JP2018162893A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器 Download PDF

Info

Publication number
JP2018162893A
JP2018162893A JP2017058849A JP2017058849A JP2018162893A JP 2018162893 A JP2018162893 A JP 2018162893A JP 2017058849 A JP2017058849 A JP 2017058849A JP 2017058849 A JP2017058849 A JP 2017058849A JP 2018162893 A JP2018162893 A JP 2018162893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
transfer tube
guide
heat exchanger
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017058849A
Other languages
English (en)
Inventor
道美 日下
Michimi Kusaka
道美 日下
良美 川口
Yoshimi Kawaguchi
良美 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2017058849A priority Critical patent/JP2018162893A/ja
Publication of JP2018162893A publication Critical patent/JP2018162893A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

【課題】気相の冷媒と伝熱管との接触面積を十分に確保する。
【解決手段】熱交換器(13)は、シェル(20)と、シェル(20)の内部において、それぞれ水平に配置された複数の伝熱管(30)と、複数の伝熱管(30)から選ばれる少なくとも1つの伝熱管(30)の表面に接しているガイド(38)とを備えている。鉛直方向及び伝熱管(30)の長手方向の両方に平行な平面であって、伝熱管(30)の表面に接する1組の仮想的な平面をそれぞれ基準平面(P1,P2)と定義する。伝熱管(30)の表面は、1組の基準平面(P1,P2)によって上側部分(30p)と下側部分(30q)とに分割されている。ガイド(38)は、下側部分(30q)に接している又は上側部分(30p)と下側部分(30q)との境界(L1)に接しており、下側部分(30q)又は境界(L1)から下方に向かって延びている。
【選択図】図3A

Description

本開示は、熱交換器に関する。
冷媒を凝縮させるために使用される熱交換器として、シェルアンドチューブ熱交換器が知られている。図15は、特許文献1に記載された従来のシェルアンドチューブ熱交換器の断面図である。
図15に示すように、従来のシェルアンドチューブ熱交換器は、シェル1及び複数の伝熱管2を備えている。シェル1は、入口4及び出口5を有する。入口4からシェル1に高温かつ気相の冷媒が導入される。冷媒は、伝熱管2を流れる冷却水によって冷却され、伝熱管の表面上で液化する。これにより、液相の冷媒が生成される。液相の冷媒は、下方に流れ、出口5からシェル1の外部へと排出される。
特開平8−159611号公報
熱交換器の性能を向上させるためには、気相の冷媒などの蒸気と伝熱管との接触面積を十分に確保することが重要である。
すなわち、本開示は、
シェルと、
シェルの内部において、それぞれ水平に配置された複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管から選ばれる少なくとも1つの前記伝熱管の表面に接しているガイドと、
を備え、
鉛直方向及び前記伝熱管の長手方向の両方に平行な平面であって、前記伝熱管の前記表面に接し、前記伝熱管を挟む1組の仮想的な平面をそれぞれ基準平面と定義したとき、
前記伝熱管の前記表面は、1組の前記基準平面によって上側部分と下側部分とに分割され、
前記ガイドは、前記下側部分に接している又は前記上側部分と前記下側部分との境界に接しており、前記下側部分又は前記境界から下方に向かって延びている、熱交換器を提供する。
本開示の技術によれば、気相の冷媒などの蒸気と伝熱管との接触面積を十分に確保することができる。
図1は、本開示の第1実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 図2は、本開示の第1実施形態に係る凝縮器のII-II線に沿った概略断面図である。 図3Aは、図2の部分拡大図である。 図3Bは、伝熱管の表面の上側部分と下側部分との境界を示す図である。 図3Cは、図3AのA矢視図である。 図4Aは、第1実施形態に係る凝縮器の作用を示す図である。 図4Bは、波形のガイドの作用を示す図である。 図5は、第1実施形態の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図6は、別の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図7は、さらに別の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図8は、本開示の第2実施形態に係る凝縮器の概略断面図である。 図9Aは、図8の部分拡大図である。 図9Bは、変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図9Cは、別の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図9Dは、さらに別の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図10Aは、さらに別の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図10Bは、さらに別の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図10Cは、さらに別の変形例に係る凝縮器を部分的に示す図である。 図11は、ガイドが他の伝熱管に干渉することを避けるための要件を説明する図である。 図12は、ガイドが他の伝熱管に干渉することを避けるための要件を説明する別の図である。 図13は、ガイドが他の伝熱管に干渉することを避けるための要件を説明するさらに別の図である。 図14は、ガイドが他の伝熱管に干渉することを避けるための要件を説明するさらに別の図である。 図15は、従来のシェルアンドチューブ熱交換器の概略断面図である。 図16は、従来の凝縮器の作用説明図である。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者らの知見によれば、図15に示す従来のシェルアンドチューブ熱交換器には次のような課題がある。図16に示すように、シェルの内部に冷媒が導入されると、上側に位置する伝熱管2aの表面上で冷媒が冷却され、液相の冷媒が生成する。液相の冷媒は、伝熱管2aの底部から真下に流れ落ち、伝熱管2aよりも下側に位置する伝熱管2bの頂部に付着する。液相の冷媒が伝熱管2bの表面に沿って流れるので、伝熱管2bの表面は全体的に液相の冷媒の膜で覆われる。伝熱管2bの表面が全体的に液相の冷媒の膜で覆われると、伝熱管2bと気相の冷媒との接触面が失われる。その結果、伝熱管2bは、伝熱性能を十分に発揮できない。上側に位置する伝熱管2aから下側に位置する伝熱管2bに流れ落ちる液相の冷媒の量は、液相の冷媒が上側から下側に移動するにつれて徐々に増加する。液相の冷媒の膜の厚さも液相の冷媒が上側から下側に移動するにつれて徐々に増加する。伝熱管2bが十分な伝熱性能を発揮できなければ、熱交換器も性能(熱交換性能)を十分に発揮できない。
