JP2018164455A - 自然発酵システムを利用した発酵製品を使用して成るその応用製品 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)施栓可能な容器に原料となる果実・野菜、穀物を入れ、施栓後、これを、容器詰めの状態の準密閉系で、制御された所定の低温度条件下に所定の期間保存する低温保存工程を含む保存工程で、原料に付着している自生の微生物と原料由来糖分を利用して自然発酵させる自然発酵システムを利用して膜状の表面形態を呈する特定の菌叢を形成させ、これに夾雑物の除去処理を施して得られる、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の、該菌叢を含む各種食品の生産に適用できる当該食品生産用基材(ベース素材)としての発酵製品を使用して成る当該発酵製品の応用製品であって、
1)施栓可能な容器に原料の果実及び/又は野菜を入れ、施栓後、これを、容器詰めの状態の準密閉系で、2℃〜6℃の低温下の保存工程で保存し、これを15℃〜30℃の常温下の保存工程で保存して、原料に付着している自生の微生物と原料由来糖分を利用して自然発酵させる自然発酵システムを利用して膜状の表面形態を呈する特定の菌叢を形成させ、バクテリアと乳酸菌の生息がみられる菌叢Aを形成する工程A、
菌叢Aを、更に15℃〜30℃の常温下に保存して、菌叢Aに比べて、バクテリアが存在せず、乳酸菌が増えて、乳酸球菌と酵母の共生状態がみられ、かつ、乳酸球菌が優勢の状態を保ち、表面に「つや膜」が形成され、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の菌叢Bを形成する工程B、
菌叢Bを、更に15℃〜30℃の常温下に保存して、バクテリアが存在せず、菌叢Bに比べて、乳酸菌と、酵母がより増えて、乳酸球菌と酵母の共生状態がみられ、かつ、乳酸球菌が優勢の状態を保ち、表面に「つや膜」が形成され、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の菌叢Cを形成する工程C、及び、
2)施栓可能な容器に原料の乳酸菌を含む水、蒸し又は炊いた穀物と麹、水を入れ、施栓後、これを、容器詰めの状態の準密閉系で、2℃〜6℃の低温下の保存工程で保存して、原料に付着している自生の微生物と原料由来糖分を利用して自然発酵させる自然発酵システムを利用して膜状の表面形態を呈する特定の菌叢を形成させ、バクテリアが存在せず、乳酸球菌と酵母の共生状態がみられ、かつ、乳酸球菌が優勢の状態を保ち、表面に「つや膜」が形成され、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の菌叢Dを形成する工程D、
からなる工程A〜Dを含む自然発酵システムにおいて、上記工程BからDの工程で得られる菌叢を利用して、該菌叢BからDの中から選択される特定の菌叢を含む前記各種食品の生産に適用できる食品生産用基材(ベース素材)としての発酵製品を製造し、
前記発酵製品を、他の任意の原料と合わせ、所定の温度及び時間において、菌叢を形成する乳酸菌球と酵母が共生する状態(ネットワーク)を拡大又はそのまま利用して二次加工製品とすることを特徴とする前記発酵製品の応用製品。
(2)前記発酵製品の応用製品が、乳酸球菌を含む発酵製品である、前記(1)記載の応用製品。
(3)前記乳酸球菌を含む発酵製品が、ドリンク製品、果実・野菜由来多糖類含有甘味料製品、スープ製品、ヨーグルト製品、マヨネーズ製品、ベーグル製品、パン製品、スコーン又はピザ類、果実・野菜発酵製品、パン種から選択される1種である、前記(1)又は(2)記載の応用製品。
