JP2018169299A - 液位測定システム、液位測定方法、及び液位測定プログラム - Google Patents

液位測定システム、液位測定方法、及び液位測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】排水管路内に設置した水位測定用の圧力センサの異常を早期に検出する。【解決手段】液位測定システムは、情報収集部と、液位算出部と、第1のセンサ状態判定部と、を備える。情報収集部は、液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、第1の圧力、第2の圧力、及び第3の圧力を収集する。第1の圧力は配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した圧力であり、第2の圧力は配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した圧力である。第3の圧力は、配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した配管の外側の気圧を示す圧力である。水位算出部は、第1の圧力と第2の圧力とに基づいて、測定点における液位を算出する。第1のセンサ状態判定部は、第2の圧力と第3の圧力との圧力差に基づいて第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、液位測定システム、液位測定方法、及び液位測定プログラムに関する。
近年、集中豪雨の発生回数や雨量の増加、都市化に伴う下水道への雨水流入量の増加等により、下水道を流れる雨水(排水)が地表に流出する被害(内水氾濫)が増加している。内水氾濫による被害を軽減するため、下水管(排水管)内に水位センサを設置して下水管内の状況をリアルタイムで把握し、下水管内の水位や上昇度合いに基づいて避難通知を発令する等の動きが促進されつつある。
設置する水位センサには、圧力式、電波式、超音波式等の様々な候補が挙げられるが、現時点では圧力式、特に投げ込み式の圧力センサが最も多く使用されている。圧力センサにより水位を測定する方法として、例えば、水中、及び大気に絶対圧力を検出する圧力センサを設置し、それらの差分から水位を測定する方法がある(例えば、特許文献1を参照)。
また、圧力センサにより水位を測定する際に圧力センサの異常を発見する方法として、複数の圧力センサの値を比較し、それらの値が異なる場合は圧力センサに異常があると判定する方法がある(例えば、特許文献2を参照)。
特開2005−188461号公報 特開平10−288163号公報
しかしながら、下水道により排水される雨水には種々の異物が含まれているため、下水管路内の水位の測定に投げ込み式の圧力センサを使用した場合、圧力センサに異物が付着する確率が高い。圧力センサに異物が付着した場合、検出した圧力(センサ値)に生じる誤差が大きくなったり、センサが故障したりする可能性がある。
また、下水道により排水される雨水には種々の異物が含まれているため、下水管内で腐食性ガスが発生し、圧力センサが故障する可能性がある。
更に、下水道のような広域に敷設された排水管路において多数の測定点で水位を測定する場合、各測定点に設置した圧力センサのなかから異常がある圧力センサを早期に検出することが望まれる。
1つの側面において、本発明は、排水管路内に設置した水位測定用の圧力センサの異常を早期に検出することを目的とする。
1つの態様の液位測定システムは、情報収集部と、液位算出部と、第1のセンサ状態判定部と、を備える。情報収集部は、液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、第1の圧力、第2の圧力、及び第3の圧力を収集する。第1の圧力は配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した圧力であり、第2の圧力は配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した圧力である。第3の圧力は、配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した配管の外側の気圧を示す圧力である。液位算出部は、第1の圧力と第2の圧力とに基づいて、測定点における液位を算出する。第1のセンサ状態判定部は、第2の圧力と第3の圧力との圧力差に基づいて第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する。
上述の態様によれば、排水管路内に設置した水位測定用の圧力センサの異常を早期に検出することが可能となる
一実施形態に係る水位測定システムのシステム構成を示す図である。 測定装置の構成及び圧力センサの設置例を示す断面図である。 一実施形態に係る管理装置の機能的構成を示す図である。 浸水の危険性に対する重み付けを説明する図である。 故障危険度の算出方法を説明する図である。 故障危険度リストの内容を示す図である。 管理装置が行う第1のセンサ状態判定処理を説明するフローチャートである。 第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理の内容を説明するフローチャートである。 第1の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理の内容を説明するフローチャートである。 管理装置が行う第2のセンサ状態判定処理を説明するフローチャートである。 晴天時判定処理の内容を説明するフローチャートである。 雨天時判定処理の内容を説明するフローチャートである。 晴天時判定処理の具体例を説明する図である。 雨天時判定処理の具体例を説明する図である。 コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
図1は、一実施形態に係る水位測定システムのシステム構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の水位測定システム1は、下水道等、広域に敷設された排水管路9における複数の測定点での水位を測定するものである。水位測定システム1は、複数の測定装置2(2A〜2D)と、複数の中継器(ゲートウェイ)3(3A〜3D)と、管理装置4とを含む。
排水管路9は、第1の排水管910、第2の排水管920、及び第3の排水管930を含む。第1の排水管910、第2の排水管920、及び第3の排水管930は、それぞれ、雨水等を上流から下流に向けて排水する(流通させる)管であり、地中に埋設されている。図1における第1の排水管910は、左端側が上流であり、左端から右端に向けて雨水等を排水する。図1における第2の排水管920は、左端側が上流であり、左端から右端に向けて雨水等を排水する。第2の排水管920は、第1の排水管910と接続(合流)している。第2の排水管920を流れる水は、第1の排水管910に排出され、第1の排水管910の上流側から流れてきた水とともに第1の排水管910の下流に向けて排水される。図1における第3の排水管930は、上端側が上流であり、上端から下端に向けて雨水等を排水する。第3の排水管930は、第1の排水管910と接続(合流)している。第3の排水管930を流れる水は、第1の排水管910に排出され、第1の排水管910の上流側から流れてきた水とともに第1の排水管910の下流に向けて排水される。
図1では省略しているが、排水管路9は、地中に埋設された排水管910,920,930の内部空間と地表とを連通する複数の管部(例えば、人孔部等)を含む。本実施形態では、排水管路9における全ての人孔部のなかから選択した複数の人孔部のそれぞれを測定点とし、各測定点における水位を測定する。測定点に選ばれた人孔部には、それぞれ、測定装置2が設置される。図1には、排水管路9における複数の測定点の例として、4箇所の測定点QA,QB,QC,及びQDを示している。4箇所の測定点QA,QB,QC,及びQDのそれぞれと対応する排水管路9の人孔部には、それぞれ、測定装置2A,2B,2C,及び2Dが設置される。
また、図1における領域R1,R2,及びR3は、それぞれ、浸水の危険度LVを示す領域である。例えば、危険度LVが「2」である領域R1内及び領域R2内は、それぞれ、ハザードマップにおいて集中豪雨時に浸水する可能性が高いと指定された領域である。また、例えば、危険度LVが「3」である領域R3内は、ハザードマップにおいて集中豪雨時に浸水する可能性が非常に高いと指定された領域である。図1の領域R1,R2,R3のいずれの領域にも含まれない領域は、ハザードマップにおいて集中豪雨時に浸水する可能性が低いと指定された領域である。例えば、図1における測定点QBの周囲は、集中豪雨時に浸水する危険性(言い換えると、排水管910が満管状態になる可能性)が非常に高い。また、例えば、図1における測定点QAの周囲及び測定点QDの周囲は、それぞれ、集中豪雨時に浸水する危険性が低い。
測定装置2は、排水管路9の測定点における水位の測定に用いる2箇所の圧力を検出し、当該2箇所の圧力を所定の中継器3に送信する。第1の圧力は、排水管内の底部に設置した第1の圧力センサにより検出した、排水管内の底部における絶対圧力であり、第2の圧力は、排水管内の上部に設置した第2の圧力センサにより検出した、排水管内の上部における絶対圧力である。測定装置2を人孔部に設置する場合、排水管内の上部は、人孔部内における地表側の開口端の近傍となる。
中継器3は、排水管路9の測定点における第3の圧力を検出し、測定装置2で検出した第1の圧力及び第2の圧力と、第3の圧力とを管理装置4に送信する。第3の圧力は、地上において測定点の近傍となる位置での気圧である。中継器3は、地上において測定点の近傍となる位置に設置され、当該中継器3に設けられた第3の圧力センサにより第3の圧力を検出する。中継器3と測定装置2とは、所定の無線通信規格に従った無線通信により通信可能に接続される。また、中継器3及び管理装置4は、それぞれ、インターネット等のネットワーク7に接続されており、中継器3は、ネットワーク7を介して管理装置4に第1の圧力、第2の圧力、及び第3の圧力を送信する。例えば、図1の測定点QAの近傍には中継器3Aが設置されており、測定点QAに設置された測定装置2Aは、検出した第1の圧力及び第2の圧力を中継器3Aに送信する。中継器3Aは、測定装置2Aで検出した第1の圧力及び第2の圧力と、中継器3Aにおいて検出した第3の圧力とを、管理装置4に送信する。
