JP2018163999A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体基板と真性の第1の非晶質系半導体層とのヘテロ接合界面を清浄に保つことにより、キャリア再結合が抑制された、発電効率の高い太陽電池を提供する。【解決手段】半導体基板の裏面上に配置され櫛形状に一定の厚さで残された真性の第1の非晶質系半導体層と、第1の非晶質系半導体層上に櫛形状に重なるように配置され、所定の導電型を示す第2の非晶質系半導体層と、第2の非晶質系半導体層と噛み合う櫛形状となり、一部が平面視において第2の非晶質系半導体層に重なる真性の第3の非晶質系半導体層と、第3の非晶質系半導体層上に配置され、第2の非晶質系半導体層と異なる導電型を示す第4の非晶質系半導体層と、第1の電極と、第2の電極と、を備えている。一定の厚さで櫛形状に真性の第1の非晶質系半導体層を残すことにより、半導体基板と真性の第1の非晶質系半導体層とのヘテロ接合界面を清浄に保つ。【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池およびその製造方法に関する。より詳しくは、裏面電極型ヘテロ接合太陽電池およびその製造方法に関する。
近年、裏面電極型でヘテロ接合構造を有する太陽電池が提案されている。例えば日本国特許公開2013−131586号には、n型単結晶シリコン基板の受光面とは反対の裏面に、シャドウマスクを被せてCVD法により第1の真性なアモルファスシリコン膜(i型非晶質シリコン膜)とp型非晶質シリコン膜とを順次積層し、次に別のシャドウマスクを被せて第2のi型非晶質シリコン膜とn型非晶質シリコン膜とを、第1のi型非晶質シリコン膜とp型非晶質シリコン膜の端部に一部重なるように順次積層して形成したヘテロ接合太陽電池(図4)が提案されている。
また、日本国特許公開2013−168605号には、n型単結晶シリコン基板の裏面全面に、プラズマCVD法により第1のi型非晶質シリコン膜とp型非晶質シリコン膜とを順次積層する第1工程と、これらの非晶質膜の一部を除去する第2工程と、基板の裏面全面に第2のi型非晶質シリコン膜とn型非晶質シリコン膜とを順次積層する第3工程と、第1のi型非晶質シリコン膜とp型非晶質シリコン膜とを除去した領域を含むn型非晶質シリコン膜上の所定の領域にマスク材を形成する第4工程と、第2のi型非晶質シリコン膜とn型非晶質シリコン膜とを、i型非晶質シリコン膜とp型非晶質シリコン膜とのエッチング速度に差があるエッチング液を用いてエッチングして除去する第5工程からなる太陽電池(図5)の製造方法が開示されている。
これらの第2のi型非晶質シリコン膜とn型非晶質シリコン膜とが第1のi型非晶質シリコン膜とp型非晶質シリコン膜との端部に一部重なるように積層して形成された裏面電極型ヘテロ接合構造太陽電池においては、n型単結晶シリコン基板の裏面全面にわたって第1のi型非晶質シリコン膜または第2のi型非晶質シリコン膜が配置されパッシベーションが施されている。
しかしながら、これらの裏面電極型ヘテロ接合太陽電池またはその製造方法では、n型単結晶シリコン基板の裏面側において、第1のi型非晶質シリコン膜とp型非晶質シリコン膜とを一旦形成したのち、これら非晶質シリコン膜を櫛形状に除去して単結晶シリコン基板表面の一部を再度露出させ、その露出部上に第2のi型非晶質シリコン膜とn型非晶質シリコン膜とを形成している。非晶質シリコン膜は単結晶シリコンに比べて加熱処理や化学処理に対して非常に変質しやすいため、非晶質シリコン膜形成前の単結晶シリコン基板の露出部表面の清浄化は、単結晶シリコン基板単体の清浄化に比べて十分に行うことが困難である。したがって、単結晶シリコン基板と第2のi型非晶質シリコン膜とからなるヘテロ接合界面の品質が低下し、界面におけるキャリア再結合の増大によって太陽電池の発電効率が十分に上げられないという問題があった。
太陽電池の本発明が以下で開示される。
当該太陽電池は、
受光面および裏面を有する一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の裏面上に配置され櫛形状に一定の厚さで掘り込まれた真性の第1の非晶質系半導体層と、
前記第1の非晶質系半導体層上に櫛形状に重なるように配置され、所定の導電型を示す第2の非晶質系半導体層と、
前記半導体基板の裏面に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と噛み合う櫛形状となり、一部が平面視において前記第2の非晶質系半導体層に重なる真性の第3の非晶質系半導体層と、
前記第3の非晶質系半導体層上に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と異なる導電型を示す第4の非晶質系半導体層と、
前記第2の非晶質系半導体層上に配置された第1の電極と、
前記第4の非晶質系半導体層上に配置された第2の電極と、
を備えている。
受光面および裏面を有する一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の裏面上に配置され櫛形状に一定の厚さで掘り込まれた真性の第1の非晶質系半導体層と、
前記第1の非晶質系半導体層上に櫛形状に重なるように配置され、所定の導電型を示す第2の非晶質系半導体層と、
前記半導体基板の裏面に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と噛み合う櫛形状となり、一部が平面視において前記第2の非晶質系半導体層に重なる真性の第3の非晶質系半導体層と、
