JP2019045582A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クリーナレスシステムにおいて感光体上に残留した転写残トナーが多い場合に、画像不良の発生を抑制することが難しかった。【解決手段】 転写の後に感光体1に残留したトナーを、現像部において現像手段4に回収する画像形成装置において、感光体1に残留したトナーを転写手段5で回収し、感光体1を帯電手段2により帯電した後に、転写手段5から感光体1にトナーを移動させ、感光体1上のトナーを現像手段4で回収する回収モードを実行可能な制御部180を有することを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、電子写真方式で画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、及び複合機等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置では、感光体が一様に帯電された後に、画像情報に応じて露光されることで、感光体上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、トナーを用いてトナー像として現像された後に、転写部材により記録用紙などの記録材に転写される。その後、記録材に転写されたトナー像は、定着手段によって記録材上に加熱定着される。
転写後に感光ドラム上に残留したトナーは、回収手段によって回収される。回収手段として感光ドラムに接触する弾性のクリーニングブレードを採用する構成が、従来から知られている。
感光体上の静電潜像を現像する現像方式としては、反転現像方式が多く用いられている。反転現像方式では、感光体の露光を受けて電位の絶対値が低下した部分に感光体の帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着させてトナー像を形成する。
近年、このような画像形成装置の小型化を図るために、転写後の感光体に残留した転写残トナーを回収する特別のクリーニング装置を有していないクリーナレスシステムを採用した画像形成装置がある(特許文献1)。クリーナレスシステムでは、転写残トナーは現像手段によって回収(現像同時回収)される。クリーナレスシステムは、装置の小型化に有効であると共に、転写残トナー用の回収容器を専用に設ける必要がないため環境保護の面からも好ましい。
特開2016−161660号公報
しかしながら、画像形成中に転写材の搬送不良(ジャム)が発生した場合、感光体上には大量の転写残トナーが残留することがあり、その場合、画像不良が発生し易くなる。前述のクリーナレスシステムにおいては、ジャムが発生した際の大量の転写残トナーを適切に現像回収しなければ、非画像部にトナーが付着するカブリといった画像不良が発生する。もしくは、現像手段に回収されず感光体に残ったトナーが帯電ローラに付着し、帯電ローラ汚れに伴う帯電不良により濃度ムラを発生させてしまう虞がある。
本発明の目的は、前述した課題を解決するため、クリーナレスシステムにおいて感光体上に残留した転写残トナーが多い場合であっても、画像不良の発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために本発明に係る発明は、回転可能な感光体と、前記感光体を所定の極性に帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体を露光して前記感光体に静電像を形成する露光手段と、現像部で前記感光体上の静電像の画像部に前記所定の極性と同極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、転写部で前記感光体上のトナー像を転写材に転写させる転写手段と、を有し、前記転写の後に前記感光体に残留したトナーを、前記現像部において前記現像手段に回収する画像形成装置において、前記感光体に残留したトナーを前記転写手段で回収し、前記感光体を前記帯電手段により帯電した後に、前記転写手段から前記感光体にトナーを移動させ、前記感光体上のトナーを前記現像手段で回収する回収モードを実行可能な制御部を有することを特徴とする。
本発明によれば、クリーナレスシステムにおいて感光体上に残留した転写残トナーが多い場合であっても、転写手段によって転写トナーを回収することで、画像不良の発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
本実施例の画像形成装置の概略断面構成図 本実施例における現像装置を説明する拡大概略図 本実施例の画像形成装置の要部の概略制御態様を示すブロック図 本実施例における制御部が実行可能な回収モードを説明するための状態遷移図 転写ローラ回収コントラストと回収効率関係を示すグラフ 比較例における回収モードを説明するための状態遷移図 実施例1と比較例の回収モードの実施結果を説明する図 転写前露光手段を使用した回収モードを説明する状態遷移図
本発明を図面に基づいて説明する。この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面構成図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式のLBP(レーザビームプリンタ)である。
