JP2018162847A - 緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ピストンロッドにピストンと減衰力調整部を固定するための第一ナットと第二ナットの緩み止めができるとともに、ピストンロッドを容易に形成でき、且つ、第一ナットと第二ナットの組付性を良好にできる緩衝器を提供する。【解決手段】 緩衝器Dが、外周にピッチの異なる第一螺子溝3aと第二螺子溝3bが形成されたピストンロッド3と、第一螺子溝3aに螺合されてピストンロッド3にピストン2を固定するピストンナット(第一ナット)5と、第二螺子溝3bに螺合されてピストンロッド3に減衰力調整部4を固定するナット部材(第二ナット)61とを備え、ピストンナット5とナット部材61が接続手段により周方向の相対回転を阻止された状態で一体化されている。【選択図】 図2
Description
本発明は、緩衝器に関する。
緩衝器の中には、ピストンロッドの先端部にピストンと減衰力調整部を取り付けたものがある。
例えば、特許文献1に記載のピストンロッドの先端部外周には、方向の異なる一対の螺子溝が軸方向に並べて形成されている。そして、ピストンが一方の螺子溝に螺合される第一のナットでピストンロッドの外周に固定され、減衰力調整部が他方の螺子溝に螺合される第二のナットでピストンよりもピストンロッドの先端側に固定されている。
上記構成によれば、第一、第二のナットを加締め等で接続して、これらの周方向の相対回転を不能にすると、一方のナットが緩む方向へ回転した場合に、他方のナットが必ず締まる方向へ回転する。よって、ピストンと減衰力調整部をピストンロッドに固定するための二つのナットの緩み止めができる。
しかし、上記従来の緩衝器のように、ピストンロッドの外周に方向の異なる二条の螺子溝を形成する場合、一方が必ず逆螺子になるので加工が難しい。加えて、二つのナットを締付ける際の回転方向が逆になるので組付性が悪い。
そこで、本発明は、ピストンロッドにピストンと減衰力調整部を固定するための二つのナットの緩み止めができるとともに、ピストンロッドを容易に形成でき、且つ、二つのナットの組付性を良好にできる緩衝器の提供を目的とする。
前記課題を解決するための本発明に係る緩衝器は、外周にピッチの異なる第一螺子溝と第二螺子溝が形成されたピストンロッドと、前記第一螺子溝に螺合されて前記ピストンロッドにピストンを固定する第一ナットと、前記第二螺子溝に螺合されて前記ピストンロッドに減衰力調整部を固定する第二ナットとを備え、前記第一ナットと前記第二ナットが接続手段により周方向の相対回転を阻止された状態で一体化されていることを特徴とする。
当該構成によれば、第一ナットと第二ナットの回転角が同じである場合、第一ナットと第二ナットはピストンロッドの軸方向へ同方向に移動するが、その移動量が異なる。当該移動量の相違により、第一ナットと第二ナットを同時には回転できないので、第一ナットと第二ナットの相対回転を阻止すると、これらの緩み止めができる。
さらに、第一螺子溝と第二螺子溝は、ピッチ違いの螺子溝であり、螺子溝の方向(巻方向)は同じであるので、ピストンロッドを容易に形成できる。加えて、第一ナットと第二ナットの組付時の回転方向が同じであるので、これらの組付性を良好にできる。
なお、前記緩衝器では、前記接続手段が加締めであるとよい。当該構成によれば、第一ナットと第二ナットの周方向の相対回転を阻止した状態で一体化するのが容易である。
また、前記緩衝器では、前記第一ナットと前記第二ナットが当接し、前記第一ナットと前記第二ナットのうちの前記ピストンロッドの先端側に設けた一方のナットの締め付けにより、他方のナットに軸方向へ荷重が負荷されているとよい。当該構成によれば、第一ナットと第二ナットの緩み止めを確実にできる。
また、前記緩衝器では、前記第二ナットが前記第一ナットよりも前記ピストンロッドの先端側に設けられ、前記第二螺子溝のピッチが前記第一螺子溝のピッチよりも小さく設定されているとよい。当該構成によれば、減衰力調整部をピストンロッドの先端に設けた場合であっても、第一ナットと第二ナットの緩み止めを確実にできる。
また、前記緩衝器では、前記第一螺子溝と前記第二螺子溝が前記ピストンロッドの軸方向に重ならない位置に形成されているとよい。当該構成によれば、ピストンロッドをさらに容易に形成できる。
本発明の緩衝器によれば、ピストンロッドにピストンと減衰力調整部を固定するための第一ナットと第二ナットの緩み止めができるとともに、ピストンロッドを容易に形成でき、且つ、第一ナットと第二ナットの組付性を良好にできる。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
詳細な図示を省略するが、図1に示す本発明の一形態に係る緩衝器Dは、車両における車体と車軸の間に介装されて、車体振動を抑制する。
