以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る電極積層装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。
また、電極組立体3の積層方向の一端には、厚み調整フィルムが配置されている。厚み調整フィルムは、電極組立体3とケース2との間の隙間をつめる為、必要な枚数だけ、用いられる。電極組立体3及び厚み調整フィルムと、ケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。本実施形態においては、二枚の多孔質フィルムを重ね、外周を熱溶着することで、セパレータ10を袋状としている。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まずセパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層して、所定枚数の電極よりなる積層体を得る。積層体に荷重加えて密着させた後、一体に固定することで電極組立体3を形成する。つまり、積層体は、電極組立体3の前駆体である。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続し、また、正極端子4及び負極端子5をケース2の蓋に固定する。この後、電極組立体3をケース2の本体内に収容しケース2の蓋とケース2の本体を溶接することで、ケース2が完成される。なお、以下では、セパレータ付き正極11及び負極9を単に電極18と称する場合がある。すなわち、電極18は、正極8と負極9とを含む。また、電極18は、上述したように、金属箔と、金属箔の表面に形成された活物質層と、を含む。
次に、図3〜図5を用いて、本実施形態に係る電極積層装置300について説明する。図3は、本実施形態に係る電極積層装置を示す側面図(一部断面を含む)である。図4は、支持部材の構成を示す図である。図5は、電極積層装置の平面図である。
電極積層装置300は、正極搬送ユニット301と、負極搬送ユニット302と、正極供給用コンベア303と、負極供給用コンベア304と、積層ユニット305と、壁部(第1壁部)317と、壁部(第2壁部)318と、押出ユニット(導入部)320と、移動機構(第1移動機構)380と、移動機構(第2移動機構)390と、コントローラ(制御部)350と、を備えている。また、電極積層装置300は、電極供給センサ306,307と、積層位置センサ308,309とを備えている。
正極搬送ユニット301は、セパレータ付き正極11(電極18)を貯めながら順次搬送するユニットである。正極搬送ユニット301は、上下方向(鉛直方向)に延びるループ状の循環部材310と、この循環部材310の外周面に取り付けられ、セパレータ付き正極11を支持する複数の支持部材311と、循環部材310を駆動する駆動部312とを有している。
循環部材310は、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材310は、上下方向に離間して配置された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材310が回転(周回)することで、各支持部材311が循環移動する。また、循環部材310は、2つのローラと共に上下方向に移動可能である。なお、循環部材310とローラの位相のずれを防止する為には、循環部材310を歯付きのベルトとし、ローラをプーリとしてもよい。例えば、後述する歯付きのプーリ403,404が、2つのローラに対応する。
駆動部312は、循環部材310を回転させると共に、循環部材310を上下方向に移動させる。例えば、駆動部312は、循環部材310を挟むように配置される2つのモータと、当該2つのモータにより駆動されるタイミングベルトを含む。この機構による詳細は、図17以降に図示するとともに、後述する。駆動部312は、循環部材310を電極積層装置300の前側から見て時計回りに回転させる。従って、正極供給用コンベア303側の支持部材311は循環部材310に対して上昇し、積層ユニット305側の支持部材311は循環部材310に対して下降する。
図4の(a)は、セパレータ付き正極11が支持された状態の支持部材311の側面図であり、図4の(b)は、図4の(a)のb−b線に沿った断面図である。図4に示されるように、支持部材311は、底壁311aと、一対の側壁311bとを有する断面U字状の部材である。底壁311aは、循環部材310の外周面に取り付けられる矩形板状部材である。一対の側壁311bは、循環部材310が循環する方向における底壁311aの両縁部に立設された矩形板状部材である。図4の(b)に示されるように、本実施形態では一例として、側壁311bは、二股状に形成されている。ただし、側壁311bの形状は、セパレータ付き正極11を支持可能な形状であれば何でもよい。一対の側壁311bは、互いに対向しており、セパレータ付き正極11を収容可能な程度に離間している。底壁311a及び側壁311bは、例えばステンレス鋼等の金属により一体的に形成されている。
底壁311aの内側表面には、スポンジ等の緩衝材311dが設けられている。正極供給用コンベア303から支持部材311に供給されるセパレータ付き正極11は、正極供給用コンベア303の搬送速度が高速の場合、緩衝材311dに衝突することになるが、緩衝材311dによって衝突の衝撃が緩和される。すなわち、緩衝材311dは、支持部材311がセパレータ付き正極11を受け取る際におけるセパレータ付き正極11への衝撃を緩和する衝撃緩和部として機能する。その結果、セパレータ付き正極11が支持部材311に供給される際において、セパレータ付き正極11の正極活物質層15の剥離を抑制することができる。なお、以降の図においては、緩衝材311dが省略されている。
負極搬送ユニット302は、負極9(電極18)を貯めながら順次搬送するユニットである。負極搬送ユニット302は、上下方向に延びるループ状の循環部材313と、この循環部材313の外周面に取り付けられ、負極9を支持する複数の支持部材314と、循環部材313を駆動する駆動部315とを有している。ここで、また、支持部材314の構成は、支持部材311と同様である。
循環部材313は、上記の循環部材310と同様に、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材313は、上下方向に離間して配置された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材313が回転(周回)することで、各支持部材314が循環移動する。また、循環部材313は、2つのローラと共に上下方向に移動可能である。
駆動部315は、循環部材313を回転させると共に、循環部材313を上下方向に移動させる。例えば、駆動部315は、循環部材313を挟むように配置される2つのモータと、当該2つのモータにより駆動されるタイミングベルトを含む。この機構による詳細は、図17以降に図示するとともに、後述する。駆動部315は、循環部材313を電極積層装置300の前側から見て反時計回りに回転させる。従って、負極供給用コンベア304側の支持部材314は循環部材313に対して上昇し、積層ユニット305側の支持部材314は循環部材313に対して下降する。
正極供給用コンベア303は、セパレータ付き正極11を正極搬送ユニット301に向けて水平方向に搬送し、正極搬送ユニット301の支持部材311にセパレータ付き正極11を供給する。正極供給用コンベア303は、正極供給用コンベア303の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部303aを有する。爪部303aは、上記循環方向に直交する方向に延び、セパレータ付き正極11の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、セパレータ付き正極11は、正極搬送ユニット301に対して一定の間隔で供給されるようになっている。
