JP2018164030A - 有機半導体素子、有機半導体組成物、有機半導体膜の製造方法、有機半導体膜、及びこれらに用いるポリマー - Google Patents

有機半導体素子、有機半導体組成物、有機半導体膜の製造方法、有機半導体膜、及びこれらに用いるポリマー Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境下でも半導体特性が低下しにくい有機半導体素子を提供する。【解決手段】有機半導体層が式(1)又は(2)の構造と式(G)の共役系構造とを有するポリマーを含む有機半導体素子。Xは窒素原子又はCRa、Y1は酸素原子又は硫黄原子、Raは水素原子又は置換基を示す。*−Ar1−(Vr)p3−Ar2−*式(G)Ar1及びAr2は単結合又は特定の2価の基、Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体素子、有機半導体組成物、有機半導体膜の製造方法、有機半導体膜、及びこれらに用いるポリマーに関する。
液晶ディスプレイ若しくは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のディスプレイ、RFID(radio frequency identifier:RFタグ)若しくはメモリ等の論理回路を用いる装置、又は、太陽電池等には、半導体素子が利用されている。なかでも、有機半導体膜を有する有機半導体素子は、軽量化ないし低コスト化が可能で柔軟性にも優れることから、無機半導体膜を有する無機半導体素子に対して優位性を備えている。
上述の有機半導体膜を形成する有機化合物として、特定構造の縮合多環芳香族化合物が検討されている(例えば特許文献1)。
特開2005−45266号公報
有機半導体素子は一般に、電子機器等に組み込まれて使用されるために耐熱性が求められる。すなわち、高温環境下における使用においても十分な半導体特性を持続的に発現することが求められる。
本発明は、所望の半導体特性(例えば、より高いキャリア移動度)を発現し、さらに高温環境に曝されても半導体特性の低下を生じにくい有機半導体素子を提供することを課題とする。また本発明は、上記有機半導体素子における有機半導体層として好適な有機半導体膜及びその製造方法を提供することを課題とする。また本発明は、上記有機半導体膜の構成材料として好適なポリマーないし組成物を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
〔1〕
有機半導体層が、下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマーを含有する、有機半導体素子。
Figure 2018164030
各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
は水素原子又は置換基を示す。
〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
nは1又は2である。
p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
*は結合部位を示す。

*−L−T 式(W)

式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
*は結合部位を示す。
Figure 2018164030
式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
*はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

*−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
*は結合部位を示す。
〔2〕
上記式(1)及び(2)中、Xが窒素原子である、〔1〕に記載の有機半導体素子。
〔3〕
上記式(1)及び(2)中、Yが酸素原子である、〔1〕又は〔2〕に記載の有機半導体素子。
〔4〕
上記ポリマーが、上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位と、上記式(G)で表される構造とを交互に有する、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
〔5〕
上記式(G)において、Vrが下記式(V−1)〜(V−17)及び(V−1)〜(V−11)から選ばれる構造である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
Figure 2018164030
Figure 2018164030
各式中、R及びZは水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を示す。
はアルキル基又は芳香族炭化水素基を示す。
は水素原子、アルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を示す。
は酸素原子又は硫黄原子を示す。
*は結合部位を示す。
〔6〕
上記式(G)中のp3が1である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
〔7〕
上記Ar及びArが単結合であるか、又は下記式(Ar−1)又は(Ar−2)で表される2価の基を示す、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
Figure 2018164030
各式中、RW1はアルキル基を示し、p1は0〜2の整数である。
はカルコゲン原子を示す。
W2はアルキル基を示し、p2は0〜4の整数である。
q1及びq2は1〜4の整数である。
*は結合部位を示す。
〔8〕
上記式(G)中のVrが、上記式(V−1)〜(V−17)のいずれかで表される2価の基を示す、〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
〔9〕
上記有機半導体素子が有機薄膜トランジスタである、〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の有機半導体素子。
〔10〕
下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマーと、溶媒とを含有する有機半導体組成物。
Figure 2018164030
各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
は水素原子又は置換基を示す。
〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
nは1又は2である。
p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
*は結合部位を示す。

*−L−T 式(W)

式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
*は結合部位を示す。
Figure 2018164030
式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
*はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

*−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
*は結合部位を示す。
〔11〕
バインダーを含有する、〔10〕に記載の有機半導体組成物。
〔12〕
〔10〕又は〔11〕に記載の有機半導体組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥して有機半導体膜とすることを含む、有機半導体膜の製造方法。
〔13〕
下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマーを含有する有機半導体膜。
Figure 2018164030
各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
は水素原子又は置換基を示す。
〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
nは1又は2である。
p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
*は結合部位を示す。

*−L−T 式(W)

式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
*は結合部位を示す。
Figure 2018164030
式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
*はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

*−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
*は結合部位を示す。
〔14〕
下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマー。
Figure 2018164030
各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
は水素原子又は置換基を示す。
〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
nは1又は2である。
p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
*は結合部位を示す。

*−L−T 式(W)

式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
*は結合部位を示す。
Figure 2018164030
式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
*はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

