JP2018168103A - グルタチオン含有組成物の製造方法 - Google Patents

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【課題】グルタチオンを含有する粒状組成物の製造における、材料の結合力の著しい上昇が抑制された、製造効率に優れた方法の提供。【解決手段】結晶形態のグルタチオンを含む固体成分に対して液体バインダーを添加して造粒する粒状組成物の製造方法。該固体成分中に含まれるグルタチオンの結晶化度は20%以上であり、該液体バインダーは、水又は水を溶媒とする水溶液であり、該固体成分が、更に結合剤を含むことができ、造粒方法が、攪拌造粒、転動造粒、押出し造粒のいずれかであり、粒状組成物の平均粒径が50〜5000μmである、粒状組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、グルタチオンを含有する粒状組成物に関する。
グルタチオンは、L−システイン、L−グルタミン酸、グリシンの3つのアミノ酸から成るペプチドで、人体だけでなく、他の動物や植物、微生物など多くの生体内に存在し、活性酸素の消去作用、解毒作用、アミノ酸代謝など、生体にとって重要な化合物である。
グルタチオンは生体内で、L−システイン残基のチオール基が還元されたSHの形態である還元型グルタチオン(N−(N−γ−L−グルタミル−L−システイニル)グリシン、以下「GSH」と称することがある)と、2分子のGSHのL−システイン残基のチオール基が酸化されグルタチオン2分子間でジスルフィド結合を形成した形態である酸化型グルタチオン(以下「GSSG」と称することがある)とのいずれかの形態で存在する。
GSSGは肥料、医薬品、化粧品などの分野で有用であり、それぞれの用途に適した形態の組成物への加工技術が知られている。特許文献1には、活性成分としてグルタチオンを含む顆粒について、攪拌造粒、転動造粒においては混合物に精製水等を添加して行うことが記載されている。また、特許文献2には、グルタチオンの粉末は、吸湿性および安全性等の面から非結晶アモルファスではなく、結晶性粉末が好ましいことが記載されており、流動性、充填性、打錠性および溶解容易性に優れたグルタチオンの結晶の製造方法が開示されている。
国際公開WO2001/072285 国際公開WO2008/047792
グルタチオンを含む材料(固体成分)を、水などの液体バインダーを添加しながら造粒する場合、材料の結合力(べたつき)が著しく高まり、造粒中に材料が装置に付着したり、造粒物の粒径が大きくなることで所望の粒径の造粒物を得られなかったりすることがある。装置に材料が付着すると清掃などを頻繁に行う必要があり、また、所望の粒径をはずれた粒径の大きな造粒物の割合が多くなると、解砕等のリサイクル作業の負荷が高まり、製造効率が低下する。
特許文献1には、活性成分としてグルタチオンを含む顆粒について記載されているが、造粒における製造効率に関しては記載されておらず、当然ながら製造効率を向上させるための手段は提案されていない。特許文献2では、グルタチオンの結晶およびそれを含有する錠剤の製造方法が示されているが、液体バインダーを添加してグルタチオンを含有する粒状組成物を造粒する方法については提案されていない。
そこで、本発明の課題は、グルタチオンを含有する粒状組成物の製造において、材料の結合力の著しい上昇が抑制された、製造効率に優れた方法を提供することである。
本発明者らはグルタチオンを含有する粒状組成物を製造する際に、グルタチオンとして結晶形態のグルタチオンを含めることで材料の結合力の著しい上昇が抑制されるという知見を見出し、本発明を完成するに至った。本明細書では以下の発明を開示する。
(1)グルタチオンを含有する粒状組成物の製造方法であって、結晶形態のグルタチオンを含む固体成分に対して液体バインダーを添加して造粒する、粒状組成物の製造方法。
(2)前記固体成分中に含まれるグルタチオンの結晶化度は20%以上である、(1)に記載の製造方法。
(3)前記固体成分は、結合剤を更に含む、(2)に記載の製造方法。
(4)液体バインダーが、水または水を溶媒とする水溶液である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)造粒方法が、攪拌造粒、転動造粒、押出し造粒のいずれかである、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)粒状組成物の平均粒径が50〜5000μmである、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、グルタチオンを含有する粒状組成物を製造する際の製造効率を向上させることができる。
