JP2018165350A - 孔版印刷用油中水型エマルションインキ - Google Patents
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Abstract
【課題】銀色の金属光沢を有した印刷物が得られるとともに、孔版原紙が目詰まりすることがなく、水素ガスの発生が抑制され、保存安定性が良好な孔版印刷用油中水型エマルションインキを提供する。
【解決手段】アルミニウム顔料、油成分、乳化剤、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステルを含む油相と、水を含む水相からなることを特徴とする孔版印刷用油中水型エマルションインキである。前前記アルキルリン酸エステルは、前記孔版印刷用油中水型エマルションインキ全量に対し、1.0〜2.5質量%含むことが好ましい。前記油成分は、高級脂肪酸を含むことが好ましい。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
【選択図】 なし
【解決手段】アルミニウム顔料、油成分、乳化剤、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステルを含む油相と、水を含む水相からなることを特徴とする孔版印刷用油中水型エマルションインキである。前前記アルキルリン酸エステルは、前記孔版印刷用油中水型エマルションインキ全量に対し、1.0〜2.5質量%含むことが好ましい。前記油成分は、高級脂肪酸を含むことが好ましい。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、孔版印刷装置に用いる油中水型エマルションインキに関するものである。
孔版印刷方式は、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷のような印刷方式に比べて、使用後に洗浄等の煩雑な作業を行う必要がない、専門のオペレーターを必要としない等の操作性の良さ、簡便性を備えている。サーマルヘッドをデバイスとして用いる感熱製版方式を用いて以来、孔版印刷方式において画像処理のデジタル化が図られるようになり、高品位の印刷物を短時間で簡便に得られるようになったため、情報処理端末としてその利便性が認められている。とりわけ、孔版原紙(マスター)の製版・着版・排版動作、インキの供給動作や印刷動作等が自動制御された輪転式孔版印刷機は、デジタル孔版印刷機等の名称でオフィスや学校などで広く利用されている。
孔版印刷用インキとしては、一般に油中水(W/O)型エマルションインキが使用されている。油中水型エマルションインキは、印刷装置を非使用状態で放置したときに印刷装置内部のインキが大気と接触していても、インキの成分構成や物性の変化を抑制する機能を有している。すなわち、エマルションインキの内相成分である水は、外相成分である油によって覆われているため、その蒸発が抑制されている。
近年、孔版印刷機の利用者からは様々な色や光沢性のインキに関する要望が増加し、例えば、金属光沢を有するインキに対する要望も増加している。例えば、用紙の種類に依存することなく光沢性のある印刷画像が得られるとともに、インキの乾燥性を速くするために、粒径が1〜30μmの真珠光沢顔料を含んだ孔版印刷用油中水型エマルションインキが提案されている(特許文献1)。また、油相に平均粒径が10μm以下である金属粉顔料を含むことで、普通紙に印字した場合にも十分な金属光沢を有する印刷物を得ることが可能な孔版印刷用油中水型エマルションインキが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、銀色の金属光沢を得るために、特許文献1のように真珠光沢顔料としてシルバータイプのものを用いても、その顔料粒径が1〜30μmになるように分散すると、印刷した際の発色が弱く、必ずしも満足できるレベルではなかった。一方で、特許文献2のように金属粉顔料としてアルミニウムを用いた場合には、エマルションインキに含まれる水分との接触により、アルミニウムと水が反応して水素ガスが発生するという課題があった。市販されている耐水処理されたアルミニウム顔料は粒径が大きく、顔料粒径が大きいと孔版原紙の穿孔部等で目詰まりが発生する問題があるために、顔料を分散して粒径を小さくする必要がある。しかし、アルミニウム顔料を微細化すると耐水処理されていないアルミニウム面が生成し、やはり水と反応して水素ガスが発生するという課題があった。
また、油中水型エマルションインキは熱力学的に不安定であるため、長期間保存すると水相粒子の合一が進んで油相と水相が分離するなど、インキとしての安定性に乏しく、特に、アルミニウム顔料を含んだインキは保存安定性が悪いという課題があった。
本発明は、上記の従来技術の問題を解決し、銀色の金属光沢を有した印刷物が得られるとともに、孔版原紙が目詰まりすることがなく、水素ガスの発生が抑制され、保存安定性が良好な孔版印刷用油中水型エマルションインキを提供することを目的とするものである。
本発明の実施形態は、アルミニウム顔料、油成分、乳化剤、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステルを含む油相と、水を含む水相からなることを特徴とする孔版印刷用油中水型エマルションインキである。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
前記アルキルリン酸エステルは、前記孔版印刷用油中水型エマルションインキ全量に対し、1.0〜2.5質量%含むことが好ましい。
前記油成分は、高級脂肪酸を含むことが好ましい。