*−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
*は結合部位を示す。
本発明の有機半導体素子は、所望の半導体特性を発現し、また、高温環境に曝されても半導体特性の低下を生じにくい。また本発明の有機半導体膜は、有機半導体素子における有機半導体層として用いることにより、得られる有機半導体素子を、所望の半導体特性を発現し、また、高温環境に曝されても半導体特性の低下を生じにくい特性とすることができる。また本発明の有機半導体膜の製造方法によれば、上記の優れた特性を有する有機半導体膜を得ることができる。また本発明のポリマーないし有機半導体組成物は、上記有機半導体膜の構成材料として好適である。
本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子を示す断面模式図である。 本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子を示す断面模式図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、化合物の表示については、化合物そのものの他、その塩、そのイオンを含む。また、目的とする効果を損なわない範囲で、構造の一部を変化させたものを含む。
また、置換又は無置換を明記していない化合物については、目的とする効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有するものを含む。このことは、置換基、連結基、環構造等(以下、置換基等という)についても同様である。
本明細書おいて、特定の符号で表示された置換基等が複数あるとき、又は、複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接(特に隣接)するとき、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。
本発明において、ポリマー中に同一の化学構造で表された複数の繰り返し単位が存在する場合、ポリマー中に存在する各繰り返し単位は同一でも異なっていてもよい。このことは、繰り返し単位を形成する各基についても同様である。
また、基の炭素数が限定されている場合、この基の炭素数は、特段の断りがない限り、置換基を含めた全炭素数を意味する。
本発明において、基が非環状骨格及び環状骨格を形成しうる場合、特段の断りがない限り、この基は、非環状骨格の基と環状骨格の基を含む。例えば、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基及び環状(シクロ)アルキル基を含む。基が環状骨格を形成しうる場合、環状骨格を形成する基の原子数の下限は、この基について具体的に記載した原子数の下限にかかわらず、3以上であり、5以上が好ましい。
本発明の好ましい実施形態について以下に説明する。
[有機半導体素子]
本発明の有機半導体素子は、その有機半導体層が後述する特定構造のポリマーを用いて形成されている。
本発明の有機半導体素子としては、特に限定されないが、非発光性の有機半導体デバイスとして好ましく用いられる。非発光性の有機半導体デバイスとしては、発光することを目的としないデバイスであればよく、例えば、電流量若しくは電圧量を制御する有機薄膜トランジスタ素子、光エネルギーを電力に変換する有機光電変換素子(光センサ用途の個体撮像素子又はエネルギー変換用途の太陽電池等)、熱エネルギーを電力に変換する有機熱電変換素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバーター又は情報記録素子等が挙げられる。非発光性の有機半導体デバイスは、有機半導体膜をエレクトロニクス要素として機能させることが好ましい。
有機半導体素子の代表的な例として、有機薄膜トランジスタ素子について説明する。下記の形態では、特定構造のポリマーが有機薄膜トランジスタ素子の有機半導体層を構成する形態について説明しているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。すなわち、有機半導体層が後述する特定構造のポリマーを含有する形態の有機半導体素子はいずれも、本発明の有機半導体素子に包含されるものである。また、各種素子の有機半導体層は、下記の有機薄膜トランジスタ素子における有機半導体層の形成方法に準じて形成することができる。
また、下記の有機薄膜トランジスタ素子の説明ではキャリア移動度の向上について言及しているが、キャリア移動度は有機半導体の基本特性である。キャリア移動度が高い有機半導体は、有機薄膜トランジスタ素子に限らず、上述した各有機半導体素子に適用した際にも所望の性能を発現し得るものである。
<有機薄膜トランジスタ素子>
本発明の有機薄膜トランジスタ素子(有機TFT素子ともいう)は、有機半導体膜(有機半導体層又は半導体活性層ともいう)を有し、更に、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを有することができる。
本発明の有機TFT素子は、基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、ゲート電極及び有機半導体層の間に設けられたゲート絶縁層と、有機半導体層に接して設けられ、有機半導体層を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する。この有機TFT素子においては、有機半導体層とゲート絶縁層が隣接して設けられる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、上記各層を備えていればその構造については特に限定されない。例えば、ボトムコンタクト型(ボトムゲート−ボトムコンタクト型及びトップゲート−ボトムコンタクト型)、又は、トップコンタクト型(ボトムゲート−トップコンタクト型及びトップゲート−トップコンタクト型)などのいずれの構造を有していてもよい。本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、より好ましくは、ボトムゲート−ボトムコンタクト型又はボトムゲート−トップコンタクト型(これらを総称してボトムゲート型という)である。
以下、本発明の有機TFT素子の一例について、図面を参照して説明する。
− ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子 −
図1は、本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFT素子100の断面模式図である。
有機TFT素子100は、図1に示されるように、基板(基材)10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、ソース電極40及びドレイン電極42と、有機半導体膜50と、封止層60とを、この順で、有する。
以下、基板(基材)、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜及び封止層、並びに、それぞれの作製方法について詳述する。
(基板)
基板は、後述するゲート電極、ソース電極及びドレイン電極等を支持する役割を果たす。
基板の種類は、特に制限されず、例えば、プラスチック基板、シリコン基板、ガラス基板又はセラミック基板等が挙げられる。中でも、各デバイスへの適用性及びコストの観点から、ガラス基板又はプラスチック基板であることが好ましい。
基板の厚みは、特に限定されないが、例えば、10mm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのが更に好ましく、1.5mm以下であるのが特に好ましい。一方、0.01mm以上であるのが好ましく、0.05mm以上であるのが更に好ましい。
(ゲート電極)
ゲート電極は、有機TFT素子のゲート電極として用いられている通常の電極を特に制限されることなく適用できる。
ゲート電極を形成する材料(電極材料)としては、特に限定されず、例えば、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、マグネシウム、カルシウム、バリウム若しくはナトリウム等の金属、InO、SnO若しくはインジウム錫酸化物(ITO)等の導電性の酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン若しくはポリジアセチレン等の導電性高分子、シリコン、ゲルマニウム若しくはガリウム砒素等の半導体、又は、フラーレン、カーボンナノチューブ若しくはグラファイト等の炭素材料等が挙げられる。中でも、上記金属が好ましく、銀又はアルミニウムがより好ましい。
ゲート電極の厚みは、特に限定されないが、20〜200nmであることが好ましい。
ゲート電極は、上記基板として機能するものでもよく、この場合、上記基板はなくてもよい。
ゲート電極を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、基板上に、上述の電極材料を真空蒸着(以下単に、蒸着ともいう)又はスパッタする方法、上述の電極材料を含有する電極形成用組成物を塗布又は印刷する方法等が挙げられる。また、電極をパターニングする場合、パターニング方法としては、例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷若しくは凸版印刷(フレキソ印刷)等の印刷法、フォトリソグラフィー法又はマスク蒸着法等が挙げられる。
(ゲート絶縁層)
ゲート絶縁層は、絶縁性を有する層であれば特に限定されず、単層であってもよいし、多層であってもよい。
ゲート絶縁層は、絶縁性の材料で形成されるのが好ましく、絶縁性の材料として、例えば、有機高分子又は無機酸化物等が好ましく挙げられる。
有機高分子及び無機酸化物等は、絶縁性を有するものであれば特に限定されず、薄膜、例えば厚み1μm以下の薄膜を形成できるものが好ましい。
有機高分子及び無機酸化物は、ぞれぞれ、1種を用いても、2種以上を併用してもよく、また、有機高分子と無機酸化物を併用してもよい。
有機高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルフェノール、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレートに代表されるポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、CYTOP(登録商標)に代表される環状フルオロアルキルポリマー、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリジメチルシロキサン(PDMS)に代表されるポリオルガノシロキサン、ポリシルセスキオキサン又はブタジエンゴム等が挙げられる。また、上記の他にも、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、シンナメート樹脂、アクリル樹脂又はポリパラキシリレン樹脂等の熱硬化性樹脂も挙げられる。
有機高分子は、アルコキシシリル基、ビニル基、アクリロイルオキシ基、エポキシ基又はメチロール基等の反応性置換基を有する化合物と併用することもできる。
