JP2018165223A - ガラス樹脂複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ加工性に優れると共に、厚みや結晶化度が小さくても、飛散片の衝突エネルギーを有効に減衰し得る窓ガラスを創案する。
【解決手段】本発明のガラス樹脂複合体は、窓ガラスに用いるガラス樹脂複合体において、複数枚のガラス板と樹脂板とを備え、外層のガラス板の内、少なくとも1層が、板厚3mm以上の厚板ガラス板であり、厚板ガラス板の内側に、板厚1.5mm以下の薄板ガラス板を3層以上有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス樹脂複合体に関し、特に自動車のフロントガラスやドアガラスに好適なガラス樹脂複合体に関する。
車両等の窓ガラスには、一般的に、複数枚のソーダライムガラス板を有機樹脂中間層で複合一体化した合わせガラスが使用されており、軽量化を目的として、複数枚のソーダライムガラス板と樹脂板とを有機樹脂中間層で複合一体化したガラス樹脂複合体が用いられることもある(特許文献1〜4参照)。
車両等の窓ガラスに使用されるソーダライムガラス板は、走行中の飛び石等の飛散片の先端形状を変形させて、その衝撃抵抗を増大させることで、飛散片の衝突エネルギーを減衰する機能を有している。
しかし、ソーダライムガラス板は、飛散片の衝撃抵抗を増大させる効果が十分であるとは言えない。現状、ソーダライムガラス板の板厚を大きくするか、積層枚数を多くして、飛散片の衝撃抵抗を高めているが、これに伴い、窓ガラスの厚みや重量の増大を招いている。
そこで、飛散片の衝撃抵抗を高めるために、ソーダライムガラス板の代わりに結晶化ガラス板を用いることが検討されている。例えば、主結晶としてβ−石英固溶体(LiO・Al・nSiO[但し、n≧2])等のLiO−Al−SiO系結晶を析出してなる結晶化ガラス板が検討されている。
特開2012−144217号公報 特開2004−196184号公報 特開2001−151539号公報 実開平1−8821号公報
ところで、結晶化ガラスの結晶化度を高めると、結晶化ガラスの硬度が上昇し、飛散片の衝突エネルギーを減衰し得るが、析出結晶が軟化変形を阻害するため、曲げ加工が困難になり、自動車のフロントガラス等に適用できなくなる。また、結晶化ガラスの厚みを大きくすることでも、飛散片の衝突エネルギーを減衰し得るが、この場合、窓ガラスの重量が増大してしまい、また透明性を損なう虞がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、曲げ加工性に優れると共に、厚みや結晶化度が小さくても、飛散片の衝突エネルギーを有効に減衰し得る窓ガラスを創案することである。
本発明者等は、複数枚のガラス板と樹脂板とを備えるガラス樹脂複合体について、外側(外気側)に3mm以上の厚いガラス板を配置すると共に、そのガラス板の内側(室内側)に、薄いガラス板を3枚以上配置することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス樹脂複合体は、窓ガラスに用いるガラス樹脂複合体において、複数枚のガラス板と、樹脂板と、複数枚のガラス板と樹脂板とを複合一体化するための有機樹脂中間層と、を備え、外層のガラス板の内、少なくとも1層が、板厚3mm以上の厚板ガラス板であり、厚板ガラス板の内側に、板厚1.5mm以下の薄板ガラス板を3層以上有することを特徴とする。ここで、「外層のガラス板」とは、最内層のガラス板以外のガラス板を指す。
本発明のガラス樹脂複合体は、少なくとも複数枚のガラス板と樹脂板とを備える複合体である。ガラス板は、透明性を有し、衝撃抵抗を高める材料である。樹脂板は、飛散片の衝突による衝撃を緩和し、また飛散片の衝撃によるガラス片の飛散を防止する材料である。両者を備えることにより、耐衝撃性能を確保し易くなる。
本発明のガラス樹脂複合体は、外層のガラス板の内、少なくとも1層が、板厚3mm以上の厚板ガラス板であり、厚板ガラス板の内側に、板厚1.5mm以下の薄板ガラス板を3層以上有する。本発明者等が飛散片の衝突を詳細に解析したところ、まずガラス板が飛散片の衝突による衝撃波により破損し、その後、飛散片がガラス板内を貫通していくことが判明した。そして、飛散片の衝突による衝撃波を分散させると、飛散片の貫通を防止し得ることが判明した。更にその衝撃波について詳細に解析したところ、衝撃波が外気側から室内側に伝搬し減衰していく時、衝撃波の速度は、各層のヤング率に比例して、ガラス板内が速く、有機樹脂中間層内が遅くなる。