前記第3の非晶質系半導体層上に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と異なる導電型を示す第4の非晶質系半導体層と、
前記第2の非晶質系半導体層上に配置された第1の電極と、
前記第4の非晶質系半導体層上に配置された第2の電極と、
を備えている。
太陽電池の製造方法の発明が以下で開示される。
当該太陽電池の製造方法は、
受光面および裏面を有する一導電型の半導体基板に、
前記半導体基板の裏面上に真性の第1の非晶質系半導体層を形成する第1の工程と、
前記第1の非晶質系半導体層上に所定の導電型を示す第2の非晶質系半導体層を形成する第2の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層および前記第1の非晶質系半導体層を一定の深さまで櫛形状に除去する第3の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層と噛み合う櫛形状となり、一部が平面視において前記第2の非晶質系半導体層に重なる真性の第3の非晶質系半導体層を形成する第4の工程と、
前記第3の非晶質系半導体層上に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と異なる導電型を示す第4の非晶質系半導体層を形成する第5の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層上に第1の電極を、前記第4の非晶質系半導体層上に第2の電極を、それぞれ形成する第6の工程と、
とを備え、
前記第3の工程において前記第1の非晶質系半導体層を前記半導体基板に達するまでには除去しないことを特徴とする。
受光面および裏面を有する一導電型の半導体基板に、
前記半導体基板の裏面上に真性の第1の非晶質系半導体層を形成する第1の工程と、
前記第1の非晶質系半導体層上に所定の導電型を示す第2の非晶質系半導体層を形成する第2の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層および前記第1の非晶質系半導体層を一定の深さまで櫛形状に除去する第3の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層と噛み合う櫛形状となり、一部が平面視において前記第2の非晶質系半導体層に重なる真性の第3の非晶質系半導体層を形成する第4の工程と、
前記第3の非晶質系半導体層上に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と異なる導電型を示す第4の非晶質系半導体層を形成する第5の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層上に第1の電極を、前記第4の非晶質系半導体層上に第2の電極を、それぞれ形成する第6の工程と、
とを備え、
前記第3の工程において前記第1の非晶質系半導体層を前記半導体基板に達するまでには除去しないことを特徴とする。
上記太陽電池の発明によれば、一定の厚さで残された真性の第1の非晶質系半導体層の上に真性の第3の非晶質系半導体層および前記半導体基板の導電型と同じ導電型を示す不純物を含む第4の非晶質系半導体層とが櫛形状に形成されるため、半導体基板と真性の第1の非晶質系半導体層とのヘテロ接合界面は清浄に保たれ、キャリア再結合が抑制されて、発電効率が向上する。
上記太陽電池の製造方法の発明によれば、発電効率の高い太陽電池を簡単に製造することができる。
本明細書中において、以下のように用語が規定される。結晶系半導体には単結晶半導体および多結晶半導体が含まれる。非晶質系半導体には非晶質半導体および微結晶半導体が含まれる。真性の非晶質系半導体とは、不純物が意図的にドープされていない非晶質系半導体である。真性の非晶質系半導体には、半導体原料に本来的に含まれる不純物または製造過程において自然に混入する不純物も含む非晶質系半導体も含まれる。平面視とは、特に断りのない限り、半導体基板の表面に垂直な方向で、裏面側から太陽電池を見た様子を意味する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による太陽電池の実施形態を示している。図2は、本発明の製造方法による太陽電池の実施形態の裏面の一部を示している。裏面の一部としたのは、櫛形状の一部が示されているからである。実際には櫛形状は、櫛歯の数がもっと多くてもよい。図1では、平面視を行う基板に垂直な方向Sを矢印で示している。図1では、光が進行する方向Pを白抜き矢印で示している。この太陽電池は、裏面電極型ヘテロ接合構造を有する太陽電池である。