有機高分子でゲート絶縁層を形成する場合、ゲート絶縁層の耐溶媒性又は絶縁耐性を増す目的等で、有機高分子を架橋し、硬化させることも好ましい。架橋は、光、熱又はこれら双方を用いて、酸又はラジカルを発生させることにより、行うのが好ましい。
ラジカルにより架橋する場合、光又は熱によりラジカルを発生させるラジカル発生剤として、例えば、特開2013−214649号公報の段落[0182]〜[0186]に記載の熱重合開始剤(H1)及び光重合開始剤(H2)、特開2011−186069号公報の段落[0046]〜[0051]に記載の光ラジカル発生剤、又は、特開2010−285518号公報の段落[0042]〜[0056]に記載の光ラジカル重合開始剤等を好適に用いることができ、これらの内容は好ましくは本明細書に組み込まれる。
また、特開2013−214649号公報の段落[0167]〜[0177]に記載の「数平均分子量(Mn)が140〜5,000であり、架橋性官能基を有し、フッ素原子を有さない化合物(G)」を用いることも好ましく、これらの内容は好ましくは本明細書に組み込まれる。
酸により架橋する場合、光により酸を発生させる光酸発生剤として、例えば、特開2010−285518号公報の段落[0033]〜[0034]に記載の光カチオン重合開始剤、又は、特開2012−163946号公報の段落[0120]〜[0136]に記載の、酸発生剤、特にスルホニウム塩若しくはヨードニウム塩等を好ましく使用することができ、これらの内容は好ましくは本明細書に組み込まれる。
熱により酸を発生させる熱酸発生剤(触媒)として、例えば、特開2010−285518号公報の段落[0035]〜[0038]に記載の熱カチオン重合開始剤、特にオニウム塩等、又は、特開2005−354012号公報の段落[0034]〜[0035]に記載の触媒、特にスルホン酸類及びスルホン酸アミン塩等を好ましく使用することができ、これらの内容は好ましくは本願明細書に組み込まれる。
また、特開2005−354012号公報の段落[0032]〜[0033]に記載の架橋剤、特に二官能以上のエポキシ化合物若しくはオキセタン化合物、特開2006−303465号公報の段落[0046]〜[0062]に記載の架橋剤、特に2個以上の架橋基を有し、この架橋基の少なくとも一つがメチロール基若しくはNH基であることを特徴とする化合物、又は、特開2012−163946号公報の段落[0137]〜[0145]に記載の、ヒドロキシメチル基若しくはアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物を用いることも好ましく、これらの内容は好ましくは本明細書に組み込まれる。
ゲート絶縁層を有機高分子で形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、有機高分子を含有する塗布液を塗布し、必要により硬化する方法が挙げられる。
上記塗布液に用いられる溶媒としては、上記有機高分子を溶解ないしは分散できるものであれば特に限定されず、有機高分子の種類等に応じて通常用いる溶媒の中から適宜に選択して用いることができる。
塗布方法は、特に限定されず、上記の各印刷法が挙げられる。中でも、マイクログラビアコート法、ディップコート法、スクリーンコート印刷、ダイコート法又はスピンコート法等のウエットコーティング法が好ましい。
塗布条件も、特に限定されず、適宜に設定できる。
硬化する方法及び条件は、有機高分子を架橋することができる方法及び条件であれば特に限定されず、例えば、上記架橋方法(ラジカル又は酸)、更には、用いる光酸発生剤又は熱酸発生剤等の種類等に応じて、適宜に設定できる。
上記無機酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化銅若しくは酸化ニッケル等の酸化物、また、SrTiO、CaTiO、BaTiO、MgTiO若しくはSrNbのような、ペロブスカイト構造を持つ化合物、又は、これらの複合酸化物若しくは混合物等が挙げられる。
ここで、酸化ケイ素としては、酸化シリコン(SiO)の他に、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)、PSG(Phosphorus Silicon Glass)、BSG(Borosilicate glass)、AsSG(砒素シリケートガラス)、PbSG(鉛シリケートガラス)、酸化窒化シリコン(SiON)、SOG(スピンオングラス)、又は、低誘電率SiO系材料(例えば、ポリアリールエーテル、シクロパーフルオロカーボンポリマー、ベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、アモルファスカーボン又は有機SOG)を含む。
ゲート絶縁層を無機酸化物で形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング又はCVD(chemical vapor deposition)法等の真空成膜法を用いることができる。また、成膜中に、任意のガスを用いたプラズマ、イオン銃若しくはラジカル銃等でアシストしてもよい。
また、それぞれの金属酸化物に対応する前駆体、具体的には塩化物若しくは臭化物等の金属ハロゲン化物、金属アルコキシド又は金属水酸化物等を、アルコール又は水中で、塩酸、硫酸若しくは硝酸等の酸、又は水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の塩基と反応させて加水分解することにより、ゲート絶縁層を形成することもできる。このような溶液系のプロセスを用いる場合、上記ウエットコーティング法を用いることができる。
ゲート絶縁層を無機酸化物で形成する場合、上記の方法以外にも、リフトオフ法、ゾル−ゲル法、電着法及びシャドウマスク法のいずれかと、必要に応じてパターニング法とを組み合わせた方法を用いることもできる。
ゲート絶縁層は、コロナ処理、プラズマ処理、UV(紫外線)/オゾン処理等の表面処理を施してもよい。この場合、各処理によって表面粗さを粗くしないことが好ましい。例えば、処理後のゲート絶縁層表面の算術平均粗さRa又は二乗平均平方根粗さR(いずれも、JIS B0601:2013)が0.5nm以下であることが好ましい。
ゲート絶縁膜の膜厚は、特に限定されないが、100〜1000nmであることが好ましい。
(ソース電極及びドレイン電極)
本発明の有機TFT素子において、ソース電極は、配線を通じて外部から電流が流入する電極である。また、ドレイン電極は、配線を通じて外部に電流を送り出す電極である。
ソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、上述したゲート電極を形成する電極材料と同じものを用いることができる。中でも、金属が好ましく、銀がより好ましい。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、特に限定されないが、それぞれ、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、300nm以下が特に好ましい。
ソース電極とドレイン電極との間の間隔(ゲート長)は、適宜に決定できるが、例えば、200μm以下が好ましく、100μm以下が特に好ましい。また、ゲート幅は、適宜に決定できるが、例えば、5000μm以下が好ましく、1000μm以下が特に好ましい。
ソース電極及びドレイン電極を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、ゲート電極とゲート絶縁膜とが形成された基板上に、電極材料を真空蒸着又はスパッタする方法、電極形成用組成物を塗布又は印刷する方法等が挙げられる。パターニングする場合、パターニングする方法は上述したゲート電極の方法と同じである。
(有機半導体層(膜))
有機TFT素子における有機半導体層は、下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、下記式(G)で表される構造を有するポリマーを含有する。
「ポリマー」は、オリゴマー(例えば、繰り返し単位の数が2〜10程度のオリゴマー)を含む意味に用いる。すなわち、「ポリマー」とは、下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位を2つ以上有する化合物をすべて包含する意味である。なお、式(1)で表される構造単位をシス体、式(2)で表される構造単位をトランス体とも称す。
− 式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位 −
Figure 2018164030
式(1)及び(2)において、Xは窒素原子又はCRを示し、Rは水素原子又は置換基を示す。Xは好ましくは窒素原子である。
は酸素原子又は硫黄原子を示す。Yは好ましくは酸素原子である。
*はポリマー中に組み込まれるための結合部位を示す。
上記Rとして採り得る置換基は特に制限されず、例えば、後述する式(W)で表される基及びハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子が好ましく、フッ素原子若しくは塩素原子がより好ましく、フッ素原子が特に好ましい。)が挙げられる。なかでもRとして採り得る置換基は、アルキル基(炭素数1〜35のアルキル基が好ましく、炭素数1〜26のアルキル基がより好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜30が好ましい。)、アルキニル基(炭素数2〜30が好ましい。)、芳香族炭化水素基(炭素数6〜30が好ましい。)、芳香族複素環基(5〜7員環が好ましい。環構成ヘテロ原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びセレン原子のうち少なくとも1つを含むものが好ましい。)、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子が好ましく、フッ素原子若しくは塩素原子がより好ましく、フッ素原子が特に好ましい。)が好ましい。
として採り得る上記アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基は、炭素鎖中又は炭素鎖の末端に−O−、−S−、−C(=O)−、及び−NRX1−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。RX1は水素原子又は置換基を示す。炭素鎖中又は炭素鎖の末端に含まれうる−O−、−S−及び−NRX1−の数は、合計で1〜5の整数が好ましく、1〜3がより好ましく、1がさらに好ましい。
X1として採り得る置換基は特に制限されず、例えば、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基)、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、又は、芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素基)が挙げられる。RX1は、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
〜Rはハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)又は下記式(W)で表される基を示す。
〜Rとして採り得る式(W)で表される基は次に示す構造の基である。

