JP2018169782A - 警報器 - Google Patents

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忠輝 野上
秀規 藤原
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秀規 藤原
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Abstract

【課題】通信相手となる外部機器との関連付け(縁組)を、警報器の設置時や稼働後に容易に行うことができる警報器を提供する。
【解決手段】内部回路に電力を供給する電源部と、少なくとも2つの状態を有し、外部からの操作により状態を遷移させるスイッチと、電源部からの電力供給の開始時に、スイッチの状態に基づいて外部機器との縁組を制御する制御部と、を備えている警報器。
【選択図】図4

Description

本発明は警報器に関する。
監視領域の環境の変化、たとえば、ガス漏れや火災の発生を検知して警報を発する警報器では、警報器の設置業者やユーザーによる警報器の操作が求められる場合には、そのための操作手段が設けられる。たとえば、ガスなどを検知するセンサや、警報を発する手段であるランプやスピーカーなどが正常に機能し得るか否かの点検動作を警報器に実施させたり、警報器が有するオプション機能の付加や解除を警報器に指示したりするためのスイッチが設けられる。たとえば特許文献1には、スイッチの操作に応じて電力消費モードが通常モードと低消費モードとの間で切り替わる警報器が開示されている。
特開2009−211710号公報
このような警報器には、近年、他の警報器、ガスメータに配される無線通信機器、または、複数の警報器を集中管理するマスタ機器などの外部機器との通信機能が備えられることがある。また、信頼性の高い通信を行うために、本来伝えるべき情報の送受信の前に、相手方の機器の認証や登録などのような、相手方の機器と当該警報器との関連付けが行われることがある。このような関連付けは定期的に必要なものではないので、関連付けの実施の際に操作される操作部は警報器の筐体の内部などに設けられ、警報器の設置時に設置業者などによって関連付けが実施されている。しかし、警報器の設置時に関連付けのための操作が必要になるのは煩雑である。また、関連付けの実施のための操作部が筐体の内部に設けられていると、警報器の稼働後に相手側の機器が使用期限の到来などのために交換される場合、交換後の機器との関連付けが容易に行えないという問題がある。一方、このような関連付けのための操作部を警報器の外装に新たに設けるのは、警報器の大型化や、筐体の金型更新を招き得るという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、通信相手となる外部機器との関連付け(縁組)を、警報器の設置時や稼働後に容易に行うことができる警報器を提供することを目的とする。
本発明の警報器は、内部回路に電力を供給する電源部と、少なくとも2つの状態を有し、外部からの操作により状態を遷移させるスイッチと、前記電源部からの電力供給の開始時に、前記スイッチの状態に基づいて外部機器との縁組を制御する制御部と、を備えている。
前記制御部は、前記開始時よりも前の前記スイッチの状態に基づいて前記開始時における前記縁組の実行を決定し、かつ、前記電源部からの電力の供給中の前記スイッチの状態に基づいて、さらなる縁組の実行を決定するように構成されていてもよい。
前記制御部は、前記電源部からの電力が最初に供給される電源投入時には、前記電源投入時の前記スイッチの状態に関わらず前記縁組を実行し、かつ、前記電源投入時後に電力供給が停止される停止時の後の電力供給の開始時には、前記停止時に前記スイッチが所定の状態にあるときだけ前記縁組を実行するように構成されていてもよい。
本発明によれば、通信相手となる外部機器との関連付け(縁組)を、警報器の設置時や稼働後に容易に行うことができる。
本発明の一実施形態の警報器の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の一実施形態の警報器の外観の一例を示す正面図である。 本発明の一実施形態の警報器の外観の一例を示す側面図である。 本発明の一実施形態の警報器を、通信回線で接続されている外部機器と共に示す図である。 本発明の一実施形態の警報器の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態の警報器の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の他の実施形態の警報器の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態の警報器の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態の警報器を詳細に説明する。図1には、本発明の一実施形態の警報器100の主要な構成要素がブロック図で概略的に示されている。また、図2Aおよび図2Bには、警報器100の外観の一例が、正面図および側面図で示されている。
図1に示されるように、本実施形態の警報器100は、電源部1と、少なくとも2つの状態を有し、警報器100の外部からの操作により状態を遷移させるスイッチ2と、電源部1からの電力供給の開始時に、スイッチ2の状態に基づいて外部機器(図示せず)との縁組を制御する制御部4と、を備えている。本実施形態の警報器100は、さらに、制御部4にそれぞれ接続されている検知部6および報知部7、ならびに図示されない外部機器との間の通信機能を担う通信部5を備えている。また、図1の例の警報器100は、記憶装置8も備えている。
ここで、「縁組」は、警報器100と図示されない外部機器との間で行われる通信に用いられる通信規格に応じて実施される処理である。たとえば、「縁組」として実施される処理は、伝送されるべき情報の送受信の前に必要となる、相手方の通信機器の選択、その通信機器との回線の接続、信頼性の高い無線通信を行うために必要な相手方の機器に対する認証処理や各機器内での相手方の機器の登録などによる互いの関連付け、および/または、相手方の機器の仕様などに応じた各機器内の状態設定などである。「縁組」において、互いのID番号や暗号化キーの交換が行われてもよい。たとえば、警報器100がBluetooth(登録商標)を用いて通信を行う場合には、縁組は、所謂ペアリングであってもよい。