上記の知見によれば、上側に位置する伝熱管の表面上で生成した凝縮液(液相の冷媒)によって下側に位置する伝熱管の表面が全体的に覆われることを防止できれば、伝熱管の伝熱性能を十分に発揮させることができる。
本開示の第1態様に係る熱交換器は、
シェルと、
シェルの内部において、それぞれ水平に配置された複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管から選ばれる少なくとも1つの前記伝熱管の表面に接しているガイドと、
を備え、
鉛直方向及び前記伝熱管の長手方向の両方に平行な平面であって、前記伝熱管の前記表面に接し、前記伝熱管を挟む1組の仮想的な平面をそれぞれ基準平面と定義したとき、
前記伝熱管の前記表面は、1組の前記基準平面によって上側部分と下側部分とに分割され、
前記ガイドは、前記下側部分に接している又は前記上側部分と前記下側部分との境界に接しており、前記下側部分又は前記境界から下方に向かって延びているものである。
第1態様によれば、伝熱管の表面上で液相の冷媒が生じたとき、液相の冷媒は、ガイドに集められ、ガイドに沿って下方に流れる。これにより、上側に位置する伝熱管の表面上で生じた液相の冷媒が下側に位置する伝熱管に付着することを防止できる。その結果、各伝熱管と気相の冷媒との接触面積が十分に確保されるので、各伝熱管の伝熱性能を十分に発揮させることができる。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る熱交換器の前記複数の伝熱管は、前記鉛直方向の上側に配置された第1伝熱管及び前記鉛直方向の下側に配置された第2伝熱管を含み、前記ガイドは、前記第1伝熱管及び前記第2伝熱管の両方に接している。このような構造によれば、第1伝熱管の表面上で生じた液相の冷媒が第2伝熱管に付着することを確実に防止できる。
本開示の第3態様において、例えば、第2態様に係る熱交換器の前記第1伝熱管及び前記第2伝熱管は、前記鉛直方向において互いに隣り合っており、前記ガイドが前記鉛直方向に平行に延びている。このような構造によれば、ガイドに集められた液相の冷媒がスムーズに下方に流れる。
本開示の第4態様において、例えば、第1態様に係る熱交換器の前記ガイドは、前記複数の伝熱管から選ばれる1つの前記伝熱管のみに接している。第4態様によれば、ガイドの位置、形状及び姿勢に関する制約が緩やかなので、熱交換器の設計の自由度が高い。
本開示の第5態様において、例えば、第4態様に係る熱交換器の前記ガイドが板状の形状を有し、前記ガイドが前記鉛直方向に平行に延びている。第5態様によれば、ガイドに集められた液相の冷媒がスムーズに下方に流れる。
本開示の第6態様において、例えば、第4態様に係る熱交換器の前記ガイドが板状の形状を有し、前記鉛直方向に平行な平面と前記ガイドとのなす角度が0度よりも大きい。第6態様によれば、より適切な位置に向かって液相の冷媒を導くことができる。
本開示の第7態様において、例えば、第1〜第6態様のいずれか1つに係る熱交換器の前記伝熱管の前記長手方向に沿った複数の位置において前記ガイドが前記伝熱管に接している、又は、前記伝熱管と前記ガイドとが線接触している。このような構造によれば、伝熱管の長手方向に沿った複数の位置において、伝熱管の表面から液相の冷媒を排除することができる。
本開示の第8態様において、例えば、第1態様に係る熱交換器の前記複数の伝熱管は、前記鉛直方向の上側に配置された第1伝熱管及び前記鉛直方向の下側に配置された第2伝熱管を含み、前記ガイドは、前記鉛直方向に平行に延びている第1部分と、前記第1伝熱管と前記第2伝熱管との間の空間に向かって前記第1部分から突出している第2部分とを有する。第8態様によれば、第1伝熱管の下方の空間にガイドの第2部分が存在する。そのため、第1伝熱管から液相の冷媒が滴り落ちたとき、第2部分が液相の冷媒の液滴を捕捉する。液相の冷媒は、第2部分に捕捉された後、第2部分を伝って第1部分に達し、第1部分を伝って下方に流れる。
本開示の第9態様において、例えば、第1〜第8態様のいずれか1つに係る熱交換器の前記ガイドが多孔構造を有する。ガイドが多孔構造を有する場合、毛細管現象によって液相の冷媒がガイドに吸着されやすい。
本開示の第10態様において、例えば、第1〜第9態様のいずれか1つに係る熱交換器の前記ガイドがメッシュで構成されている。ガイドがメッシュで構成されているとき、液相の冷媒をより速やかに回収することができる。
本開示の第11態様において、例えば、第1〜第10態様のいずれか1つに係る熱交換器の前記ガイドは、波板の形状を有し、前記伝熱管の前記長手方向に沿って波打っている。第11態様によれば、ガイドに液相の冷媒が集まりやすく、集められた冷媒が下方に流れやすい。冷媒の流量が多い過負荷条件においても、伝熱管の伝熱性能を十分に発揮させることが可能である。
本開示の第12態様において、例えば、第1〜第11態様のいずれか1つに係る熱交換器の前記複数の伝熱管のそれぞれは、前記複数の伝熱管の前記長手方向に垂直な縦断面において前記複数の伝熱管のそれぞれの断面積と同じ面積を有する円の半径よりも小さい曲率半径の輪郭を示す部分を3つ又は3つを越えて有する。伝熱管がこのような形状を有している場合、伝熱管の表面上で生成した液相の冷媒が伝熱管の角部に容易に集められる。
本開示の第13態様において、例えば、第12態様に係る熱交換器の前記縦断面において、前記複数の伝熱管のそれぞれを包囲する最小の面積の正多角形が正三角形である。このような形状によれば、円管を成形して本実施形態の伝熱管を容易に作製することができる。
本開示の第14態様において、例えば、第12又は第13態様に係る熱交換器の前記複数の伝熱管のそれぞれの底面は、平坦面であり、前記水平方向に対して傾斜している。第14態様によれば、伝熱管の表面上で生成した液相の冷媒は、伝熱管の角部に容易に集められる。伝熱管の表面から速やかに液相の冷媒を排除することが可能である。
本開示の第15態様に係る冷凍サイクル装置は、
冷媒を加熱する蒸発器と、
前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記冷媒を凝縮させる前記凝縮器と、
を備え、
第1〜第14態様のいずれか1つに係る熱交換器によって前記凝縮器が構成されているものである。