当該太陽電池は、半導体基板10と、第1の非晶質系半導体層1と、第2の非晶質系半導体層2と、第1の電極11と、第3の非晶質系半導体層3と、第4の非晶質系半導体層4と、第2の電極12とを備えている。半導体基板10は、受光面10aおよび裏面10bを有する。半導体基板10は一導電型である。第1の非晶質系半導体層1は、半導体基板10の裏面10bの全面に配置されている。第1の非晶質系半導体層1は、真性の非晶質系半導体の層である。第2の非晶質系半導体層2は、第1の非晶質系半導体層1上に配置されている。第2の非晶質系半導体層2は、所定の導電型を示す。好ましくは、第2の非晶質系半導体層2は、半導体基板10の導電型と異なる導電型を示す。第2の非晶質系半導体層2は、不純物を含む非晶質系半導体の層である。第2の非晶質系半導体層2は、櫛形状を有する。また、第1の非晶質系半導体層1は、第2の非晶質系半導体層2と同じ櫛形状部分1aと、部分的に一定の厚さを残して掘り込まれている部分1bとを有する。第1の電極11は、第2の非晶質系半導体層2上に配置されている。第3の非晶質系半導体層3は、第1の非晶質系半導体層1上に配置されている。第3の非晶質系半導体層3は、真性の非晶質系半導体の層である。第3の非晶質系半導体層3は、第2の非晶質系半導体層2と噛み合う櫛形状となっている。第3の非晶質系半導体層3は、一部が平面視において第2の非晶質系半導体層2に重なっている。第4の非晶質系半導体層4は、第3の非晶質系半導体層3上に配置されている。第4の非晶質系半導体層4は、第2の非晶質系半導体層2と異なる導電型を示す。第4の非晶質系半導体層4は、不純物を含む非晶質系半導体の層である。第2の電極12は、第4の非晶質系半導体層4上に配置されている。
本実施形態では、第1の電極11上に第1の集電極5が配置されている。第2の電極12上に第2の集電極6が配置されている。第2の電極12は、第1の電極11と平面視において離間している。
半導体基板10において、受光面10aは、光を受ける面である。受光面10aは光入射面とも呼ばれる。受光面10aは主面と定義される。裏面10bは、受光面10aとは反対側の面である。
半導体基板10は、薄板状の半導体の基板である。半導体基板10は、p型またはn型の導電型を有する。一導電型とは、pまたはnのいずれか一方であることを意味する。半導体基板10はn型であることが好ましい。半導体基板10は、結晶シリコン、化合物半導体、その他板状に形成可能な半導体材料から形成される。結晶シリコンとしては、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコンが挙げられる。化合物半導体は、例えば、GaAs、InPが挙げられる。半導体基板10として、n型の単結晶シリコン基板が好ましく用いられる。
半導体基板10の厚みに特に制限はない。半導体基板10は、部材コストやハンドリングの観点から、その厚みが10〜200μmであることが好ましい。
半導体基板10は、効率向上の観点から、半導体基板10の片面もしくは両面にテクスチャ構造を有することが好ましい。テクスチャ構造は入射した光を十分に閉じ込めることができるため、効率の向上が見込める。テクスチャ構造は、例えば、微小凹凸構造であってよい。微小凹凸構造は周期性を有していてよい。もちろん、テクスチャ構造は必須ではない。
半導体の分類において、真性の半導体はi型に相当する。不純物を含む半導体はn型またはp型であってよい。
以下では、n型の半導体基板10を用いた例を中心に説明する。もちろん、p型の半導体基板10を用いてもよく、その場合、以下の説明においてn型とp型とを入れ替えれば、構造が理解され得る。
第1の非晶質系半導体層1は、i型の非晶質系半導体の層である。第2の非晶質系半導体層2は、p型の非晶質系半導体の層である。第2の非晶質系半導体層2は、平面視において櫛形状を有する。第1の非晶質系半導体層1は半導体基板10裏面10bの全面に配置されているが、第2の非晶質系半導体層2と同じ櫛形状部分1aと、部分的に一定の厚さを残して掘り込まれている部分1bとを有する。第1の電極11は、p型の電極である。第1の電極11は、裏面電極を構成する。第1の電極11は、平面視において櫛形状を有する。第1の電極11の櫛形状は、第2の非晶質系半導体層2の櫛形状よりも細い幅の櫛形状であってよい。すなわち、第1の電極11の櫛形状の櫛歯の幅は、第2の非晶質系半導体層2の櫛形状の櫛歯の幅よりも小さくてよい。
第3の非晶質系半導体層3は、i型の非晶質系半導体の層である。第3の非晶質系半導体層3は、平面視において櫛形状を有する。第4の非晶質系半導体層4は、n型の非晶質系半導体の層である。第4の非晶質系半導体層4は、平面視において櫛形状を有する。第3の非晶質系半導体層3の櫛形状と、第4の非晶質系半導体層4の櫛形状とは形状が一致していてよい。第2の電極12は、n型の電極である。第2の電極12は、裏面電極を構成する。第2の電極12は、平面視において櫛形状を有する。第2の電極12の櫛形状は、第4の非晶質系半導体層4の櫛形状よりも細い幅の櫛形状であってよい。すなわち、第2の電極12の櫛形状の櫛歯の幅は、第3の非晶質系半導体層3及び第4の非晶質系半導体層4の櫛形状の櫛歯の幅よりも小さくてよい。
図1の例では、第4の非晶質系半導体層4は、第3の非晶質系半導体層3上の一面全体に配置されている。第4の非晶質系半導体層4は、第3の非晶質系半導体層3を覆っているといえる。第3の非晶質系半導体層3は、第1の非晶質系半導体層1の掘り込まれた領域1b全体を覆い、さらに第2の非晶質系半導体層2の上に載り上がって配置されている。第3の非晶質系半導体層3と、第2の非晶質系半導体層2とは接している。第3の非晶質系半導体層3は、第2の非晶質系半導体層2の隣り合う櫛歯を架け渡すように配置されている。第4の非晶質系半導体層4は、第3の非晶質系半導体層3の形状に追随して、第2の非晶質系半導体層2の上に載り上がって配置されている。第4の非晶質系半導体層4は、第2の非晶質系半導体層2の隣り合う櫛歯を架け渡すように配置されている。第3の非晶質系半導体層3と、第4の非晶質系半導体層4とは、端部の位置が揃っている。
第4の非晶質系半導体層4は、平坦部4aを有する。平坦部4aは、第4の非晶質系半導体層4の、第2の非晶質系半導体層2に載り上がっていない平坦な部分である。平坦部4aは、半導体基板10の表面と平行に、第4の非晶質系半導体層4の表面が形成された部分であってよい。平坦部4aでは、第2の非晶質系半導体層2に載り上がるための第4の非晶質系半導体層4の変形がない。