画像形成装置100は、静電潜像を担持する像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の感光体である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、駆動源(図示せず)によって図中矢印x方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の回転方向に沿って次の各機器が配置されている。まず、感光ドラム1を所定の極性(本実施例では負極性)に帯電する帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ2が配置されている。次に、帯電した感光ドラム1を露光して感光ドラム1に静電像を形成する露光手段としての露光装置(レーザスキャナ)16が配置されている。次に、現像部で感光ドラム1上(感光体上)の静電像の画像部に所定の極性と同極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像手段4が配置されている。次に、転写部で感光ドラム1上のトナー像を転写する転写手段としてのローラ状の転写部材である転写ローラ5が配置されている。
画像形成時には、回転する感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2によって所定の極性(本実施例では負極性)に一様に帯電処理される。このとき、帯電ローラ2には帯電電源(高圧電源)12から所定の帯電電圧が印加される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光装置16によって画像情報に応じたレーザ光で走査露光される。これにより感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によってトナーを用いてトナー像として現像(可視像化)される。このとき、現像装置4が有する現像ローラ3(図2参照)には、現像電源13から所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1と転写ローラ5とが当接する転写部(転写ニップ)Nにおいて、転写ローラ5の作用により、感光ドラム1と転写ローラ5とで挟持搬送される転写材P上に転写される。このとき、転写ローラ5には、転写電源14から所定の転写電圧が印加される。転写後に感光ドラム1上に残留する転写残トナーは、現像装置4によって現像同時回収される。トナー像が転写された転写材Pは、その後定着手段としての定着装置7に搬送され、定着装置7において加熱及び加圧されることでその上のトナー像が定着(固着)される。その後、転写材Pは、搬送トレー31上に搬送される。これにより、一連の画像形成プロセスが終了する。
本実施例では、感光ドラム1と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ2及び現像装置4は、画像形成装置100の装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを構成する。ただし、感光ドラム1やプロセス手段は装置本体に固定設置されたものであってもよい。
露光装置16は、画像形成装置100に入力されるか、又はテストパターンのような装置本体50の内部で作成される画像信号に応じてON/OFF制御されたレーザ光を感光ドラム1に照射する。これにより、感光ドラム1上に静電潜像(デジタル潜像)が形成される。なお、露光装置16は、レーザスキャナに限定されるものではなく、LEDプリントヘッド方式や液晶シャッターアレイ方式などの露光装置も適用可能である。露光装置16に入力する画像信号を変調して濃度階調性を得る方法としては、レーザ光強度変調、誤差拡散法やディザ法などの面積階調法、それらの組み合わせを用いることができる。また、PWM(パルス幅変調)方式を用いて、1画素の面積階調による多値記録を行うこともできる。画像信号は、00h(白)〜FF(黒)までの256階調レベルで変化させることができる。本実施例では、PWM方式を用いた。
図2は、本実施例における現像装置4を説明する拡大概略図である。現像装置4は、現像剤を担持して感光ドラム1に搬送するための現像剤担持体を有し、現像剤担持体を感光ドラム1に当接させて現像部(現像領域)Gを形成し、この現像部Gにおいて現像剤を感光ドラム1上の静電潜像に電気的に付着させる。これにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。本実施例では、現像装置4は、反転現像方式を採用しており、感光体上の静電像の画像部に現像部Gで感光体の帯電極性と同極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する。現像装置4は、現像剤としての非磁性一成分現像剤(非磁性トナー、トナー)10を収容した現像容器11を有する。現像容器11には、現像剤担持体としての現像ローラ3、現像剤規制部材としての現像ブレード10、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ8、及び攪拌部材としての攪拌羽根11などが設けられている。