第15態様によれば、優れたCOP(coefficient of performance)を発揮しうる冷凍サイクル装置を提供できる。特に、冷媒の流量(質量流量)が増加する条件で冷凍サイクル装置を運転する場合に高い効果が得られる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(第1実施形態)
図1に示すように、冷凍サイクル装置10は、蒸発器11、圧縮機12、凝縮器13、流量制御弁14及び流路16a〜16dを備えている。蒸発器11の出口は、流路16aによって圧縮機12の吸入口に接続されている。圧縮機12の吐出口は、流路16bによって凝縮器13の入口に接続されている。凝縮器13の出口は、流路16cによって流量制御弁14の入口に接続されている。流量制御弁14の出口は、流路16dによって蒸発器11の入口に接続されている。流路16a及び16bは蒸気経路であり、流路16c及び16dは液経路である。各流路は、例えば、少なくとも1つの金属製の配管で構成されている。
蒸発器11において冷媒が加熱されて蒸発する。これにより、気相の冷媒(冷媒蒸気)が生成される。気相の冷媒は、圧縮機12に吸入されて圧縮される。高温高圧の気相の冷媒が圧縮機12から凝縮器13に供給される。冷媒は、凝縮器13において冷却されて液化する。これにより、液相の冷媒(冷媒液)が生成される。液相の冷媒は、流量制御弁14を経由して凝縮器13から蒸発器11に戻される。
冷凍サイクル装置10は、例えば、業務用又は家庭用の空気調和装置である。蒸発器11で冷却された熱媒体が室内に供給され、室内の冷房に使用される。あるいは、凝縮器13で加熱された熱媒体が室内に供給され、室内の暖房に使用される。熱媒体は、例えば水である。ただし、冷凍サイクル装置10は空気調和装置に限定されず、チラー、蓄熱装置などの他の装置であってもよい。
図2に示すように、凝縮器13は、シェルアンドチューブ熱交換器によって構成されている。具体的に、凝縮器13は、シェル20及び複数の伝熱管30を備えている。複数の伝熱管30は、シェル20の内部に配置されている。シェル20は、入口20a及び出口20bを有する。入口20a及び出口20bには、それぞれ、流路16b及び流路16cが接続されうる。鉛直方向において、シェル20の入口20aが最も上に位置し、シェル20の出口20bが最も下に位置している。例えば、入口20aが全ての伝熱管30よりも鉛直方向の上側に位置し、出口20bが全ての伝熱管30よりも鉛直方向の下側に位置している。入口20aを通じて、シェル20の内部に気相の冷媒が導入される。冷媒の温度よりも低い温度の熱媒体を伝熱管30に流すと、伝熱管30の表面上で冷媒が冷却されて凝縮する。出口20bを通じて、シェル20の外部へと液相の冷媒が排出される。本実施形態において、シェル20は、矩形の断面形状を有している。ただし、シェル20は、円形の断面形状を有していてもよい。シェル20は、耐圧容器であってもよい。
複数の伝熱管30は、それぞれ、直線形状を有する。複数の伝熱管30は、シェル20の内部において、それぞれ水平に配置されている。つまり、複数の伝熱管30は、互いに平行に並べられている。各伝熱管30の長手方向が水平方向に平行である。複数の伝熱管30の両端部には、それぞれ、図示しないヘッダが設けられている。熱媒体がヘッダから各伝熱管30に分配されるとともに、各伝熱管30からヘッダに熱媒体が集められる。
図2は、伝熱管30の長手方向に垂直な凝縮器13の断面を表している。以下、本開示において、伝熱管30の長手方向に垂直な断面を「縦断面」と称する。本実施形態において、縦断面は鉛直方向に平行である。伝熱管30の両端部を除き、伝熱管30の断面形状は、長手方向のどの位置でも同一である。伝熱管30の長手方向に平行な方向(第1の方向)がZ方向であるとき、鉛直方向(第1の方向に垂直な第2の方向)がY方向であり、鉛直方向及び伝熱管30の長手方向に垂直な水平方向(第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向)がX方向である。
図2に示す縦断面において、複数の伝熱管30は、格子状のパターンで並べられている。鉛直方向に平行な複数の鉛直基準線Vrと、水平方向に平行な複数の水平基準線Hrとを定義したとき、複数の鉛直基準線Vrと複数の水平基準線Hrとの交点の各々の上に伝熱管30(詳細には、伝熱管30の重心G)が位置している。複数の鉛直基準線Vrは、互いに等間隔で並んでいる。複数の水平基準線Vrも互いに等間隔で並んでいる。複数の伝熱管30は、鉛直方向(縦方向)及び水平方向(横方向)にマトリクス状に配置されている。水平方向において互いに隣り合う伝熱管30の間には、冷媒の流路として、適度な広さの空間が確保されている。同様に、鉛直方向において互いに隣り合う伝熱管30の間には、冷媒の流路として、適度な広さの空間が確保されている。
凝縮器13は、さらに、複数のガイド38を備えている。各ガイド38は、少なくとも1つの伝熱管30の表面に接している。伝熱管30の表面上で液相の冷媒が生じたとき、液相の冷媒は、ガイド38に集められ、ガイド38に沿って下方に流れる。これにより、上側に位置する伝熱管30の表面上で生じた液相の冷媒が下側に位置する伝熱管30に付着することを防止できる。その結果、各伝熱管30と気相の冷媒との接触面積が十分に確保されるので、各伝熱管30の伝熱性能を十分に発揮させることができる。
図3Aに示すように、伝熱管30(30A,30B)は、非円形の断面形状を有する。具体的に、各伝熱管30は、角部31(第1の角部31)を有する。角部31は、縦断面において伝熱管30の断面積と同じ面積を有する円の半径よりも小さい曲率半径の輪郭を示す部分である。角部31は、鉛直方向において伝熱管30の最も下に位置する部分を構成している。
図3Aに示すように、鉛直方向(Y方向)の上側に配置された伝熱管30を第1伝熱管30Aと定義し、鉛直方向の下側に配置された伝熱管30を第2伝熱管30Bと定義する。ガイド38は、第1伝熱管30A及び第2伝熱管30Bの両方に接している。このような構造によれば、液相の冷媒がガイド38に沿って流れるので、第1伝熱管30Aの表面上で生じた液相の冷媒が第2伝熱管30Bに付着することを確実に防止できる。
第1伝熱管30A及び第2伝熱管30Bは、鉛直方向において互いに隣り合っている。第1伝熱管30A及び第2伝熱管30Bは、共通の鉛直基準線Vrの上に位置している。ガイド38は、鉛直方向に平行に延びている。このような構造によれば、ガイド38に集められた液相の冷媒がスムーズに下方に流れる。
伝熱管30は、第1の角部31、第2の角部32及び頂部33を有する。伝熱管30は、複数(3つ)の表面を有する。複数の表面の1つは、第1の角部31と頂部33との間における表面34(側面)である。複数の表面の他の1つは、第1の角部31と第2の角部32との間における表面36(底面36)である。複数の表面の他の1つは、第2の角部32と頂部33との間における表面35(側面)である。これら複数の表面は、いずれも平坦面である。ただし、表面34,35及び36から選ばれる少なくとも1つの面が凹面であってもよい。