本発明によれば、銀色の金属光沢を有した印刷物が得られるとともに、孔版原紙が目詰まりすることがなく、水素ガスの発生が抑制され、保存安定性が良好な孔版印刷用油中水型エマルションインキを提供することができる。
本発明の実施形態の孔版印刷用油中水型エマルションインキ(以下、単にインキともいう)は、アルミニウム顔料、油成分、乳化剤、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステルを含む油相と、水を含む水相からなる。油相は15〜55質量%であることが好ましく、水相は85〜45質量%であることが好ましい。油相は、基本的に、アルミニウム顔料、油成分、乳化剤、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステル、油溶性樹脂などを含むことが好ましく、水相は、基本的に、水、水溶性有機溶剤、電解質などを含むことが好ましい。また、着色剤を油相中または水相中に含ませてもよい。以下に、本発明の実施形態のインキの各成分について、順次説明する。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
<油相>
[アルミニウム顔料]
本実施形態において、アルミニウム顔料としては特に制限はなく、公知のアルミニウム顔料を用いることができる。アルミニウム顔料は、耐水処理などの表面処理がされたものでもよく、未処理のものであってもよい。アルミニウム顔料はインキ全量に対して1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
[アルミニウム顔料]
本実施形態において、アルミニウム顔料としては特に制限はなく、公知のアルミニウム顔料を用いることができる。アルミニウム顔料は、耐水処理などの表面処理がされたものでもよく、未処理のものであってもよい。アルミニウム顔料はインキ全量に対して1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
アルミニウム顔料の粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した粒度分布における体積基準の粒径値(メジアン径)が、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。この範囲にすることで、優れた銀色の金属光沢が得られるとともに、孔版原紙の目詰まりをより確実に防止できる。アルミニウム顔料の粒子径は、ディスパーミキサー、ホモミキサー、コロイドミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ロールミル、ビーズミル等の公知の分散装置を用いて、所望の大きさにすることができる。
[アルキルリン酸エステル]
本実施形態において、アルキルリン酸エステルとしては、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステルであれば、アルキル鎖は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
本実施形態において、アルキルリン酸エステルとしては、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステルであれば、アルキル鎖は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。
式(1)で表されるアルキルリン酸エステルとしては、例えば、リン酸モノオクチル、リン酸モノノニル、リン酸モノデシル、リン酸モノドデシル、リン酸モノトリデシル、リン酸モノイソトリデシル、リン酸モノテトラデシル、リン酸モノヘキサデシル、リン酸モノオクタデシル等を好ましく挙げることができる。
式(1)で表されるアルキルリン酸エステルは、適度な界面活性能を有するため、エマルションの水油界面に存在しやすいと考えられる。そのため、油相に含まれるアルミニウム顔料がブラウン運動により油相中から水油界面近傍に移動しても、アルミニウム顔料の表面にアルキルリン酸エステルが吸着して、顔料表面にリン酸被膜が形成しやすい。アルミニウム顔料の表面が被膜で覆われるため、アルミニウム面と水相に含まれる水分との接触が防止され、水素ガスの発生を抑制することができると考えられる。また、油中水型エマルションを崩壊させることなく、かつ、立体障害によってアルミニウム顔料の分散安定性を向上するのに適したアルキル基の炭素数であるため、インキの保存安定性が良好であると考えられる。
式(1)で表されるアルキルリン酸エステルは、インキ全量に対して0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜3.0質量%であることがより好ましく、1.0〜2.5質量%であることがさらに好ましい。また、アルミニウム顔料と式(1)で表されるアルキルリン酸エステルの比率は、質量比で、30:70〜99:1であることが好ましく、40:60〜95:5であることがより好ましく、50:50〜95:5であることがさらにより好ましい。
[油成分]
本実施形態において、油成分としては、各種工業用溶剤、モーター油、ギヤー油、軽油、灯油、スピンドル油、マシン油、流動パラフィン等の鉱物油、オリーブ油、なたね油、あまに油、ひまし油、サラダ油、大豆油、米ぬか油等の植物油のほか、合成油等を用いることもできる。
本実施形態において、油成分としては、各種工業用溶剤、モーター油、ギヤー油、軽油、灯油、スピンドル油、マシン油、流動パラフィン等の鉱物油、オリーブ油、なたね油、あまに油、ひまし油、サラダ油、大豆油、米ぬか油等の植物油のほか、合成油等を用いることもできる。