第2の電極12は、平坦部4aに配置されることが好ましい。第2の電極12は、平坦部4aからはみ出さないように配置されることが好ましい。第2の電極12は、第4の非晶質系半導体層4が第2の非晶質系半導体層2に載り上がった部分に形成されていなくてよい。第2の電極12が平坦部4aに配置されることにより、電極間のリーク電流が減少する。
第1の電極11上には、第1の集電極5が配置されることが好ましい。それにより、電流が取り出しやすくなる。第1の集電極5は、第1の電極11上の一面全体に配置されることが好ましい。第1の集電極5は櫛形状を有していてよい。第1の電極11の櫛形状と第1の集電極5の櫛形状とは同じ形状であってよい。第1の集電極5は、第3の非晶質系半導体層3及び第4の非晶質系半導体層4に接していない。それにより、リーク電流の発生が抑制される。第1の集電極5は櫛形状を有していてよい。本実施形態では、第1の集電極5は、p型集電極として構成され得る。
第2の電極12上には、第2の集電極6が配置されることが好ましい。それにより、電流が取り出しやすくなる。第2の集電極6は、第2の電極12上の一面全体に配置されることが好ましい。第2の集電極6は櫛形状を有していてよい。第2の電極12の櫛形状と第2の集電極6の櫛形状とは同じ形状であってよい。本実施形態では、第2の集電極6は、n型集電極として構成され得る。
本実施形態では、p型である第2の非晶質系半導体層2上の第1の電極11及び第1の集電極5により、正極が構成される。n型である第4の非晶質系半導体層4上の第2の電極12及び第2の集電極6により、負極が構成される。
第1の非晶質系半導体層1の掘り込まれていない領域1aと第3の非晶質系半導体層3とは、互いに噛み合う櫛形状となっている。第2の非晶質系半導体層2と第4の非晶質系半導体層4とは、互いに噛み合う櫛形状となっている。第1の電極11と第2の電極12とは、互いに噛み合う櫛形状となっている。第1の集電極5と第2の集電極6とは互いに噛み合う櫛形状となっている。ここで、第2の非晶質系半導体層2と第1の電極11とを合わせたものをp型構造体と定義し、第4の非晶質系半導体層4と第2の電極12とを合わせたものをn型構造体と定義すると、p型構造体とn型構造体とは、互いに噛み合う櫛形状になっているといえる。櫛形状とは、直線状に伸びる複数の櫛歯と、複数の櫛歯と連結する基部を有する形状である。噛み合う櫛形状とは、二つの櫛形状において、一方の櫛形状の櫛歯の間に、他方の櫛形状の櫛歯が配置される形状である。この形状は、一方の櫛形状の櫛歯と、他方の櫛形状の櫛歯とが、交互に配置される形状であってよい。二つの櫛形状の基部は、互いに反対側に配置され得る。ただし、図1に示すように、第3の非晶質系半導体層3及び第4の非晶質系半導体層4の一部は、平面視したときに、第1の非晶質系半導体層1、第2の非晶質系半導体層2に重なっている。そのため、半導体基板の裏面10bが直接露出する部分がなく、キャリアの表面再結合が抑制されて効率が向上し得る。
図2により、櫛形状が理解される。図2では、第1の集電極5と第2の集電極6とが、互いに噛み合った櫛形状が図示されている。第1の集電極5の櫛形状は、基部5Bと、複数の櫛歯5Aとを備える。第2の集電極6の櫛形状は、基部6Bと、複数の櫛歯6Aとを備える。他の層の櫛形状もこの図から理解されるであろう。ただし、第2〜第4の非晶質系半導体層では、噛み合った櫛形状が一部重なる形状となる。p型非晶質系半導体及びそれに対応した電極と、n型非晶質系半導体及びそれに対応した電極とが、互いに噛み合った櫛形状になることで、受光によって発生するキャリアを効率よく外部に取り出すことができる。
第1の電極11の櫛歯の幅は、特に限定されるものではないが、例えば、100〜5000μmの範囲内であってよい。第2の電極12の櫛歯の幅は、特に限定されるものではないが、例えば、10〜1000μmの範囲内であってよい。
本実施形態では、第1の電極11と第2の電極12とは、平面視において離間している。すなわち、第1の電極11と第2の電極12とは、平面視において重なっていない。
各非晶質系半導体層(第1〜第4の非晶質系半導体層)は、シリコンを含む水素化非晶質系半導体により構成されていることが好ましい。これは、i型、p型及びn型のいずれにも共通する。非晶質系半導体としては、例えば、非晶質シリコン、非晶質シリコンカーバイド、非晶質シリコンゲルマニウムが挙げられる。もちろん、非晶質系半導体層は、これらの材料に限られず、他の非晶質系半導体により構成されていてもよい。また、非晶質系半導体層は、他の薄膜半導体により構成されていてもよい。第1の非晶質系半導体層1と第3の非晶質系半導体層3とが同じ材料で形成されると、これらの境界部分は曖昧になり得る。
p型の非晶質系半導体層の不純物としては、例えば、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)が挙げられる。この不純物は、第13族元素が好ましい。不純物として、B(ボロン)が好ましく用いられる。n型の非晶質系半導体層の不純物としては、例えば、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)が挙げられる。この不純物は、第15族元素が好ましい。不純物として、P(リン)が好ましく用いられる。
