JP2018169476A - 画像形成装置およびその制御方法ならびにプログラム - Google Patents

画像形成装置およびその制御方法ならびにプログラム Download PDF

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賢吾 矢田
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穂高 角谷
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Abstract

【課題】感光体に付着したフィルミング物質を除去する。【解決手段】制御装置100は、第1帯電処理を含む印字処理を実行していないときに、帯電電圧印加回路(第1印加回路)210を介して帯電器52に、印字処理中に印加する第1帯電電圧VC1と同極性の第2帯電電圧VC2を印加する第2帯電処理を含むクリーニング処理を実行するように構成されている。第1帯電処理前後の感光体ドラム51の表面電位Pの差である第1電位差PD1よりも、前記第2帯電処理前後の感光体ドラム51の表面電位Pの差である第2電位差PD2が大きい。【選択図】図3

Description

感光体を備えた画像形成装置およびその制御方法ならびにプログラムに関する技術を開示する。
電子写真方式の画像形成装置において、感光体表面の残留トナーやトナーに添加されている微粒子や紙粉などが、クリーニング部材により完全に拭き取られず、長期にわたる使用後に固着してしまう現象(いわゆる「フィルミング」)が発生することが知られている。
このフィルミングにより固着したフィルミング物質を除去するために、たとえば、特許文献1に、クリーニングローラ(クリーニング部材)を感光体の回転方向に対してカウンタ向きに回転させる方法を採用した画像形成装置が開示されている。
特開平9−197932号公報
従来の画像形成装置では、クリーニングローラの回転方向を順方向とカウンタ方向に切り替える必要があるため、駆動モータからクリーニングローラへの動力の伝達機構などが複雑になり、コストが増加する虞がある。また、クリーニングローラのように、感光体の表面に接して残留物を除去するクリーニング部材の場合、長期間の使用によりクリーニング部材の表面が摩耗や劣化してクリーニング性能が低下することによって、フィルミング物質を充分に除去できなくなることが予想される。
そこで、クリーニング部材のクリーニング性能の変化にかかわらず、フィルミング物質を除去することが可能な画像形成装置の開発が望まれている。
以下に開示する画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電器と、感光体の表面を露光する露光装置と、感光体の表面に現像剤を供給して現像剤像を形成する現像器と、感光体に対向して配置され、感光体との間を通過する転写媒体に現像剤像を転写する転写部材と、感光体の表面に接触して配置され、感光体の表面の異物を回収するクリーニング部材と、帯電器に帯電電圧を印加する第1印加回路と、転写部材に転写電圧を印加する第2印加回路と、制御装置とを備える。
制御装置は、第1印加回路を介して帯電器に第1帯電電圧を印加する第1帯電処理と、第1帯電処理によって帯電された感光体の表面を露光装置によって露光して当該表面上に静電潜像を形成する第1露光処理と、現像器によって静電潜像に現像剤を供給して感光体の表面上に現像剤像を形成する現像処理と、第2印加回路を介して転写部材に前記第1帯電電圧とは逆極性の第1転写電圧を印加して現像剤像を転写媒体に転写する第1転写電圧印加処理とを含む印字処理を実行し、印字処理を実行していないときに、第1印加回路を介して帯電器に前記第1帯電電圧と同極性の第2帯電電圧を印加する第2帯電処理を含むクリーニング処理を実行するように構成されている。ここで、前記第1帯電処理前後の感光体の表面電位の差である第1電位差よりも、前記第2帯電処理前後の感光体の表面電位の差である第2電位差が大きい。
前記画像形成装置における制御方法、および、前記画像形成装置における前記制御装置を動作させるプログラムも開示する。
このように構成された画像形成装置およびその制御方法ならびにプログラムによれば、クリーニング処理中に、印字処理中よりも多く放電電荷を感光層に与えることになる。
したがって、クリーニング処理中に多くの放電電荷を感光層に与えることによって、感光層の表面を削れやすくすることができるので、クリーニング部材のクリーニング性能の変化によらず、フィルミング物質を効果的に除去することができる。
一実施形態に係るカラープリンタを示す断面図である。 感光体ドラムと現像ローラの離間を説明する図である。 制御装置などの構成を示す図である。 使用に伴う感光体ドラム表面の膜削れ量を示すグラフである。 帯電電圧の値による感光体ドラム表面の膜削れ量の変化を示すグラフである。 制御プロセスの一例を示すフローチャートである。 制御プロセスの変形例を示すフローチャートである。 通常モード(全速運転時)の制御方法の一例を示すタイムチャートである。 低速モード(半速運転時)の制御方法の一例を示すタイムチャートである。 帯電電圧値を変動させずに感光体の表面電位を制御する例を示すタイムチャートである。 第2露光処理を実行せずに感光体の表面電位を制御する例を示すタイムチャートである。 転写電流値を変動させずに感光体の表面電位を制御する例を示すタイムチャートである。
次に、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を説明する。なお、カラープリンタの方向は、図1の紙面に向かって左側を「前側」、紙面に向かって右側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体10内に、転写媒体の一例としての用紙Sを供給する給紙部20と、給紙された用紙Sに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Sを排出する排紙部90とを備えている。
給紙部20は、用紙Sを収容する給紙トレイ21と、給紙トレイ21内の用紙Sを画像形成部30へ搬送する用紙搬送装置22とを備えている。
画像形成部30は、露光装置の一例としてのスキャナ40と、複数のプロセス部50と、転写ユニット70と、クリーニング装置60と、定着ユニット80とから主に構成されている。
スキャナ40は、複数のプロセス部50の上側に配置されており、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。そして、スキャナ40では、レーザビームがポリゴンミラーや反射鏡で反射されたり、レンズを通過したりして出射され、感光体の一例としての感光体ドラム51の表面上に高速走査にて照射される。