工業用溶剤としては、非水溶性有機溶剤であれば、いずれも用いることができる。例えば、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水溶性有機溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJXエネルギー株式会社製の商品名);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製の商品名)等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJXエネルギー株式会社製の商品名)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製の商品名)等を好ましく挙げることができる。石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
また、油成分として、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の有機溶剤も好ましく挙げることができる。例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましい。なお、沸点が250℃以上の有機溶剤には、沸点を示さない有機溶剤も含まれる。
本実施形態において、油成分は高級脂肪酸を含むことが好ましい。高級脂肪酸は、1分子中の炭素数が12以上であることが好ましく、14〜20であることがより好ましい。このような高級脂肪酸としては、上記した高級脂肪酸系溶剤をそのまま用いてもよいし、大豆油等の高級脂肪酸を含でいる植物油を用いてもよい。例えば、オリーブ油は、約70質量%のオレイン酸、約10質量%のパルミチン酸、約10質量%のリノール酸を含む植物油である。また、あまに油は、約50質量%のα−リノレン酸、約20質量%のオレイン酸、約10質量%のリノール酸を含む。大豆油は、リノール酸を約50質量%、オレイン酸を約20質量%、パルミチン酸を約10質量%含む。米ぬか油は、オレイン酸を約40質量%、リノール酸を約30質量%、パルミチン酸を約20質量%含む植物油である。
高級脂肪酸は、油相中でアルミニウム顔料の表面に物理的に吸着しやすく、顔料表面に被膜を形成するように覆うと考えられるため、アルミニウムと水が接触するのをさらに抑制し、水素の発生をより抑制することができる。高級脂肪酸の含有量は、インキ全量に対して0〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。
これらの油成分は、単独で用いてもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて用いることもできる。なかでも、油成分として石油系炭化水素溶剤と高級脂肪酸を含むことが好ましい。石油系炭化水素溶剤と高級脂肪酸は、粘度及び揮発性が大きく異なるため、印刷機の長期非使用後の印刷性能を高めることができる。石油系炭化水素溶剤と高級脂肪酸の比率は、質量比で100:0〜30:70であることが好ましく、80:20〜50:50であることがより好ましい。
[乳化剤]
本実施形態において、乳化剤は、油中水型エマルションを構成するために用いられ、HLB値が好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜6.5の親油性乳化剤を用いることができる。乳化剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれを用いてもよい。このうち、油中水型エマルションの乳化性や保存安定性の観点から、非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルテトラオレエート、ヘキサグリセリルペンタオレエート、デカグリセリルデカオレエート、デカグリセリルペンタヒドロキシステアレート、デカグリセリルペンタイソステアレート、デカグリセリル縮合リシノレエート等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油等を好ましく挙げることができる。乳化剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。乳化剤の含有量は、インキ全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
本実施形態において、乳化剤は、油中水型エマルションを構成するために用いられ、HLB値が好ましくは3〜8、より好ましくは3.5〜6.5の親油性乳化剤を用いることができる。乳化剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれを用いてもよい。このうち、油中水型エマルションの乳化性や保存安定性の観点から、非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルテトラオレエート、ヘキサグリセリルペンタオレエート、デカグリセリルデカオレエート、デカグリセリルペンタヒドロキシステアレート、デカグリセリルペンタイソステアレート、デカグリセリル縮合リシノレエート等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、(ポリ)エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油等を好ましく挙げることができる。乳化剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。乳化剤の含有量は、インキ全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
