以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、管理コンピュータ(部品収容体管理装置)、部品収容体保管庫の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
まず図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、基板に実装される部品を管理する機能と、基板に部品を実装して実装基板を生産する機能を有している。部品実装システム1は、管理コンピュータ2、生産計画装置3、保管エリア4、部品実装ライン5を主体として構成され、これらの各部は通信ネットワーク6によって接続されている。管理コンピュータ2は、部品実装システム1にて使用される部品の管理、実装基板の生産管理などを行う。生産計画装置3は、部品実装システム1において生産される実装基板の生産枚数、生産時期などを含む生産計画を作成する。
保管エリア4には、通信ネットワーク6に接続されている複数(ここでは2台)の部品収容体保管庫7が設置されている。部品収容体保管庫7は、基板に実装される部品を格納したキャリヤテープTPを巻回した状態で保持するするリール13(図2(a)参照)、部品Dを格子状に収納するトレイ14(図2(b)参照)などの部品収容体が複数保管されている。部品収容体保管庫7には、部品Dの製造業者から納入された新しい状態のリール13やトレイ14の他、部品実装ライン5で一部の部品Dが実装基板の生産に使用されたリール13やトレイ14などが保管される。
図1において、部品実装ライン5は、ライン管理装置8、印刷機M1、実装機M2,M3を備えており、各装置は通信ネットワーク6を介して管理コンピュータ2に接続されている。印刷機M1は、印刷作業部によって上流側から搬入された基板にマスクを介してクリーム半田を印刷するはんだ印刷作業を実行する。実装機M2,M3には、リール13が収納するキャリヤテープTPから部品Dを供給するテープフィーダ、トレイ14が収納する部品Dを供給するトレイフィーダなどの部品供給装置が装着されている。
実装機M2,M3は、部品実装作業部によって部品供給装置が供給する部品Dを吸着ノズルで取り出して、印刷機M1によってクリーム半田が印刷された基板に部品Dを実装する部品実装作業を実行して実装基板を生産する。このように、実装機M2,M3に装着された部品供給装置は、リール13、トレイ14などの部品収容体が収容する部品Dを実装機M2,M3に供給する。ライン管理装置8は、部品実装ライン5の各装置間の作業を管理する他、印刷機M1のクリーム半田など部材の残量、実装機M2,M3の部品供給装置が供給している部品Dの部品残数などの情報を収集する。
なお、部品実装ライン5が備える実装機M2,M3は2台である必要はなく、1台でも3台以上であってもよい。また、部品実装システム1が備える部品実装ライン5は、一つである必要はなく、部品実装システム1が複数の部品実装ライン5を備える構成でもよい。部品実装システム1が複数の部品実装ライン5を備えている場合、部品実装ライン5毎にライン管理装置8を配置しても、複数の部品実装ライン5に共通の1台のライン管理装置8を配置してもよい。すなわち、ライン管理装置8が収集する情報が、各部品実装ライン5の各装置を特定する情報に紐付けられて記憶されればよい。
図1において、保管エリア4、部品実装ライン5などで各種作業を行う作業者は、携帯端末9を携帯している。携帯端末9は、管理コンピュータ2と無線で通信して情報の授受を行う端末側通信部10、表示機能と入力機能を有するタッチパネル11、コードリーダ12を備えている。携帯端末9は、管理コンピュータ2から受信した各種情報を表示処理してタッチパネル11に表示する。コードリーダ12は、リール13、トレイ14に貼付されたバーコードや2次元コードなどの識別コードC(図2(a)、図2(b)参照)をスキャンして、識別コードCに記録された各種情報を認識する。携帯端末9は、タッチパネル11から入力された各種情報の他、コードリーダ12によって認識された各種情報を管理コンピュータ2に送信する。
次に図3を参照して、部品収容体保管庫7の構成について説明する。部品収容体保管庫7は、基板に部品Dを実装する実装機M2,M3に装着された部品供給装置から供給される部品Dを収容する部品収容体(リール13、トレイ14)を複数保管する。以下、リール13を保管する部品収容体保管庫7を例に説明する。部品収容体保管庫7の前面には、出入庫処理部15の出入口15a、表示機能と入力機能を有するタッチパネル16が配設されている。タッチパネル16には、部品収容体保管庫7が保管する部品Dの情報などが表示される他、作業者によって部品収容体保管庫7に対する指示が入力される。
リール13(部品収容体)は、出入口15aより部品収容体保管庫7に出入庫される。出入庫処理部15は、リール13に貼着された識別コードCをスキャンして識別コードCに記録された各種情報を認識するコードリーダ15bを備えている。コードリーダ15bは、リール13が入庫される際、又は出庫される際に、識別コードCに記録された各種情報を認識する。
図3において、部品収容体保管庫7は、内部に複数の保管棚17、統合処理手段18、分割処理手段19、空部品収容体保管棚20、移送手段21を備えている。各保管棚17には、リール13が保管される。統合処理手段18は、複数のリール13(部品収容体)が収容する複数の部品Dをひとつのリール13(部品収容体)に統合する機能を有する。より具体的には、統合処理手段18は、後述する複数のリール13がそれぞれ保持するキャリヤテープTPを継ぎ合わせるスプライシング処理を実行するスプライシング装置22(スプライシング手段)(図4、図5参照)である。なお、部品収容体がトレイ14の場合の統合処理手段18は、一のトレイ14に収納される部品Dを他のトレイ14に移載して統合する部品移載手段である。
分割処理手段19は、ひとつのリール13(部品収容体)が収容する複数の部品Dを複数のリール13(部品収容体)に分割する機能を有する。より具体的には、分割処理手段19は、後述する一のリール13が保持するキャリヤテープTPを切断して一のリール13と他のリール13に保持させるテープ分割装置26(テープ分割手段)(図6、図7参照)である。また、部品収容体がトレイ14の場合、分割処理手段19は、一のトレイ14に収納される部品Dを他のトレイ14に移載して分割する部品移載手段である。
