JP6709275B2 - 有機半導体膜、有機半導体素子、重合体及び有機半導体組成物 - Google Patents

有機半導体膜、有機半導体素子、重合体及び有機半導体組成物 Download PDF

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Description

本発明は、有機半導体膜、これに用いる重合体及び有機半導体組成物、並びに、有機半導体膜を備えた有機半導体素子に関する。
液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、RFID(radio frequency identifier:RFタグ)若しくはメモリ等の論理回路を用いる装置、又は、太陽電池等には、半導体素子が利用されている。中でも、有機半導体膜を有する有機半導体素子は、軽量化又は低コスト化が可能で柔軟性にも優れることから、無機半導体膜を有する無機半導体素子に対して、優位性を備えている。このような有機半導体素子としては、電流量若しくは電圧量を制御する有機薄膜トランジスタ素子、光エネルギーを電力に変換する有機光電変換デバイス、又は、熱エネルギーを電力に変換する有機熱電変換デバイス等が挙げられる。
これらの有機半導体素子において、有機ポリマーを含有する有機半導体膜の研究が進められている。このような有機ポリマーとして、例えば、ベンゾビスオキサゾールにおけるベンゼン環構成炭素原子を結合部とする繰り返し単位を有する高分子化合物(特許文献1)、並びに、ベンゾチアジアゾール及びベンゾビスチオフェンに由来する繰り返し単位を有するポリマー(特許文献2)が挙げられる。また、環構成原子として酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を有する含窒素複素芳香族環に由来する2つ基と、これらの間の、特定の複素芳香族縮合多環由来の基とからなる繰り返し単位を有するポリマーが挙げられる(特許文献3)。
国際公開第2013/129640号 特開2015−046639号公報 特開2013−201252号公報
有機半導体素子を搭載した液晶ディスプレイ等は、近年、高性能化が急速に進展している。しかも、用途が多様化しており、従来に比べて、高温高湿環境等の環境下で使用される機会が増えている。高温高湿環境として、例えば、温度50〜85℃、湿度50〜85RH%の環境が挙げられる。そのため、有機半導体素子ないしはその有機半導体膜には、キャリア移動度について、高い初期性能に加えて、高温高湿環境下においても維持する耐久性(高温高湿耐性ともいう)が求められている。
このような中、本発明者らが、上記特許文献1〜3に記載のポリマーを有機半導体化合物として用いた有機薄膜トランジスタについて更に検討したところ、キャリア移動度が不十分であり、更には、高温高湿下で長時間保管するとキャリア移動度を安定して維持できないことが分かった。
本発明は、有機半導体素子に用いた場合に、高いキャリア移動度と高温高湿耐性を示す有機半導体膜、及び、これに用いる重合体及び有機半導体組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、上記有機半導体膜を用いた有機半導体素子を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、チアゾール環等の環構成炭素原子を結合部とするベンゾビスチアゾール基と、特定の芳香族複素環由来の環基とを含む繰り返し単位を有する重合体が有機半導体素子の有機半導体膜に用いることができること、更に、この重合体を含む有機半導体膜が、有機半導体素子に用いた場合に、高いキャリア移動度と高温高湿耐性とを付与できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ね、完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
<1>下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体を含有する有機半導体膜。
Figure 0006709275
式(1)中、R11及びR12は各々独立に水素原子及び置換基を示す。ただし、A12が下記式(A−1)で表される芳香族複素環基を示す場合、R11及びR12は、炭素−炭素結合の途中に−O−、−S−及び−NRD3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RD3は水素原子又は置換基を示す。
は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
11及びA13は、各々独立に、芳香族炭化水素基、下記式(A−1)〜(A−11)で表される芳香族複素環基以外の芳香族複素環基、ビニレン基、又は、エチニレン基を示す。
12は下記式(A−1)〜(A−11)のいずれかで表される芳香族複素環基を示す。
11及びm13は各々独立に0〜4の整数であり、m12は1〜4の整数である。m11、m12及びm13それぞれが2以上の整数である場合、A11、A12及びA13それぞれは互いに同一でも異なってもよい。
Figure 0006709275
式(A−1)〜(A−11)中、Xは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRを示す。R及びRは、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、下記式(1−1)で表される基を示す。
は各々独立に酸素原子又は硫黄原子を示す。
は各々独立にCRA2又は窒素原子を示す。
は、各々独立に、C(RA2、NRA1、窒素原子、CRA2、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。RA1は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、下記式(1−1)で表される基、又は、単結合を示す。RA2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、単結合を示す。RA3は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
*は、上記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
Figure 0006709275
式(1−1)中、Lは、−O−、−S−及び−NR1S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。
Arは、芳香族複素環基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を示す。
は、−O−、−S−及び−NR2S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜100のアルキル基を示す。
1S及びR2Sは各々独立に水素原子又は置換基を示す。
lは1〜5の整数である。lが2以上である場合、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
*は、上記式(A−1)若しくは(A−2)中の環構成窒素原子、R中の窒素原子又はW中の窒素原子との結合部位を示す。
<2>上記式(1)中の−(A11)m11−及び−(A13)m13−が、各々独立に、下記式(Ar−1)又は式(Ar−2)で表される<1>に記載の有機半導体膜。
Figure 0006709275
式(Ar−1)及び式(Ar−2)中、
Ar1は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
Ar1及びRAr2は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
Ar1は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr1は環を形成していてもよい。
Ar2は0〜4の整数である。互いに隣接するRAr2は環を形成していてもよい。
Ar1及びmAr2は各々独立に1〜4の整数である。
*は、上記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
<3>上記式(1)中の−(A11)m11−及び−(A13)m13−が、各々独立に、式(Ar−3)で表される<1>又は<2>に記載の有機半導体膜。
Figure 0006709275
式(Ar−3)中、RAr3は、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
Ar3は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr3は環を形成していてもよい。
Ar3は1〜4の整数である。
*は、上記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
<4>上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の有機半導体膜を有する有機半導体素子。
<5>有機半導体素子が、有機薄膜トランジスタ素子である<4>に記載の有機半導体素子。
<6>下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体。
Figure 0006709275
式(1)中、
11及びR12は各々独立に水素原子及び置換基を示す。ただし、A12が下記式(A−1)で表される芳香族複素環基を示す場合、R11及びR12は、炭素−炭素結合の途中に−O−、−S−及び−NRD3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RD3は水素原子又は置換基を示す。
は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
11及びA13は、各々独立に、芳香族炭化水素基、下記式(A−1)〜(A−11)で表される芳香族複素環基以外の芳香族複素環基、ビニレン基、又は、エチニレン基を示す。
12は下記式(A−1)〜(A−11)のいずれかで表される芳香族複素環基を示す。
11及びm13は各々独立に0〜4の整数であり、m12は1〜4の整数である。m11、m12及びm13それぞれが2以上の整数である場合、A11、A12及びA13それぞれは互いに同一でも異なってもよい。
Figure 0006709275
式(A−1)〜(A−11)中、Xは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRを示す。R及びRは、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、下記式(1−1)で表される基を示す。
は各々独立に酸素原子又は硫黄原子を示す。
は各々独立にCRA2又は窒素原子を示す。
は、各々独立に、C(RA2、NRA1、窒素原子、CRA2、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。RA1は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、下記式(1−1)で表される基、又は、単結合を示す。RA2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、単結合を示す。RA3は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
