JP2018164422A - 加工食品 - Google Patents

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Kazumi Iwai
和美 岩井
雄大 佐藤
Yudai Sato
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Abstract

【発明の課題】主食部において生じる調味ソースからの吸水及び/又は着色が効果的に抑制された加工食品を提供する。【解決手段】調味ソースにウェランガムを含有させることによって、パスタ等の主食部において生じる調味ソースからの吸水及び/又は着色を効果的に抑制できる調味ソースおよび該調味ソースを用いた加工食品を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、加工食品に関するものである。詳細には、調味ソースと主食部からなる加工食品であって、調味ソースに含まれる水分が、主食部へ吸水されることによって生じる主食部の膨潤及び/又は着色が抑制された加工食品に関する。
近年、調理済み加工食品の種類もバラエティに富むものとなり、スパゲッティを茹で、加温した調味ソースと和えるだけで、様々な風味のスパゲッティを手軽に食することができるようになった。スパゲッティと和えて使用されるパスタソースについても、レトルトパウチ製品や缶詰など色々な製品が上市されている。また、コンビニエンスストアでは、例えばミートソースとパスタが既に盛り付けられた状態のチルド製品などが提供されている。
ところで、スパゲッティやマカロニ等の乾麺を茹でたパスタは、吸水性が顕著であることが知られている。パスタは、通常、乾麺を10分程度茹でるが、これにパスタソースを和えると、経時的にパスタソース中の水分がパスタに吸収され、パスタが伸びた状態となり歯ごたえの無い食感となり美味しくなくなるという問題がある。また、パスタに加え蒸し鶏、豚しゃぶのような肉加工品や野菜類をパスタソースで和えて調製するパスタサラダでは、パスタソースだけでなく肉加工品や野菜類からも水分がパスタに移行することとなる。その結果、パスタは吸水によって膨潤や着色を起こし、ソース、肉加工品や野菜類は水分を失い、パサパサとした食感や水気のない外観となってしまうという問題がある。
パスタ等に直接調味ソースをかけた状態でパックしチルド商品として販売すれば、電子レンジで加温するだけで簡便に食することができるが、このような商品の形態では、上記のようなパスタへの吸水や着色が顕著となり、商品の品質を保持できない。調味ソースをパスタとトレーなどで分離して包装し、電子レンジ等で加温してからパスタとソースを絡める商品形態では、パスタの吸水や着色の問題は軽減されるが、トレー等からソースを移す手間がかかってしまう。
そこで、上記パスタ等の吸水や着色によって生じる品質の劣化を解決する方法として、4〜7糖類が糖組成の50%以上をしめるオリゴ糖を含有するパスタサラダ(例えば、特許文献1参照)、低粘度水溶性多糖類又は水溶性多糖類の部分分解物を含有した酸性水中油型乳化食品(例えば、特許文献2参照)、低粘度水溶性多糖類又は水溶性多糖類の部分分解物を含有したパスタサラダ(例えば、特許文献3参照)、pHが4.6を超え、かつ水分活性が0.94以下のパスタソースであって、食用油脂、ポスホリパーゼA処理卵黄、及び糖組成の40%以上が五糖以上の糖アルコールである還元澱粉糖化物を配合した水中油型乳化物であり、該乳化物の粘度が30〜160Pa・sであって、キャップ付き容器に充填されてなる容器詰め水中油型乳化パスタソース(特許文献4)、ガティガムを含有することを特徴とするパスタソース(特許文献5)、化工澱粉及び/又は湿熱処理澱粉を配合した品温0℃未満の茹で済みパスタと、アシル基を有した親水性乳化剤及び食用油脂を配合した品温70℃以上のソースを容器に充填密封した後、加熱殺菌を施すことを特徴とするパスタ入り加工食品の製造方法(特許文献6)、熱凝固性蛋白質を配合した品温0℃未満の茹で済みパスタと、品温70℃以上のクリーム状ソースとを容器に充填密封した後、加熱殺菌を施すことを特徴とするパスタ入り加工食品の製造方法(特許文献7)、リゾリン脂質と微結晶セルロースとを含有していることを特徴とするパスタソース(特許文献8)、DE5以下の澱粉分解物とDE9〜15の澱粉分解物とを含有していることを特徴とするパスタソース(特許文献9)、増粘多糖類を含有しないパスタソースにおいて、DE1〜6のでん粉糖を4〜25質量%含有させることを特徴とする、吸水耐性に優れたパスタソースの製造方法(特許文献10)、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているパスタソース(特許文献11)、乾燥具材からなるトッピング材と、液状部と固形部を含むソースを組み合わせた、トッピング材とソースがそれぞれ容器に詰められた容器詰めパスタソース(特許文献12)、ナトリウムを特定量含有し、煮込み前後のソースの粘度(品温60℃)が特定の範囲となるように調製した煮込み用パスタソース(特許文献13)、構成脂肪酸にベヘニン酸及び/又はステアリン酸を含むポリグリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルを含有し、水酸基価が120から170の範囲である食品用染込み抑制剤(特許文献14)などが開示されている。
しかし、簡便にパスタへの吸水や着色を抑える方法については、さらに検討の余地がある。
特開2002−10745号公報 特開2003−111577号公報 特開2003−111578号公報 特開2004−215539号公報 特開2007−60914号公報 特開2008−43255号公報 特開2008−43254号公報 特開2009−60812号公報 特開2009−65878号公報 特開2009−207388号公報 特開2012−10602号公報 特開2015−39332号公報 特開2016−26482号公報 特開2016−96730号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、パスタや、パスタと同様の問題が生じているライス、パン・ピザ生地等(以下、これらを総称して主食部ともいう)と調味ソースを接触させることによって調製される食品に対し検討されたものである。即ち、調製された加工食品の保存中に、調味ソースに含まれる水分が主食部へ吸収され、パスタ等の主要部が膨潤し(伸び)て食感が劣化する、調味ソースの色に染まるといった問題を解決し、好ましい食感が維持され着色のない加工食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねていたところ、調味ソースにウェランガムを含有させることによって、パスタ、ライスやパン・ピザ生地等の主食部への吸水や着色を効果的に抑制できるとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づくものである。