電源部1は、制御部4などの警報器100の内部回路に電力を供給する。図1では、電源部1以外の構成要素間の接続が明瞭となるように、電源部1と他の構成要素との接続を示す線が図示されていないが、電源部1は、制御部4などの電力供給を要する各構成要素に接続されている。電源部1は、商用電源からの電力を供給してもよいし、乾電池などの一次電池やバッテリなどの二次電池を備え、これらの電池に蓄えられている電力を供給するものでもよい。商用電源からの電力を供給する場合、電源部1は、商用電源に接続される電源プラグを備えていてもよい。電源部1は、たとえば、商用電源から供給される交流電力を所望の電圧の直流電力に変換するインバータや、警報器100内の消費電流が変動する場合でも一定の電圧を供給するように備えられる電圧レギュレータなどによって構成され得る。また、電池電圧の低下を検出する電圧検出器や電流リミッタなどを含んでいてもよい。
検知部6は、主に、警報器100の周囲の監視対象領域の物理現象を監視して監視データを出力する各種のセンサから構成される。各種のセンサは、たとえば、一酸化炭素(CO)ガス、メタンガス(CH4)またはプロパンガス(C38)を検知する各種ガスセンサ、サーミスタなどからなる温度センサ、湿度センサ、または煙センサ、臭気センサなどであってよく、1つまたは複数個のセンサで検知部6が構成されていてもよい。検知部6は制御部4によってその動作が制御され得る。
報知部7は、たとえば、発光ダイオード、ブザーおよび/またはスピーカーなどの、ユーザーなどへの報知手段により構成され、光の放射、鳴動、および/または音響を発することにより警報を発する。また、報知部7は、警報を発する以外にも、警報器100の状態や、警報を発するに至らない監視領域の環境に関する情報をユーザーなどに伝えるために動作してもよい。
通信部5は、「縁組」として実施する処理や設定を行い、また、警報器100内の信号と通信可能な信号との間の相互変換を実施して外部機器との間で信号を送受信する。通信部5は、制御部4の制御に従って外部機器との縁組や通信を行ってもよい。通信部5は、集積回路装置や個々の電気部品からなる電気回路などのハードウェアにより構成され得る。通信部5は、制御部4との間でハードウェアを共用してもよく、制御部4などに組み込まれていてもよい。また、通信部5は、自身で実行する処理の内容が書き込まれたプログラムなどのソフトウェアを含んでいてもよい。
スイッチ2は、少なくとも2つの状態をとり得る、制御部4に対する入力手段である。スイッチ2は、縁組の実施だけでなく、警報器100に対する任意の動作の指示に使用され得る。たとえば、スイッチ2は、自己点検の実施を指示するためにユーザーなどに操作される点検スイッチであってもよく、警報発動時のブザーなどの鳴動の停止、および、警報器100にオプション機能の付加や解除などを指示するために用いられる操作手段であってもよい。
スイッチ2は、たとえば、ユーザーなどに直接操作される、押しボタン式やトグル式またはスライド式などの任意の回路開閉器であってもよい。その場合、スイッチ2は、回路を閉じている状態(たとえば第1状態)と、回路を開放している状態(たとえば第2状態)との2つの状態を有し得る。たとえば、スイッチ2の一端である第1端子が制御部4に接続され、他端である第2端子が、グランドラインに接続される。その場合、スイッチ2が第1状態にあるときには、制御部4にグランド電位が入力される。そして、スイッチ2が第2状態にある場合は、制御部4のスイッチ2に接続されている端子は開放状態となる。スイッチ2は、たとえば、外部からの操作が継続している間だけ特定の状態をとり得る自動復帰型のスイッチであってもよい。ユーザーは、スイッチ2を操作することによって、たとえば第1状態に切り替えることができ、単に操作を止めるだけで、第1状態と異なる状態(第2状態)に切り替えることができる。
また、スイッチ2は、ユーザーなどの操作によって出力レベルを変化させる任意の回路素子などであってもよい。たとえば、スイッチ2は、スイッチ2を構成する回路素子が論理値としてのLoレベルを出力する状態と、Hiレベルを出力する状態との2つの状態をとり得る。
また、スイッチ2は、ユーザーなどの操作によって記憶内容を変化させる記憶素子などであってもよい。たとえば、スイッチ2は、警報器100に設けられた操作手段(図示せず)に対する操作に応じた情報を記憶する半導体メモリや磁気ディスクまたは光ディスクなどの任意の記憶媒体により構成されてもよい。たとえば、4ビットの容量の記憶素子は、「0000」から、「1111」までの24個の状態をとり得る。スイッチ2がこのような記憶素子である場合、スイッチ2は、制御部4からの要求に応じて記憶内容を制御部4に対して出力してもよい。スイッチ2が記憶素子である場合、スイッチ2は、電源部1からの電力供給の停止時においても記憶内容を保持し得る不揮発性メモリであることが好ましい。
スイッチ2が記憶素子である場合、スイッチ2の記憶領域には、警報器100に設けられた図示されない操作手段に対する操作に関する情報が記憶される。たとえば、図示されない操作手段が所定の状態へと操作されたときに、スイッチ2の特定の記憶領域に所定の情報が書き込まれてもよく、このスイッチ2の特定の記憶領域に書き込まれた情報は、操作手段がその所定の状態とは別の状態へと操作されたときには消去されてもよい。また、スイッチ2は、図示されない操作手段が所定の状態へと操作されたときに書き込まれるべき所定の情報が書き込まれた記憶領域を、電源部1からの電力が最初に供給される電源投入時に有していてもよい。
ここで、電源部1からの電力が最初に供給される「電源投入時」は、警報器100が、その製造工程を全て経た後、警報器100の使用環境において、初めて、電源部1から警報器100の内部回路に電力が供給される時を意味している。一方、警報器100を製造する工場などにおいて出荷段階の検査などのために電力が供給される時は、「電源投入時」には含まれない。
スイッチ2が記憶素子でなく、前述のように回路開閉器や、記憶機能を有さない回路素子である場合、警報器100は、スイッチ2とは別に記憶装置8を備えていてもよい。図1は、そのように記憶装置8を備える警報器100の例である。しかし、記憶装置8は、警報器100に必ずしも備えられていなくともよい。