具体的に、緩衝器Dは、有底筒状のシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、先端がピストン2に連結されて末端がシリンダ1外へ突出するピストンロッド3と、ピストンロッド3におけるピストン2よりも先端側に取り付けられた減衰力調整部4と、シリンダ1の開口端部に設けられてピストンロッド3を摺動自在に軸支する環状のロッドガイド10と、シリンダ1内における反ピストンロッド側に摺動自在に挿入されるフリーピストン11とを備える。
シリンダ1の底部とピストンロッド3の末端(図示せず)には、それぞれ取付部材12が設けられている(シリンダ1に設けた取付部材12のみを図示し、ピストンロッド3に設けた取付部材については図示せず)。そして、シリンダ1が取付部材12を介して車体と車軸の一方に連結されるとともに、ピストンロッド3が取付部材(図示せず)を介して車体と車軸の他方に連結される。このため、車両が凹凸のある路面を走行する等すると、ピストンロッド3がシリンダ1に出入りして緩衝器Dが伸縮し、減衰力を発揮する。
シリンダ1内は、ピストン2とフリーピストン11で軸方向に仕切られている。ピストン2で仕切られた二つの部屋には、それぞれ作動油等の液体が充填されている。これら二つの部屋のうち、緩衝器Dの伸長時にピストン2で圧縮される方の部屋が伸側室R1、緩衝器Dの収縮時にピストン2で圧縮される方の部屋が圧側室R2である。本実施の形態では、伸側室R1がピストンロッド3側に、圧側室R2がピストン2側に形成されている。
ロッドガイド10には、環状のシール部材13が積層された状態で固定されており、当該シール部材13でピストンロッド3の外周とシリンダ1の内周が液密にシールされ、シリンダ1内の液体が外方へ漏れるのを防ぐ。
その一方、フリーピストン11は、シリンダ1内に気室Gを形成し、当該気室Gと圧側室R2とを区画する。気室Gには、高圧ガスが封入されている。当該気室Gにより、シリンダ1に出入りしたピストンロッド3の体積を補償する。また、気室Gの圧力でシリンダ1内の液体を加圧して液柱剛性を高め、減衰力発生応答性を向上させている。
なお、本実施の形態では、シリンダ1内に体積補償用の気室Gを形成するための可動隔壁としてフリーピストン11を利用している。しかし、可動隔壁としてフリーピストン以外にも、ブラダ、ベローズ等を利用できる。このように、可動隔壁の構成は適宜変更できる。
また、本実施の形態では、シリンダ1に出入りするピストンロッド3の体積補償をするのに気室Gを利用しているが、当該気室Gに代えて内部に液体を貯留したリザーバを利用してもよい。当該リザーバを備える場合、シリンダの外周に外筒を設け、これらの間に液体を貯留してもよく、リザーバをシリンダとは別置き型にしてもよい。
つづいて、ピストンロッド3は、ロッドガイド10の中心部を貫通する。ロッドガイド10の内周には環状のブッシュ14が嵌合しており、当該ブッシュ14がピストンロッド3の外周に摺接する。また、ピストンロッド3の先端部外周には、ピストン2がピストンナット5により固定されており、ピストン2の外周に設けたピストンリング(符示せず)がシリンダ1の内周に摺接する。
このため、ピストンロッド3は、先端と末端(図示せず)との間の中間部をロッドガイド10で支えられるとともに、先端をピストン2で支えられた状態でシリンダ1に出入りする。そして、ピストンロッド3がシリンダ1から退出して緩衝器Dが伸長すると、ピストン2がシリンダ1内を図1中上方へ移動して伸側室R1を圧縮する。反対に、ピストンロッド3がシリンダ1内に進入して緩衝器Dが収縮すると、ピストン2がシリンダ1内を図1中下方へ移動して圧側室R2を圧縮する。
ピストン2には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側通路2aと圧側通路2bが形成されるとともに、ピストン2の圧側室R2側に伸側通路2aの出口を開閉する伸側バルブ20が積層され、ピストン2の伸側室R1側に圧側通路2bの出口を開閉する圧側バルブ21が積層されている。
伸側バルブ20は、伸側通路2aを伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに逆向きの流れを阻止する。その一方、圧側バルブ21は、圧側通路2bを圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに逆向きの流れを阻止する。
上記構成によれば、緩衝器Dの伸長時にピストン2がシリンダ1内を図1中上方へ移動して伸側室R1を圧縮すると、当該伸側室R1の液体が伸側バルブ20を押し開き、伸側通路2aを通って圧側室R2へ移動する。伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに対しては、伸側バルブ20により抵抗が与えられる。このため、緩衝器Dの伸長時には伸側室R1の圧力が上昇し、伸長作動を妨げる減衰力が発生する。