現像ローラ3は、アルミニウムやその合金、ステンレスなどの金属の円筒体の周囲に、基層とその上の表層とを有する弾性層を設けた多層構成とされる。弾性層の基層は、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどのゴムを用いて形成され、表層はエーテルウレタンやナイロンなどを用いて形成される。ただし、弾性層の材料はこれらに限定されるものではなく、基層にスポンジなどの発泡体を用い、表層にゴム弾性層を形成してもよい。また、弾性層は、NBR、EPDM、ウレタンゴムなどのゴム弾性層のみから構成される単層構成としてもよい。現像ローラ3は、感光ドラム1に当接して配置される。現像ローラ3は、駆動源(図示せず)により、当接部において感光ドラム1と現像ローラ3との移動方向が同方向となるように図中矢印方向に回転駆動される。
現像ブレード10は、現像ローラ3の上方において、自由端側の先端近傍が現像ローラ3の外周面に面接触状態で当接するようにして設けられている。現像ブレード10の当接方向は、当接部に対して先端側が現像ローラ3の回転方向上流側に位置する、いわゆるカウンター方向である。本実施例では、トナーが負帯電性トナーである場合には、現像ブレード10によって、トナーに電荷が付与される。
トナー供給ローラ8は、スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロンなどの繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ3に対するトナーの供給及び現像ローラ3からのトナーの剥ぎ取りの点から好ましい。本実施例では、トナー供給ローラ8としては、芯金上にウレタンフォームを設けた弾性ローラを用いる。トナー供給ローラ8は、現像ローラ3に当接して配置され、当接部において現像ローラ3とトナー供給ローラ8の移動方向が逆方向(カウンター方向)となるように図中矢印方向に回転駆動される。
ここで、本実施例では、現像ブレード10により規制され現像ローラ3上に担持されたトナーは、非磁性一成分現像剤である。そのため、現像ローラ3上でトナーを拘束する力としては、トナーが有する電荷による鏡映力と僅かなファンデルワールス力しか働かない。その結果、現像ローラ3上のトナー層が厚くなると、トナー層の上層部にあるトナーに対する鏡映力が弱くなるため、現像ローラ3上に担持できなくなりトナーが飛散してしまう。したがって、現像ローラ3上のトナー層を薄く規制する必要があるが、その結果十分な画像濃度が得にくくなる場合がある。このような場合、現像ローラ3の周速度を感光ドラム1の周速度よりも速く設定することで、十分な画像濃度を得ることが可能である。その周速度比としては、感光ドラム1の周速度に対して、現像ローラ3の周速度が1.1〜3倍となる範囲が好適である。本実施例では、この周速度比は1.3倍とする。
本実施例の画像形成装置100では、転写後に感光ドラム1上に残留する転写残トナーは、帯電ローラ2による感光ドラム1の帯電部を通過するときに帯電され、その後現像部Gにおいて感光ドラム1に当接している現像ローラ3にて現像容器11に回収される。これにより、クリーナレスシステムが達成されている。
多数枚の転写材Pを収納可能な給紙カセットが設けられており、給紙部により転写材Pが1枚ずつ給紙される。その転写材Pはレジストローラ6に搬送される。
転写ローラ5は、感光ドラム1の表面に所定の押圧力(本実施例では1kgf)で接触する。転写ローラ5は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。そして、この転写ローラ5に転写電源12から直流電圧である転写電圧Vtrが印加されることにより、感光ドラム1と転写ローラ5との間に転写ニップNで、感光ドラム1上のトナー像が被転写体としての転写材P上に静電的に転写される。転写ローラ5は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)と転写ローラ5の長手方向(回転軸線方向)とが略平行になるように配置されている。
本実施例では、転写ローラ5は、芯金の周囲に導電性のゴムで形成された弾性層を設けて構成されている。転写ローラ5の電気抵抗値は、10〜1010Ωに調整されることが好ましい。本実施例の転写ローラ5は、その長手方向の全域にわたって、弾性層の直径がφ14mm、芯金の直径がφ6mm、弾性層の厚みが4mmである。また、本実施例では、転写ローラ5の弾性層のゴムとしては、発泡タイプのNBRゴムを用いる。また、本実施例の転写ローラ5の電気抵抗値は、23℃/50%R.H.環境で1.0×10Ωである。
本実施例の画像形成装置100では、感光ドラム1に形成する静電潜像の条件としては、次の条件が好適である。負帯電性トナーを用いる場合は、非画像部電位(Vd)は−500〜−1000Vの範囲が好適であり、最大トナー像濃度が得られる画像部電位(Vl)は−50〜−200Vの範囲が好適である。ここで非画像部電位(Vd)は、露光装置(レーザスキャナ)16によって露光されていない感光ドラム1上の領域であり、画像部電位(Vl)は露光装置(レーザスキャナ)16によって露光された感光ドラム1上の領域である。