*−L−T 式(W)

式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。結合された2以上の2価の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
Tは水素原子、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)又はシアノ基を示す。
*は式(1)及び(2)中に示されたベンゼン環との結合部位を示す。
Figure 2018164030
式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
*はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
式(L−1)、(L−2)、(L−6)、及び(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。
上記式(L−17)〜(L−21)、(L−23)及び(L−24)で表される2価の基は、それぞれ、下記式(L−17A)〜(L−21A)、(L−23A)及び(L−24A)で表される構造が好ましい。式(L−17A)〜(L−21A)、(L−23A)及び(L−24A)中のR、R、m及び*は、それぞれ上記式(L−17)〜(L−21)、(L−23)及び(L−24)中のR、R、m及び*と同義である。
Figure 2018164030
式(W)中のLは、式(L−1)〜(L−8)、(L−12)、(L−13)、及び(L−25)から選ばれる2価の基であるか、又は式(L−1)〜(L−8)、(L−12)、(L−13)、及び(L−25)から選ばれる2価の基が2つ以上結合してなる基が好ましく、式(L−1)、又は式(L−1)が2つ以上結合してなる基がより好ましい。
式(W)中の−L−が2価の基の場合、Lの分子量が14〜300が好ましく、20〜200がより好ましく、40〜150がさらに好ましい。
上記R及びRとして採り得る置換基に特に制限はなく、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、及びハロゲン原子から選ばれる基が好ましく、これらの基の好ましい形態は、それぞれ、上述したRとして採り得るアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、及びハロゲン原子の各形態と同じである。
また、Rsiとして採り得るアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基の好ましい形態は、それぞれ、上述したRとして採り得るアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基の各形態と同じである。
式(W)で表される基は、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であることも好ましく、これらアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基の好ましい形態は、それぞれ、上述したRとして採り得るアルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基の各形態と同じである。
上記式(1)及び(2)において、nは1又は2であり、1が好ましい。
p及びqは0〜2の整数であり、0又は2が好ましい。
r及びsは0〜3の整数であり、0〜2の整数が好ましく、0がより好ましい。
− 式(G)で表される構造 −