反対に、緩衝器Dの収縮時にピストン2がシリンダ1内を図1中下方へ移動して圧側室R2を圧縮すると、当該圧側室R2の液体が圧側バルブ21を押し開き、圧側通路2bを通って伸側室R1へ移動する。圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れに対しては、圧側バルブ21により抵抗が与えられる。このため、緩衝器Dの収縮時には圧側室R2の圧力が上昇し、収縮作動を妨げる減衰力が発生する。
つまり、本実施の形態の緩衝器Dは、減衰力を発生するための減衰力発生要素として、伸側バルブ20と圧側バルブ21とを有している。このため、緩衝器Dの伸長時と収縮時とで減衰力を個別に設定できる。また、本実施の形態では、減衰力発生要素がリーフバルブであるので、緩衝器Dが軸方向に嵩張るのを抑制できる。
しかし、減衰力発生要素はリーフバルブ以外のバルブであってもよい。また、減衰力発生要素が伸側室R1と圧側室R2との間を移動する液体の双方向の流れを許容し、当該流れに抵抗を与えるオリフィスであってもよい。このように、減衰力発生要素は、伸側室R1と圧側室R2との間を移動する液体の流れに抵抗を与えられればよく、減衰力発生要素の構成は適宜変更できる。
つづいて、ピストンロッド3におけるピストン2よりも先端側には減衰力調整部4が設けられており、当該減衰力調整部4により減衰力を調整できる。具体的に、減衰力調整部4は、ハウジング6と、ハウジング6内に摺動自在に挿入されるフリーピストン7と、フリーピストン7の移動方向の両側に設けた一対のコイルばね8a,8bとを備える。
図2に示すように、ハウジング6は、有底筒状のケース部材60と、このケース部材60の開口端部に設けられたナット部材61とを有して構成される。ナット部材61は、ピストンロッド3の外周に螺合する環状の螺合部61aと、螺合部61aのピストン2側に設けられた有底筒状の差込部61bと、差込部61bの底部61e外周から径方向外側へ突出する環状の鍔部61cとを有する。
その一方、ケース部材60は、筒部(符示せず)と、当該筒部の一端開口を塞ぐ底部60aとを有し、上記筒部の先端側の内径は、末端側(底部60a側)の内径よりも大きい。以下、当該筒部において、内径の大きな先端側の部分を大内径筒部60b、内径の小さな末端側の部分を小内径筒部60cとする。
大内径筒部60bの先端部内周には環状の段差が形成されている。そして、当該段差にナット部材61の鍔部61cを突き当てた状態で大内径筒部60bの先端を内側へ加締めると、ケース部材60とナット部材61がハウジング6として一体化される。
このように、本実施の形態ではハウジング6がケース部材60とナット部材61により構成されている。このため、ケース部材60内にフリーピストン7とコイルばね8a,8bを収容してからナット部材61を挿入し、大内径筒部60bの先端を加締めると、ハウジング6、フリーピストン7、及びコイルばね8a,8bを減衰力調整部4として一体化できる。そして、減衰力調整部4を予め組み立てた状態でピストンロッド3に取り付けられるので、組付性が良好である。
また、ピストンロッド3の先端部外周には、ピッチの異なる第一螺子溝3aと第二螺子溝3bが軸方向に並んで形成されている。そして、第一螺子溝3aにピストンナット5を螺合し、第二螺子溝3bに減衰力調整部4のナット部材61を螺合してからこれらの相対回転を不能にすると、これら螺合部(螺子締結部)の緩み止めがなされる。減衰力調整部4とピストンナット5を利用したピストン2の組付構造については、後に詳細に説明する。
つづいて、フリーピストン7は、有底筒状であり、筒部7aをナット部材61側へ向け、底部7bをケース部材60の底部60a側へ向けた状態で大内径筒部60bの内周に摺接し、図2中上下に移動できる。当該フリーピストン7の図2中上下にそれぞれコイルばね8a,8bが設けられ、フリーピストン7は、これらコイルばね8a,8bでハウジング6内の中立位置に位置決めされる。当該中立位置とは、フリーピストン7のストローク範囲の中央のことであるが厳密な中央でなくてもよく、任意に設定できる。
また、フリーピストン7は、ケース部材60の内側であって、ケース部材60とナット部材61によりシリンダ1内に区画された部屋を伸側圧力室P1と圧側圧力室P2とにさらに区画する。伸側圧力室P1は、ピストンロッド3に形成された伸側室連通路9aを通じて伸側室R1に連通する。その一方、圧側圧力室P2は、ハウジング6に形成された圧側室連通路9bを通じて圧側室R2に連通する。
上記構成によれば、フリーピストン7がハウジング6内を図2中下方へ動いて伸側圧力室P1を拡大するとともに圧側圧力室P2を縮小すると、伸側室R1の液体が伸側室連通路9aから伸側圧力室P1へ流入し、圧側圧力室P2の液体が圧側室連通路9bから圧側室R2へ押し出される。