負極供給用コンベア304は、負極9を負極搬送ユニット302に向けて水平方向に搬送し、負極搬送ユニット302の支持部材314に負極9を供給する。負極供給用コンベア304は、負極供給用コンベア304の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部304aを有する。爪部304aは、上記循環方向に直交する方向に延び、負極9の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、負極9は、負極搬送ユニット302に対して一定の間隔で供給されるようになっている。
正極供給用コンベア303から正極搬送ユニット301の支持部材311に移載されたセパレータ付き正極11は、循環部材310の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材310の上部においてセパレータ付き正極11の表裏が反転する。負極供給用コンベア304から負極搬送ユニット302の支持部材314に移載された負極9は、循環部材313の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材313の上部において負極9の表裏が反転する。
図3,5に示されるように、積層ユニット305は、一例として、セパレータ付き正極11及び負極9(電極18)が積層される積層部316を有している。ここでは、積層部316には、セパレータ付き正極11及び負極9が交互に積層される。
積層部316は、正極搬送ユニット301と負極搬送ユニット302との間に配置されている。積層部316は、複数の支持部316aと、複数の挟持部316bと、を有している。複数の支持部316aは、上下方向に沿って配列されている。複数の挟持部316bは、上下方向に沿って配列されている。支持部316aと挟持部316bとは、上下方向において互いに対向している。
支持部316aは、セパレータ付き正極11及び負極9が載置されるプレート状の基台である。支持部316aは、水平方向に広がる板状の構成を有している。これによって、支持部316aの上面にセパレータ付き正極11及び負極9が積層される。そして、支持部316aは、積層されたセパレータ付き正極11及び負極9を支持する。
挟持部316bは、プレート状である。すなわち、挟持部316bは、水平方向に広がる板状の構成を有している。これによって、挟持部316bは、支持部316aに積層されたセパレータ付き正極11及び負極9を上下方向において挟持する。つまり、挟持部316bは、支持部316aとの間においてセパレータ付き正極11及び負極9を挟持する。なお、第1方向D1における挟持部316bの幅は、一例として、第1方向D1における支持部316aの幅よりも狭い。第1方向D1は、水平方向に沿った方向であって、ここでは正極搬送ユニット301から負極搬送ユニット302に向かう方向である。
積層ユニット305は、上下方向に延びる板状部材316cと、上下方向に延びる別の板状部材と、を更に有している。積層部316のそれぞれの支持部316aは、板状部材316cに固定されている。積層部316のそれぞれの挟持部316bは、別の板状部材に固定されている。板状部材316cと別の板状部材とは、上下方向に沿って互いにスライド可能である。複数の支持部316aに積層されたセパレータ付き正極11及び負極9は、板状部材316cと別の板状部材とが互いにスライドすることによって、同時に複数の挟持部316bに挟持される。
壁部317及び壁部318は、第1方向D1に沿って互いに対向するように、第1方向D1における積層部316の両端側に配置されている。壁部317及び壁部318は、積層部316に積層されたセパレータ付き正極11及び負極9(電極18)の第1方向D1における位置を規制する。壁部317及び壁部318は、第1方向D1に交差する方向に広がる板状の構成を有している。ここでは、壁部317及び壁部318は、積層部316に架け渡されるように上下方向に延びている。つまり、壁部317及び壁部318は、複数の支持部316aに共通に設けられている。壁部317及び壁部318は第1方向D1に沿って往復移動可能に構成されているが、当該構成については後述する。
壁部317は、積層部316と正極搬送ユニット301との間に配置されている。壁部317には、後述する押出部321により押し出されたセパレータ付き正極11を支持部316a上に通過させるための複数のスリット317aが形成されている。各スリット317aは、各支持部316aと各挟持部316bとの間に開口するように、上下方向に等間隔で配置されている。
なお、本実施形態では一例として、スリット317aの上側部分は、正極搬送ユニット301から積層部316に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット317aの下側部分は、正極搬送ユニット301から積層部316に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、セパレータ付き正極11を積層部316へと適切に案内するとともに、スリット317aにおける入口側(正極搬送ユニット301側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出部321により押し出されるセパレータ付き正極11の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット317aにセパレータ付き正極11を通過させることが可能となる。
壁部318は、積層部316と負極搬送ユニット302との間に配置されている。壁部318には、後述する押出部322により押し出された負極9を支持部316a上に通過させるための複数のスリット318aが形成されている。各スリット318aは、スリット317aと同様に、各積層部316における支持部316aと挟持部316bとの間に開口するように、上下方向に等間隔で配置されている。
なお、本実施形態では一例として、スリット318aの上側部分は、負極搬送ユニット302から積層部316に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット318aの下側部分は、負極搬送ユニット302から積層部316に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、負極9を積層部316へと適切に案内するとともに、スリット318aにおける入口側(負極搬送ユニット302側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出部322により押し出される負極9の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット318aに負極9を通過させることが可能となる。
押出ユニット320は、セパレータ付き正極11及び負極9(電極18)を積層部316に導入する。ここでは、押出ユニット320は、セパレータ付き正極11及び負極9が交互に積層されるように、セパレータ付き正極11及び負極9を積層部316に導入する。押出ユニット320は、押出部(第1導入部)321と、押出部(第2導入部)322と、駆動部(第1導入部)44と、駆動部(第2導入部)46と、を有している。
押出部321及び駆動部44は、セパレータ付き正極11を第1方向D1に沿って積層部316に導入する。具体的には、駆動部44が、押出部321を第1方向D1に沿って積層部316側に移動させる。これにより、押出部321は、複数の支持部材311に支持された複数のセパレータ付き正極11を複数の支持部316a上に同時に押し出すことにより、複数のセパレータ付き正極11を複数の支持部316a上に同時に導入する。駆動部44は、例えばモータ及びリンク機構から構成されている。このとき、押出されるセパレータ付き正極11の速度は、正極供給用コンベア303にて供給されるセパレータ付き正極11の速度より遅い。