*−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。
*は結合部位を示す。
Ar及びArが有し得るアリーレン基は、炭素数6〜30が好ましく、炭素数6〜20がより好ましく、炭素数6〜16がさらに好ましい。このアリーレン基の好ましい具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基及びピレンジイル基が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
Ar及びArが有し得るヘテロアリーレン基は、5員環の芳香族ヘテロ環、5員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環、6員環の芳香族ヘテロ環、又は6員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環からなる基が好ましい。また、上記ヘテロアリーレン基には、これらの芳香族ヘテロ環又は縮合ヘテロ環が置換基を有する形態も含む。
上記の5員環の芳香族ヘテロ環、及び、5員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環としては、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、フラン環、チオフェン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、およびインダゾール環が挙げられる。
上記の6員環の芳香族ヘテロ環、及び、6員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、およびキナゾリン環が挙げられる。
Ar及びArが、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基である場合、Ar及びArの分子量は80〜3000が好ましく、100〜2000がより好ましく、140〜1500がさらに好ましい。
上記Ar及びArは、より好ましくは、単結合であるか、又は下記式(Ar−1)又は(Ar−2)で表される2価の基である。
Figure 2018164030
式(Ar−1)中、RW1及びRW2はアルキル基を示す。p1は0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。p2は0〜4の整数であり、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0〜2の整数である。
W1及びRW2として採り得るアルキル基の好ましい形態は、上述したRX1として採り得るアルキル基の形態と同じである。
はカルコゲン原子を示す。Lは好ましくは酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であり、より好ましくは硫黄原子である。
q1及びq2は1〜4の整数であり、1又は2が好ましく、より好ましくは1である。
式(G)中、Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示す。Vrは下記式(V−1)〜(V−17)及び(V−1)〜(V−11)から選ばれる構造であることが好ましい。
p3は1〜6の整数であり、1又は2が好ましく、より好ましくは1である。
Figure 2018164030
Figure 2018164030
上記各式中、*は結合部位を示す。
R及びZは水素原子、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、又はアルキル基を示す。R及びZとして採り得るアルキル基の好ましい形態は、上述したRとして採り得るアルキル基の形態と同じである。
はアルキル基又は芳香族炭化水素基を示す。このアルキル基及び芳香族炭化水素基の好ましい形態は、上述したRとして採り得るアルキル基及び芳香族炭化水素基の形態と同じである。
は水素原子、アルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を示す。Rとして採り得るアルキル基及びハロゲン原子の好ましい形態は、それぞれ、Zとして採り得るアルキル基及びハロゲン原子の形態と同じである。
は酸素原子又は硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。
上記Vrは、上記式(V−1)〜(V−17)のいずれかで表される2価の基が好ましい。
有機TFT素子は、有機半導体層が上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーを含むことにより、所望のキャリア移動度と耐熱性の両立を実現したものとすることができる。この理由は定かではないが、上記各構造の母核(各式中に示された縮合多環構造)の作用によるところが大きいと考えられる。すなわち、上記ポリマーが、下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の母核がとる、ヘテロ原子を含有するベンゾアゾール骨格およびナフタレン骨格を有する平面性の高い構造と、上記式(G)で表される構造とを有することにより、母核同士、ないしは母核と、Ar及び/又はArとが強く相互作用し電子移動が円滑になるなどしてキャリア移動度が向上するものと推定される。また同様に、ポリマー分子間でも母核を介して強く相互作用することより、結晶性が向上するなどして耐熱性も向上するものと推定される。
Figure 2018164030
上記ポリマーは、上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位と、上記式(G)で表される構造とを交互に有する形態であることが好ましい。このような構造をとることにより、ポリマーを主鎖方向に共役している形態とすることができる。これにより、電荷輸送がポリマー主鎖方向に起こり主鎖内で電荷輸送できるため、分子間で電荷を授受する非効率な主鎖間における伝導を低減することができ、移動度の観点から好ましい。
上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーは、重量平均分子量が2000〜1000000が好ましく、3000〜200000がより好ましい。
本発明において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ法(GPC(Gel Permeation Chromatography))法にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。具体的には、例えば、GPCは、HLC−8121GPC(東ソー社製)を用い、カラムとして、TSKgel GMHHR−H(20) HT(東ソー社製、7.8mmID×30cm)を2本用い、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いる。また、条件としては、試料濃度を0.02質量%、流速を1.0mL/min、サンプル注入量を300μL、測定温度を160℃とし、IR(infrared)検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー社製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−128」、「F−80」、「F−40」、「F−20」、「F−10」、「F−4」、「F−2」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「A−500」の12サンプルを用いて作製する。
上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマー中の、上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の含有量は合計で、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。また、上記ポリマー中、上記式(G)で表される構造の含有量は合計で、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーの末端構造は、特に制限はなく、他の繰り返し単位の有無、合成時に使用した基質の種類、又は、合成時のクエンチ剤(反応停止剤)の種類により、一義的に決定されない。末端の構造としては、例えば、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、エチレン性不飽和基、アルキル基、芳香族複素環基(チオフェン環が好ましい。)又は芳香族炭化水素基(ベンゼン環が好ましい。)が挙げられる。
上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーの合成方法は、特に限定されず、通常の方法を参照して、合成することができる。例えば、式(1)中のジナフトカルコゲン化合物に由来する基、及び、A10で示される各基を導くことのできる各前駆体化合物を合成し、それぞれの前駆体を、鈴木カップリング反応又はStilleカップリング反応等のクロスカップリング反応させることにより、合成することができる。本発明の重合体の合成に際して、例えば、特表2010−527327号、特表2007−516315号、特表2014−515043号、特表2014−507488号、特表2011−501451号、特開2010−18790号、国際公開第2012/174561号、特表2011−514399号、及び、特表2011−514913号、等の各公報を参考にすることができる。
