JP2018168632A - 軌道装置及びパネル体の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の施工工期や施工コストを低減することができる軌道装置及び該軌道装置を用いたパネル体の施工方法を提供する。
【解決手段】軌道装置10は、建物14の外周に沿って設置されるものであり、建物14の躯体24に固定されるファスナー18と、ファスナー18に着脱可能に取り付けられ、躯体24の外側に張り出した位置で建物14の外周に沿って設置されるレール部材20とを備える。レール部材20には、例えばカーテンウォールユニット16を吊り上げ可能なクレーン装置22が走行可能に装着される。
【選択図】図5

Description

本発明は、建物の外周に沿って設置される軌道装置及び該軌道装置を用いたパネル体の施工方法に関する。
オフィスビル等の建物の外壁には、非耐力壁であるカーテンウォールが広く用いられている。カーテンウォールの施工においては、工場で組み立てたユニット(カーテンウォールユニット)を施工現場で上下左右に並べて組み付ける方法がある。このユニットを用いた方法により、現場作業が低減され、施工工期や施工コストを削減することができる。
従来、カーテンウォールユニットを建物の躯体に取り付ける際は、タワークレーンでユニットを吊り上げる方法、フロアに設置したミニクレーンでユニットを吊り上げる方法、躯体から外側に大きく張り出させた位置に設けたテルハクレーンで吊り上げる方法等、各種の施工方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2008−280708号公報
上記従来技術では、ミニクレーンの建物内への運び入れやテルハクレーンの躯体への固定に手間がかかる。またタワークレーンは、当該建物の他の作業にも利用する必要があるため、カーテンウォールの施工に専有することは難しい。その結果、これら従来の施工方法では、カーテンウォールの施工工期や施工コストの削減は限定的なものとなる。そしてこのような問題は、カーテンウォール以外の各種パネル体等を建物の外壁面に設置する際にも同様に起こり得る。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、建物の施工工期や施工コストを低減することができる軌道装置及び該軌道装置を用いたパネル体の施工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る軌道装置は、建物の外周に沿って設置される軌道装置であって、前記建物の躯体に固定されるファスナーと、前記ファスナーに着脱可能に取り付けられ、前記躯体の外側に張り出した位置で前記建物の外周に沿って設置されるレール部材とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、例えばフロアに搬入したレール部材を人手等によって躯体に固定したファスナーに取り付けるだけで建物の外周に軌道装置が設置される。このため、この軌道装置を用いてカーテンウォール等の外壁設置部材を建物の外周に容易に施工することができる。その結果、建物の施工工期や施工コストを低減することができる。しかも当該軌道装置は、その使用後にファスナーからレール部材を取り外すことで、残ったファスナーをカーテンウォール等の取付用として再利用でき、汎用性が高い。
本発明に係る軌道装置において、前記レール部材は、前記ファスナーに着脱可能に取り付けられるファスナー取付部と、前記ファスナー取付部の外側に設けられ、クレーン装置が走行可能に装着される走行レール部とを有する構成であってもよい。そうすると、ファスナーを用いてレール部材を容易に躯体の外側に取り付けることができる。
本発明に係る軌道装置において、前記レール部材は、前記建物の外周に沿って複数本が連結して用いられ、前記ファスナー取付部は、前記レール部材の前記ファスナーに対する取付位置を上下方向に調整する位置調整機構を有する構成であってもよい。そうすると、互いに連結される各レール部材のファスナーに対する取付位置を調整できる。その結果、各ファスナーが固定される躯体の施工誤差等により、各レール部材間の連結部で段差を生じ、この段差でクレーン装置が走行不良等を生じることを防止できる。このため、クレーン装置の円滑な走行が可能となる。
本発明に係る軌道装置において、前記レール部材は、その長手方向に沿って延在するポケット部を有し、前記レール部材は、前記建物の外周に沿って複数本が連結して用いられると共に、隣接するレール部材間の連結部には、互いの前記ポケット部間に亘って連結部材が嵌挿される構成であってもよい。そうすると、互いに隣接するレール部材間での段差や位置ずれの発生をより確実に防止できる。