管理装置4は、中継器3から送られてくる第1の圧力、第2の圧力、及び第3の圧力のうちの第1の圧力及び第2の圧力に基づいて、測定点における水位を算出する。管理装置4は、中継器3から送られてくる第1の圧力、第2の圧力、及び第3の圧力に基づいて、測定点毎に、圧力センサが正常であるか否かを判定する。更に、管理装置4は、各測定点における水位の履歴に基づいて、圧力センサが正常であるか否かを判定する。管理装置4は、例えば、ネットワーク7を介して気象情報提供装置5から測定点の気象情報を取得し、測定点の周囲で雨が降っているか否かに応じて、圧力センサが正常であるか否かを判定する処理を行うタイミングや、判定処理の内容を制御する。管理装置4は、水位を示す情報や、圧力センサが正常であるか否かを示す情報等を、外部装置6に送信する。
本実施形態の水位測定システム1では、上記のように、排水管路9に設定した複数の測定点のそれぞれで、第1の圧力、第2の圧力、及び第3の圧力の3箇所の圧力を検出する。第1の圧力及び第2の圧力は、排水管内に設置した測定装置2が備える2つの圧力センサにより検出する。一方、第3の圧力は、地上に設置された中継器3に設けた圧力センサにより検出する。すなわち、本実施形態の水位測定システム1では、測定点における排水管の外側で検出した第3の圧力(気圧)を利用して、排水管内に設置した圧力センサが正常であるか否かを判定する。
図2は、測定装置の構成及び圧力センサの設置例を示す断面図である。なお、図2には、図1の排水管路9の排水管910における測定点QAと対応する人孔部、及びその周囲を示している。
図2に示すように、水位の測定対象となる排水管路9は土地8に埋設されており、雨水等の水を河川等に排出する排水管910の複数箇所には、排水管910の内部空間と地表8Sとを連通する人孔部915が設けられている。人孔部915における地表8S側の開口端は、マンホール蓋10で覆われる。
測定装置2は、排水管路9における全ての人孔部915のうちの、測定点に選択された人孔部915に設置される。
測定装置2は、第1の圧力センサ201と、第2の圧力センサ202と、無線通信部203と、を含む。第1の圧力センサ201、及び第2の圧力センサ202は、それぞれ、圧力センサの周囲における絶対圧力を検出し、該絶対圧力を示すセンサ値を出力する圧力センサである。例えば、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202には、メンブレン構造を持ち、メンブレンの両端となる、圧力センサの周囲の圧力と、ダイヤフラム内の圧力との圧力差を検出する圧力センサを用いる。
無線通信部203は、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202のそれぞれから、検出した圧力を示すセンサ値を取得する。また、無線通信部203は、中継器3との間で無線通信を行い、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサから取得したセンサ値を中継器3に送信する。以下の説明では、第1の圧力センサ201で検出した圧力を示すセンサ値を第1のセンサ値ともいう。また、以下の説明では、第2の圧力センサ202で検出した圧力を示すセンサ値を第2のセンサ値ともいう。
無線通信部203は、例えば、測定装置2を動作させる電力を供給する一次電池や二次電池等とともに防水ケース204に収容されている。防水ケース204は、人孔部915の内部空間における地表8S側の開口端部に設置される。例えば、防水ケース204は、マンホール蓋10における人孔部915の内部空間側を向いた面1001に取り付けられる。
第1の圧力センサ201と、無線通信部203とは、防水ケース204に形成した貫通孔(図示せず)に挿入した第1の信号線205により接続されている。第1の信号線205の長さは、防水ケース204が人孔部915内の所定の位置に設置されたときの第1の圧力センサ201の位置が、排水管910内の底部近傍となるよう調節しておく。また、第2の圧力センサ202と、無線通信部203とは、防水ケース204に形成した貫通孔(図示せず)に挿入した第2の信号線206により接続されている。第2の信号線206の長さは、防水ケース204が人孔部915内の所定の位置に設置された状態で、第2の圧力センサ202が人孔部915の上部(より好ましくは最上部)に設置可能な長さに調整しておく。防水ケース204に形成した上記の貫通孔は、第1の信号線205及び第2の信号線206を挿入した状態で、樹脂等の封止材により封止しておく。
本実施形態に係る測定装置2は、例えば、予め定めたスケジュールにしたがって、第1の圧力センサ201による第1の圧力の検出、及び第2の圧力センサ202による第2の圧力の検出を行い、検出結果である第1のセンサ値及び第2のセンサ値を中継器3に送信する。中継器3は、地上における測定装置2が設置された人孔部915(測定点)の近傍に設置されている。例えば、中継器3は、地表8Sに立設された電柱12等に設置される。
中継器3は、センサ値転送部301と、第3の圧力センサ302と、を含む。センサ値転送部301は、例えば、測定装置2から第1のセンサ値及び第2のセンサ値を取得したときに、第3の圧力センサ302で検出した圧力を示す第3のセンサ値を取得し、3つのセンサ値を管理装置4に送信する。第3の圧力センサ302は、地上における中継器3の周囲での圧力を検出する圧力センサである。第3の圧力センサ302は、大気圧p0(t)を検出可能な圧力センサであればよい。
排水管910を流れる水11が水位hであり、第1の圧力センサ201が水没している場合、第1の圧力センサ201で検出する水圧(絶対圧力)pと、水位hとの関係は、下記式(1)で表される。
p=ρgh+pm−p0c ・・・(1)
式(1)において、ρは水11の密度であり、gは重力加速度である。また、式(1)において、pmは排水管910内の気圧であり、p0cは第1の圧力センサ201におけるダイヤフラム内の圧力である。排水管910内の気圧pmは、第2の圧力センサ202により検出可能である。したがって、時刻tに第1の圧力センサ201で検出した第1の圧力(第1のセンサ値)及び第2の圧力センサ202で検出した第2の圧力(第2のセンサ値)を取得した管理装置4は、下記式(2)により、時刻tにおける水位h(t)を算出する。
h(t)=(p(t)−pm(t))/ρg ・・・(2)
式(2)におけるp(t)及びpm(t)は、それぞれ、時刻tに第1の圧力センサ201で検出した圧力、及び時刻tに第2の圧力センサ202で検出した圧力である。
ところが、排水管910内に圧力センサ201,202を設置した場合、例えば、圧力センサが水没した際に異物が付着することにより、圧力センサで検出した圧力に生じる誤差が大きくなることがある。また、排水管910内を流れる水11に異物が含まれることにより、排水管910内で腐食性ガスが発生し、該腐食性ガスにより圧力センサが故障してしまうことがある。排水管910内に設置した圧力センサ201,202で圧力を正しく検出することができない場合、排水管910の水位hは誤った値となる。このため、各測定点に設置した圧力センサが正常であるか否かの検査を含む圧力センサのメンテナンスは、水位計測システム1を運用する上で重要な作業の1つとなっている。
本実施形態に係る水位測定システム1は、広域に点在する複数の測定点のそれぞれに設置された圧力センサのメンテナンスの効率化を可能にし、圧力センサの異常による水位hの測定精度の低下を抑制することを可能にする。具体的には、管理装置4において、測定点毎に、第1のセンサ値、第2のセンサ値、及び第3のセンサ値に基づいて、第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302が正常であるか否かを判定する。
図3は、一実施形態に係る管理装置の機能的構成を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る管理装置4は、情報収集部410と、水位算出部420と、第1の状態判定部430と、第2の状態判定部440と、出力部450と、制御部460と、記憶部490とを備える。
情報収集部410は、複数の測定点のそれぞれにおける第1のセンサ値、第2のセンサ値、及び第3のセンサ値の収集、複数の測定点のそれぞれにおける気象情報の収集等を行う。情報収集部410は、複数の中継器3のそれぞれから、各測定点についての第1のセンサ値、第2のセンサ値、及び第3のセンサ値の組を定期的に取得し、記憶部490のセンサ値履歴492に格納する。また、情報収集部410は、管理装置4において圧力センサが正常であるか否かを判定する際に、気象情報提供装置5から測定点の周辺の気象情報(雨が降っているか否かの情報、気圧等)を取得する。
水位算出部420は、情報収集部410で収集した第1のセンサ値及び第2のセンサ値に基づいて、各測定点における水位を算出する。例えば、水位算出部420は、記憶部490のセンサ値履歴492から、測定点毎に、最新の第1のセンサ値と第2のセンサ値との組を読み出して上記の式(2)により水位hを算出する。水位算出部420は、測定点毎に算出した水位hを、記憶部493の水位履歴493に格納する。
第1の状態判定部430は、測定点毎に、第1のセンサ値、第2のセンサ値、及び第3のセンサ値に基づいて、当該測定点に設置された第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302が正常であるか否かを判定する。第1の状態判定部430は、まず、測定点の周辺の気圧と、第3のセンサ値とを比較して、第3の圧力センサ302が正常であるか否かを判定する。第3の圧力センサ302が正常である場合、第1の状態判定部430は、第1の圧力センサ201が正常であるか否かを判定するとともに、第2の圧力センサ202が正常であるか否かを判定する。第1の圧力センサ201が正常であるか否かは、第1のセンサ値と第3のセンサ値との差に基づいて判定する。第2の圧力センサ202が正常であるか否かは、第2のセンサ値と第3のセンサ値との差に基づいて判定する。第1の状態判定部430は、圧力センサが正常であるか否かの判定結果を記憶部490の判定結果494に格納する。
第2の状態判定部440は、判定対象とする測定点に設置された圧力センサ201,202のセンサ値から算出した水位の時間変化に基づいて、当該測定点に設置した圧力センサ201,202,302が正常であるか否かを判定する。本実施形態に係る第2の状態判定部440は、判定対象となる圧力センサが設置された測定点の周辺における気象情報に基づいて、判定処理の内容を切り替える。測定点の周辺で雨が降っていない場合、第2の状態判定部440は、該測定点における現在の水位と、過去の雨が降っていないときの水位とを比較して、圧力センサ201,202,302が正常であるか否かを判定する。一方、測定点の周囲で雨が降っている場合、第2の状態判定部440は、該測定点における現在の水位と、過去の同雨量の雨が降っているときの水位とを比較して、圧力センサ201,202,302が正常であるか否かを判定する。本実施形態に係る第2の状態判定部440は、記憶部490の故障危険度リスト491に登録された圧力センサが設置されている測定点を判定対象として、測定点毎に圧力センサ201,202,302が正常であるか否かを判定する。また、本実施形態に係る第2の状態判定部440は、判定対象となっている測定点の周囲で雨が降っており、かつ圧力センサに異常があると判定した場合に、過去の同雨量の雨が降っているときの各測定点における水位に基づいて、現在の正しい水位を推定する。第2の状態判定部440は、圧力センサが正常であるか否かの判定結果を記憶部490の判定結果494に格納する。また、現在の正しい水位を推定した場合、第2の状態判定部440は、例えば、推定した水位を水位履歴493に格納する。