上記知見に基づくと、外層のガラス板のうち、少なくとも1層を厚板ガラスにすると、飛散片の衝突を受けた時に、飛散片自体の速度を有効に低下させることができる。更に、有機樹脂中間層を介して薄板ガラス板を多数積層させて、厚板ガラスよりも内側に配置すると、衝撃波のエネルギーは、有機樹脂中間層により室内側に伝搬し難くなるため、薄板ガラス板内で水平に広がって分散し易くなる。結果として、飛散片がガラス板内を貫通し難くなる。
また、本発明のガラス樹脂複合体は、厚板ガラス板の結晶化度が30%以下であり、且つ薄板ガラス板の結晶化度が30%以下であることが好ましい。これにより、ガラス板の曲げ加工性を高めることができる。ここで、「結晶化度」は、粉末法によりXRDを測定することにより、非晶質の質量に相当するハローの面積と、結晶の質量に相当するピークの面積とをそれぞれ算出した後、[ピークの面積]×100/[ピークの面積+ハローの面積](%)の式により求めた値を指す。
また、本発明のガラス樹脂複合体は、厚板ガラス板のガラス転移温度が、薄板ガラス板のガラス転移温度よりも5℃以上低いことが好ましい。熱処理により曲げ加工を行う時、厚板ガラス板は、薄板ガラス板よりも加熱され難く、また大きな曲げ応力を要するため、高温の熱処理が必要になる。そこで、厚板ガラス板のガラス転移温度を薄板ガラス板のガラス転移温度よりも低くすると、厚板ガラス板と薄板ガラス板の熱処理条件が整合し易くなるため、曲げ加工の効率を高めることが可能になる。ここで、「ガラス転移温度」は、ディラトメーターを用いて測定した値を指す。
また、本発明のガラス樹脂複合体は、樹脂板がポリカーボネート板であることが好ましい。
また、本発明のガラス樹脂複合体は、総板厚が55mm以下であることが好ましい。
また、本発明のガラス樹脂複合体は、3次元的に湾曲した曲面形状を有することが好ましい。このようにすれば、自動車のフロントガラス等に適用し易くなる。
図1は、本発明のガラス樹脂複合体の一例を説明するための概略図である。ガラス樹脂複合体1は、外側から順に、厚板ガラス板10と、5層の薄板ガラス板11〜15と、樹脂板16と、を備えており、厚板ガラス板10と、5層の薄板ガラス板11〜15と、樹脂板16とは、それぞれ図示しない有機樹脂中間層により複合一体化されている。また、厚板ガラス板10の板厚は3mm以上であり、薄板ガラス板11〜15の板厚は1.5mm以下である。更に、ガラス樹脂複合体1は、3次元的に湾曲した曲面形状を有しており、具体的には、厚板ガラス板10側を凸として、板幅方向の全体が円弧状に湾曲し、且つ長さ方向の全体が円弧状に湾曲している。
本発明のガラス樹脂複合体の一例を説明するための概略図である。
本発明のガラス樹脂複合体は、複数枚のガラス板を備える。ガラス板(厚板ガラス板及び薄板ガラス板)の結晶化度は、好ましくは30%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に0%、つまり非晶質である。ガラス板の結晶化度が高過ぎると、曲げ加工性が低下し易くなる。
ガラス板(厚板ガラス板及び薄板ガラス板)は、環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs、Sb、PbO、Bi及びFを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的に〜を含有しない」とは、ガラス成分として積極的に明示の成分を添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.05%未満であることを指す。
なお、本発明のガラス樹脂複合体は、本発明の効果を確実に享受する観点から、厚板ガラス板及び薄板ガラス板以外のガラス板を有しないことが好ましいが、厚板ガラス板及び薄板ガラス板以外のガラス板(板厚1.5mm超、且つ3mm未満のガラス板)を有していてもよい。
本発明のガラス樹脂複合体は、外層のガラス板の内、少なくとも1層が、板厚3mm以上の厚板ガラス板である。厚板ガラス板の板厚は、好ましくは4mm以上、5mm以上、特に6mm以下である。厚板ガラス板が小さ過ぎると、飛散片の衝突を受けた時に、飛散片自体の速度を低下させ難くなる。一方、厚板ガラス板の板厚が大き過ぎると、窓ガラスを薄型化し難くなり、窓ガラスの視認性が低下し易くなる。更に窓ガラスの重量が増大して、自動車等の燃費が高騰してしまう。よって、厚板ガラス板の板厚は、好ましくは20mm以下、15mm以下、特に10mm以下である。