記憶装置8は、半導体メモリや、磁気ディスクまたは光ディスクなどの任意の記憶媒体により構成され、特に、電源部1からの電力供給が停止されても記憶内容を保持し得る不揮発性メモリで構成される。たとえば、記憶装置8は、SRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリにより構成される。また、記憶装置8は、マイコンなどの内部のフラッシュメモリであってもよい。記憶装置8には、スイッチ2に対する操作に関する情報が記憶される。たとえば、記憶装置8には、随時、現時点のスイッチ2の状態が記憶される。また、記憶装置8には、スイッチ2が所定の状態(たとえば所定の第1状態)へと操作されたときに所定の情報が書き込まれてもよい。そして、スイッチ2がその所定の状態へと操作されたときに記憶装置8に書き込まれた情報は、スイッチ2がその所定の状態とは別の状態(たとえば第2状態)へと操作されたときには消去されてもよい。また、記憶装置8は、スイッチ2が所定の状態へと操作されたときに書き込まれるべき所定の情報が書き込まれた記憶領域を「電源投入時」に有していてもよい。
従って、記憶装置8の特定の記憶領域には、警報器100がその使用環境に持ち込まれる前の警報器100の製造工程中や完成後に、スイッチ2が所定の状態へと操作されたときに書き込まれるべき所定の情報が書き込まれてもよい。同様に、記憶素子により構成される場合のスイッチ2の特定の記憶領域には、警報器100がその使用環境に持ち込まれる前に、図示されない操作手段が所定の状態へと操作されたときに書き込まれるべき所定の情報が書き込まれてもよい。
制御部4は、好ましくは、演算機能、比較機能、記憶機能などを有し、警報器100の動作を全体的に制御する。すなわち、制御部4は、通常の監視モードにおいて、検出部6による周囲環境の監視から、報知部7による異常の報知にいたる動作を全体的に制御する。制御部4は、たとえば、市販のマイコンやASICなどの半導体装置などを含み、内蔵されたプログラムに沿って動作するように構成されている。
また、制御部4は、スイッチ2の状態の変化に応じて所定の処理を実行する。たとえば、警報器100は、前述のようにスイッチ2が点検スイッチである場合、スイッチ2の状態の変化に応じて、所定の点検手順が規定された点検プログラムを実行してもよい。その場合、制御部4は、複数の点検プログラムを有していてもよく、スイッチ2が操作される態様に応じて、実行する点検プログラムが選択されてもよい。
制御部4は、前述のように、電源部1からの電力供給の開始時に、スイッチ2の状態に基づいて外部機器(図示せず)との縁組を制御する。すなわち、制御部4は、電源部1からの電力供給の開始時に、スイッチ2の状態を参照し、スイッチ2の状態に基づいて縁組の実行を決定するように構成されていてもよい。たとえば、制御部4は、電源部1からの電力供給の開始時に、スイッチ2が所定の状態にある場合に、縁組を実施すべく通信部5を制御してもよい。また、制御部4は、電力供給の開始時にスイッチ2がその所定の状態と異なる状態にある場合は、通信部5に縁組を実施させなくてもよい。このように、本実施形態では、電源部1からの電力供給の開始時に、スイッチ2の状態に基づいて外部機器との縁組が実施される。スイッチ2は、電源部1からの電力が供給されている間は、前述のように、点検スイッチなどとしても用いられ得る。従って、本実施形態によれば、縁組の実施を指示するための操作手段を新たに設けることなく、警報器100の設置後の警報器100の稼働中においても、スイッチ2を所定の状態にすることで、外部機器との縁組を容易に実施することができる。
なお、電源部1からの電力供給の「開始」は、たとえば、電源部1が商用電源からの電力を供給する場合、電源プラグ1a(図2A参照)の商用電源のコンセントへの挿入によって行われ得る。また、電源部1から電源部1以外の警報器100の内部回路への電力の供給と停止とを切り換える電源スイッチ(図示せず)が設けられる場合は、この電源スイッチの操作によって電源部1からの電力供給の開始が行われてもよい。また、電源部1が電池を備える場合に、電池の装着によって電力供給の開始が行われてもよい。後述の電源部1からの電力供給の「停止」は、コンセントからの電源プラグ1aの抜き取りによって行われてもよく、図示されない電源スイッチの操作によって行われてもよく、電池の取り外しによって行われてもよい。
スイッチ2の「所定の状態」は、たとえば、スイッチ2が前述の回路開閉器で構成されている場合、回路が閉じられている状態(たとえば第1状態)であってもよく、回路が開放されている状態(たとえば第2状態)であってもよい。また、スイッチ2がデジタル回路の回路素子である場合、「所定の状態」は、Loを出力する状態(たとえば第1状態)であってもよく、Hiを出力する状態(たとえば第2状態)であってもよい。また、スイッチ2が、2つより多い状態を取り得る場合も、任意の状態(第1状態から第n状態までのいずれか)が「所定の状態」であってもよい。スイッチ2のどのような状態を「所定の状態」として扱うかは、制御部4が実行する手順を規定するプログラムに記述され得る。
制御部4は、電源部1からの電力供給の開始時に、その電力供給の開始時よりも前のスイッチ2の状態に基づいて、電源部1からの電力供給の開始時における縁組の実行を決定し、かつ、電源部1からの電力の供給中のスイッチ2の状態に基づいて、さらなる縁組の実行を決定するように構成されてもよい。すなわち、制御部4は、電源部1からの電力供給の開始時に、過去のスイッチ2の状態に基づいて、縁組を実行するか否かを決定してもよく、電力供給の開始後は、その後のスイッチ2の状態に基づいて、電力供給が一旦停止された後の次回の電力供給の開始時に縁組を実行するか否かを決定してもよい。電力供給の開始後、その電力供給の停止までに、たとえば、スイッチ2を所定の状態にすることで、次回の電力供給の開始時に、適宜、縁組を実行させることができる。
制御部4は、電源部1からの電力供給の開始時にスイッチ2が過去の状態を維持している場合は、電力供給の開始時にスイッチ2の状態を参照することでスイッチ2の過去の状態を識別することができる。さらに、制御部4は、スイッチ2が過去の状態を維持していない場合でも、警報器100に記憶装置8が備えられている場合には、電力供給の開始時に記憶装置8に書き込まれている情報を参照することによって、スイッチ2の過去の状態を識別することができる。電力供給の開始時に、スイッチ2を用いて縁組の実行以外の事項について警報器100に指示することも可能となり得る。スイッチ2を縁組の実行に関する指示と、縁組以外の事項についての指示とに兼用することができる。スイッチを新たに警報器に設けることなく、容易に縁組を行うことができる。