*は、上記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
Figure 0006709275
式(1−1)中、Lは、−O−、−S−及び−NR1S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。
Arは、芳香族複素環基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を示す。
は、−O−、−S−及び−NR2S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜100のアルキル基を示す。
1S及びR2Sは各々独立に水素原子又は置換基を示す。
lは1〜5の整数である。lが2以上である場合、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
*は、上記式(A−1)若しくは(A−2)中の環構成窒素原子、R中の窒素原子又はW中の窒素原子との結合部位を示す。
<7>上記式(1)中の(A11)m11及び(A13)m13が、各々独立に、下記式(Ar−1)又は式(Ar−2)で表される<6>に記載の重合体。
Figure 0006709275
式(Ar−1)及び式(Ar−2)中、WAr1は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
Ar1及びRAr2は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
Ar1は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr1は環を形成していてもよい。
Ar2は0〜4の整数である。互いに隣接するRAr2は環を形成していてもよい。
Ar1及びmAr2は各々独立に1〜4の整数である。
*は、上記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
<8>上記式(1)中の(A11)m11及び(A13)m13が、各々独立に、式(Ar−3)で表される<6>又は<7>に記載の重合体。
Figure 0006709275
式(Ar−3)中、RAr3は、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
Ar3は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr3は環を形成していてもよい。
Ar3は1〜4の整数である。
*は、上記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
<9>上記<6>〜<8>のいずれか1つに記載の重合体と溶媒とを含有する有機半導体組成物。
本発明によれば、有機半導体素子に用いた場合に、高いキャリア移動度と高温高湿耐性を示す有機半導体膜、及び、これに用いる重合体及び有機半導体組成物を提供することができる。また、本発明によれば、上記優れた効果を奏する有機半導体膜を利用して、高いキャリア移動度と高温高湿耐性を示す有機半導体素子を提供することができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子を示す断面模式図である。 本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子を示す断面模式図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」と記載するときは、アクリレート、メタアクレート、又は、両者を意味する。
本明細書において、化合物の表示については、化合物そのものの他、その塩、そのイオンを含む。また、目的とする効果を損なわない範囲で、構造の一部を変化させたものを含む。
また、置換又は無置換を明記していない化合物については、目的とする効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有するものを含む。このことは、置換基及び連結基等(以下、置換基等という)についても同様である。
本明細書おいて、特定の符号で表示された置換基等が複数あるとき、又は、複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接(特に隣接)するとき、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。
また、基の炭素数が限定されている場合、この基の炭素数は、特段の断りがない限り、置換基を含めた全炭素数を意味する。
本発明において、基が非環状骨格及び環状骨格を形成しうる場合、特段の断りがない限り、この基は、非環状骨格の基と環状骨格の基を含む。例えば、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基及び環状(シクロ)アルキル基を含む。基が環状骨格を形成しうる場合、環状骨格を形成する基の原子数の下限は、この基について具体的に記載した原子数の下限にかかわらず、3以上であり、5以上が好ましい。
本発明の好ましい実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[重合体]
まず、本発明の有機半導体膜が含有する重合体について説明する。
本発明の重合体(有機半導体)は、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する。この重合体は、ベンゼン環と2つの窒素含有複素環とが縮合した3環縮合環(ベンゾビス(窒素含有複素環)ともいう)に由来する基と、少なくとも下記A12で示される芳香族複素環基との共重合体である。この共重合体は、好ましくはπ共役型重合体である。
本発明の重合体は、電子供与性(ドナー)ユニットと、電子受容性(アクセプター)ユニットとを有する、所謂「D−Aポリマー」ということもできる。本発明では、上記ベンゾビス(窒素含有複素環)に由来する基、並びに、式(1)中のA11及びA13で示される基をそれぞれドナーユニットとし、式(1)中のA12で示される芳香族複素環基がアクセプターユニットとする。
Figure 0006709275
式(1)中、Xは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。Xは、それぞれ、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。2つのXは互いに同一でも異なってもよいが、同一であることが好ましい。
11及びR12は、各々独立に、水素原子及び置換基を示す。
11及びR12として採りうる置換基としては、特に限定されない。好ましい置換基としては、−O−、−S−及び−NRD3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基(例えば、炭素数1〜35のアルキル基若しくは炭素数1〜35のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜25のアルキル基がより好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜30が好ましい。)、アルキニル基(炭素数2〜30が好ましい。)、芳香族炭化水素基(炭素数6〜30が好ましい。)、芳香族複素環基(5〜7員環が好ましい。環構成ヘテロ原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びセレン原子のうち少なくとも1つ含むものが好ましい。)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子が好ましく、フッ素原子若しくは塩素原子がより好ましく、フッ素原子が特に好ましい。)、又は、後述する式(1−1)で表される基が挙げられる。
D3は、水素原子又は置換基を示す。RD3として採りうる置換基としては、特に限定されず、後述するR1S及びR2Sにおける置換基と同義である。
12は、下記式(A−1)〜(A−11)のいずれかで表される芳香族複素環基を示す。下記の各式において、*は式(1)で表される繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
Figure 0006709275
式(A−6)及び式(A−8)において、5員環内ないしは6員環内の丸破線は、この5員環ないしは6員環が芳香族環であることを示す。
式(A−1)〜(A−11)中、Xは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRを示し、硫黄原子又はNRが好ましい。
及びRは、それぞれ、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、後述する式(1−1)で表される基を示す。R及Rとして採りうる上記アルキル基は、後述するRA1として採りうる、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
は、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。
は、各々独立に、CRA2又は窒素原子を示し、CRA2が好ましい。
A2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、単結合を示す。RA2は、水素原子又は単結合が好ましい。RA2がハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。RA2が上記アルキル基である場合、炭素数2〜35のアルキル基が好ましく、炭素数8〜25のアルキル基がより好ましい。また、上記アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。RA3は、水素原子又は置換基を示す。RA3として採りうる置換基としては、特に限定されず、後述するR1S及びR2Sにおける置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
CRA2において、RA2が単結合である場合、CRA2のC原子が、上記式(A−5)、(A−9)及び(A−10)それぞれにおける結合部位(各式中、*で示す)となる。
具体的には、上記式(A−5)及び式(A−9)においては、Zを含む2つの環構造それぞれにおいて、1つのZがCRA2であり、かつそのRA2が単結合となる。この単結合を有するCRA2(炭素原子)が各式において*で示す結合部位となる。また、式(A−10)においては、8個のうち2つのZがCRA2であり、かつそれらのRA2が単結合となる。これらの単結合を有するCRA2(炭素原子)が式(A−10)において*で示す結合部位となる。
本発明において、結合部位は、上記(1)で表される繰り返し単位を形成する他の基との結合部を意味する。他の基とは、上記(1)で表される繰り返し単位における、上述のベンゾビス(窒素含有複素環)に由来する基、又は、A11、A12若しくはA13で示される基をいう。