押出部322及び駆動部46は、負極9を第1方向D1に沿って積層部316に導入する。具体的には、駆動部46が、押出部322を第1方向D1に沿って積層部316側に移動させる。これにより、押出部322は、複数の支持部材314に支持された複数の負極9を複数の支持部316a上に同時に押し出すことにより、複数の負極9を複数の支持部316a上に同時に導入する。駆動部46は、例えばモータ及びリンク機構から構成されている。このとき、押出される負極9の速度は、負極供給用コンベア304にて供給される負極9の速度より遅い。
ここで、電極積層装置300は、第2方向D2におけるセパレータ付き正極11及び負極9(電極18)の位置決めを行うための位置決めユニット47,48をさらに備えている。第2方向D2は、水平方向に沿った方向であって、第1方向D1に交差(直交)する方向である。位置決めユニット47は、セパレータ付き正極11の底縁11cの位置を揃える。位置決めユニット48は、負極9の底縁9cの位置を揃える。セパレータ付き正極11の底縁11cは、セパレータ付き正極11におけるタブ14b側とは反対側の縁である。負極9の底縁9cは、負極9におけるタブ16b側とは反対側の縁である。
位置決めユニット47は、正極搬送ユニット301の前側に配置され、セパレータ付き正極11の底縁11cと当接する受け部49と、正極搬送ユニット301の後側に配置され、セパレータ付き正極11を受け部49に対して押圧する押圧部50とを有している。受け部49には、複数のフリーローラが並んで設けられている。なお、受け部49は、表面が滑りやすい樹脂で形成されていてもよい。
押圧部50は、セパレータ付き正極11を押す押し板51と、この押し板51を受け部49側に移動させる駆動部52とを有している。駆動部52は、例えばシリンダを有している。押し板51は、シリンダのピストンロッドの先端に固定されている。押し板51には、セパレータ付き正極11のタブ14bを逃がすためのスリット51aが設けられている。
位置決めユニット48は、負極搬送ユニット302の前側に配置され、負極9の底縁9cと当接する受け部53と、負極搬送ユニット302の後側に配置され、負極9を受け部53に対して押圧する押圧部54とを有している。受け部53の構造は、受け部49と同様である。押圧部54は、負極9を押す押し板55と、この押し板55を受け部53側に移動させる駆動部56とを有している。押し板55には、負極9のタブ16bを逃がすためのスリット55aが設けられている。駆動部56の構成は、駆動部52と同様である。
コントローラ350は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等から構成されている。コントローラ350は、各駆動部を制御する。また、コントローラ350は、電極供給センサ306,307及び積層位置センサ308,309と接続されており、これらのセンサからの検知信号を受信可能となっている。コントローラ350は、各センサからの検知信号、及びROMに保存されたプログラムに基づき制御内容を決定し、各駆動部を駆動制御する(すなわち、後述する各処理を実行する)。
電極供給センサ306は、正極供給用コンベア303の正極搬送ユニット301側の端部付近に配置され、セパレータ付き正極11、または爪部303aとセパレータ付き正極11の有無を検知する。電極供給センサ306は、爪部303a又はセパレータ付き正極11の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ350に送信する。
電極供給センサ307は、負極供給用コンベア304の負極搬送ユニット302側の端部付近に配置され、爪部304a又は負極9の有無を検知する。電極供給センサ307は、爪部304a又は負極9の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ350に送信する。
積層位置センサ308は、支持部材311に支持されたセパレータ付き正極11のうちの最も下流側の支持部材311に支持されたセパレータ付き正極11が、予め定められた積層位置(例えば、積層ユニット305の最下段の支持部316aに対応するスリット318aの下端位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ308は、循環部材310の上下動とは独立しており、積層位置センサ308の高さ位置は、スリット318aに対して固定されている。例えば、積層位置センサ308は、壁部317に固定されていてもよい。積層位置センサ308は、セパレータ付き正極11を支持した支持部材311が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ350に送信する。
積層位置センサ309は、支持部材314に積層された負極9のうちの最も下流側の支持部材314に支持された負極9が、予め定められた積層位置(例えば、積層ユニット305の最下段の支持部316aに対応するスリット318aの下端位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ309は、循環部材313の上下動とは独立しており、積層位置センサ309の高さ位置は、スリット318aに対して固定されている。積層位置センサ309は、負極9を支持した支持部材314が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ350に送信する。
引き続いて、本実施形態に係る電極積層装置300の詳細について図5〜図8を参照して説明する。なお、図6〜図8では、理解を容易とするために一対の支持部316a及び挟持部316bのみが図示されているが、他の支持部316a及び挟持部316bにおいても同様の構成を有する。図6〜図8は、電極積層装置の一部分の拡大側面図である。特に、図6は、積層部316へのセパレータ付き正極11及び負極9の導入(積層)が完了した状態を示している。図7は、セパレータ付き正極11及び負極9を挟持した状態を示している。図8の(a)は、壁部317,318が移動した状態を示し、図8の(b)は、積層ユニット305(積層部316)の移動する様子を示している。
図5〜図8に示されるように、移動機構380は、壁部317及び壁部318を第1方向D1に沿って往復移動させる。より具体的には、移動機構380は、壁部317を第1方向D1に沿って往復移動させる移動部360と、壁部318を第1方向D1に沿って往復移動させる移動部370と、を備えている。移動部360は、壁部317に往復移動のための駆動力を付与する駆動部361と、駆動部361と壁部317を接続する接続部362と、を備えている。移動部370は、壁部318に往復移動のための駆動力を付与する駆動部371と、駆動部371と壁部318を接続する接続部372と、を備えている。移動機構380の動作は、コントローラ350によって制御される。すなわち、駆動部361及び駆動部371は、コントローラ350によって制御され、壁部317及び壁部318を第1方向D1に沿って往復移動させる。
より具体的には、駆動部361は、第1方向D1へ伸縮するシリンダ部361aを備えるシリンダ装置によって構成されてよい。接続部362の一方の端部は駆動部361のシリンダ部361aに接続され、他方の端部は壁部317に接続されている。接続部362は、駆動部361のシリンダ部361aの伸縮に伴って第1方向D1へ往復移動する。従って、接続部362は、駆動部361の駆動力を壁部317に伝達し、駆動部361のシリンダ部361aの伸縮に応じて壁部317を第1方向D1へ往復移動させることができる。
具体的には、駆動部361のシリンダ部361aが縮むことによって、壁部317は積層部316から離間する方向へ移動する(図8の(a)参照)。当該動作を壁部317の離間動作とする。駆動部361のシリンダ部361aが延びることによって、壁部317は積層部316に近接するように移動する。当該動作を壁部317の近接動作とする。なお、接続部362は、電極積層装置300の他の部材と干渉しないように、駆動部361と壁部317との間で屈曲するように延びている。ただし、駆動部361の配置、及びそれに伴う接続部362の形状は特に限定されず、適宜変更してよい。