複数のプロセス部50は、前後方向に並んで配列されている。プロセス部50は、ドラムユニット510と、ドラムユニット510に着脱可能な現像器520とを備えている。
ドラムユニット510は、感光体ドラム51と、帯電器52と、クリーニングローラ57とを備えている。現像器520は、現像ローラ54と、供給ローラ55と、現像剤の一例としてのトナーを収容するためのトナー収容室56とを備えている。
プロセス部50は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色のトナーが入った50K,50Y,50M,50Cの符号で示すものが用紙Sの搬送方向上流からこの順で並んで配置されている。なお、本明細書および図面において、トナーの色に対応した感光体ドラム51や現像ローラ54などを特定する場合には、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれに対応させて、K、Y、M、Cの記号を付することとする。
図3に示すように、感光体ドラム51は、円筒状の素管51Aと、当該素管51Aの外周面に形成された感光層51Bとを有している。素管51Aは、金属などの導電性の部材からなっている。感光層51Bは、樹脂に電荷発生材料、電子輸送材料および正孔輸送材料を分散させた正帯電性の有機感光層により形成されている。素管51Aはカラープリンタ1のアース電位に接続されている。
帯電器52は、帯電ワイヤ52Aと、帯電ワイヤ52Aと感光体ドラム51との間に配置されるグリッド電極52Bとを備えるスコロトロン型帯電器であり、感光体ドラム51の表面を帯電する。帯電ワイヤ52Aおよびグリッド電極52Bには、帯電時にプラスの帯電電圧が印加される。
現像ローラ54は、感光体ドラム51に接触し、感光体ドラム51上の静電潜像にトナーを供給することで、静電潜像をトナーで現像するものである。なお、本実施形態では、トナーを現像ローラ54から感光体ドラム51に供給する際には、現像ローラ54と供給ローラ55との間でトナーが摺接されることなどによって、トナーがプラスに帯電されるようになっている。
図2に示すように、現像ローラ54は、移動機構TMを制御装置100により制御することで、感光体ドラム51に対して近接・離間可能となっている。具体的に、カラーモードにおいては、すべての現像ローラ54K,54Y,54M,54Cが、それぞれ対応する感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cに接触して各感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cにトナーを供給するようになっている。また、モノクロモードにおいては、ブラック用の現像ローラ54Kのみが感光体ドラム51Kに接触し、その他の3色の現像ローラ54Y,54M,54Cは、対応する感光体ドラム51Y,51M,51Cから離間するようになっている。さらに、後述するクリーニング処理などにおいては、すべての現像ローラ54K,54Y,54M,54Cは、それぞれ対応する感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cから離間するようになっている。
図1に示すように、クリーニング部材の一例としてのクリーニングローラ57は、感光体ドラム51の表面に付着したトナー等の異物を回収する部材である。クリーニングローラ57は、感光体ドラム51の表面に接触している。
転写ユニット70は、給紙部20と各プロセス部50との間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、転写部材の一例としての転写ローラ74とを備えている。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム51に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時にマイナスの転写電圧が印加される。
なお、感光体ドラム51周りに設けられる、前述した帯電器52、現像ローラ54、転写ローラ74およびクリーニングローラ57は、感光体ドラム51の回転方向において、この順で配置されている。
クリーニング装置60は、搬送ベルト73に摺接して、搬送ベルト73上に付着したトナー等を回収する装置であり、搬送ベルト73の下方に対向して配置されている。
定着ユニット80は、各プロセス部50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光体ドラム51の表面が、帯電器52により一様にプラスに帯電された後、スキャナ40で露光される。これにより、感光層51B(図3参照)の内部でプラスとマイナスの電荷が生じて、マイナスの電荷が表面に輸送されることで、表面に帯電されたプラスの電荷がマイナスの電荷で打ち消され、静電潜像が形成される。その後、現像ローラ54によって現像器520内のトナーが、感光体ドラム51上の静電潜像に供給されることで、感光体ドラム51上にトナー像が担持される。
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Sが各感光体ドラム51と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム51上に担持されたトナー像が用紙S上に転写される。そして、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙S上に転写されたトナー像が熱定着される。
排紙部90は、用紙Sを搬送する複数の搬送ローラ91を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Sは、搬送ローラ91によって搬送され、本体筐体10の外部に排出される。
図3に示すように、カラープリンタ1は、制御装置100と、帯電電圧印加回路210と、転写電圧印加回路220と、クリーニング電圧印加回路230と、現像電圧印加回路240と、ドラム駆動機構250とを備えている。
帯電電圧印加回路210は、各帯電器52にプラスの帯電電圧を印加する回路(第1印加回路)である。転写電圧印加回路220は、各転写ローラ74にマイナスの転写電圧を印加する回路(第2印加回路)である。クリーニング電圧印加回路230は、各クリーニングローラ57に所定のタイミングでプラスまたはマイナスのクリーニング電圧を印加する回路(第3印加回路)である。
現像電圧印加回路240は、各現像ローラ54にプラスの現像電圧(現像バイアス)を印加する回路である。印字処理時における現像電圧は、帯電電圧よりも低く、かつ、感光体ドラム51の露光された部分の表面電位Pよりも高い値に設定されている。ドラム駆動機構250は、感光体ドラム51を回転させるための機構(駆動源)であり、モータ、ギヤ、クラッチなどを備えている。