上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーの具体例を以下に示すが、本発明がこれらの形態に限定されるものではない。なお、シス体とトランス体の混合物については、記載の都合上、トランス体の構造を用いて記載する。
Figure 2018164030
Figure 2018164030
Figure 2018164030
また、有機半導体層が上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーを含有する形態である場合、有機半導体層中、上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーの含有量は合計で10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。有機半導体層中、上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーの含有量の合計は、100質量%とすることができる。この合計含有量は、有機半導体膜が後述するバインダー等を含有する場合、例えば、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
上記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ、上記式(G)で表される構造を有するポリマーを、以下「本発明に用いる有機半導体」とも称す。
有機半導体層は、本発明に用いる有機半導体に加えて、バインダー又は添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、有機半導体層に通常用いられるものを特に制限されることなく、用いることができる。バインダーについて以下に説明する。
(バインダー)
バインダーとしては、有機半導体層に通常用いられるバインダーを特に制限されることなく用いることができる。
このようなバインダーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ジビニルベンゼン)、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(4−メチルスチレン)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン若しくはポリプロピレンなどの絶縁性ポリマー、及び、これらの共重合体、ポリシラン、ポリカルバゾール、ポリアリールアミン、ポリフルオレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン若しくはポリヘテロアセンなどの半導体ポリマー、及び、これらの共重合体、ゴム、又は、熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
なかでも、ベンゼン環を有する高分子化合物(ベンゼン環基を有する繰り返し単位を有する高分子)が好ましい。ベンゼン環基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%が挙げられる。
バインダーとして用いるポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000〜1,000万が好ましく、3,000〜500万がより好ましく、5,000〜300万が更に好ましい。
バインダー及び添加剤は、それぞれ、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
有機半導体層中のバインダーの含有量は、特に限定されず適宜に設定できる。例えば、90質量%以下が好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。有機半導体層中のバインダーの含有量は、0質量%以上とすることができ、例えば、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。
有機半導体層中の添加剤の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
有機半導体層の膜厚は、適用される有機半導体素子に応じて適宜に調整することができ、例えば、10〜500nmとすることが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
(有機半導体層の形成方法)
有機半導体層は、例えば、本発明に用いる有機半導体を溶媒中に溶解してなる組成物(以下、「本発明の有機半導体組成物」とも称す。)を調製し、この組成物を基板上に塗布したり、本発明に用いる有機半導体を蒸着したりして形成することができる。より好ましくは、本発明の有機半導体組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥させることにより、有機半導体層を形成することができる。この有機半導体組成物は、上述したバインダー及び/又は添加剤を含有することができる。有機半導体組成物中のバインダーと添加剤の含有量は、形成する有機半導体層の形態に応じて適宜に調整すればよい。
本発明において、有機半導体組成物を基板上に塗布するとは、有機半導体組成物を基板に直接適用する態様のみならず、基板上に設けられた別の層を介して基板の上方に有機半導体組成物を適用する態様も含むものとする。有機半導体組成物が塗布される別の層(有機半導体層に接する、有機半導体層の土台となる層)は、有機薄膜トランジスタ素子の構造により必然的に定まる。例えば、ボトムゲート型の場合、ゲート絶縁膜であり、トップゲート型(トップゲート−ボトムコンタクト型及びトップゲート−トップコンタクト型)の場合、ソース電極又はドレイン電極である。
本発明の有機半導体組成物の塗布方法としては、通常の方法を用いることができ、例えば、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法又はスクリーン印刷法が挙げられる。更に、有機半導体組成物の塗布方法としては、特開2013−207085号公報に記載の有機半導体膜の形成方法(いわゆるギャップキャスト法)、国際公開第2014/175351号に記載の有機半導体薄膜の製造方法(いわゆるエッジキャスト法又は連続エッジキャスト法)等も好適に適用できる。
乾燥(乾燥処理)は、有機半導体組成物に含まれる各成分の種類により適宜の条件を選定できる。自然乾燥であってもよいが、生産性を向上させる観点から、加熱処理が好ましい。加熱処理条件は、一義的に決定できないが、例えば、加熱温度としては30〜250℃が好ましく、40〜200℃がより好ましく、50〜150℃が更に好ましく、加熱時間としては10〜300分が好ましく、20〜180分がより好ましい。
本発明の有機半導体組成物の調製方法としては、特に制限されず、通常の調製方法を採用できる。例えば、溶媒に所定量の各成分を添加して、適宜攪拌処理することにより、本発明の有機半導体組成物を調製することができる。
溶媒は、上述の重合体を溶解又は分散させるものであれば特に限定されず、無機溶媒又は有機溶媒が挙げられる。中でも、有機溶媒が好ましい。溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、特に限定されないが、ヘキサン、オクタン若しくはデカン等の炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレン、テトラリン若しくはアニソール等の芳香族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン若しくはシクロヘキサノン等のケトン溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン若しくはクロロトルエン等のハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル若しくは乳酸エチル等のエステル溶媒、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ若しくはエチレングリコール等のアルコール溶媒、ブトキシベンゼン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒、1−メチル−2−ピロリドン若しくは1−メチル−2−イミダゾリジノン等のイミド溶媒、ジメチルスルホキサイド等のスルホキシド溶媒、又は、アセトニトリル等のニトリル溶媒等が挙げられる。
有機半導体組成物中の、溶媒の含有率は、90〜99.99質量%であることが好ましく、95〜99.99質量%であることがより好ましく、96〜99.95質量%であることが更に好ましい。
(封止層)
上記有機半導体層は、上述のように、本発明に用いる有機半導体を含有しており、高い耐熱性を示す。したがって、この有機半導体を設けた後に、封止層等の形成などの加熱工程を行っても、キャリア移動度を所望のレベルに維持することができる。
したがって、本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えるのが好ましい。これにより、優れたキャリア移動度と耐久性とを十分に両立できる。
封止層には、有機TFT素子に通常用いられる封止剤(封止層形成用組成物)を用いることができる。