駆動部371は、第1方向D1へ伸縮するシリンダ部371aを備えるシリンダ装置によって構成されてよい。接続部372の一方の端部は駆動部371のシリンダ部371aに接続され、他方の端部は壁部318に接続されている。接続部372は、駆動部371のシリンダ部371aの伸縮に伴って第1方向D1へ往復移動する。従って、接続部372は、駆動部361の駆動力を壁部318に伝達し、駆動部371のシリンダ部371aの伸縮に応じて壁部318を第1方向D1へ往復移動させることができる。
具体的には、駆動部371のシリンダ部371aが縮むことによって、壁部318は積層部316から離間する方向へ移動する(図8の(a)参照)。当該動作を壁部318の離間動作とする。駆動部371のシリンダ部371aが延びることによって、壁部318は積層部316に近接するように移動する。当該動作を壁部318の近接動作とする。なお、接続部372は、電極積層装置300の他の部材と干渉しないように、駆動部371と壁部318との間で屈曲するように延びている。ただし、駆動部371の配置、及びそれに伴う接続部372の形状は特に限定されず、適宜変更してよい。
なお、壁部317及び壁部318が、積層部316に近接するとは、壁部317及び壁部318が、基準位置よりも積層部316から離間した状態から、基準位置に移動されることをいう。また、壁部317及び壁部318の基準位置とは、積層部316が壁部317と壁部318との間にあるときに、第1方向D1におけるセパレータ付き正極11及び負極9の位置を規制可能な位置である。規制可能な位置とは、例えば、セパレータ付き正極11及び負極9が、製造誤差内の最大値を取っていても、第1方向におけるセパレータ付き正極11及び負極9の少なくとも一端と僅かに離れている位置である。
移動機構390は、第2方向D2に沿って、積層ユニット305(積層部316を含む)を移動させる。移動機構390は、積層ユニット305に移動のための駆動力を付与する駆動部391と、駆動部391と積層ユニット305を接続する接続部392と、を備えている。移動機構390の動作は、コントローラ350によって制御される。
具体的には、駆動部391は、第2方向D2へ伸縮するシリンダ部391aを備えるシリンダ装置によって構成されてよい。接続部392の一方の端部は駆動部391のシリンダ部391aに接続され、他方の端部は板状部材316cに着脱自在に接続されている。接続部392は、駆動部391のシリンダ部391aの伸縮に伴って第2方向D2へ往復移動する。従って、接続部392は、駆動部391の駆動力を積層ユニット305に伝達し、駆動部391のシリンダ部391aの伸縮に応じて積層ユニット305を第2方向D2に沿って移動させることができる。
具体的には、駆動部391のシリンダ部391aが縮むことによって、積層ユニット305は壁部317と壁部318との間から搬出するように移動する(図8の(b)参照)。当該動作を積層ユニット305の搬出動作とする。駆動部391のシリンダ部391aが延びることによって、積層ユニット305は壁部317と壁部318との間へ移動する。当該動作を積層ユニット305の搬入動作とする。なお、接続部392は、電極積層装置300の他の部材と干渉しないように、駆動部391と積層ユニット305との間で屈曲するように延びている。ただし、駆動部391の配置、及びそれに伴う接続部392の形状は特に限定されず、適宜変更してよい。なお、図8の(b)においては、積層ユニット305の移動を表す矢印が便宜的に紙面下方に向けて示されているが、実際には、積層ユニット305の移動方向は、紙面に交差する第2方向D2である。接続部392は、板状部材316cに対し、係合又は離脱することによって、後述するように積層ユニット305を交換することができる。
コントローラ350は、第1処理と、第2処理と、第3処理と、第4処理と、第5処理と、を実行する。具体的には、コントローラ350は、第1処理として、図6に示されるように押出ユニット320によるセパレータ付き正極11及び負極9(つまり、複数枚の電極18)の導入が完了した後、図8の(a)に示されるように壁部317及び壁部318が積層部316の両端側から離間するように移動機構380の動作を制御する。また、コントローラ350は、図8の(b)に示されるように、第1処理の後に、第2処理として、積層ユニット305を壁部317と壁部318との間から搬出するように移動機構390の動作を制御する。
一方で、コントローラ350は、図7に示されるように、第3処理として、第2処理の前に、支持部316aと挟持部316bとによってセパレータ付き正極11及び負極9を挟持させる。他方、コントローラ350は、第4処理として、壁部317と壁部318との間に積層ユニット305を搬入するように移動機構390の動作を制御する。そして、コントローラ350は、第5処理として、第4処理の後に、壁部317及び壁部318が積層部316の両端側に近接するように移動機構380の動作を制御する。
続いて、図9〜図16を用いて、コントローラ350による循環部材310,313、位置決めユニット47,48、及び押出部321,322の動作制御について説明する。
まず、図9〜図12を用いて、循環部材(ここでは一例として循環部材310)の制御フローについて説明する。図9は、循環部材の制御フローを示すフローチャートである。図10は、準備運転時(図9のステップS201)における循環部材の動作を説明する一部側面図である。図11は、積層運転時(図9のステップS203)における循環部材の動作を説明する一部側面図である。図12は、復帰運転時(図9のステップS206)における循環部材の動作を説明する一部側面図である。なお、負極搬送ユニット302の循環部材313の制御フローは、循環部材310の制御フローと同様であるため、説明を省略する。
図9において、コントローラ350は、電極積層装置300を含む製造ラインの稼働開始のトリガ(例えばオペレータ等による入力)を受けて、循環部材310の準備運転を開始する(ステップS201)。
準備運転は、いずれの支持部材311にもセパレータ付き正極11が支持されていない初期状態から、セパレータ付き正極11の受取位置から積層位置までの間にある各支持部材311がセパレータ付き正極11を支持する状態にするための動作である。具体的には、準備運転は、例えば上述した2つのモータ(後述するモータ405,406)を同時に駆動させることにより、循環部材310の回転(循環)のみによって、支持部材311を循環させる動作である(図10参照)。より具体的には、循環部材310において互いに隣接する支持部材311間の距離の移動量を1とした場合、コントローラ350は、循環部材310におけるセパレータ付き正極11の受取位置にある支持部材311にセパレータ付き正極11が供給されたことを確認する毎に、循環部材310を移動量1だけ図10の紙面表側から見て時計回り(以下単に「時計回り」という。)に循環させる。なお、以下の説明においては、循環部材310の循環については、時計回り方向の移動を正方向とし、循環部材310の上下移動については、上方向を正方向として、移動量を表現する。
コントローラ350は、準備運転中において、随時、積層位置センサ308からの検知信号の受信の有無(すなわち、セパレータ付き正極11が積層位置に到達したか否か)を判定する(ステップS202)。コントローラ350は、積層位置センサ308から検知信号を受信するまで、循環部材310の準備運転を継続する(ステップS202:NO)。一方、コントローラ350は、積層位置センサ308から検知信号を受信すると(すなわち、セパレータ付き正極11が積層位置に到達したことを検知すると)、循環部材310を積層運転に切り替える(ステップS202:YES、ステップS203)。