本実施形態において、伝熱管30の第1の角部31は、鉛直方向において伝熱管30の最も下に位置する部分である。他方、伝熱管30の第2の角部32は、鉛直方向において伝熱管30の最も下に位置する部分ではない。鉛直方向において、第2の角部32は、第1の角部31と異なる高さに位置している。詳細には、鉛直方向において、第2の角部32は、第1の角部31よりも上方に位置している。鉛直方向において、第2の角部32は、頂部33と第1の角部31との間に位置している。第1の角部31と第2の角部32との間における表面36(底面36)は、水平面に対して、傾斜角度θにて傾斜している。傾斜角度θは、例えば、1〜29度の範囲にある。第1の角部31と頂部33との間における表面34(側面)も水平面に対して傾斜角度βにて傾斜している。傾斜角度βは、例えば、(θ+60)度である。縦断面において、伝熱管30の重心Gを通り、かつ鉛直方向に平行な基準線Vr(鉛直基準線)に関して、伝熱管30の輪郭が非対称である。このような構造によれば、伝熱管30の表面上で生成した液相の冷媒は、第1の角部31に容易に集められる。伝熱管30の表面から速やかに液相の冷媒を排除することが可能である。
「第1の角部31」、「第2の角部32」及び「頂部33」は、次のように定義することもできる。縦断面において伝熱管30の断面積と同じ面積を有する円の半径よりも小さい曲率半径の円弧状の輪郭を示す部分を「角部」と定義する。鉛直方向の最も上に位置している「角部」を「頂部」と定義することができる。本実施形態によれば、第1の角部31、第2の角部32及び頂部33は、いずれも、縦断面において、同一の曲率半径の円弧状の輪郭を示す。
本実施形態によれば、伝熱管30は、縦断面において伝熱管30の断面積と同じ面積を有する円の半径よりも小さい曲率半径の輪郭を示す部分(角部)を3つ又は3つを越えて有する。伝熱管30がこのような形状を有している場合、伝熱管30の表面上で生成した液相の冷媒が伝熱管30の角部(例えば第1の角部31)に容易に集められる。詳細には、縦断面において、伝熱管30を包囲する最小の面積の正多角形が正三角形である。このような形状によれば、円管を成形して本実施形態の伝熱管30を容易に作製することができる。ただし、伝熱管30を包囲する最小の面積の三角形は、正三角形に限定されず、二等辺三角形、直角三角形又は不等辺三角形であってもよい。さらに、伝熱管30を包囲する最小の面積の四角形は、長方形、正方形、ひし形又は不等辺四角形であってもよい。角部の数の上限は特に限定されないが、成形の容易性を考慮すると、例えば6個である。
本実施形態によれば、縦断面における伝熱管30の輪郭は、複数(3つ)の曲線部分と複数(3つ)の直線部分とで構成されている。複数の曲線部分は、それぞれ、第1の角部31、第2の角部32及び頂部33に対応している。複数の直線部分は、それぞれ、曲線部分と曲線部分との間に位置している。もちろん、伝熱管30の輪郭は、第1の角部31、第2の角部32及び頂部33のそれぞれに対応する部分を除き、滑らかな曲線で構成されていてもよい。
ガイド38の構造及び機能について詳しく説明する。
ガイド38は、隣り合う鉛直基準線Vrと鉛直基準線Vrとの間に配置されている。ガイド38は、水平方向における第1伝熱管30Aの最も外側の部分と、水平方向における第2伝熱管30Bの最も外側の部分とに接している。本実施形態において、「水平方向における第1伝熱管30Aの最も外側の部分」は、第1伝熱管30Aの角部31である。「水平方向における第2伝熱管30Bの最も外側の部分」は、第2伝熱管30Bの角部31である。つまり、ガイド38は、第1伝熱管30Aの角部31及び第2伝熱管30Bの角部31に接している。
詳細には、ガイド38は、以下に説明する「境界」に接している。図3Bに示すように、鉛直方向及び伝熱管30の長手方向の両方に平行な平面であって、伝熱管30の表面に接し、伝熱管30を挟む1組の仮想的な平面をそれぞれ基準平面P1及びP2と定義する。伝熱管30の表面は、1組の基準平面P1及びP2によって上側部分30pと下側部分30qとに分割される。伝熱管30の表面の上側部分30pは、太い実線で示す部分である。伝熱管30の表面の下側部分30qは、太い破線で示す部分である。基準平面P1は、上側部分30pと下側部分30qとの境界L1に接している。基準平面P2は、上側部分30pと下側部分30qとの境界L2に接している。境界L1及びL2は、それぞれ、「境界線」である。境界L1は、角部31に含まれる。境界L2は、角部32に含まれる。図3Bにおいて、ガイド38は、基準平面P1の上に存在し、境界L1に接しており、境界L1から下方に向かって延びている。このような構造によれば、上側に位置する伝熱管30の表面上で生じた液相の冷媒が下側に位置する伝熱管30に付着することを確実に防止できる。
本実施形態において、ガイド38は、第1伝熱管30Aの角部31及び第2伝熱管30Bの角部31に接している。詳細には、ガイド38は、第1伝熱管30Aにおける境界L1と第2伝熱管30Bにおける境界L1とに接している。この場合、上記した効果がより確実に得られる。ガイド38と伝熱管30との接触部分が実質的に境界Lに限定されているので、ガイド38と伝熱管30との接触による伝熱管30の伝熱面積の減少が必要最小限に抑えられる。
図4Aを参照しつつ凝縮器13の作用を詳細に説明する。
シェル20の内部に気相の冷媒が導入されると、冷媒の一部が第1伝熱管30Aを流れる熱媒体によって冷却され、第1伝熱管30Aの表面上で凝縮して液相の冷媒が生成する。液相の冷媒は、第1伝熱管30Aの表面34,35及び36に沿って流れ、角部31に集まる。その後、液相の冷媒は、ガイド38に移り、ガイド38に沿って下方に流れる。同様に、第2伝熱管30Bの表面上で生成した液相の冷媒は、第2伝熱管30Bの表面34,35及び36に沿って流れ、角部31に集まる。その後、液相の冷媒は、ガイド38に移り、ガイド38に沿って下方に流れる。ガイド38は、第1伝熱管30Aの表面上で生じた液相の冷媒が第2伝熱管30Bの表面に付着することを防ぐ。本実施形態によれば、気相の冷媒と各伝熱管30の表面との接触面積が十分に確保され、伝熱管30の伝熱性能を十分に発揮させることができる。したがって、本実施形態によれば、伝熱管30の本数、表面積などを増加させることなく、凝縮器13の性能を高めることができる。
本実施形態によれば、第1伝熱管30Aの角部31は、鉛直方向において第1伝熱管30Aの最も下に位置する部分を構成している。同様に、第2伝熱管30Bの角部31は、鉛直方向において第2伝熱管30Bの最も下に位置する部分を構成している。第1伝熱管30Aの角部31及び第2伝熱管30Bの角部31にガイド38が接しているので、ガイド38に液相の冷媒が非常に効率よく集められる。ガイド38が角部31に接しているので、ガイド38と伝熱管30との接触による伝熱管30の伝熱面積の減少が必要最小限に抑えられる。
ガイド38は、伝熱管30に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。各ガイド38は、例えば、支持枠(図示せず)に固定されてシェル20の内部に配置されている。凝縮器13が組み立てられるとき、複数のガイド38及び支持枠を含むユニットがシェル20の中に配置され、その後、シェル20の横方向(水平方向)から複数の伝熱管30がシェル20に差し込まれ、所定の位置に固定される。