本発明に係るパネル体の施工方法は、上下方向に複数フロアを設けた建物の外壁面に設けられるパネル体の施工方法であって、前記建物の所定フロアの躯体にファスナーを固定する第1工程と、前記ファスナーに対してレール部材を着脱可能に取り付けることで、該レール部材を前記躯体の外側に張り出した位置で前記建物の外周に沿って設置する第2工程と、前記レール部材に対してクレーン装置を走行可能に装着する第3工程と、前記クレーン装置によって前記パネル体を吊り上げ、該吊り上げたパネル体を前記レール部材に沿って移動させる第4工程と、前記レール部材に沿って移動させたパネル体を、前記レール部材を取り付けたファスナーが設置されたフロアより下のフロアの躯体に固定したファスナーに対して取り付けることで、前記パネル体を前記外壁面として設置する第5工程とを有することを特徴とする。
このような方法によれば、パネル体の取付用のファスナーに設置したレール部材を用いて、クレーン装置を建物の外周に沿って走行させることができる。このため、パネル体の施工に際してミニクレーンの建物内への運び入れやテルハクレーンのような大型クレーンの躯体への設置が不要である。また、パネル体の施工にタワークレーン等を専有する必要もない。その結果、パネル体の施工工期や施工コストを低減でき、建物全体での施工工期や施工コストを低減することができる。しかも、レール部材の使用後にはファスナーからレール部材を取り外すことで、残ったファスナーをパネル体の取付用として再利用でき、汎用性が高い。
本発明に係るパネル体の施工方法において、前記第4工程よりも前に、前記レール部材を取り付けたファスナーが設置されたフロアより下のフロアの躯体に対し、該躯体から外側に張り出すように構台を設置しておき、前記第4工程では、前記パネル体を前記構台に載置した後、該構台に載置したパネル体を前記クレーン装置によって吊り上げてもよい。そうすると、パネル体をクレーン装置によって一層容易に吊り上げることができる。
本発明に係るパネル体の施工方法において、前記建物の外壁面は、複数のカーテンウォールユニットを並べたカーテンウォールで構成され、前記パネル体は、前記カーテンウォールユニットであってもよい。そうすると、カーテンウォールを短工期で且つ低コストで施工できる。
本発明によれば、建物の施工工期や施工コストを低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る軌道装置を用いてカーテンウォールによる外壁面を施工した建物の斜視図である。 図2は、図1に示す建物の施工時の一状態を模式的に示す平面図である。 図3は、躯体の外周に沿って軌道装置を設置する状態を示す斜視図である。 図4は、躯体の外周に沿って軌道装置を設置した状態を模式的に示す正面図である。 図5は、建物の正面側に配置された軌道装置の縦断面図である。 図6は、軌道装置を用いたカーテンウォールの施工方法の一手順を示すフローチャートである。 図7は、クレーン装置でカーテンウォールユニットを吊り上げた状態を示す説明図である。 図8は、建物のコーナー部でのカーテンウォールユニットの搬送方法の一例を示す説明図である。
以下、本発明に係る軌道装置について、この装置を用いたパネル体の施工方法を例示して好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る軌道装置10を用いてカーテンウォール12による外壁面を施工した建物14の斜視図である。図2は、図1に示す建物14の施工時の一状態を模式的に示す平面図である。本実施形態の軌道装置10は建物14の施工時に使用するものであり、図1に示す完成後の建物14では本来取り外されている。そこで、図1では、建物14の施工時での軌道装置10の設置位置の一例を2点鎖線で示している。
図1に示すように、建物14は、外壁面がカーテンウォール12で構成されている。本実施形態の場合、軌道装置10を利用してカーテンウォール12を施工する建物14として、12階建ての中規模オフィスビルを例示する。軌道装置10は各種規模や用途のビルに利用できる。
本実施形態の場合、カーテンウォール12は、複数のカーテンウォールユニット16(以下、単に「ユニット16」ともいう)を上下左右に並べた構造(ユニット構造)である。各ユニット16は、建物14の各フロアの居室空間に対応するビジョン部16aと、各フロア間の床下及び天井となる境界部分に対応するスパンドレル部16bとを矩形の枠体16cの内側に保持した構造である。