第1の電極11は、透明電極であってよい。第2の電極12は、透明電極であってよい。これらの電極は、例えば、透明金属酸化物によって形成され得る。第1の電極11及び第2の電極12は、例えば、ITO(酸化インジウム錫)、SnO2(酸化錫)、またはZnO(酸化亜鉛)から形成され得る。第1の電極11と第2の電極12とは、同じ材料で形成されてもよいし、違う材料で形成されてもよい。第1の集電極5及び第2の集電極6は、金属で構成されていてよい。第1の集電極5及び第2の集電極6は、例えば、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Au(金)から形成され得る。第1の集電極5及び第2の集電極6は、好ましくは、Agで構成される。第1の集電極5と第2の集電極6とは、同じ材料で形成されてもよいし、違う材料で形成されてもよい。なお、第4の非晶質系半導体層4とのオーミックコンタクトが形成可能で、かつ電極材料の拡散が影響しない場合には、第2の電極12は、金属で構成されていてもよい。その場合、第2の電極12が集電極の機能を兼ね備えて、第2の集電極6が省略されていてもよい。それにより、層構成がより簡単になる。
第1の非晶質系半導体層の掘り込まれていない部分1aの厚みおよび第2〜第4の非晶質系半導体層の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜50nmの範囲内であってよい。例えば、これらの非晶質系半導体層の厚みは、10nm程度である。また、第1の非晶質系半導体層1の掘り込まれた部分1bの厚みは、半導体基板10の保護層としての効果を保つべく1nm以上であることが望ましく、太陽電池の直列抵抗を低減するためには10nm以下であることが望ましい。第1の電極11及び第2の電極12の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10〜200nmの範囲内であってよい。例えば、これらの電極の厚みは、70nm程度である。第1の集電極5及び第2の集電極6の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、100〜1000nmの範囲内であってよい。例えば、これらの集電極の厚みは、200nm程度である。
図1に示すように、半導体基板10の受光面10a(主面)上に、真性の非晶質系半導体層7が配置されていることが好ましい。それにより、主面側表面でのキャリア再結合が抑制され、発電の効率が向上する。非晶質系半導体層7は、i型の非晶質系半導体の層であってよい。非晶質系半導体層7は、主面非晶質系半導体層と定義される。非晶質系半導体層7は、好ましくは、半導体基板10の主面全面に配置される。非晶質系半導体層7は、パッシベーション膜として機能する。非晶質系半導体層7は、シリコンを含む水素化非晶質系半導体により構成されていることが好ましい。非晶質系半導体としては、例えば、非晶質シリコン、非晶質シリコンカーバイド、非晶質酸化シリコン、非晶質窒化シリコンが挙げられる。非晶質系半導体層7の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜50nmの範囲内であってよい。例えば、非晶質系半導体層7の厚みは、10nm程度である。
非晶質系半導体層7上には、反射防止層8が配置されていることが好ましい。それにより、光の反射が抑制され、光が入射しやすくなる。非晶質系半導体層7は、入射光の吸収が少ない材料で形成されることが好ましい。反射防止層8は、例えば、窒化シリコンから形成され得る。反射防止層8の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、30〜2000nmの範囲内であってよい。例えば、反射防止層8の厚みは、70nm程度である。
なお、非晶質系半導体層7及び反射防止層8の機能を兼ね備えた単層の層が、半導体基板10の受光面10aに配置されていてもよい。例えば、窒化シリコンや窒化アルミニウムは、そのような機能を有し得る。あるいは、非晶質系半導体層7と反射防止層8との間に、追加の層が設けられていてもよい。追加の層は、例えば、表面電界層を形成する不純物をドープした非晶質系半導体層、又は、固定電荷を有する誘電体層で構成され得る。
以上で説明した太陽電池は、一定の厚さで残された真性の第1の非晶質系半導体層1bの上に真性の第3の非晶質系半導体層3および前記半導体基板の導電型と同じ導電型を示す不純物を含む第4の非晶質系半導体層4とが櫛形状に形成されるため、半導体基板10と真性の第1の非晶質系半導体層1とのヘテロ接合界面は清浄に保たれて、キャリア再結合が抑制される。そのため、太陽電池の発電効率が向上する。
図3は、本発明の太陽電池の製造方法の実施形態を示す模式的断面図である。図3Aは、第2の非晶質系半導体層2および第1の非晶質系半導体層1を櫛形状にエッチングする際のマスク21が形成された後の様子を示す。図3Bは、第2の非晶質系半導体層2および第1の非晶質系半導体層1が一定の深さまでエッチングされた後の様子を示す。図3Cは、マスク21が除去された後、第4および第3の非晶質系半導体層が形成された後の様子を示す。図3Dは、第4の非晶質系半導体層4と第3の非晶質系半導体層3をエッチングする際のマスク22が形成された後の様子を示す。図3Eは、第4および第3の非晶質系半導体層がエッチングされた後の様子を示す。図3Fは、マスク22が除去された後の様子を示す。図3Gは、第1の電極及び集電極と第2の電極及び集電極が形成された後の様子を示す。図3Hは、反射防止層8が形成された後の様子を示す。