は、各々独立に、C(RA2、NRA1、窒素原子、CRA2、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、C(RA2、CRA2又は硫黄原子が好ましく、CRA2又は硫黄原子がより好ましい。
A1は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、後述する式(1−1)で表される基、又は、単結合を示す。RA1としては、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基又は後述する式(1−1)で表される基が好ましい。
本発明において、アルキル基が−O−を含むとは、アルキル基の炭素−炭素結合の途中に−O−が導入されている態様、アルキル基の一端に−O−が導入されている態様(アルコキシ基ともいう)、並びに、アルキル基の炭素−炭素結合の途中及び一端に−O−が導入されている態様を意味する。アルキル基に−S−又は−NRA3−を含む場合も同様の意味である。また、アルキル基が−O−、−S−及び−NRA3−を含む場合、これらの数は少なくとも1つであり、その上限は、特に限定されないが、例えば、5個である。
A1として採りうるアルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。このアルキル基の炭素数は、2〜35であることが好ましく、8〜25であることがより好ましい。
におけるRA2及びRA3は、それぞれ、ZにおけるRA2及びRA3と同義であり、好ましいものも同じである。
上記式(A−6)において、Wを含む2つの環構造それぞれにおいて、1つのWが、下記態様1〜3のいずれかの態様となり、態様1となることが好ましい。
態様1:WがCRA2であり、かつそのRA2が単結合である。
態様2:WがNRA1であり、かつそのRA1が単結合である。
態様3:WがC(RA2であり、かつそのRA2のうち一方が単結合であり、他方が水素原子、ハロゲン原子又は上記アルキル基である。
上記各態様において、上記単結合を有するCRA2(炭素原子)、NRA1(窒素原子)又はC(RA2(炭素原子)が式(A−6)における結合部位(式中、*で示す)となる。
下記式(1−1)で表される基について説明する。
Figure 0006709275
式(1−1)中、Lは、−O−、−S−及び−NR1S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。
本発明において、アルキレン基が−O−を含むとは、アルキレン基の炭素−炭素結合の途中に−O−が導入されている態様、アルキレン基の一端又は両端に−O−が導入されている態様、並びに、アルキレン基の炭素−炭素結合の途中及びアルキレン基の一端又は両端に−O−が導入されている態様を意味する。アルキレン基に−S−又は−NR1S−を含む場合も同様の意味である。また、アルキレン基が−O−、−S−及び−NR1S−を含む場合、これらの数は少なくとも1つであり、その上限は、特に限定されないが、例えば、5個である。
として採りうるアルキレン基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよいが、直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であることが好ましい。このアルキレン基の炭素数は、キャリア移動度がより優れたものとなるという観点から、1〜15であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましい。
として採りうるアルキレン基が分岐鎖である場合には、分岐部分の炭素数については、Lを示すアルキレン基の炭素数に含むものとする。ただし、Lが−NR1S−を含み、かつ、このR1Sが炭素原子を含む場合には、R1Sの炭素数は、Lとして採りうるアルキレン基の炭素数に含めないものとする。
Arは、芳香族複素環基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を示す。
Arとして採りうる芳香族複素環基は、単環の基であっても、2環以上の縮環の基であってもよく、キャリア移動度がより優れたものになるという観点から単環であることが好ましい。単環の基である場合、その環員数は5〜7員が好ましい。また、芳香族複素環基に含まれる環構成ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であることが好ましく、硫黄原子であることがより好ましい。
Arとして採りうる炭素数6〜18の芳香族炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン環基、ナフタレン環基、又は、3環以上の環が縮合した芳香族炭化水素(例えばフルオレン環)から2以上の水素原子を取り除いた基が挙げられる。これらの中でも、キャリア移動度がより優れたものになるという観点から、ベンゼン環基、又は、ナフタレン環基であることが好ましく、ベンゼン環基であることが好ましい。
は、−O−、−S−及び−NR2S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜100のアルキル基を示す。
として採りうるアルキル基は、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよいが、キャリア移動度及び高温高湿耐性がより優れたものになるという観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、分岐鎖のアルキル基がより好ましい。また、このアルキル基は、置換基としてハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、より好ましくはフッ素原子)を有するハロゲン化アルキル基であってもよい。
として採りうるアルキル基の炭素数は、1〜100であり、9〜100であることが好ましい。
また、キャリア移動度がより優れたものになるという観点から、1〜5個のLのうち、少なくとも1つのLが、炭素数9〜100の上記アルキル基であることが好ましく、20〜100の上記アルキル基であることがより好ましく、20〜40の上記アルキル基であることが更に好ましい。
として採りうるアルキル基が分岐鎖である場合には、分岐部分の炭素数については、Lとして採りうるアルキル基の炭素数に含むものとする。ただし、Lが−NR2S−を含み、かつ、このR2Sが炭素原子を含む場合には、R2Sの炭素数は、Lとして採りうるアルキレン基の炭素数に含めないものとする。
1S及びR2Sは、各々独立に、水素原子又は置換基を示す。R1S及びR2Sとして採りうる置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基)、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、又は、アリール基(好ましくは炭素数6〜20のアリール基)が挙げられる。これらの中でも、R1S及びR2Sは、それぞれ、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
が結合するAr(環構成原子)の位置は、特に限定されない。例えば、Arにおいて、Lに対して(Lが結合する環構成原子を1位としたとき)2〜4位が好ましく、少なくとも1つのLが4位に結合していることがより好ましい。
lは1〜5の整数であり、1又は2であることが好ましい。lが2以上である場合、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1−1)において、*は結合部位を示す。この結合部位は、式(1−1)で表される基のLaと、上記ベンゾビス(窒素含有複素環)に由来する基、上記式(A−1)若しくは(A−2)中の環構成窒素原子、R中の窒素原子、W中の窒素原子、又は、後述するA11若しくはA13の芳香族炭化水素基若しくは芳香族複素環基とを結合する。
12は、上記式(A−1)〜(A−11)の中でも、式(A−1)〜式(A−6)、式(A−8)、式(A−9)又は式(A−11)で表される芳香族複素環基であることが好ましく、式(A−1)、式(A−3)、式(A−4)又は式(A−6)で表される芳香族複素環基であることがより好ましく、式(A−3)で表される芳香族複素環基であることが更に好ましい。
式(A−1)〜式(A−11)で表される芳香族複素環基の例を以下に示すが、本発明は以下の例により限定されない。下記芳香族複素環基において、R、R及び*は上述した通りである。
Figure 0006709275
式(1)において、m12は、1〜4の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が特に好ましい。
12が2〜4の整数である場合、複数のm12は互いに同一の芳香族複素環基であってもよく、異なる芳香族複素環基であってもよい。
11及びA13は、各々独立に、芳香族炭化水素基、上記式(A−1)〜(A−11)で表される芳香族複素環基以外の芳香族複素環基、ビニレン基、又は、エチニレン基を示す。
11及びA13として採りうる芳香族炭化水素基としては、特に限定されず、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基がより好ましく、フェニレン基、ナフチレン基、又は、3環若しくは4環が縮合した芳香族炭化水素から水素原子を2つ除いた基が更に好ましい。3環若しくは4環が縮合した芳香族炭化水素から水素原子を2つ除いた基としては、例えば、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、クリセン環若しくはピレン環から水素原子を2つ除いた基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレン環基又はピレン環基が特に好ましい。
11及びA13として採りうる芳香族複素環基としては、上記式(A−1)〜(A−11)で表される芳香族複素環基以外のものであれば特に限定されず、環構成原子として、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を少なくとも1つ有する芳香族複素環基が挙げられる。この芳香族複素環基は、単環の基であっても、2環以上の縮環の基であってもよい。単環の基である場合、その環員数は5〜7員が好ましい。
芳香族複素環基を形成する芳香族複素環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環若しくはトリアジン環等の単環が挙げられる。また、これらの単環うち少なくとも2個の単環を組み合わせた縮合環、又は、少なくとも1個の上記単環と、少なくとも1つのベンゼン環若しくはシクロペンタジエン環との縮合環等が挙げられる。縮合環において、組み合わされる環の数は、2個以上であれば特に限定されないが、例えば、2〜6個が好ましい。
芳香族複素環基としては、中でも、フラン環基、チオフェン環基又はセレノフェン環基が好ましい。