図1及び図2に示すように、軌道装置10は、建物14のカーテンウォール12が設置される外面の外周に沿って設置される。本実施形態では、建物14の四周外面にカーテンウォール12を設置する。このため、軌道装置10は建物14の四周を水平方向に囲んで設けられる。
以下、図1中で左側を向いた幅広な外面を正面とし、建物14を正面から見て手前側を前、奥側を後、上方を上、下方を下、左方を左、右方を右、と呼び、前後方向を矢印Zで示し、上下方向を矢印Yで示し、左右方向を矢印Xで示す。また、建物14の外側とは各フロアから見て室外側を示し、内側とは各フロアから見て室内側を示す。
図3は、躯体24の外周に沿って軌道装置10を設置する状態を示す斜視図である。図4は、躯体24の外周に沿って軌道装置10を設置した状態を模式的に示す正面図である。図5は、建物14の正面側に配置された軌道装置10の縦断面図である。
図2〜図5に示すように、軌道装置10は、ファスナー18と、レール部材20とを備える。レール部材20には、クレーン装置22が走行可能に装着される。図3〜図5は、建物14の前側(図2中で下側)に配置された軌道装置10の構成を代表的に図示しているが、後側及び左右両側の軌道装置10も取付方向等が異なる以外は基本的に同一構造である。
ファスナー18は、建物14の床スラブとなる躯体24の外周縁部上面に固定される。ファスナー18は、躯体24の外周縁部に沿って所定間隔で複数が並設される。ファスナー18は、レール部材20を躯体24に対して着脱可能に取り付けるためのブラケットである。本実施形態の場合、ファスナー18は、ユニット16を躯体24に対して取付固定するためのブラケットでもある。つまり軌道装置10は、ユニット16の取付用のファスナー18を、ユニット16の取付前にレール部材20の取付用として利用する。
ファスナー18は、断面L字状に形成され、躯体24の外周縁部に沿う方向にある程度の長さ寸法を持った金属部品である。図5に示すように、ファスナー18は、躯体24に固定される固定板28と、レール部材20が取付固定される取付板29とを有する。
固定板28は、躯体24の上面で水平方向に沿って配置される。固定板28には、躯体24の室内外に向かう方向(図5ではZ方向)に延びた長孔である固定孔28aが設けられている。固定孔28aには、ファスナー18と躯体24との間を締結固定する固定ボルト30が挿通される。固定ボルト30のねじ部を躯体24の貫通孔から固定孔28aに挿通させ、固定板28に対してナット30aを用いて締結する。これによりファスナー18が躯体24に締結固定される。この際、ファスナー18は、取付板29が躯体24の外周端面から外側に僅かに張り出した位置に設置される(図5参照)。
取付板29は、固定板28の外側端部から屈曲して上方に起立し、鉛直方向に沿って配置される。取付板29には、上下方向に延びた長孔である取付孔29aが設けられている。取付孔29aは、ファスナー18の長手方向である建物14の外周に沿う方向で例えば一対設けられている。取付孔29aには、ファスナー18とレール部材20との間を締結固定する取付ボルト31が挿通される。取付板29の上端面には、室内側に向かって水平に延びた受け板32が固定されている。
レール部材20は、躯体24の外周縁部に沿って延在する金属レールである。レール部材20は、例えば隣接するファスナー18,18間のピッチ程度の長さ寸法に設定される。レール部材20は、複数本を並べて連結されることで建物14の外周縁部に沿って延在する。図5に示すように、レール部材20は、ファスナー18に着脱可能に取り付けられるファスナー取付部34と、ファスナー取付部34の外側に設けられ、クレーン装置22が走行可能に装着される走行レール部36とを有する。
ファスナー取付部34は、締結部38と、位置調整機構40とを有する。
締結部38は、走行レール部36の側部に設けられ、ファスナー18の取付板29と締結固定される部分である。本実施形態の場合、締結部38は、取付板29に向かって水平方向に膨出した略台形形状に構成され、取付板29に対して平面或いは曲面で当接する。締結部38の内部には、取付ボルト31の頭部を収容保持可能な穴部38aが設けられている。穴部38aに頭部が保持された取付ボルト31のねじ部をファスナー18の取付孔29aに挿通させ、取付板29に対してナット31aを用いて締結する。これによりレール部材20は、躯体24の外側に張り出した位置で躯体24の外周端面に沿った状態でファスナー18と締結固定される。