太陽電池の製造方法は、次の工程を備えている:第1の非晶質系半導体層1を形成する工程;第2の非晶質系半導体層2を形成する工程;表面に非晶質系半導体層7を形成する工程;第2の非晶質系半導体層2及び第1の非晶質系半導体層1を一定の厚さまで櫛形状にエッチングする工程;第3の非晶質系半導体層3を形成する工程;第4の非晶質系半導体層4を形成する工程;第3の非晶質系半導体層3及び第4の非晶質系半導体層4を櫛形状にエッチングする工程;第1の電極11及び第2の電極12を形成する工程;第1の集電極5及び第2の集電極6を形成する工程。
以下さらに説明する。
まず、半導体基板10を準備する。半導体基板10としては、n型単結晶シリコン基板が例示される。半導体基板10を洗浄し、真空チャンバー内に搬送して加熱を行う。これにより、基板の表面に付着した水分を除去する。以下では、n型半導体基板を用いた例を説明するが、p型半導体基板を用いた場合は、各材料のn型とp型とを入れ替えればよい。
まず、半導体基板10を準備する。半導体基板10としては、n型単結晶シリコン基板が例示される。半導体基板10を洗浄し、真空チャンバー内に搬送して加熱を行う。これにより、基板の表面に付着した水分を除去する。以下では、n型半導体基板を用いた例を説明するが、p型半導体基板を用いた場合は、各材料のn型とp型とを入れ替えればよい。
次に、真空チャンバー内にSiH4 (シラン)ガスを導入し、PECVD法により半導体基板10の裏面10b(受光面10aとは反対側の面)に、第1の非晶質系半導体層1を形成する。これが、第1の非晶質系半導体層1を形成する工程である。第1の非晶質系半導体層1は、i型非晶質シリコンで形成され得る。第1の非晶質系半導体層1は不純物を含まない。第1の非晶質系半導体層1は真性である。次いで、真空チャンバー内にSiH4ガス、H2(水素)ガスおよびB2H6(ジボラン)ガスを導入し、PECVD法により、第1の非晶質系半導体層1の上に、第2の非晶質系半導体層2を形成する。これが、第2の非晶質系半導体層2を形成する工程である。第2の非晶質系半導体層2は、p型非晶質シリコンで形成され得る。第2の非晶質系半導体層2は不純物を含む。不純物はドープされる。さらに、半導体基板10を反転し、SiH4 (シラン)ガスを導入し、PECVD法により受光面10aに非晶質半導体層7を形成する。非晶質系半導体層7は、i型非晶質シリコンで形成され得る。非晶質系半導体層7は不純物を含まない。なお、第1の非晶質系半導体層1及び第2の非晶質系半導体層2を形成する工程と非晶質系半導体層7を形成する工程とは順番が逆であってもよい。
図3Aは、第1の非晶質系半導体層1、第2の非晶質系半導体層2及び非晶質系半導体層7を半導体基板10に層状に設け、続いて第2の非晶質系半導体層2の上に、エッチングレジスト材料を櫛形状に塗布し、エッチングレジスト材料を固化させた後の様子を示している。エッチングレジスト材料としては、高精度の印刷が可能でエッチング耐性を有し、エッチング後の剥離が容易で汚染が少ない材料であれば、フォトレジストや顔料インク、ポリイミドなどを用いてよい。エッチングレジスト材料の塗布は、印刷法により行うことができる。印刷法としては、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法が挙げられる。エッチングレジスト材料から、エッチングレジスト層(マスク)21が形成される。そして、図3Bに示すように、エッチングレジスト層21が形成された半導体基板10をエッチング液に浸漬させて、第2の非晶質系半導体層2及び第1の非晶質系半導体層1の、エッチングレジスト層21に覆われていない部分を第1の非晶質系半導体層1を一定の厚さだけ残して半導体基板10の裏面10bを露出することなく除去する。このエッチングを、ウェットエッチングで行う場合、エッチング液としては、例えば、NH4F(フッ化アンモニウム)水溶液と、H2O2 (過酸化水素)水溶液との混合液が用いられる。このエッチング液はp型の非晶質系半導体を選択的にエッチングできるので、第1の非晶質系半導体層1を一定の厚さだけ残して第2の非晶質系半導体層2を効率的に除去できる。第1の非晶質系半導体層1を一定の厚さだけ残す方法としては、エッチング速度からエッチング時間を計算して制御してもよい。また、エッチングはドライエッチングで行われてもよい。ドライエッチングとしては、例えば、SF6 (六フッ化硫黄)、NF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)などによる反応性イオンエッチングが例示される。第2の非晶質系半導体層2がp型である場合、表面は親水性となるので、エッチングによりi型の第1の非晶質系半導体層1が露出すると表面は撥水性に変化する。したがって、表面の濡れ具合を観察することにより、第2の非晶質系半導体層2が完全に除去できたかどうかを判定できる。その後、レジスト除去材により、エッチングレジスト層21を除去する。レジスト除去材としては、例えば、アセトンが用いられる。また、レジスト除去は酸素プラズマを用いたアッシングによって行ってもよい。これにより、第2の非晶質系半導体層2及び第1の非晶質系半導体層1は一定の深さまでパターニングされて、櫛形状になる。これらの一連の工程が、第2の非晶質系半導体層2及び第1の非晶質系半導体層1を一定の深さまで櫛形状にエッチングする工程である。第1の非晶質系半導体層1の掘り込まれた部分1bの厚みは、半導体基板10の保護層としての効果を保つべく1nm以上であることが望ましく、太陽電池の直列抵抗を低減するためには10nm以下であることが望ましい。