反対に、フリーピストン7がハウジング6内を図2中上方へ動いて圧側圧力室を拡大するとともに伸側圧力室P1を縮小すると、圧側室R2の液体が圧側室連通路9bから圧側圧力室P2へ流入し、伸側圧力室P1の液体が伸側室連通路9aから伸側室R1へ押し出される。
つまり、フリーピストン7が図2中上下に動くと、伸側室R1と圧側室R2のうちの一方の部屋から伸側圧力室P1と圧側圧力室P2のうちの一方の圧力室へ液体が流入し、その分の液体が他方の圧力室から他方の部屋へ押し出される。このため、伸側室連通路9a、伸側圧力室P1、圧側圧力室P2、及び圧側室連通路9bが、見掛け上、伸側室R1と圧側室R2とを連通する流路の如く機能する。
また、フリーピストン7がハウジング6内を図2中上下に動くと、コイルばね8a,8bが伸縮する。そして、フリーピストン7の中立位置からの変位量が大きくなると、これに比例してフリーピストン7を中立位置へ戻そうとするコイルばね8a,8bの附勢力が大きくなる。よって、これらコイルばね8a,8bにより、フリーピストン7の中立位置からの変位を抑制できる。
なお、フリーピストン7の中立位置からの変位を抑制する附勢力を発揮するばね要素の構成は、一対のコイルばね8a,8bに限らず適宜変更できる。例えば、ばね要素が単一のコイルばねからなり、当該コイルばね一端がハウジングに連結されるとともに、他端がフリーピストンに連結されるとしてもよい。
また、本実施の形態において、圧側室連通路9bは、ケース部材60の底部60aを軸方向に貫通する固定オリフィス60dと、大内径筒部60bの肉厚を貫通する可変オリフィス60eとを有して構成される。当該可変オリフィス60eは、フリーピストン7により開閉される。
より詳細には、フリーピストン7の底部7bには、当該底部7bの外周に周方向に沿って形成される環状溝7cと、当該環状溝7cの内側と圧側圧力室P2とを連通する縦穴7dが形成されている。環状溝7cは、フリーピストン7が中立位置にある場合に可変オリフィス60eと対向する位置に形成されている。また、環状溝7cの図2中上下の幅は、フリーピストン7がストロークエンドに達した状態で、環状溝7cと可変オリフィス60eが完全に対向しなくなる(図2中上下にずれる)幅となっている。
当該構成によれば、フリーピストン7が中立位置にある場合、可変オリフィス60eの開口量が最大となり、当該可変オリフィス60eと固定オリフィス60dとを備えて構成される圧側室連通路9bの流路面積が最大となる。しかし、フリーピストン7がストロークエンドに接近すると可変オリフィス60eを徐々に閉じ、圧側室連通路9bの流路面積を縮小させる。すると、フリーピストン7の変位の速度が減速されるので、フリーピストン7がハウジング6に勢いよく衝突して大きな打音が発生するのを防止できる。
なお、フリーピストン7とハウジング6との間にゴム等を設け、打音の発生を抑制してもよい。また、本実施の形態では、圧側室連通路9bにオリフィスを設けているが、伸側室連通路9aにオリフィスを設けてもよい。さらに、本実施の形態では、伸側室連通路9aをピストンロッド3に形成しているが、伸側室連通路を減衰力調整部のハウジングに形成してもよい。このように、伸側室連通路と圧側室連通路の構成は適宜変更できる。
また、本実施の形態では、フリーピストン7が図2中上方へ移動して筒部7aの先端がナット部材61の鍔部61cに当接すると、それ以上のフリーピストン7の図2中上方への移動が阻止される。反対に、フリーピストン7が図2中下方へ移動して底部7bが小内径筒部60cに当接すると、それ以上のフリーピストン7の図2中下方への移動が阻止される。
つまり、本実施の形態では、ハウジング6の鍔部61cと小内径筒部60cとでフリーピストン7のストロークエンドを規制する。しかし、フリーピストンのストロークエンドを規制するための構成は上記の限りではなく、適宜変更できる。
つづいて、ピストン2と減衰力調整部4のピストンロッド3への組付構造について説明する。ピストンロッド3の先端部の外径は、他の部分の外径よりも小さく形成されており、これらの境界に環状の段差3cが形成されている。さらに、ピストンロッド3の先端部には、末端(段差3c)側から先端側へ向けて、ピストン保持軸30と、第一螺子軸31と、第二螺子軸32がこの順に同軸上に設けられている。
第一螺子軸31と第二螺子軸32の外周には、それぞれ雄螺子加工が施されている。そして、第一螺子軸31に形成された螺子溝である第一螺子溝3aと、第二螺子軸32に形成された螺子溝である第二螺子溝3bは、ピッチ違いの螺子溝であり、ピッチは異なるが螺子溝の方向(巻方向)は同じである。また、本実施の形態では、第二螺子軸32の外径が第一螺子軸31の外径より小さく、第二螺子溝3bのピッチyの方が、第一螺子溝3aのピッチxよりも小さい(図3)。