本発明は、自然発酵システムによって形成される菌叢を構成する乳酸菌と酵母によって、自然発酵でありながら、「加熱殺菌処理を施さない条件下の非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)」の結果を得ることができる特定の菌叢の製造工程と、該菌叢を含む各種食品の生産に適用できる当該食品生産用の発酵製品を使用して成るその応用製品を提供するものである。ここで、本発明でいう発酵製品及びその応用製品とは、各種食品の生産に適用できる当該食品生産用基材(ベース素材)としての上記菌叢を含む発酵製品と、当該発酵製品を使用して成るその応用製品を意味する。
[病原性細菌]
1)病原性を決定する因子
2)細胞の付着に関する物質
3)宿主免疫系に対する抵抗性の上昇
4)乾燥に対する耐性能の増加
5)重金属の毒性からの細胞の保護
6)有機溶媒の毒性からの細胞の保護
7)ファージの溶菌作用からの細胞の保護
8)原生動物の食作用からの細胞の保護
病原性細菌以外の微生物の研究では、粘性の高い細胞外多糖(EPS)の保水効果による乾燥に関する耐性能や細胞自身の水分活性を保持する機能など、細胞の水分保持に関する機能や、細胞外多糖(EPS)で細胞を覆い隠すことによるさまざまな刺激に対する防御、保護の機能などの報告例がある。
ここで、本発明において、原料となる果実又は野菜の条件について説明する。原料となる果実又は野菜は、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖分を含み、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸を含んでいる。原料となる果実又は野菜は、乳酸菌や酵母が好む品種であり、かつ、熟し過ぎておらず、糖分や有機酸が消費尽くされていないもの、が望ましい。原料となる果実又は野菜は、従来の慣行栽培作物に比較して、農薬の使用がない、又はその使用量が少ないもの、(化学)肥料の使用がない、又は完熟した有機肥料を適宜使用したもの、が望ましい。原料となる果実又は野菜の貯蔵温度は、年間を通して一定であることが望ましい。
上記条件による原料を、具体的には施栓可能な容器内に、果実又は野菜を70容量%〜90容量%入れて、施栓し、2℃〜6℃、好ましくは2℃〜4℃で、7日間〜20日間、好ましくは10日間〜14日間、少なくとも2日に1回果汁をまんべんなく行き渡るように、かつ、果実又は野菜が崩れない程度に上記容器を軽く振って撹拌を繰り返し、カビの繁殖を防ぐ。
<条件3−日数>
A(菌叢Aレベルに相当)
施栓可能な容器内に、果実又は野菜を(切る、すりおろすなど、素材によって適正な処置をした後)入れ、施栓後、2℃〜6℃、好ましくは2℃〜4℃で、7日間〜20日間、好ましくは10日間〜14日間、保存し、15℃〜30℃、好ましくは20℃〜28℃で、2〜3日間、保存する。上記条件により、菌叢Aは、主に、バクテリアと低温性乳酸菌の生息がみられる状態になる。
施栓可能な容器内に、果実又は野菜を(切る、すりおろすなど、素材によって適正な処置をした後)入れ、施栓後、2℃〜6℃、好ましくは2℃〜4℃で、7日間〜20日間、好ましくは10日間〜14日間、保存し、15℃〜30℃、好ましくは20℃〜28℃で、3〜4日間、保存する。上記条件により、菌叢Bは、同Aに比べて、他バクテリアが存在せず、低温性乳酸菌数が増えていて、出芽酵母の生息がみられる状態になる。
施栓可能な容器内に、果実又は野菜を(切る、すりおろすなど、素材によって適正な処置をした後)入れ、施栓後、2℃〜6℃、好ましくは2℃〜4℃で、7日間〜20日間、好ましくは10日間〜14日間保存し、15℃〜30℃、好ましくは20℃〜28℃で、4〜5日間、保存する。上記条件により、菌叢Cは、同Bに比べると、低温性乳酸菌に加え、出芽酵母の数がやや増えている状態になる。