厚板ガラス板として、アルミノケイ酸塩ガラスやホウケイ酸塩ガラスを用いてもよいが、製造コストの点から、ソーダライムガラスを用いることが好ましい。ソーダライムガラスは、一般的に、ガラス組成として、モル%で、SiO 68〜78%、Al 0〜2%、NaO 10〜20%、KO 0〜3%、MgO 0〜10%、CaO 6〜15%、Fe 0〜1%を含有している。
本発明のガラス樹脂複合体は、厚板ガラス板の内側に、板厚1.5mm以下の薄板ガラス板を3層以上有し、好ましくは5層以上、特に10層以上有する。薄板ガラス板の積層枚数が少な過ぎると、飛散片の衝突による衝撃波のエネルギーが、有機樹脂中間層により室内側に伝搬し易くなるため、薄板ガラス板内で水平に広がって分散し易くなる。結果として、飛散片がガラス板内を貫通し易くなる。一方、薄板ガラス板の積層枚数が多過ぎると、窓ガラスの透明性が低下して、窓ガラスの視認性が低下し易くなる。また窓ガラスの重量が増加して、自動車の燃費等が低下し易くなる。よって、薄板ガラス板の積層枚数は、好ましくは30層以下、特に20層以下である。
厚板ガラス板として、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスを用いることが好ましい。アルミノケイ酸塩ガラスは、一般的に、ガラス組成として、モル%で、SiO 50〜75%、Al 8〜20%、MgO 0〜10%、CaO 1〜15%、SrO 0〜12%、BaO 0〜15%を含有している。ホウケイ酸塩ガラスは、一般的に、ガラス組成として、モル%で、SiO 50〜75%、Al 5〜20%、B 1〜12%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜12%、BaO 0〜15%を含有している。アルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、モル%で、SiO 45〜75%、Al 5〜17%、Li2O 0〜10%、NaO 10〜20%、KO 0〜5%、MgO 0〜10%を含有している。
薄板ガラス板の板厚は1.5mm以下であり、好ましくは0.05〜1mm、特に0.1〜0.7mmである。薄板ガラス板の板厚が大き過ぎると、窓ガラスを薄型化し易くなり、窓ガラスの視認性が低下し易くなる。なお、薄板ガラス板の板厚が小さ過ぎると、複合一体化の際に、薄板ガラス板の取り扱いが難しくなり、窓ガラスの生産性が低下し易くなる。
厚板ガラス板のガラス転移温度は、薄板ガラス板のガラス転移温度よりも5℃以上、20℃以上、50℃以上、100℃以上、特に150〜250℃低いことが好ましい。厚板ガラス板のガラス転移温度と薄板ガラス板のガラス転移温度の差が5℃未満、或いは厚板ガラス板のガラス転移温度が薄板ガラス板のガラス転移温度よりも高いと、曲げ加工の際に、厚板ガラス板と薄板ガラス板の熱処理条件が大きく相違するため、曲げ加工の効率が低下し易くなる。
本発明のガラス樹脂複合体において、最内層(最も内側に配置されるガラス板)のガラス板の長辺寸法は、最外層(最も外側に配置されるガラス板)のガラス板の長辺寸法よりも小さいことが好ましい。そして、両者の長辺寸法差は、両者の熱膨張係数差に応じて、調整されていることが好ましい。このようにすれば、曲げ加工後に複合一体化した場合に、両者の寸法差が小さくなり、両者の端面が揃い易くなる。その結果、窓ガラスの端面強度が向上する。
本発明のガラス積層体は、飛散片が衝突した時にその衝撃力を緩和するために、樹脂板を備える。樹脂板の枚数は特に制限されないが、窓ガラスの視認性を高める観点から、1枚であることが好ましい。
樹脂板は、最内層のガラス板よりも内側に配置されることが好ましい。このようにすれば、飛散片の衝突した時にその衝撃を緩和し易くなり、また万が一、飛散片の衝突によりガラス板が破損した時に、室内に向かってガラス片が飛散する事態を防止することができる。
樹脂板として、アクリル板、ポリカーボネート板等の種々の樹脂板が使用可能である。特に、その中でも、ポリカーボネート板は、透明性、衝撃緩和性、軽量化の観点から特に好ましい。
樹脂板の板厚は、好ましくは10mm以下、8mmm以下、7mm以下、6mm以下、特に5mm以下であり、好ましくは0.5mm以上、0.7mm以上、1mm以上、2mm以上、特に3mm以上である。樹脂板の板厚が小さ過ぎると、飛散片が衝突した時にその衝撃を緩和し難くなる。一方、樹脂板の板厚が大き過ぎると、窓ガラスを薄型化し難くなり、また窓ガラスの視認性が低下し易くなる。
本発明のガラス樹脂複合体では、複数枚のガラス板と樹脂板とが有機樹脂中間層により複合一体化されている。有機樹脂中間層の厚みは、好ましくは0.1〜2mm、0.3〜1.5mm、0.5〜1.2mm、特に0.6〜0.9mmである。有機樹脂中間層の厚みが小さ過ぎると、飛散片が衝突した時に、衝撃波のエネルギーが室内側に伝搬し易くなる。一方、有機樹脂中間層の厚みが大き過ぎると、窓ガラスの視認性が低下し易くなる。