第一螺子溝3aには、ピストン2をピストンロッド3に固定するための第一ナットであるピストンナット5が螺合する。当該ピストンナット5の軸方向の一端部には、挿入部5aが設けられ、当該挿入部5aの外周形状は六角形となっている(図4)。そして、ピストンナット5は、挿入部5aを減衰力調整部4側へ向けた状態で、第一螺子軸31の外周に螺合される。
その一方、第二螺子溝3bには、減衰力調整部4をピストンロッド3に固定するための第二ナットであるナット部材61が螺合する。前述のように、ナット部材61は、有底筒状の差込部61bを有する。より詳しくは、差込部61bは、筒部61dと、当該筒部61dの一端開口を塞ぐ底部61eとを有する。そして、当該底部61eの中心部にはピストンロッド3の螺合を許容する螺子孔(符示せず)が形成されていて、底部61eが螺合部61aと一体となっている。
差込部61bにおける筒部61dの内周形状は、減衰力調整部4がピストンロッド3に組み付けられる前の状態では円形であり、筒部61dの内径は、当該筒部61dにピストンナット5の挿入部5aを挿入した状態でこれらが周方向(筒部61dの中心線を軸とする回転方向・ねじり方向)に相対回転可能な径となっている。
以下、ピストン2及び減衰力調整部4のピストンロッド3への組付手順について説明する。
まず、ピストンロッド3の外周にピストンナット5でピストン2を固定する。より詳しくは、環状のピストン2に伸側バルブ20、圧側バルブ21等を積層した状態でピストン2の中心部にピストンロッド3を先端側から挿通し、当該先端側から第一螺子軸31にピストンナット5を螺合する。そして、当該ピストンナット5を締めることにより、ピストン2、伸側バルブ20、及び圧側バルブ21等がその内周部をピストンナット5と段差3cとの間に挟まれた状態で、ピストンロッド3の外周に固定される。
次に、ピストンロッド3にナット部材61で減衰力調整部4を固定する。より詳しくは、ピストンナット5から図2中下方へ突出した第二螺子軸32の外周に減衰力調整部4のナット部材61を螺合する。そして、ナット部材61の差込部61bにピストンナット5の挿入部5aを挿入し、当該挿入部5aの先端を差込部61bの底部61eに突き当てた状態でナット部材61を締める。
最後に、図4(a)中矢印で示すように差込部61bの筒部61dを径方向の両側から押し潰し(加締め)、図4(b)に示すように筒部61dを変形させる。すると、ピストンナット5とナット部材61の周方向(ピストンロッド3の中心軸を軸とする回転方向・ねじり方向)の相対回転が不能になり、ピストンナット5とナット部材61のうちの一方のナットが緩む方向へ回転する場合、他方のナットも一方のナットと一緒に回転することになる。
前述のように、ナット部材61が螺合する第二螺子溝3bのピッチyは、ピストンナット5が螺合する第一螺子溝3aのピッチxより小さい(図3)。このため、ピストンナット5とナット部材61の回転角が同じであっても、ナット部材61の方がピストンナット5よりも軸方向(図2中上下)の移動量が小さくなる。当該移動量の違いから、ピストンナット5とナット部材61を同時に回転させることはできない。
よって、ピストンナット5とナット部材61をピッチ違いの第一螺子溝3aと第二螺子溝3bにそれぞれ螺合してから、これらの周方向の相対回転を不能にすると、これら螺子締結部の緩み止めがなされる。また、本実施の形態では、ピストンナット5とナット部材61を相対回転不能に一体化する接続手段として、加締めを採用している。このため、ピストンナット5とナット部材61の周方向の回転を阻止した状態で一体化するのが容易である。
以下、本実施の形態に係る緩衝器Dの作動について説明する。
緩衝器Dの伸長時に伸側室R1の圧力が高まると、当該圧力が伸側室連通路9aを通じて伸側圧力室P1に伝播される。すると、フリーピストン7が図2中下方へ移動して伸側室R1の液体が伸側圧力室P1へ流入し、圧側圧力室P2の液体が圧側室R2へ押し出される。よって、緩衝器Dが伸長作動を呈すると、伸側室R1の液体は、伸側通路2aの他にも、伸側圧力室P1と圧側圧力室P2とを有して構成される見掛け上の流路を通過して圧側室R2へ移動する。
反対に、緩衝器Dの収縮時に圧側室R2の圧力が高まると、当該圧力が圧側室連通路9bを通じて圧側圧力室P2に伝播される。すると、フリーピストン7が図2中上方へ移動して圧側室R2の液体が圧側圧力室P2へ流入し、伸側圧力室P1の液体が伸側室R1へ押し出される。よって、緩衝器Dが収縮作動を呈すると、圧側室R2の液体は、圧側通路2bの他にも、伸側圧力室P1と圧側圧力室P2とを有して構成される見掛け上の流路を通過して伸側室R1へ移動する。
ここで、緩衝器Dに入力される振動の周波数が低周波であっても高周波であっても緩衝器Dの伸縮作動におけるピストン速度が同じであるとした場合、高周波振動入力時の緩衝器Dの振幅は、低周波振動入力時の緩衝器Dの振幅よりも小さくなる。