前述のように、記憶装置8は、不揮発性メモリによって構成され、記憶装置8には、少なくともスイッチ2に対する操作に関する情報が記憶される。従って、記憶装置8の記憶内容を参照することによって過去のスイッチ2の状態を識別することができる。制御部4は、記憶装置8の記憶内容を参照することにより、以前の電力供給時におけるスイッチ2の状態を識別するように構成されていてもよい。そして、その知り得たスイッチ2の状態が所定の状態である場合に、電源部1からの電力供給の開始時に縁組を実行してもよい。
また、記憶装置8には、前述のように、スイッチ2が所定の状態へと操作されたときに所定の情報が書き込まれてもよく、その所定の情報は、スイッチ2が所定の状態と異なる状態へと操作されたときには消去され得る。従って、制御部4は、電源部1からの電力供給の開始時に、記憶装置8に所定の情報が書き込まれているときに縁組を実行するように構成されていてもよい。
制御部4は、電源部1からの電力が最初に供給される電源投入時には、電源投入時のスイッチ2の状態に関わらず縁組を実行するように構成されてもよい。前述のように、記憶装置8は、スイッチ2が所定の状態へと操作されたときに書き込まれるべき所定の情報が書き込まれた記憶領域を、電源投入時に有し得る。その場合、電源部1からの電力供給の開始時に記憶装置8に所定の情報が書き込まれている場合に縁組を行うように制御部4が構成されることで、電源部1からの電源投入時に、特に設置業者やユーザーが指示することなく、警報器100に縁組を実施させることができる。また、電源投入時のスイッチ2の状態に関わりなく縁組を実施することができる。警報器100の設置時に容易に縁組を行うことができる。なお、前述のように、スイッチ2が記憶素子である場合、スイッチ2も所定の情報が書き込まれた記憶領域を電源投入時に有し得る。従って、その場合、電源部1からの電力供給の開始時にスイッチ2に所定の情報が書き込まれている場合に縁組を行うように制御部4が構成されることでも、電源投入時に警報器100に縁組を実行させることができる。
制御部4は、前述のように、電力供給の開始時に、記憶装置8の所定の記憶領域を参照することで、その電力供給の開始時の前の電力供給の停止時のスイッチ2の状態を識別することができる。従って、制御部4は、前述のように、電源投入時にスイッチ2の状態に関わらず縁組を実行する場合でも、電源投入時後に電力供給が停止される停止時の後の電力供給の開始時には、その開始時の前の電力供給の停止時にスイッチ2が所定の状態にあるときだけ縁組を実行するように構成されてもよい。電源投入時後、すなわち、警報器100が所定の使用位置に設置され、稼働を開始した後でも、スイッチ2の操作と、電力供給の停止および開始の操作とによって、縁組を随時実施することができる。
図2Aおよび図2Bに示されるように、警報器100は、略直方体状に形成されている筐体101を有し得る。筐体101内に、図1に示される各構成要素が収められ得る。筐体101の材料は特に限定されないが、筐体101は、たとえば、難燃性の合成樹脂によって形成され得る。筐体101には、警報器100が通電状態であることや、外部環境が異常状態にあることを視覚的に報知する表示部71、および、筐体101内で発せられた警報音などを放出する放音部72が設けられている。表示部71や放音部72は、前述の報知部7による報知機能を担っている。警報器100が有し得る筐体101の形状は、図2Aおよび図2Bに示される形状に限定されるものではなく、警報器100は、全体として略直方体以外の形状であってもよい。
筐体101には、さらに、警報器100のユーザーなどに操作される操作部2aが備えられている。操作部2aは、筐体101における、表示部71などが設けられる正面F側から押下され得るように、筐体101に設けられている。本実施形態の警報器100が図2Aおよび図2Bに示される筐体101を有する場合、操作部2aが押下されることにより、前述のスイッチ2の状態が切り替えられてもよい。図2Aおよび図2Bに示される筐体101を有する警報器100では、ユーザーは、電力供給の停止時に、操作部2aを押下することによりスイッチ2の状態を所定の状態(たとえば第1状態)に遷移させることができる。ユーザーは、電力供給の停止時に操作部2aを押下してスイッチ2を所定の状態にすることによって、その後の電力供給の開始時に、警報器100に縁組を実施させることができる。また、スイッチ2が警報器100に点検の実施を指示するために操作される点検スイッチでもある場合は、ユーザーは、操作部2aの操作によって、警報器100に点検を実施させることができる。
図2Aおよび図2Bは、電源部1(図1参照)が商用電源を供給する警報器100の例を示している。そのため、筐体101の、図2Aおよび図2B上、下側の端面から延びる電源コードによって、電源プラグ1aが、筐体101内に収容されている電源部1の他の構成要素と接続されている。警報器100では、制御部4によって外部機器との縁組の実施が制御される電力供給の開始、および電力供給の停止が、電源プラグ1aの商用電源のコンセントへの挿抜により行われてもよい。また、前述のように、別途電源スイッチなどが設けられて、電力の供給および停止が、その電源スイッチの操作によって切り替えられるようにしてもよい。なお、電源プラグ1aの商用電源のコンセントへの挿抜により電力供給の開始と停止が行われる方が、別途電源スイッチなどが設けられて、電力の供給と停止とがその電源スイッチの操作によって安易に切り換えられ得る場合よりも、ユーザーの誤操作によって意図せずに縁組が実施されるのを少なくすることができる。
図3には、図2Aに示される筐体101を有する本実施形態の警報器100が、通信回線Cで接続されている外部機器200と共に示されている。外部機器200としては、警報器100の検知対象である都市ガスまたはLPGの使用量を計量するガスメータに配される無線通信機や、警報器100が備えていない検知対象(たとえば二酸化炭素など)を検知する機能を有する外部の検知器などが例示される。たとえば、警報器100と外部機器200との縁組によって、通信回線Cが設定される。