位置調整機構40は、ファスナー18の受け板32を覆うカバー形状部41と、カバー形状部41に上下方向に沿って設けられた調整ボルト42とを有する。
カバー形状部41は、締結部38の上部から鉛直上方に延びた後、ファスナー18の受け板32を覆うようにファスナー18側へと水平方向に屈曲し、さらに下方へと屈曲したフック形状である。カバー形状部41は、受け板32の上方を覆う部分に貫通孔41aが設けられると共に、貫通孔41aの下方には裏板41bを保持している。裏板41bには、雌ねじ孔41cが貫通形成されている。調整ボルト42は、ねじ部の最上位置にナット42aが螺合され、ナット42aより先端側のねじ部が貫通孔41a及び雌ねじ孔41cを通して受け板32の上面に着地する。位置調整機構40では、取付ボルト31を緩めた状態で調整ボルト42を雌ねじ孔41cに対して所望位置まで螺回させる。これにより、裏板41bと受け板32との間の上下方向間隔、つまりファスナー18に対するレール部材20の上下方向位置が調整される。そこで、今度はナット42aを締め付けることで、裏板41bとナット42aとの間にカバー形状部41が締結固定される。そこで、取付ボルト31を締め付ける。その結果、レール部材20は調整ボルト42によって調整した上下方向位置で固定される。
走行レール部36は、レール部材20の長手方向に延在した下向き略U字形状に構成されている。走行レール部36は、下面の開口部36aの両縁部にそれぞれ水平方向の走行面36bが設けられている。クレーン装置22は、一対の車輪22a,22aがそれぞれ一対の走行面36b,36bを転動することで、レール部材20の長手方向に沿って走行可能である。走行レール部36の上面には、レール部材20の長手方向に沿って延在し、上面が開口したポケット部44が設けられている。
図3及び図4に示すように、レール部材20は、建物14の外周に沿って複数本が連結して用いられる。本実施形態の場合、互いに隣接するレール部材20,20間の連結部45では、それぞれのレール部材20が1つのファスナー18を共用する。つまり、1つのファスナー18の長手方向一半部に設けられた取付孔29aに一方のレール部材20が取り付けられ、長手方向他半部に設けられた取付孔29aに他方のレール部材20が取り付けられる。建物14のコーナー部では、例えば互いに直交配置されるレール部材20,20の端部間にブロック状のコーナー部品46が連結される(図2参照)。
また、連結部45では、互いに隣接するレール部材20,20のポケット部44に亘って連結部材48が嵌挿される。連結部材48は、例えばファスナー18と同等程度の長さ寸法を有した板状或いは棒状の金属部品である。連結部材48は、隣接するレール部材20,20の突当端部同士の上下左右前後方向位置を合わせるための位置決め部品である。
クレーン装置22は、走行レール部36に車輪22aが載置された状態で、開口部36aを通して昇降部22bが垂下される。昇降部22bの先端にはフック22cが設けられる。本実施形態の場合、クレーン装置22は、少なくとも1枚のユニット16を吊り上げ及び吊り下げ可能な能力を有する。
次に、軌道装置10を用いたカーテンウォール12の施工方法の一手順を説明する。図6は、軌道装置10を用いたカーテンウォール12の施工方法の一手順を示すフローチャートである。図7は、クレーン装置22でカーテンウォールユニット16を吊り上げた状態を示す説明図である。図8は、建物14のコーナー部でのカーテンウォールユニット16の搬送方法の一例を示す説明図である。
カーテンウォール12を施工する場合は、先ず、図6中のステップS1においてファスナー18を設置する。ファスナー18は、躯体24に固定ボルト30を用いて固定され、カーテンウォール12で外壁面を構成する建物14の外面に沿って各フロアに設置される。
ステップS2では、ステップS1で固定した各ファスナー18にレール部材20を取り付ける。レール部材20は、ファスナー18の取付板29に取付ボルト31を用いて取り付けられる。この際、位置調整機構40の調整ボルト42を調整することで、隣接するレール部材20,20間の突当端部間の位置を容易に合わせることができる。また、各レール部材20,20間の連結部45には、連結部材48が嵌挿される。レール部材20は、装着されるクレーン装置22の能力にもよるが、例えば図1に示す12階建てのビルでは、5階前後と10階前後の所定フロアの躯体24にそれぞれ設置される。