図3において、空部品収容体保管棚20は、部品Dが収容されていない空のリール13が保管されている。統合処理の際に空となったリール13は、空部品収容体保管棚20に移送される。また分割処理の際は、空部品収容体保管棚20より移送された空のリール13が、分割されたキャリヤテープTPを保持するリール13として使用される。
移送手段21は、リール13を保持する移送ヘッド21a、移動ヘッド移動機構(図示省略)を備えている。移動ヘッド移動機構は、移送ヘッド21aを水平面内で直交するX方向とY方向、および水平面に直交するZ方向に移動させ、また移送ヘッド21aをZ軸周りにθ回転させる。移送手段21は、移動ヘッド移動機構により移送ヘッド21aを移動させることにより、リール13を出入口15a(出入庫処理部15)、所定の保管棚17、統合処理手段18、分割処理手段19、空部品収容体保管棚20の間で移送する。
次に図4、図5を参照して、スプライシング装置22(スプライシング手段)の構成と機能について説明する。図4において、スプライシング装置22には、前側の親のキャリヤテープTP1を保持する親のリール13(1)と、後側の子のキャリヤテープTP2を保持する子のリール13(2)が取り付けられている。スプライシング処理の際には、親のリール13(1)から引き出された前側のキャリヤテープTP1の後端と、子のリール13(2)から引き出された後側のキャリヤテープTP1の先端が、自動スプライシング部23に、それぞれ挿入される(矢印a、矢印b)。
なお、前側のキャリヤテープTP1の後端を親のリール13(1)から引き出すため、あらかじめ空のリール13に前側のキャリヤテープTP1を先端から巻き取る前処理が行われている。前処理によって前側のキャリヤテープTP1を空のリール13に巻き取ると、巻き取った空のリール13が親のリール13(1)となる。これによって、前側のキャリヤテープTP1の後端を、親のリール13(1)から引き出す準備が整う。
ここで図5(a)を参照して、キャリヤテープTPの構造について説明する。キャリヤテープTPは、部品Dを収納する部品ポケット24aとテープフィーダのスプロケットの送りピンが嵌入するテープ送り穴24bとを備えたテープ本体24と、部品ポケット24aに貼り付けられた透明のトップテープ25で構成される。部品ポケット24aとテープ送り穴24bは、テープ本体24に周期的に形成されている。テープフィーダによりキャリヤテープTPが収納する部品Dが供給される際には、トップテープ25が剥離されて部品Dが露出される。
図5(a)において、自動スプライシング部23の側面には、前側のキャリヤテープTP1の後端が挿入(矢印a)される前側テープ挿入口23aと、後側のキャリヤテープTP2の先端が挿入(矢印b)される後側テープ挿入口23bが設けられている。前側のキャリヤテープTP1と後側のキャリヤテープTP2が挿入されると、自動スプライシング部23は、前後のキャリヤテープTP1,TP2を内部に引き込み、テープ送り穴24bの周期を合わせる処理をして両者を突き合わせる。次いで自動スプライシング部23は、前後のキャリヤテープTP1,TP2を継ぎ合わせるスプライシングテープTSを貼り付ける(図5(b)参照)。
スプライシングテープTSを貼り付けた後、スプライシング装置22は、前側のキャリヤテープTP1を子のリール13(2)に巻き取る。これによって、前側のキャリヤテープTP1は後側のキャリヤテープTP2に統合(スプライシング処理)されて、子のリール13(2)に一緒に保持される。
次に図6、図7を参照して、テープ分割装置26(テープ分割手段)の構成と機能について説明する。図6において、テープ分割装置26には、分割対象のキャリヤテープTP3を保持している子のリール13(4)と、分割後にキャリヤテープTP3の前側を保持する親のリール13(3)が取り付けられている。図7(a)に示すように、分割対象のキャリヤテープTP3の先端は、自動分割部27の後側テープ挿入口27bから挿入され、前側テープ挿入口27aから引き出された後、キャリヤテープTP3の前側が空の親のリール13(3)に巻き取られる。
親のリール13(3)に所定の収容部品数の部品Dが収容されるようにキャリヤテープTP3の前側を巻き取った後、自動分割部27はキャリヤテープTP3を切断する(図7(b)参照)。図6において、切断後の前側のキャリヤテープTP3aは親のリール13(3)に巻き取られ(矢印c)、後側のキャリヤテープTP3bは子のリール13(4)に巻き取られる(矢印d)。これによって、分割対象のキャリヤテープTP3の前側(キャリヤテープTP3a)が親のリール13(3)に、後側(キャリヤテープTP3b)が子のリール13(3)に分割されて収容される。
なお、前側のキャリヤテープTP3aの先端を親のリール13(3)から引き出すため、空のリール13に前側のキャリヤテープTP3aを後端から巻き取る後処理が行われている。後処理によって前側のキャリヤテープTP3aを空のリール13に巻き取ると、巻き取った空のリール13が親のリール13(3)となる。これによって、前側のキャリヤテープTP1の先端を、親のリール13(3)から引き出す準備が整う。
次に図8を参照して、部品実装システム1の制御系の構成について説明する。生産計画装置3は、生産制御部31、生産記憶部32、通信部33を備えている。通信部33は通信インターフェースであり、通信ネットワーク6を介して管理コンピュータ2との間で信号、情報の授受を行う。生産制御部31はCPU機能を備える演算装置であり、生産計画作成部31aなどの内部処理部を有している。生産記憶部32は記憶装置であり、生産計画情報Ipaなどを記憶する。
生産計画作成部31aは、生産記憶部32が記憶する各種情報、通信ネットワーク6に接続されるデータベース(図示省略)から取得した各種情報に基づいて、実装機M2,M3で生産される実装基板に実装される部品Dの部品種と実装基板の生産枚数を含む生産計画情報Ipaを生成して生産記憶部32に記憶する。なお、部品Dの部品種とは、少なくとも部品Dの種別が特定できる情報である。
図8において、ライン管理装置8は、ライン制御部41、ライン記憶部42、通信部43を備えている。通信部43は通信インターフェースであり、通信ネットワーク6を介して管理コンピュータ2との間で信号、情報の授受を行う。ライン制御部41はCPU機能を備える演算装置であり、ライン情報収集部41aなどの内部処理部を有している。ライン記憶部42は記憶装置であり、ライン構成情報Ila、実装機部品情報Imaなどを記憶する。ライン構成情報Ilaには、部品実装ライン5が備える印刷機M1、実装機M2,M3を特定する情報、実装機M2,M3が備える部品供給装置を特定する情報と機種などが含まれる。