[油溶性樹脂]
本実施形態において、油相には、油溶性樹脂を配合することができる。油溶性樹脂としては、例えば、ロジン、ギルソナイト、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、天然ゴム誘導体樹脂等を好ましく用いることができる。これらの中でも、ロジン変性フェノール樹脂とアルキド樹脂が好ましく用いられる。ロジン変性フェノール樹脂は、印刷物の画像に皮膜を形成し、定着性を向上させることができる。アルキド樹脂は、油相の粘度を高くするとともに、油相と水相の界面に配向しやすい性質をもっているので油相と水相の界面強度を増強してインキの粘度を上げ、画像の滲みを抑制できるとともに、インキの保存安定性をさらに向上させることができる。さらに、アルキド樹脂は、インキの皮膜に柔軟性を付与することができるため、アルミニウム顔料の被印刷体への定着性を向上させることができる。
本実施形態において、油相には、油溶性樹脂を配合することができる。油溶性樹脂としては、例えば、ロジン、ギルソナイト、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、天然ゴム誘導体樹脂等を好ましく用いることができる。これらの中でも、ロジン変性フェノール樹脂とアルキド樹脂が好ましく用いられる。ロジン変性フェノール樹脂は、印刷物の画像に皮膜を形成し、定着性を向上させることができる。アルキド樹脂は、油相の粘度を高くするとともに、油相と水相の界面に配向しやすい性質をもっているので油相と水相の界面強度を増強してインキの粘度を上げ、画像の滲みを抑制できるとともに、インキの保存安定性をさらに向上させることができる。さらに、アルキド樹脂は、インキの皮膜に柔軟性を付与することができるため、アルミニウム顔料の被印刷体への定着性を向上させることができる。
ロジン変性フェノール樹脂は、フェノール樹脂を天然物のロジンで変性したものであり、ロジン、アルキルフェノール、ホルムアルデヒド、ポリオールから構成される樹脂である。アルキルフェノールとしては、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノールなどを、ポリオールとしては、ペンタエリスリトール、グリセリンなどを用いることができる。アルキド樹脂は、多塩基酸及び脂肪酸(又は脂肪油)と多価アルコール類との縮重合によって作られる合成樹脂であり、多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリトリトールなどを、多塩基酸としては、無水フタル酸、無水マレイン酸などを、脂肪油としては、あまに油、大豆油、ひまし油などに含まれる不飽和脂肪酸を用いることができる。また、本実施形態において、アルキド樹脂またはロジン変性樹脂とアルミニウムキレート化合物またはアルミニウムアルコラートとの反応生成物も、好ましく用いることができる。
油溶性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いることもできる。油溶性樹脂の含有量は、インキ全量に対して1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましく、7〜15質量%であることがさらに好ましい。
[着色剤]
本実施形態において、油相には、インキの色調を調整するために着色剤を含んでもよい。着色剤としては、顔料および染料を挙げることができる。顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料および染付レーキ顔料等の有機顔料、ならびに無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニンブルーおよび銅フタロシアニングリーン等の金属フタロシアニン顔料、ならびに無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料およびジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。無機顔料としては、代表的にはカーボンブラック、酸化チタン、および真鍮粉等の金属顔料等が挙げられる。染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等の油溶性染料を挙げることができる。
本実施形態において、油相には、インキの色調を調整するために着色剤を含んでもよい。着色剤としては、顔料および染料を挙げることができる。顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料および染付レーキ顔料等の有機顔料、ならびに無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニンブルーおよび銅フタロシアニングリーン等の金属フタロシアニン顔料、ならびに無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料およびジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。無機顔料としては、代表的にはカーボンブラック、酸化チタン、および真鍮粉等の金属顔料等が挙げられる。染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等の油溶性染料を挙げることができる。