なお、レール部材20は、例えば隣接するファスナー18,18間のピッチ程度の長さ寸法に抑えた小型構造である。このため、フロアの作業者が人手によって容易に持ち運び、別途クレーンを用いることなく設置可能である。
ステップS3では、ステップS2で設置したレール部材20にクレーン装置22を装着する。本実施形態では、建物14の外周四面にカーテンウォール12を設置する。このため、図2に示すように、建物14の四周外面にそれぞれレール部材20を複数本ずつ連結して設置し、各外面間のコーナー部にはコーナー部品46を設ける。そして、各外面に沿うレール部材20に対してそれぞれクレーン装置22を装着する。従って、本実施形態では、合計4台のクレーン装置22を設置している(図2参照)。なお、建物14のコーナー部にコーナー部品46に代えて湾曲形状のレール部材を設置し、1台又は2台程度のクレーン装置22で建物14の外面四周を担う構成としてもよい。
ステップS4では、荷取構台50をレール部材20より下の所定フロアに設置する(図2及び図7参照)。荷取構台50は、少なくとも1枚のユニット16を平置き可能な形状と耐荷重を持った構台である。荷取構台50は、躯体24の外側にユニット16が完全に張り出した位置に載置できるように、躯体24から大きく張り出して設置される。
ステップS5では、建物14の下方にトラック等で搬入したユニット16をクレーン装置22で吊り上げて荷取構台50上に載置し、これを荷取構台50を設置したフロアの床上まで搬入する。フロア内に搬入されたユニット16は、建物14の室外側に配置されるアウター面16dが上向きで、室内側に配置されるインナー面16eが下向きとなるように平置きされる(図2及び図7参照)。
ステップS6では、フロア内に平置きしたユニット16を荷取構台50上に載置する。この際、荷取構台50上に載置されたユニット16は、アウター面16dが上面でインナー面16eが下面とされる。さらにユニット16は、下になるビジョン部16aが躯体24から遠く、上になるスパンドレル部16bが躯体24に近い位置に配置される。
ステップS7では、図7に示すように荷取構台50上に載置したユニット16の上方にクレーン装置22を配置し、クレーン装置22のフック22cをスパンドレル部16b側の端部に引っ掛けてユニット16を吊り上げる。そうすると、ユニット16は外壁面を構成する姿勢、つまりアウター面16dが室外側を向き、インナー面16eが室内側を向き、スパンドレル部16bが上で、ビジョン部16aが下になった姿勢で空中に吊り上げられる。
ステップS8では、クレーン装置22をレール部材20に沿って走行させ、ステップS7で吊り上げたユニット16を建物14の外周に沿って所定の設置位置まで水平移動させる。この際、建物14のコーナー部では一方のクレーン装置22で吊っているユニット16をコーナー部品46を挟んだ他方のクレーン装置22に吊り替える(図8参照)。これにより、建物14の一外面に設置した荷取構台50から吊り上げたユニット16を建物14の所望の外面まで円滑に移動させることができる。
ステップS9では、クレーン装置22で吊っているユニット16を吊り降ろして、所定のフロアのファスナー18に対して取付固定する。そして、上記したステップS6〜S9の作業を適宜繰り返すことにより、カーテンウォール12で建物14の外壁面を構成できる。
なお、例えば5階フロアに設置した軌道装置10を用いることで、例えば2〜4階フロアにカーテンウォール12を施工できる。同様に、10階フロアに設置した軌道装置10を用いることで、例えば5〜9階フロアにカーテンウォール12を施工できる。つまり、本実施形態の構成では、10階より下のフロアのカーテンウォール12は、軌道装置10を用いてユニット16の設置が可能であるが、軌道装置10は10階以上のフロアには利用できない。そこで、これら10階以上のフロアには、例えば建物14に設置しているタワークレーン等を利用してユニット16を設置すればよい。この場合、建物14に設置されたタワークレーンを使用する必要があるが、その使用期間は限定的であり、他の工事を邪魔することはほとんどない。
以上のように、本実施形態に係る軌道装置10は、建物14の外周に沿って設置されるものであり、建物14の躯体24に固定されるファスナー18と、ファスナー18に着脱可能に取り付けられ、躯体24の外側に張り出した位置で建物14の外周に沿って設置されるレール部材20とを備える。