積層運転は、セパレータ付き正極11を積層部316に積層するための動作である。具体的には、積層運転は、例えば上述した2つのモータのうちの正極供給用コンベア303側のモータ(後述するモータ405)のみを駆動させることにより、積層ユニット305側の支持部材311の高さ位置を支持部316aに対して相対的に停止させるとともに、セパレータ付き正極11が正極供給用コンベア303から一枚供給される毎に、正極供給用コンベア303側の支持部材311を正極供給用コンベア303に対して移動量1だけ上昇させる動作である。より具体的には、コントローラ350は、正極供給用コンベア303から1枚のセパレータ付き正極11が供給されてから次のセパレータ付き正極11が供給されるまでの間の時間(以下「単位時間」という)に、循環部材310を移動量0.5で時計回りに循環させるとともに、移動量0.5で上昇させる(図11参照)。
コントローラ350は、積層運転中において、随時、複数の支持部316aに対するセパレータ付き正極11の同時供給が完了したか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、後述する押出部321による押出動作が完了したか否かが判定される。例えば、押出部321が元の位置(セパレータ付き正極11を押し出す前の位置)に戻ったことを検知することで、押出動作が完了したことを検知することができる。コントローラ350は、押出部321による押出動作が完了したことを検知するまで、循環部材310の積層運転を継続する(ステップS204:NO)。一方、コントローラ350は、押出部321による押出動作が完了したことを検知すると(ステップS204:YES)、積層ユニット305へのセパレータ付き正極11の積層を完了するか否かを判定する(ステップS205)。
具体的には、コントローラ350は、例えば各支持部316aに積層された電極18の枚数をセンサ等により検知し、電極18の積層枚数が予め定められた枚数に達したか否かを判定することで、積層を完了するか否かを判定することができる。すなわち、コントローラ350は、電極18の積層枚数が予め定められた枚数に達した場合に積層を完了し、電極18の積層枚数が予め定められた枚数に達していない場合に積層を完了しないと判定することができる。
積層を完了すると判定された場合(ステップS205:YES)、コントローラ350は、循環部材310の制御を終了する。一方、積層を完了すると判定されなかった場合(ステップS205:NO)、コントローラ350は、循環部材310を復帰運転に切り替える(ステップS206)。なお、積層を完了すると判定された場合(ステップS205:YES)、コントローラ350は、循環部材310の制御を一旦終了した後、さらに積層ユニット305の交換が完了してオペレータ等からの制御開始の指示を受けた後に、循環部材310の制御を再開してもよい。この場合、復帰運転(ステップS206)が開始されることになる。
復帰運転は、積層運転において元の位置(積層運転開始前の位置)よりも上昇した位置に移動した循環部材310を元の位置に復帰(下降)させる動作である。具体的には、復帰運転は、例えば上述した2つのモータのうちの積層ユニット305側のモータ(後述するモータ406)の駆動速度を相対的に大きくした状態において当該2つのモータを駆動することにより、積層ユニット305側においてセパレータ付き正極11を支持する先頭の支持部材311の高さ位置を積層位置までスライドさせるとともに、正極供給用コンベア303側の支持部材311を移動量1だけ上昇させる動作である。より具体的には、コントローラ350は、上述した単位時間に、循環部材310を移動量2.5で時計回りに循環させるとともに、移動量−1.5で下降させる(図12参照)。
これにより、単位時間において、正極供給用コンベア303側では、支持部材311が、正極供給用コンベア303に対して、1つ分だけ上昇することになる。一方、積層ユニット305側では、支持部材311が、積層ユニット305に対して、4つ分だけ下降することになる。これにより、正極供給用コンベア303から供給されるセパレータ付き正極11を受け取りつつ、4つのセパレータ付き正極11を押出部321によって同時に押し出す押出動作を実行可能な状態となる。従って、コントローラ350は、循環部材310の復帰運転完了後、循環部材310を積層運転に切り替える(ステップS206→S203)。
次に、図13を用いて、位置決めユニット47,48の制御フローについて説明する。図13は、正極及び負極供給側の押出ユニットの制御フローを示すフローチャートである。ここでは一例として、位置決めユニット47の制御について説明を行う。なお、位置決めユニット48の制御フローは、位置決めユニット47の制御フローと同様であるため、説明を省略する。
図13において、コントローラ350は、積層位置センサ308からの検知信号の受信の有無を定期的にチェックすることで、位置決めユニット47による位置決めが可能な位置にセパレータ付き正極11があるか否かを確認する(ステップS301)。コントローラ350は、積層位置センサ308からの検知信号を受信するまで、上記チェックを継続する(ステップS301:NO)。コントローラ350は、積層位置センサ308からの検知信号を受信し、セパレータ付き正極11が積層位置に到達したことを検知すると(ステップS301:YES)、位置決めユニット47に位置決め動作を実行させる(ステップS302)。具体的には、コントローラ350は、位置決めユニット47の押圧部54による押圧動作を実行するように制御する。
続いて、コントローラ350は、上述した図9のステップS205と同様の判定により、積層を完了するか否かを判定する(ステップS303)。積層を完了すると判定された場合(ステップS303:YES)、コントローラ350は、位置決めユニット47の制御を終了する。一方、積層を完了すると判定されなかった場合(ステップS303:NO)、コントローラ350は、積層ユニット305側の支持部材311の高さ位置が積層ユニット305に対して相対的に変化する循環動作(すなわち、上述した循環部材310の復帰運転)が発生するまで、位置決めユニット47の動作を停止する(ステップS304:NO)。コントローラ350は、上記循環動作が発生したことを確認すると(すなわち、コントローラ350が循環部材310を復帰運転に切り替えると)、ステップS301に戻り、位置決めユニット47の制御を継続する(ステップS304:YES)。
なお、位置決めユニット47に位置決め動作を実行させる判定には、上述した判定で用いた判定基準以外の判定基準が用いられてもよい。例えば、押出部321が停止していることが、ステップS302の位置決め動作を実行する判定条件として加えられてもよい。
次に、図14を用いて、押出部321の制御フローについて説明する。図14は、正極供給側の押出ユニットの制御フローを示すフローチャートである。図14において、コントローラ350は、積層位置センサ308から受信した検知信号に基づいて、セパレータ付き正極11が積層位置に存在するか否かを確認する(ステップS401)。また、コントローラ350は、位置決めユニット47による位置決め動作(図13のステップS302)が完了しているか否かを確認する(ステップS402)。コントローラ350は、例えば位置決めユニット47の押圧部54が元の位置(押圧を行う前の位置)に戻っていることを確認することにより、位置決めユニット47の位置決め動作が完了していることを確認することができる。
また、コントローラ350は、他極側(ここでは負極9側)の負極搬送ユニット302において、負極9の積層(支持部316aへの排出)が完了しているか否かを確認する(ステップS403)。コントローラ350は、例えば負極搬送ユニット302の押出部322の押出動作が完了し、押出部322が元の位置(押出動作を行う前の位置)に戻っていることを確認することにより、負極9の積層が完了していることを確認することができる。
コントローラ350は、上述したステップS401〜S403の確認結果に基づいて、積層可能か否か(すなわち、押出部321による押出動作を実行可能か否か)を判定する(ステップS404)。具体的には、セパレータ付き正極11が積層位置に存在し、位置決めユニット47による位置決め動作が完了しており、負極9の積層が完了していることが確認できた場合に、コントローラ350は、積層可能であると判定する(ステップS404:YES)。一方、コントローラ350は、上記の確認項目のうち少なくとも一つの状態が確認できなかった場合には、積層可能でないと判定し(ステップS404:NO)、ステップS401に戻る。