出力部450は、第1の状態判定部430における判定結果、第2の状態判定部440における判定結果、水位履歴493等を外部装置6に出力する。
記憶部490は、故障危険度リスト491、センサ値履歴492、水位履歴493、及び判定結果494を含む、各種情報を記憶する。
記憶部490に記憶させる故障危険度リスト491は、水位測定システム1で水位を測定し管理する一系統の排水管路9に対して設置される全ての圧力センサのうちの、浸水や降雨により故障する可能性の高い圧力センサを示す情報である。故障危険度リスト491には、例えば、測定点の地理的位置に応じた浸水の危険性に対する重み付け、及び圧力センサの設置位置に応じた浸水の危険性に対する重み付けをして算出される故障危険度が高い圧力センサを示す情報を登録する。
図4は、浸水の危険性に対する重み付けを説明する図である。図5は、故障危険度の算出方法を説明する図である。
測定点の地理的位置に応じた浸水の危険性は、例えば、排水管路9が敷設されたエリアについてのハザードマップに基づいて設定される。図4のテーブル1301では、浸水の危険性が低い、高い、及び非常に高い、の3段階に設定されている。浸水の危険性がより高い測定点に設置されている圧力センサほど故障しやすいので、測定点の地理的位置に応じた浸水の危険性に対する重み係数wqは、浸水の危険性が高くなるほど値を大きくする。図4のテーブル1301では、浸水の危険性が低い測定点に対する重み係数wqを「1」とし、浸水の危険性が高い測定点に対する重み係数wqを「3」としている。更に、図のテーブル1301では、浸水の危険性が非常に高い測定点に対する重み係数wqを「10」としている。
また、1つの測定点に対して設置される第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302の設置位置に応じた浸水の危険性は、排水管内の底部に設置される第1の圧力センサ201の危険性が最も高くなる。また、次に危険性が高い圧力センサは、排水管内の上部(最上部)に設置される第2の圧力センサ202である。地上に設置される第3の圧力センサ302の浸水の危険性は、排水管内に設置される第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサの危険性と比べると、非常に低い。浸水の危険性がより高い位置に設置されている圧力センサほど故障しやすいので、圧力センサの設置位置に応じた浸水の危険性に対する重み係数wsは、浸水の危険性が高くなるほど値を大きくする。例えば、浸水の危険性が低い第3の圧力センサ302に対する重み係数wsを「1」とし、浸水の危険性が高い第2の圧力センサ202に対する重み係数wsを「3」とする。更に、浸水の危険性が非常に高い第1の圧力センサ201に対する重み係数wsを「10」とする。
各圧力センサの故障危険度FRは、圧力センサが設置される測定点の地理的位置に応じた浸水の危険性に対する重み係数wqと、圧力センサの設置位置に応じた浸水の危険性に対する重み係数wsとに基づいて、算出する。本実施形態では、図5のテーブル1302のように、測定点の地理的位置に応じた浸水の危険性に対する重み係数wqと、設置位置に応じた浸水の危険性に対する重み係数wsとの積を、各圧力センサの故障危険度FRとする。
図5のテーブル1302には、図1の排水管路9における4個の測定点QA〜QDに設置される12個の圧力センサについての故障危険度FRの値を示している。測定点QA,QDは、どちらも、図1の領域R1,R2,及びR3のいずれも領域にも含まれない領域に存在するため、測定点の地理的位置に応じた浸水の危険性は低い。このため、測定点QA,QDについての、地理的位置に応じた重み係数wqは、それぞれ「1」となる。したがって、測定点QAに設置された第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302の故障危険度FR(=wq×ws)は、それぞれ、10,3,及び1となる。同様に、測定点QDに設置された第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302の故障危険度FRは、それぞれ、10,3,及び1となる。
また、図1の測定点QCは、浸水の危険性が高い領域R2内であって、浸水の危険性が非常に高い領域R3の外側となる位置に存在する。このため、測定点QCについての、地理的位置に応じた重み係数wqは、「3」となる。したがって、測定点QCに設置された第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302の故障危険度FRは、それぞれ、30,9,及び3となる。
更に、図1の測定点QBは、浸水の危険性が非常に高い領域R3内に存在する。このため、測定点QBについての、地理的位置に応じた重み係数wqは、「10」となる。したがって、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302の故障危険度FRは、それぞれ、100,30,及び10となる。
このようにして排水管路9における全ての圧力センサのそれぞれに対する故障危険度FRを算出した後、故障危険度FRが高い圧力センサを故障危険度リスト491に登録する。
図6は、故障危険度リストの内容を示す図である。
図6に示すように、故障危険度リスト491には、故障危険度FRが高い圧力センサから順に、圧力センサの識別情報と、測定点と、故障危険度FRとの組を登録する。例えば、故障危険度リスト191には、故障危険度FRの値が高い所定個数の圧力センサを抽出して登録する。また、例えば、故障危険度リスト491には、故障危険度FRの値が閾値以上である全ての圧力センサを抽出して登録してもよい。
また、複数の圧力センサについての故障危険度FRの値が同一である場合、故障危険度リスト491には、例えば、測定点についての重み係数wqが大きい圧力センサをより上位に登録する。
上記の手順で故障危険度リスト491を作成し、各測定点の所定位置に3個の圧力センサ201,202,及び302を設置した後、水位測定システム1は、管理装置4による水位の測定と、各圧力センサが正常であるか否かの判定とを行う。管理装置4は、圧力センサが正常であるか否かを判定する処理として、第1のセンサ状態判定処理と、第2のセンサ状態判定処理との2つの判定処理を行う。第1のセンサ状態判定処理は、測定点に設置された3個の圧力センサ201,202,302のそれぞれで検出したセンサ値に基づいて、該測定点の各圧力センサ201,202,302が正常であるか否かを判定する処理である。第2のセンサ状態判定処理は、測定点における水位の時間変化と天候の時間変化とに基づいて、該測定点の各圧力センサ201,202,302が正常であるか否かを判定する処理である。第1のセンサ状態判定処理、及び第2のセンサ状態判定処理は、それぞれ、予め定められたスケジュールにしたがって行われる。第1のセンサ状態判定処理を開始するタイミング、及び第2のセンサ状態判定処理を開始するタイミングは、それぞれ、管理装置4の制御部460により制御される。
まず、図7〜図9を参照して、第1のセンサ状態判定処理について説明する。
図7は、管理装置が行う第1のセンサ状態判定処理を説明するフローチャートである。図8は、第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理の内容を説明するフローチャートである。図9は、第1の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理の内容を説明するフローチャートである。なお、本実施形態に係る第1のセンサ状態判定処理は、排水管路9を敷設したエリアで雨が降っていない場合には、排水管内の水位が、第1の圧力センサ201の圧力検出位置よりも低くなる状況下で行われるものとする。すなわち、雨が降っていない場合、各測定点における第1の圧力センサ201で検出した圧力は、第3の圧力センサ302で検出した圧力(気圧)と略同一の値となる。
管理装置4の制御部460は、第1のセンサ状態判定処理を開始するタイミングが到来すると、情報収集部410と、第1の状態判定部430と、出力部450とに、第1のセンサ状態判定処理を行わせる。情報収集部410と、第1の状態判定部430と、出力部450とは、例えば、測定点毎に、図7のフローチャートに沿った処理を行う。
第1のセンサ状態判定処理では、まず、情報収集部410が、指定した測定点の降雨情報及び気圧を取得する(ステップS11)。情報収集部410は、例えば、制御部460から指定された測定点の地理的位置に基づいて、該測定点の周囲における降雨情報と気圧とを含む情報を、気象情報提供装置5から取得する。
次に、第1の状態判定部430が、取得した降雨情報に基づいて、測定点の周囲で雨が降っているか否かを判定する(ステップS12)。測定点の周囲で雨が降っている場合(ステップS12;YES)、第1の状態判定部430は、第1のセンサ状態判定処理を終了する。一方、測定点の周囲で雨が降っていない場合(ステップS12;NO)、第1の判定部430は、測定点に設置された3個の圧力センサ201,202,及び302で検出した最新のセンサ値(圧力)を取得する(ステップS13)。ステップS13の処理において、第1の状態判定部430は、例えば、情報収集部410を介して、測定点における最新のセンサ値を取得する。なお、現在行っている第1のセンサ状態判定処理と、該判定処理の直前のセンサ値を取得した時刻との時間差が短い場合、第1の状態判定部430は、記憶部490のセンサ値履歴492から最新のセンサ値を取得してもよい。