詳細には、本発明は下記に掲げるものである:
項1
調味ソースが主食部と接した状態で提供される加工食品であって、調味ソースにウェランガムを含有することを特徴とする、主食部において生じる調味ソースからの吸水及び/又は着色が抑制された加工食品。
項2
調味ソースに含まれるウェランガムの含有量が0.01〜1質量%である、項1に記載の吸水及び/又は着色が抑制された加工食品。
項3
調味ソースが主食部と接した状態で提供される加工食品において、調味ソースにウェランガムを添加することを特徴とする、主食部において生じる調味ソースからの吸水及び/又は着色の抑制方法。
項4
調味ソースに含まれるウェランガムの含有量が0.01〜1質量%である、項3に記載の吸水及び/又は着色の抑制方法。
本発明によって、調味ソースからパスタやライス等の主食部への吸水が効果的に抑制され、主食部の膨潤や着色を生じない加工食品を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
尚、本発明においてパスタ等の主食部に生じる吸水とは、主食部が積極的に他の相(調味ソースなど)から水分を吸収することを意味し、調味ソース部からの離水のみを能動的に吸収して膨潤するものとは別意のものである。従って、調味ソースからの離水が生じていなくても、主食部の吸水が生じている場合を含むものである。
<調味ソース>
本発明にかかる調味ソースとは、茹でたスパゲッティやマカロニ等のパスタ類、ライス、パン及びピザ生地等に積層する、挟み込む、内包する、または和えることによって、調理食品として仕上げるためのソースを指す。
調味ソースの種類としては、前述のパスタソースのほかに、カレーソース、シチューソース、ハヤシソース、ベシャメルソース、ホワイトソース、クリームソース、ラザニアソース、デミグラスソース、ハンバーグソース、あんかけソース、トマトソース、チーズソース、チリソース、ステーキソース、ドリアソース及びグラタンソースを例示でき、さらにドレッシング、マヨネーズソース、タルタルソース、サルサソース、フルーツソース等を挙げることができる。
また、ライスと組合せて使用される調味ソースとしては、親子丼や牛丼のもと、レトルトカレーのように、ライスの上にかけて食するものや、海苔の佃煮、ツナマヨネーズや肉味噌、焼き鳥のようなおにぎりの具材としても使用されるものが例示できる。
更に、パンやピザ生地と組み合わせる調味ソースとしては、ピザソース、あんやクリーム等のフィリング、潰したゆで卵、更には焼きそば、コロッケやミンチカツ等パンに挟んで供される食材に使用するソース類に対しても、本発明を利用することができる。
その他、春巻や餃子の具に添加する調味液に対しても、本技術を適用することが可能である。
いずれの調味ソースに関しても、調味ソース部からパスタ等の主食部へ水分が吸収され、主食部が膨潤する、伸びる、ふやけるといった問題が生じていた。また、水分の移行とともに主食部が調味ソースの色に着色し、見栄えが悪くなる点も問題であった。
本発明では、これら主食部への吸水や着色を効果的に抑制することが可能となる。
本発明では、前述のような調味ソースにウェランガムを添加することを特徴とする。
ウェランガムは、スフィンゴモナス属細菌(Sphingomonas sp.)の培養液から得られた多糖類を主成分とするものである。簡便には、一般に流通している市販製品を利用することが可能であり、具体的には三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のビストップ(登録商標)W等が例示できる。
ウェランガムの調味ソースへの添加量は、どの様な調味ソースへ添加するかで異なるが、例えばパスタソースの場合は0.01〜1質量%、好ましくは0.03〜0.5質量%である。ウェランガムの添加量が調味ソース中の1質量%を越えると調味ソースの粘度が高くなり、製造時の操作性や主食部との混合が困難になるため好ましくない。また、0.01質量%未満では、主食部への吸水を抑えるのが困難となる。
調味ソースへのウェランガムの添加方法は、調味ソースの原材料の一つとしてウェランガムを添加すればよく、特別な装置や製造条件を設定する必要がないため製造上制限なく利用することができる。また、ウェランガムを添加するタイミング、添加状態も任意であるが、好ましくは、例えば酸性水中油型乳化物の調味ソースの場合は、乳化を行う前にウェランガムを添加することが好ましい。この時、ウェランガムは粉末の状態でも、予め水溶液としたものを加えてもよい。
本発明の調味ソースは、本発明の効果を妨げない範囲において、従来の調味ソースに添加・使用される成分や食品素材を加えることができる。例えば、ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、トレハロース、パラチノース、D−キシロース、オリゴ糖、デキストリン、澱粉類、加工澱粉、サイクロデキストリン、トレハロース、マルトース等の糖類;エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、マルトデキストリン等の糖アルコール類;アラビアガム、キサンタンガム、カラギナン、寒天、ゼラチン、ジェランガム、カードラン、ローカストビーンガム、ペクチン等の多糖類などである。