ガイド38の構造は、液相の冷媒を下方へ導くことができるものであれば特に限定されない。本実施形態において、ガイド38は、板状である。ガイド38が板状であるとき、シェル20の内部においてガイド38が占有する空間が小さいので、ガイド38を追加するためにシェル20の体積を増加させる必要がない。ガイド38は、例えば、平面視で矩形の形状を有する。この場合、ガイド38の1組の向かい合う側面が伝熱管30の長手方向に平行である。
本実施形態において、ガイド38は、多孔構造を有する。ガイド38が多孔構造を有する場合、毛細管現象によって液相の冷媒がガイド38に吸着されやすい。つまり、伝熱管30の表面から速やかに液相の冷媒を排除することができる。毛細管現象によって、伝熱管30の表面34,35及び36を流れるときの液相の冷媒の流速が向上することも期待できる。ガイド38に液相の冷媒が滞在する時間も短縮されうる。多孔構造を有するガイド38によれば、冷媒の流量が多い過負荷条件においても、伝熱管30の伝熱性能を十分に発揮させることができる。
多孔構造を有するガイド38として、具体的には、メッシュ、パンチングメタル、焼結多孔体、織布、不織布などが挙げられる。メッシュは、針金で作製された金網(metal mesh)であってもよいし、樹脂繊維で作製された網であってもよい。パンチングメタルは、打抜き加工によって金属シートに多数の小さい孔を開けることによって作製されうる。焼結多孔体としては、金属粉末、金属酸化物粉末、樹脂粉末などの粉末材料の焼結体が挙げられる。ガイド38は、望ましくは、メッシュで構成されている。ガイド38は、2つの主面(表面と裏面)を有し、2つの主面を貫通している複数の孔を有していることが望ましい。ガイド38がメッシュで構成されているとき、液相の冷媒をより速やかに回収することができる。ガイド38に起因する圧力損失の増加を抑制することも期待できる。ガイド38の材質も特に限定されない。ガイド38は、金属、樹脂又はセラミックで作られていてもよい。
図3Cに示すように、ガイド38は、鉛直方向だけでなく、伝熱管30の長手方向にも延びている。本実施形態では、伝熱管30の長手方向に沿った複数の位置においてガイド38が伝熱管30に接している。このような構造によれば、伝熱管30の長手方向に沿った複数の位置(境界L1の上の複数の位置)において、伝熱管30の表面から液相の冷媒を排除することができる。伝熱管30の長手方向の全域にわたって液相の冷媒を排除する作用が得られることが望ましい。
本実施形態において、ガイド38は、伝熱管30の長手方向(Z方向)に沿って波打っている波板の形状を有する。ガイド38の断面は、三角鋸歯の形状を有している。ガイド38は、伝熱管30の長手方向に沿った複数の位置で伝熱管30に接している。ガイド38と伝熱管30との複数の接点が伝熱管30の長手方向に沿って等間隔で並んでいる。ガイド38と伝熱管30との間には、ガイド38の凹部による空間38sが確保されている。ガイド38が波板の形状を有している場合、図4Bに示すように、液相の冷媒Wは、伝熱管30からガイド38に移り、さらに、ガイド38の凹部に集まる。波板の形状を有するガイド38によれば、ガイド38に液相の冷媒が集まりやすく、集められた冷媒が下方に流れやすい。冷媒の流量が多い過負荷条件においても、伝熱管30の伝熱性能を十分に発揮させることが可能である。ガイド38が多孔構造を有していない場合でもこの効果は得られる。
なお、波板の形状は、三角鋸歯の形状に限定されない。波板の形状は、曲面で構成されていてもよく、曲面と平面との組み合わせで構成されていてもよい。また、ガイド38が平板の形状を有していてもよい。この場合、伝熱管30の長手方向に沿って、ガイド38と伝熱管30とが線接触する。伝熱管30の長手方向に沿った複数の位置において、伝熱管30の表面から液相の冷媒を排除することができる。
ガイド38が板状であることは必須でなく、ガイド38が多孔構造を有していることも必須ではない。本開示におけるガイドとして、少なくとも1つの棒状部材が使用されうる。例えば、棒状部材(ガイド)の一部に第1伝熱管30Aが接し、棒状部材の他の一部に第2伝熱管30Bが接していてもよい。この場合、棒状部材を伝って、液相の冷媒が下方に流れる。また、複数のガイド38が伝熱管30の長手方向に沿って所定の間隔(例えば等間隔)で配置されていてもよい。
次に、いくつかの変形例について説明する。
図5に示す変形例においては、円形の断面を有する伝熱管40にガイド38が接している。つまり、本開示において、伝熱管の断面形状は限定されない。伝熱管の断面形状は、三角形、円形、楕円形又は矩形でありうる。
図6に示す変形例では、複数の伝熱管40が互い違いのパターンで並んでいる。複数の伝熱管40は、各鉛直基準線Vrの上に位置している。互いに隣り合う鉛直基準線Vrの一方における伝熱管40の位置は、他方における伝熱管40の位置と鉛直方向にずれている。また、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの一方の上に位置する伝熱管40を鉛直方向に平行移動させても、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの他方の上に位置する伝熱管40と重ならないように、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの間隔が調整されている。同様に、複数の伝熱管40は、各水平基準線Hrの上に位置している。互いに隣り合う水平基準線Hrの一方における伝熱管40の位置は、他方における伝熱管40の位置と水平方向にずれている。また、互いに隣り合う水平基準線Hrの一方の上に位置する伝熱管40を水平方向に平行移動させても、互いに隣り合う水平基準線Hrの他方の上に位置する伝熱管40と重ならないように、互いに隣り合う水平基準線Hrの間隔が調整されている。例えば、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの間隔は、互いに隣り合う水平基準線Hrの間隔に等しい。このような構造によれば、より効率的な熱交換を達成することが可能である。
本変形例に示すように、ガイド38は、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの一方に沿って配置された複数の伝熱管40と、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの他方に沿って配置された複数の伝熱管40とに兼用されていてもよい。ガイド38の一方の面は、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの一方に沿って配置された複数の伝熱管40に接している。ガイド38の他方の面は、互いに隣り合う鉛直基準線Vrの他方に沿って配置された複数の伝熱管40に接している。
図7に示すように、ガイド38に代えて、ガイド48が採用されうる。ガイド48は、第1部分48a及び少なくとも1つの第2部分48bを有する。第1部分48aは、鉛直方向に平行に延びている。第1部分48aは、第1伝熱管30A及び第2伝熱管30Bに接している。つまり、第1部分48aは、先に説明したガイド38でありうる。第2部分48bは、第1伝熱管30Aと第2伝熱管30Bとの間の空間に向かって第1部分48aから突出している部分である。第2部分48bは、溶接などの加工によって第1部分48aに一体化されていてもよい。