1.粒状組成物
本発明はグルタチオン含有粒状組成物(以下「本発明の組成物」と称する場合がある)に関する。
本発明の組成物の用途は特に限定されずグルタチオンの用途に応じた用途であればよい。例えば、本発明の組成物は植物に施用するための用途に用いることができる。以下、本発明の組成物について具体的に説明する。
本発明の組成物は、グルタチオンを含む固体成分に対して液体バインダーを添加して造粒したものである。ここでいう固体成分とは例えば粉状の物のことをいい、その粒径は例えば1mm以下、好ましくは0.5mm以下であり、10μm程度の微粒子であってもよい。本発明の粒状組成物中でのグルタチオンの配合量は特に限定されず、組成物の用途等に応じて調整することができるが、組成物の全量に対してグルタチオンを例えば0.01質量%以上好ましくは0.1質量%以上、例えば40質量%以下好ましくは20質量%以下とすることができる。この範囲は粒状組成物が植物の生育促進用途である場合に特に好ましい。
本発明の組成物の形状は粒状であるかぎり特に限定されず、顆粒、ペレット、ブリケット等が例示できる。ここでいう粒状とは、材料の一次粒子同士が造粒操作によって結合したものであり、粒子径が数十マイクロメートル以上であるもののことをいう。
本発明の組成物に含まれる成分としては結合剤、無機担体、有機担体、賦形剤等の、組成物の用途において許容される成分が挙げられる。
本発明の結合剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、アクリル酸系高分子、ポリビニルアルコール、ゼラチン、寒天、アラビアガム、アラビアガム末、キサンタンガム、トランガム、グアーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、アルファ化澱粉、マクロゴール、澱粉、可溶性澱粉、デキストリン、トラガカントゴム、βグルカン、ペクチン、カゼイン、大豆タンパク、ヒドロキシエチルセルロース、アセチルセルロース、リグニンスルホン酸、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ポリビニルメチルエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、セラック、ロジン、トール油、エステルガム、ポリビニルアセテート、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ尿素、ポリアミド、クマロン樹脂、生分解性高分子、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、モンタンワックス、カルナウバロウ、綿ロウ、ミツロウ、羊毛ロウ、高分子の非イオン系界面活性剤、高分子の陰イオン系界面活性剤、高分子の陽イオン系界面活性剤、高分子の両性界面活性剤、アルギン酸(以上は高分子化合物である)、ケイ酸ナトリウム、グリセリン、動植物油、油脂、流動パラフィン、重油、グルコース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、非高分子の非イオン系界面活性剤、非高分子の陰イオン系界面活性剤、非高分子の陽イオン系界面活性剤、非高分子の両性界面活性剤(以上は非高分子化合物である)等や、これらの塩が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
特に好ましい結合剤は、高分子化合物の結合剤であり、なかでも好ましいものとして、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ポリビニルアルコール、澱粉、アラビアガム、ヒドロキシエチルセルロース、リグニンスルホン酸及びその塩、並びにポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種が挙げられる。カルボキシメチルセルロースの塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。カルボキシメチルセルロース及びその塩は組成物中でのグルタチオンの保存安定性の向上にも寄与すると考えられる。これらの結合剤を用いることで、本発明の組成物を植物へ施用する用途に用いる場合にグルタチオンの徐放放出を実現できる場合がある。
本発明の組成物が含み得る無機担体としてはタルク、マイカ、ベントナイト、モンモリロナイト及びスメクタイト、クレー、カオリン、活性白土、ゼオライト、珪藻土、パーライト、ジークライト、セリサイト、軽石、シリカ、ホワイトカーボン、バーミキュライト、炭酸カルシウム等が挙げられる。