上記芳香族炭化水素基及び上記芳香族複素環基は、それぞれ、置換基を有していてもよい。好ましい置換基としては、−O−、−S−及びNR−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基(例えば、炭素数1〜30のアルキル基若しくは炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましい。)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子が好ましく、フッ素原子又は塩素原子が更に好ましく、フッ素原子が特に好ましい。)、又は、上記式(1−1)で表される基が挙げられる。ここで、Rは水素原子又は置換基を示す。Rとして採りうる置換基は上記R1S及びR2Sにおける置換基と同義である。
11及びA13として採りうるビニレン基は、置換基を有していてもよいが、有していないことが好ましい。ビニレン基が有していてもよい置換基としては、上記芳香族炭化水素基及び上記芳香族複素環基が有していてもよい置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
11及びA13は、それぞれ、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましく、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環又はベンゼン環がより好ましく、チオフェン環が更に好ましい。
11及びA13は、互いに同一でも異なっていてもよい。
11及びm13は、それぞれ、0〜4の整数であり、0〜2の整数が好ましく、1又は2が好ましい。
11及びm13が、それぞれ、2〜4の整数である場合、複数のA11及びA13は、それぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)における、−(A11)m11−及び−(A13)m13−は、それぞれ、下記式(Ar−1)又は式(Ar−2)で表されることが好ましい。
Figure 0006709275
式(Ar−1)及び式(Ar−2)中、WAr1は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
Ar1及びRAr2は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示し、上記Rと同義であり、好ましい範囲も同じである。RAr1及びRAr2として採りうるアルキル基は、A11及びA13として採りうる上記芳香族炭化水素基及び上記芳香族複素環基が有していてもよい上記アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Ar1は0〜2の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。pAr1が2である場合、互いに隣接する2つのRAr1は環を形成していてもよい。2つのRAr1が結合して環を形成しうる基としては、限定されないが、例えば、アルキレン(好ましくは炭素数2又は3)ジオキシ基が挙げられる。
Ar2は0〜4の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。pAr2が2〜4のいずれかである場合、互いに隣接する2つのRAr2は環を形成していてもよい。2つのRAr2が結合して環を形成しうる基としては、上記RAr1が結合して環を形成しうる基と同じである。
Ar1及びmAr2は、それぞれ、1〜4の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1又は2が好ましい。
上記式において、*は、式(1)で表される繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
式(1)における、−(A11)m11−及び−(A13)m13−は、それぞれ、下記式(Ar−3)で表されることがより好ましい。
Figure 0006709275
式(Ar−3)中、RAr3は、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は上記Rと同義であり、好ましい範囲も同じである。RAr3はRAr1と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Ar3は0〜2の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。pAr3が2である場合、互いに隣接する2つのRAr3は環を形成していてもよい。2つのRAr3が結合して環を形成しうる基としては、上記RAr1が結合して環を形成しうる基と同じである。
Ar3は、1〜4の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1又は2が好ましい。
上記式において、*は、式(1)で表される繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
上記式(1)で表される繰り返し単位の具体例を以下及び実施例に示すが、本発明はこれらに限定されない。
下記の各具体例において、少なくとも1つの水素原子は、−O−、−S−及び−NR−のうち少なくとも1つを含んでもよいアルキル基、又は、上述の式(1−1)で表される基で置換されていてもよい。上記アルキル基としては、上述のR11及びR12として採りうる好ましい置換基である上記アルキル基と同義であり、Rは水素原子又は置換基を示し、Rとして採りうる置換基は上記R1S及びR2Sにおける置換基と同義である。
下記例示化合物中のm:nは、繰り返し単位のモル比を表す。
Figure 0006709275
Figure 0006709275
Figure 0006709275
Figure 0006709275
Figure 0006709275
Figure 0006709275
本発明の重合体は、式(1)で表される繰り返し単位を1種単独で含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
本発明の重合体は、式(1)で表される繰り返し単位を2以上有する。この繰り返し単位を2以上有する重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。本発明の重合体は、繰り返し単位数(重合度)nが2〜9のオリゴマーであってもよく、繰り返し単位数nが10以上の高分子化合物(ポリマー)であってもよい。中でも、高分子化合物であることが、キャリア移動度及び得られる有機半導体層の物性の観点から、好ましい。
重合度nは、後述する重量平均分子量と、各繰り返し単位の質量とから概算できる。
本発明の重合体は、上記式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(他の繰り返し単位という)を有していてもよい。本発明の重合体は、他の繰り返し単位を、その主鎖のいずれに有していてもよく、式(1)で表される繰り返し単位において、ベンゾビス(窒素含有複素環)に由来する基、A11、A12及びA13のいずれか2つの間に有していてもよい。
本発明の重合体において、式(1)で表される繰り返し単位の含有量は、本発明の重合体の繰り返し単位の全モル数に対し、60〜100%であることが好ましく、80〜100%であることがより好ましく、90〜100%であることが更に好ましく、実質的に式(1)で表される繰り返し単位のみから形成されていることが特に好ましい。なお、実質的に式(1)で表される繰り返し単位のみから形成されているとは、式(1)で表される繰り返し単位の、重合体中のモル比率が95%以上であることを意味し、97%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位の含有量が上記範囲内であると、移動度により優れる有機半導体膜が得られる。
本発明の重合体は、キャリア移動度の観点から、重量平均分子量が、2,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましく、20,000以上であることが更に好ましく、30,000以上であることが特に好ましく、45,000以上であることが最も好ましい。また、溶解度の観点から、重量平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましく、200,000以下であることが更に好ましく、150,000以下であることが特に好ましい。
本発明において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ法(GPC(Gel Permeation Chromatography))法にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。具体的には、例えば、GPCは、HLC−8121GPC(東ソー社製)を用い、カラムとして、TSKgel GMHHR−H(20) HT(東ソー社製、7.8mmID×30cm)を2本用い、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いる。また、条件としては、試料濃度を0.02質量%、流速を1.0mL/min、サンプル注入量を300μL、測定温度を160℃とし、IR(infrared)検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー社製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−128」、「F−80」、「F−40」、「F−20」、「F−10」、「F−4」、「F−2」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「A−500」の12サンプルを用いて、作製する。
本発明の重合体の末端構造は、特に制限はなく、他の繰り返し単位の有無、合成時に使用した基質の種類、又は、合成時のクエンチ剤(反応停止剤)の種類により、一義的に決定されない。末端の構造としては、例えば、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、エチレン性不飽和基、アルキル基、芳香族複素環基(チオフェン環が好ましい。)又は芳香族炭化水素基(ベンゼン環が好ましい。)が挙げられる。
本発明の重合体の合成方法は、特に限定されず、通常の方法を参照して、合成することができる。例えば、式(1)中のベンゾビス(窒素含有複素環)に由来する基、及び、A11、A12若しくはA13で示される基を導くことのできる各前駆体化合物を合成し、それぞれの前駆体を、鈴木カップリング反応又はStilleカップリング反応等のクロスカップリング反応させることにより、合成することができる。本発明の重合体の合成に際して、例えば、特表2010−527327号、特表2007−516315号、特表2014−515043号、特表2014−507488号、特表2011−501451号、特開2010−18790号、国際公開第2012/174561号、特表2011−514399号、及び、特表2011−514913号等の各文献を参考にすることができる。
[有機半導体組成物]
次に、本発明の有機半導体組成物について、説明する。
この有機半導体組成物は、上述の重合体と溶媒とを含有し、本発明の有機半導体膜の形成に好ましく用いられる。
<重合体>
重合体は、上述の通りであり、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