本変形例によれば、第1伝熱管30Aの下方の空間にガイド48の第2部分48bが存在する。そのため、第1伝熱管30Aから液相の冷媒が滴り落ちたとき、第2部分48bが液相の冷媒の液滴を捕捉する。液相の冷媒は、第2部分48bに捕捉された後、第2部分48bを伝って第1部分48aに達し、第1部分48aを伝って下方に流れる。第1部分48aが伝熱管30に接しているので、図4Aを参照して説明した効果も得られる。
ガイド48の第2部分48bは、第1伝熱管30Aの下端に向かい合う位置まで延びている。つまり、第2部分48bは、少なくとも第1伝熱管30Aの下端の真下まで延びている。望ましくは、第2部分48bは、第1伝熱管30Aの下端の真下を越えた位置まで延びている。このような構造によれば、第1伝熱管30Aから滴り落ちた液相の冷媒が第2部分48bに確実に捕捉される。「下端」の語句は、鉛直方向における下端を意味する。本変形例において、伝熱管30(第1伝熱管30A)の下端は、角部31に含まれる。
なお、ガイド48の第1部分48aが第1伝熱管30A及び第2伝熱管30Bから離間し、ガイド48の第2部分48bが第1伝熱管30A及び第2伝熱管30Bに接していてもよい。
(第2実施形態)
図8に示すように、本実施形態に係る凝縮器43は、複数のガイド58を備えている。第1実施形態の凝縮器13と本実施形態の凝縮器43との間で共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。すなわち、各実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。さらに、技術的に矛盾しない限り、各実施形態は、相互に組み合わされてもよい。
本実施形態において、ガイド58は、複数の伝熱管30から選ばれる1つの伝熱管30のみに接している。つまり、伝熱管30とガイド58とが一対一で対応している。本実施形態によれば、ガイド58の位置、形状及び姿勢に関する制約が緩やかなので、凝縮器43の設計の自由度が高い。図2〜7を参照して説明したように、第1実施形態のガイド38は、第1伝熱管30A及び第2伝熱管30Bに接する。この場合、ガイド38の位置、形状及び姿勢が制限されやすく、設計の自由度は比較的低い。このことは、ガイド48(図7)にもあてはまる。これに対し、本実施形態によれば、特定の伝熱管30に接しているガイド58が他の伝熱管30に干渉しないので、ガイド58の位置、形状及び姿勢が制限されにくい。例えば、伝熱管30の表面のあらゆる位置にガイド58を接触させることが可能である。
本実施形態において、複数のガイド58は、各伝熱管30の同じ位置に同じ姿勢で接している。ただし、特定の伝熱管30の表面におけるガイド58の位置は、他の伝熱管30の表面におけるガイド58の位置と異なっていてもよい。さらに、材質及び/又は構造が互いに異なる複数の部材をガイド58として熱交換器43に使用することも可能である。
ガイド58は、例えば、板状の形状を有する。ガイド58の平面視での形状は、典型的には矩形である。互いに向かい合う1組の辺から選ばれるガイド58の一辺が伝熱管30に接している。ガイド58は、波板の形状を有していてもよいし、有していなくてもよい。ガイド58は、典型的には、メッシュで構成されている。つまり、ガイド58は、先に説明したガイド38及び48の特徴を全て備えていてもよいし、一部のみを備えていてもよい。
図9Aに示すように、本実施形態において、ガイド58は、伝熱管30の表面の下側部分30qに接しており、下側部分30qから鉛直方向の下方に向かって延びている。詳細には、ガイド58は、伝熱管30の角部31に接している。ガイド58は、鉛直方向に平行に延びている。ガイド58の先端は、下側の伝熱管30に達していない。
伝熱管30の表面上で液相の冷媒が生成すると、液相の冷媒は、伝熱管30の表面の上側部分30p及び下側部分30qに沿って流れ、角部31に集まる。その後、液相の冷媒は、ガイド58に移り、ガイド58に沿って下方に流れる。液相の冷媒は、ガイド58の先端から離脱して、下方の伝熱管30のガイド58に再び集められる。本実施形態によれば、気相の冷媒と各伝熱管30の表面との接触面積が十分に確保され、伝熱管30の伝熱性能を十分に発揮させることができる。したがって、本実施形態によれば、伝熱管30の本数、表面積などを増加させることなく、凝縮器43の性能を高めることができる。
図9Bに示すように、ガイド58は、鉛直方向及び水平方向の両方に対して傾斜した方向に延びていてもよい。図9Bに示す変形例において、ガイド58は、板状の形状を有している。鉛直方向に平行な平面(基準平面P1)とガイド58とのなす角度αが0度よりも大きい。角度αは、例えば、10〜70度の範囲にある。この変形例によれば、より適切な位置に向かって液相の冷媒を導くことができる。伝熱管30の配置(格子パターン、互い違いのパターンなど)に依存するものの、ガイド58の先端から鉛直方向の下方に向かって液相の冷媒が滴り落ちたとき、液相の冷媒が他の伝熱管30に再付着することを防止できる。
図9Cに示す変形例において、ガイド58は、境界L1に接している。例えば、ガイド58を平面視したとき、1組の向かい合う辺から選ばれる1つの辺が境界L1に重なっている。ガイド58は、鉛直方向及び水平方向の両方に対して傾斜した方向に延びている。本変形例においても、図9Bを参照して説明した効果と同じ効果が得られる。
図9Dに示す変形例において、ガイド58は、境界L1に接しており、鉛直方向の下方に向かって延びている。ガイド58は、境界L1よりも鉛直方向の上側に位置している部分58aと境界L1よりも鉛直方向の下側に位置している部分58bとを含む。このような構造によれば、より十分な量の液相の冷媒がガイド58に集められる。
図9C及び図9Dにおいて、ガイド58は、境界L1から鉛直方向の下方に向かって延びている。ただし、ガイド58は、境界L2から鉛直方向の下方に向かって延びてもよい。さらに、境界L1から下方に向かって延びるガイド58と境界L2から下方に向かって延びるガイド58との両方が設けられていてもよい。
図10Aに示す変形例には、円形の断面を有する伝熱管40が使用されている。円形の断面を有する伝熱管40にガイド58が接している。詳細には、ガイド58は、境界L2に接し、鉛直方向の下方に向かって延びている。本変形例においても、伝熱管40の表面は、上側部分40p及び下側部分40qを含む。上側部分40pの一部で生成した液相の冷媒がガイド58に集められる。「上側部分40pの一部」は、伝熱管40の頂点から境界L2までの部分を意味する。
図10Bに示す変形例において、ガイド58は、伝熱管40の表面の下側部分40qに接し、鉛直方向及び水平方向の両方に対して傾斜した方向に延びている。ガイド58は、例えば、鉛直基準線Vrを横切り、基準平面P1に達している。ガイド58の先端は、基準平面P1の上に存在していてもよいし、基準平面P1を超えた位置に存在していてもよい。本変形例によれば、伝熱管40から離脱した液相の冷媒もガイド58に集められる。したがって、他の伝熱管30に液相の冷媒が再付着することを確実に防止できる。