その他、例えば、マーガリン、ヤシ油、サラダ油、オリーブ油、菜種油、大豆油、コーン油等の植物性油脂、バター、ポークファット、ビーフファット、チキンファット等の動物性油脂や、それらの硬化油、分別油、エステル交換油;ショウガ、ニンニク、食塩、コショウ;スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、サイクラメート及びその塩、アリテーム、ネオテームなどの高甘味度甘味料;牛乳、生乳、特別牛乳、生山羊牛、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳及び加工乳などの動物性乳;豆乳などの植物性乳;濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、発酵乳(ヨーグルト製品を含む)、乳飲料及び乳酸菌飲料等の乳製品、全乳粉、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳及び調製粉乳などの粉末乳製品;ワイン、ビール、日本酒、ブランデー、ケチャップ、マヨネーズ、ソース、食酢、ワインビネガー、果汁、香料、香辛料抽出物、香味料、色素、酸化防止剤、日持ち向上剤、保存料、キレート剤などの食品或いは食品添加剤を適宜選択して使用することができる。
本発明の調味ソースに含まれる具材などの固形分の量も特に制限されず、調味ソースの味の種類に応じて適宜調節することができる。添加する具材の例を挙げると、トマト、ニンジン、じゃがいも、タマネギ、ピーマン、カリフラワー、ブロッコリー、タケノコなどの野菜類;シイタケ、シメジ、マッシュルーム、エリンギ、エノキダケ、マイタケ、キクラゲなどの各種キノコ類;トウモロコシやその他の穀類;グリンピースなどの豆類;コンブ、ワカメなどの海草類;アサリ、シジミ、ハマグリ、ホタテガイ、エビ、カニ、イカ、タコ、イワシ、マグロ、サケ、アジ、タイなどの魚介類;豚肉、牛肉、鶏肉などの畜肉、ハム、ベーコン、ソーセージなどの畜肉加工品、チーズなどの乳製品などがある。
これら具材の調味ソースへの添加量は、一般的に、調味ソースの水分の含有割合が10〜90質量%程度の範囲になるようにするのが好ましい。
本発明の調味ソースのpHも特に制限されず、調味ソースの味の種類に応じて適宜調節することができるが、一般的に、pHを4〜7程度に調整することが望ましい。pHの調整は、有機酸及び又はその塩、無機酸及び又はその塩といったpH調整剤を使用することが好ましく、pH調整剤として、例えば、フィチン酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸やその塩、リン酸塩等を挙げることができる。
<主食部>
本発明における主食部とは、前述の調味ソースと組み合わせて食するものを指し、具体的にはパスタのような麺類のほか、ライス、パン類等が挙げられる。本発明では、これらの材料が吸水して膨潤することによる歯ごたえの劣化や調味ソースによる着色(色移り)を抑制するものであるので、同様の課題を有する材料全般が対象となりうる。
本発明の主食部として利用できるパスタとは、イタリア料理に使う麺類の総称で、小麦粉に水、卵やバターなどを加えて練った食品を指し、具体的にはスパゲッティ、バーミセリ、マカロニ、リガトーニ、ラビオリ、ラザニア、フェットチーネやカネロニ等が例示できる。この他、麺類としてはうどん、そうめん、そば、きしめん、中華そばやフォーなどを例示することができる。
また、ライス(米、麦、その他の穀物を炊飯したもの全般、さらには求肥や餅も含まれる)のほか、パン、ピザ生地、春巻や餃子の皮等についても、同様の効果を期待して加工食品を調製することが可能となる。
主食部は、従来行われている方法で製造したものでよく、特別な製造条件や装置を要することはない。
<調味ソースと主食部を組み合わせた加工食品>
上記調味ソースと主食部を組み合わせた加工食品の具体例としては、調味ソースとしてミートソース、主食部としてパスタを組み合わせたミートスパゲッティ、トマトソースと和えたナポリタン風スパゲッティやスープスパゲッティのほか、野菜とパスタにソースを和えたパスタサラダを挙げることができる。
また、マカロニグラタンとドリアの関係のように、パスタをライスに置き換えた料理についても本発明の効果を奏することができる。即ち、ドリアの他、カレーライス、ハヤシライス、親子丼、牛丼や中華丼なども本発明の対象とすることができる。
さらには、ピザ、パンの中身をくりぬきシチューを注いだシチューポットパン、シチューをピラフにかけたシチューピラフ、あんかけチャーハン等も含めることができる。
この他、主食部で調味ソースを包む、挟むなどして得られるサンドイッチ、ホットドッグ、春巻き、餃子、中華まん、シュークリーム、クリームパン、カレーパンやおにぎり等も、本発明の対象となる。
これら加工食品の形態は、調味ソースと主食部を予め組み合わせて食品の状態で提供される弁当、惣菜、チルド品、冷凍食品や真空パック品が例示できる。本発明を利用することにより、従来では予め組み合わせて提供すると主食部の吸水によって膨潤や伸びを生じ食感が劣化していたが、これを効果的に抑制し、作りたての食感を維持した加工食品を提供することができる。また、調味ソースと主食部をトレー等で分離する必要がなくなるため、製造コストの削減や喫食時の手間を省くことができる利点を有する。
以下に、本発明にかかる加工食品の一つである、ミートスパゲッティについて説明する。
ミートスパゲッティを構成する調味ソースに該当するミートソースは、例えば、トマト、タマネギ、ニンジン、畜肉ミンチ(牛肉、豚肉、鶏肉等)、ハム、ソーセージ、ベーコン等の具材や各種調味料、香辛料、保存料等を適宜添加混合して調製したものである。その調製方法は従来公知の方法でよく、本発明ではこれにウェランガムを添加すればよい。
ミートスパゲッティにおいては、スパゲッティの吸水を防止するために、ミートソース中のウェランガムの含有量が0.03質量%以上、好ましくは、0.05質量%以上となるように添加して調製すればよい。また、ミートソースは水分含量の多いトマトソースなどスープタイプの調味ソースとすることも可能である。スープタイプの場合、調味ソースに対するウェランガムの添加量を0.1質量%以上、より好ましくは0.3%質量以上、更に好ましくは0.5質量%以上となるように適宜調整して添加することで、主食部であるスパゲッティの膨潤や着色を効果的に抑制することができる。
こうして得られたミートスパゲッティ等の加工食品は、従来公知の技術・製法によって、常温保存可能な加工食品、チルド製品、冷蔵食品又は冷凍食品等とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。特に記載のない限り「%」とは「質量%」を、「部」とは、「質量部」を意味するものとする。また、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品であることを示す。
試験例1 パスタソース(カルボナーラ)
表1の処方に従い、パスタソース(カルボナーラ)を調製した。