有機半導体組成物の、重合体の含有率は、特に限定されず、例えば、後述する溶媒を除いた固形分中の含有率で表すことができる。固形分中の含有率としては、例えば、後述する有機半導体膜中の重合体の含有率と同じ範囲にすることが好ましい。
<溶媒>
溶媒は、上述の重合体を溶解又は分散させるものであれば特に限定されず、無機溶媒又は有機溶媒が挙げられる。中でも、有機溶媒が好ましい。溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、特に限定されないが、ヘキサン、オクタン若しくはデカン等の(脂肪族)炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレン、テトラリン若しくはアニソール等の芳香族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン若しくはシクロヘキサノン等のケトン溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン若しくはクロロトルエン等のハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル若しくは乳酸エチル等のエステル溶媒、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ若しくはエチレングリコール等のアルコール溶媒、ブトキシベンゼン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒、1−メチル−2−ピロリドン若しくは1−メチル−2−イミダゾリジノン等のイミド溶媒、ジメチルスルホキサイド等のスルホキシド溶媒、又は、アセトニトリル等のニトリル溶媒等が挙げられる。
有機半導体組成物中の、溶媒の含有率は、90〜99.99質量%であることが好ましく、95〜99.99質量%であることがより好ましく、96〜99.95質量%であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明の有機半導体組成物は、本発明の重合体及び溶媒以外の成分を含有してもよい。
このような成分として、バインダーポリマー、又は、各種の添加剤等が挙げられる。
(バインダーポリマー)
本発明の有機半導体組成物は、バインダーポリマーを含有してもよい。バインダーポリマーの種類は、有機半導体組成物に通常用いられるバインダーポリマーを特に制限されることなく、用いることができる。
このようなバインダーポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ジビニルベンゼン)、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(4−メチルスチレン)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン若しくはポリプロピレンなどの絶縁性ポリマー、及び、これらの共重合体、ポリシラン、ポリカルバゾール、ポリアリールアミン、ポリフルオレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアセン若しくはポリヘテロアセンなどの半導体ポリマー、及び、これらの共重合体、ゴム、又は、熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
中でも、バインダーポリマーとしては、ベンゼン環を有する高分子化合物(ベンゼン環基を有する繰り返し単位を有する高分子)が好ましい。ベンゼン環基を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%が挙げられる。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000〜1,000万が好ましく、3,000〜500万がより好ましく、5,000〜300万が更に好ましい。
有機半導体組成物の、バインダーポリマーの含有率は、特に限定されず、例えば、固形分中の含有率としては、後述する有機半導体膜中の、バインダーポリマーの含有率と同じ範囲にすることが好ましい。バインダーポリマーの含有率が上記範囲内にある有機半導体組成物を用いて有機薄膜トランジスタ素子の有機半導体膜を形成すると、有機薄膜トランジスタ素子のキャリア移動度及び耐熱性が更に向上する。
(添加剤)
添加剤としては、有機半導体組成物に通常用いられるものを特に制限されることなく、用いることができる。
有機半導体組成物の、添加剤の含有率は、特に限定されず、例えば、固形分中の含有率としては、後述する有機半導体膜中の、添加剤の含有率と同じ範囲にすることが好ましい。上記範囲であると、膜形成性に優れる。例えば、添加剤の含有率が上記範囲内にある有機半導体組成物を用いて有機薄膜トランジスタ素子の有機半導体膜を形成すると、膜形成性に優れ、有機薄膜トランジスタ素子のキャリア移動度及び耐熱性がより向上する。
<調製方法>
有機半導体組成物の調製方法としては、特に制限されず、通常の調製方法を採用できる。例えば、溶媒に所定量の各成分を添加して、適宜攪拌処理することにより、本発明の有機半導体組成物を調製することができる。
[有機半導体膜]
本発明の有機半導体膜について、説明する。
本発明の有機半導体膜は、上述の、本発明の重合体を含有する。
有機半導体膜が本発明の重合体を含有すると、この有機半導体膜を有機半導体素子、特に有機薄膜トランジスタ素子に用いた場合に、高いキャリア移動度と高温高湿耐性とを付与できる。その理由は定かではないが、次のように推定される。すなわち、本発明の重合体は、上述のように、電子供与性(ドナー)ユニットと、電子受容性(アクセプター)ユニットとから形成された主鎖骨格を有する、所謂「D−Aポリマー」の一種である。このようなD−A型ポリマーを含有する有機半導体膜は、D−A型ポリマーの主鎖構造がねじれにくく、分子間のパッキングが良好であると、キャリア移動が高くなると考えられる。
本発明の重合体中の、ベンゾビス(窒素含有複素環)に由来する基は、その両端に五員環の構造を有しており、主鎖のねじれを引き起こしくい。更に、三環が縮環した構造を有しており、比較的広いπ平面を有し、分子間のパッキングに有利な構造と考えられる。そのため、本発明の有機半導体膜は、高いキャリア移動度を発現すると考えられる。
しかも、本発明の重合体は、膜の表面側が疎水性になるように配向(エッジオン配向性)して、緻密で均一な有機半導体膜を形成する。これにより、有機半導体層の水分吸収が抑制されるため、高温高湿耐性を示すと考えられる。
本発明の有機半導体膜は、本発明の重合体に加えて、上記バインダーポリマー又は添加剤を含有していてもよい。バインダーポリマー及び添加剤については上述した通りである。
本発明の有機半導体膜に含有される重合体は、1種でもよく、2種以上でもよい。
有機半導体膜中の、重合体の含有率は、特に限定されず適宜に設定できる。例えば、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。その上限は、100質量%とすることができ、例えば、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
バインダーポリマーは、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
有機半導体膜中の、バインダーポリマーの含有率は、特に限定されず適宜に設定できる。例えば、90質量%以下が好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。その下限は、0質量%以上とすることができ、例えば、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。
添加剤は、1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
有機半導体膜中の、添加剤の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
有機半導体膜の膜厚は、適用される有機半導体素子に応じて一義的に決定することができない。例えば、有機薄膜トランジスタ素子に適用する場合、有機半導体膜の膜厚は、10〜500nmが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
この有機半導体膜は、上述の、本発明の有機半導体組成物を用いて後述する方法により、形成されることが好ましい。
本発明の有機半導体膜は、有機半導体素子に好ましく適用され、より好ましくは有機薄膜トランジスタ素子に適用される。
[有機半導体素子]
本発明の有機半導体素子は、本発明の有機半導体膜を備えている。
本発明の有機半導体素子としては、特に限定されないが、非発光性の有機半導体デバイスとして好ましく用いられる。非発光性の有機半導体デバイスとしては、発光することを目的としないデバイスであればよく、例えば、有機薄膜トランジスタ素子、有機光電変換素子(光センサ用途の固体撮像素子又はエネルギー変換用途の太陽電池等)、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバーター、情報記録素子等が挙げられる。非発光性の有機半導体デバイスは、有機半導体膜をエレクトロニクス要素として機能させることが好ましい。
<有機薄膜トランジスタ素子>
本発明の有機半導体膜の好ましい適用態様の一つとして、有機薄膜トランジスタ素子に適用した態様について説明するが、本発明の半導体素子はこれに限定されるものではない。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子(有機TFT素子ともいう)は、上述した本発明の有機半導体膜(有機半導体層)を有し、更に、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極と、を有することができる。
本発明の有機TFT素子は、基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、ゲート電極及び有機半導体層の間に設けられたゲート絶縁層と、有機半導体層に接して設けられ、有機半導体層を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する。この有機TFT素子においては、有機半導体層とゲート絶縁層が隣接して設けられる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、上記各層を備えていればその構造については特に限定されない。例えば、ボトムコンタクト型(ボトムゲート−ボトムコンタクト型及びトップゲート−ボトムコンタクト型)、又は、トップコンタクト型(ボトムゲート−トップコンタクト型及びトップゲート−トップコンタクト型)などのいずれの構造を有していてもよい。
以下、本発明の有機薄膜トランジスタ素子の一例について、図面を参照して説明する。
− ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子 −
図1は、本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子100の断面模式図である。