次に、第1の状態判定部430は、地上に設置された第3の圧力センサ302が正常であるか否かを判定する(ステップS14)。第1の状態判定部430は、第3の圧力センサ302のセンサ値が示す圧力と、ステップS11で取得した測定点の周囲(地上)における気圧との差が、所定の範囲内である場合に、第3の圧力センサ302が正常であると判定する。第3の圧力センサ302が正常ではない場合(ステップS14;NO)、第1の状態判定部430は、第3の圧力センサ302に異常があると判定する(ステップS15)。ステップS15の後、第1の状態判定部430と出力部450とが、第3の圧力センサ302に異常があることを示す判定結果を出力し(ステップS18)、第1のセンサ状態判定処理を終了する。このとき、第1の状態判定部430は、第3の圧力センサ302に異常があることを示す情報を記憶部490の判定結果494に記憶させる。また、出力部450は、例えば、図1の外部装置6等に第3の圧力センサ302に異常があることを示す情報を送信する。
第3の圧力センサ302が正常である場合(ステップS14;YES)、第1の状態判定部430は、次に、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常であるか否かを判定する処理を行う。本実施形態では、図7に示すように、まず、第2の圧力センサ202が正常であるか否かを判定し(ステップS16)、次に、第1の圧力センサ201が正常であるか否かを判定する(ステップS17)。
ステップS16の処理において、第1の状態判定部430は、第2の圧力センサ202で検出した圧力と、第3の圧力センサ302で検出した圧力との差が、所定の範囲内である場合に、第2の圧力センサ202が正常であると判定する。
ステップS17の処理において、第1の状態判定部430は、第1の圧力センサ201で検出した圧力と、第3の圧力センサ302で検出した圧力との差が、所定の範囲内である場合に、第1の圧力センサ201が正常であると判定する。
ステップS16,S17の処理を終えると、第1の状態判定部430と出力部450とが、第2の圧力センサ202及び第1の圧力センサ201が正常であるか否かの判定結果を出力し(ステップS18)、第1のセンサ状態判定処理を終了する。このとき、第1の状態判定部430は、第2の圧力センサ202及び第1の圧力センサ201が正常であるか否かを示す判定結果と、第3の圧力センサ302が正常であることを示す判定結果を、記憶部490の判定結果494に格納する。また、出力部450は、例えば、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202に異常がある場合に、異常があることを示す情報を外部装置6等に送信する。
第2の圧力センサ202が正常であるか否かを判定する処理(ステップS16)として、第1の状態判定部430は、例えば、図8のフローチャートに沿った処理を行う。図8は、第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理の内容を説明するフローチャートである。
ステップS16の処理において、第1の状態判定部430は、まず、第2の圧力センサ202で検出した圧力と第3の圧力センサ302で検出した圧力とを比較し(ステップS1601)、圧力の差が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS1602)。圧力の差が所定の範囲内である場合(ステップS1602;YES)、第1の状態判定部430は、第2の圧力センサ202は正常であると判定し(ステップS1603)、ステップS16の処理を終了する。
一方、圧力の差が所定の範囲を超えている場合(ステップS1602;NO)、第1の状態判定部430は、次に、圧力差の履歴を取得し(ステップS1604)、圧力差の時間変化が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS1605)。ステップS1604の処理において、第1の状態判定部430は、例えば、記憶部490のセンサ値履歴492から第2の圧力センサ202及び第3の圧力センサ302の所定期間分のセンサ値を取得し、各時刻における圧力の差を算出する。また、ステップS1605の判定において、第1の状態判定部430は、所定期間内における圧力差の最大値と最小値との差が、所定の範囲内であるか否かを判定する。
圧力差の時間変化が所定の範囲内である場合(ステップS1605;YES)、第1の状態判定部430は、第2の圧力センサ202が正常ではないと判定し(ステップS1606)、ステップS16の処理を終了する。すなわち、正常である第3の圧力センサ303との圧力差が所定の範囲を超えている状態が一定期間以上継続している場合、第1の状態判定部430は、第2の圧力センサ202に異常が発生したと判定する。
これに対し、圧力差の時間変化が所定の範囲を超えている場合(ステップS1605;NO)、第1の状態判定部430は、第2の圧力センサ202が正常であるか否かを判定不能であると判定し(ステップS1607)、ステップS16の処理を終了する。
次に、第1の圧力センサ201が正常であるか否かを判定する処理(ステップS17)について説明する。ステップS17の処理として、第1の状態判定部430は、例えば、図9のフローチャートに沿った処理を行う。図9は、第1の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理の内容を説明するフローチャートである。
ステップS17の処理において、第1の状態判定部430は、まず、第1の圧力センサ201で検出した圧力と第3の圧力センサ302で検出した圧力とを比較し(ステップS1701)、圧力の差が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS1702)。圧力の差が所定の範囲内である場合(ステップS1702;YES)、第1の状態判定部430は、第1の圧力センサ201は正常であると判定し(ステップS1703)、ステップS16の処理を終了する。
一方、圧力の差が所定の範囲を超えている場合(ステップS1702;NO)、第1の状態判定部430は、次に、圧力差の履歴を取得し(ステップS1704)、圧力差の時間変化が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS1705)。ステップS1704の処理において、第1の状態判定部430は、例えば、記憶部490のセンサ値履歴492から第1の圧力センサ201及び第3の圧力センサ302の所定期間分のセンサ値を取得し、各時刻における圧力差を算出する。また、ステップS1705の判定において、第1の状態判定部430は、所定期間内における圧力差の最大値と最小値との差が、所定の範囲内であるか否かを判定する。
圧力差の時間変化が所定の範囲内である場合(ステップS1705;YES)、第1の状態判定部430は、第1の圧力センサ201が異常である、又は常時浸水状態であると判定し(ステップS1706)、ステップS16の処理を終了する。上記のように、図9のフローチャートによる判定処理は、雨が降っていないときの排水管内の水位が第1の圧力センサ201の設置位置よりも低い場合を想定した処理となっている。このため、正常である第3の圧力センサ302との圧力差が所定の範囲を超えている状態が一定期間以上継続している場合、第1の圧力センサ201に何らかの異常が発生していることが考えられる。しかしながら、第1の圧力センサ201と第3の圧力センサ302との圧力差が大きくなる理由として、例えば、排水管内の水位が第1の圧力センサ201の設置位置よりも高い位置に上昇していることも考えられる。例えば、判定対象となっている測定点よりも上流側に位置する他の測定点の周囲で雨が降った場合、該他の測定点から流れてきた雨水により第1の圧力センサ201が浸水していることが考えられる。したがって、圧力差の時間変化が所定の範囲内である場合、第1の状態判定部430は、第1の圧力センサ201に異常が発生した可能性があることを示唆する判定結果を出力する。
これに対し、圧力差の時間変化が所定の範囲を超えている場合(ステップS1605;NO)、第1の状態判定部430は、第1の圧力センサ201が正常であるか否かを判定不能であると判定し(ステップS1707)、ステップS17の処理を終了する。
このように、本実施形態に係る第1のセンサ状態判定処理では、測定点毎に、3個の圧力センサ201,202、及び302のそれぞれで検出した圧力に基づいて、各圧力センサ201,202、及び302が正常であるか否かを判定する。この際、測定点における地上に設置した第3の圧力センサ302で検出した圧力を基準とすることにより、第2の圧力センサ202で検出した圧力が正常であるか否かを容易に判定することが可能となる。よって、本実施形態に係る第1のセンサ状態判別処理によれば、浸水や排水管内で発生した腐食性ガス等による第2の圧力センサ202の故障、或いは異物の付着等による第2の圧力センサ202の検出圧力の異常を早期に検出することが可能となる。
また、上記のように、排水管路9を敷設したエリアで雨が降っていない場合に第1の圧力センサ201で検出する圧力が排水管内の気圧となる状況下では、第1の圧力センサ201で検出した圧力が正常であるか否かを判定することが可能である。よって、本実施形態に係る第1のセンサ状態判定処理によれば、浸水や腐食性ガス等による第1の圧力センサ201の故障、或いは異物の付着等による第1の圧力センサ201の検出圧力の異常を早期に検出することも可能となる。
更に、本実施形態に係る管理装置4では、第1のセンサ状態判定処理とは別に、以下で説明する第2のセンサ状態判定処理を行うことにより、故障危険度FRの高い圧力センサが正常であるか否かを迅速に精度良く判定する。第2のセンサ状態判定処理は、各測定点における水位の時間変化に基づいて、故障危険度リスト191に登録された圧力センサが正常であるかを判定する処理である。第2のセンサ状態判定処理を開始するタイミングは、管理装置4の制御部460により制御される。図10〜図12を参照して、第2のセンサ状態判定処理について説明する。
図10は、管理装置が行う第2のセンサ状態判定処理を説明するフローチャートである。図11は、晴天時判定処理の内容を説明するフローチャートである。図12は、雨天時判定処理の内容を説明するフローチャートである。
管理装置4の制御部460は、第2のセンサ状態判定処理を開始するタイミングが到来すると、情報収集部410と、水位算出部420と、第2の状態判定部440と、出力部450とに、第2のセンサ状態判定処理を行わせる。情報収集部410と、水位算出部420と、第2の状態判定部440と、出力部450とは、図10のフローチャートに沿った処理を行う。
第2のセンサ状態判定処理では、まず、制御部460が、故障危険度の高い圧力センサを選択する(ステップS21)。ステップS21において、制御部460は、記憶部490の故障危険度リスト491を参照し、所定の選択規則にしたがって該故障危険度リスト491に登録された圧力センサのなかから1つの圧力センサを選択する。選択規則は、例えば、未選択の圧力センサのうちの故障危険度リスト491における登録順位が最も上位である圧力センサを選択する、という規則とする。