これらの顔料および染料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。着色剤の含有量は、インキの色調が銀色から外れない範囲で含ませることができ、着色剤の総量として、インキ全量に対して0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
[その他の油相成分]
本実施形態において、油相には、さらに、体質顔料、顔料分散剤、酸化防止剤、ゲル化剤等を適宜含むことができる。体質顔料としては、例えば、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、マイカ、酸性白土、活性白土、ベントナイト等を用いることができ、これらの2種以上を併用してもよい。顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、ポリエステル側鎖を有する含窒素グラフト共重合体等を挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸、フェノチアジン等を挙げることができる。
本実施形態において、油相には、さらに、体質顔料、顔料分散剤、酸化防止剤、ゲル化剤等を適宜含むことができる。体質顔料としては、例えば、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、マイカ、酸性白土、活性白土、ベントナイト等を用いることができ、これらの2種以上を併用してもよい。顔料分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリエステルポリアミン、ビニルピロリドンと長鎖アルケンとの共重合体、ポリエステル側鎖を有する含窒素グラフト共重合体等を挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸、フェノチアジン等を挙げることができる。
<水相>
[水]
本実施形態において、水相の主成分は水であり、さらに、水溶性有機溶剤等を含んでもよい。水としては、清浄であれば特に限定されず、イオン交換水、蒸留水、精製水、水道水、地下水等を用いることができる。水の含有量は、インキ全量に対して40〜80質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることがより好ましい。
[水]
本実施形態において、水相の主成分は水であり、さらに、水溶性有機溶剤等を含んでもよい。水としては、清浄であれば特に限定されず、イオン交換水、蒸留水、精製水、水道水、地下水等を用いることができる。水の含有量は、インキ全量に対して40〜80質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることがより好ましい。
[水溶性有機溶剤]
本実施形態において、水相には、水溶性有機溶剤を配合することができる。水溶性有機溶剤としては、室温で液体であり、水に溶解可能な有機化合物を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン等のアセチン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエタノールアミン、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−チオジグリコール、スルホラン等を用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は、単独で用いてもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて用いることもできる。水溶性有機溶剤としては、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合する水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。また、水溶性有機溶剤の沸点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。なお、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤には、沸点を示さない水溶性有機溶剤も含まれる。
本実施形態において、水相には、水溶性有機溶剤を配合することができる。水溶性有機溶剤としては、室温で液体であり、水に溶解可能な有機化合物を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン等のアセチン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエタノールアミン、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−チオジグリコール、スルホラン等を用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は、単独で用いてもよく、単一の相を形成する限り2種以上を組み合わせて用いることもできる。水溶性有機溶剤としては、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合する水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。また、水溶性有機溶剤の沸点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。なお、沸点が150℃以上の水溶性有機溶剤には、沸点を示さない水溶性有機溶剤も含まれる。
[電解質]