また、正帯電性トナーを用いる場合は、非画像部電位(Vd)は+500〜+1000Vの範囲が好適であり、最大トナー像濃度が得られる画像部電位(Vl)は+50〜+200Vの範囲が好適である。本実施例では、負帯電性トナーを用いる。
感光ドラム1に形成された静電潜像をトナーにて現像する際、現像ローラ3には、現像電源13から直流電圧である現像電圧が印加される。本実施例では、静電潜像が上記条件で形成される場合、現像電圧の条件としては、次の条件が好適である。現像電圧(Vdc)と最大トナー像濃度が得られる画像部電位(Vl)との電位差分である現像コントラスト電位|Vl−Vdc|(Vcont)が、50〜400Vとなる範囲で好適である。
一方、本実施例では、現像電圧(Vdc)と非画像部電位(Vd)との電位差分であるバックコントラスト電位|Vd−Vdc|(Vback)を大きくする必要がある。画像部にトナーを載せるために十分にVcontをとりつつ、転写残トナーの回収性をより良好にするためである。Vbackを大きくすることで、感光ドラム1上の非画像部電位と現像ローラ3の電位との電位差が大きくなり、帯電部を通過した後の転写残トナーを現像ローラ3へ引き戻す電気的な力が大きくなり、転写残トナーの現像ローラ3への回収がより良好になる。そこで、本実施例では、Vd=−900V、Vl=−100V、Vdc=−300Vとし、|Vcont|=200V、|Vback|=600Vとする。
なお、上述した帯電電源12、現像電源13、転写電源14の印加タイミングは制御コントローラ180により制御される
図3は、本実施例の画像形成装置100の要部の概略制御態様を示すブロック図である。画像形成装置100は、画像形成装置100の各部の動作を統括制御するエンジンコントローラ18(制御部)を有する。エンジンコントローラ180は、演算処理を行う中心的素子であるCPU、記憶素子(記憶部)であるROM、RAMなどのメモリなどを有して構成される。RAMには、センサの検知結果、演算結果などが格納され、ROMには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。特に、本実施例との関係で言えば、エンジンコントローラ180には、帯電電源12、現像電源13、転写電源14、後述する転写前露光装置15を駆動する転写前露光駆動回路(以下「ドライバ」ともいう。)190などが接続されている。そして、本実施例では、エンジンコントローラ180は、各電源12、13、14の出力のON/OFFや出力値、ドライバ190から転写前露光装置15への電流の供給のON/OFFや供給する電流値(以下「ドライバ電流値」ともいう。)を制御する。
次に、本実施例の転写前露光手段としての転写前露光装置15について説明する。転写前露光装置15は、感光ドラム1の回転において、現像部Gの下流かつ転写ニップNの上流に配置される。そして、転写前露光装置15は、感光ドラム1の回転方向において現像部Gと転写ニップNとの間で、現像部Gを通過した後、転写ニップNを通過する前の感光ドラム1の表面を露光して、感光ドラム1上の非画像部電位を除電する。これにより、転写ニップNを通過する時(以下「転写通過時」ともいう。)の感光ドラム1上の非画像部電位の設定を、現像部Gを通過する時(以下「現像通過時」ともいう。)の感光ドラム1上の非画像部電位の設定から変更する。
転写前露光装置15としては、レーザスキャナ装置、LEDプリントヘッド方式や液晶シャッターアレイ方式などの露光装置などを用いることができる。あるいは、画像形成装置100の装置本体の側面にLEDランプを設け、ライトガイドなどを通して感光ドラム1の表面を照射する方式などでも良い。本実施例では、転写前露光装置15として、レーザスキャナを用いた。本実施例では、転写露光装置15は、感光ドラム1の長手方向における画像形成領域(トナー像の形成が可能な領域)の全域を一様に露光する。別法として、転写前露光装置15は、感光ドラム1上の非画像部を選択的に露光するようにしてもよい。この場合、帯電処理された感光ドラム1に露光装置6が形成する静電潜像と、転写前露光装置15が形成する静電潜像は異なることになる。
転写前露光装置15が設けられていない場合、現像部Gを通過した後の感光ドラム1の表面電位は、非画像部電位Vdと画像部電位Vlとの差が大きいまま転写ニップN内に突入する。そして、転写ニップN内に感光ドラム1上のVdとVlとが同時に存在した場合、VdとVtrとの差(|Vd−Vtr|)が、VlとVtrとの差(|Vl−Vtr|)に比べて大きいため、転写電流が非画像部に多量に流れ込んでしまう。その場合、画像部への転写電流量が適正な値よりも少なくなってしまうために、画像部のトナーの転写材P上への転写が不十分になり、転写不良を起こしてしまう。特に、細線などの画像パターンの場合、転写ニップN内に感光ドラム1上のVdとVlとが同時に存在しやすくなるために、転写不良が顕著になる傾向がある。