次に、情報収集部410が、ステップS21で選択した圧力センサが設置された測定点における3個の圧力センサのセンサ値と、該測定点の周囲における現在の気象情報を取得する(ステップS22)。ステップS22において、情報収集部410は、中継器3を介して測定点における第1のセンサ値、第2のセンサ値、及び第3のセンサ値を取得するとともに、気象情報提供装置5から、測定点の周囲における降雨情報を含む気象情報を取得する。
次に、水位算出部420が、ステップS22で取得した3個の圧力センサのセンサ値のうちの、第1のセンサ値及び第2のセンサ値に基づいて、判定対象となる測定点における現在の水位を算出する(ステップS23)。水位算出部420は、式(2)により現在の水位を算出し、記憶部490の水位履歴493に格納する。
次に、第2の状態判定部440が、ステップS22で取得した気象情報に基づいて、判定対象となる測定点の周囲で雨が降っているか否かを判定する(ステップS24)。雨が降っていない場合(ステップS24;NO)、第2の状態判定部440は、晴天時判定処理(ステップS25)を行う。ステップS25の処理において、第2の状態判定部440は、ステップS21で選択した圧力センサが設置されている測定点における現在の水位と過去の晴天時の水位とに基づいて、圧力センサが故障している可能性についての判定を行う。一方、雨が降っている場合、第2の状態判定部440は、雨天時判定処理(ステップS26)を行う。ステップS26の処理において、第2の状態判定部440は、ステップS21で選択した圧力センサが設置されている測定点における現在の水位と過去の同雨量時の水位とに基づいて、圧力センサが故障している可能性についての判定を行う。
ステップS25又はS26の処理を終えると、第2の状態判定部440及び出力部450が、判定結果及び現在の水位を出力する(ステップS27)。第2の状態判定部440は、判定結果を記憶部490の判定結果494に格納する。出力部450は、判定結果及び現在の水位を含む情報を外部装置6等に送信する。
ステップS27の処理を終えると、制御部460が、処理を続けるか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28において、制御部460は、例えば、故障危険度リスト491に登録された全ての圧力センサのなかにステップS21で選択していない圧力センサがある場合に、処理を続けると判定する。処理を続ける場合(ステップS28;YES)、制御部460は、ステップS21の圧力センサを選択する処理を行った後、情報収集部410、水位算出部420、第2の状態判定部440、及び出力部450にステップS22〜S27の処理を行わせる。そして、故障危険度リスト491に登録された全ての圧力センサが選択済みとなった場合等、処理を終了する場合(ステップS28;NO)、制御部460は、第2のセンサ状態判定処理を終了する。
第2のセンサ状態判定処理における晴天時判定処理(ステップS25)及び雨天時判定処理(ステップS26)は、第2の状態判定部440が行う。判定対象である圧力センサが設置された測定点の周囲で雨が降っていない場合、第2の状態判定部440は、晴天時判定処理として、図11のフローチャートに沿った処理を行う。
晴天時判定処理において、第2の状態判定部440は、まず、圧力センサが設置された測定点における現在の水位と過去の晴天時の水位とを比較する(ステップS2501)。ステップS2501において、第2の状態判定部440は、水位履歴493を参照し、判定対象である圧力センサが設置された測定点についての水位の履歴から、過去の晴天時の水位を抽出する。ここで、晴天時は、曇天等、雨が降っていない天気を含む。また、過去の晴天時の水位は、例えば、過去の直近の雨天時よりも更に過去となる晴天時の水位とする。
次に、第2の状態判定部440は、現在の水位と過去の晴天時の水位との差が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2502)。水位の差が閾値以上である場合(ステップS2503)、第2の状態判定部440は、ステップS21で選択した圧力センサが故障している可能性が高いと判定し(ステップS2503)、晴天時判定処理を終了する。一方、水位の差が閾値よりも小さい場合、第2の状態判定部440は、ステップS21で選択した圧力センサが故障している可能性は低いと判定し(ステップS2504)、晴天時判定処理を終了する。現在の水位と、直近の雨天時よりも更に過去となる晴天時の水位との差が大きい場合、水位の算出に用いる第1の圧力センサ201のセンサ値及び第2の圧力センサ202のセンサ値のうちのいずれか一方のセンサ値、或いは両方のセンサ値に誤りがある。ただし、水位の差から、第1の圧力センサと、第2の圧力センサとのどちらのセンサ値に誤りがあるかを特定することは難しい。このため、晴天時判定処理では、ステップS21で判定対象に選択した圧力センサが故障している可能性が高いか、低いかの判定を行う。このように、故障している可能性が高いか否かを判定して判定結果を出力するだけでも、圧力センサに異常が生じている場合に、早期に異常を把握することが可能となる。
また、判定対象である圧力センサが設置された測定点の周囲で雨が降っている場合、第2の状態判定部440は、雨天時判定処理として、図12のフローチャートに沿った処理を行う。
雨天時判定処理において、第2の状態判定部440は、まず、圧力センサが設置された測定点における現在の水位と、過去の同雨量時の水位とを比較する(ステップS2601)。ステップS2601において、第2の状態判定部440は、水位履歴493を参照し、判定対象である圧力センサが設置された測定点についての水位の履歴から、過去の同雨量時の水位を抽出する。ここで、同雨量時は、気象情報提供装置5から取得した単位時間毎の雨量が略同一となる雨天時を意味する。また、過去の同雨量時の水位は、例えば、過去の直近の晴天時よりも更に過去となる雨天時の水位とする。
次に、第2の状態判定部440は、現在の水位と過去の同雨量時の水位との差が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS2602)。水位の差が所定の範囲内である場合(ステップS2602;YES)、第2の状態判定部440は、ステップS21で選択した圧力センサは正常であると判定し(ステップS2603)、雨天時判定処理を終了する。一方、水位の差が所定の範囲を超えている場合(ステップS2602;NO)、第2の状態判定部440は、ステップS21で選択した圧力センサに異常があると判定する(ステップS2604)。この場合、第2の状態判定部440は、現在の水位を予測し(ステップS2605)、雨天時判定処理を終了する。現在の水位と、過去の同雨量時の水位との差が大きい場合、水位の算出に用いる第1の圧力センサ201のセンサ値及び第2の圧力センサ202のセンサ値のうちのいずれか一方のセンサ値、或いは両方のセンサ値に誤りがある。特に、2個の圧力センサのうちの、故障危険度リスト191に登録された圧力センサは、浸水の危険度に基づいて算出した故障危険度FRが高いため、浸水による故障等の異常が発生しやすい。このため、雨天時判定処理では、ステップS21で判定対象に選択した圧力センサが正常であるか否かの判定を行う。これにより、雨天時の浸水により故障危険度の高い圧力センサに異常が生じている場合に、早期に異常を把握することが可能となる。
例えば、図1の排水管路9に対する故障危険度リスト491(図3を参照)において故障危険度が最も高い圧力センサは、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201である。このため、第2のセンサ状態判定処理において、第2の状態判定部440は、まず、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201を、判定対象の圧力センサに選択する(ステップS21)。
その後、第2の状態判定部440は、測定点QBの周辺の気象情報に基づいて、晴天時判定処理、及び雨天時判定処理のいずれの処理を行うかを決定する(ステップS24)。測定点QBの周辺で雨が降っていない場合(ステップS24;NO)、第2の状態判定部440は、晴天時判定処理(ステップS25)を行うと決定する。一方、測定点QBの周囲で雨が降っている場合(ステップS24;YES)、第2の状態判定部440は、雨天時判定処理(ステップS26)を行うと決定する。
図13は、晴天時判定処理の具体例を説明する図である。
図13には、測定点QBにおける水位の時間変化142を示している。また、図13において、期間Rは雨が降っている期間であり、期間NR1,NR2は、雨が降っていない期間である。
図13の時刻T2に、管理装置4において第2のセンサ状態判定処理を行う場合、測定点QBの周辺では雨が降っていない。このため、時刻T2における第2のセンサ状態判定処理では、晴天時判定処理及び雨天時判定処理のうちの晴天時判定処理が行われる。この場合、第2の状態判定部440は、時刻T2の水位と比較する過去の晴天時の水位として、直近の雨が降っている期間Rよりも更に過去となる、雨が降っていない期間R1に含まれる時刻T1の水位を抽出する。すなわち、ステップS2501において、第2の状態判定部440は、時刻T2の水位と、時刻T1の水位とを比較する。
ここで、時刻T0以降、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常であるとすると、時刻T2の水位は、時刻T1の水位と略同一の値となる。
これに対し、時刻T1と時刻T2との間の雨が降っている期間Rにおける排水管内の水位の上昇により、測定点QBの圧力センサ201,202に異常が発生した場合、時刻T2の水位と時刻T1の水位との差が大きくなる。例えば、浸水の影響により第1の圧力センサ201で検出される圧力が実際の圧力よりも高くなっている場合、圧力センサのセンサ値に基づいて算出した時刻T2の水位は、時刻T1の水位よりも高くなる。したがって、晴天時における水位の差が閾値以上となる場合には圧力センサに異常が生じている、と判定することが可能となる。
図14は、雨天時判定処理の具体例を説明する図である。
図14には、図1の測定点QAの水位の時間変化141、測定点QBの水位の時間変化142、及び測定点QCの水位の時間変化143を示している。また、図14における期間R1と期間R2とは、それぞれ、各測定点において同雨量の雨が降っている期間を示している。
雨天時判定処理を行う場合、第2の状態判定部440は、図14の測定点QBの水位の時間変化142における現在の水位と、過去の同雨量時の水位とを比較する(ステップS2601)。測定点QBの水位の時間変化142において、現在の水位が期間R2内の水位1422である場合、第2の状態判定部440は、過去の水位として期間R1内の水位1421を抽出し、期間R2内の水位1422と、期間R1内の水位1421とを比較する。