制御装置100は、CPU、ROM、RAMなどを有し、予め用意されたプログラムなどに従い、印字指令の受信などに応じて、前述した給紙部20、画像形成部30および排紙部90などを制御するように構成されている。制御装置100は、主に、用紙Sにトナー像を形成する印字処理と、感光体ドラム51の表面に付着した異物をクリーニングローラ57を介して回収するクリーニング処理とを実行可能となっている。なお、制御装置100は、各処理を行う場合には、ドラム駆動機構250を介して感光体ドラム51などを回転させる。
制御装置100は、印字処理において、第1帯電処理と、第1露光処理と、現像処理と、第1転写電圧印加処理と、印字中クリーニング処理とを実行し、印字処理を実行していないときに、第2帯電処理を含む印字後クリーニング処理を実行する。言い換えると、制御装置100は、プログラムに基づいて動作することで、前述した各処理を実行する手段として機能している。また、制御装置100による制御方法は、前述した各処理を実行する工程を備えている。
第1帯電処理は、帯電器52によって感光体ドラム51の表面を帯電する処理である。詳しくは、第1帯電処理は、後述する画像データに基づく第1露光処理を実行するための処理である。つまり、第1帯電処理は、第1露光処理の開始から終了までの間、感光体ドラム51のうちスキャナ40に対向する部分を適正な表面電位Pに帯電するための処理である。
制御装置100は、第1帯電処理において、帯電電圧印加回路210を介して帯電器52に第1帯電電圧VC1を印加する。より具体的には、制御装置100は、印字指令の受信に基づいて、帯電電圧印加回路210に第1帯電電圧VC1に応じた制御信号を出力する。帯電電圧印加回路210は、制御装置100から出力された制御信号に応じて、帯電器52に第1帯電電圧VC1を印加する。第1帯電電圧(グリッド電極52Bに印加する電圧)VC1は、たとえば810Vに設定される。第1帯電処理後の感光体ドラム51の表面電位(以下、感光体ドラム51の表面電位Pを、単に「表面電位P」とする。)は、第1帯電電圧VC1とほぼ同じ810Vになる。
第1露光処理は、第1帯電処理によって帯電された感光体ドラム51の表面をスキャナ40によって露光して当該表面上に静電潜像を形成する処理である。制御装置100は、第1露光処理において、印字指令に応じた画像データに基づいてスキャナ40を明滅させることで、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成している。
現像処理は、現像ローラ54によって静電潜像にトナーを供給して感光体ドラム51の表面上にトナー像を形成する処理である。制御装置100は、現像処理において、現像電圧印加回路240を介して現像ローラ54に現像電圧を印加する。
第1転写電圧印加処理は、トナー像を用紙Sに転写する処理である。制御装置100は、第1転写電圧印加処理において、転写電圧印加回路220を介して転写ローラ74に前記第1帯電電圧VC1とは逆極性の第1転写電圧を印加する。なお、本実施形態では、転写電圧の制御として、たとえば、転写ローラ74に流れる電流が一定の目標値になるような定電流制御を採用することとする。
定電流制御において、制御装置100は、転写ローラ74に流れる電流値をモニターし、転写電流が一定の目標値となるように、転写電圧印加回路220から転写ローラ74に印加する転写電圧を決定し、決定した転写電圧に基づいて転写電圧印加回路220に制御信号を出力する。なお、定電流制御を実行しているときの転写電圧の電圧値は、用紙種、環境条件(温湿度)、用紙の有無などによって変動する。第1転写電圧印加処理後の表面電位Pは、第1転写電圧印加処理によって下がり、たとえば0Vとなる。
印字中クリーニング処理は、第1転写電圧印加処理を経た感光体ドラム51の表面領域が、第1帯電処理によって帯電される前に、感光体ドラム51の表面に接触するクリーニングローラ57によって感光体ドラム51の表面から残留トナー等を回収する処理である。印字中クリーニング処理中、クリーニングローラ57には、クリーニング電圧印加回路230によりクリーニング電圧が印加されている。
クリーニング電圧としては、クリーニングローラ57と感光体ドラム51の表面との間で放電が起こらないような(放電開始電圧よりも小さな)値が設定される。したがって、クリーニング電圧は、表面電位Pに影響を与えることはない。クリーニングローラ57に感光体ドラム51の表面電位Pとの電位差が−300V程度となるようなクリーニング電圧を印加することで、クリーニングローラ57にトナーが吸着される。
印字中クリーニング処理については、従来と同様なので、詳細な説明は省略する。以下の説明で、クリーニング処理とは、特に、「印字中」であることを示していない文脈においては、印字後クリーニング処理を意味するものとする。
次に、本実施形態におけるクリーニング処理について詳細に説明する。本実施形態では、制御装置100は、印字指令に応じてドラム駆動機構250によって感光体ドラム51を回転させて印字処理を開始し、印字処理が終了した後、移動機構TMによって感光体ドラム51から現像ローラ54を離間させた後に、継続してドラム駆動機構250が感光体ドラム51を回転させている状態で、クリーニング処理を実行する。
制御装置100は、クリーニング処理において、帯電電圧印加回路210を介して帯電器52(グリッド電極52B)に、第1帯電電圧VC1と同極性の第2帯電電圧VC2を印加する第2帯電処理と、転写電圧印加回路220を介して転写ローラ74に第1転写電圧と同極性の第2転写電圧を印加する第2転写電圧印加処理と、スキャナ40によって感光体ドラム51の表面を露光する第2露光処理と、クリーニング電圧印加回路230を介してクリーニングローラ57にクリーニング電圧を印加するクリーニング電圧印加処理とを実行する。
本実施形態では、第2帯電電圧VC2の絶対値を、第1帯電電圧VC1の絶対値よりも大きな値に設定する。
また、本実施形態では、第2転写電圧の絶対値を、第1転写電圧の絶対値よりも大きくなるよう(具体的には、第2転写電圧印加処理後の表面電位Pの絶対値が、第1転写電圧印加処理後の表面電位Pの絶対値よりも大きくなるような目標電流値を)設定する。
また、第2露光処理においては、第1露光処理と異なり、スキャナ40を点滅させず、感光体ドラム51の表面を全面露光している。
なお、第2帯電処理は、少なくとも、感光体ドラム51の表面における第2転写電圧印加処理の実行中に転写ローラ74と対向した領域が帯電器52と対向するときに実行されるのが好ましい。
また、第2帯電処理は、少なくとも、感光体ドラム51の表面における第2露光処理によって露光された領域が帯電器52と対向するときに実行されるのが好ましい。
本実施形態におけるクリーニング電圧印加処理は、第1帯電電圧VC1と逆極性の第1クリーニング電圧を印加した後に、第1帯電電圧VC1と同極性の第2クリーニング電圧を印加するように構成されている。したがって、第1クリーニング電圧印加時には、クリーニングローラ57は、その表面にトナーが付着した状態で回転し、感光体ドラム51の表面に摺接する。第1クリーニング電圧は、クリーニングローラ57と感光体ドラム51の表面電位Pとの電位差が−300V程度となるよう設定される。