たとえば、縁組において、親機(たとえば警報器100)から、自身のIDデータ、および子機(たとえばガスメータに配される無線通信機などの外部機器200)のIDのダミーデータをペイロードに含む固定長のパケットが、所定の間隔で繰り返し送信される。子機は、このパケットを受信すると、受信したパケット中のダミーデータを子機自身のIDデータに置き換えたパケットを送信する。この子機側から送信されたパケットを親機が受信することにより縁組における両者の間のパケット交換が終了する。親機および子機それぞれにおいて、縁組を行うモードに移行してから相手方からのパケットを受け取るまでの制限時間が設けられていてもよく、親機と子機とで制限時間が異なっていてもよい。それぞれの設置場所に応じた適切な制限時間を設定することができる。制限時間内に相手方からのパケットを受信できなかった場合は、報知部7(図1参照)によって、表示部71や放音部72(共に図2A参照)を介して、ユーザーなどに縁組の失敗が報告されてもよい。
縁組の終了後、伝送されるべき情報が、通信回線Cを介して警報器100と外部機器200との間で送受信される。たとえば、外部機器200がガス管の閉栓が可能なガスメータに配された無線通信機器である場合、警報器100は、ガス漏れを検知したときに、通信回線Cを介してガス管の閉栓を外部機器200に指示してもよい。また、外部機器200が外部の検知器である場合、警報器100は、通信回線Cを介して外部機器200から検知結果を受信し、必要に応じて警報を発してもよい。
本実施形態の警報器100は、たとえば、以下に説明される製造方法により製造され得る。本実施形態の警報器100の製造方法は、警報器100を構成する部材を基板(図示せず)上および筐体110内に配置することにより、電源部1、スイッチ2、記憶装置8、通信部5、制御部4、検知部6および報知部7を形成するか、もしくは設けることを含む。制御部4は、好ましくは、電源部1からの電力供給の開始時に、スイッチ2の状態に基づいて外部機器との縁組を制御すべく構成された電気回路および/またはソフトウェアを実装することにより形成される。
本実施形態の警報器100の製造方法は、さらに、制御部4に、電源部1からの電力が最初に供給される電源投入時に縁組を実行させる所定の情報を、記憶素子により構成されるスイッチ2の所定の記憶領域、または、記憶装置8の所定の記憶領域に書きこむことを含んでいる。記憶素子により構成されるスイッチ2または記憶装置8の所定の記憶領域への所定の情報の書き込みは、ROMライタなどの外部の書き込み手段を用いて行ってもよく、スイッチ2または記憶装置8、および制御部4に電力を供給し、制御部4に所定の書き込みプログラムを実行させることによって行ってもよい。
また、記憶装置8の所定の記憶領域への所定の情報の書き込みは、スイッチ2が所定の状態にあるときに記憶装置8の所定の記憶領域に所定の情報が書き込まれるように警報器100を構成し、電源部1から警報器100の内部回路に電力を供給し、スイッチ2を所定の状態にセットしたまま、電源部1からの電力供給を停止することによって行ってもよい。同様に、記憶素子により構成されるスイッチ2の所定の記憶領域に対して、所定の情報の書き込みが行われてもよい。たとえば、スイッチ2以外の操作手段がスイッチ2などと共に設けられる。そのうえで、この操作手段が所定の状態にあるときにスイッチ2の所定の記憶領域に所定の情報が書き込まれるように警報器100が構成され、電源部1から警報器100の内部回路に電力が供給され、このスイッチ2以外の操作手段が所定の状態にあるときに、電源部1からの電力供給が停止されてもよい。なお、このような記憶装置8またはスイッチ2への書き込み時の電力供給は、電源部1によるものでなくてもよい。電源部1以外の外部電源から電力が供給されている状態で、記憶装置8またはスイッチ2に所定の情報が書き込まれてもよい。
つぎに、本実施形態の警報器100の動作の例を、図4を参照しながら説明する。図4には、本実施形態の警報器100の動作の一例を示すフローチャートが示されている。なお、図4の例は、記憶措置8を参照することによって電力供給の停止時のスイッチ2(図1参照)の状態が識別され、そのスイッチ2の状態が所定の第1状態(たとえば、スイッチ2が回路の開閉器である場合に回路が閉じられている状態)にある場合に、次回の電力供給の開始時に縁組が実行される例である。
図4に示されるように、電源部1(図1参照)からの電力供給が開始される(ステップS0)と、前回(ステップS0での電力供給開始前)の電力供給の停止時に、スイッチ2(図1参照)が所定の第1状態にあったかどうかが判断される(ステップS1)。この判断方法については後述する。なお、以下の説明では、「電力供給の開始」は電力供給の再開の意味も含む用語として用いられている。
ステップS1の判断が肯定的(ステップS1で“Y”、以下、肯定的判断結果は、単に「Y」とも称される)であると、制御部4(図1参照)は、縁組を実行すべく通信部5(図1参照)を制御する(ステップS2)。たとえば、前述のパケット交換などを経て、回線の接続や相手側の機器の認証や登録処理などが実行される。
ステップS1の判断が否定的(ステップS1で“N”、以下、否定的判断結果は、単に「N」とも称される)である場合は、図4の例では、ステップS3において、スイッチ2が現時点で、すなわち、電力供給の開始時に、第1状態にあるかどうかが判断される。ステップS3の判断が「Y」の場合、図4の例では、制御部4によって、警報器100の動作モードが、前回の電力供給の停止時の動作モードと異なる動作モードに設定される(ステップS4)。
ステップS4において設定される動作モード、およびステップS4において変更される前の動作モード(電力停止時の動作モード)は、ユーザーによる付加の選択が可能なように備えられる特定の報知機能の付加モードおよびそのような機能の解除モードが例示される。たとえば、ステップS4において、電力供給の停止時に設定されていた、警報器100の使用期限が近付いていることをユーザーに通知する「交換期限お知らせ機能」有効モードから、そのような通知をしない「交換期限お知らせ機能」無効モードに切り替えられてもよく、その逆の切り換えが行われてもよい。
図4の例では、ステップS3の判断が「N」の場合、ステップS4は実行されずに、警報器100の制御はステップS5Aへと進む。
ステップS5Aにおいて、記憶装置8(図1参照)の所定の記憶領域の記憶内容が消去される。この目的や作用は後述される。