ライン情報収集部41aは、部品実装ライン5が備える実装機M2,M3に装着された部品供給装置が供給している部品Dの部品種と部品残数などの情報を収集して実装機部品情報Imaとしてライン記憶部42に記憶する。すなわち、実装機部品情報Imaには、実装機M2,M3に装着された部品供給装置(テープフィーダ、トレイフィーダ)から供給される部品Dを収容する部品収容体(リール13、トレイ14)に収容されている部品Dの部品種と部品残数が含まれる。実装機部品情報Imaは、ライン情報収集部41aによって逐次更新される。
ここで図10を参照して、2列の部品実装ライン5(L(1)、L(2))がそれぞれ備える実装機M2,M3(M(2)、M(3))に装着されたテープフィーダ(S(1)、S(2)、・・・)から供給される部品Dを収容するリール13(部品収容体)の実装機部品情報Ima(Imb)の一例について説明する。この例では、実装機部品情報Imaとして、「リールID」欄81にリール13を特定するリールID、「部品種」欄82に部品Dの部品種、「部品残数」欄83にリール13に収納されている部品Dの部品残数、「使用位置」欄84にテープフィーダ(部品供給装置)の装着されている位置(以下、「部品使用位置」と称す。)を特定する情報が含まれている。ここでは、実装機部品情報Imaは、部品残数が少ない順番に並び替えて表示されている。
図8において、管理コンピュータ2は、管理制御部51、管理記憶部52、入力部53、表示部54、通信部55、無線通信部56を備えている。入力部53は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部54は液晶パネルなどの表示装置であり、入力部53による操作のための操作画面などの各種画面の他、各種情報を表示する。通信部55は通信インターフェースであり、通信ネットワーク6を介して生産計画装置3、部品収容体保管庫7、ライン管理装置8との間で信号、情報の授受を行う。無線通信部56は、携帯端末9と無線で通信して情報の授受を行う。
管理制御部51はCPU機能を備える演算装置であり、情報取得部51a、準備部品抽出部51b、保管指示部51c、準備指示部51dなどの内部処理部を有している。管理記憶部52は記憶装置であり、生産計画情報Ipb、ライン構成情報Ilb、実装機部品情報Imb、保管部品情報Isb、準備部品情報Ie、保管指示情報Psa、準備指示情報Peaなどを記憶する。情報取得部51aは、生産計画装置3から生産計画情報Ipaを、ライン管理装置8からライン構成情報Ilaと実装機部品情報Imaを、部品収容体保管庫7から保管部品情報Isaを取得して、生産計画情報Ipb、ライン構成情報Ilb、実装機部品情報Imb、保管部品情報Isbとして管理記憶部52にそれぞれ記憶させる。
ライン構成情報Ilbには、部品実装ライン5が備える印刷機M1、実装機M2,M3を特定する情報、実装機M2,M3が備える部品供給装置を特定する情報と機種などが含まれる。すなわち、管理記憶部52は、部品収容体(リール13、トレイ14)に収容されている部品Dを実装機M2,M3に供給する部品供給装置の機種を記憶している。実装機部品情報Imbには、部品実装ライン5が備える実装機M2,M3に装着された部品供給装置が供給している部品Dの部品種と部品残数などが含まれる(図10参照)。
保管部品情報Isbには、部品収容体保管庫7に保管されている部品収容体(リール13、トレイ14)に収容されている部品Dの部品種と収容部品数が含まれている。すなわち、管理記憶部52は、複数の部品収容体を保管する部品収容体保管庫7に保管されている部品収容体に収容されている部品Dの部品種と収容部品数を記憶する。
なお、保管部品情報Isbには、部品供給元(ベンダー)情報を含んでいてもよい。同一の部品種であっても部品供給元が異なることで部品形状や部品特性に差があり、統合処理ができない場合がある。そのため、部品供給元情報をさらに含むことで、部品供給元情報に基づいて、同一の部品種の部品Dにおける統合処理の可否を設定することができる。また、部品収容体保管庫7が複数存在する場合、保管部品情報Isbは、保管している部品収容体保管庫7の情報、言い換えれば保管位置情報を含んでいてもよい。
ここで図11を参照して、リール13を保管する部品収容体保管庫7の保管部品情報Isb(Isa)の一例について説明する。この例では、保管部品情報Isbとして、「リールID」欄91にリールID、「部品種」欄92に部品Dの部品種、「収容部品数」欄93にリール13に収納されている部品Dの収容部品数、「入庫日」欄94にリール13の入庫日、「統合リール」欄95に統合処理された親のリール13のリールID、「分割リール」欄96に分割処理された子のリール13のリールID、「関係」欄97に統合処理または分割処理の親子関係が含まれている。
「入庫日」欄94の入庫日は、そのリール13が部品収容体保管庫7に保管された入庫日の他に、そのリール13が収容する部品Dが保管エリア4に搬入された(入荷した)入庫日であってもよい。また、使用期限のある部品Dの場合、保管部品情報Isbとして使用期限を含むようにしてもよい。
統合処理がされると、親のリール13(C2)の部品Dは子のリール13(C3)に統合される。そのため、子のリール13(C3)に収容されている実際の収容部品数は、リールIDがC3の子のリール13の収容部品数(1500個)に、リールIDがC2の親のリール13の収容部品数(500個)を加算した収容部品数(2000個)となる。また、親のリール13(C2)に収容されている実際の収容部品数はゼロであり、部品Dは収容されていない。
分割処理がされると、子のリール13(D2)が収納していた部品Dの一部が親のリール13(D1)に分割される。そのため、親のリール13(D1)に収容されている実際の収容部品数は、リールIDがD1の収容部品数(1000個)となる。また、子のリール13(D2)に収容されている実際の収容部品数は、リールIDがD2の子のリール13の収容部品数(2000個)から、リールIDがD1の親のリール13の収容部品数(1000個)を減算した収容部品数(1000個)となる。