続いて、コントローラ350は、積層可能であると判定した場合(ステップS404:YES)、押出部321による押出動作を実行する(ステップS405)。具体的には、コントローラ350は、押出部321により複数のセパレータ付き正極11を上下複数の支持部316aに向けて同時に押し出すように駆動部44を制御する。
続いて、コントローラ350は、上述した図9のステップS205と同様の判定により、積層を完了するか否かを判定する(ステップS406)。積層を完了すると判定された場合(ステップS406:YES)、コントローラ350は、押出部321の制御を終了する。一方、積層を完了すると判定されなかった場合(ステップS406:NO)、コントローラ350は、積層ユニット305側の支持部材311の高さ位置が積層ユニット305に対して相対的に変化する循環動作(すなわち、上述した循環部材310の復帰運転)が発生するまで、押出部321の動作を停止する(ステップS407:NO)。コントローラ350は、上記循環動作が発生したことを確認すると(すなわち、コントローラ350が循環部材310を復帰運転に切り替えると)、ステップS401に戻り、押出部321の制御を継続する(ステップS407:YES)。
次に、図15を用いて、押出部322の制御フローについて説明する。図15は、負極供給側の押出ユニットの制御フローを示すフローチャートである。本実施形態では一例として、負極9が支持部316aに最初に積層されるものと定められている。このため、負極9の押出部322の制御フローにおいては、1枚目の負極9を支持部316aに積層する場合の制御フロー(ステップS501〜S505)は、2枚目以降の負極9を支持部316aに積層する場合の制御フロー(ステップS506〜S512)と一部異なる。
具体的には、負極9が支持部316aに最初に積層されるため、1枚目の負極9を支持部316aに積層する場合には、セパレータ付き正極11側の動作確認をする必要がない。このため、1枚目の負極9を支持部316aに積層する場合の制御フロー(ステップS501〜S505)においては、他極側の動作確認(図14のステップS403に対応するステップ)が省略される。また、負極9が1枚だけ積層された状態では積層完了しないため、積層完了か否かの判定(図14のステップS406に対応するステップ)も省略される。
一方、2枚目以降の負極9を支持部316aに積層する場合の制御フロー(ステップS506〜S512)は、上述した押出部321の制御フロー(図14のステップS401〜407)と同様である。
続いて、図6〜図8、及び、図16を用いて、コントローラ350による移動機構380及び移動機構390の動作の制御について説明する。図16は、移動機構の制御フローを示すフローチャートである。コントローラ350は、上述したように、第1処理と、第2処理と、第3処理と、第4処理と、第5処理と、を実行する。
具体的には、コントローラ350は、上述した図14のステップS406、及び図15のステップS511の判定により、積層を完了すると判定された場合、まず、第3処理を実行する(ステップS601)。すなわち、ここでは、コントローラ350は、第3処理として、後述する第2処理の前であって押出ユニット320によるセパレータ付き正極11及び負極9の導入が完了した後(図6参照)、支持部316aと挟持部316bとによって積層部316に積層されたセパレータ付き正極11及び負極9を挟持させる(図7参照)。この際、支持部316aと挟持部316bとは、上下方向においてセパレータ付き正極11及び負極9を挟持する。なお、セパレータ付き正極11及び負極9が積層部316に積層されるときには、壁部317及び壁部318は、第1方向D1における積層部316の両端側に近接している(基準位置にある)。
続いて、コントローラ350は、第1処理を実行する(ステップ602)。すなわち、コントローラ350は、第1処理として、壁部317及び壁部318が積層部316の両端側から離間するように移動機構380の動作を制御する(図8の(a)参照)。つまり、第1処理においては壁部317及び壁部318の離間動作が行われる。
続いて、コントローラ350は、第2処理を実行する(ステップ603)。すなわち、コントローラ350は、第1処理の後に、第2処理として、積層ユニット305を壁部317と壁部318との間から搬出するように移動機構390の動作を制御する(図8の(b)参照)。つまり、第2処理においては積層ユニット305の搬出動作が行われる。なお、積層ユニット305は、第2方向D2に沿って壁部317と壁部318との間から搬出される。
この際、壁部317及び壁部318は、既に、第1方向における積層部316の両端側から離間しているため、セパレータ付き正極11及び負極9の側面が壁部317及び壁部318と擦れることはない。壁部317と壁部318との間から、積層体が完成された積層ユニット305が取出され、代わりに、空の積層ユニット305が電極積層装置300に取り付けられる。積層体が完成し、搬出された積層ユニット305は、別設備で積層部316に形成された積層体が取り出され、所定の後工程に提供される。そして、空となった積層ユニット305は、再び電極積層装置300に搬送される。
続いて、コントローラ350は、第4処理を実行する(ステップ604)。コントローラ350は、第4処理として、において壁部317と壁部318との間に空となった積層ユニット305を搬入するように移動機構390の動作を制御する。つまり、第4処理においては積層ユニット305の搬入動作が行われる。なお、積層ユニット305は、第2方向D2に沿って壁部317と壁部318との間に搬入される。
続いて、コントローラ350は、第5処理を実行する(ステップ605)。具体的には、コントローラ350は、第4処理の後に、第5処理として、壁部317及び壁部318が積層部316の両端側に近接するように移動機構380の動作を制御する。つまり、第5処理においては壁部317及び壁部318の近接動作が行われる。
次に、図17〜図21を用いて、搬送部材の駆動(上下動及び循環)を実現するための機構の詳細について説明する。ここでは、正極搬送ユニット301の支持構造及び駆動機構について説明する。負極搬送ユニット302についても同様の支持構造及び駆動機構を採用することができる。図17及び図18は、正極搬送ユニットの循環部材の支持構造及び駆動機構の構成例を示す図である。図19は、循環部材の第1の動作例を示す図である。図20は、循環部材の第2の動作例を示す図である。図21は、循環部材の第3の動作例を示す図である。
図17及び図18は、正極搬送ユニット301の支持構造及び駆動機構の説明に必要な構成に着目した図であり、それ以外の構成については適宜図示を省略している。図17に示されるように、正極搬送ユニット301は、床面に設置された支持フレーム401と、支持フレーム401に対して上下方向に移動可能に支持される循環用フレーム402と、を備えている。循環用フレーム402には、上下方向に所定間隔だけ離間して配置された一対のプーリ403,404が、回転可能に支持されている。プーリ403,404には、外周面に複数の支持部材311が配置された循環部材310が巻き掛けられている。
また、図18に示されるように、正極搬送ユニット301は、支持フレーム401(図17参照)又は床面に対して固定されたモータ405,406を備えている。モータ405,406の駆動軸には、駆動ギヤ405a,406aが固定されている。プーリ403,404(図17参照)は、その回転軸の一端に従動ギヤ407,408を有する。駆動ギヤ405a,406a、及び従動ギヤ407,408には、タイミングベルト409が巻き掛けられている。駆動ギヤ405a,406a、及び従動ギヤ407,408に加えて、支持フレーム401に支持されたガイドローラ410(図18の例では4つのガイドローラ410)により、タイミングベルト409の循環経路は、上下左右に延びる略十文字状をなす。