このように、緩衝器Dに高周波振動が入力される場合には振幅が小さいので、振動一周期の間に伸側室R1と圧側室R2との間を移動する液体の量が小さくなる。すると、フリーピストン7の変位量が小さくなって、当該フリーピストン7がコイルばね8a,8bから受ける附勢力が小さくなる。このように、コイルばね8a,8bの附勢力が小さい場合には、伸側圧力室P1と圧側圧力室P2の圧力が略同圧となり、伸側室R1と伸側圧力室P1の差圧、及び圧側室R2と圧側圧力室P2の差圧が大きくなる。
よって、高周波振動入力時には、伸側圧力室P1と圧側圧力室P2とを有して構成される上記見掛け上の流路を通過する液体の流量が大きくなり、その分、伸側通路2a及び圧側通路2bを通過する液体の流量が小さくなる。このため、高周波振動時には減衰力調整部4による減衰力低減効果を得られ、緩衝器Dの発揮する減衰力が小さくなる。
その一方、緩衝器Dに低周波振動が入力される場合には、高周波振動入力時と比較して振幅が大きいため、振動一周期の間に伸側室R1と圧側室R2との間を移動する液体の量が大きくなる。すると、フリーピストン7の変位量が大きくなって、当該フリーピストン7がコイルばね8a,8bから受ける附勢力が大きくなる。このように、コイルばね8a,8bの附勢力が大きくなると、その分、伸側圧力室P1と圧側圧力室P2に差圧が生じ、伸側室R1と伸側圧力室P1の差圧、及び圧側室R2と圧側圧力室P2の差圧が小さくなる。
よって、低周波振動入力時には高周波振動入力時と比較して、伸側圧力室P1と圧側圧力室P2とを有して構成される見掛け上の流路を通過する液体の流量が小さくなり、伸側通路2a及び圧側通路2bを通過する液体の流量は大きいまま維持される。このため、低周波振動入力時に緩衝器Dが発揮する減衰力は大きいまま維持される。
以下、本実施の形態に係る緩衝器Dの作用効果について説明する。
本実施の形態に係る緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2に区画するピストン2と、外周にピッチの異なる第一螺子溝3aと第二螺子溝3bが形成されたピストンロッド3と、第一螺子溝3aに螺合されてピストンロッド3にピストン2を固定するピストンナット(第一ナット)5と、ピストン2に設けられて伸側室R1と圧側室R2との間を移動する液体の流れに抵抗を与える伸側バルブ(減衰力発生要素)20及び圧側バルブ(減衰力発生要素)21と、伸側バルブ20及び圧側バルブ21を通過する液体の流量を変更する減衰力調整部4と、第二螺子溝3bに螺合されてピストンロッド3に減衰力調整部4を固定するナット部材(第二ナット)61とを備える。そして、ピストンナット(第一ナット)5とナット部材(第二ナット)61は、加締め(接続手段)により周方向の相対回転を阻止された状態で一体化される。
当該構成によれば、ピストンナット5が螺合する第一螺子溝3aとナット部材61が螺合する第二螺子溝3bのピッチが異なる。このため、ピストンナット5とナット部材61をピストンロッド3の軸回りにそれぞれ回転した場合、回転角が同じであっても軸方向(図2中上下方向)の移動量が異なる。当該移動量の違いから、ピストンナット5とナット部材61を同時には回転させることができない。よって、本実施の形態の緩衝器Dのように、ピストンナット5とナット部材61の周方向の相対回転を不能にすると、これら螺子締結部の緩み止めがなされる。
さらに、上記構成によれば、ピストンナット5とナット部材61の緩み止めをしたとしても、第一螺子溝3aと第二螺子溝3bはピッチが異なるのみで、方向(巻方向)が同じである。このため、ピストンロッド3に正方向と逆方向の螺子溝を形成する必要がなく、ピストンナット5とナット部材61を組み付ける際の回転方向を同じにできる。よって、ピストンロッド3を容易に形成できるとともに、ピストンナット5とナット部材61の組付性を良好にできる。
また、本実施の形態では、ピストンナット(第一ナット)5とナット部材(第二ナット)61が当接し、ナット部材61の締め付けによりピストンナット5に軸方向へ荷重が負荷される。当該構成によれば、ナット部材61の締め付けにより生じる軸力により、減衰力調整部4をピストンロッド3にしっかりと固定できるとともに、ピストンナット5及びナット部材61の緩み止めを確実にできる。
さらに、上記構成によれば、ピストンナット5とナット部材61を加締め(接続手段)により一体化する前の仮組みの状態であっても、ナット部材61が緩み難く、当該ナット部材61でピストンナット5の緩み止めができるので、ピストンナット5とナット部材61が緩み難い。よって、ピストンナット5とナット部材61を加締め(接続手段)により一体化する際に、これらを締め直す手間が省け、組付性を一層良好にできる。
