上面電極2が接触することを防ぎ、Au−Al合金の発生を抑制することができる。さらにバリアメタル層4は、上面電極2の上面および薄膜チップ形電子部品の端面部分を除いた上面電極2の外周部を覆うよう設けることが望ましい。この構造により、上面電極の外周部付近でAu-Al合金の発生を抑制するとともに、上面電極2と基板1で構成される階段状の段差が、バリアメタル層4によりゆるやかに被覆されることで、上面電極2の端部での薄膜抵抗体5の被覆性が向上し、Au−Al合金の発生の抑制効果に加えて、さらに抵抗値安定性が向上する。
また、バリアメタル層4は、Au−Al合金の発生を抑制するために、AuとAl以外の材料で構成することが望ましい。例えばTi、Ta、Pt、W、Ni、Cr、Cuのうち1つの金属または少なくともこれらの1つの金属を含む合金から構成することが望ましい。さらに、バリアメタル層4の厚みは、電気抵抗の観点からは薄く、Au−Al合金発生抑制の観点からは厚いことが求められ、5nm以上、500nm以下とすることが望ましい。
中間電極6は薄膜抵抗体5の上面の一部に設けられ、導電性樹脂材料からなる。金属酸化膜7は薄膜抵抗体5の全面および一対の上面電極2の一部を覆うように設けられたAl2O3等からなる金属酸化膜である。樹脂保護膜8は一対の上面電極2の間に位置する金属酸化膜7を覆うように設けられたエポキシ系樹脂ペースト等からなる樹脂保護膜である。端面電極9は基板1の両端面に設けられた端面電極で、この端面電極9は上面電極2と下面電極3と電気的に接続されるように構成されている。端面電極9は上面電極2、下面電極3および基板1の一部を覆うように設けられた導電性樹脂ペースト、Niめっき膜、Snめっき膜で、このNi及びSnめっき膜は、はんだ付け時の信頼性確保のために露出
した電極部に設けられるものである。
した電極部に設けられるものである。
以上のように構成された本発明の実施の形態1における薄膜角チップ抵抗器について、以下にその製造方法を説明する。
図2は本発明の実施の形態1における薄膜角チップ抵抗器の製造方法を示す製造工程図である。まず、耐熱性および絶縁性に優れた96%以上のアルミナを含有してなる基板1の上面の両端部に、一対の上面電極2を形成する。この上面電極2は、Auからなる金属有機物を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷し、かつ焼成することにより形成される。そしてこの上面電極2はAuの他にPt、Ru等からなる有機金属を主成分とする導電性ペーストで構成してもよく、さらにはAgやNi等の金属粉とガラスフリットのバインダーからなる導電性ペーストを用いて構成してもよい。また、スパッタリングや電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着等による方法で形成した薄膜電極を用いてもよい。なお、薄膜電極の密着性を向上させるためには、Cu薄膜等の下層にCr、Ti、Ni薄膜等からなる密着層を設ければ良い。
次に上面電極2と同様の方法で、基板1の下面に一対の下面電極3を形成する。
次に基板1上に、一対の上面電極2の上面および基板1の上面の一部を覆うようにスパッタリングや電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着等によってバリアメタル層4を形成する。
続いて、バリアメタル層4を所定のパターンに形成するために、フォトリソ工法(レジスト塗布、乾燥、露光、現像、エッチング、レジスト剥離)により、バリアメタル層4を所望の形状に加工するパターン形成プロセスを行う。バリアメタル層4を得るためのパターン形成プロセスはフォトリソ工法以外にも、所定箇所に開口部を有するメタルマスクを基板に密着させて固定し、そしてこの状態でスパッタリング等による成膜で基板上の所定箇所のみに着膜する方法を採用しても良いものである。バリアメタル層4の大きさを上面電極2よりも大きくすることによって、バリアメタル層4は、上面電極2の上面および薄膜チップ形電子部品の端面部分を除いた上面電極2の外周部を覆うようにする。