図10Cに示す変形例において、鉛直方向における伝熱管40の下端40rにガイド58が接している。ガイド58の上端部は下端40rと接し、伝熱管40の長手方向に平行に延びている。伝熱管40の長手方向に垂直な断面において、伝熱管40の下端40rは、鉛直基準線Vrと伝熱管40の表面の下側部分40qとの交点である。ガイド58は、上記交点から鉛直方向及び水平方向の両方に対して傾斜した方向に延びている。ガイド58の先端は、基準平面P1に達している。望ましくは、ガイド58は、伝熱管40の下端40rから基準平面P1を超えた位置まで延びている。本変形例によれば、伝熱管40の表面で生成した液相の冷媒の全てが伝熱管40に集められる。ガイド58の先端が基準平面P1に達しているので、他の伝熱管30に液相の冷媒が再付着することもより確実に防止できる。
次に、ガイド58が他の伝熱管30に干渉することを避けるための要件について説明する。
図11に示す例では、複数の伝熱管30が格子状のパターンで並べられている。この配列は、図2を参照して説明した通りである。互いに隣り合う鉛直基準線Vrの上に存在する複数の伝熱管30に着目する。図9を参照して説明したように、一方の鉛直基準線Vrの上に第1伝熱管30Aが存在し、その第1伝熱管30Aにガイド58が接している。ガイド58は、基準平面P1に対して傾斜した方向に向かって延びている。基準平面P1とガイド58とのなす角度がαで表される。角度αが下記式(1)の範囲にあるとき、ガイド58は、他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30(第2伝熱管30B)に干渉しない。式(1)において、「W1」は、一方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30と他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30との間の水平距離(水平方向に関する距離)である。「V1」は、第1伝熱管30Aにおける境界L1と第2伝熱管30Bにおける境界L2との間の鉛直距離(鉛直方向に関する距離)である。
0≦α<tan-1(W1/V1)・・・(1)
次に、図12に示す例においても、複数の伝熱管30が格子状のパターンで並べられている。この配列は、図2を参照して説明した通りである。互いに隣り合う鉛直基準線Vrの上にそれぞれ存在する伝熱管30に着目する。シェル20の内部において、最も上に配置された伝熱管30Aにおける境界L1にガイド58が接している。ガイド58は、他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30に向かって延びている。基準平面P1とガイド58とのなす角度がαで表される。角度αが下記式(2)の範囲にあるとき、ガイド58は、他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30の全てに干渉しない。「W1」の意味は、先に説明した通りである。「V2」は、シェル20の内部において、最も上に配置された伝熱管30Aにおける境界L1と最も下に配置された伝熱管30Eにおける境界L2との間の鉛直距離(鉛直方向に関する距離)である。
0≦α<tan-1(W1/V2)・・・(2)
次に、図13に示す例では、複数の伝熱管30が互い違いのパターンで並べられている。この配列は、伝熱管の形状の相違を除けば、図6を参照して説明した通りである。互いに隣り合う鉛直基準線Vrの上に存在する複数の伝熱管30に着目する。各伝熱管30に基準平面P1及び基準平面P2が接している。互いに隣り合う鉛直基準線Vrの間の距離T2は、特定の伝熱管30に接する基準平面P1と基準平面P2との間の距離T1よりも大きい。つまり、一方の鉛直基準線Vrの上に存在する複数の伝熱管30は、鉛直方向において、他方の鉛直基準線Vrの上に存在する複数の伝熱管30と重なっていない。
図13に示す例において、一方の鉛直基準線Vrの上に存在する特定の伝熱管30にガイド58が接している。詳細には、ガイド58は、特定の伝熱管30における境界L1に接しており、基準平面P1に対して傾斜した方向に向かって延びている。基準平面P1とガイド58とのなす角度がαで表される。角度αが下記式(3)の範囲にあるとき、ガイド58は、他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30であって、特定の伝熱管30から最も近い位置に存在する伝熱管30に干渉しない。「W1」は、一方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30と他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30との間の水平距離(水平方向に関する距離)である。「V3」は、特定の伝熱管30における境界L1と、その特定の伝熱管30から最も近い位置に存在する伝熱管30における境界L2との間の鉛直距離(鉛直方向に関する距離)である。
0≦α<tan-1(W1/V3)・・・(3)
次に、図14に示す例においても、複数の伝熱管30が互い違いのパターンで並べられている。この配列は、図2を参照して説明した通りである。互いに隣り合う鉛直基準線Vrの上にそれぞれ存在する伝熱管30に着目する。シェル20の内部において、最も上に配置された伝熱管30Aにおける境界L1にガイド58が接している。ガイド58は、他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30に向かって延びている。基準平面P1とガイド58とのなす角度がαで表される。角度αが下記式(4)の範囲にあるとき、ガイド58は、他方の鉛直基準線Vrの上に存在する伝熱管30の全てに干渉しない。「W1」の意味は、先に説明した通りである。「V4」は、シェル20の内部において、一方の鉛直基準線Vrにおいて最も上に配置された伝熱管30Aにおける境界L1と、他方の鉛直基準線Vrにおいて最も下に配置された伝熱管30Eにおける境界L2との間の鉛直距離(鉛直方向に関する距離)である。
0≦α<tan-1(W1/V4)・・・(4)
本明細書に開示された熱交換器は、空気調和装置、チラー、蓄熱装置などの様々な機器に利用されうる。
10 冷凍サイクル装置
11 蒸発器
12 圧縮機
13,43 凝縮器
14 流量制御弁
20 シェル
30,40 伝熱管
30p,40p 上側部分
30q,40q 下側部分
30A 第1伝熱管
30B 第2伝熱管
38,48,58 ガイド
48a 第1部分
48b 第2部分
P1,P2 基準平面
L1,L2 境界

Claims (15)

  1. シェルと、
    シェルの内部において、それぞれ水平に配置された複数の伝熱管と、
    前記複数の伝熱管から選ばれる少なくとも1つの前記伝熱管の表面に接しているガイドと、
    を備え、
    鉛直方向及び前記伝熱管の長手方向の両方に平行な平面であって、前記伝熱管の前記表面に接し、前記伝熱管を挟む1組の仮想的な平面をそれぞれ基準平面と定義したとき、