本発明の組成物が含み得る有機担体としてはモミガラ、オガクズ、大豆粉、トウモロコシ茎、植物繊維等の乾燥植物材料、パルプフロック、活性炭等の有機多孔質担体が挙げられる。
本発明の組成物が含み得る賦形剤としては乳糖、トレハロース、セルロース等が挙げられる。
本発明の組成物は用途に応じて適宜更なる成分を含有することができる。例えば本発明の組成物を植物へ施用する用途に用いる場合には、他の成分として肥料成分を含むことができる。肥料成分としてはカリウム、窒素、リン、カルシウム、マグネシウム等の肥料として有用な元素が挙げられる。
本発明の液体バインダーとしては、水、アルコール等の液体、のほか、廃糖蜜、パルプ廃液等が挙げられ、これらを単体で使用してもよく組み合わせて使用してもよい。また、水、アルコール等の液体に前述の結合剤を溶解させて液体バインダーとしてもよい。
本発明の組成物の造粒方法は特に限定されないが、攪拌造粒、転動造粒、流動層造粒、押出造粒等の造粒方法が挙げられる。本発明の組成物の用途として、例えば植物への葉面散布に用いるケースでは、施用時に水に溶解する必要があるため溶解しやすい造粒物とする必要があり、攪拌造粒、流動層造粒にて造粒することが好ましく、製造コストの観点から攪拌造粒が特に好ましい。その際の粒状組成物の平均粒径としては、粉立ちによるハンドリング性の悪化を回避するために50μm以上が好ましく、水への溶解に要する時間を考慮すると2000μm以下が好ましい。また、本発明の組成物を肥料として土壌散布するケースでは、施用時に粉化しない物理的強度を得るために転動造粒、押出造粒にて造粒することが好ましく、製造コストの観点から転動造粒が特に好ましい。その際の粒状組成物の平均粒径としては、ブロードキャスター等の散布機での施用に対応できるようにするため、2000〜5000μmが好ましい。すなわち、本発明の組成物の粒径は特に限定されないが、その平均粒径が50〜5000μmであることが好ましく、用途に応じて適宜調整される。
2.グルタチオン
グルタチオンはフリー体、酸及び/又は塩基との反応により形成される塩、水和物、これらの混合物などの各種形態であってよい。本発明では、グルタチオンの質量は特に限定の無い限りフリー体として換算した質量で表す。
本発明においてグルタチオンは、酸化型グルタチオン(GSSG)であってもよいし、還元型グルタチオン(GSH)であってもよいし、GSSGとGSHとの混合物であってもよい。
2−1.酸化型グルタチオン(GSSG)
GSSGは、GSH(N−(N−γ−L−グルタミル−L−システイニル)グリシン)の2分子がジスルフィド結合を介して結合して形成される物質であり、フリー体は次式で表される。
Figure 2018168103
本発明においてGSSGは、他の物質と結合しておらずイオン化していないフリー体、GSSGと酸又は塩基とで形成される塩、これらの水和物、これらの混合物等の、各種形態のGSSGを包含し得る。
GSSGは、同一のアミノ酸配列からなるnが3のオリゴペプチド鎖の2つが、各々のシステイン残基の側鎖を介してジスルフィド結合により連結しているという特徴的な構造を有する。
本発明においてグルタチオンとしてGSSGを主に含む組成物は、該組成物中でGSSGの含有量がGSHの含有量よりも相対的に多い組成物であり、実質的にGSHを含まないことがより好ましい。より好ましくは、前記組成物中に含まれるGSSGとGSHとの総質量(全てフリー体として換算した質量)に対してGSSGの総質量(フリー体として換算した質量)は、合計で70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
GSSGの塩としてはアンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等の目的に応じて許容される1種以上の塩であれば特に限定されないが、好ましくはアンモニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩から選択される1種以上の塩である。GSSGの固体状のアンモニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩は低潮解性であり取扱いが容易であるとともに高水溶性であることから特に好ましい。このような塩は、アンモニウムイオン、カルシウムカチオン、及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種を生成し得る物質の存在下、GSSGを水及び/又は水可溶性媒体から選択される水性媒体と接触させながら温度30℃以上に加温することにより固体として得ることができる。