電力供給の開始に伴う処理はステップS5Aで終了し、その後、警報器100は、通常の監視モードで動作する。なお、周囲環境の監視は、電力供給の開始などに伴って開始されてもよく、縁組などのような電力供給の開始に伴って実施され得る処理の後に周囲環境の監視が開始されてもよい。
本実施形態では、後述のように、その後のステップにおいて、スイッチ2が第1状態へと遷移することによって処理内容が変化する。一方、スイッチ2は、電力供給の開始時には、任意の状態をとり得る。図4は、電力供給の開始時に既にスイッチ2が第1状態にある場合は、電力供給の開始後にスイッチ2が第1状態に遷移した場合と同様に扱わない場合の例を示しており、ステップS5Bで、スイッチ2が第1状態にあるかどうかが判断される。ステップS5Bの判断結果が「Y」の場合は、ループA0でステップS5Bが繰り返される。すなわち、電力供給の開始時にスイッチ2が第1状態にある場合は、スイッチ2が、一旦、第1状態以外の状態に操作されるまでステップS5Bが繰り返される。また、このステップS5Bの反復中に電力供給が停止された場合には、その後の電力供給の開始時に意図せずに縁組が実施されないように、ステップS5Bの前に記憶装置8の内容が消去されている(ステップS5A)。一方、電力供給の開始時に既にスイッチ2が第1状態にあった場合も、電力供給の開始後にスイッチ2が第1状態に遷移された場合と同様に扱う場合は、ステップS5Bの判断結果が「Y」のときに、警報器100の制御は、後述のステップS7に移される。なお、前述のように、警報器100の周囲環境の監視は、ステップS5Bの反復中も実施され得る。
ステップS5Bでの判断結果が「N」の場合は、ステップS6において、引き続き、スイッチ2の状態が監視される。ステップS6で、スイッチ2が第1状態へと遷移したと判断されると、記憶装置8の所定の記憶領域(ステップS5Aで記憶内容が消去された記憶領域)に所定の情報(たとえば“1”)が書き込まれる(ステップS7)。ステップS6での判断が「N」の場合、ループA1で、ステップS6が繰り返される。
その後もスイッチ2の監視は継続され(ステップS8)、ステップS8での判断結果が「N」の場合、ループA2でステップS8が繰り返される。スイッチ2が遷移したと判断されると(ステップS8の判断結果が「Y」)、ステップS7で書き込まれた、記憶装置8の所定の記憶領域の所定の情報が消去される(ステップS9)。そして、図4の例では、スイッチ2の第1状態以外の状態への遷移に伴って、制御部4によって所定の処理、たとえば警報器100の点検などが実行される(ステップS10)。そしてループBで警報器100の制御はステップS6に戻される。
ステップS7、S9およびS10での処理は警報器100の内部の動作なので極めて短時間に行われる。従って、電力供給の停止という人為的な操作は、現実的には、ステップS6またはステップS8の反復中に行われる。ステップS6の反復中に電力供給が停止された場合は、その停止時にスイッチ2は第1状態以外の状態にあり、かつ、記憶装置8の所定の領域には所定の情報は書き込まれていない。一方、ステップS8の反復中に電力供給が停止された場合は、その停止時にスイッチ2は第1状態にあり、記憶装置8の所定の領域には所定の情報が書き込まれている。従って、制御部4は、次の電力供給の開始時に、ステップS1において、記憶装置8の所定の記憶領域を参照し、所定の情報が書き込まれている場合に、直前の電力供給の停止時にスイッチ2が第1状態にあったと判断することができる。
記憶装置8が、所定の情報が書き込まれた記憶領域を「電源投入時」に有している場合は、制御部4は、電源部1からの電力が最初に供給される電源投入時においても、電源投入時のスイッチ2の状態に関わらず、縁組を実行することができる。
前述のように、図4は、記憶装置8を参照することによって前回の電力供給の停止時のスイッチ2の状態が識別される例である。しかし、本実施形態の警報器100では、電力供給の開始時に、その時点のスイッチ2の状態が所定の状態(たとえば第1状態)にあるかどうかによって、縁組の実行が決定されてもよい。従って、必ずしも記憶装置8が縁組の実行の決定のために参照されなくてもよい。また、その場合、ステップS5A、S7およびS9は実行されなくてもよい。
なお、図4は、電力供給の停止時にスイッチ2が所定の第1状態にあるか否かで、次の電力供給の開始時の縁組の実行が決定される例である。スイッチ2が第n状態までの状態をとり得る場合は、電力供給の停止時にスイッチ2が所定の第n状態にあるか否かで、電力供給の開始時の縁組の実行が決定されてもよい。その場合は、ステップS1において、スイッチ2が電力供給の停止時に所定の第n状態にあったかどうかが判断される。また、その場合、ステップS5B〜S9の実行に代えて、スイッチ2の状態の遷移の有無が継続的に監視され、スイッチ2の状態が遷移する度に、スイッチ2の遷移後の状態を示す情報(たとえば、第2状態なら“2”)が記憶装置8に書き込まれてもよい。
実施形態の警報器100の具体的な動作態様が以下に例示される。警報器100では、電力供給の停止時にスイッチ2が第1状態にあった場合に、その後の電力供給時に、警報器100と外部機器200との縁組が実行される。さらに、記憶装置8に所定の情報が書き込まれている場合に、電力供給時に縁組が実行される。記憶装置8の所定の記憶領域には、電源投入時に所定の情報が既に書き込まれていてもよい。その場合、電源投入時には特に外部からの操作を要することなく、かつ、スイッチ2の状態に関わらず、縁組が実行される。警報器100の設置時に容易に、かつ、確実に縁組を行うことができる。
また、図4に示されるように、記憶装置8には、スイッチ2が第1状態以外の状態から第1状態へと操作されたときに所定の情報が書き込まれ、スイッチ2が第1状態から第1状態以外の状態へと操作されたときには、その所定の情報は消去される。従って、電源投入時にスイッチ2の状態に関わらず縁組が実行される場合でも、その後のスイッチ2への操作によって、電力供給が停止された後の電力供給の再開時に警報器100に縁組を実行させることができる。すなわち、警報器100の稼働開始後でも、スイッチ2の操作と、電力供給の停止および開始の操作とによって、縁組を随時行うことができる。