図19に示されるように、駆動ギヤ405a,406aを等速度で回転させた場合、循環用フレーム402(図17参照)及び循環部材310(図17参照)の全体は、支持フレーム401(図17参照)又は床面に対して上下に移動することなく、循環部材310及びタイミングベルト409が循環動作のみを行うことになる。
一方、図20に示されるように、駆動ギヤ405aのみを回転させた場合、正極供給用コンベア303側では循環部材310(図17参照)は時計回りに循環する一方で、積層ユニット305(図3参照)側では循環部材310は停止している。このため、タイミングベルト409は、正極供給用コンベア303側の部分のみが上昇することになる。このようなタイミングベルト409の動作に伴い、循環用フレーム402(図17参照)は、支持フレーム401(図17参照)又は床面に対して上昇することになる。これに伴い、プーリ403,404(図17参照)を介して循環用フレーム402に支持されている循環部材310の基準高さ位置(例えば、循環部材310の上下方向における中央位置)も上昇することになる。
また、図21に示されるように、駆動ギヤ406aのみを回転させた場合、循環部材310(図17参照)の積層ユニット305(図3参照)側は時計回りに循環する一方で、正極供給用コンベア303側では停止している。このため、タイミングベルト409は、積層ユニット305側(図21の右側部分)のみが下降することになる。このようなタイミングベルト409の動作に伴い、循環用フレーム402(図17参照)は、支持フレーム401(図17参照)又は床面に対して下降することになる。これに伴い、循環部材310の基準高さ位置も下降することになる。さらに、駆動ギヤ405aの回転速度と駆動ギヤ406aの回転速度を異ならせて、駆動ギヤ405a,406aの両方を回転させた場合、回転速度の差に応じて循環用フレーム402を上昇又は下降させ、循環部材310の基準高さ位置を上昇又は下降させることができる。従って、駆動ギヤ405a,406aの回転速度を調整することにより、上述した準備運転、積層運転、及び復帰運転を実現することができる。すなわち、コントローラ350は、実行したい循環部材310の運転形態に応じて、駆動ギヤ405a,406aの回転速度を調整することで、準備運転、積層運転、及び復帰運転を実現することができる。
次に、本実施形態に係る電極積層装置300の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る電極積層装置300では、積層部316の両端側に配置された壁部317及び壁部318が、積層部316に積層された電極18の第1方向D1における位置を規制する。このため、積層部316に積層された電極18間の位置ずれが抑制される。また、電極18の導入が完了した後、壁部317と壁部318とは、コントローラ350の制御(第1処理)のもとで、移動機構380により積層部316の両端側から離間される。このため、積層部316において積層された電極18を壁部317と壁部318との間から搬出する際に、電極18と壁部317及び壁部318とが擦れることによる電極18の粉落ちが抑制される。これにより、この粉落ちが電極組立体3に混入することが抑制され、不良品の発生が抑制される。よって、電極積層装置300によれば、電極18間の位置ずれを抑制しつつ不良品の発生を抑制可能である。
本実施形態に係る電極積層装置300では、積層部316は、上下方向に沿って配列され、電極18を支持する複数の支持部316aを有し、壁部317及び壁部318は、複数の支持部316aに共通に設けられており、壁部317及び壁部318には、支持部316a上に電極18を通過させるための複数のスリット317a及び複数のスリット318aが形成されている。この構成によれば、壁部317及び壁部318は、スリットを介して電極18が対応する支持部316a上に導入されるようにガイドすると共に、支持部316aに積層された電極18の位置ずれを抑制することができる。また、壁部317及び壁部318が、複数の支持部316aに共通に設けられているため、第1処理が容易に行える。
また、電極積層装置300では、積層部316は、支持部316aとの間において電極18を挟持する挟持部316bを有し、押出ユニット320は、支持部316aと挟持部316bとの間において第1方向D1から積層部316に電極18を導入している。この構成によれば、電極18間の位置ずれを確実に抑制することができる。
また、電極積層装置300は、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って、積層ユニット305を移動させる移動機構390を備え、コントローラ350は、第1処理の後に、積層ユニット305を壁部317と壁部318との間から搬出するように移動機構390の動作を制御する第2処理を実行する。この構成によれば、電極18が積層された状態の積層ユニット305が、コントローラ350の制御(第2処理)のもとで、移動機構390により壁部317と壁部318との間から搬出される。このとき、壁部317と壁部318とは、コントローラ350の制御(第1処理)のもとで、移動機構380により積層部316の両端側から離間されている。このため、積層部316において積層された電極18と壁部317及び壁部318とが擦れることによる電極18の粉落ちが抑制される。これにより、この粉落ちが電極組立体3に混入することが抑制され、不良品の発生が抑制される。
また、電極積層装置300では、コントローラ350は、第2処理の前に、支持部316aと挟持部316bとによって電極18を挟持する第3処理を実行し、第2方向D2は、水平方向に沿った方向である。この構成によれば、電極18が積層された状態の積層ユニット305が移動しているときにも、電極18間の位置ずれを確実に抑制することができる。
また、コントローラ350は、第1処理の前に、第3処理を実行している。この構成によれば、第1処理において、例えば壁部317及び壁部318の移動の影響による電極18間の位置ずれを確実に抑制することができる。
また、電極積層装置300では、コントローラ350は、壁部317と壁部318との間に積層ユニット305を搬入するように移動機構390の動作を制御する第4処理と、第4処理の後に、壁部317及び壁部318が積層部316の両端側に近接するように移動機構380の動作を制御する第5処理と、を実行する。この構成によれば、積層ユニット305が壁部317と壁部318との間に搬入されるときに、第1方向D1における積層部316の両端部が壁部317及び壁部318に干渉することが抑制される。このため、この構成によれば、第1方向D1における積層部316の設計の自由度を高くすることができる。
また、電極積層装置300では、電極18は、セパレータ付き正極11及び負極9を含み、押出ユニット320は、セパレータ付き正極11を積層部316に導入する押出部321と、負極9を積層部316に導入する押出部322と、を有し、押出部321及び押出部322は、セパレータ付き正極11及び負極9が交互に積層されるように、セパレータ付き正極11及び負極9を積層部316に導入している。この構成によれば、押出ユニット320は、押出部321及び押出部322の二つの押出部を有しているため、より効率的に電極18を積層することができる。
また、電極積層装置300では、上下方向に延びるループ状の外周面と、外周面に取付けられた複数の支持部材311と、を有する循環部材310を備え、押出ユニット320は、複数の支持部材311に支持された電極18を複数の支持部316aに同時に押し出す押出部321,322を有している。この構成によれば、複数枚の電極18を同時に積層部316へ導入することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。図22〜図27は、変形例に係る電極積層装置の構成を示す図である。