ここで、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202がともに正常であるとすると、期間R2内の水位1422は、期間R1内の水位1421と略一致すると考えられる。これに対し、期間R1よりも後に、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202のいずれか一方の圧力センサ、或いは両方の圧力センサに異常が生じた場合、期間R2内の水位1422は、期間R1内の水位1421との差が大きくなる。
例えば、期間R1と、期間R2との間で雨量の異なる降雨が複数回あり、浸水による圧力センサの故障、異物の付着等が生じた場合、期間R2に第1のセンサ値及び第2のセンサ値に基づいて算出される水位は、排水管内の実際の水位とは異なる値となる。このため、期間R1及び期間R2の雨量が同雨量であっても、期間R2内の実線の水位1422のように、期間R1内の水位1421とは異なる時間変化を示す。したがって、期間R2内の水位1422と、期間R1内の水位1421との差が大きい場合には、測定点QBに設置した第1の圧力センサ201又は第2の圧力センサ202に異常が生じているといえる。更に、上記の第2のセンサ状態判定処理では、故障危険度リスト491において故障危険度の高い圧力センサが設置された測定点における水位の時間変化をみている。このため、測定点に設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202のうちの、故障危険度の高い圧力センサのほうが故障している可能性が高い。したがって、測定点QBの第1の圧力センサ201が判定対象として選択されている場合、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202のうちの、第1の圧力センサ201のほうが故障している可能性が高い。よって、水位の差が所定の範囲を超えている場合(S2602;NO)、第2の状態判定部440は、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201に異常があると判定する(ステップS2604)。
また、本実施形態に係る雨天時判定処理では、測定点QBに設置された第1の圧力センサ201に異常があると判定した場合には、測定点QBにおける水位の時間変化142のうちの、正しい水位を推定する処理(ステップS2605)を行う。例えば、測定点QBにおける雨が降っている期間R2に第1の圧力センサ201の異常を検出した場合、第2の状態判定部440は、ステップS2605において期間R2内の水位1422についての正しい水位を推定する。
期間R2内で第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常である場合、期間R2内での正しい水位1422の時間変化は、測定点QBにおける同雨量の期間R1内の水位1421の時間変化と略一致する。また、測定点QB、及び測定点QBの周囲に存在する他の測定点QA,QCのそれぞれに設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常である場合、測定点間での雨天時の水位の時間変化には少なからず相関がある。
例えば、測定点QA,QBのそれぞれに設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常である場合、測定点QAにおける水位の時間変化141と、測定点QBにおける水位の時間変化142との間には次のような相関があると考えられる。すなわち、雨が降っている期間R2における測定点QAの水位1412と、測定点QBの水位1422との関係は、過去の同雨量時の期間R1における測定点QAの水位1411と、測定点QBの水位1421との関係と類似している。また、測定点QBで水位の時間変化142における期間R2内の水位1422と期間R1内の水位1421との関係は、測定点QAでの水位の時間変化141における期間R2内の水位1412と期間R1内の水位1411との関係と類似している。
また、測定点QB,QCのそれぞれに設置された第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常である場合、測定点QCにおける水位の時間変化143と、測定点QBにおける水位の時間変化142との間には次のような相関があると考えられる。すなわち、雨が降っている期間R2における測定点QCの水位1432と、測定点QBの水位1422との関係は、過去の同雨量時の期間R1における測定点QCの水位1431と、測定点QBの水位1421との関係と類似している。また、測定点QBで水位の時間変化142における期間R2内の水位1422と期間R1内の水位1421との関係は、測定点QCでの水位の時間変化143における期間R2内の水位1432と期間R1内の水位1431との関係と類似している。
以上のような降雨時の水位の時間変化についての類似性に基づいて、第2の状態判定部440は、測定点QBでの水位の時間変化142における期間R2内の正しい水位(図14のに点線で示した水位)を推定する。
このように、第2のセンサ状態判定処理では、判定対象に選択された圧力センサが設置された測定点での水位の時間変化、当該測定点での水位の時間変化と他の測定点での水位の時間変化との関係等に基づいて、選択された圧力センサが正常であるか否かを判定する。
第1のセンサ状態判定処理では、測定点毎に、排水管内に設置した第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202のセンサ値を、地上に設置した第3の圧力センサ302のセンサ値と比較して、圧力センサ201,202が正常であるか否かを判定する。このため、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202に異常が生じている場合でも、1回の測定時における圧力差の関係が正常時の関係と類似していれば、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常であると判定される可能性がある。
一方、第2のセンサ状態判定処理では、上記のように、測定点での水位の時間変化における、天気が略同一である複数の期間での水位を比較して、測定点に設置された圧力センサが正常であるか否かを判定する。第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202に異常が生じている場合、1回の測定時における3個の圧力差の関係が正常時の関係と類似しても、圧力差から算出される水位は正常時の水位とは異なる値となる。このため、例えば、第1のセンサ状態判定処理において第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202の異常を発見できなかった場合にも、第2のセンサ状態判定処理により異常を検出することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る水位測定システム1では、地上(排水管の外側)に設置した第3の圧力センサ302で検出した気圧との比較により、排水管内に設置した第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常であるか否かの判定を行う。第3の圧力センサ302は、排水管の外側の空気中に設置されるため、排水管内に設置した圧力センサと比べて、異物が付着することによる異常や、腐食性ガスに曝されることによる異常が発生しにくい。そのため、本実施形態によれば、測定点毎に収集した圧力センサのセンサ値に基づいて、排水管内に設置された圧力センサの異常を早期に検出することが可能となる。
また、本実施形態に係る水位測定システム1では、各測定点における水位の時間変化に基づいて、排水管内の圧力センサが正常であるか否かの判定を行う。より具体的には、水位測定システム1は、現在の水位と、過去の水位のうちの、測定点の周辺における現在の天候と略同一の天候であるときの水位とを比較して、圧力センサが正常であるか否かを判定する。このため、排水管内の水位を測定するために排水管内に設置した圧力センサが浸水することによる故障、異物の付着による誤ったセンサ値の出力等の、圧力センサの異常を早期に検出することが可能となる。
また、本実施形態に係る水位測定システム1では、水位の時間変化に基づいて圧力センサの異常を検出した際に、誤った水位を算出した区間についての正しい水位を推定する処理(ステップS2605)を行う。この際、本実施形態に係る水位測定システム1では、現在の天候と略同一の天候である過去の測定期間における水位の時間変化等に基づいて、現在の水位を推定する。このため、本実施形態によれば、排水管内における水位の測定精度の低下を抑制することが可能となる。更に、雨天時に、圧力センサに異常が生じている測定点における現在の正しい水位を推定することにより、例えば、集中豪雨により排水管内の水位が短時間で急速に上昇する場合にも、推定した水位に基づいて浸水の危険性を早期に報知することが可能となる。
なお、図7のフローチャートは、本実施形態に係る第1のセンサ状態判定処理の一例に過ぎない。第1のセンサ状態判定処理では、例えば、第3の圧力センサ302に異常があると判定した場合に、気象情報提供装置5から取得した測定点の周辺における気圧に基づいて、第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202が正常であるか否かを判定してもよい。
また、図10のフローチャートは、本実施形態に係る第2のセンサ状態判定処理の一例に過ぎない。第2のセンサ状態判定処理では、例えば、一連の排水管路9に設置された全ての測定点(圧力センサ)に対してステップS22〜S27の処理を行ってもよい。また、例えば、晴天時判定処理は全ての測定点(圧力センサ)に対して行い、雨天時判定処理は故障危険度の高い圧力センサ(測定点)に絞って行うようにしてもよい。
また、図12のフローチャートは、本実施形態に係る雨天時判定処理の一例に過ぎない。雨天時判定処理は、例えば、水位を推定する処理(ステップS2605)が省略されていてもよい。
また、図1の水位測定システム1のシステム構成は、本実施形態に係る水位測定システム1のシステム構成の一例に過ぎない。水位測定システム1は、例えば、複数の測定点における第1の圧力センサ201及び第2の圧力センサ202のセンサ値(圧力情報)を取得して管理装置4に送信する中継器3を含むものであってもよい。この場合、管理装置4は、1個の中継器3に設けた第3の圧力センサ302を、複数の測定点のそれぞれにおける第3の圧力センサ302として、第1のセンサ状態判定処理を行う。