有機樹脂中間層の熱膨張係数は、ガラス板(薄板ガラス板及び厚板ガラス板)の熱膨張係数以上、且つ樹脂板の熱膨張係数以下であることが好ましい。このようにすれば、窓ガラスが直射日光で加熱された時に、ガラス板と樹脂板が分離、変形し難くなる。なお、「熱膨張係数」は、0〜300℃の温度範囲における平均線熱膨張係数を指す。
有機樹脂中間層として、種々の有機樹脂が使用可能であり、例えば、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、セルロースアセテート(CA)、ジアリルフタレート樹脂(DAP)、ユリア樹脂(UP)、メラミン樹脂(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルホルマール(PVF)、ポリビニルアルコール(PVAL)、酢酸ビニル樹脂(PVAc)、アイオノマー(IO)、ポリメチルペンテン(TPX)、塩化ビニリデン(PVDC)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、メタクリル−スチレン共重合樹脂(MS)、ポリアレート(PAR)、ポリアリルスルフォン(PASF)、ポリブタジエン(BR)、ポリエーテルスルフォン(PESF)、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が使用可能である。その中でも、透明性と固着性の観点から、EVA、PVBが好適であり、特にPVBは遮音性を付与し得るため好ましい。
有機樹脂中間層中に着色剤を添加してもよく、赤外線、紫外線等の特定波長光線を吸収する吸収剤を添加してもよい。
有機樹脂中間層には、上記有機樹脂を複数種類組み合わせたものを用いてもよい。例えば、ガラス板と樹脂板の複合一体化に2層の有機樹脂中間層を用いると、ガラス板と樹脂板が異なる有機樹脂で固着されるため、窓ガラスの反りを低減し易くなる。
本発明のガラス樹脂複合体において、総板厚は、好ましくは55mm以下、45mm以下、40mm以下であり、好ましくは4mm以上、5mm以上、7mm以上、特に10mm以上である。総板厚が小さ過ぎると、窓ガラスの耐衝撃性能が低下し易くなる。一方、総板厚が大き過ぎると、窓ガラスの重量が重くなり、また窓ガラスの視認性が低下し易くなる。
以下のようにして、本発明のガラス樹脂複合体を作製することができる。
まず所定のガラス組成になるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して、1500〜1700℃で加熱溶融し、清澄、攪拌した後、成形装置に供給して板状に成形し、徐冷することにより、ガラス板を作製することができる。
板厚1.5mm以下の薄板ガラス板を成形する方法として、オーバーフローダウンドロー法を採用することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、表面が未研磨の状態で、高品位な薄板ガラス板を大量に作製し得る方法である。なお、表面が未研磨であると、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。
板厚3mm以上の厚板ガラス板を成形する方法として、フロート法を採用することが好ましい。フロート法は、厚板ガラス板を安価に作製し得る方法である。
ガラス板は、必要に応じて、面取り加工されていることが好ましい。その場合、#800のメタルボンド砥石等により、C面取り加工を行うことが好ましい。このようにすれば、端面強度を高めることができる。必要に応じて、ガラス板の端面をエッチングして、端面に存在するクラックソースを低減することも好ましい。
次に、得られたガラス板について、必要に応じて、曲面加工を行う。曲面加工の方法として、種々の方法を採用することができる。特に、金型によりガラス板を1枚ずつ或いは積層してプレス成形する方法が好ましく、所定の形状の金型でガラス板を挟み込んだ状態で熱処理炉を通過させることが好ましい。このようにすれば、曲面形状の寸法精度を高めることができる。また、所定形状の金型上にガラス板を1枚ずつ或いは積層して配置した後、ガラス板の一部又は全体を熱処理することにより、金型の形状に沿って、ガラス板を自重で軟化変形させる方法も好ましい。このようにすれば、曲面加工の効率を高めることができる。