図8において、準備部品抽出部51bは、実装機M2,M3に供給するために準備する部品Dの部品種と準備部品数を抽出し、準備部品情報Ieとして管理記憶部52に記憶する。準備部品抽出部51bは、新しい基板種の実装基板の場合、生産計画情報Ipbに含まれる実装基板に実装される部品Dの部品種と実装基板の生産枚数に基づいて、準備部品情報Ieを抽出する。
また、準備部品抽出部51bは、現在生産中の実装基板の補給部品の場合、生産計画情報Ipbの他、実装機部品情報Imbに含まれる実装機M2,M3に装着された部品供給装置(テープフィーダ、トレイフィーダ)から供給される部品Dを収容する部品収容体(リール13、トレイ14)に収容されている部品Dの部品種と部品残数に基づいて、準備部品情報Ieを抽出する。すなわち、準備部品抽出部51bは、生産計画情報Ipbと実装機部品情報Imbの少なくともいずれかから、準備される部品Dの部品種と準備部品数を抽出する。
ここで図12を参照して、準備部品情報Ieの一例について説明する。この例では、準備部品情報Ieとして、「部品種」欄101に準備される部品Dの部品種、「準備部品数」欄102に準備される部品Dの準備部品数、「使用位置」欄103に準備される部品Dの部品使用位置、「準備予想日時」欄104に部品Dが必要となる予想日時が含まれている。この例では、部品種が「AAAA」と「BBBB」の部品Dは、現在生産中の実装基板の補給部品であり、部品種が「EEEE」と「FFFF」の部品Dは、次に生産される基板種の実装基板で使用される部品Dである。
図8において、保管指示部51cは、準備部品情報Ieに含まれる準備される部品Dの部品種と準備部品数、保管部品情報Isbに含まれる保管されている部品Dの部品種と収容部品数、およびこれから保管される部品収容体(リール13、トレイ14)に収容されている部品Dの部品種と収容部品数に基づいて、これから保管される部品収容体の収容部品数が準備部品数を満たすように部品収容体保管庫7に保管する部品収容体の保管指示を作成し、保管指示情報Psaとして管理記憶部52に記憶させる。また、保管指示部51cは、作成した保管指示情報Psa(保管指示)を部品収容体保管庫7および携帯端末9に送信させる。
ここで図13を参照して、保管指示情報Psa(Psb、Psc)の一例について説明する。この例では、保管指示情報Psaとして、「リールID」欄111にリールID、「部品種」欄112に部品Dの部品種、「収容部品数」欄113に保管されている又はこれから保管されるリール13に収納されている部品Dの収容部品数、「統合リール」欄114に統合処理される親のリール13のリールID、「分割リール」欄115に分割処理される子のリール13のリールID、「関係」欄116に統合処理または分割処理の親子関係、「使用位置」欄117に準備される部品Dの部品使用位置、「準備予想日時」欄118に部品Dが必要となる予想日時が含まれている。
このように、管理記憶部52には、部品Dを収容するリール13(部品収容体)を複数保管する部品収容体保管庫7に保管されているリール13、およびこれから保管されるリール13に収容されている部品Dの部品種と収容部品数が記憶されている。なお、統合処理は2つのリール13(親、子)の統合に限定されることはなく、3以上のリール13(親、子、孫、ひ孫、・・・)を統合するようにしてもよい。また、分割処理はひとつのリール13を3以上のリール13に分割するようにしてもよい。その場合、「統合リール」欄114、「分割リール」欄115、「関係」欄116には、孫(ひ孫、・・・)に対応する情報が記憶される。
図13において、この例では、これから部品収容体保管庫7に保管されるリールIDがE4とF1のリール13に対する保管指示が含まれている。リールIDがE4のリール13(E4)は収容部品数が1500個であり、準備部品情報Ie(図12参照)に含まれる部品種が「EEEE」の準備部品数の2000個を満たしていない。そこで、保管指示部51cは、リール13(E4)(部品収容体)と部品収容体保管庫7に保管されているリール13又はこれから保管されるリール13(他の部品収容体)の統合処理を実行するように指示する。
保管部品情報Isb(図11参照)に示すように、部品収容体保管庫7には、収容部品数が1800個のリール13(E1)、1000個のリール13(E2)、900個のリール13(E3)が保管されている。このうち、リール13(E4)をリール13(E1)と統合処理させると、収容部品数は3300個となり、収容限界数(3000個)を超過するため、統合処理するリール13としてリール13(E1)は選択されない。部品収容体保管庫7にリール13(E1)の他に部品種が「EEEE」のリール13が保管されていない場合は、保管指示部51cは、リール13(E4)を統合処理することなくそのままの応対で保管するように指示する。
すなわち、保管指示部51cは、これから保管されるリール13(E4)(部品収容体)の収容部品数(1500個)とリール13(E1)(他の部品収容体)の収容部品数(1800個)の合計(3300個)が収容限界数(3000個)を超過する場合、リール13(E4)(当該部品収容体)をそのままの状態で保管するように指示する。
リール13(E4)をリール13(E2)又はリール13(E3)と統合処理させると、収容部品数はそれぞれ2500個、2400個となり、収容限界数(3000個)を超過することなく準備部品数(2000個)を満たす。この場合、入庫日が「2016/12/22」のリール13(E3)より古い「2016/12/11」であるリール13(E2)が優先して選択される。すなわち、保管指示部51cは、入庫日(入庫日時)が古いリール13(E2)(部品収容体)を優先してこれから保管されるリール13(E4)(部品収容体)と統合するように指示する(図13参照)。
なお、吸湿性部品など使用期限が設定されている部品Dの場合、保管指示部51cは、使用期限までの期間が短い部品Dを収容するリール13(部品収容体)を優先してこれから保管される部品収容体と統合するように指示するようにしてもよい。また、保管指示部51cは、収容部品数が少ないリール13を優先して統合するように指示するようにしてもよい。その場合、保管指示部51cは、これから保管されるリール13(E4)は、収容部品数が1000個のリール13(E2)より少ない900個のリール13(E3)と統合するように指示する。また、保管指示部51cは、統合後の収容部品数が準備部品数を満たす組合せの内、統合後の収容部品数が少ないリール13を選択するようにしてもよい。