施栓可能な容器内に、果実又は野菜を(切る、すりおろすなど、素材によって適正な処置をした後)入れ、施栓後、2℃〜6℃、好ましくは2℃〜4℃で、7日間〜20日間、好ましくは10日間〜14日間、保存し、15℃〜30℃、好ましくは20℃〜28℃で、2日間〜20日間、保存する。
A(菌叢Aレベルに該当)
・ドリンク(COBO液を濾して飲むドリンク製品)
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、乳酸菌によるバクテリア抑制効果により、食品の安全性と、培地にする野菜のアク成分が消え、すっきりと飲みやすいドリンク製品となる。
・甘味料(COBO液を濾して使用する甘味料製品)
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、菓子、パンなど、製造時、「自然発酵」によって産生される果実・野菜由来の多糖類を使用し、砂糖や人工甘味料を添加しない甘味料製品となる。
・フレッシュ(非加熱)スープ製品
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、COBO中に含まれる植物性乳酸菌による整腸作用が期待でき、具材に使用する野菜などのアク成分が消えた、COBO中に含まれる野生酵母が産生する天然のアミノ酸(旨味)が得られ、野生酵母が産生する炭酸ガスにより喉越しがよいスープ製品となる。
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、豆乳を植物性乳酸菌が産生する乳酸によって凝固させ、豆乳の豆臭さを消した豆乳ヨーグルト製品となる。
・マヨネーズ製品
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、豆腐を植物性乳酸菌が産生する乳酸によって凝固させ、豆腐の豆臭さを消したマヨネーズ製品となる。
・ベーグル製品
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、植物性乳酸菌が産生する多糖類によって、砂糖など添加せず、生地を作ることができるベーグル製品となる。
・パン製品
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、COBO中に含まれる野生酵母の働きによって産生する炭酸ガスを利用して、工業用イーストや市販の天然酵母、糖分を添加せず、ふっくらとしたパンとなる。また、COBO中に含まれる乳酸菌の働きによって、生地のきめが細かくなり、しっとりやわらかな質感が得られ、消化にかかる負担を軽減するパン製品となる。完全無添加のパンは、10℃以下で、約1カ月の保存性をもつ。
本発明の発酵製品(COBO液)を利用することで、COBO中に含まれる野生酵母の働きによって産生する炭酸ガスを利用して、工業用イーストや市販の天然酵母、糖分を添加せず、生地のふくらみを有する製品(スコーン、ピザ)が得られる。また、COBO中に含まれる乳酸菌の働きによって、生地のきめが細かくなり、しっとりやわらかな質感が得られ、消化にかかる負担を軽減し、COBO中に含まれるつや膜による乳化作用により、植物性油脂(紅花油、菜種油、オリーブオイルなど)を含む生地の消化にかかる負担を軽減する製品となる。
<条件>
本発明は、他の実施態様として、原料に穀物、麹、水を使用し、穀物を「自然発酵」するものであり、穀物デンプンを麹菌の糖化作用を利用して糖化し、低温性乳酸菌と出芽酵母を、その穀物(加熱)を培地として発酵させる方法、特に糖分を一切加えず、長期低温発酵させる発酵方法と該発酵方法による発酵製品を提供するものである。