ここで、スイッチ2は、外部からの操作が継続している間だけ閉状態をとり得る自動復帰型の押しボタン式回路開閉器であってもよく、所定の第1状態はスイッチ2の閉状態であり、第1状態以外の状態はスイッチ2の開状態であってもよい。また、電力供給の停止および開始(再開)は、電源プラグのコンセントへの挿抜により行われてもよい。従って、電力の供給中にスイッチ2が押下された状態で電源プラグがコンセントから抜かれ、再度コンセントに差し込まれた場合に縁組が実行されてもよい。なお、スイッチ2は、警報器100の点検スイッチを兼ねていてもよい。また、縁組の実行は、外部機器200と警報器100との間でのパケット交換や、相手方の機器の認証や登録を含んでいてもよい。
つぎに、本発明の他の実施形態の警報器について、図5、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。図5には、他の実施形態の一例の警報器110の主要な構成要素がブロック図で概略的に示されている。図6Aおよび図6Bには、警報器110の動作の一例を示すフローチャートが示されている。
図5に示されるように、本実施形態の警報器110は、制御部4が第1タイマ回路4aを含んでいる点で、前述の一実施形態の警報器100と異なっている。また、図5に示される例では、制御部4は、さらに第2タイマ回路4bを含んでいる。これらを除いて、警報器110の主要な構成要素は前述の一実施形態の警報器100の構成要素と同様である。警報器100の構成要素と同様の構成要素については、図5に同じ符号が付され、その説明は適宜省略される。
第1タイマ回路4aおよび第2タイマ回路4bは、特定の時点からの経過時間をカウントする。第1タイマ回路4aおよび第2タイマ回路4bは、制御部4を構成するマイコンなどに備えられている計時機能を有する機能ブロックであってもよく、マイコンなどと別に備えられるカウンタICなどであってもよく、個々のゲート素子などを組み合わせて形成されたクロックカウンタなどであってもよい。第1タイマ回路4aおよび第2タイマ回路4bは、特定の時点からの経過時間をカウントできるものであれば、これらに限定されない。なお、第1タイマ回路4aおよび第2タイマ回路4bは、図5の例と異なり制御部4と別個に設けられてもよく、第1タイマ回路4aおよび第2タイマ回路4bが同一の回路素子などを共用していてもよい。
本実施形態では、制御部4が、電力供給の開始時から所定の時間(PT1)内にスイッチ2が所定の状態(たとえば第1状態)へと操作され、かつ、電力供給の停止時にスイッチ2がその所定の状態にあるときだけ、その後の電力供給の開始時に縁組を実行するように構成されている。たとえば、電力供給の開始から所定の時間が経過して警報器110が通常の監視モードにあるときに電力の供給が誤って停止された場合に、その後の電力供給の開始時に意図せずに縁組が実行されることが防がれ得る。第1タイマ回路4aは、電力供給の開始時からの経過時間の計時に用いられる。また、図5の例では、制御部4は、スイッチ2における1つの状態遷移から次の状態遷移までの経過時間に応じてそれぞれ定められた複数個の種類の処理を、電力の供給中に実行する。第2タイマ回路4bは、スイッチ2の状態遷移後の経過時間の計時に用いられる。
図6Aおよび図6Bに示される警報器110の動作の例では、ステップS1において、電力供給の開始からスイッチ2の第1状態への遷移までの時間が判断基準に含まれている点、ステップS0A、S6A、S7A、S10A〜S10FおよびS11を含んでいる点が、前述の図4に示される例と異なっている。主にこれらのステップについて、以下に説明する。なお、図6A中の結合子Iは図6B中の結合子Iに繋がり、図6B中の結合子IIは図6A中の結合子IIに繋がっている。
図6Aに示されるように、電力供給が開始されると、まず、ステップS0Aで、第1タイマ回路4aがリセットされ、すなわち、第1タイマ回路4aがカウント値ゼロの状態に設定され、第1タイマ回路4aのカウント動作がスタートする。第1タイマ回路4aによる、電力供給開始後の経過時間の計時が開始される。
ステップS1で、前回の電力供給の開始から所定の時間内にスイッチ2が第1状態へと操作され、かつ、電力供給の停止時にスイッチ2が第1状態にあったかどうかが判断される。前回の電力供給中には、スイッチ2が電力供給の開始から所定の時間以内に第1状態へと遷移されたときに所定の情報が記憶装置8の所定の記憶領域に書き込まれる。従って、制御部4は、記憶装置8を参照することによってステップS1における判断をすることができる。記憶装置8への所定の情報の書き込みについて、以下に説明する。
前述の図4の例と同様に、ステップS6にて、スイッチ2の状態が監視され、スイッチ2が第1状態へと遷移したと判断されると、ステップS6Aで、第1タイマ回路4aによって計時された時間が所定の時間PT1以内であるかどうかが判断される。「所定の時間PT1」には、任意の時間が設定され得る。そして、ステップS6Aでの判断結果が「Y」の場合だけ、記憶装置8の所定の記憶領域に所定の情報(たとえば“1”)が書き込まれる(ステップS7)。図6Bの例では、ステップS7Aにて第2タイマ回路4bがスタートされるが、この点については、ステップS10A〜S10FおよびS11と共に後述する。
その後もスイッチ2の監視は継続され(ステップS8)、スイッチ2が第1状態から遷移したと判断されると、ステップS7で書き込まれた、記憶装置8の所定の領域の所定の情報が消去される(ステップS9)。そして、ステップS10A〜S10FおよびS11を経て、警報器110の制御はステップS6に戻される。ステップS6およびステップS8での判断が「N」の場合、ループA1またはループA2でステップS6またはステップS8がそれぞれ繰り返される。
前述の図4に示される例と同様に、電力供給の停止は、現実的には、ステップS6またはステップS8の反復中に行われる。ステップS6の反復中に電力供給が停止されたときは、記憶装置8の所定の領域には所定の情報は書き込まれていない。一方、ステップS8の反復中に電力供給が停止されたときは、その停止時にスイッチ2は第1状態にあり、そして、電力供給の開始から所定の時間以内にスイッチ2が第1状態に遷移したときだけ、記憶装置8の所定の領域に所定の情報が書き込まれている。従って、制御部4は、その後の電力供給の開始時に、記憶装置8の所定の記憶領域を参照することによって、直前の電力供給の開始から所定の時間内にスイッチ2が第1状態へと操作され、かつ、電力供給の停止時にスイッチ2が第1状態にあったかどうかを判断することができる。