図13において、リールIDがF1のリール13(F1)は収容部品数が2500個であり、準備部品情報Ie(図12参照)に含まれる部品種が「FFFF」の準備部品数の1000個を超す部品Dが収容されている。そこで、保管指示部51cは、これから保管される部品収容体(リール13(F1))が収容する部品Dを複数の部品収容体(子のリール13(F1)と親のリール13(F2))に分割する分割処理を実行するように指示する。
図8において、準備指示部51dは、準備部品情報Ieに含まれる準備される部品Dの部品種と準備部品数と、保管部品情報Isbに含まれる保管されている部品Dの部品種と収容部品数に基づいて、部品収容体保管庫7より取り出す(出庫させる)部品収容体(リール13、トレイ14)の準備指示を作成し、準備指示情報Peaとして管理記憶部52に記憶させる。また、準備指示部51dは、作成した準備指示を部品収容体保管庫7および携帯端末9に送信させる。
ここで図14を参照して、準備指示情報Pea(Peb、Pec)の一例について説明する。この例では、準備指示情報Peaとして、「リールID」欄121にリールID、「部品種」欄122に部品Dの部品種、「収容部品数」欄123にリール13に収納されている部品Dの収容部品数、「統合リール」欄124に統合処理される親のリール13のリールID、「分割リール」欄125に分割処理される子のリール13のリールID、「関係」欄126に統合処理または分割処理の親子関係、「使用位置」欄127に準備される部品Dの部品使用位置、「準備予想日時」欄128に部品Dが必要となる予想日時が含まれている。
図14において、この例では、これから部品収容体保管庫7から出庫されるリールIDがA4(A5)とB3(B1)のリール13に対する準備指示が含まれている。準備部品情報Ie(図12参照)に含まれる部品種が「AAAA」の部品Dの準備部品数は1800個である。一方、保管部品情報Isb(図11参照)に含まれる部品収容体保管庫7に保管されている部品種が「AAAA」の部品Dを収容するリールIDがA3、A4、A5、A6のリール13は、収容部品数が1600個、1500個、400個、500個であり、ひとつのリール13では準備部品数の1800個を満たすものがない。
そこで、準備指示部51dは、部品収容体保管庫7に対して、収容部品数が準備部品数を満たすリール13(部品収容体)を準備するように指示する。より具体的には、準備指示部51dは、ひとつのリール13では準備部品数を満たすことができない場合に、複数のリール13を準備するように指示する。そして、準備指示部51dは、複数のリール13が収容する複数の部品Dをひとつのリール13に統合する統合処理を実行する機能を有する部品収容体保管庫7に対して、収容部品数の合計が準備部品数を満たす複数のリール13の統合処理を実行するように指示する。
図11において、リール13(A3)とリール13(A4)を統合すると収容部品数の合計が3100個となり収容限界数(3000個)を超過するため、準備指示部51dは、この組合せを選択しない。準備指示部51dは、収容部品数が少ないリール13(部品収容体)を優先して複数の部品収容体を準備するように指示する。この場合、準備指示部51dは、部品収容数が400個と少ないリール13(A5)と部品収容数が1500個のリール13(A4)を統合処理するように指示する(図14参照)。
なお、準備指示部51dは、部品収容体保管庫7に保管されている複数のリール13(部品収容体)のうち入庫日(入庫日時)が古いリール13を優先して準備するように指示するようにしてもよい。この場合、準備指示部51dは、入庫日が「2016/10/24」の古いリール13(A6)と入庫日が「2016/12/18」のリール13(A4)を統合処理するように指示する。なお、吸湿性部品など使用期限が設定されている部品Dの場合、準備指示部51dは、部品収容体保管庫7に保管されている複数のリール13(部品収容体)のうち使用期限までの期間が短い部品Dを収容するリール13を優先して準備するように指示するようにしてもよい。
図11において、リールIDがB1のリール13(B1)は収容部品数が2500個、リールIDがB2のリール13(B2)は収容部品数が3000個であり、ともに準備部品情報Ie(図12参照)に含まれる部品種が「BBBB」の準備部品数の500個を超す部品Dが収容されている。そこで、準備指示部51dは、準備部品数を超す部品Dが収容されているリール13(部品収容体)が複数(リール13(B1)とリール13(B2))ある場合に、収容部品数が少ないリール13(B1)(部品収容体)を優先して分割処理を実行するように指示する。
すなわち、準備指示部51dは、リール13(B1)が収容する部品Dを収容部品数が500個の親のリール13(B3)と収容部品数が2000個の子のリール13(B1)に分割する分割処理を実行するように指示する(図14参照)。
このように、準備指示部51dは、ひとつのリール13(B1)(部品収容体)に準備部品数(500個)を超す部品Dが収容されている場合に、ひとつのリール13(B1)が収容する複数の部品Dを複数(親のリール13(B3)と子のリール13(B1))のリール13に分割する分割処理を実行する機能を有する部品収容体保管庫7に対して、少なくともひとつのリール13(B3)は収容部品数が準備部品数を満たすようにリール13(B1)(当該部品収容体)の分割処理を実行するように指示する。
また、準備指示部51dは、準備部品数を超す部品Dが収容されているリール13(部品収容体)が複数ある場合に、複数のリール13のうち入庫日(入庫日時)が古いリール13を優先して分割処理するように指示するようにしてもよい。この場合、準備指示部51dは、入庫日が「2017/01/09」のリール13(B1)より入庫日が「2016/11/19」と古いリール13(B2)を優先して分割処理するように指示する。
なお、保管指示部51cと準備指示部51dは、ライン構成情報Ilbに含まれる実装機M2,M3に装着されている、又はこれから装着される予定のテープフィーダ(部品供給装置)の機種に基づいて、これから保管される、又はこれから出庫の準備がされるリール13(部品収容体)が部品Dを供給する部品供給装置の機種がスプライシング処理されたキャリヤテープTPを受け付けない場合に、当該リール13(部品収容体)をそのままの状態で保管、又は出庫するように指示する。なお、リール13(部品収容体)の保管部品情報Isa(Isb)や識別コードCに統合禁止(スプライシング処理を禁止)を設定するようにしてもよい。