このように当該軌道装置10は、建物14の躯体24に固定されるファスナー18に対してレール部材20を着脱可能に取り付けた構成である。このため、当該軌道装置10は、例えばフロアに搬入したレール部材20を人手等によってファスナー18に取り付けるだけで建物14の外周に設置できる。このため、この軌道装置10を用いてカーテンウォール12等の外壁設置部材を建物14の外周に容易に施工することができる。その結果、建物14の施工工期や施工コストを低減することができる。しかも軌道装置10は、その使用後にファスナー18からレール部材20を取り外すことで、残ったファスナー18をカーテンウォール12等の取付用として再利用でき、汎用性が高い。換言すれば、当該軌道装置10は、カーテンウォール12等の取付用として躯体24に予め設置されたファスナー18を利用してレール部材20を取り付けることで、建物14の外周に容易にレール部材20を設置できる。
当該軌道装置10では、レール部材20は、ファスナー18に着脱可能に取り付けられるファスナー取付部34と、ファスナー取付部34の外側に設けられ、クレーン装置22が走行可能に装着される走行レール部36とを有する。これにより、ファスナー18を用いてレール部材20を容易に躯体24の外側に取り付けることができる。
当該軌道装置10では、レール部材20は、建物14の外周に沿って複数本が連結して用いられるものであり、ファスナー取付部34は、レール部材20のファスナー18に対する取付位置を上下方向に調整する位置調整機構40を有する。このため、互いに連結される各レール部材20のファスナー18に対する取付位置を調整できる。その結果、各ファスナー18が固定される躯体24の施工誤差等により、各レール部材20間の連結部45で段差を生じ、この段差でクレーン装置22が走行不良等を生じることを防止できる。このため、クレーン装置22の円滑な走行が可能となる。
当該軌道装置10は、レール部材20は、その長手方向に沿って延在するポケット部44を有し、レール部材20は、建物14の外周に沿って複数本が連結して用いられると共に、隣接するレール部材20,20間の連結部には、互いのポケット部44,44間に亘って連結部材48が嵌挿される。これにより、互いに隣接するレール部材20,20間での段差や位置ずれの発生をより確実に防止できる。
本実施形態に係るパネル体の施工方法は、上下方向に複数フロアを設けた建物14の外壁面に設けられるパネル体であるカーテンウォールユニット16の施工方法である。この施工方法は、建物14の所定フロアの躯体24にファスナー18を固定する第1工程(ステップS1)と、ファスナー18に対してレール部材20を着脱可能に取り付けることで、レール部材20を躯体24の外側に張り出した位置で建物14の外周に沿って設置する第2工程(ステップS2)と、レール部材20に対してクレーン装置22を走行可能に装着する第3工程(ステップS3)と、クレーン装置22によってユニット16を吊り上げ、吊り上げたユニット16をレール部材20に沿って移動させる第4工程(ステップS7,S8)と、レール部材20に沿って移動させたユニット16を、レール部材20を取り付けたファスナー18が設置されたフロアより下のフロアの躯体24に固定したファスナー18に対して取り付けることで、ユニット16を外壁面として設置する第5工程(ステップS9)とを有する。
従って、当該施工方法では、ユニット16の取付用のファスナー18に設置したレール部材20を用いて、クレーン装置22を建物14の外周に沿って走行させることができる。このため、ユニット16の施工に際してミニクレーンの建物14内への運び入れやテルハクレーンのような大型クレーンの躯体24への設置が不要である。また、ユニット16の施工にタワークレーン等を専有する必要もない。その結果、ユニット16の施工工期や施工コストを低減でき、建物14全体での施工工期や施工コストを低減することができる。しかも、レール部材20の使用後にはファスナー18からレール部材20を取り外すことで、残ったファスナー18をユニット16の取付用として再利用でき、汎用性が高い。換言すれば、当該施工方法は、カーテンウォール12等の取付用として躯体24に予め設置されたファスナー18を利用してクレーン装置22を走行させるレール部材20を設置し、このレール部材20を利用してユニット16を施工することができる。