<製造方法>
パスタソース:
(1)19に13と、比較例1には17を、実施例1には18を加え、80℃10分加熱攪拌した。
(2)(1)に1を少しずつ加え、攪拌した。
(3)(2)に残りの材料を加え、攪拌溶解した。
(4)(3)をレトルトパウチ(耐熱性容器)に充填後、レトルト殺菌した(121℃20分間)。
<評価>
テスト1:
上記パスタソース45gを茹で上げたパスタ50gにかけ、ラップで覆い冷蔵保存した。3時間後、電子レンジで500W2分加熱し、パスタソースとパスタを混ぜ、食感を評価した。
テスト2:
上記パスタソースを湯せんにて加熱し、パスタ50gに対してパスタソース45gをかけた。パスタソースとパスタを混ぜ、食感を評価した。
各テストの結果を表2に示す。食感の評価は、パスタソースと混ぜていないパスタの食感を基準とし、歯ごたえや伸びの有無を総合的に評価した。具体的には次の通りである。
± :パスタソースと混ぜていないパスタと同等の食感(歯ごたえの悪化や伸びは感じられない)
− :パスタの食感が劣化している(歯ごたえがない、伸びている)
−−:顕著にパスタの食感が劣化している

<結果>
ウェランガムを添加したパスタソースと混ぜた実施例1のパスタでは、歯ごたえの劣化や伸びたような食感を感じることはなかった。また、調製後30分後であっても、良好な食感が維持されていた。
一方のキサンタンガムを添加した比較例1のソースと混ぜたパスタでは、テスト1では、ソースとパスタを混ぜた直後であってもやや軟らかく感じ、食感に差が生じていた。また、混ぜてから5分経過すると、いずれのテストであっても、パスタへの吸水によって歯ごたえのない伸びたような食感がより顕著に感じられた。
試験例2 マカロニグラタン
次の処方に基づき、マカロニグラタン用のソースを調製した。