また、リール13(部品収容体)の収容限界数は、収容される部品Dの部品種(サイズ)とリール13の大きさに依存し、3000個に限定されることはない。統合後の収容部品数が収容限界数を超過する場合でも、統合後のキャリヤテープTPを大型のリール13に移し替えることで収容限界数の超過を回避することができる場合、保管指示部51cと準備指示部51dは、統合処理を指示する際に、大型のリール13への移し替えを合わせて指示するようにしてもよい。
図8において、部品収容体保管庫7は、保管庫制御部61、保管庫記憶部62、コードリーダ15b、タッチパネル16、統合処理手段18、分割処理手段19、移送手段21、通信部63を備えている。通信部63は通信インターフェースであり、通信ネットワーク6を介して管理コンピュータ2との間で信号、情報の授受を行う。保管庫制御部61はCPU機能を備える演算装置であり、指示取得部61a、保管部品特定部61b、移送制御部61cなどの内部処理部を有している。
保管庫記憶部62は記憶装置であり、保管部品情報Isa、保管指示情報Psb、準備指示情報Pebなどを記憶する。保管部品情報Isaには、部品収容体保管庫7に保管されている部品収容体(リール13、トレイ14)に収容されている部品Dの部品種と収容部品数が含まれている(図11参照)。すなわち、保管庫記憶部62は、保管している部品収容体に収容されている部品Dの部品種と収容部品数を記憶する。
図8において、指示取得部61aは、管理コンピュータ2から保管指示情報Psaと準備指示情報Peaを取得して、保管指示情報Psb(図13参照)と準備指示情報Peb(図14参照)として保管庫記憶部62に記憶させる。すなわち、指示取得部61aは、準備する部品Dの部品種と準備部品数を含む保管指示(保管指示情報Psa)を取得する保管指示取得部となる。また、指示取得部61aは、準備する部品の部品種と準備部品数を含む準備指示(準備指示情報Pea)を取得する準備指示取得部となる。
保管部品特定部61bは、コードリーダ15bによって認識された部品収容体(リール13、トレイ14)に貼付された識別コードCに記録された各種情報、保管指示情報Psbに基づいて、これから保管される部品収容体に収容されている部品Dの部品種と収容部品数を特定する。なお、保管部品特定部61bは、認識された部品収容体の各種情報が保管指示情報Psbに含まれていない場合は、管理コンピュータ2や通信ネットワーク6に接続されるデータベース(図示省略)から各種情報を取得する。
図8において、移送制御部61cは、保管指示情報Psbに含まれる保管指示、又は準備指示情報Pebに含まれる準備指示に基づいて、移送手段21を制御する制御部である。部品収容体(リール13、トレイ14)を入庫する場合、移送制御部61cは、保管指示に基づいて、これから保管される部品収容体の収容部品数が準備部品数を満たすように出入口15aから部品収容体を移送させるように移送手段21を制御する。より具体的には、部品収容体保管庫7が統合処理手段18を備えており、これから保管される部品収容体では準備部品数を満たすことができない場合は、移送制御部61cは、保管指示に基づいて、当該部品収容体を統合処理手段18まで移送させるように移送手段21を制御する。
また移送制御部61cは、部品収容体保管庫7が統合処理手段18を備えている場合であっても、これから保管される部品収容体の収容部品数と他の部品収容体の収容部品数の合計が収容限界数を超過する場合、統合処理の対象となる部品収容体に統合禁止が設定されている場合、又はこれから保管される部品収容体が部品Dを供給する部品供給装置の機種がスプライシング処理されたキャリヤテープTPを受け付けない場合は、保管指示に基づいて、当該部品収容体を統合処理手段18まで移送させないように移送手段21を制御する。
また移送制御部61cは、保管指示に基づいて、入庫日時が古い部品収容体を優先し、又は使用期限までの期間が短い部品Dを収容する部品収容体を優先し、これから保管される部品収容体と統合させるように統合処理手段18まで移送させるように移送手段21を制御する。また移送制御部61cは、部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えており、これから保管される部品収容体に準備部品数を超す部品Dが収容されている場合に、保管指示に基づいて、当該部品収容体を分割処理手段19まで移送させるように移送手段21を制御する。また移送制御部61cは、保管指示に基づいて、収容部品数が少ない部品収容体を優先して統合処理手段18または分割処理手段19まで移送させるように移送手段21を制御する。
図8において、部品収容体(リール13、トレイ14)を出庫する場合、移送制御部61cは、準備指示に基づいて、収容部品数が準備部品数を満たす部品収容体を出入口15aまで移送させるように移送手段21を制御する。より具体的には、移送制御部61cは、ひとつの部品収容体では準備部品数を満たすことができない場合に、準備指示に基づいて、複数の部品収容体を出入口15aまで移送させるように移送手段21を制御する。また移送制御部61cは、部品収容体保管庫7が統合処理手段18を備えている場合、準備指示に基づいて、収容部品数の合計が準備部品数を満たす複数の部品収容体を統合処理手段18まで移送させるように移送手段21を制御する。
また移送制御部61cは、部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えており、ひとつの部品収容体に準備部品数を超す部品Dが収容されている場合に、準備指示に基づいて、当該部品収容体を分割処理手段19まで移送させるように移送手段21を制御する。また移送制御部61cは、準備指示に基づいて、保管している複数の部品収容体のうち入庫日時が古い部品収容体を優先して、又は使用期限までの期間が短い部品Dを収容する部品収容体を優先して、統合処理手段18または分割処理手段19まで移送させるように移送手段21を制御する。また移送制御部61cは、準備指示に基づいて、収容部品数が少ない部品収容体を優先して統合処理手段18または分割処理手段19まで移送させるように移送手段21を制御する。
図8において、統合処理手段18は、保管指示または準備指示に基づいて、移送されてきた複数の部品収容体を統合する統合処理を実行する。分割処理手段19は、保管指示または準備指示に基づいて、移送されてきた部品収容体を分割する分割処理を実行する。