加温温度は30℃以上であれば特に限定されないが、好ましくは33℃以上、より好ましくは35℃以上、特に好ましくは40℃以上であり、上限は特に限定されないが例えば80℃以下、好ましくは70℃以下、特に好ましくは60℃以下であり、工業規模での生産においては53〜60℃の範囲が特に好ましい。前記水性媒体は、単独で用いてもよく2種以上を適宜組み合わせてもよいが、水と水可溶性媒体とを組み合わせて用いることが推奨される。この場合、水が酸化型グルタチオンの富溶媒として機能し、水可溶性媒体が貧溶媒として機能する。水可溶性媒体の容量は、水10容量部に対して、例えば、1〜1000容量部程度、好ましくは5〜500容量部程度、さらに好ましくは10〜100容量部程度、特に12〜50容量部程度である。水可溶性媒体としてはアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)等を用いることができる。この方法で得られるGSSG塩としてはGSSGの1アンモニウム塩、GSSGの0.5カルシウム塩又は1カルシウム塩、GSSGの0.5マグネシウム塩又は1マグネシウム塩等が例示できる。
2−2.還元型グルタチオン(GSH)
GSHはN−(N−γ−L−グルタミル−L−システイニル)グリシン)とも表記される。本発明においてGSHは、他の物質と結合しておらずイオン化していないフリー体、GSHと酸又は塩基とで形成される塩、これらの水和物、これらの混合物等の、各種形態のGSHを包含し得る。
本発明においてグルタチオンとしてGSHを主に含む組成物は、該組成物中でGSHの含有量がGSSGの含有量よりも相対的に多い組成物であり、実質的にGSSGを含まないことがより好ましい。より好ましくは、前記組成物中に含まれGSSGとGSHとの総質量(全てフリー体として換算した質量)に対してGSHの総質量(フリー体として換算した質量)は、合計で70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
GSHの塩としてはアンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等の目的に応じて許容される1種以上の塩であれば特に限定されない。
2−3.グルタチオンの形態
本発明のグルタチオンは、結晶形態であることが好ましい。グルタチオン全体に対する非晶質形態のグルタチオンが多い場合、水などの液体バインダーを添加しながら造粒する際に材料の結合力(べたつき)が著しく高まり、造粒中に材料が装置に付着したり、造粒物の粒径が大きくなり、造粒物の収率が著しく低下する。よって、グルタチオン中の結晶質の割合を表す結晶化度は、20%以上であればよく、23%以上、32%以上が好ましく、34%以上、35%以上、36%以上であることがより好ましい。ここでいうグルタチオンの結晶化度とは、グルタチオン中の結晶形態のグルタチオンの割合を意味している。
グルタチオンの結晶化度は、粉末X線回折により求めることができる。例えば、X線回折装置(SmartLab、リガク製)を用いてX線回折パターンを取得し、解析ソフト(PDXL、リガク製)を用いて、走査範囲2〜60°の範囲において多重ピーク分離法を適用して算出することができる。
以下、本発明を、具体例を参照して説明する。しかしながら以下の具体例は本発明の範囲を限定するものではない。
<試験1>
表1に示す各組成のGSSG含有粒状物を攪拌造粒により製造し、粒径53μm〜2mmの造粒物の収率を求めた。手順は次の通りである。
合計が520gとなるよう各成分を計量し混合した。これを粉砕機(LM−05型、ダルトン製)で粉砕した。粉砕物500gを計量し、攪拌造粒機(SPGJ−2TG型、ダルトン製)で、液体バインダーとして水26.5gを添加して攪拌造粒した。この攪拌造粒して得られた粒状物を流動層乾燥機(GB22型、ヤマト科学製)で乾燥した。得られた乾燥物を目開き2mmおよび53μmの篩を用い、振動ふるい(FRITSCH製)で分級した。目開き2mmの篩を通過し、目開き53μmの篩を通過しなかった画分の重量を測定し、仕込み量に対する収率を求めた。また、造粒物における大粒発生抑制を評価した。
大粒発生抑制の評価は、以下の視点で行った。上記造粒法を実施した場合に、5mm以上の粒子径の造粒物が製造されなかった場合は「○」と評価し、5mm〜20mmの粒子径の造粒物が製造された場合は「△」と評価し、20mm以上の粒子径の造粒物が製造された場合は「×」と評価した。加えて、造粒時における造粒装置への材料の付着抑制を評価した。付着抑制の評価は、以下の視点で行った。上記造粒法を実施した場合に、装置への付着がほとんどなかったものを「○」と評価し、目視にて厚み約1mm未満の壁面付着が見られたものを「△」と評価し、厚み約1mm以上の壁面付着が見られたものを「×」と評価した。各造粒物の収率及び評価結果を表1に示す。