当該施工方法では、上記した第4工程よりも前に、レール部材20を取り付けたファスナー18が設置されたフロアより下のフロアの躯体24に対し、該躯体24から外側に張り出すように荷取構台50を設置しておき、第4工程では、ユニット16を荷取構台50に載置した後、該載置したユニット16をクレーン装置22によって吊り上げる。これにより、ユニット16をクレーン装置22によって一層容易に吊り上げることができる。この際、荷取構台50上に載置するユニット16は、アウター面16dが上面でインナー面16eが下面として平置きすると同時に、ビジョン部16aが躯体24から遠く、スパンドレル部16bが躯体24に近い位置となる姿勢とするとよい。そうすると、クレーン装置22でスパンドレル部16b側の端部を持ち上げるだけで、ユニット16が所定の施工姿勢となる。このため、吊り上げ後にユニット16を反転させる動作等が不要となる。
このようなユニット16の施工では荷取構台50を用いなくてもよい。この場合は、クレーン装置22でユニット16を吊上げた後にアウター面16dとインナー面16eを空中で反転させるか、或いはフロアへの平置き時にインナー面16eを上向きでアウター面16dを下向きとしておけばよい。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
上記実施形態では、軌道装置10をカーテンウォール12の施工に用いる構成を例示したが、軌道装置10は例えば装飾用等の各種パネル体の施工にも利用できる。
10 軌道装置、12 カーテンウォール、14 建物、16 カーテンウォールユニット、18 ファスナー、20 レール部材、22 クレーン装置、24 躯体、34 ファスナー取付部、36 走行レール部、38 締結部、40 位置調整機構、44 ポケット部、45 連結部、48 連結部材、50 荷取構台

Claims (7)

  1. 建物の外周に沿って設置される軌道装置であって、
    前記建物の躯体に固定されるファスナーと、
    前記ファスナーに着脱可能に取り付けられ、前記躯体の外側に張り出した位置で前記建物の外周に沿って設置されるレール部材と、
    を備えることを特徴とする軌道装置。
  2. 請求項1に記載の軌道装置において、
    前記レール部材は、前記ファスナーに着脱可能に取り付けられるファスナー取付部と、
    前記ファスナー取付部の外側に設けられ、クレーン装置が走行可能に装着される走行レール部とを有することを特徴とする軌道装置。
  3. 請求項2に記載の軌道装置において、
    前記レール部材は、前記建物の外周に沿って複数本が連結して用いられ、
    前記ファスナー取付部は、前記レール部材の前記ファスナーに対する取付位置を上下方向に調整する位置調整機構を有することを特徴とする軌道装置。
  4. 請求項2又は3に記載の軌道装置において、
    前記レール部材は、その長手方向に沿って延在するポケット部を有し、
    前記レール部材は、前記建物の外周に沿って複数本が連結して用いられると共に、隣接するレール部材間の連結部には、互いの前記ポケット部間に亘って連結部材が嵌挿されることを特徴とする軌道装置。
  5. 上下方向に複数フロアを設けた建物の外壁面に設けられるパネル体の施工方法であって、
    前記建物の所定フロアの躯体にファスナーを固定する第1工程と、
    前記ファスナーに対してレール部材を着脱可能に取り付けることで、該レール部材を前記躯体の外側に張り出した位置で前記建物の外周に沿って設置する第2工程と、
    前記レール部材に対してクレーン装置を走行可能に装着する第3工程と、
    前記クレーン装置によって前記パネル体を吊り上げ、該吊り上げたパネル体を前記レール部材に沿って移動させる第4工程と、
    前記レール部材に沿って移動させたパネル体を、前記レール部材を取り付けたファスナーが設置されたフロアより下のフロアの躯体に固定したファスナーに対して取り付けることで、前記パネル体を前記外壁面として設置する第5工程と、
    を有することを特徴とするパネル体の施工方法。
  6. 請求項5に記載のパネル体の施工方法において、
    前記第4工程よりも前に、前記レール部材を取り付けたファスナーが設置されたフロアより下のフロアの躯体に対し、該躯体から外側に張り出すように構台を設置しておき、
    前記第4工程では、前記パネル体を前記構台に載置した後、該構台に載置したパネル体を前記クレーン装置によって吊り上げることを特徴とするパネル体の施工方法。
  7. 請求項5又は6に記載のパネル体の施工方法において、
    前記建物の外壁面は、複数のカーテンウォールユニットを並べたカーテンウォールで構成され、
    前記パネル体は、前記カーテンウォールユニットであることを特徴とするパネル体の施工方法。
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