ここで、本発明の原料となる穀物(玄米、精米など)の条件を説明する。原料となる穀物は、玄米の場合、タンパク質とデンプンを主成分とし、精米の場合、デンプンを主成分とする。原料となる穀物は、従来の慣行栽培作物に比較して、農薬の使用がない、又は使用量が少ないもの、(化学)肥料の使用がない、又は完熟した有機肥料を適宜使用したものが望ましい。原料となる穀物の品種は、コシヒカリなど、モチ米の系統より、ササニシキなど、ウルチ米の系統が望ましい。原料となる穀物の貯蔵条件は、貯蔵温度が年間を通して一定であることが望ましい。
1)穀物を「自然発酵」するためには、果実・野菜よりも長期間の発酵が必要となる。雑菌を淘汰するため、乳酸菌の前段階として、硝酸還元菌により亜硝酸を生成させる。蒸留水には、硝酸還元菌の養分となる硝酸塩は少ないため、たとえば、炊いた米を団子状にして布に包み、ボウルなどの容器に入れた水の中で揉み解し、硝酸還元菌が繁殖しやすい条件を作る。更に、このボウルなどの容器の底部分に、「自然発酵」の原料となる穀物を入れ、水に浸しておく。
5)上記4)の乳酸菌が繁殖した水と麹、蒸した穀物、麹、水を90%容量入れた900mlの密閉容器を、2℃〜4℃で、20日超えの間、保存する。
<条件3−日数>
A(菌叢Dの発酵初期レベルに該当)
施栓可能な容器内に、乳酸菌を含む水、蒸した穀物と麹、水を90%容量入れ、施栓後、2℃〜4℃で、10〜30日間、保存する。
施栓可能な容器内に、乳酸菌を含む水、蒸した穀物と麹、水を90%容量入れ、施栓後、2℃〜4℃で、30〜80日間、保存する。
施栓可能な容器内に、乳酸菌を含む水、蒸した穀物と麹、水を90%容量入れ、施栓後、2℃〜4℃で、80〜120日間、保存する。
施栓可能な容器内に、乳酸菌を含む水、蒸した穀物と麹を合わせ、水を90%容量入れ、施栓後、2℃〜4℃で、20日超の間、保存する方法によって、硝酸還元菌による亜硝酸生成と、乳酸菌による乳酸生成を利用し、従来の「甘酒」に比べて、低温でゆっくりと消化酵素がデンプンを糖化し、酵母が繁殖して糖分を分解し、アミノ酸ほか有機酸、ミネラル、炭酸ガス、アルコールなど人に有用な成分を産生する自然発酵を実現することができる。
(1)果実・野菜・穀物に生息する自生の低温性(低温で生息できる)乳酸菌と出芽酵母を使用し、低温期間を設けることで他バクテリアの繁殖を抑えること、それにより、酒造りを目的とせず、酵母を添加することなく、植物性乳酸菌(球菌)と酵母が共生する特定の菌叢を形成することができる。
(2)自然発酵でありながら「非加熱で雑菌が不検出」の発酵製品を得ることができる。
(3)常温におく日数によって発酵状態のプロセスを区切り、菌叢の特性によって、砂糖ほか、添加物を使用しない無添加の発酵製品から構成される各種食品生産用基材(ベース素材)を作り、「自然発酵」により、乳酸菌と酵母の共生による安全性、再現性を実現することができる。
(4)「自然発酵」を利用して、果実・野菜に生息している自生の低温発酵性乳酸菌と出芽酵母を、その果実又は野菜(非加熱)又は穀物を培地として低温で発酵させる方法、特に、糖分を一切加えず、果実又は野菜又は穀物そのものの糖分を利用して発酵させる発酵方法及び各種食品生産用基材(ベース素材)としての発酵製品及び該食品生産用基材としての発酵製品を使用して成る各種応用製品を提供することができる。
以下、具体的にトマトCOBOの実施例を示す。トマトは、熟し過ぎていないミニトマトを使用し、以下の工程によりトマトCOBOを製造した。
(2)ミニトマトを約90%容量入れた容器に蓋をせず、麺棒を用いて、ビンの内部の上部から下部に向けてゆっくりと1回突く操作を施した。
(4)上記ミニトマトが入った容器を、容器詰めの状態の準密閉系で、冷蔵庫で、10日間、保存した。2日に1回、冷蔵庫から容器を取り出し、上下にゆっくりと振って撹拌し、また、冷蔵庫に戻した。