なお、部品収容体保管庫7は、管理コンピュータ2が備える準備部品抽出部51bを備えて、実装機M2,M3で生産される実装基板に実装される部品Dの部品種と実装基板の生産枚数を含む生産計画情報Ipa(Ipb)と、実装機M2,M3に備えられる部品供給装置から供給される部品Dを収容する部品収容体に収容されている部品Dの部品種と部品残数を含む実装機部品情報Ima(Imb)の少なくともいずれかから、準備される部品Dの部品種と準備部品数を抽出するようにしてもよい。その場合、移送制御部61cは、抽出された部品種と準備部品数に基づいて移送手段21を制御する。
次に図9を参照して、携帯端末9の制御系の構成について説明する。携帯端末9は、端末制御部71、端末記憶部72、端末側通信部10、タッチパネル11、コードリーダ12を備えている。端末側通信部10は、無線通信によって管理コンピュータ2との間で情報の授受を行う。端末制御部71はCPU機能を備える演算装置であり、指示取得部71a、表示処理部71bなどの内部処理部を有している。端末記憶部72は記憶装置であり、保管指示情報Psc、準備指示情報Pecなどを記憶する。指示取得部71aは、管理コンピュータ2から保管指示情報Psa(図13参照)と準備指示情報Pea(図14参照)を取得して、保管指示情報Pscと準備指示情報Pecとして端末記憶部72に記憶させる。
表示処理部71bは、保管指示情報Psc、準備指示情報Pec、コードリーダ12により認識された部品収容体(リール13、トレイ14)の各種情報に基づいて、作業者が部品収容体を部品収容体保管庫7に出入庫させるための画面表示を作成してタッチパネル11に表示させる。例えば、入庫処理の場合、表示処理部71bは、作業者が運搬して部品収容体保管庫7の出入口15aに挿入する部品収容体を特定する情報を作業順番に従って表示する。また、出庫処理の場合、表示処理部71bは、作業者が部品収容体保管庫7の出入口15aから取り出す部品収容体を特定する情報と、その部品収容体を使用する部品使用位置を作業順番に従って表示する。
次に図15〜17のフローに沿って、管理コンピュータ2(部品収容体管理装置)および部品収容体保管庫7による部品収容体の入庫方法(部品保管指示方法)について説明する。図15において、管理コンピュータ2は、情報取得部51aによって生産計画情報Ipa(Ipb)を取得し(ST1)、準備部品抽出部51bによって準備部品の部品種と準備部品数を抽出し(ST2:第1の準備部品抽出工程)、保管指示部51cによって保管指示(保管指示情報Psa)を作成し(ST3:保管指示工程)、所定の部品収容体保管庫7に送信する(ST4)。次いで部品収容体保管庫7は、指示取得部61aによって保管指示(保管指示情報Psa(Psb))を取得し(ST5)、入庫作業を実行する(ST6)。
次に図16を参照して、管理コンピュータ2(部品収容体管理装置)による保管指示の作成方法(ST3)について説明する。管理コンピュータ2は、これから保管する部品収容体が収容している収容部品数が準備部品数より少なく(ST11においてYes)、部品供給装置がスプライシング処理されたキャリヤテープTPに対応しており(ST12においてYes)、部品収容体保管庫7が統合処理手段18を備えている場合(ST13においてYes)、統合処理後の収容部品数が収容限界数以内か否かを判断する(ST14)。
そして、統合処理後の収容部品数が収容限界数以内の場合(ST14においてYes)、管理コンピュータ2は、統合処理するように保管指示を作成する(ST15)。部品供給装置がスプライシング処理されたキャリヤテープTPに未対応の場合(ST12においてNo)、又は部品収容体保管庫7が統合処理手段18を備えていない場合(ST13においてNo)、又は統合処理後の収容部品数が収容限界数を超える場合(ST14においてNo)、管理コンピュータ2は、そのままの状態で保管するように保管指示を作成する(ST16)。
図16において、管理コンピュータ2は、これから保管する部品収容体の収容部品数が準備部品数以上の場合(ST11においてNo)、部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えているか否かを判断する(ST17)。部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えている場合(ST17においてYes)、管理コンピュータ2は、分割処理するように保管指示を作成する(ST18)。部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えていない場合(ST17においてNo)、管理コンピュータ2は、そのままの状態で保管するように保管指示を作成する(ST16)。
なお、管理コンピュータ2は、準備部品抽出部51bが抽出できなかった部品Dは、そのままの状態で保管するように保管指示を作成するようにしても、短期間で使用されてないと判断して、部品収容体保管庫7以外の保管棚に保管するように保管指示を作成するようにしてもよい。部品収容体保管庫7以外の保管棚に保管するように指示することで、部品収容体保管庫7のスペースを確保することができる。
管理コンピュータ2は、これから保管する全ての部品収容体に対する保管指示の作成が終了するまで(ST19においてNoの間)、前述のST11〜ST18を繰り返して実行して保管指示を作成する(ST15、ST16、ST18)。
次に図17を参照して、部品収容体保管庫7における入庫作業方法(ST6)について説明する。部品収容体保管庫7は、保管指示が統合処理の場合(ST21においてYes)、部品収容体を出入口15aから統合処理手段18まで移送し(ST22)、統合処理を実行し(ST23)、統合処理後の部品収容体を保管棚17まで移送する(ST24)。保管指示が統合処理ではなく(ST21においてNo)、分割処理の場合(ST25においてYes)、部品収容体保管庫7は、部品収容体を出入口15aから分割処理手段19まで移送し(ST26)、分割処理を実行し(ST27)、分割処理後の部品収容体を保管棚17まで移送する(ST24)。
保管指示が統合処理でも分割処理でもない場合(ST25においてNo)、部品収容体保管庫7は、部品収容体をそのままの状態で出入口15aから保管棚17まで移送する(ST24)。部品収容体保管庫7は、全ての部品収容体を入庫するまで(ST28においてNoの間)、前述のST21〜ST27を繰り返して実行して部品収容体を保管棚17まで移送する(ST24)。