そして、第2クリーニング電圧を印加することで、一旦、クリーニングローラ57の表面に保持していたトナーを感光体ドラム51に吐き出してクリーニングローラ57をクリーニングする。第2クリーニング電圧は、クリーニングローラ57と感光体ドラム51の表面電位Pとの電位差が+650V程度となるよう設定される。最後に、もう一度、感光体ドラム51の表面の1周分以上に相当する期間、第1クリーニング電圧を印加することで、感光体ドラム51の表面のトナーを吸着し回収する。
本実施形態によれば、印字処理終了後、感光体ドラム51の回転に伴い、感光体ドラム51の表面における、第2露光処理によって表面電位Pが下がった領域が、第2転写電圧印加処理によってさらに下がり、たとえば−200Vになる。そして、第2帯電処理によって、第1帯電電圧VC1よりも絶対値の大きなプラスの第2帯電電圧VC2を印加する。その結果、感光体ドラム51の表面電位Pは、850Vまで上がる。
本実施形態では、第1帯電処理前後の表面電位Pの差(以下、これを「第1電位差PD1」という。)は、810V−0V=810Vであり、第2帯電処理前後の表面電位Pの差(以下、これを「第2電位差PD2」という。)は、850V−(−200V)=1050Vである。第1電位差PD1よりも第2電位差PD2が大きいため、クリーニング処理における第2帯電処理時には、感光層51B表面の放電負荷が高くなる。その結果、感光層51Bの樹脂がクリーニングローラ57により削れやすくなる。したがって、長期使用によりクリーニングローラ自体が劣化した場合でも、感光体ドラム51の表面に固着した紙粉等を感光層51Bの表層とともに効果的に除去することができる。
特に、本実施形態においては、クリーニング電圧印加処理の初期において、クリーニングローラ57の表面にトナーが付着した状態で感光体ドラム51の表面に摺接する。そのため、トナーが研磨剤として作用することでクリーニング効果が向上する。
なお、カラープリンタ1には、その動作音を低減することを目的に、ドラムの回転速度を低くする低速モードを備えるものがある。低速モードにおいては、転写不良を防ぐため、単位面積当たりの転写電流を通常モードでの全速運転時よりも高めに設定する必要がある。転写電流を高くすると、紙粉が発生・付着しやすいことが知られている。また、低速モードでは、感光体ドラム51に用紙Sが接触する時間が長いので感光体ドラム51に紙粉が付着しやすい。
このように、低速モードによる運転は、感光体ドラム51への紙粉の付着が増え、フィルミングが形成されやすいということができる。さらに、感光体ドラム51とクリーニングローラ57の周速差が小さくなるため、感光体ドラム51の表面の紙粉等を削り取りにくくなる。そこで、低速モード時には、特に、フィルミング物質を除去しやすくすることが望ましい。
図4に、帯電電圧Vgを850Vとした場合の、用紙Sを搬送供給せずに駆動したときの感光体ドラム51の膜削れ量[μm]を計測した実験結果を、通常モード(全速)と低速モード(半速)のそれぞれについて示す。また、図5に、帯電電圧値を変えたときの、40000枚印字相当駆動後のドラム膜削れ量の差を示す。なお、図5の帯電処理前の表面電位Pはすべて450Vとしている。
通常モード(全速)と低速モード(半速)のいずれにおいても、帯電電圧(すなわち、前述の第2電位差PD2)を高くすることで、クリーニングローラ57と摺接する感光体ドラム51の感光層51Bがより多く削り取られることが確認された。また、半速時には、膜削れ量が全速時に比べ低く、駆動時間が長くなるほど膜削れ量の差が拡大していることもわかる。
なお、感光層51Bの最表層を固着した紙粉等とともに削り取ることでフィルミング物質を除去する上記のようなクリーニング処理は、過度に実施されると感光体ドラム51の性能劣化を早め耐用寿命を短くすることが懸念される。そこで、フィルミング物質除去の必要なタイミングとその処理モードを適切に選択して実施することが望ましい。
したがって、フィルミング物質除去のための上記のクリーニング処理は、従来型の感光体ドラム51に固着していない残留トナーの除去を目的とするクリーニング処理と組み合わせて実行するとよい。たとえば、従来型クリーニング処理の一例としてのクリーニング処理Aにおいては、スキャナ40による露光を停止し、第2転写電圧の絶対値を、印字処理中の第1転写電圧の絶対値より小さくなるよう設定し、第2帯電電圧VC2の絶対値を、第1帯電電圧VC1の絶対値よりも小さな値に設定して、クリーニングローラ57によりトナー等を回収する。つまり、クリーニング処理Aにおける第2電位差PD2は、印字処理における第1電位差PD1よりも小さい。
図6に、クリーニング処理の制御の一例をフローチャートで示す。クリーニング処理B,C,Dにおける第2電位差PD2,PD2,PD2は、従来型のクリーニング処理Aにおける第2電位差PD2と異なり、第1電位差PD1よりも大きい。
制御装置100が、印字指令を受信すると(ステップS100)、感光体ドラム51をはじめとする画像形成部30や給紙部20等の各ユニットの駆動を開始し(ステップS101)、印字処理を実行する(ステップS102)。
印字指令に基づく印刷ジョブが終了すると、制御装置100は、移動機構TMを介して、現像ローラ54を離間させる(ステップS103)。このとき、感光体ドラム51は、ドラム駆動機構250により、継続して回転駆動されている。
ステップS104において、制御装置100は、感光体ドラム51の累積回転数Ntを取得し、当該累積回転数Ntを所定の閾値(第1所定回転数)N1と比較する。第1所定回転数N1は、感光体ドラム51の表面におけるフィルミングの形成が進行し従来型のクリーニング処理Aによっては除去しにくくなくなるタイミングにあわせて適切な値が設定される。
ステップS104において、Nt>N1でないと判定された場合、制御装置100は、クリーニング処理Aを実行し(ステップS105)、処理終了後、ドラム駆動機構250による感光体ドラム51の駆動を停止して(ステップS111)、制御を終了する。
ステップS104において、Nt>N1と判定された場合、制御装置100は、ステップS100により取得した印字指令に含まれる印刷モードの指定(通常/低速)や、ドラム駆動機構250の駆動状況などから、感光体ドラム51の回転速度Vを取得し、当該回転速度Vが所定値V1より小さいか否か、たとえば、低速モードでの駆動中か否かを判定する(ステップS106)。