次に、真空チャンバー内にSiH4ガスを導入し、PECVD法により、第2の非晶質系半導体層2及び、エッチングにより一定の厚さを残して掘り込んだ第1の非晶質系半導体層1の上に、第3の非晶質系半導体層3を形成する。これが、第3の非晶質系半導体層3を形成する工程である。第3の非晶質系半導体層3は、i型非晶質シリコンで形成され得る。第3の非晶質系半導体層3は不純物を含まない。第3の非晶質系半導体層3は真性である。第3の非晶質系半導体層3は、第2の非晶質系半導体層2が分離した櫛歯の間の部分を含んで積層される。
次いで、真空チャンバー内にSiH4ガス、H2ガスおよびPH3(ホスフィン)ガスを導入し、PECVD法により、第4の非晶質系半導体層4を形成する。これが、第4の非晶質系半導体層4を形成する工程である。第4の非晶質系半導体層4は、n型非晶質シリコンで形成され得る。第4の非晶質系半導体層4は不純物を含む。不純物はドープされる。第4の非晶質系半導体層4は、第2の非晶質系半導体層2が分離した櫛歯の間の部分を含んで積層される。
図3Cは、第4の非晶質系半導体層4が形成された後の様子を示している。ここで、図3Cから分かるように、第3の非晶質系半導体層3及び第4の非晶質系半導体層4は、半導体基板10の裏面側において、パターン化されずに、層状に設けられている。
続いて、図3Dに示すように、第4の非晶質系半導体層4の上に、エッチングレジスト材料を櫛形状に塗布し、エッチングレジスト材料を固化させる。エッチングレジスト材料としては、高精度の印刷が可能でエッチング耐性を有し、エッチング後の剥離が容易で汚染が少ない材料であれば、フォトレジストや顔料インク、ポリイミドなどを用いてよい。エッチングレジスト材料の塗布は、印刷法により行うことができる。印刷法としては、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法が挙げられる。エッチングレジスト材料から、エッチングレジスト層(マスク)22が形成される。そして、図3Eに示すように、エッチングレジスト層22が形成された半導体基板10をエッチング液に浸漬させて、第4の非晶質系半導体層4及び第3の非晶質系半導体層3の、エッチングレジスト層22に覆われていない部分を除去する。このエッチングを、ウェットエッチングで行う場合、エッチング液としては、例えば、HF(フッ化水素酸)水溶液と、H2O2(過酸化水素)水溶液との混合液が用いられる。また、エッチングはドライエッチングで行われてもよい。ドライエッチングとしては、例えば、SF6(六フッ化硫黄)、NF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)などによる反応性イオンエッチングが例示される。エッチングは、第2の非晶質系半導体層2をエッチングしないように行われる。その方法としては、エッチング速度からエッチング時間を計算してエッチングを制御してよい。第4の非晶質系半導体層4がn型である場合、i型の第3の非晶質系半導体層3の表面は撥水性となるので、エッチングによりp型の第2の非晶質系半導体層2が露出すると表面は親水性に変化する。したがって、表面の濡れ具合を観察することにより、第3の非晶質系半導体層3が完全に除去できたかどうかを判定できる。これにより、第2の非晶質系半導体層2が露出する。その後、図3Fに示すように、レジスト除去材により、エッチングレジスト層22を除去する。レジスト除去材としては、例えば、アセトンが用いられる。また、レジスト除去は酸素プラズマを用いたアッシングによって行ってもよい。これにより、第3の非晶質系半導体層3及び第4の非晶質系半導体層4は、パターニングされて、櫛形状になる。これらの一連の工程が、第3の非晶質系半導体層3及び第4の非晶質系半導体層4を櫛形状にエッチングする工程である。
次に、第2の非晶質系半導体層2の上に櫛形パターン状に第1の電極11を、第4の非晶質系半導体層4の上に櫛形パターン状に第2の電極12を形成する。これが、第1の電極11および第2の電極12を形成する工程である。第1の電極11および第2の電極12は櫛形状のパターンで形成される。第1の電極11および第2の電極12は、例えば、ITO、ZnOで形成され得る。第1の電極11および第2の電極12は、電極材料を含むインクを印刷法で塗布し、加熱処理を行うことで形成され得る。印刷法としては、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法が挙げられる。第1の電極11および第2の電極12は同時に形成することが好ましい。それにより、製造工程が簡略化される。
第2の電極12は、第1の電極11に離間して形成される。第2の電極12は、第4の非晶質系半導体層4の平坦部4aに形成され得る。
次いで、第1の集電極5及び第2の集電極6を櫛形状に形成する。第1の集電極5は、第1の電極11の上に形成される。第2の集電極6は、第2の電極12の上に形成される。第1の集電極5と第2の集電極6とは互いに噛み合う櫛形状のパターンで形成される。第1の集電極5及び第2の集電極6は、金属材料を印刷法で塗布することより形成され得る。印刷法としては、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法が挙げられる。第1の集電極5及び第2の集電極6は、例えば、Ag(銀)で形成される。第1の集電極5及び第2の集電極6は同時に形成することが好ましい。それにより、製造工程が簡略化される。図3Gは、集電極が形成された後の様子を示している。