以下、具体的にトマトCOBOの実施例を示す。実施例1の場合と同様に、トマトは、熟し過ぎていないミニトマトを使用し、以下の工程によりトマトCOBOを製造した。
(2)ミニトマトを約90%容量入れた容器に蓋をせず、麺棒を用いて、ビンの内部の上部から下部に向けてゆっくりと1回突く操作を施した。
(4)上記ミニトマトが入った容器を、容器詰めの状態の準密閉系で、冷蔵庫で、10日間、保存した。2日に1回、冷蔵庫から容器を取り出し、上下にゆっくりと振って撹拌し、また、冷蔵庫に戻した。
(6)上記、皮を残して濾して得たトマトCOBO液(200cc)に、オレンジの搾り汁(150cc)、塩(1つまみ)を加えて撹拌し、器に注ぎ入れて、トマトCOBOの応用製品であるフレッシュスープ製品を得た。
上記実施例1の(1)〜(5)により調製したものと同様の、皮を残して濾して得たトマトCOBO液(200cc)と、水切りした木綿豆腐(1丁)、オリーブオイル(大さじ3)、塩(小さじ1.5)を、ミキサーで撹拌した。これを、蓋付きの容器に入れ、冷蔵庫(2℃〜4℃)で、1〜2日間、保存して、トマトCOBOの応用製品であるマヨネーズ製品を得た。
以下、具体的に柿COBOの実施例を示す。本実施例では、以下の工程により柿COBOを製造した。
(1)柿を流水で洗い、皮付きのまま8等分のくし切りにし、更に半分に切断した。これを、スクリュー型の蓋付き450mlの容器(ビン)に、該柿を、約90%容量入れた。
(2)柿を約90%容量入れた容器の蓋を締めて施栓して、容器詰めの状態の準密閉系で、酸素やバクテリアの混入を防ぐようにした。
(4)上記柿が入った容器を、容器詰めの状態の準密閉系で、冷蔵庫で、10日間、保存した。2日に1回、冷蔵庫から容器を取り出し、上下にゆっくりと振って撹拌し、また、冷蔵庫に戻した。
(6)強力粉(300g)に、上記、皮を残して濾した柿COBO液(200cc)、塩(3g)を添加し、10分間こねる処理を施して生地を調製した。
(7)まとまった生地を、蓋付き容器に入れて、22℃〜25℃で、4時間、一次発酵を行った。粉を指につけて生地を押し、あいた穴がすぐに戻らない状態で発酵を完了した。
(9)これを、200℃に予熱しておいたオーブンに入れ、180℃で、20分、焼いて、柿COBOの応用製品であるベーグルを得た。
以下、具体的にブドウCOBOの実施例を示す。本実施例では、以下の工程によりブドウCOBOを製造した。
(1)ブドウを、流水で洗い、粒を1つずつ房から取り外した。スクリュー型の蓋付き900mlの容器(ビン)に、ブドウを約90%容量入れた。このとき、従来の天然酵母の製造に用いられていた水も、砂糖などの糖分も一切加えないで、次の処理を行った。
(2)ブドウを約90%容量入れた容器に蓋をせず、麺棒を用いて、ビン内部の上部から下部に向けてゆっくりと1回突く操作を施した。
(4)上記ブドウが入った容器を、冷蔵庫で、10日間、保存した。2日に1回、冷蔵庫から容器を取り出し、上下にゆっくりと振って撹拌し、また、冷蔵庫に戻した。
(6)強力粉(300g)に、上記、皮を残して濾したブドウCOBO液(200cc)、塩(3g)を添加し、10分間こねる処理を施して生地を調製した。
(8)生地を分割、成形し、30℃で、1時間、二次発酵を行った。
(9)これを、180℃に予熱しておいたオーブンに入れ、160℃で15分焼いて、ブドウCOBOの応用製品である丸パンを製造した。
以下、具体的にみかんCOBOの実施例を示す。本実施例では、以下の工程によりみかんCOBOを製造した。
(1)温州みかんの厚い皮をむき、2〜3片とりおいた。うす皮つきのまま、ひと房ずつに分け、スクリュー型の蓋付き450mlの容器(ビン)に、みかんを約90%容量入れた。