本実施形態において、水相には、電解質を配合することができる。電解質を含ませることにより、インキの粘度やpHを調整することができる。電解質としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、ホウ酸ナトリウム等を用いることができる。また、後述する水相に含ませることができる酸化防止剤も、電解質としても用いることができる。
本実施形態において、水相には、電解質を配合することができる。電解質を含ませることにより、インキの粘度やpHを調整することができる。電解質としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、ホウ酸ナトリウム等を用いることができる。また、後述する水相に含ませることができる酸化防止剤も、電解質としても用いることができる。
[着色剤]
本実施形態において、水相には、インキの色調を調整するために着色剤を含んでもよい。着色剤としては、顔料および染料を挙げることができる。顔料としては、上述した油相に含まれる顔料と同様の顔料を用いることができる。染料としては、例えば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち、水溶性の染料および還元等により水溶性になった水溶性染料を好ましく用いることができる。また、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、ニトロ系等の分散染料も好ましく用いることができる。これらの着色剤の含有量は、インキの色調が銀色から外れない範囲で含ませることができ、着色剤の総量として、インキ全量に対して0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態において、水相には、インキの色調を調整するために着色剤を含んでもよい。着色剤としては、顔料および染料を挙げることができる。顔料としては、上述した油相に含まれる顔料と同様の顔料を用いることができる。染料としては、例えば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち、水溶性の染料および還元等により水溶性になった水溶性染料を好ましく用いることができる。また、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、ニトロ系等の分散染料も好ましく用いることができる。これらの着色剤の含有量は、インキの色調が銀色から外れない範囲で含ませることができ、着色剤の総量として、インキ全量に対して0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
[その他の水相成分]
本実施形態において、水相には、さらに、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂、体質顔料、界面活性剤、顔料分散剤等を適宜含むことができる。防腐剤は、インキの腐敗を防止して保存安定性を向上させることができる。防腐剤としては、例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系防腐剤、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン等のトリアジン系防腐剤、2−ピリジンチオールナトリウム−1−オキシド、8−オキシキノリン等のピリジン・キノリン系防腐剤、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム等のジチオカルバメート系防腐剤、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等の有機臭素系防腐剤、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸等を用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸マグネシウム、亜二チオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
本実施形態において、水相には、さらに、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂、体質顔料、界面活性剤、顔料分散剤等を適宜含むことができる。防腐剤は、インキの腐敗を防止して保存安定性を向上させることができる。防腐剤としては、例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系防腐剤、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン等のトリアジン系防腐剤、2−ピリジンチオールナトリウム−1−オキシド、8−オキシキノリン等のピリジン・キノリン系防腐剤、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム等のジチオカルバメート系防腐剤、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等の有機臭素系防腐剤、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸等を用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸マグネシウム、亜二チオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
<物性など>
本実施形態の孔版印刷用油中水型エマルションインキの粘度は、孔版印刷装置の印圧等によってその適性範囲は異なるが、一般に、0.5〜20Pa・s(20℃、せん断速度100/sにおける粘度)であることが好ましく、また、(擬)塑性流動性であることが孔版印刷用として適している。