    前記伝熱管の前記表面は、1組の前記基準平面によって上側部分と下側部分とに分割され、
    前記ガイドは、前記下側部分に接している又は前記上側部分と前記下側部分との境界に接しており、前記下側部分又は前記境界から下方に向かって延びている、熱交換器。
  2. 前記複数の伝熱管は、前記鉛直方向の上側に配置された第1伝熱管及び前記鉛直方向の下側に配置された第2伝熱管を含み、
    前記ガイドは、前記第1伝熱管及び前記第2伝熱管の両方に接している、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記第1伝熱管及び前記第2伝熱管は、前記鉛直方向において互いに隣り合っており、
    前記ガイドが前記鉛直方向に平行に延びている、請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記ガイドは、前記複数の伝熱管から選ばれる1つの前記伝熱管のみに接している、請求項1に記載の熱交換器。
  5. 前記ガイドが板状の形状を有し、
    前記ガイドが前記鉛直方向に平行に延びている、請求項4に記載の熱交換器。
  6. 前記ガイドが板状の形状を有し、
    前記鉛直方向に平行な平面と前記ガイドとのなす角度が0度よりも大きい、請求項4に記載の熱交換器。
  7. 前記伝熱管の前記長手方向に沿った複数の位置において前記ガイドが前記伝熱管に接している、又は、前記伝熱管の前記長手方向に沿って前記伝熱管と前記ガイドとが線接触している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 前記複数の伝熱管は、前記鉛直方向の上側に配置された第1伝熱管及び前記鉛直方向の下側に配置された第2伝熱管を含み、
    前記ガイドは、前記鉛直方向に平行に延びている第1部分と、前記第1伝熱管と前記第2伝熱管との間の空間に向かって前記第1部分から突出している第2部分とを有する、請求項1に記載の熱交換器。
  9. 前記ガイドが多孔構造を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換器。
  10. 前記ガイドがメッシュで構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱交換器。
  11. 前記ガイドは、波板の形状を有し、前記伝熱管の前記長手方向に沿って波打っている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱交換器。
  12. 前記複数の伝熱管のそれぞれは、前記複数の伝熱管の前記長手方向に垂直な縦断面において前記複数の伝熱管のそれぞれの断面積と同じ面積を有する円の半径よりも小さい曲率半径の輪郭を示す部分を3つ又は3つを越えて有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱交換器。
  13. 前記縦断面において、前記複数の伝熱管のそれぞれを包囲する最小の面積の正多角形が正三角形である、請求項12に記載の熱交換器。
  14. 前記複数の伝熱管のそれぞれの底面は、平坦面であり、前記水平方向に対して傾斜している、請求項12又は13に記載の熱交換器。
  15. 冷媒を加熱する蒸発器と、
    前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記冷媒を凝縮させる前記凝縮器と、
    を備え、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の熱交換器によって前記凝縮器が構成されている、冷凍サイクル装置。
JP2017058849A 2017-03-24 2017-03-24 熱交換器 Pending JP2018162893A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017058849A JP2018162893A (ja) 2017-03-24 2017-03-24 熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017058849A JP2018162893A (ja) 2017-03-24 2017-03-24 熱交換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018162893A true JP2018162893A (ja) 2018-10-18

Family

ID=63859890

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017058849A Pending JP2018162893A (ja) 2017-03-24 2017-03-24 熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018162893A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3037773A1 (en) Heat exchanger, air conditioner, refrigeration cycle device, and method for producing heat exchanger
US9370815B2 (en) Hybrid heat exchanger
CN109357441B (zh) 降膜式蒸发器和空调
JP6223596B2 (ja) 空気調和装置の室内機
CN106918166A (zh) 换热器和空调系统
CN111213010A (zh) 空调机
EP2447660A2 (en) Heat Exchanger and Micro-Channel Tube Thereof
JP6260632B2 (ja) 熱交換器
JP2015218907A (ja) 熱交換器
JP6383942B2 (ja) 熱交換器
JP6370399B2 (ja) 空気調和装置の室内機
JP2018100803A (ja) 熱交換装置、空気調和装置の室内機及び空気調和装置の室外機
JP2014137177A (ja) 熱交換器および冷凍装置
JP2018162893A (ja) 熱交換器
JP6952797B2 (ja) 熱交換器および冷凍サイクル装置
US11614260B2 (en) Heat exchanger for heat pump applications
CN105765308A (zh) 室外单元和使用其的制冷循环装置
JP2018162894A (ja) 熱交換器
WO2021001953A1 (ja) 熱交換器及び冷凍サイクル装置
US20240003630A1 (en) Heat exchanger and air conditioning system having same
TWI830175B (zh) 除濕裝置
JP7370393B2 (ja) 熱交換器ユニット及び冷凍サイクル装置
WO2022145003A1 (ja) 除湿装置
JP4547991B2 (ja) 熱交換器
JP2018048773A (ja) 熱交換器