また、本実施の形態では、減衰力調整部4をピストンロッド3に固定するナット部材(第二ナット)61は、ピストン2をピストンロッド3に固定するピストンナット(第一ナット)5よりもピストンロッド3の先端側に設けられる。そして、ナット部材61が螺合される第二螺子溝3bのピッチyの方が、ピストンナット5が螺合される第一螺子溝3aのピッチxよりも小さい(図3)。
ここで、本実施の形態の緩衝器Dのように、ピストンロッド3の先端を減衰力調整部4のハウジング6で覆う場合、ピストンロッド3に減衰力調整部4を装着してからピストンロッド3の先端を加締めてナット部材61の緩み止めをすることができない。
さらに、本実施の形態の緩衝器Dのように、ナット部材61が減衰力調整部4の一部である場合、減衰力調整部4全体をナットとみなすことができる。この場合、減衰力調整部4は、ピストンナット5と比べて質量が大きく、緩衝器Dに作用する外力によりピストンロッド3が回転した場合、慣性力により緩み易い。
また、一般的に、ナットは螺子溝のピッチを小さくした方が緩み難いので、ナット部材61が螺合する第二螺子溝3bのピッチyをピストンナット5が螺合する第一螺子溝3aのピッチxよりも小さくすると、ナット部材61が減衰力調整部4の一部であって、当該減衰力調整部4をピストン2よりもピストンロッド3の先端側に設ける場合であっても、ピストンナット5及びナット部材61の緩み止めを確実にできる。
さらに、上記構成によれば、ピストンナット5とナット部材61の回転角が同じである場合、ピストンロッド3の末端側(図2中上側)に位置するピストンナット5の軸方向の移動量の方が、ナット部材61の軸方向の移動量よりも大きくなる。このため、加締め(接続手段)により一体化され、当接したピストンナット5とナット部材61が緩む方向へ回転した場合、ピストンナット5とナット部材61の当接部に作用する軸方向の荷重が大きくなる。よって、実質的にナット部材61の締め付けによる軸力が大きくなるので、ピストンナット5及びナット部材61の緩み止めの効果が高い。
しかし、第一螺子溝3aのピッチxと第二螺子溝3bのピッチyが異なるピッチになっていれば、どちらのピッチx,yが小さくてもよい。さらに、ピストンロッド3の外周に螺合するピストンナット5とナット部材61のうちのどちらのナットをピストンロッド3の先端側に設けてもよい。加えて、ピストンナット5とナット部材61の間に軸方向に隙間を設けた状態で、ピストンナット5とナット部材61を相対回転不能に一体化してもよい。
また、本実施の形態では、第一螺子溝3aと第二螺子溝3bがピストンロッド3の軸方向に重ならない位置に設けられている。このため、ピストンロッド3の外周にピッチの異なる第一螺子溝3aと第二螺子溝3bを形成するのが容易である。
さらに、本実施の形態のピストンロッド3では、第一螺子溝3aが形成された第一螺子軸31の外径と第二螺子溝3bが形成された第二螺子軸32の外径が異なる。このため、第一螺子溝3aと第二螺子溝3bを軸方向に重ならないように形成するのが容易である。しかし、第一螺子軸31と第二螺子軸32の外径は同じでもよく、第一螺子溝3aと第二螺子溝3bを軸方向に重ねて形成してもよい。
例えば、図5に示す緩衝器D1のピストンロッド3Aの先端部には、末端(段差3c側)から先端へ向けて、ピストン保持軸30と、螺子軸33がこの順に同軸上に設けられている。そして、螺子軸33の外周にピッチの異なる第一螺子溝3aと第二螺子溝3bが重なり合うように形成されており、第一螺子溝3aにピストンナット5が螺合し、第二螺子溝3bにナット部材61が螺合する(図6)。
なお、緩衝器D1のように第一螺子溝3aと第二螺子溝3bを重ねて形成する場合、ピストンロッド3の末端側に位置するピストンナット5が螺合する第一螺子溝3aを螺子軸33の軸方向の全体に形成し、ピストンロッド3の先端側に位置するナット部材61が螺合する第二螺子溝3bを螺子軸33の先端部にのみ第一螺子溝3aに重ねて形成してもよい。
このように、ピストンロッドの外周に形成する二条の螺子溝の形成方法は、適宜変更できる。そして、当該変更は、ピストンロッドの外周に形成された二条の螺子溝の何れのピッチが大きいか、ピストンを固定するための第一ナットと減衰力調整部を固定するための第二ナットのうちの何れのナットをピストンロッドの先端側に配置するか、先端側のナットを締め付けて末端側のナットに荷重を負荷するか否かによらず可能である。
また、本実施の形態では、ピストンナット(第一ナット)5とナット部材(第二ナット)61の周方向の相対回転を阻止した状態で、これらを一体化する接続手段は、加締めである。このため、接続手段が簡易である。
さらに、本実施の形態では、ナット部材61が有底筒状の差込部61bを有し、ピストンナット5が差込部61bに挿入される挿入部5aを有する。そして、挿入部5aの外周形状は六角形状である。その一方、差込部61bにおける筒部61dの内周形状は、ピストンナット5とナット部材61が接続手段で相対回転不能に一体化される前の状態で、挿入部5aの挿入を許容しつつ当該挿入部5aとの周方向の相対回転を許容する形状となっている。