次にバリアメタル層4の上面と基板1の上面の一部に重なるようにスパッタリングなどによってNiCrAlSi合金からなる薄膜抵抗体5'を形成し、続いて、薄膜抵抗体5'を所定のパターンに形成するために、フォトリソ工法(レジスト塗布・乾燥・露光・現像・エッチング・レジスト剥離)により、薄膜抵抗体5'を所望の形状(薄膜抵抗体5)に加工するパターン形成プロセスを行う。薄膜抵抗体5を得るためのパターン形成プロセスはフォトリソ工法以外にも、所定箇所に開口部を有するメタルマスクを基板に密着させて固定し、そしてこの状態でスパッタリング等による成膜で基板上の所定箇所のみに着膜する方法を採用しても良いものである。
次に薄膜抵抗体5上の全面を覆うようにスパッタリングなどによってAl2O3を成膜することにより、金属酸化膜7を形成し、その後、熱処理を施す。なお、この金属酸化膜7はAl2O3で形成しているが、SiO2、TiO2等の他の金属酸化物材料を用いて形成しても良いものである。
次に薄膜抵抗体5の上面の一部に導電性樹脂ペーストをスクリーン印刷し、かつ硬化させることにより中間電極6を形成し、さらに、薄膜抵抗体5の抵抗値を所定の値に修正するためにレーザートリミングにより抵抗値修正を行う。
次に、中間電極6の間に位置する金属酸化膜7を覆うように、耐湿性および耐熱性に優れたエポキシ系樹脂ペーストをスクリーン印刷し、かつ硬化させることにより樹脂保護膜
8を形成する。
8を形成する。
次に、上面電極2と下面電極3と中間電極6とを電気的に接続するように、基板1の端面部にNi系またはAg系樹脂ペーストを塗布し、かつ硬化させることにより端面電極9を形成する。
最後に、電気めっきにより、0.5〜10μmのNiめっき膜と、0.5〜10μmのSnめっき膜を形成して、薄膜角チップ抵抗器が製造されるものである。
本発明にかかる薄膜抵抗体を用いた薄膜チップ形電子部品は、耐熱性(抵抗値安定性)において従来の構成よりも優れているため、近年、機電一体化が進む自動車分野の電子部品等の用途として有用である。
1 基板
2 上面電極
3 下面電極
4 バリアメタル層
5 薄膜抵抗体
6 中間電極
7 金属酸化膜
8 樹脂保護膜
9 端面電極
2 上面電極
3 下面電極
4 バリアメタル層
5 薄膜抵抗体
6 中間電極
7 金属酸化膜
8 樹脂保護膜
9 端面電極
Claims (3)
- アルミナからなる基板上面の両端部に一対の上面電極を設け、前記基板上面及び前記上面電極の上面に設けられた薄膜抵抗体を備え、前記上面電極はAuを含み、前記薄膜抵抗体は、Ni、Cr、Al、Siを含み、前記上面電極と前記薄膜抵抗体との間にバリアメタル層を設けた薄膜チップ形電子部品。
- 前記バリアメタル層は、Ti、Ta、Pt、W、Ni、Cr、Cuのうち1つの金属または少なくともこれらの1つの金属を含む合金からなる請求項1記載の薄膜チップ形電子部品。
- 前記バリアメタル層は、前記上面電極の上面および前記薄膜チップ形電子部品の端面部分を除いた前記上面電極の外周部を覆う請求項1記載の薄膜チップ形電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017064397A JP2018170309A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 薄膜チップ形電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017064397A JP2018170309A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 薄膜チップ形電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018170309A true JP2018170309A (ja) | 2018-11-01 |
Family
ID=64018954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017064397A Pending JP2018170309A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 薄膜チップ形電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018170309A (ja) |
-
2017
- 2017-03-29 JP JP2017064397A patent/JP2018170309A/ja active Pending
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