(2)みかんを約90%容量入れた容器に蓋をせず、麺棒を用いて、ビンの内部の上部から下部に向けてゆっくりと1回突く操作を施した。
(4)上記みかんが入った容器を、冷蔵庫で、10日間、保存した。2日に1回、冷蔵庫から容器を取り出し、上下にゆっくりと振って撹拌し、また、冷蔵庫に戻した。
(6)ボールに、強力粉(100g)、薄力粉(200g)、塩(2g)、植物性油脂(55g)を入れ、手ですり混ぜてから、上記、皮を残して濾したみかんCOBO液(85g)を回し注いだ。
(8)生地をラップで包み、冷蔵庫で保存した。
(9)ラップを取り外し、麺棒で生地を伸ばして半分に折り畳む作業を繰り返した。厚さ2cmにして、セルクルで抜き、8個分の生地をとった。
(10)これを、180℃に予熱しておいたオーブンに入れ、160℃で20〜25分焼いて、みかんCOBOの応用製品であるスコーンを得た。
施栓可能な容器に、蒸した米と麹、乳酸菌を含む水を入れ、容器の開口部を栓で塞いだ後、2℃〜4℃の低温下で保存して、植物性乳酸菌(連鎖球菌)と酵母(多極出芽酵母)が生息する菌叢Dを形成し、これに夾雑物の除去処理を施した後、フリーズドライ乾燥することで、pH4.0(ガラス電極法)で、非加熱で雑菌が不検出の粉末発酵製品の米COBO[一般生菌/g:5.6×106、大腸菌群/g:陰性、大腸菌/g:陰性、乳酸菌/g:2.0×107、酵母/g:2.0×104](分析:株式会社食品微生物センター)を得た。図2に、米発酵製品(米COBO)の粉末製品の顕微鏡写真を示した。また、図4に、米COBOの「つや膜」の外観(図中、左上)を示した。
菌叢を拡張・拡大する(元種を起こす)
菌叢元種(20g)を作製するために、米のCOBO(フリーズドライパウダー)を5g、水を15gを原料として、スクリュー型密閉ビン(150mD)に米のCOBO5g、水15gを入れて混ぜ、しっかりフタをしめて、室温25℃で、約36時間おいた。水面に泡が出て、フタをあけると空気が抜ける音がして、細かい泡が立ち上ることが観察された。
1;ボウルに強力粉、塩を入れ、泡立て器でよく混ぜ、
2;COBO(中種+水を計量カップで混ぜた)を、上記1の粉に2〜3回に分けて注いだ。その際、ボウルの底を軽くたたいてゆすると、COBO液が粉をまとい、細かいフレーク状になることが観察された。
3;ボウルの底から、スケッパーですくい上げるように混ぜ、粒を大きくしていくことで、ひとまとめに、ボウルに付いた粉を拭き取るように、まとめていった。
4;上記3の生地を台の上に出し、手でのばしながら「菊練り」のような動きをくりかえし、5分ほどこね、両手でまとめ、蓋付き密閉容器に入れて発酵に供した。
生地を入れた蓋付き密閉容器を冷蔵庫(2〜4℃)に入れ、約24時間おいた。生地の料が増えたようにみえ、容器を底部分に、生地に気泡が入り、蟻の巣状になった。更に、生地を入れた密閉容器を、室温20〜25℃で、一次発酵のために、約3〜4時間おいた。生地表面につやが出ること、大きな気泡ができること、生地を指で押し、押した穴がすぐに戻ってこないようにふわふわすること、が観察された。
上記生地(450g)をスケッパーで150g×3個に分割し、手のひらで軽くたたいて無駄なガスを抜き、めん棒で平たくした。スケッパーを使い、生地の端から巻き込むようにして、細長くまとめた。とじ目をしっかりおさえて付け、前後に軽く転がし、整えた。
天板に、生地を離して並べ、室温20〜25℃で、約1.5時間、二次発酵に供した。生地の乾燥に注意し、霧吹きをして茶こしで薄く粉をふるう操作を行った。成形により張っていた生地がゆるみ、ふわっとすることが観察された。クープカッター又はパンナイフで切り込みを4本斜めに入れ、刷毛でオリーブオイルをぬる操作を行った。