このため、差込部61bに挿入部5aを挿し込んでから差込部61bの筒部を加締めれば、ピストンナット5とナット部材61の周方向の相対回転を阻止し、これらを一体化できる。よって、上記構成によれば、加締めによりピストンナット5とナット部材61を相対回転不能に一体化するのが容易である。さらに、ピストンナット5の挿入部5aの外周形状が六角形状であるので、ピストンナット5を螺合する際、工具等で挿入部5aを掴み易い。加えて、上記構成によれば、挿入部5aの先端を差込部61bの底部61eに突き当てられるので、ナット部材61の締め付けによりピストンナット5に軸方向へ荷重を負荷するのも容易である。
しかし、ナット部材61に挿入部を設け、ピストンナット5に差込部を設けてもよく、挿入部の外周形状をD字状、二面幅形状等の六角形以外の非円形の形状にしてもよい。また、接続手段は加締め以外の手段であってもよい。具体的には、接続手段として、接着、圧入、又はピン止め等を採用できる。
例えば、接続手段が接着である場合であって、ピストンナットとナット部材の一方のナットが挿入部を有し、他方のナットが嵌合部を有する場合、挿入部と嵌合部との間に接着剤を流し入れればよい。そして、接続手段が接着である場合、挿入部の外周形状は、円形であってもよい。
また、接続手段が圧入である場合であって、ピストンナットとナット部材の一方のナットが挿入部を有し、他方のナットが嵌合部を有する場合、挿入部の外周形状と嵌合部の筒部の内周形状のうちの一方の形状をテーパ状にし、他方の形状を円形にすればよい。
このように、接続手段、及び接続手段により第一ナットと第二ナットを相対回転不能に一体化するための構成は適宜変更できる。そして、これらの変更は、ピストンロッドの外周に形成された二条の螺子溝の何れのピッチが大きいか、二条の螺子溝をどのように形成するか、ピストンを固定するための第一ナットと減衰力調整部を固定するための第二ナットのうちの何れのナットをピストンロッドの先端側に配置するか、先端側のナットを締め付けて末端側のナットに荷重を負荷するか否かによらず可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
D,D1・・・緩衝器、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、x・・・第一螺子溝のピッチ、y・・・第二螺子溝のピッチ、1・・・シリンダ、2・・・ピストン、3・・・ピストンロッド、3a・・・第一螺子溝、3b・・・第二螺子溝、4・・・減衰力調整部、5・・・ピストンナット(第一ナット)、20・・・伸側バルブ(減衰力発生要素)、21・・・圧側バルブ(減衰力発生要素)、61・・・ナット部材(第二ナット)
Claims (5)
- シリンダと、
前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて、前記シリンダ内を伸側室と圧側室に区画するピストンと、
外周にピッチの異なる第一螺子溝と第二螺子溝が形成されたピストンロッドと、
前記第一螺子溝に螺合され、前記ピストンロッドに前記ピストンを固定する第一ナットと、
前記ピストンに設けられて前記伸側室と前記圧側室の間を移動する液体の流れに抵抗を与える減衰力発生要素と、
前記減衰力発生要素を通過する液体の流量を変更する減衰力調整部と、
前記第二螺子溝に螺合され、前記ピストンロッドに前記減衰力調整部を固定する第二ナットとを備え、
前記第一ナットと前記第二ナットは、接続手段により周方向の相対回転を阻止された状態で一体化されている
ことを特徴とする緩衝器。 - 前記接続手段は、加締めである
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。 - 前記第一ナットと前記第二ナットが当接し、
前記第一ナットと前記第二ナットのうちの前記ピストンロッドの先端側に設けた一方のナットの締め付けにより、他方のナットに軸方向へ荷重が負荷されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝器。 - 前記第二ナットは、前記第一ナットよりも前記ピストンロッドの先端側に設けられており、
前記第二螺子溝のピッチは、前記第一螺子溝のピッチよりも小さい
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の緩衝器。 - 前記第一螺子溝と前記第二螺子溝は、前記ピストンロッドの軸方向に重ならない位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の緩衝器。
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