有機薄膜トランジスタ素子100は、図1に示されるように、基板(基材)10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、ソース電極40及びドレイン電極42と、有機半導体膜50と、封止層60とを、この順で、有する。
以下、基板(基材)、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜(有機半導体層)及び封止層、並びに、それぞれの作製方法について詳述する。
(基板)
基板は、後述するゲート電極、ソース電極及びドレイン電極等を支持する役割を果たす。
基板の種類は、特に制限されず、例えば、プラスチック基板、シリコン基板、ガラス基板又はセラミック基板等が挙げられる。中でも、各デバイスへの適用性及びコストの観点から、ガラス基板又はプラスチック基板であることが好ましい。
基板の厚みは、特に限定されないが、例えば、10mm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのが更に好ましく、1.5mm以下であるのが特に好ましい。一方、0.01mm以上であるのが好ましく、0.05mm以上であるのが更に好ましい。
(ゲート電極)
ゲート電極は、有機TFT素子のゲート電極として用いられている通常の電極を特に制限されることなく適用できる。
ゲート電極を形成する材料(電極材料)としては、特に限定されず、例えば、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、マグネシウム、カルシウム、バリウム若しくはナトリウム等の金属、InO、SnO若しくはインジウム錫酸化物(ITO)等の導電性の酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン若しくはポリジアセチレン等の導電性高分子、シリコン、ゲルマニウム若しくはガリウム砒素等の半導体、又は、フラーレン、カーボンナノチューブ若しくはグラファイト等の炭素材料等が挙げられる。中でも、上記金属が好ましく、銀又はアルミニウムがより好ましい。
ゲート電極の厚みは、特に限定されないが、20〜200nmであることが好ましい。
ゲート電極は、上記基板として機能するものでもよく、この場合、上記基板はなくてもよい。
ゲート電極を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、基板上に、上述の電極材料を真空蒸着(以下単に、蒸着ともいう)又はスパッタする方法、上述の電極材料を含有する電極形成用組成物を塗布又は印刷する方法等が挙げられる。また、電極をパターニングする場合、パターニング方法としては、例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷若しくは凸版印刷(フレキソ印刷)等の印刷法、フォトリソグラフィー法又はマスク蒸着法等が挙げられる。
(ゲート絶縁膜)
ゲート絶縁膜は、絶縁性を有する膜(層)であれば特に限定されず、単層であってもよいし、多層であってもよい。
ゲート絶縁膜を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、メラミン樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリベンゾキサゾール、ポリシルセスキオキサン、エポキシ樹脂若しくはフェノール樹脂等のポリマー、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム若しくは酸化チタン等の酸化物、又は、窒化ケイ素等の窒化物等が挙げられる。中でも、有機半導体膜との相性から、上記ポリマーであることが好ましい。
これらの材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ゲート絶縁膜の膜厚は、特に限定されないが、100〜1000nmであることが好ましい。
ゲート絶縁膜を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、ゲート電極が形成された基板上に、上記材料を含有するゲート絶縁膜形成用組成物を塗布する方法、上記材料を蒸着又はスパッタする方法等が挙げられる。
(ソース電極及びドレイン電極)
本発明の有機TFT素子において、ソース電極は、配線を通じて外部から電流が流入する電極である。また、ドレイン電極は、配線を通じて外部に電流を送り出す電極である。
ソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、上述したゲート電極を形成する電極材料と同じものを用いることができる。中でも、金属が好ましく、銀がより好ましい。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、特に限定されないが、それぞれ、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、300nm以下が特に好ましい。
ソース電極とドレイン電極との間の間隔(ゲート長)は、適宜に決定できるが、例えば、200μm以下が好ましく、100μm以下が特に好ましい。また、ゲート幅は、適宜に決定できるが、例えば、5000μm以下が好ましく、1000μm以下が特に好ましい。
ソース電極及びドレイン電極を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、ゲート電極とゲート絶縁膜とが形成された基板上に、電極材料を真空蒸着又はスパッタする方法、電極形成用組成物を塗布又は印刷する方法等が挙げられる。パターニングする場合、パターニングする方法は上述したゲート電極の方法と同じである。
(有機半導体膜)
有機TFT素子において、有機半導体膜として上述の本発明の有機半導体膜を用いる。
この有機半導体膜は、上述した有機半導体組成物を塗布して形成することができる。具体的には、上述した有機半導体組成物を基板上に塗布して、乾燥させることにより、有機半導体膜を形成することができる。
本発明において、有機半導体組成物を基板上に塗布するとは、有機半導体組成物を基板に直接適用する態様のみならず、基板上に設けられた別の層を介して基板の上方に有機半導体組成物を適用する態様も含むものとする。別の層としては、例えば、ゲート絶縁膜、ソース電極又はドレイン電極が挙げられる。
有機半導体組成物の塗布方法としては、通常の方法を用いることができ、例えば、バーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ドクターブレード法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法又はスクリーン印刷法が挙げられる。更に、有機半導体組成物の塗布方法としては、特開2013−207085号公報に記載の有機半導体膜の形成方法(いわゆるギャップキャスト法)、国際公開第2014/175351号に記載の有機半導体薄膜の製造方法(いわゆるエッジキャスト法又は連続エッジキャスト法)等も好適に用いられる。
乾燥(乾燥処理)は、有機半導体組成物に含まれる各成分の種類により適宜の条件を選定できる。自然乾燥であってもよいが、生産性を向上させる観点から、加熱処理が好ましい。加熱処理条件は、一義的に決定できないが、例えば、加熱温度としては30〜250℃が好ましく、40〜200℃がより好ましく、50〜150℃が更に好ましく、加熱時間としては10〜300分が好ましく、20〜180分がより好ましい。
(封止層)
本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、耐久性の観点から、最外層に封止層を備えるのが好ましい。封止層には、有機TFT素子に通常用いられる封止剤(封止層形成用組成物)を用いることができる。
封止層の膜厚は、特に限定されないが、0.2〜10μmであることが好ましい。
− ボトムゲート−トップコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子 −
図2は、本発明の半導体素子の一例であるボトムゲート−トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子200を表す断面模式図である。
有機薄膜トランジスタ素子200は、図2に示されるように、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、有機半導体膜50と、ソース電極40及びドレイン電極42と、封止層60とを、この順で、有する。
有機薄膜トランジスタ素子200は、層構成(積層態様)が異なること以外は、有機薄膜トランジスタ素子100を同じである。したがって、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体膜及び封止層については、上述の、ボトムゲート−ボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子におけるものと同じであるので、その説明を省略する。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。
各例に用いた重合体1〜21を以下に示す。
各重合体の重量平均分子量を上記方法により測定し、表1に示した。
Figure 0006709275
Figure 0006709275
Figure 0006709275
Figure 0006709275
[合成例]
<合成例1:重合体1の合成>
下記スキームに従い、中間体2を合成した。
下記スキームにおいて、Meはメチル、Buはブチルを示す。
Figure 0006709275
4、8−ジブロモベンゾビスチアゾールは、The Journal of Oragnic Chemistry,2014,79,p.7766−7771に記載の方法に従い合成した。
―中間体1の合成―
窒素雰囲気下、1.0M(モル/L)のデシルマグネシウムブロミドのエーテル溶液(34mL、34mmol)を0℃まで冷却し、0.5Mの塩化亜鉛のテトラヒドロフラン(THF)溶液(68mL、34mmol)を滴下した。反応溶液を室温まで昇温した後、4、8−ジブロモベンゾビスチアゾール(2g、5.7mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン付加物(466mg、0.57mmol)を加え、3時間加熱還流させた。反応溶液を室温(約20℃)まで冷却した後、メタノールを加えてアルキル金属試薬を失活させ、反応生成物をクロロホルムで抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後にろ過し、濃縮した。得られた粗生成物を分取精製用のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC(Gel Permeation Chromatography)、溶出液:テトラヒドロフラン)で精製し、中間体1(1.8g、収率67%)を得た。
―中間体2の合成―