260℃に予熱したオーブンに生地をのせた天板を入れ、霧吹きして、250℃に設定し、約12〜15分焼いた結果、5〜10分で生地がふわっと立ち上がり、クープがひらき10分以降は、生地が色づき、焼き色がついてからオーブンから出した。
Claims (3)
- 施栓可能な容器に原料となる果実・野菜、穀物を入れ、施栓後、これを、容器詰めの状態の準密閉系で、制御された所定の低温度条件下に所定の期間保存する低温保存工程を含む保存工程で、原料に付着している自生の微生物と原料由来糖分を利用して自然発酵させる自然発酵システムを利用して膜状の表面形態を呈する特定の菌叢を形成させ、これに夾雑物の除去処理を施して得られる、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の、該菌叢を含む各種食品の生産に適用できる当該食品生産用基材(ベース素材)としての発酵製品を使用して成る当該発酵製品の応用製品であって、
1)施栓可能な容器に原料の果実及び/又は野菜を入れ、施栓後、これを、容器詰めの状態の準密閉系で、2℃〜6℃の低温下の保存工程で保存し、これを15℃〜30℃の常温下の保存工程で保存して、原料に付着している自生の微生物と原料由来糖分を利用して自然発酵させる自然発酵システムを利用して膜状の表面形態を呈する特定の菌叢を形成させ、バクテリアと乳酸菌の生息がみられる菌叢Aを形成する工程A、
菌叢Aを、更に15℃〜30℃の常温下に保存して、菌叢Aに比べて、バクテリアが存在せず、乳酸菌が増えて、乳酸球菌と酵母の共生状態がみられ、かつ、乳酸球菌が優勢の状態を保ち、表面に「つや膜」が形成され、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の菌叢Bを形成する工程B、
菌叢Bを、更に15℃〜30℃の常温下に保存して、バクテリアが存在せず、菌叢Bに比べて、乳酸菌と、酵母がより増えて、乳酸球菌と酵母の共生状態がみられ、かつ、乳酸球菌が優勢の状態を保ち、表面に「つや膜」が形成され、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の菌叢Cを形成する工程C、及び、
2)施栓可能な容器に原料の乳酸菌を含む水、蒸し又は炊いた穀物と麹、水を入れ、施栓後、これを、容器詰めの状態の準密閉系で、2℃〜6℃の低温下の保存工程で保存して、原料に付着している自生の微生物と原料由来糖分を利用して自然発酵させる自然発酵システムを利用して膜状の表面形態を呈する特定の菌叢を形成させ、バクテリアが存在せず、乳酸球菌と酵母の共生状態がみられ、かつ、乳酸球菌が優勢の状態を保ち、表面に「つや膜」が形成され、非加熱で雑菌が不検出(1万個以下/g)の菌叢Dを形成する工程D、
からなる工程A〜Dを含む自然発酵システムにおいて、上記工程BからDの工程で得られる菌叢を利用して、該菌叢BからDの中から選択される特定の菌叢を含む前記各種食品の生産に適用できる食品生産用基材(ベース素材)としての発酵製品を製造し、
前記発酵製品を、他の任意の原料と合わせ、所定の温度及び時間において、菌叢を形成する乳酸菌球と酵母が共生する状態(ネットワーク)を拡大又はそのまま利用して二次加工製品とすることを特徴とする前記発酵製品の応用製品。 - 前記発酵製品の応用製品が、乳酸球菌を含む発酵製品である、請求項1記載の応用製品。
- 前記乳酸球菌を含む発酵製品が、ドリンク製品、果実・野菜由来多糖類含有甘味料製品、スープ製品、ヨーグルト製品、マヨネーズ製品、ベーグル製品、パン製品、スコーン又はピザ類、果実・野菜発酵製品、パン種から選択される1種である、請求項1又は2記載の応用製品。
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