ステップS106において、V<V1でないと判定された場合、つまり通常モードである場合、制御装置100は、クリーニング処理Bを実行する(ステップS107)。クリーニング処理Bにおいて、制御装置100は、第2電位差PD2を、印字処理における第1電位差PD1よりも大きいPD2にする。クリーニング処理Bの終了後、ドラム駆動機構250による感光体ドラム51の駆動を停止して(ステップS111)、制御を終了する。
ステップS106において、V<V1と判定された場合、つまり低速モードである場合、制御装置100は、ステップS108において、これまでに低速モード(V<V1)で駆動された期間の累積回転数Nqを所定の閾値(第2所定回転数)N2と比較する(ステップS108)。
ステップS108において、Nq>N2でないと判定された場合、制御装置100は、クリーニング処理Cを実行する(ステップS109)。クリーニング処理Cにおいて、制御装置100は、第2電位差PD2を、クリーニング処理Bの場合に設定される第2電位差PD2よりも大きいPD2にする。クリーニング処理Cの終了後、ドラム駆動機構250による感光体ドラム51の駆動を停止して(ステップS111)、制御を終了する。
ステップS108において、Nq>N2と判定された場合、制御装置100は、クリーニング処理Dを実行する(ステップS110)。クリーニング処理Dにおいて、制御装置100は、第2電位差PD2を、クリーニング処理Cの場合に設定される第2電位差PD2よりも大きいPD2にする。クリーニング処理Dの終了後、ドラム駆動機構250による感光体ドラム51の駆動を停止して(ステップS111)、制御を終了する。
本実施形態では、累積回転数Ntが第1所定回転数N1以下のとき、すなわち、フィルミング物質の蓄積の少ない使用初期においてはクリーニング処理Aを実行し、第2電位差PD2を第1電位差PD1よりも小さいPD2にすることで、感光体ドラム51の感光層51Bの摩耗を抑制している。したがって、感光体ドラム51の耐用寿命を延ばすことができる。
また、累積回転数Ntが第1所定回転数N1を超えたときに、第2電位差(PD2,PD2,PD2)が第1電位差PD1よりも大きいクリーニング処理B,C,Dのいずれかを実行しているので、クリーニング処理Aによっては除去できない紙粉等のフィルミング物質を感光体ドラム51の表面から削り取ることができる。
さらに、低速モードでの運転時等、回転速度Vが所定値V1より小さいとき(V<V1)、すなわち、フィルミングが形成されやすく除去されにくい条件において、V≧V1のときに実行するクリーニング処理Bよりも第2電位差PD2が大きいクリーニング処理C,Dを実行しているので、フィルミング物質を効果的に除去することができる。
また、低速モードでの運転時等、回転速度Vが所定値V1より小さいときの感光体ドラム51の累積回転数Nqが第2所定回転数N2より大きいとき(Nq>N2)、クリーニング処理Cよりもさらに第2電位差PD2が大きいクリーニング処理Dを実行しているので、長期の使用を経て蓄積された紙粉等のフィルミング物質をより効果的に除去可能である。
なお、上記のプロセスにおける各判定ステップS104,S106,S108は、任意選択的に実施可能である。すなわち、ステップS104で累積回転数Ntの第1所定回転数N1と比較した結果Nt>N1であった場合に、回転速度Vの判定(ステップS106)をせずに、クリーニング処理Bを実行してもよいし、ステップS106でV<V1と判定した場合に、累積回転数Nqと第2所定回転数N2の比較(ステップS108)をせずに、クリーニング処理Cを実行してもよい。ステップS104およびステップS106の判定をせずに、ステップS108のみの判定によりクリーニング処理Cまたはクリーニング処理Dを実行してもよい。
また、回転速度Vが所定値V1以上であった場合に、クリーニング処理Bではなく、従来のクリーニング処理Aを実施するように構成することもできる。図7にフローチャートを示す。この制御において、ステップS100〜ステップS103は、図6の制御と同様なので、詳細な説明は省略し、相違点のみ説明する。
ステップS106において、V<V1でないと判定された場合、制御装置100は、クリーニング処理Aを実行し(ステップS105)、処理終了後、ドラム駆動機構250による感光体ドラム51の駆動を停止して(ステップS111)、制御を終了する。
ステップS106において、V<V1と判定された場合、制御装置100は、クリーニング処理Bを実行し(ステップS107)、処理終了後、ドラム駆動機構250による感光体ドラム51の駆動を停止して(ステップS111)、制御を終了する。
この図7に示す実施形態では、感光体ドラム51の回転速度Vが小さく、フィルミングが形成されやすく除去しにくい条件下でのみ、クリーニング処理Bを実行し、通常運転時は、第2電位差PD2が印字処理における第1電位差PD1よりも小さいクリーニング処理Aを実行している。したがって、感光体ドラム51の性能劣化を抑制しつつ、適切なタイミングで効果的なフィルミング物質の除去が可能である。
なお、クリーニング処理B,C,Dは、従来型のクリーニング処理Aに比べ、帯電時の放電エネルギーが大きいため、オゾン発生量が増加する。感光体ドラム51を大量のオゾン雰囲気下に放置すると、感光層51Bに悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、クリーニング処理B,C,Dの実行後は、クリーニング処理Aの実行後よりも、排気ファンの運転時間を長くすることが望ましい。また、その際、感光体ドラム51の回転駆動停止までの時間も、排気ファンの運転停止までの時間にあわせて長くすることで、感光体ドラム51の回転によりオゾンの排出を促進することができる。
以下に、図8〜13のタイムチャートを参照しつつ、具体的な制御方法の例を説明する。なお、図示した例において、帯電電圧、露光、転写電流、クリーニング電圧の変更のタイミングを、便宜的に、印字処理の終了とクリーニング処理の開始・終了のタイミングにあわせて同じ時点として示している。通常は、図1に示した配置に従い、それぞれのユニットの処理タイミングをずらしている。
図8に、前記した実施形態に対応する通常モード(全速運転時)の制御方法の一例を示す。印字処理においては、転写電流ITとしてIT0を流し、第1転写電圧印加処理後の表面電位Pが0Vになる。そして、感光体ドラム51の回転に伴い、表面電位Pが0Vになった領域に対して、第1帯電処理により第1帯電電圧VC1(=810V)が印加される。したがって、第1電位差PD1は、810Vである。
印字処理中、クリーニングローラ57には、−300Vのクリーニング電圧が印加される。これによって、感光体ドラム51の表面の残留トナーが、クリーニングローラ57に付着し回収される。
クリーニング処理においては、転写電流ITが−20μAに設定され、スキャナ40による露光後、第2転写電圧印加処理後の表面電位Pが−200Vになる。そして、感光体ドラム51の回転に伴い、表面電位Pが−200Vになった領域に対して、第2帯電処理によって第1帯電電圧VC1よりも大きい第2帯電電圧VC2(=850V)が印加される、したがって、第2電位差PD2は、850V−(−200V)=1050Vである。