<製法>
ソース:
(1)15に各12〜14を加え、80℃10分加熱攪拌した。
(2)(1)に残りの材料を加え、攪拌溶解した。
(3)(2)を容器に充填後、冷凍した。
グラタン(1カップ)処方例:
ソース(上記) 30.0g
マカロニ(ボイル) 10.0
タマネギ(みじん切り) 3.0g
(1)タマネギのみじん切りを、収率が80%になるまでソテーした。
(2)(1)にソースとマカロニを混合し、カップ型の容器に充填後、冷蔵(5℃)又は冷凍(−25℃)で24時間保存した。
保存後のマカロニグラタンを、次の条件で加温し、食感の評価を行った。
冷凍したマカロニグラタン:電子レンジにてラップをせずに500W 2分/2個
冷蔵したマカロニグラタン:電子レンジにてラップをせずに500W 1分/2個
<評価>
マカロニの食感:
ウェランガムを添加した実施例2のソースを用いたマカロニグラタンでは、冷蔵・冷凍のいずれにおいても、マカロニが吸水して伸びることによって食感が悪くなるといったことがなかった。
一方の比較例2のソースを用いたマカロニグラタンでは、冷蔵・冷凍のいずれにおいてもマカロニが柔らかくなっており、糊っぽい食感となっていた。
試験例3 春巻き
次の処方に基づき、春巻き用の具を調製した。