なお、第1の電極11、第2の電極12、第1の集電極5及び第2の集電極6は、印刷法以外のパターニングにより形成されてもよい。例えば、これらは、マスクを用いたスパッタリング成膜法または有機金属気相成長(MOCVD)法により、パターン化されて形成され得る。あるいは、例えば、これらは、一面に層が形成された後、パターン化した蛇行形状でエッチングレジスト材料が形成され、ウェットエッチングによって櫛形状にパターン化されてもよい。
集電極の形成後、半導体基板10の受光面10a(主面)側の非晶質系半導体層7の上に、例えばスパッタ法により、反射防止層8を形成する。このように、反射防止層8を形成する工程を有することが好ましい。なお、反射防止層8は、第1の電極11、第2の電極12、第1の集電極5及び第2の集電極6の形成前に形成されてもよい。
このようにして、図3Hに示す第1の実施形態の太陽電池が得られる。
上記の製造方法では、真性の第1の非晶質系半導体層の上に真性の第3の非晶質系半導体層および前記半導体基板の導電型と同じ導電型を示す不純物を含む第4の非晶質系半導体層とを櫛形状に形成するため、半導体基板と真性の第1の非晶質系半導体層とのヘテロ接合界面は清浄に保たれ、キャリア再結合が抑制されて、発電効率の高い太陽電池を製造することができる。
1 第1の非晶質系半導体層
2 第2の非晶質系半導体層
3 第3の非晶質系半導体層
4 第4の非晶質系半導体層
5 第1の集電極
6 第2の集電極
7 非晶質系半導体層
8 反射防止層
10 半導体基板
11 第1の電極
12 第2の電極
21、22 エッチングマスク
2 第2の非晶質系半導体層
3 第3の非晶質系半導体層
4 第4の非晶質系半導体層
5 第1の集電極
6 第2の集電極
7 非晶質系半導体層
8 反射防止層
10 半導体基板
11 第1の電極
12 第2の電極
21、22 エッチングマスク
Claims (7)
- 受光面および裏面を有する一導電型の半導体基板と、
前記半導体基板の裏面上に配置され櫛形状に一定の厚さで掘り込まれた真性の第1の非晶質系半導体層と、
前記第1の非晶質系半導体層上に櫛形状に重なるように配置され、所定の導電型を示す第2の非晶質系半導体層と、
前記半導体基板の裏面に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と噛み合う櫛形状となり、一部が平面視において前記第2の非晶質系半導体層に重なる真性の第3の非晶質系半導体層と、
前記第3の非晶質系半導体層上に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と異なる導電型を示す第4の非晶質系半導体層と、
前記第2の非晶質系半導体層上に配置された第1の電極と、
前記第4の非晶質系半導体層上に配置された第2の電極と、
を備えた、太陽電池。 - 前記第1の非晶質系半導体層の櫛形状に掘り込まれた部分の厚さを1nmから10nmとする、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記第2の非晶質系半導体層の導電型をp型、前記第4の非晶質系半導体層の導電型をn型とする、請求項1または請求項2に記載の太陽電池。
- 受光面および裏面を有する一導電型の半導体基板に、
前記半導体基板の裏面上に真性の第1の非晶質系半導体層を形成する第1の工程と、
前記第1の非晶質系半導体層上に所定の導電型を示す第2の非晶質系半導体層を形成する第2の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層および前記第1の非晶質系半導体層を一定の深さまで櫛形状に除去する第3の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層と噛み合う櫛形状となり、一部が平面視において前記第2の非晶質系半導体層に重なる真性の第3の非晶質系半導体層を形成する第4の工程と、
前記第3の非晶質系半導体層上に配置され、前記第2の非晶質系半導体層と異なる導電型を示す第4の非晶質系半導体層を形成する第5の工程と、
前記第2の非晶質系半導体層上に第1の電極を、前記第4の非晶質系半導体層上に第2の電極を、それぞれ形成する第6の工程と、
とを備え、
前記第3の工程において前記第1の非晶質系半導体層を前記半導体基板に達するまでには除去しないことを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 前記第3の工程において、櫛形状に除去した前記第1の非晶質系半導体層の残りの厚さを1nmから10nmとする、請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記第2の非晶質系半導体層の導電型をp型、前記第4の非晶質系半導体層の導電型をn型とする、請求項4または請求項5に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記第3の工程において、前記第2の非晶質系半導体層が櫛形状に完全に除去されたことを撥水性が表れることで判断することを特徴とする、請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
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WO2022210611A1 (ja) * | 2021-03-30 | 2022-10-06 | 株式会社カネカ | 太陽電池および太陽電池の製造方法 |
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