本実施形態の孔版印刷用油中水型エマルションインキの粘度は、孔版印刷装置の印圧等によってその適性範囲は異なるが、一般に、0.5〜20Pa・s(20℃、せん断速度100/sにおける粘度)であることが好ましく、また、(擬)塑性流動性であることが孔版印刷用として適している。
本実施形態の孔版印刷用油中水型エマルションインキは、通常、公知の乳化装置を用いて、油相に水相を徐々に添加して乳化させることにより製造される。水相と油相は、あらかじめ別々に調製したのち、油相液中に水相液を添加して乳化させることが好ましい。油相の調製および水相の調製は、それぞれ、全量を一括して混合してもよく、一部の成分を混合した後に残りの成分を混合してもよい。インキの製造には、ディスパーミキサー、ホモミキサー、コロイドミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ロールミル、ビーズミル等の公知の乳化装置を用いることができる。
本実施形態の孔版印刷用油中水型エマルションインキは、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙に対して、好適に用いることができる。印刷用紙の中でも、普通紙が好適である。ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインキの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[孔版印刷用油中水型エマルションインキの作製]
以下の手順に従い、実施例1のインキを作製した。まず、アルミニウム顔料、油溶性樹脂、油成分、乳化剤、アルキルリン酸エステル1を、表1に示す配合比率となるように混合し、油相を調製した。次に、表1に示す配合により、水溶性有機溶剤、電解質、水を混合し、水相を調製した。調製した油相を乳化装置に投入し、撹拌翼を回転させながら、調製した水相を徐々に滴下し、さらに撹拌翼を回転させつづけて乳化を行い、実施例1の孔版印刷用油中水型エマルションインキを作製した。
以下の手順に従い、実施例1のインキを作製した。まず、アルミニウム顔料、油溶性樹脂、油成分、乳化剤、アルキルリン酸エステル1を、表1に示す配合比率となるように混合し、油相を調製した。次に、表1に示す配合により、水溶性有機溶剤、電解質、水を混合し、水相を調製した。調製した油相を乳化装置に投入し、撹拌翼を回転させながら、調製した水相を徐々に滴下し、さらに撹拌翼を回転させつづけて乳化を行い、実施例1の孔版印刷用油中水型エマルションインキを作製した。
表1に示す成分および配合比率となるようにした以外は実施例1と同様の手順で、実施例2〜6および比較例1〜3の孔版印刷用油中水型エマルションインキを作製した。
なお、表1に示す成分の詳細は、以下のとおりである。
アルミニウム顔料:ECKART社製「STANDART PC 200」
アルキド樹脂:荒川化学工業株式会社製「アラキード6902」
ロジン変性フェノール樹脂:ハリマ化成株式会社製「ハリフェノール512」
石油系炭化水素溶剤:JXエネルギー株式会社製「AFソルベント5号」(ナフテン系溶剤)
高級脂肪酸:日清オイリオグループ株式会社製「大豆白絞油」
ソルビタン脂肪酸エステル:花王株式会社製「レオドールAO−10V」
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル:第一工業製薬株式会社製「プライサーフA208N」
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル:第一工業製薬株式会社製「プライサーフAL」
アルミニウム顔料:ECKART社製「STANDART PC 200」
アルキド樹脂:荒川化学工業株式会社製「アラキード6902」
ロジン変性フェノール樹脂:ハリマ化成株式会社製「ハリフェノール512」
石油系炭化水素溶剤:JXエネルギー株式会社製「AFソルベント5号」(ナフテン系溶剤)
高級脂肪酸:日清オイリオグループ株式会社製「大豆白絞油」
ソルビタン脂肪酸エステル:花王株式会社製「レオドールAO−10V」
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル:第一工業製薬株式会社製「プライサーフA208N」
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル:第一工業製薬株式会社製「プライサーフAL」
アルキルリン酸エステル1は、以下の方法で合成したリン酸モノドデシルを用いた。まず、四つ口フラスコにドデシルアルコール372.6質量部、ポリリン酸112.6質量部を投入し、80℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘキサン242質量部、水90質量部、イソプロピルアルコール90質量部を加え、50℃で30分撹拌した。次に、水層を除去後、減圧蒸留してn−ヘキサン層からイソプロピルアルコールを除き、乾燥させて粗結晶を得た。得られた粗結晶をn−ヘキサンで再溶解、再結晶し、340質量部のリン酸モノラウリルを得た。
アルキルリン酸エステル2は、以下の方法で合成したリン酸モノオクタデシルを用いた。まず、四つ口フラスコにオクタデシルアルコール595.1質量部、ポリリン酸87.3質量部を投入し、80℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘキサン242質量部、水90質量部、イソプロピルアルコール90質量部を加え、50℃で30分撹拌した。次に、水層を除去後、減圧蒸留してn−ヘキサン層からイソプロピルアルコールを除き、乾燥させて粗結晶を得た。得られた粗結晶をn−ヘキサンで再溶解、再結晶し、340質量部のリン酸モノステアリルを得た。