<製法>
(1)21に各19・20を加え、80℃10分加熱攪拌した。
(2)1〜16を混合し、弱火で4分間炒めた。
(3)(2)に(1)を加え、85℃になるまで炒めた。
(4)(3)に17・18を加え混合後、全量補正し冷却した。
<評価方法>
テスト1
(1)春巻の具25gを丸型に成型し、急速凍結した。
(2)凍結後、具をろ紙にのせ、室温にて90分間静置し、ろ紙による吸水の状態を観察した。
<結果>
加工でん粉のみの比較例3の具では、ろ紙上に水分の染み出しが確認できた。該染み出しには、添加した調味料等による着色が認められた。
一方のウェランガムを添加した実施例3の具では、水分の染み出しは認められず、ろ紙の着色も生じていなかった。
テスト2
(1)春巻の具を皮に包み(40g/1個)、油調(160℃ 3分)し、急速凍結した。
(2)冷凍した春巻を電子レンジで500W2分間加熱し、食感を評価した。
<結果>
ウェランガムを添加した実施例3の春巻は、ウェランガムを添加していない比較例3の春巻よりも皮の食感が軽く、容易に噛み切ることができ、パリパリとした皮の食感を楽しむことができた。一方のウェランガムを添加していない比較例3の春巻は、厚紙を噛んだ様なやわらかい食感となっており、噛み切るのが困難であった。
テスト3
(1)春巻の具を皮に包み(40g/1個)、急速凍結した。
(2)凍結した春巻を油ちょう(160℃ 5分)した。
(3)油ちょう後3時間室温保管した春巻の皮の食感も評価した。
<結果>
油ちょう直後は、実施例3、比較例3のいずれの春巻も、皮の食感に差はなかった。
しかし、室温保管後の食感は、比較例3の春巻が厚紙を噛んだ様な食感で噛み切るのが困難であったのに対し、実施例3の春巻は容易に噛み切ることができ、皮のパリパリ感も残っていた。
試験例4 パスタソース(ミートソース)
次の表5のソース処方に基づき、パスタソース(ミートソース)を調製した。

<調製方法>
1 パスタソース処方中の12〜14を水に加え、80℃10分間加熱攪拌した。
2 次いで残りの材料を加え、攪拌溶解し、パスタソースを得た。
3 一袋処方(下気参照)中の上記で調製したソースに、玉ねぎ(みじん切り後、収率80%までソテーしたもの)、豚ウデ肉(2分間ボイルしたもの)及び人参(みじん切り後、2分間ボイルしたもの)を加え、アルミパウチに充填後、レトルト殺菌(121℃ 20分)を行った。
<一袋分処方>
1. 上記パスタソース 100
2. 玉ねぎ 15
3. 豚ウデ肉(3mmφ) 10
4. 人参 5
合計 130 g
<検証>
アルミパウチを湯せん(3分間)して温めたパスタソース50gを茹でたパスタ100gにかけ、5℃で24時間保存後の状態を評価した。
保存後のパスタは膨潤せず、出来立てのような食感であった。また、パスタソースの色に染まった部分はなく、調製直後の状態と外観上の変化は認められなかった。
一方、上記パスタソースからウェランガムを除き調製したパスタソースをかけたパスタは、吸水によって膨潤しており、さらのその部分がパスタソースの色に染まっていた。歯ごたえの無いのびた食感となっており、パスタの染まり方から、調製後かなりの時間が経過しているような印象を起こさせた。

Claims (4)

  1. 調味ソースが主食部と接した状態で提供される加工食品であって、調味ソースにウェランガムを含有することを特徴とする、主食部において生じる調味ソースからの吸水及び/又は着色が抑制された加工食品。
  2. 調味ソースに含まれるウェランガムの含有量が0.01〜1質量%である、請求項1に記載の吸水及び/又は着色が抑制された加工食品。
  3. 調味ソースが主食部と接した状態で提供される加工食品において、調味ソースにウェランガムを添加することを特徴とする、主食部において生じる調味ソースからの吸水及び/又は着色の抑制方法。
  4. 調味ソースに含まれるウェランガムの含有量が0.01〜1質量%である、請求項3に記載の吸水及び/又は着色の抑制方法。


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Citations (3)

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