次に図18〜20のフローに沿って、管理コンピュータ2(部品収容体管理装置)および部品収容体保管庫7による部品収容体の出庫方法(部品準備指示方法)について説明する。図18において、管理コンピュータ2は、情報取得部51aによって生産計画情報Ipa(Ipb)、実装機部品情報Ima(Imb)を取得し(ST31)、準備部品抽出部51bによって準備部品の部品種と準備部品数を抽出し(ST32:第2の準備部品抽出工程)、準備指示部51dによって準備指示(準備指示情報Pea)を作成し(ST33:準備指示工程)、所定の部品収容体保管庫7に送信する(ST34)。次いで部品収容体保管庫7は、指示取得部61aによって準備指示(準備指示情報Pea(Peb))を取得し(ST35)、準備作業を実行し(ST36)、準備作業後の部品収容体を出入口15aに移送する(ST37)。
次に図19を参照して、管理コンピュータ2(部品収容体管理装置)による準備指示の作成方法(ST33)について説明する。管理コンピュータ2は、これから出庫させる部品収容体が収容している収容部品数が準備部品数より少なく(ST41においてYes)、部品供給装置がスプライシング処理されたキャリヤテープTPに対応しており(ST42においてYes)、部品収容体保管庫7が統合処理手段18を備えている場合(ST43においてYes)、統合処理後の収容部品数が収容限界数以内か否かを判断する(ST44)。
そして、統合処理後の収容部品数が収容限界数以内の場合(ST44においてYes)、管理コンピュータ2は、統合処理するように準備指示を作成する(ST45)。部品供給装置がスプライシング処理されたキャリヤテープTPに未対応の場合(ST42においてNo)、又は部品収容体保管庫7が統合処理手段18を備えていない(ST43においてNo)、又は統合処理後の収容部品数が収容限界数を超える場合(ST44においてNo)、管理コンピュータ2は、そのままの状態で出庫するように準備指示を作成する(ST46)。
図19において、管理コンピュータ2は、これから出庫させる部品収容体の収容部品数が準備部品数以上の場合(ST41においてNo)、部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えているか否かを判断する(ST47)。部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えている場合(ST47においてYes)、管理コンピュータ2は、分割処理するように準備指示を作成する(ST48)。部品収容体保管庫7が分割処理手段19を備えていない場合(ST47においてNo)、管理コンピュータ2は、そのままの状態で出庫するように準備指示を作成する(ST46)。
管理コンピュータ2は、これから出庫させる全ての部品収容体に対する準備指示の作成が終了するまで(ST49においてNoの間)、前述のST41〜ST48を繰り返して実行して準備指示を作成する(ST45、ST46、ST48)。
次に図20を参照して、部品収容体保管庫7における出庫前の準備作業方法(ST36)について説明する。部品収容体保管庫7は、準備指示が統合処理の場合(ST51においてYes)、部品収容体を保管棚17から統合処理手段18まで移送し(ST52)、統合処理を実行し(ST53)、統合処理後の部品収容体を出入口15aまで移送する(ST54)。準備指示が統合処理ではなく(ST51においてNo)、分割処理の場合(ST55においてYes)、部品収容体保管庫7は、部品収容体を保管棚17から分割処理手段19まで移送し(ST56)、分割処理を実行し(ST57)、分割処理後の部品収容体を出入口15aまで移送する(ST54)。
準備指示が統合処理でも分割処理でもない場合(ST55においてNo)、部品収容体保管庫7は、そのままの状態で部品収容体を保管棚17から出入口15aまで移送する(ST54)。部品収容体保管庫7は、全ての部品収容体の出庫前の準備が完了するまで(ST58においてNoの間)、前述のST51〜ST57を繰り返して実行して部品収容体を出入口15aまで移送する(ST54)。
上記説明したように、本実施の形態の管理コンピュータ2は、実装基板に実装される部品Dの部品種と実装基板の生産枚数を含む生産計画情報Ipbから準備される部品Dの部品種と準備部品数を抽出する準備部品抽出部51bと、部品収容体保管庫7に保管されている部品収容体(リール13、トレイ14)およびこれから保管される部品収容体に収容されている部品Dの部品種と収容部品数を記憶する管理記憶部52と、抽出された準備部品数と記憶されている収容部品数に基づいて、これから保管される部品収容体の収容部品数が準備部品数を満たすように部品収容体保管庫7に保管する部品収容体の保管指示を作成して送信させる保管指示部51cを備える部品収容体管理装置を構成する。
また、本実施の形態の部品収容体保管庫7は、準備する部品Dの部品種と準備部品数を含む保管指示(保管指示情報Psa(Psb))を取得する保管指示取得部(指示取得部61a)と、保管している部品収容体に収容されている部品Dの部品種と収容部品数を記憶する保管庫記憶部62と、部品収容体を出入庫させる出入口15aと、出入口15aから部品収容体を内部に移送する移送手段21と、保管指示に基づいて、これから保管される部品収容体の収容部品数が準備部品数を満たすように出入口15aから部品収容体を移送させるように移送手段21を制御する制御部(移送制御部61c)を備えている。
これによって、複数の部品Dを収容した部品収容体(リール13、トレイ14)を生産で使用するのに適切な形態で部品収容体保管庫7に入庫するように管理することができる。
以上、本発明の一実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述では、部品収容体管理装置(管理コンピュータ2)は部品収容体保管庫7に対して部品Dの保管指示をすることを例として説明したが、部品収容体保管庫7ではなく作業者が所持する携帯端末9に対して部品Dの保管指示をしてもよい。携帯端末9に対して部品Dの保管指示をした場合、携帯端末9のタッチパネル11に表示された保管指示に沿って作業者は部品Dを保管する。そのため、作業経験の浅い作業者であっても容易に作業することができ作業性が向上する。