中間体1(1g、2.1mmol)及びテトラヒドロフラン(21mL)を混合し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。これに1.6Mのノルマルブチルリチウム(2.9mL、4.64mmol)を加えた後、−78℃で1時間攪拌した。次いで、トリメチルスズクロリド(969mg、4.86mmol)を加え、更に30分攪拌した。反応溶液を室温まで昇温した後、水を加えて反応をクエンチした後、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、濃縮した。得られた粗生成物を分取精製用のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC、溶出液:テトラヒドロフラン)で精製し、中間体2(895mg、収率:53%)を得た。
下記スキームに従い、重合体1を合成した。
中間体3は、Advanced Functional Materials,2011,21,p.718−728に記載の方法に従い合成した。
Figure 0006709275
中間体2(124mg、155μmol)、中間体3(100mg、155μmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(3.8mg、12.4μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(3.1mg、3.1μmol)及び脱水クロロベンゼン(5mL)を混合し、窒素雰囲気下、130℃で24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、メタノール(40mL)/濃塩酸(2mL)混合液に注ぎ、2時間撹拌した。析出物をろ取し、メタノールで洗浄した。得られた粗生成物をメタノール、アセトン、ヘキサンで順次ソックスレー抽出し、可溶性の不純物を取り除いた。続いて、クロロホルムでソックスレー抽出し、得られた溶液を減圧濃縮した後、メタノールを添加し、析出した固形分をろ取し、メタノールで洗浄して、80℃で12時間真空乾燥した。こうして、重合体1(135mg)を得た。
重合体1のポリスチレン換算の数平均分子量は1.9×10であり、重量平均分子量は4.6×104であった。
<合成例2:重合体5の合成>
下記スキームに従い、中間体4及び中間体5をそれぞれ合成した。
スキーム中、DMFはジメチルホルムアミド、NBSはN−ブロモスクシンイミドの略語である。また、Meはメチル、Buはブチル、Phはフェニルを示す。
Figure 0006709275
−中間体4の合成−
ベンゾビスチアゾール(1g、5.2mmol)及びテトラヒドロフラン(52mL)を混合し、窒素雰囲気下、−78℃に冷却した。これに1.6Mのノルマルブチルリチウム(7.2mL、11.5mmol)を加えた後、−78℃で1時間攪拌した。次いで、トリメチルスズクロリド(2.38g、12.0mmol)を加え、更に30分攪拌した。反応溶液を室温まで昇温した後、水を加え反応をクエンチした後、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、濃縮した。得られた粗生成物を分取精製用のゲル浸透クロマトグラフィ(GPC、溶出液:テトラヒドロフラン)で精製し、中間体4(1.13g、収率42%)を得た。
−中間体5の合成−
中間体5は、Tetrahedron,2010,66,p.3173及びOrganic Electronics,2011,12,p.993を参考に、上記に示した合成ルートにより合成した。
下記スキームに従い、重合体5を合成した。
Figure 0006709275
中間体4(81mg、156μmol)、中間体5(190mg、156μmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(3.8mg、12.4μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(3.1mg、3.1μmol)及び脱水クロロベンゼン(5mL)を混合し、窒素雰囲気下、130℃で24時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、メタノール(40mL)/濃塩酸(2mL)混合液に注ぎ、2時間撹拌した。析出物をろ取し、メタノールで洗浄した。得られた粗生成物をメタノール、アセトン、ヘキサンで順次ソックスレー抽出し、可溶性の不純物を取り除いた。続いて、クロロホルムでソックスレー抽出し、得られた溶液を減圧濃縮した後、メタノールを添加し、析出した固形分をろ取し、メタノールで洗浄して、80℃で12時間真空乾燥した。こうして、重合体5(140mg)を得た。
重合体5のポリスチレン換算の数平均分子量は2.6×10であり、重量平均分子量は6.8×10であった。
<合成例3:重合体2〜4及び6〜21の合成>
上記合成例1又は2と同様にして、重合体2〜4及び6〜21を合成した。
<比較のための重合体>
下記に示す比較重合体1〜4を準備した。
比較重合体1は、The Jornal of Physical Chemistry B,2002,106,p.6129〜6132に記載の化合物である。
比較重合体2は特許文献1(同文献の実施例3)に記載の高分子化合物Cであり、比較重合体3は特許文献3に記載の例示化合物15である。
比較重合体4は、Macromolecules,2009,42,p.8615−8618に記載の化合物である。
Figure 0006709275
[有機半導体組成物の調製例]
トルエン1mLと、表1に示す重合体3mgとを硝子バイヤルに投入し、ミックスローター(アズワン社製)により、60℃で12時間撹拌混合した。次いで、得られた液を0.5μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の有機半導体組成物1〜21及び比較のための有機半導体組成物c1〜c4を調製した。
得られた各組成物中の重合体の含有率は、いずれも、0.34質量%であった。
[実施例1]
図1に示すボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子100を製造し、その特性を評価した。
<有機薄膜トランジスタ素子の製造>
ガラス基板(イーグルXG:コーニング社製、厚み1.1mm)上に、アルミニウムを蒸着してゲート電極(厚み50nm)を形成した。その上に、ゲート絶縁膜形成用組成物(ポリビニルフェノール/メラミン樹脂=1質量部/1質量部のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液(固形分濃度2質量%))をスピンコートし、150℃で60分間ベーク(加熱乾燥)して、膜厚400nmのゲート絶縁膜を形成した。
次いで、その上に、銀インク(銀ナノコロイドH−1(商品名)、三菱マテリアル社製)を、インクジェット装置:DMP−2831(商品名、富士フイルムダイマティクス社製)を用いて、ソース電極及びドレイン電極状(厚み約100nm、ゲート長60μm及びゲート幅200μm)に、印刷(描画)した。その後、オーブンにて180℃で30分ベークし、焼結して、ソース電極及びドレイン電極を形成した。このようにして素子前駆体を得た。
窒素グローブボックス中で、素子前駆体の上に、表1に示す各有機半導体組成物をスピンコート(500rpm10秒間、更に1,000rpmで30秒間)した後、ホットプレート上で、150℃で1時間乾燥して、有機半導体層(膜厚約20nm)を形成した。このようにして、本発明の有機薄膜トランジスタ素子1〜21及び比較のための有機薄膜トランジスタ素子C1〜C4をそれぞれ製造した。
有機半導体層中の重合体の含有率は、いずれも、100質量%であった。
<有機薄膜トランジスタ素子の評価>
製造した各有機薄膜トランジスタ素子について、半導体特性評価装置:B2900A(商品名、アジレントテクノロジーズ社製)を用いて、大気下で、以下の性能評価をした。その結果を表1に示す。
(キャリア移動度μの測定)
各有機薄膜トランジスタ素子のソース電極−ドレイン電極間に−30Vの電圧を印加し、ゲート電圧を+10V〜−60Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Iを表す下記式を用いてキャリア移動度μ(cm/Vs)を算出した。得られたキャリア移動度μを、下記評価基準により、評価した。キャリア移動度μは高いほど好ましく、本試験において、「C」以上であることが好ましく、「B」以上であることがより好ましく、「A」以上であることが更に好ましい。
=(w/2L)μC(V−Vth
式中、Lはゲート長、wはゲート幅、μはキャリア移動度、Cはゲート絶縁層の単位面積当たりの容量、Vはゲート電圧、Vthは閾値電圧を、それぞれ、表す。
「S」 :0.15cm/Vs以上
「A」 :0.1cm/Vs以上、0.15cm/Vs未満
「B」 :0.05cm/Vs以上、0.1cm/Vs未満
「C」 :0.01cm/Vs以上、0.05cm/Vs未満
「D」 :0.01cm/Vs未満
(高温高湿耐性(高温高湿環境下での経時安定性))
上記「キャリア移動度μの測定」試験において、キャリア移動度μが0.01cm/Vs以上の有機薄膜トランジスタ素子を、それぞれ、70℃、相対湿度75%の環境下で24時間保管した後、上記「キャリア移動度μの測定」と同様の方法により、キャリア移動度μを測定した。
各有機薄膜トランジスタ素子において、保管前のキャリア移動度μBeと保管後のキャリア移動度μAfとを用いて、下記式に基づいて、キャリア移動度維持率(%)を算出し、これを高温高湿環境下での経時安定性の指標とした。得られたキャリア移動度維持率を、下記評価基準により、評価した。キャリア移動度維持率は大きいほど高温高湿環境下での経時安定性が高く、本試験において、「B」以上であることが好ましく、「A」であることがより好ましい。
キャリア移動度維持率(%)=(キャリア移動度μAf/キャリア移動度μBe)×100
「A」:90%以上
「B」:75%以上90%未満
「C」:50%以上75%未満
「D」:25%以上50%未満
Figure 0006709275
表1の結果から、以下のことが分かる。
有機薄膜トランジスタ素子C1〜C4は、いずれも、上述の比較重合体を含有する有機半導体層を備えており、キャリア移動度又は高温高湿耐性が十分ではなかった。すなわち、式(1)におけるA12(特定の芳香族複素環基)を含まない繰り返し単位を有する比較重合体1及び比較重合体4を含有する有機半導体膜を備えた有機薄膜トランジスタ素子C1及びC4は、いずれも、キャリア移動度μに大きく劣るものであった。また、有機薄膜トランジスタ素子C3は、式(1)におけるA12を含まない繰り返し単位を有する比較重合体3を含有する有機半導体膜を備えているが、キャリア移動度μ及び高温高湿耐性のいずれも劣る結果であった。一方、式(1)におけるベンゾビス(窒素含有複素環)に由来する基を含まない繰り返し単位を有する比較重合体2を含有する有機半導体膜を備えた有機薄膜トランジスタ素子C2は、十分なキャリア移動度μ及び高温高湿耐性を示すものではなかった。
これに対して、本発明の有機薄膜トランジスタ素子1〜4及び14〜20は、いずれも、本発明の重合体を含有する有機半導体層を備え、高いキャリア移動度μと高温高湿耐性を示した
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2016年2月29日に日本国で特許出願された特願2016−038023に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