加えて、本実施形態で挙げた水位測定システム1は、雨水を回収して排水する(流通する)排水管路9に限らず、種々の液体を流通させる配管路における液位の測定に適用可能である。例えば、水位測定システム1は、化学プラントの敷地内に敷設された廃液回収用の配管路における配管内の液位の測定等に適用可能である。すなわち、図1の水位測定システム1は液位測定システムの一例であり、配管内で流通する液体が水以外の液体である場合、管理装置4の水位算出部420は、配管内で流通する液体の液位を算出する液位算出部として機能する。また、管理装置4の記憶部490に蓄積される水位履歴493は、配管内で流通する液体の液位を蓄積した液位履歴となる。更に、管理装置4の第2のセンサ状態判定部440は、測定点における液位の時間変化に基づいて、第1の圧力センサ201、第2の圧力センサ202、及び第3の圧力センサ302が正常であるか否かを判定する。
上記の実施形態に係る水位測定システム1の管理装置4は、コンピュータと、該コンピュータに実行させるプログラムとにより実現可能である。以下、図15を参照して、コンピュータとプログラムとにより実現される管理装置3について説明する。
図15は、コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
図15に示すように、コンピュータ20は、プロセッサ2001と、主記憶装置2002と、補助記憶装置2003と、入力装置2004と、出力装置2005と、入出力インタフェース2006と、通信制御装置2007と、媒体駆動装置2008と、を備える。コンピュータ20におけるこれらの要素2001〜2008は、バス2010により相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しが可能になっている。
プロセッサ2001は、Central Processing Unit(CPU)やMicro Processing Unit(MPU)等である。プロセッサ2001は、オペレーティングシステムを含む各種のプログラムを実行することにより、コンピュータ20の全体の動作を制御する。また、プロセッサ2001は、例えば、図7のフローチャートに沿った第1のセンサ状態判定処理、及び図10のフローチャートに沿った第2のセンサ状態判定処理を含む水位測定プログラムを実行する。
主記憶装置2002は、図示しないRead Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)を含む。主記憶装置2002のROMには、例えば、コンピュータ20の起動時にプロセッサ2001が読み出す所定の基本制御プログラム等が予め記録されている。一方、主記憶装置2002のRAMは、プロセッサ2001が、各種のプログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用する。主記憶装置2002のRAMは、例えば、故障危険度リスト491、センサ値履歴492、水位履歴493等の記憶に利用可能である。
補助記憶装置2003は、主記憶装置2002のRAMと比べて容量の大きい記憶装置であり、例えば、Hard Disk Drive(HDD)や、フラッシュメモリのような不揮発性メモリ(Solid State Drive(SSD)を含む)等である。補助記憶装置2003は、プロセッサ2001によって実行される各種のプログラムや各種のデータ等の記憶に利用可能である。補助記憶装置2003は、例えば、図7のフローチャートに沿った第1のセンサ状態判定処理、及び図10のフローチャートに沿った第2のセンサ状態判定処理を含む水位測定プログラムの記憶に利用可能である。また、補助記憶装置2003は、例えば、故障危険度リスト491、センサ値履歴492、水位履歴493、判定結果494等の記憶に利用可能である。
入力装置2004は、例えば、キーボード装置やタッチパネル装置等である。コンピュータ20のオペレータ(利用者)が入力装置2004に対して所定の操作を行うと、入力装置2004は、その操作内容に対応付けられている入力情報をプロセッサ2001に送信する。入力装置2004は、例えば、水位測定プログラムの実行開始命令の入力、故障危険度リスト491の入力、編集等に利用可能である。
出力装置2005は、例えば、液晶表示装置等の表示装置やプリンタ等の印刷装置である。出力装置2005は、コンピュータ20の動作状況、故障危険度リスト491、水位履歴493、判定結果494等の表示や印刷に利用可能である。
入出力インタフェース2006は、コンピュータ20と、他の電子機器とを接続する。入出力インタフェース2006は、例えば、Universal Serial Bus(USB)規格のコネクタを備える。
通信制御装置2007は、コンピュータ20をインターネット等のネットワークに接続し、ネットワークを介したコンピュータ20と他の通信機器との各種通信を制御する装置である。通信制御装置2007は、例えば、中継器3、気象情報提供装置5、及び外部装置6との通信に利用可能である。
媒体駆動装置2008は、可搬型記憶媒体21に記録されているプログラムやデータの読み出し、補助記憶装置2003に記憶されたデータ等の可搬型記憶媒体21への書き込みを行う。媒体駆動装置2008には、例えば、1種類又は複数種類の規格に対応したメモリカード用リーダ/ライタが利用可能である。媒体駆動装置2008としてメモリカード用リーダ/ライタを用いる場合、可搬型記憶媒体21としては、メモリカード用リーダ/ライタが対応している規格、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)等を利用可能である。また、可搬型記録媒体21としては、例えば、USB規格のコネクタを備えたフラッシュメモリ等が利用可能である。更に、コンピュータ20が媒体駆動装置2008として利用可能な光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識可能な各種の光ディスクを可搬型記録媒体21として利用可能である。可搬型記録媒体21として利用可能な光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(登録商標)等がある。可搬型記録媒体21は、例えば、図7のフローチャートに沿った第1のセンサ状態判定処理、及び図10のフローチャートに沿った第2のセンサ状態判定処理を含む水位測定プログラムの記憶に利用可能である。また、補助記憶装置2003は、例えば、故障危険度リスト491、センサ値履歴492、水位履歴493、判定結果494等の記憶に利用可能である。
コンピュータ20のオペレータが入力装置2004を利用して水位測定プログラムの実行開始命令をコンピュータ20に入力すると、プロセッサ2001が、補助記憶装置2003等の非一時的な記録媒体に記憶させた水位測定プログラムを読み出して実行する。水位測定プログラムを実行している間、コンピュータ20は、予め定められたスケジュールにしたがって、第1のセンサ状態判定処理、及び第2のセンサ状態判定処理を行う。第1のセンサ状態判定処理を実行している間、プロセッサ2001は、管理装置4における情報収集部410、第1の状態判定部430、及び制御部460として機能する(動作する)。また、第2のセンサ状態判定処理を実行している間、プロセッサ2001は、管理装置4における情報収集部410、水位算出部420、第2の状態判定部440、及び制御部460として機能する(動作する)。更に、水位を測定する処理を実行している間、プロセッサ2001は、管理装置4における情報収集部410、水位算出部420、及び制御部460として機能する。
また、プロセッサ2001が水位測定プログラムを実行している間、主記憶装置2002のRAMや補助記憶装置2003等は、故障危険度リスト491、センサ値履歴492、水位履歴493、及び判定結果494を含む各種情報を記憶する記憶部として機能する。
なお、管理装置4として動作させるコンピュータ20は、図15に示した全ての要素2001〜2008を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の要素を省略することも可能である。例えば、コンピュータ20は、入出力インタフェース2006や媒体駆動装置2008が省略されたものであってもよい。
以上記載した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した第1の圧力、前記配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した第2の圧力、及び前記配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した前記配管の外側の気圧を示す第3の圧力を収集する情報収集部と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力とに基づいて、前記測定点における液位を算出する液位算出部と、
前記第2の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する第1のセンサ状態判定部と、
を備えることを特徴とする液位測定システム。
(付記2)
前記第1のセンサ状態判定部は、前記第1の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第1の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の液位測定システム。
(付記3)
前記第1のセンサ状態判定部は、前記測定点における液位が前記第1の圧力センサにおける前記第1の圧力を検出する部分よりも低くなる条件を満たす状況下で、前記第1の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記2に記載の液位測定システム。
(付記4)
前記情報収集部は、更に、前記測定点の周辺の天候を含む気象情報を収集し、
前記第1のセンサ状態判定部は、前記測定点の周辺で雨が降っていない場合に、前記第1の圧力センサ及び前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記2に記載の液位測定システム。
(付記5)
前記情報収集部は、更に、前記第3の圧力センサとは別の外部装置から前記配管の外側の気圧を収集し、
前記第1のセンサ状態判定部は、前記別の外部装置から収集した前記気圧と前記第3の気圧との圧力差に基づいて、前記第3の圧力センサが正常であると判定した場合に、前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の液位測定システム。
(付記6)