造粒材料中のグルタチオンとして非晶質のグルタチオンの割合が100質量%(すなわち、グルタチオンの結晶化度が0%)の比較例1の造粒物は、造粒時の材料同士の付着性が強く大粒となる傾向があり、粒径53μm〜2mmの造粒物の収率が低かった。また、造粒装置内壁への付着も激しかった。一方、造粒材料中のグルタチオンとして結晶形態のグルタチオンを含む実施例1〜6の造粒物は、造粒材料中のグルタチオンとして結晶形態のグルタチオンを含まない比較例1よりも、粒径53μm〜2mmの収率が高く、特に実施例1〜3においては造粒装置への付着もほぼ見られなかった。
Figure 2018168103
<試験2>
(比較例2)
バインダーである水の添加量を少なくすることで大粒発生や装置付着を抑制できるかどうかを確認するために、攪拌造粒時の水の添加量を15.5gとした以外は比較例1と同様の成分組成で同様に操作して収率を求めた(比較例2)。この結果、比較例2における収率は、10.2%であった。比較例2では、水の添加量を比較例1より大幅に減らしたのにも関わらず、比較例1と同様に造粒時の材料の付着性が強く大粒となる傾向があり、粒径53μm〜2mmの造粒物の収率が低かった。また、比較例2では、比較例1と同様に造粒装置内壁への付着も激しかった。
<試験3>
(実施例7)
実施例1と同じ成分組成にてGSSG含有粒状物を転動造粒により製造し、粒径2mm〜4mmの造粒物の収率を求めた。手順は次の通りである。
合計が220gとなるよう各成分を計量し混合した。これを粉砕機(LM−05型、ダルトン製)で粉砕した。粉砕物200gを計量し、転動造粒機(PZ−01R型、アズワン製)で、液体バインダーとして水を19.8g添加して転動造粒して粒状物を得た。この粒状物を流動層乾燥機(GB22型、ヤマト科学製)で乾燥した。得られた乾燥物を目開き4mmおよび2mmの篩を用い、振動ふるい(FRITSCH製)で分級した。目開き4mmの篩を通過し、目開き2mmの篩を通過しなかった画分の重量を測定し、仕込み量に対する収率を求めた。
実施例7における収率は85.7%と良好であり、造粒装置への付着も僅かであった。
<試験4>
(実施例8)
表2に示す各組成のGSSG含有粒状物を押出造粒により製造し、粒径2mm〜4mmの造粒物の収率を求めた。手順は次の通りである。
合計が500gとなるよう各成分を計量し混合した。ここに液体バインダーとして水を95.3g添加して混練機(SPGJ−2TG型(混練羽根使用)、ダルトン製)で混練した。混練物を押出造粒機(MG−55−1型、ダイ孔径3mm)にかけた後、整粒機(QJ−230T−2型)で成型して粒状物を得た。この粒状物を流動層乾燥機(GB22型、ヤマト科学製)で乾燥した。得られた乾燥物を目開き4mmおよび2mmの篩を用い、振動ふるい(FRITSCH製)で分級した。目開き4mmの篩を通過し、目開き2mmの篩を通過しなかった画分の重量を測定し、仕込み量に対する収率を求めた。
実施例8における収率は94.8%と良好であり、造粒装置への付着も僅かであった。
Figure 2018168103
<試験5>
(実施例9)
GSH含有粒状物を攪拌造粒により製造し、粒径53μm〜2mmの造粒物の収率を求めた。実施例9では、酸化型グルタチオン・1アンモニウム塩(結晶化度45%)の代わりに還元型グルタチオン・フリー体(結晶化度70%)を使用した以外は実施例1と同様の成分組成で同様に操作して収率を求めた。
この結果、実施例9における収率は94.6%と良好であり、造粒装置への付着も僅かであった。

Claims (6)

  1. グルタチオンを含有する粒状組成物の製造方法であって、
    結晶形態のグルタチオンを含む固体成分に対して液体バインダーを添加して造粒する、粒状組成物の製造方法。
  2. 前記固体成分中に含まれるグルタチオンの結晶化度は20%以上である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記固体成分は、結合剤を更に含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 液体バインダーが、水または水を溶媒とする水溶液である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 造粒方法が、攪拌造粒、転動造粒、押出し造粒のいずれかである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 粒状組成物の平均粒径が50〜5000μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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