このように、第2電位差PD2の値を大きくすることで、感光体ドラム51の感光層51Bを削れやすくし、感光層51Bの表層とともにフィルミング物質を削り取ることができる。なお、図8に示す通常モードの制御において、第1クリーニング電圧は−500V、第2クリーニング電圧は+450Vに設定される。
図9に、低速モード(半速運転時)の制御方法の一例を示す。低速モードにおいては、印字処理中の、第1転写電圧印加処理後の表面電位P(=0V)および第1帯電処理により印加される第1帯電電圧VC1(=810V)は、図8に示した通常モード時と同様である。したがって、第1電位差PD1は、810Vである。また、印字処理中のクリーニング電圧も、図8の例と同じ−300Vである。
クリーニング処理においては、転写電流ITが−30μAに設定され、スキャナ40による露光後、第2転写電圧印加処理後の表面電位Pが−400Vになる。そして、感光体ドラム51の回転に伴い、表面電位Pが−400Vになった領域に対して、第2帯電処理によって第1帯電電圧VC1よりも大きい第2帯電電圧VC2(=900V)が印加される。したがって、第2電位差PD2は、900V−(−400V)=1300Vである。なお、図9に示す低速モードの制御において、第1クリーニング電圧は−700V、第2クリーニング電圧は+250Vに設定される。
図9の例でも、第2電位差PD2の値を大きくすることで効果的なフィルミング物質の除去を可能にしている。特に、図8に示した通常モードにおける第2電位差PD2よりもさらに大きい値とすることで、紙粉の付着が多く紙粉が削り取りにくくなる低速モードにおいて、フィルミング物質のより確実な除去を可能にしている。
図10に、帯電電圧値を変動させずに表面電位Pを制御する例を示す。ここで、印字処理中の、第1転写電圧印加処理後の表面電位P(=0V)および第1帯電処理により印加される第1帯電電圧VC1(=810V)は、図8、図9に示した通常モード時と同様である。したがって、第1電位差PD1は、810Vである。また、印字処理中のクリーニング電圧も、図8、図9の例と同じ−300Vである。
クリーニング処理においては、転写電流ITが−30μAに設定され、スキャナ40による露光後、第2転写電圧印加処理後の表面電位Pが−400Vになる。そして、感光体ドラム51の回転に伴い、表面電位Pが−400Vになった領域に対して、第2帯電処理によって第1帯電電圧VC1と同じ値の第2帯電電圧VC2(=810V)が印加される、したがって、第2電位差PD2は、810V−(−400V)=1210Vである。なお、図10に示す帯電電圧値を変動させない制御において、第1クリーニング電圧は−700V、第2クリーニング電圧は+250Vに設定される。
このように、帯電電圧VCを変えずに、露光および転写後の表面電位Pを下げることで、第2電位差PD2を大きくすることによっても、フィルミング物質を除去しやすくすることができる。
図11に、第2露光処理を実行せずに表面電位Pを制御する例を示す。ここで、印字処理中の、第1転写電圧印加処理後の表面電位P(=0V)および第1帯電処理により印加される第1帯電電圧VC1(=810V)は、図8〜10に示した通常モード時と同様である。したがって、第1電位差PD1は、810Vである。また、印字処理中のクリーニング電圧も、図8〜10の例と同じ−300Vである。
クリーニング処理においては、転写電流ITが、図8と同様の値(=−20μA)に設定されているが、第2転写電圧印加処理後の表面電位Pは、露光処理を経ていないため、−100Vになる。そして、感光体ドラム51の回転に伴い、表面電位Pが−100Vになった領域に対して、第2帯電処理によって第1帯電電圧VC1より大きい第2帯電電圧VC2(=850V)が印加される、したがって、第2電位差PD2は、850V−(−100V)=950Vである。なお、図11に示す第2露光処理を実行しない制御において、第1クリーニング電圧は−400V、第2クリーニング電圧は+550Vに設定される。
このように、第2露光処理を実行せずに、転写電圧を下げ、帯電電圧を上げることによって、第2電位差PD2を大きくしても、フィルミング物質を除去しやすくすることができる。
図12に、転写電流値を変動させずに表面電位Pを制御する例を示す。ここで、第1転写電圧印加処理後の表面電位P(=0V)および第1帯電処理により印加される第1帯電電圧VC1(=810V)は、図8〜11に示した通常モード時と同様である。したがって、第1電位差PD1は、810Vである。また、印字処理中のクリーニング電圧も、図8〜11の例と同じ−300Vである。
クリーニング処理においては、転写電流ITが第2転写電圧印加処理により第1転写電圧と同じ値の転写電流IT(=IT0)に設定される。そして、スキャナ40による露光後、第2転写電圧印加処理後の表面電位Pは0Vになる。そして、感光体ドラム51の回転に伴い、表面電位Pが0Vになった領域に対して、第2帯電処理によって第1帯電電圧VC1より大きい第2帯電電圧VC2(=850V)が印加される、したがって、第2電位差PD2は、850V−0V=850Vである。なお、図12に示す転写電流値を変動させない制御において、第1クリーニング電圧は−300V、第2クリーニング電圧は+650Vに設定される。
このように、転写電流値を下げずに、第2露光処理を実行し、帯電電圧を上げることによって、第2電位差PD2を大きくしても、フィルミング物質を除去しやすくすることができる。
なお、前記実施形態では、印字後のクリーニング処理時において、クリーニング電圧印加処理は、次の3つのステップを有していた。(1)第1帯電電圧VC1と逆極性の第1クリーニング電圧を印加する。(2)第1帯電電圧VC1と同極性の第2クリーニング電圧を印加して、クリーニングローラ57の表面に保持していたトナーを感光体ドラム51の表面に吐き出してクリーニングローラ57をクリーニングする。(3)再び第1クリーニング電圧を印加することで、感光体ドラム51の表面のトナーを吸着し回収する。
前記3ステップのうち、(1)は必須ではない。たとえば、(2)と(3)のステップのみを実行するのであってもよい。
もっとも、(1)のステップを、第2帯電処理が行われた感光体ドラム51の表面が(少なくとも一周分)クリーニングローラ57に摺接する間、実行するのが好ましい。クリーニングローラ57の表面にトナーが付着した状態で、感光体ドラム51の表面に摺接させることで、トナーが、いわば研磨剤の役割を果たし、感光体ドラム51の表面を研磨することができるからである。(2)(3)の回収ステップの前に(1)のステップを経ることで、フィルミング物質の除去を効果的に行うことができる。
以上、制御方法の典型的な実施形態について説明してきたが、様々な変形例が構想可能である。