転写前露光装置15が設けられている場合、転写前露光により除電されることで、転写通過時の感光ドラム1上の非画像部電位Vdが小さくなるため、VdとVlとの差が小さくなる。この状態で転写ニップN内に突入すれば、転写ニップN内に感光ドラム1上のVdとVlとが同時に存在した場合でも、VdとVtrとの差(|Vd−Vtr|)が、VlとVtrとの差(|Vl−Vtr|)に比べて大きくない。そのため、転写電流が非画像部に多量に流れ込むことが抑制され、画像部に十分に転写電流が流れ込み、細線などの画像でも良好に転写することが可能となる。
次に、本実施例の特徴であるはエンジンコントローラ18が実行可能な回収モードについて説明する。転写ローラ5で一時的にトナーを回収し、転写ローラ5からトナーを吐き出した末に現像回収する回収モードを、図4を参照して説明する。尚、回収モードはエンジンコントローラ18の指示によって実行されるが、回収モードを実行するタイミングは、ジャム発生後に限定されない。ユーザからの指示を受けてエンジンコントローラ18が回収モードを実行したり、連続画像形成の回数に応じてエンジンコンロローラ18が回収モードを実行してもよい。
図4(ア)に示すように、現像ローラ3を一時的に離間させた後に、負極性のトナーを回収する転写電圧(+500V)を印加し、感光ドラム1の回転駆動を開始する。尚、本実施例の現像手段4の現像ローラ3は、不図示の第1の当接離間機構により感光ドラム1に対して当接離間することが可能である。これにより、感光ドラム1上の転写残トナーが転写ローラ5に回収される。このとき、転写電圧が印加されたときの、転写ローラ3と感光ドラム1の当接位置の感光ドラム1側の領域をSとする。
図5に回収時の感光ドラム1と転写ローラ5の電位差(以下、回収コントラストとする)と回収率の関係を示す。回収させるのに最適な電圧が存在し、およそ、本実施形においては電位差600V程度であることが確認されている。これ以上の電圧差になると、感光ドラム1と転写ローラ5が転写ローラ5上流位置で直接放電を行うため、トナーは負極性とは逆の極性をもち、ゆえに、転写ローラ5−感光ドラム1当接位置で回収されず、感光ドラム1上にとどまる。
転写残トナーが除去された感光ドラム1位置Sが帯電ローラ2に差し掛かるタイミングで、帯電ローラ2に帯電電圧(−1500V)を印加する。(図4(イ)の状態)これにより感光ドラム1はVd電位(−900V)に帯電される。(図4(ウ)の状態))
さらに、感光ドラム1の位置Sが再び転写ローラ5に達したタイミングで、転写電圧を吐き出し電圧(−1400V)に切り替える。(図4(エ)の状態))
これにより、転写ローラ5で一時回収した負極性のトナーを感光ドラム1上に吐き出すことが可能となる。
また、現像ローラ3との接触位置におけるドラム電位がVdになったところで、現像電圧(−300V)を印加した後に当接させる(図4の(オ)の状態)。このとき、回収電位差である電位差(Vback)のために、感光ドラム1上のトナーは現像回収される。(図4の(カ)の状態)。このような回収モードを実行することにより、例えばジャムによって感光ドラム1上に大量の転写残トナーが存在する場合でも、確実に現像手段4によって回収することが可能である。
次に、現像回収されるまでの感光ドラム回転数を変化させて本実施例1の効果を確認した。比較例(図6参照)として、現像離間後に駆動開始し、そのタイミングで、転写電圧をVlレベルである−100Vに、帯電電圧を−1500Vに印加する構成を使用した。比較例は、転写ローラ5による転写残トナーの一時回収を行わない構成である。
本実施例と比較例を、下記の条件で比較した。周囲環境は、温度15℃ 湿度10%(以下L/Lと称す)の条件で、画像形成中に本体供給電源を強制的に瞬断させジャムを歯x地制させた。ジャムが発生した画像形成装置から転写材Pを取り除き、感光ドラム1の回転量を変えながら、感光ドラム1上に残留する転写残トナー量を評価した。
転写残トナー量の測定は、感光ドラム1上の転写残トナーをテープにて回収し、そのテープを紙に貼り付けて反射濃度計(TOKYO DENSHOKU製カブリ反射濃度計)で濃度測定を行った。測定結果と、予め測定しておいた検量線からトナー量に換算し、ベタの載り量に対する比を算出した。
図7にその結果を示す。比較例はクリーニングが完了するまでに7周かかっているのに対して本実施例は1周でクリーニングが完了していることがわかる。比較例では転写残トナーTの量が多すぎて感光ドラム1の電位を上昇させることができない。そのためVbackが十分に確保できず、1周では回収できなかった。しかしながら複数回、帯電ローラ2を通過するため、それに伴って徐々に感光ドラム1の表面電位が上昇し、遂に7周目で現像回収が可能な感光ドラムの表面電位もしくはVbackになったと推測される。
一方、本実施例では、転写残トナーを一時的に転写に回収することで、帯電ローラ2による一度の帯電で十分に帯電させることが可能となり、現像回収を効率良く行うことが可能である。
上述のように、回収モードの実行はジャム時の復帰制御に限定されるものではなく、本体電源の瞬断などの復帰時の制御として適応できるものである。
また、回収モードを実行する場合において、転写前露光手段15を使用することでより効率的に転写残トナーを回収することが可能である。
回収モードを実行する場合において、感光ドラム1には表面電位がVdになっている領域が存在し、その領域にハーフトーン(以下、HT)などの画像形成中に散ったトナーや、現像手段4から付着した所謂かぶりトナーが存在することがある。