封止剤は、好ましくは、加熱乾燥されて、層に形成される。このときの加熱条件は、封止剤の種類等に応じて一義的に決定できないが、例えば、加熱温度としては50〜200℃が好ましく、100〜175℃がより好ましい。加熱時間等のその他の条件は、封止剤の種類等に応じて適宜に決定される。
封止層の膜厚は、特に限定されないが、0.2〜10μmであることが好ましい。
− ボトムゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子 −
図2は、本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子200を表す断面模式図である。
有機薄膜トランジスタ素子200は、図2に示されるように、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、ソース電極40及びドレイン電極42と、有機半導体膜50と、封止層60とを有する。
有機薄膜トランジスタ素子200は、層構成(積層態様)が異なること以外は、有機薄膜トランジスタ素子100と同じである。したがって、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層及び封止層については、上述の、ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子におけるものと同じであるので、その説明を省略する。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。 本実施例において、Meはメチル、Phはフェニル、Buはブチル、Tfはトリフルオロメタンスルホニルを示す。また、DMFはN,N−ジメチルホルムアミド、THFはテトラヒドロフラン、NBSはN−ブロモスクシンイミド、NMPはN−メチル−2−ピロリドン、Pyはピリジン、DMEはジメチルエーテルを示す。
[ポリマー1の合成]
下記スキームに従ってポリマー1を合成した。
Figure 2018164030
化合物1−1 10g(37.3mmol)をNMP(N−メチルピロリドン) 200mlに溶解し、窒素雰囲気下、60℃で攪拌しながら、2当量の化合物1−2をNMP 50mlに溶解したNMP溶液を滴下し30分攪拌した。その後、米国特許第9293708号明細書に記載の方法で調整した化合物1−9を1等量と、0.03当量のPd(PPhとを添加し、80℃で2分攪拌した。室温に戻した後、水を滴下後ろ過し、得られたろ物をメタノールで洗浄した後、50℃で減圧乾燥することでポリマー1を37.3gを得た。このポリマー1−1の重量平均分子量(Mw)は3200であった(以下、Mw3200のポリマー1を「ポリマー1−1」と称す。)。
化合物1−9との反応条件を反応温度80℃、反応時間30分に変更したこと以外は、上記ポリマー1−1の合成と同様にして、ポリマー1−2を得た。このポリマー1−2の重量平均分子量(Mw)は12400であった。
化合物1−9との反応条件を反応温度100℃、反応時間3時間に変更したこと以外は、上記ポリマー1−1の合成と同様にして、ポリマー1−3を得た。このポリマー1−3の重量平均分子量(Mw)は48400であった。
化合物1−9との反応条件を反応温度120℃、反応時間3時間に変更したこと以外は、上記ポリマー1−1の合成と同様にして、ポリマー1−4を得た。このポリマー1−4の重量平均分子量(Mw)は95900であった。
化合物1−9との反応条件を反応温度120℃、反応時間6時間に変更したこと以外は、上記ポリマー1−1の合成と同様にして、ポリマー1−5を得た。このポリマー1−5の重量平均分子量(Mw)は146300であった。
[ポリマー2の合成]
Tetrahedron Letters,2013年,第54巻,p.3171−3175記載の方法で化合物2−1を合成し、Journal of polymer science. Part A, Polymer chemistry,2013年,第51巻,p.1933−1941記載の方法で化合物2−2を合成し、下記スキームに従ってポリマー2を得た。
Figure 2018164030
[ポリマー3の合成]
上記化合物1−9に代えて、Journal of the American chemical society,2013年,第135巻,p.4656−4659を参考にして合成した下記化合物3−1を用いたこと以外は、ポリマー1の合成と同様にしてポリマー3を得た。
Figure 2018164030
[ポリマー4の合成]
下記のスキームに従ってポリマー4を合成した。
Figure 2018164030
[ポリマー5の合成]
上記化合物2−2に代えて、Molecules,2012年,第17巻,p.12163−12171に記載の方法で合成した下記化合物5−1を用いたこと以外は、ポリマー2の合成と同様にしてポリマー5を得た。
Figure 2018164030
[ポリマー6の合成]
上記化合物2−2に代えて、米国特許第8519150号明細書に記載の方法を参考にして合成した下記化合物6−1を用いたこと以外は、ポリマー2の合成と同様にしてポリマー6を得た。
Figure 2018164030
[ポリマー7の合成]
上記化合物2−2に代えて、Journal of Organic Chemistry,2003年,第68巻,p.9813−9815に記載の方法を参考に合成した下記化合物7−1を用いたこと以外は、ポリマー2の合成と同様にしてポリマー7を得た。
Figure 2018164030
[ポリマー8の合成]
Macromolecules,2013年,第46巻,p.1337−1342に記載の方法を参考にして、下記スキームに従い化合物8−3を合成した。上記化合物2−2に代えて下記化合物8−3を用いたこと以外は、ポリマー2の合成と同様にしてポリマー8を得た。
Figure 2018164030
[ポリマー9の合成]
下記スキームに従ってポリマー9を得た。
Figure 2018164030
[ポリマー10の合成]
下記スキームに従ってポリマー10を得た。
Figure 2018164030
[比較化合物1〜3の合成]
比較化合物1〜3を下記スキームに従い合成した。
Figure 2018164030
上記で得たポリマー1〜10及び比較化合物1〜3の構造を以下にまとめて示す。なお、シス体とトランス体の混合物については、記載の都合上、トランス体の構造を用いて記載する。
Figure 2018164030
[有機半導体組成物の調製]
上記で合成したポリマー1−1と溶媒としてのトルエンとを混合してポリマー1−1の0.1質量%溶液を調製し、40℃に加熱したものを、有機半導体ポリマー組成物1とした。
また、ポリマー1−1に代えてポリマー1−2〜1−5、2〜10、並びに比較化合物1〜3を用いた以外は同様にして、それぞれ有機半導体ポリマー組成物2〜14、比較組成物1〜3を調製した。
[塗布プロセスによるボトムゲート−ボトムコンタクト型素子の作製]
有機半導体ポリマー組成物1を、窒素雰囲気下、40℃に加熱した下記FET(電界効果トランジスタ)特性測定用基板上にキャスト(ドロップキャスト法)することで、有機薄膜トランジスタ素子1−1(以下「素子1−1」ともいう。)を得た。
FET特性の測定用基板としては、ソース及びドレイン電極として、くし型に配置されたクロム/金(ゲート幅W=100mm、ゲート長L=100μm)、絶縁膜としてSiO(膜厚500nm)を備えたボトムゲート・ボトムコンタクト構造のシリコン基板を用いた。
有機半導体ポリマー組成物1に代えて有機半導体ポリマー組成物2〜14、並びに比較組成物1〜3の各々を用いた以外は上記素子1−1の作製と同様にして、それぞれ有機薄膜トランジスタ素子1−2〜1−14(以下「素子1−2〜1−14」ともいう。)及び比較有機薄膜トランジスタ素子1−1〜1−3(以下「比較素子1−1〜1−3」ともいう。)を作製した。得られた素子1−1〜1−14、並びに比較素子1−1〜1−3を、それぞれ、実施例1−1〜1−14、並びに比較例1−1〜1−3の有機薄膜トランジスタ素子とした。
[キャリア移動度の評価]
各有機薄膜トランジスタ素子(素子1−1〜1−14並びに比較素子1−1〜1−3)のFET特性は、セミオートプローバー(ベクターセミコン製、AX−2000)を接続した半導体パラメーターアナライザー(Agilent製、4156C)を用いて常圧下、大気下におけるキャリア移動度を評価した。
各有機薄膜トランジスタ素子(FET素子)のソース電極−ドレイン電極間に−50Vの電圧を印加し、ゲート電圧を20V〜−150Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Iを表わす式I=(W/2L)μC(V−Vth(式中、Lはゲート長、Wはゲート幅、Cは絶縁層の単位面積当たりの容量、Vはゲート電圧、Vthは閾値電圧)を用いてキャリア移動度μを算出し、下記の評価基準により評価した。
−キャリア移動度の評価基準−
AA:1.0cm/Vs以上
A:0.8cm/Vs以上 1.0cm/Vs未満
B:0.6cm/Vs以上 0.8cm/Vs未満
C:0.4cm/Vs以上 0.6cm/Vs未満
D:0.2cm/Vs以上 0.4cm/Vs未満
E:0.1cm/Vs以上 0.2cm/Vs未満
F:0.05cm/Vs以上 0.1cm/Vs未満
G:0.05cm/Vs未満
結果を下表に示す。
[耐熱性の評価]
素子1−1〜1−14、比較素子1−1〜1−3の各素子を、大気下、150℃で30分間加熱した後、上記と同様にしてキャリア移動度を評価した。加熱前後のキャリア移動度を下記式に当てはめ、キャリア移動度維持率(%)を算出した。