たとえば、前記実施形態では、累積回転数Nt,Nqを所定の閾値と比較して、第2電位差PD2の異なるクリーニング処理A,B,C,Dを選択して実行する例を説明したが、累積回転数Nt,Nqが所定の閾値を超えたとき以後の第2電位差PD2を、累積回転数Nt,Nqの増加に応じて比例的に、あるいは段階的に漸増させていくよう構成してもよい。これにより、フィルミング形成の進行度合いやクリーニングローラ57によるクリーニング性能の低下を考慮したよりきめ細かな制御が可能となる。
また、前記実施形態のカラープリンタ1のように、感光体ドラム51を複数備える形態においては、すべての感光体ドラム51に対して必ずしも同じ制御を実行する必要はないかもしれない。たとえば、用紙Sの搬送方向において、上流側に位置する黒色印字用の感光体ドラム51Kは、他の感光体ドラム51Y,51M,51Cよりも使用頻度が高い場合に、感光体ドラム51Kに対する制御を他の感光体ドラム51Y,51M,51Cと異なるものとしてもよい。
たとえば、感光体ドラム51Kにおける第2電位差PD2を、他の感光体ドラム51Y,51M,51Cにおける第2電位差PD2よりも大きくして、感光体ドラム51Kに対するフィルミング物質の除去しやすさを他よりも高くすることができる。あるいは、感光体ドラム51Kにおける制御に使用する閾値を他と異なるものとして、第2電位差PD2を大きくする制御の頻度や時間を増やしてもよい。
また、感光体ドラム51K,51Y,51M,51Cのうち、用紙の搬送方向における上流側に位置するもののほうが、下流側に位置するものよりも、付着する紙粉の量が多いことを考慮し、複数の感光体ドラム51に対するフィルミング物質除去処理の強度(第2電位差PD2の大きさ)・頻度・時間のうちの少なくとも一つのパラメータを、上流側から下流側に向けて漸次減少するよう構成してもよい。
前記実施形態では、印字処理後のクリーニング処理においては、現像ローラ54は、移動機構TMを制御装置100により制御することで、感光体ドラム51に対して離間させていたが、現像ローラ54は、離間させなくてもよい。
前記実施形態では、印字処理が終了した後、継続してドラム駆動機構250が感光体ドラム51を回転させている状態で、印字後クリーニング処理を実施する例を示したが、クリーニング処理は、印字処理を実行していないときであれば、実行する時期は限定されない。
前記実施形態では、クリーニング部材としてクリーニングローラ57を採用した例を示したが、クリーニング部材は、感光体に対して回転せずに接触するブレード形の部材であってもよい。
感光体は、感光体ドラム51に限定されず、たとえば、ベルト状の感光体であってもよい。
帯電器は、スコロトロン型帯電器52に限定されず、たとえば、感光体の表面に接触する帯電ローラなどであってもよい。
露光装置は、スキャナ40に限定されず、たとえばLEDなどによって感光体を露光するLEDユニットや、感光体の表面を除電する徐電器などであってもよい。
現像器は、感光体ドラム51に接触する現像ローラ54を備えた現像器520に限定されず、たとえば、感光体から離れて配置される非接触方式の現像器であってもよい。
転写部材は、転写ローラ74に限定されず、たとえば感光体ドラム51から離間して配置される非接触式の転写部材などであってもよい。
画像形成装置は、カラープリンタ1に限定されず、たとえばモノクロプリンタ、複写機、複合機などであってもよい。
転写媒体は、用紙Sに限定されず、たとえば中間転写方式のプリンタにおいては、感光体ドラムに接触するベルトなどであってもよい。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
1 カラープリンタ
40 スキャナ
51 感光体ドラム
52 帯電器
54 現像ローラ
57 クリーニングローラ
74 転写ローラ
100 制御装置
210 帯電電圧印加回路(第1印加回路)
220 転写電圧印加回路(第2印加回路)

Claims (16)

  1. 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電器と、前記感光体の表面を露光する露光装置と、前記感光体の表面に現像剤を供給して現像剤像を形成する現像器と、前記感光体に対向して配置され、前記感光体との間を通過する転写媒体に前記現像剤像を転写する転写部材と、前記感光体の表面に接触して配置され、前記感光体の表面の異物を回収するクリーニング部材と、前記帯電器に帯電電圧を印加する第1印加回路と、前記転写部材に転写電圧を印加する第2印加回路と、制御装置とを備えた画像形成装置であって、
    前記制御装置は、
    前記第1印加回路を介して前記帯電器に第1帯電電圧を印加する第1帯電処理と、
    前記第1帯電処理によって帯電された前記感光体の表面を前記露光装置によって露光して当該表面上に静電潜像を形成する第1露光処理と、
    前記現像器によって前記静電潜像に現像剤を供給して前記感光体の表面上に現像剤像を形成する現像処理と、
    前記第2印加回路を介して前記転写部材に前記第1帯電電圧とは逆極性の第1転写電圧を印加して前記現像剤像を転写媒体に転写する第1転写電圧印加処理と
    を含む印字処理を実行し、
    当該印字処理を実行していないときに、前記第1印加回路を介して前記帯電器に前記第1帯電電圧と同極性の第2帯電電圧を印加する第2帯電処理を含むクリーニング処理を実行するように構成され、
    前記第1帯電処理前後の前記感光体の表面電位の差である第1電位差よりも、前記第2帯電処理前後の前記感光体の表面電位の差である第2電位差が大きいことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニング処理は、前記第2印加回路を介して前記転写部材に前記第1転写電圧と同極性の第2転写電圧を印加する第2転写電圧印加処理をさらに含み、
    前記制御装置は、前記感光体の表面における前記第2転写電圧印加処理の実行中に前記転写部材と対向した領域が前記帯電器と対向するときに、前記第2帯電処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御装置は、前記第2転写電圧の絶対値を、前記第1転写電圧の絶対値よりも大きな値に設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記クリーニング処理は、前記露光装置によって前記感光体の表面を露光する第2露光処理をさらに含み、
    前記制御装置は、前記感光体の表面における前記第2露光処理によって露光された領域が前記帯電器と対向するときに、前記第2帯電処理を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体を回転駆動する駆動源をさらに有し、
    前記制御装置は、
    前記印字処理において、前記印字指令に応じて前記駆動源によって前記感光体を回転させ、