なお、図6Bに示されるステップS6Aは省略されてもよい。ステップS6Aの代わりに、たとえば、ステップS6でスイッチ2が第1状態に遷移したと判断されたときに、その時点で第1タイマ回路4aによって計時されている、電力供給の開始時からの経過時間が記憶装置8に記憶されてもよい。この場合、制御部4は、記憶装置8に記憶されている経過時間、および前述の所定の記憶領域の記憶内容に基づいて、ステップS1での判断を適切に行うことができる。
前述のように、図5、図6Aおよび図6Bに示される例では、警報器110は第2タイマ回路4bを備えており、ステップS7A、S10A〜S10FおよびS11が実行される。図6Aおよび図6Bに示されるように、ステップS6でスイッチ2が第1状態に遷移したと判断されると、ステップS7Aにて、第2タイマ回路4bのカウント動作がスタートする。すなわち、スイッチ2が第1状態へと操作されてからの経過時間が第2タイマ回路4bによって計時される。
そして、ステップS8でスイッチ2が第1状態以外の状態に遷移したと判断されると、スイッチ2が第1状態に遷移してから第1状態以外の状態に遷移するまでの時間に応じた処理が、制御部4によって実行される。すなわち、ステップS10A〜S10Cにおいて、第2タイマ回路4bによって計時された経過時間が、所定の時間PT21〜PT23と順次比較される。なお、図6Bの例において、所定の時間PT21〜PT23は、PT21<PT22<PT23である。ステップS10Aの判断結果が「Y」の場合、制御部4は所定の第1処理を実行する(ステップS10D)。ステップS10Aでの判断結果が「N」で、ステップS10Bの判断結果が「Y」の場合、制御部4は所定の第2処理を実行する(ステップS10E)、ステップS10Bでの判断結果が「N」で、ステップS10Cの判断結果が「Y」の場合、制御部4は所定の第3処理を実行する(ステップS10F)。
ステップS10D〜S10Fのいずれかでの所定の処理の実行後、第2タイマ回路4bがカウント値ゼロの状態にリセットされる(ステップS11)。図6Bの例では、ステップS10Cの判断結果が「N」の場合は、更なる処理が行われることなく、ステップS11で第2タイマ回路4bがリセットされる。すなわち、所定の時間PT23より長くスイッチ2が第1状態を維持している場合は、その後にスイッチ2が第1状態以外の状態に遷移しても特定の処理は実施されない。たとえば、床付近の壁面などに設置された警報器110の前に何らかの物品が一定時間放置され、プッシュボタン型のスイッチ2がその物品によって押し込まれた場合などに、意図せずに特定の処理が実行されるのが防がれ得る。
ステップS11の終了後、警報器110の制御はステップS6に戻される。図6Bは、第2タイマ回路4bによって計時された経過時間と比較される所定の時間として3つの時間が規定されている例であるが、3つ以外の数の所定の時間が規定され、各所定の時間に対して第2タイマ回路4bによって計時された経過時間が比較されてもよい。そして、その経過時間に相当する所定の時間に応じて予め定められた処理が実行されてもよい。
第2タイマ回路4bによって計時された経過時間、すなわち、スイッチ2が第1状態を維持していた時間に応じてステップS10Dなどで実施される所定の処理としては、前述のような警報器の点検が例示される。たとえば、前述の第1〜第3の処理は、それぞれ、各センサ機能の点検の実施であってもよく、音声を発することによる、ガス漏れや、異常な温湿度もしくは乾燥状態についての報知機能の点検の実施であってもよい。また、前述の第1〜第3の処理は、警報器110の点検処理ではなく、ユーザーによる選択が可能なように備えられているオプション機能の付加と解除との切換え処理などであってもよい。スイッチ2が第1状態を維持していた時間に応じて実施される処理は任意であり、これらに限定されない。
なお、図5、図6Aおよび図6Bは、本実施形態の警報器の一例である警報器110のブロック図や、その動作の一例のフローチャートに過ぎず、たとえば、本実施形態の警報器は、たとえば第2タイマ回路4bを含んでいなくてもよく、ステップS7A、S10A〜S10FおよびS11が実行されなくてもよい。
以上のように、実施形態の警報器によれば、警報器に備えられるスイッチを所定の状態に操作することで、電源部からの電力供給の開始時に、通信相手となる外部機器との縁組を容易に行うことができる。また、電源投入時に、少ない操作で、警報器100に縁組をさせることも可能である。スイッチは、警報器に対する縁組以外の他の動作や処理に関して指示するスイッチと共用することもできるので、警報器に新たな操作手段を設けることなく、外部機器との縁組を容易に行うことも可能となり得る。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、実施形態の警報器の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、警報器の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
100、110 警報器
1 電源部
2 スイッチ
4 制御部
5 通信部
6 検知部
7 報知部
8 記憶装置
101 筐体
200 外部機器

Claims (3)

  1. 内部回路に電力を供給する電源部と、
    少なくとも2つの状態を有し、外部からの操作により状態を遷移させるスイッチと、
    前記電源部からの電力供給の開始時に、前記スイッチの状態に基づいて外部機器との縁組を制御する制御部と、を備えている警報器。
  2. 前記制御部は、前記開始時よりも前の前記スイッチの状態に基づいて前記開始時における前記縁組の実行を決定し、かつ、前記電源部からの電力の供給中の前記スイッチの状態に基づいて、さらなる縁組の実行を決定するように構成されている、請求項1記載の警報器。
  3. 前記制御部は、前記電源部からの電力が最初に供給される電源投入時には、前記電源投入時の前記スイッチの状態に関わらず前記縁組を実行し、かつ、前記電源投入時後に電力供給が停止される停止時の後の電力供給の開始時には、前記停止時に前記スイッチが所定の状態にあるときだけ前記縁組を実行するように構成されている、請求項1または2記載の警報器。
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