10 基板
20 ゲート電極
30 ゲート絶縁膜
40 ソース電極
42 ドレイン電極
50 有機半導体膜(半導体活性層)
60 封止層
100、200 有機薄膜トランジスタ素子

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体を含有する有機半導体膜。
    Figure 0006709275
    式(1)中、
    11及びR12は各々独立に水素原子及び置換基を示す。ただし、A12が下記式(A−1)で表される芳香族複素環基を示す場合、R11及びR12は、炭素−炭素結合の途中に−O−、−S−及び−NRD3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RD3は水素原子又は置換基を示す。
    は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
    11及びA13は、各々独立に、芳香族炭化水素基、下記式(A−1)〜(A−11)で表される芳香族複素環基以外の芳香族複素環基、ビニレン基、又は、エチニレン基を示す。
    12は下記式(A−1)〜(A−11)のいずれかで表される芳香族複素環基を示す。
    11及びm13は各々独立に0〜4の整数であり、m12は1〜4の整数である。m11、m12及びm13それぞれが2以上の整数である場合、A11、A12及びA13それぞれは互いに同一でも異なってもよい。
    Figure 0006709275
    式(A−1)〜(A−11)中、
    は、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRを示す。R及びRは、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、下記式(1−1)で表される基を示す。
    は各々独立に酸素原子又は硫黄原子を示す。
    は各々独立にCRA2又は窒素原子を示す。
    は、各々独立に、C(RA2、NRA1、窒素原子、CRA2、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。RA1は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、下記式(1−1)で表される基、又は、単結合を示す。RA2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、単結合を示す。RA3は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
    *は、前記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
    Figure 0006709275
    式(1−1)中、
    は、−O−、−S−及び−NR1S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。
    Arは、芳香族複素環基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を示す。
    は、−O−、−S−及び−NR2S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜100のアルキル基を示す。
    1S及びR2Sは各々独立に水素原子又は置換基を示す。
    lは1〜5の整数である。lが2以上である場合、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
    *は、前記式(A−1)若しくは(A−2)中の環構成窒素原子、R中の窒素原子又はW中の窒素原子との結合部位を示す。
  2. 前記−(A11)m11−及び−(A13)m13−が、各々独立に、下記式(Ar−1)又は式(Ar−2)で表される請求項1に記載の有機半導体膜。
    Figure 0006709275
    式(Ar−1)及び式(Ar−2)中、
    Ar1は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
    Ar1及びRAr2は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
    Ar1は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr1は環を形成していてもよい。
    Ar2は0〜4の整数である。互いに隣接するRAr2は環を形成していてもよい。
    Ar1及びmAr2は各々独立に1〜4の整数である。
    *は、前記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
  3. 前記−(A11)m11−及び−(A13)m13−が、各々独立に、式(Ar−3)で表される請求項1又は2に記載の有機半導体膜。
    Figure 0006709275
    式(Ar−3)中、
    Ar3は、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
    Ar3は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr3は環を形成していてもよい。
    Ar3は1〜4の整数である。
    *は、前記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体膜を有する有機半導体素子。
  5. 前記有機半導体素子が、有機薄膜トランジスタ素子である請求項4に記載の有機半導体素子。
  6. 下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体。
    Figure 0006709275
    式(1)中、
    11及びR12は各々独立に水素原子及び置換基を示す。ただし、A12が下記式(A−1)で表される芳香族複素環基を示す場合、R11及びR12は、炭素−炭素結合の途中に−O−、−S−及び−NRD3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RD3は水素原子又は置換基を示す。
    は各々独立に酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
    11及びA13は、各々独立に、芳香族炭化水素基、下記式(A−1)〜(A−11)で表される芳香族複素環基以外の芳香族複素環基、ビニレン基、又は、エチニレン基を示す。
    12は下記式(A−1)〜(A−11)のいずれかで表される芳香族複素環基を示す。
    11及びm13は各々独立に0〜4の整数であり、m12は1〜4の整数である。m11、m12及びm13それぞれが2以上の整数である場合、A11、A12及びA13それぞれは互いに同一でも異なってもよい。
    Figure 0006709275
    式(A−1)〜(A−11)中、
    は、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRを示す。R及びRは、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、下記式(1−1)で表される基を示す。
    は各々独立に酸素原子又は硫黄原子を示す。
    は各々独立にCRA2又は窒素原子を示す。
    は、各々独立に、C(RA2、NRA1、窒素原子、CRA2、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。RA1は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、下記式(1−1)で表される基、又は、単結合を示す。RA2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、−O−、−S−及び−NRA3−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基、又は、単結合を示す。RA3は各々独立に水素原子又は置換基を示す。
    *は、前記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
    Figure 0006709275
    式(1−1)中、
    は、−O−、−S−及び−NR1S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。
    Arは、芳香族複素環基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を示す。
    は、−O−、−S−及び−NR2S−のうち少なくとも1つを含んでいてもよい炭素数1〜100のアルキル基を示す。
    1S及びR2Sは各々独立に水素原子又は置換基を示す。
    lは1〜5の整数である。lが2以上である場合、複数のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
    *は、前記式(A−1)若しくは(A−2)中の環構成窒素原子、R中の窒素原子又はW中の窒素原子との結合部位を示す。
  7. 前記(A11)m11及び(A13)m13が、各々独立に、下記式(Ar−1)又は式(Ar−2)で表される請求項6に記載の重合体。
    Figure 0006709275
    式(Ar−1)及び式(Ar−2)中、
    Ar1は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示す。
    Ar1及びRAr2は、各々独立に、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
    Ar1は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr1は環を形成していてもよい。
    Ar2は0〜4の整数である。互いに隣接するRAr2は環を形成していてもよい。
    Ar1及びmAr2は各々独立に1〜4の整数である。
    *は、前記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
  8. 前記(A11)m11及び(A13)m13が、各々独立に、式(Ar−3)で表される請求項6又は7に記載の重合体。
    Figure 0006709275
    式(Ar−3)中、
    Ar3は、−O−、−S−及び−NRAr4−のうち少なくとも1つを含んでいてもよいアルキル基を示す。RAr4は水素原子又は置換基を示す。
    Ar3は0〜2の整数である。互いに隣接するRAr3は環を形成していてもよい。
    Ar3は1〜4の整数である。
    *は、前記繰り返し単位を形成する他の基との結合部位を示す。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の重合体と溶媒とを含有する有機半導体組成物。
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