前記情報収集部は、更に、前記測定点の周辺の天候を含む気象情報を収集し、
前記液位測定システムは、前記測定点での前記液位の時間変化における現在の液位と、現在の天候と対応する天候である過去の液位との差に基づいて、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する第2のセンサ状態判定部、
を更に備えることを特徴とする付記1に記載の液位測定システム。
(付記7)
前記第2のセンサ状態判定部は、前記配管路に設置した全ての圧力センサのうちの、前記測定点の地理的位置に応じた浸水の危険度、及び前記測定点における設置位置に応じた浸水の危険度に基づいて設定される故障危険度が高い圧力センサを選択し、選択した前記圧力センサが設置された測定点における液位の時間変化に基づいて、該測定点に設置された前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記6に記載の水位計測システム。
(付記7)
前記第2のセンサ状態判定部は、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常ではないと判定した場合に、前記過去の液位に基づいて前記現在の液位を推定する、
ことを特徴とする付記6に記載の液位測定システム。
(付記8)
前記配管路は、地中に埋設され、雨水を回収して排水する排水管路であり、
前記液位測定システムは、前記排水管路における排水管内と地上とを連通する複数の人孔部のそれぞれを測定点とし、各測定点における水位を測定するとともに、各測定点に設置した圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の液位測定システム。
(付記9)
前記第1の圧力センサ及び前記第2の圧力センサは、絶対圧力を検出する、
ことを特徴とする付記1に記載の液位測定システム。
(付記10)
コンピュータが、
液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した第1の圧力、前記配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した第2の圧力、及び前記配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した前記配管の外側の気圧を示す第3の圧力を収集し、
前記第1の圧力と前記第2の圧力とに基づいて、前記測定点における液位を算出し、
前記第2の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
処理を実行することを特徴とする液位測定方法。
(付記11)
前記コンピュータが、更に、前記測定点における前記液位の時間変化に基づいて、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
処理を実行することを特徴とする付記10に記載の液位測定方法。
(付記12)
前記コンピュータが、更に、前記測定点の周辺の天候を含む気象情報を収集する処理を実行し、
前記液位の時間変化に基づいて、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理において、前記コンピュータは、現在の水位と、現在の天候と対応する天候である過去の液位との差に基づいて、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする付記11に記載の液位測定方法。
(付記13)
前記液位の時間変化に基づいて、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する処理において、前記コンピュータは、前記測定点の地理的位置に応じた浸水の危険度、及び前記測定点における設置位置に応じた浸水の危険度に基づいて設定される故障危険度が高い圧力センサを選択し、選択した前記圧力センサが設置された前記測定点における前記液位の時間変化に基づいて、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
ことを特徴とする、付記11に記載の液位測定方法。
(付記14)
前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常ではないと判定した場合に、前記コンピュータが、前記過去の液位に基づいて前記現在の液位を推定する、
ことを特徴とする付記13に記載の液位測定方法。
(付記15)
液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した第1の圧力、前記配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した第2の圧力、及び前記配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した前記配管の外側の気圧を示す第3の圧力を収集し、
前記第1の圧力と前記第2の圧力とに基づいて、前記測定点における液位を算出し、
前記第2の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
処理をコンピュータに実行させる液位測定プログラム。
1 水位計測システム
2(2A〜2D) 測定装置
201 第1の圧力センサ
202 第2の圧力センサ
203 無線通信部
204 防水ケース
3(3A〜3D) 中継器
301 センサ値転送部
302 第3の圧力センサ
4 管理装置
410 情報収集部
420 水位算出部
430 第1の状態判定部
440 第2の状態判定部
450 出力部
460 制御部
490 記憶部
491 故障危険度リスト
5 気象情報提供装置
6 外部装置
7 ネットワーク
9 排水管路
901,902,903 排水管
915 人孔部
10 マンホール蓋
20 コンピュータ
2001 プロセッサ
2002 主記憶装置
2003 補助記憶装置
2004 入力装置
2005 出力装置
2006 入出力インタフェース
2007 通信制御装置
2008 媒体駆動装置
21 可搬型記録媒体

Claims (8)

  1. 液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した第1の圧力、前記配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した第2の圧力、及び前記配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した前記配管の外側の気圧を示す第3の圧力を収集する情報収集部と、
    前記第1の圧力と前記第2の圧力とに基づいて、前記測定点における液位を算出する液位算出部と、
    前記第2の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する第1のセンサ状態判定部と、
    を備えることを特徴とする液位測定システム。
  2. 前記第1のセンサ状態判定部は、更に、前記第1の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第1の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液位測定システム。
  3. 前記情報収集部は、更に、前記測定点の周辺の天候を含む気象情報を収集し、
    前記第1のセンサ状態判定部は、前記測定点の周辺で雨が降っていない場合に、前記第1の圧力センサ及び前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液位測定システム。
  4. 前記情報収集部は、更に、前記測定点の周辺の天候を含む気象情報を収集し、
    前記液位測定システムは、前記測定点での前記液位の時間変化における現在の液位と、現在の天候と対応する天候である過去の液位との差に基づいて、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する第2のセンサ状態判定部、を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液位測定システム。
  5. 前記第2のセンサ状態判定部は、前記配管路に設置した全ての圧力センサのうちの、前記測定点の地理的位置に応じた浸水の危険度、及び前記測定点における設置位置に応じた浸水の危険度に基づいて設定される故障危険度が高い圧力センサを選択し、選択した前記圧力センサが設置された測定点における液位の時間変化に基づいて、該測定点に設置された前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の水位計測システム。
  6. 前記第2のセンサ状態判定部は、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ、及び前記第3の圧力センサが正常ではないと判定した場合に、前記過去の液位に基づいて前記現在の液位を推定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の液位測定システム。
  7. コンピュータが、
    液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した第1の圧力、前記配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した第2の圧力、及び前記配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した前記配管の外側の気圧を示す第3の圧力を収集し、
    前記第1の圧力と前記第2の圧力とに基づいて、前記測定点における液位を算出し、
    前記第2の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
    処理を実行することを特徴とする液位測定方法。
  8. 液体を流通させる配管路に設定した複数の測定点のそれぞれにおける、配管内の底部に設置した第1の圧力センサで検出した第1の圧力、前記配管内の上部に設置した第2の圧力センサで検出した第2の圧力、及び前記配管の外側に設置した第3の圧力センサにより検出した前記配管の外側の気圧を示す第3の圧力を収集し、
    前記第1の圧力と前記第2の圧力とに基づいて、前記測定点における液位を算出し、
    前記第2の圧力と前記第3の圧力との圧力差に基づいて前記第2の圧力センサが正常であるか否かを判定する、
    処理をコンピュータに実行させる液位測定プログラム。
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