上述の実施形態では、押出ユニット320は、循環部材310,313に設けられた支持部材311,314からセパレータ付き正極11及び負極9を押し出す押出部321,322を有していた。これに代えて、図22に示すように、積層部316を挟んで両側に、正極供給用コンベア303と負極供給用コンベア304を配置し、セパレータ付き正極11及び負極9を各コンベア303,304から積層部316に向かって水平に導入することで、積層する構成を採用してもよい。この場合、正極供給用コンベア303が第1導入部として機能し、負極供給用のコンベア304が第2導入部として機能する。
また、図23及び図24に示すように、電極積層装置は、セパレータ付き正極11を導入する押出部321及び負極9を導入する押出部322と、積層部316の上方に配置され、導入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る仕切板120,130と、を更に備えてよい。図24に示すように、仕切板120は、導入時におけるセパレータ付き正極11を上面120aに載せ、負極9を下面120b側に導く。また、仕切板130は、負極9を上面130aに載せる。この状態で、導入方向と直交する背面側にてセパレータ付き正極11及び負極9を部材140,150で保持し、仕切板120,130を背面側へ引き抜くと、セパレータ付き正極11及び負極9は積層部316へ同時に導入される。
また、図25に示すように、第1方向D1における支持部材311の幅は、第1方向D1における積層部316(ここでは、支持部316a)の幅よりも小さくてもよい。また、コントローラ350は、押出部321がセパレータ付き正極11を支持部316aに向けて押し出した後に元の位置に戻った後であって、循環部材310を循環させる前に第1処理を実行してもよい。この際、壁部317は、壁部317の上方に位置する支持部材311に支持されたセパレータ付き正極11と上下方向において互いにラップする位置まで移動される。
同様に、第1方向D1における支持部材314の幅は、第1方向D1における積層部316(ここでは、支持部316a)の幅よりも小さくてもよい。また、コントローラ350は、押出部322(図示せず)が負極9を支持部316aに向けて押し出した後に元の位置に戻った後であって、循環部材313を循環させる前に第1処理を実行してもよい。この際、壁部318は、壁部318の上方に位置する支持部材314に支持された負極9と上下方向において互いにラップする位置まで移動される。この構成によれば、第1方向D1における支持部材311及び支持部材314の幅が限定されており、且つ、壁部317及び壁部318に対応する位置に対して電極18を支持した新たな支持部材311及び支持部材314が導入される前に、第1方向D1における壁部317及び壁部318の移動に係る第1処理が実行される。このため、壁部317及び壁部318の移動範囲を拡大することが可能となる。
また、図26及び図27に示すように、積層部316に形成された積層体は、例えば、マニュピレータ90によって、壁部317と壁部318との間から第2方向D2に沿って搬出されてもよい。この際、支持部316aには、マニュピレータ90が積層体を挟持できる程度の切欠きが形成されている。この切欠きは、上下方向において挟持部316bと重複しない領域に形成されている。この場合には、移動機構390が不要となり得る。
また、積層部316は、複数ではなく1つの支持部316aを有していてもよい。この際、積層部316は、複数ではなく1つの挟持部316bを有している。
また、積層対象である電極18は、セパレータ付き正極11及び負極9のいずれか一方であってもよい。この場合、電極積層装置300は、正極搬送ユニット301及び負極搬送ユニット302の何れか一方を備えている。また、電極積層装置300は、正極搬送ユニット301及び負極搬送ユニット302の両方を備えていてもよい。この場合、正極搬送ユニット301及び負極搬送ユニット302の両方とも、セパレータ付き正極11及び負極9のいずれか一方を搬送する。
また、電極18がセパレータ付き正極11及び負極9のいずれか一方であり、且つ、正極搬送ユニット301及び負極搬送ユニット302のいずれか一方が用いられる場合には、電極積層装置300は、正極供給用コンベア303及び負極供給用コンベア304の何れか一方を備えていてもよい。また、電極18がセパレータ付き正極11及び負極9のいずれか一方であり、且つ、正極搬送ユニット301及び負極搬送ユニット302の両方が用いられる場合には、電極積層装置300は、正極供給用コンベア303及び負極供給用コンベア304の両方を備えていてもよい。この場合、正極供給用コンベア303及び負極供給用コンベア304の両方とも、セパレータ付き正極11及び負極9のいずれか一方を供給する。
また、第1方向D1における挟持部316bの幅は、第1方向D1における支持部316aの幅よりも狭くなくてもよい。支持部316a及び挟持部316bは、セパレータ付き正極11及び負極9を支持して挟持することができれば、その形状は限定されない。
また、移動機構390が積層ユニット305を壁部317と壁部318との間に対して搬入出する方向は、第2方向D2に限定されない。すなわち、移動機構390は、第1方向D1に交差する様々な方向(例えば鉛直方向)に沿って積層ユニット305を壁部317と壁部318との間に対して搬入出してもよい。
また、押出ユニット320によるセパレータ付き正極11及び負極9の導入方向は特に限定されず、水平方向の何れかの方向から導入すればよい。つまり、押出部321及び押出部322は、支持部316aと挟持部316bとの間において水平方向の何れかの方向から積層部316にセパレータ付き正極11及び負極9を導入してもよい。具体的には、例えば、積層ユニット305の背面側からセパレータ付き正極11及び負極9を導入してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、正極8が袋状のセパレータ10に包まれた状態であるセパレータ付き正極11と負極9とが交互に支持部316aに積層されるが、特にその形態には限られず、負極が袋状のセパレータに包まれた状態であるセパレータ付き負極と正極とが交互に支持部316aに積層されてもよい。
さらに、上記実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池であるが、本発明は、特にリチウムイオン二次電池には限られず、例えばニッケル水素電池等の他の二次電池、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタ等の蓄電装置における電極の積層にも適用可能である。
また、コントローラ350は、第1処理の後に、第3処理を実行してもよい。この構成によれば、セパレータ付き正極11及び負極9が支持部316aと挟持部316bとにより挟持されるときに、第1方向D1における挟持部316bの両端部が壁部317及び壁部318に干渉することが抑制される。このため、この構成によれば、第1方向D1における挟持部316bの設計の自由度を高くすることができる。
また、コントローラ350は、第4処理の前に、第5処理を実行してもよい。この構成によれば、積層ユニット305が壁部317と壁部318との間から搬出されて後工程に提供されているときに、壁部317及び壁部318を近接させて基準位置に戻すことができる。つまり、この構成によれば、より効率的に電極18を積層することができる。
また、駆動部312は、特に図示はしないが、例えば、ローラを回転させることで循環部材310を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構を介して循環部材310を上下方向に移動させる昇降用モータとを有していてよい。また、駆動部315は、特に図示はしないが、例えば、ローラを回転させることで循環部材313を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構を介して循環部材313を上下方向に移動させる昇降用モータとを有していてもよい。