[評価方法]
作製した各インキについて以下のとおり評価を行った。結果を表1に併せて示す。
(1)水素発生テスト
30mlガラス瓶に作製したインキ10mlを入れ、ウォーターバスを用いてインキが70℃になるまで加熱した。続いて、プラスチックチューブが貫通した蓋を取り付け、チューブの先端の一方がガラス瓶内のインキ中に、他端がガラス瓶の外になるように設置した。インキ温度を70℃に保ちながら10分間、チューブ内を上がってくるインキの速度を測定した。チューブの内径とインキの上昇速度から、増加した体積を水素発生量とみなし、水素発生速度を以下の基準で評価した。
A:0.05ml/min未満
B:0.05ml/min以上0.20ml/min未満
C:0.20ml/min以上
作製した各インキについて以下のとおり評価を行った。結果を表1に併せて示す。
(1)水素発生テスト
30mlガラス瓶に作製したインキ10mlを入れ、ウォーターバスを用いてインキが70℃になるまで加熱した。続いて、プラスチックチューブが貫通した蓋を取り付け、チューブの先端の一方がガラス瓶内のインキ中に、他端がガラス瓶の外になるように設置した。インキ温度を70℃に保ちながら10分間、チューブ内を上がってくるインキの速度を測定した。チューブの内径とインキの上昇速度から、増加した体積を水素発生量とみなし、水素発生速度を以下の基準で評価した。
A:0.05ml/min未満
B:0.05ml/min以上0.20ml/min未満
C:0.20ml/min以上
(2)マスター目詰まり
作製したインキを23℃環境下で、孔版原紙(理想科学工業株式会社製「RISOマスターDタイプHD」)を装着させた孔版印刷機(理想科学工業株式会社製「リソグラフSD6680」)を用い、黒紙にベタ画像を連続印刷し、1枚目と20枚目の画像濃度(OD値)を測定した。1枚目と20枚目のOD値の差を算出して、以下の基準で評価した。
A:差が0.1未満
作製したインキを23℃環境下で、孔版原紙(理想科学工業株式会社製「RISOマスターDタイプHD」)を装着させた孔版印刷機(理想科学工業株式会社製「リソグラフSD6680」)を用い、黒紙にベタ画像を連続印刷し、1枚目と20枚目の画像濃度(OD値)を測定した。1枚目と20枚目のOD値の差を算出して、以下の基準で評価した。
A:差が0.1未満
(3)保存安定性
作製したインキを50℃環境下で1日保存し、保存前に測定したインク粘度に対する、保存後に測定したインク粘度の変化率を算出して、以下の基準で評価した。なお、インク粘度は、株式会社アントンパール・ジャパン製「レオメーターMCR302」を用いて、コーン角度1°、直径25mmで測定した。
A:10%未満
B:10%以上30%未満
C:30%以上
作製したインキを50℃環境下で1日保存し、保存前に測定したインク粘度に対する、保存後に測定したインク粘度の変化率を算出して、以下の基準で評価した。なお、インク粘度は、株式会社アントンパール・ジャパン製「レオメーターMCR302」を用いて、コーン角度1°、直径25mmで測定した。
A:10%未満
B:10%以上30%未満
C:30%以上
表1の結果から分かるように、実施例1〜6のインキはアルキルリン酸エステルを含んでいるため、すべての評価項目において良好な結果が得られた。特に、実施例1〜3のインキは、アルキルリン酸エステルをインキ全量に対して1.0〜2.5質量%含み、油成分として高級脂肪酸を含んでいるため、水素発生量が極めて少なく、保存安定性に優れており、さらに良好な結果が得られた。それに対して、比較例1〜3のインキは、アルキルリン酸エステルを含んでいないため、水素発生量が多いか保存安定性が悪く、満足な結果が得られなかった。
Claims (3)
- アルミニウム顔料、油成分、乳化剤、下記式(1)で表されるアルキルリン酸エステルを含む油相と、水を含む水相からなることを特徴とする孔版印刷用油中水型エマルションインキ。
CH3−R−PO4 ・・・(1)
式(1)中、Rは炭素数が7〜17のアルキレン基である。 - 前記アルキルリン酸エステルは、前記孔版印刷用油中水型エマルションインキ全量に対し、1.0〜2.5質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷用油中水型エマルションインキ。
- 前記油成分は、高級脂肪酸を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の孔版印刷用油中水型エマルションインキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017064090A JP2018165350A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 孔版印刷用油中水型エマルションインキ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020180211A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | 理想科学工業株式会社 | 孔版印刷用油中水型エマルションインキ |
-
2017
- 2017-03-29 JP JP2017064090A patent/JP2018165350A/ja active Pending
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