このトナーは、実施例1の制御においては、回収モードにおける図4(イ)の状態において、周囲環境や画像形成装置100の状態によっては、転写ローラ5で十分に回収できない恐れがある。そこで、図4(イ)の状態における転写ローラ5による転写残トナーの回収時における回収率を上げるために、図8で示すように転写前露光手段15による転写前露光を行うことが可能である。具体的には、回収モードを実行する場合において、転写前露光手段15を点灯させ、感光ドラム上の表面電位を画像部電位Vl(−100V)になるようにする制御を行った。回収モードを実行する場合の転写前露光手段15の露光量は、通常の画像形成時の転写前露光手段15の露光量より大きくなるようにエンジンコントローラ180は転写前露光手段15を制御する。
具体的には、図8(ア)に示すように、現像ローラ3を一時的に離間させた後に、負極性のトナーを回収する転写電圧(+500V)を印加し、転写前露光を行った状態で感光ドラム1の回転駆動を開始させる。
転写残トナーが除去された感光ドラム1位置Sが帯電ローラ2に差し掛かるタイミングで、帯電ローラ2に帯電電圧(−1500V)を印加する。(図8(イ)の状態)この状態まで転写前露光を継続させる。これにより感光ドラム1は画像部電位Vl(−100V)になった状態で帯電ローラ3によりVd電位(−900V)に帯電される。さらに、感光ドラム1の位置Sが再び転写前露光領域達したタイミングで、転写前露光手段15をOFFにする。(図8(ウ)の状態)
その後は、図4で説明した回収モードと同様に、転写ローラ5から感光ドラム1にトナーを移動させた後に現像ローラ3によって回収する。
このように、転写前露光手段15を用いることにより、感光ドラム上の電位をVlレベルにそろえることができるので、より効率良く、回収モードによって転写残トナーを感光ドラム1に回収することが可能となる。
1 感光体
2 帯電手段
3 現像手段
5 転写手段
15 転写前露光手段

Claims (8)

  1. 回転可能な感光体と、
    前記感光体を所定の極性に帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記感光体を露光して前記感光体に静電像を形成する露光手段と、
    現像部で前記感光体上の静電像の画像部に前記所定の極性と同極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、
    転写部で前記感光体上のトナー像を転写材に転写させる転写手段と、
    を有し、
    前記転写の後に前記感光体に残留したトナーを、前記現像部において前記現像手段に回収する画像形成装置において、
    前記感光体に残留したトナーを前記転写手段で回収し、前記感光体を前記帯電手段により帯電した後に、前記転写手段から前記感光体にトナーを移動させ、前記感光体上のトナーを前記現像手段で回収する回収モードを実行可能な制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回収モードを実行する場合において、前記現像手段が備える前記感光体に接触してトナーを供給する現像ローラは、前記感光体から離れることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記回収モードが開始された後に前記転写部を通過した前記感光体の領域が前記帯電手段によって帯電された後に、前記感光体から離れた前記現像ローラは前記感光体に当接することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体の回転において前記現像部の下流かつ前記転写部の上流において前記感光体を露光して、前記転写部を通過する際の前記感光体上の静電像の非画像部の電位の絶対値を前記現像部を通過する際の前記感光体上の静電像の非画像部の電位の絶対値よりも小さくする転写前露光手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記回収モードを実行する場合に、前記転写前露光手段を点灯させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記回収モードを実行する場合における前記転写前露光手段の露光量は、画像形成時における前記転写前露光手段の露光量よりも、大きいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記転写前露光手段は、前記感光体の長手方向における画像形成領域の全域を露光することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記回収モードを実行する場合に前記転写部材から前記感光体にトナーを移動させる場合は、前記転写部材に印加される電圧は前記感光体の表面電位と同極性で絶対値が大きい電圧であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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