    前記印字処理が終了した後、継続して前記駆動源が前記感光体を回転させている状態で、前記クリーニング処理を実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御装置は、前記第2帯電電圧の絶対値を、前記第1帯電電圧の絶対値よりも大きな値に設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御装置は、前記感光体の累積回転数を取得し、当該累積回転数が所定回転数を超えたことを条件に、前記クリーニング処理を実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御装置は、前記感光体の回転速度を取得し、当該回転速度が所定値より小さいことを条件に、前記クリーニング処理を実行することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御装置は、前記感光体の回転速度を取得し、
    当該回転速度が所定値より小さいときの前記第2電位差は、前記回転速度が前記所定値以上のときの前記第2電位差よりも大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御装置は、前記回転速度が前記所定値より小さいときに前記第1印加回路を介して前記帯電器に印加される前記第2帯電電圧の絶対値を、前記回転速度が前記所定値以上のときに前記第1印加回路を介して前記帯電器に印加される前記第2帯電電圧の絶対値よりも大きな値に設定することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御装置は、前記回転速度が前記所定値より小さいときの前記感光体の第2累積回転数を取得し、
    前記第2累積回転数が第2所定回転数より大きいときの前記第2電位差は、前記第2所定回転数以下のときの前記第2電位差よりも大きいことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 複数の前記感光体を備え、
    前記転写媒体の搬送方向において、第1の感光体よりも下流側に位置する第2の感光体における前記第2電位差は、前記第1の感光体における前記第2電位差よりも小さいことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記現像器を前記感光体に対して近接・離間させる移動機構をさらに有し、
    前記制御装置は、前記印字処理が終了した後、前記クリーニング処理を開始する前に、前記移動機構によって前記感光体から前記現像器を離間させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記クリーニング部材にクリーニング電圧を印加する第3印加回路をさらに有し、
    前記制御装置は、前記クリーニング処理において、前記第3印加回路によって前記クリーニング部材に、前記第1帯電電圧と逆極性の第1クリーニング電圧を印加した後に、前記第1帯電電圧と同極性の第2クリーニング電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  15. 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電器と、前記感光体の表面を露光する露光装置と、前記感光体の表面に現像剤を供給して現像剤像を形成する現像器と、前記感光体に対向して配置され、前記感光体との間を通過する転写媒体に前記現像剤像を転写する転写部材と、前記感光体の表面に接触して配置され、前記感光体の表面の異物を回収するクリーニング部材と、前記帯電器に帯電電圧を印加する第1印加回路と、前記転写部材に転写電圧を印加する第2印加回路とを備えた画像形成装置における制御方法であって、
    前記第1印加回路を介して前記帯電器に第1帯電電圧を印加する第1帯電処理と、
    前記第1帯電処理によって帯電された前記感光体の表面を前記露光装置によって露光して当該表面上に静電潜像を形成する第1露光処理と、
    前記現像器によって前記静電潜像に現像剤を供給して前記感光体の表面上に現像剤像を形成する現像処理と、
    前記第2印加回路を介して前記転写部材に前記第1帯電電圧とは逆極性の第1転写電圧を印加して前記現像剤像を転写媒体に転写する第1転写電圧印加処理と
    を含む印字処理を実行し、
    当該印字処理を実行していないときに、前記第1印加回路を介して前記帯電器に前記第1帯電電圧と同極性の第2帯電電圧を印加する第2帯電処理を含むクリーニング処理を実行し、
    当該クリーニング処理を実行する際に、前記第1帯電処理前後の前記感光体の表面電位の差である第1電位差よりも、前記第2帯電処理前後の前記感光体の表面電位の差である第2電位差を大きくすることを特徴とする制御方法。
  16. 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電器と、前記感光体の表面を露光する露光装置と、前記感光体の表面に現像剤を供給して現像剤像を形成する現像器と、前記感光体に対向して配置され、前記感光体との間を通過する転写媒体に前記現像剤像を転写する転写部材と、前記感光体の表面に接触して配置され、前記感光体の表面の異物を回収するクリーニング部材と、前記帯電器に帯電電圧を印加する第1印加回路と、前記転写部材に転写電圧を印加する第2印加回路と、制御装置とを備えた画像形成装置における前記制御装置を動作させるプログラムであって、
    前記制御装置を、
    前記第1印加回路を介して前記帯電器に第1帯電電圧を印加する第1帯電処理を実行する手段と、
    前記第1帯電処理によって帯電された前記感光体の表面を前記露光装置によって露光して当該表面上に静電潜像を形成する第1露光処理を実行する手段と、
    前記現像器によって前記静電潜像に現像剤を供給して前記感光体の表面上に現像剤像を形成する現像処理を実行する手段と、
    前記第2印加回路を介して前記転写部材に前記第1帯電電圧とは逆極性の第1転写電圧を印加して前記現像剤像を転写媒体に転写する第1転写電圧印加処理を実行する手段と
    を含む印字処理を実行する手段と、
    前記印字処理を実行していないときに、前記第1印加回路を介して前記帯電器に前記第1帯電電圧と同極性の第2帯電電圧を印加する第2帯電処理を実行する手段を含むクリーニング処理を実行する手段
    として機能させ、
    前記クリーニング処理を実行する手段は、前記第1帯電処理前後の前記感光体の表面電位の差である第1電位差よりも、前記第2帯電処理前後の前記感光体の表面電位の差である第2電位差を大きくすることを特徴とするプログラム。
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