キャリア移動度維持率(%)=100×{キャリア移動度(加熱後)/キャリア移動度(加熱前)}

キャリア移動度維持率を下記評価基準にあてはめ耐熱性を評価した。
−キャリア移動度維持率(耐熱性)の評価基準−
AA:キャリア移動度維持率が90%以上
A:キャリア移動度維持率が80%以上 90%未満
B:キャリア移動度維持率が70%以上 80%未満
C:キャリア移動度維持率が60%以上 70%未満
D:キャリア移動度維持率が50%以上 60%未満
E:キャリア移動度維持率が40%以上 50%未満
F:キャリア移動度維持率が30%以上 40%未満
G:キャリア移動度維持率が30%未満
結果を下表に示す。
Figure 2018164030
表1に示される通り、有機半導体層が縮合多環構造を有する化合物ないしポリマーを含む素子であっても、その化合物ないしポリマーの構造が本発明で規定する範囲外のものである場合、キャリア移動度に劣り、耐熱性にも劣る結果となった(比較例1−1〜1−3)。
これに対し、本発明で規定する構造を有するポリマーを有機半導体層に用いた素子は、キャリア移動度に優れ、耐熱性にも優れ得ることがわかる(実施例1−1〜1−14)。
[フレキソ印刷によるボトムゲート−ボトムコンタクト型素子の作製]
テトラリン中に、ポリマー1−1を0.5質量%、ポリα−メチルスチレンを0.5質量%、界面活性剤としてBYK323(BYK社製)を0.05%溶解した塗布液を調製し、これを有機半導体ポリマー組成物2−1とした。また、ポリマー1−1に代えてポリマー1−2〜1−5、2〜10、並びに比較化合物1〜3を用いた以外は同様にして、それぞれ有機半導体ポリマー組成物2−2〜2−14、比較組成物2−1〜2−3を調製した。
素子1−1の作製と同様、ボトムゲート−ボトムコンタクト型のFET特性測定用基板を用意し、その上に、フレキソ印刷法により、上記有機半導体ポリマー組成物2−1を印刷し、有機半導体層を形成した。こうして有機薄膜トランジスタ素子2−1(以下「素子2−1」ともいう。)を得た。
フレキソ印刷法による有機半導体層の具体的な形成方法は、下記の通りである。
印刷装置として、フレキソ適性試験機F1(アイジーティ・テスティングシステムズ(株)製)を用い、フレキソ樹脂版として、AFP DSH1.70%(旭化成(株)製)/ベタ画像を用いた。版と基板間の圧は、60N、搬送速度0.4m/秒で印刷を行った後、そのまま、60℃下で2時間乾燥することにより、有機半導体層(膜厚:50nm)を形成した。
有機半導体ポリマー組成物2−1に代えて有機半導体ポリマー組成物2−2〜2−14、比較組成物2−1〜2−3を用いた以外は上記素子2−1の作製と同様にして、それぞれ有機薄膜トランジスタ素子2−2〜2−14(以下「素子2−2〜2−14」ともいう。)及び比較有機薄膜トランジスタ素子2−1及び2−3(以下「比較素子2−1〜2−3」ともいう。)を作製した。得られた素子2−1〜2−14、並びに比較素子2−1〜2−3を、それぞれ実施例2−1〜2−14、並びに比較例2−1〜2−3の有機薄膜トランジスタ素子とした。
[キャリア移動度、耐熱性の評価]
各有機薄膜トランジスタ素子(素子2−1〜2−14並びに比較素子2−1〜2−3)について、上述した素子1−1〜1−14並びに比較素子1−1〜1−3の評価と同様にして、キャリア移動度と耐熱性を評価した。結果を下表に示す。
Figure 2018164030
表2に示される通り、有機半導体層が縮合多環構造を有する化合物ないしポリマーを含む素子であっても、その化合物ないしポリマーの構造が本発明で規定する範囲外のものである場合、キャリア移動度に劣り、耐熱性にも劣る結果となった(比較例2−1〜2−3)。
これに対し、本発明で規定する構造を有するポリマーを有機半導体層に用いた素子は、キャリア移動度に優れ、耐熱性にも優れ得ることがわかる(実施例2−1〜2−14)。
10 基板
20 ゲート電極
30 ゲート絶縁膜
40 ソース電極
42 ドレイン電極
50 有機半導体膜
60 封止層
100、200 有機薄膜トランジスタ素子

Claims (14)

  1. 有機半導体層が、下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマーを含有する、有機半導体素子。
    Figure 2018164030
    各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
    は水素原子又は置換基を示す。
    〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
    nは1又は2である。
    p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
    *は結合部位を示す。

    *−L−T 式(W)

    式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
    Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
    *は結合部位を示す。
    Figure 2018164030
    式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
    *はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
    式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
    式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

    *−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

    式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
    *は結合部位を示す。
  2. 前記式(1)及び(2)中、Xが窒素原子である、請求項1に記載の有機半導体素子。
  3. 前記式(1)及び(2)中、Yが酸素原子である、請求項1又は2に記載の有機半導体素子。
  4. 前記ポリマーが、前記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位と、前記式(G)で表される構造とを交互に有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
  5. 前記式(G)において、Vrが下記式(V−1)〜(V−17)及び(V−1)〜(V−11)から選ばれる構造である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
    Figure 2018164030
    Figure 2018164030
    各式中、R及びZは水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を示す。
    はアルキル基又は芳香族炭化水素基を示す。
    は水素原子、アルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を示す。
    は酸素原子又は硫黄原子を示す。
    *は結合部位を示す。
  6. 前記式(G)中のp3が1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
  7. 前記Ar及びArが単結合であるか、又は下記式(Ar−1)又は(Ar−2)で表される2価の基を示す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
    Figure 2018164030
    各式中、RW1はアルキル基を示し、p1は0〜2の整数である。
    はカルコゲン原子を示す。
    W2はアルキル基を示し、p2は0〜4の整数である。
    q1及びq2は1〜4の整数である。
    *は結合部位を示す。
  8. 前記式(G)中のVrが、前記式(V−1)〜(V−17)のいずれかで表される2価の基を示す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
  9. 前記有機半導体素子が有機薄膜トランジスタである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機半導体素子。
  10. 下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマーと、溶媒とを含有する有機半導体組成物。
    Figure 2018164030
    各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
    は水素原子又は置換基を示す。
    〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
    nは1又は2である。
    p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
    *は結合部位を示す。

    *−L−T 式(W)

    式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
    Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
    *は結合部位を示す。
    Figure 2018164030
    式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
    *はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
    式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
    式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

    *−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

    式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
    *は結合部位を示す。
  11. バインダーを含有する、請求項10に記載の有機半導体組成物。
  12. 請求項10又は11に記載の有機半導体組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を乾燥して有機半導体膜とすることを含む、有機半導体膜の製造方法。
  13. 下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマーを含有する有機半導体膜。
    Figure 2018164030
    各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
    は水素原子又は置換基を示す。
    〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
    nは1又は2である。
    p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
    *は結合部位を示す。

    *−L−T 式(W)

    式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
    Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
    *は結合部位を示す。
    Figure 2018164030
    式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
    *はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
    式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
    式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

    *−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

    式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
    *は結合部位を示す。
  14. 下記式(1)及び(2)のいずれかで表される構造単位の少なくとも1種を有し、かつ下記式(G)で表される構造を有するポリマー。
    Figure 2018164030
    各式中、Xは窒素原子又はCRを示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。
    は水素原子又は置換基を示す。
    〜Rはハロゲン原子又は下記式(W)で表される基を示す。
    nは1又は2である。
    p及びqは0〜2の整数であり、r及びsは0〜3の整数である。
    *は結合部位を示す。

    *−L−T 式(W)

    式(W)中、Lは単結合、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基、又は、下記式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基を2つ以上結合してなる2価の基を示す。
    Tは水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基を示す。
    *は結合部位を示す。
    Figure 2018164030
    式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は式(1)もしくは(2)中に示された環構造との結合部位、又は、式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の*との結合部位を示す。
    *はTとの結合部位、又は式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の基の波線部分との結合部位を示す。
    式(L−1)、(L−2)、(L−6)、(L−13)〜(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−13)中のmは1〜4の整数であり、式(L−14)及び(L−15)中のmは1〜3の整数であり、式(L−16)〜(L−20)中のmは1又は2であり、式(L−22)中のmは1〜6の整数である。
    式(L−20)及び(L−24)中、Rは水素原子又は置換基を示す。
    式(L−25)中、Rsiは水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を示す。

    *−Ar−(Vr)p3−Ar−* 式(G)

    式(G)中、Ar及びArは単結合であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基もしくはヘテロアリーレン基であるか、又は、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基から選ばれる基を2つ以上連結してなる2価の基を示す。Vrは炭素数2〜40の2価の共役基を示し、p3は1〜6の整数である。
    *は結合部位を示す。
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