更に、複数のガラス板と樹脂板とを有機樹脂中間層で複合一体化して、ガラス樹脂複合体とする。複合一体化の方法として、ガラス板同士又はガラス板と樹脂板の間に有機樹脂を注入した後に有機樹脂を硬化させる方法、ガラス板同士又はガラス板と樹脂板の間に有機樹脂シートを配置した後に加圧加熱処理(熱圧着)する方法等が挙げられる。前者の方法は、ガラス板と樹脂板の膨張不整合による樹脂板の変形を抑制することができる。後者の方法の方は、複合一体化が容易である。
また、複合一体化した後に、最外層のガラス板の外表面に、ハードコート膜、赤外線反射膜、熱線反射膜等の機能膜を形成してもよい。また複合一体化する前に、最外層のガラス板の内表面に、ハードコート膜、赤外線反射膜、熱線反射膜等の機能膜を形成してもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
次のようにしてガラス板を作製した。表1に記載のガラスA(ソーダライムガラス板)が得られるように、ガラス原料を調合した。その後、調合済みのガラスバッチを連続溶融炉に投入し、1500℃で20時間溶融した後、清澄、攪拌して、均質な溶融ガラスを得た上で、フロート法により板厚8.0mmの厚板ガラス板に成形した。次に、表1に記載のガラスB(アルミノホウケイ酸塩ガラス)が得られるように、調合済みのガラスバッチを連続溶融炉に投入し、1600℃で20時間溶融した後、清澄、攪拌して均質な溶融ガラスを得た上で、オーバーフローダウンドロー法により板厚0.7mmの薄板ガラス板に成形した。
ガラス転移温度は、ディラトメーターを用いて測定した値である。
結晶化度は、粉末法によりXRDを測定することにより、非晶質の質量に相当するハローの面積と、結晶の質量に相当するピークの面積とをそれぞれ算出した後、[ピークの面積]×100/[ピークの面積+ハローの面積](%)の式により求めた値を指す。
また、各ガラス板を所定の形状の金型で挟み込んだ状態で熱処理炉を通過させることにより、板幅方向の全体が円弧状に湾曲し、且つ長さ方向の全体が円弧状に湾曲した曲面形状に曲面加工した。その後、曲面加工後のガラス板の端面について#800のメタルボンド砥石によりC面取り加工及び研磨加工を行った。
最後に、厚み0.7mmのポリビニルブチラール(PVB)を用いて、厚板ガラス板1枚(最外層)、薄板ガラス板15枚、板厚4.0mmのポリカーボネート板(最内層)の順の配置になるように、オートクレーブ処理により複合一体化して、ガラス樹脂複合体を得た。このガラス樹脂複合体は、最外層が、板厚が8.0mmである厚板ガラス板であり、その厚板ガラス板の内側に、板厚が0.7mmである薄板ガラス板を15層以上有し、更にその内側に板厚4.0mmのポリカーボネート板を有するため、飛散片の衝撃エネルギーを有効に減衰し得ると考えられる。そして、このガラス樹脂複合体は、総板厚が33.7mmであり、最内層がポリカーボネート板であるため、軽量である。
本発明のガラス樹脂複合体は、自動車、鉄道、航空機等の窓ガラスに好適であり、それ以外にも、高層ビル等の建築物の窓ガラスにも好適である。
1 ガラス樹脂複合体
10 厚板ガラス板
11〜15 薄板ガラス板
16 樹脂板

Claims (6)

  1. 窓ガラスに用いるガラス樹脂複合体において、
    複数枚のガラス板と、樹脂板と、複数枚のガラス板と樹脂板とを複合一体化するための有機樹脂中間層と、を備え、
    外層のガラス板の内、少なくとも1層が、板厚3mm以上の厚板ガラス板であり、
    厚板ガラス板の内側に、板厚1.5mm以下の薄板ガラス板を3層以上有することを特徴とするガラス樹脂複合体。
  2. 厚板ガラス板の結晶化度が30%以下であり、且つ薄板ガラス板の結晶化度が30%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス樹脂複合体。
  3. 厚板ガラス板のガラス転移温度が、薄板ガラス板のガラス転移温度よりも5℃以上低いことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス樹脂複合体。
  4. 樹脂板がポリカーボネート板であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス樹脂複合体。
  5. 総板厚が55mm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス樹脂複合体。
  6. 3次元的に湾曲した曲面形状を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス樹脂複合体。
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