JP2018162667A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
Description
或いは、例えば、特許文献3に記載されているように、リム吐水口がボウル部内の側方且つ前後方向の中間位置若しくはそれよりも後方に配置されて、ボウル部内の後方へ向けて吐水するものも知られている。
特に、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器では、リム吐水口が配置されているボウル部内の前方領域が複雑な形状になるため、便座に腰掛けて両脚をやや開いた使用者の視野に入ってしまい、意匠性の低下を招くという問題がある。
また、上述した特許文献2、3に記載されている従来の水洗大便器では、リム吐水口が配置されているボウル部内の後方領域が複雑な形状になるため、便器本体の正面側に立つかしゃがんだ使用者の視野に入ってしまい、意匠性の低下を招くという問題がある。
さらに、上述した特許文献1〜3に記載されている従来の水洗大便器においては、リム吐水口の周辺形状の意匠性のみを重視し過ぎると、リム吐水口から吐水された洗浄水によるボウル部の洗浄性能を維持することが難しくなり、洗浄性能と意匠性をいかに両立させるかが要請された課題となっている。
このように構成された本発明においては、リム吐水部が、ボウル部のリム部に設けられて洗浄水を吐水するリム吐水口をリム部の全周において1つ形成し、このリム吐水口が、前方側領域の左右いずれかのリム部に設けられて洗浄水を後方に吐水するものであるため、リム吐水口から後方に吐水された洗浄水によるボウル部の洗浄性能を維持しつつ、ボウル部よりも前方且つ上方の使用者からリム吐水口を見え難くすることができる。
また、リム内壁面における単一のリム吐水口よりも上側の領域がボウル部の全周に亘って連続的な帯状に形成されていることにより、リム吐水口を隠蔽し易くすることができるため、美観性に優れた水洗大便器を提供することができる。
さらに、ボウル部の前端にリム吐水口が形成される場合に比べ、ボウル部の前端が複雑な形状になりにくく、美観性を向上させることができる。
通常、リム吐水口の隠蔽性を高める程、清掃時におけるリム吐水口の視認性が低下する。一方、本発明においては、リム吐水口の開口端面をボウル部の左右方向に延びる中心軸線と平行に設定したことにより、ボウル部よりも前方且つ上方の使用者側から見たリム吐水口の隠蔽性を保ちつつ、清掃時にしゃがむ等の姿勢で目線をボウル部付近まで低くし、左右いずれかの内のリム吐水口が設けられていない側から見た際には、リム吐水口が視認し易くなるため、清掃具をリム吐水口に当てやすくなる等、清掃性を向上させることができる。
したがって、リム吐水口の隠蔽性と清掃性とを両立させることができる。
このように構成された本発明においては、リム吐水部がリム吐水口の下流側に通水路を形成し、この通水路の流路断面が、棚部の棚面、この棚面の外縁から立ち上がるリム内壁面、及び、このリム内壁面の上方部分に形成されるオーバーハング部分のそれぞれにより形成され、オーバーハング部分が、その下端から斜め上方に且つボウル部の内側に向かって傾斜した傾斜面を形成しているため、ボウル部よりも前方且つ上方の使用者側から見たリム吐水口の隠蔽性を保つことができる。さらに、清掃時にしゃがむ等の姿勢で目線をボウル部付近まで低くした際には、リム吐水口がより視認し易くなるため、清掃具をリム吐水口に当てやすくなる等、清掃性をより向上させることができる。
したがって、リム吐水口の隠蔽性と清掃性とを両立させることができる。
このように構成された本発明においては、リム吐水口が、ボウル部の前端からリム吐水口までの前後方向の距離がボウル部の前端から後端までの距離の20%〜40%になるようにボウル部の前方側領域の左右いずれかのリム部に設けられていることにより、リム吐水口から後方に吐水された洗浄水によるボウル部の洗浄性能を維持しつつ、ボウル部よりも前方且つ上方の使用者側から見て、リム吐水口を隠蔽し易くすることができ、美観性に優れた水洗大便器を提供することができる。
また、清掃時にしゃがむ等の姿勢で目線をボウル部付近まで低くした際には、リム吐水口が視認し易くなるため、清掃具をリム吐水口に当てやすくなる等、清掃性を向上させることができる。
したがって、リム吐水口の隠蔽性と清掃性とを両立させることができる。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体の中央側面断面図であり、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体の平面図である。
また、図3は、本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体について斜め後方から見た斜視図であり、図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図である。
ここで、図1〜図3に示す本実施形態の水洗大便器1においては、便器本体2の上面に便座及び便蓋が設けられていると共に、その後方側には、使用者の局部を洗浄する衛生洗浄部や便器本体2への給水機能に関与する給水系機能部等の機能部等が設けられているが、これらについては図示せず、説明を省略する。
さらに、図1に示すように、便器本体2は、ボウル部10の下方に入口部12aが接続されて、ボウル部10内の汚物を排出する排水路である排水トラップ管路12を備えている。
また、図2に示すように、水洗大便器1の前後左右の方向については、「前」、「後」、「左」、「右」でそれぞれ示している。
そして、図1及び図2に示すように、水洗大便器1のボウル部10における中心O、水平左右方向の中心軸線X、及び鉛直方向の中心軸線Zに対して、前方側、後方側のそれぞれの領域について、「前方側領域F」、「後方側領域B」とそれぞれ定義している。
さらに、図2に示すように、水洗大便器1のボウル部10における中心O、水平前後方向の中心軸線Yに対して、前方から見て左側、右側のそれぞれの領域について、「左側領域L」、「右側領域R」とそれぞれ定義している。
また、このリム通水路14の下流端には、ボウル部10内に洗浄水を後方に吐水して旋回流を形成するリム吐水部の一部として機能する単一のリム吐水口16が形成されている。
すなわち、リム吐水部は、ボウル部10のリム部8に設けられて洗浄水を吐水するリム吐水口16をリム部8の全周において1つ形成し、このリム吐水口16は、ボウル部10の前方側領域F内の右側領域Rのリム部8に設けられて洗浄水を後方に吐水するものである。
さらに、図2に示すように、リム通水路14の上流側は、導水管18に接続されている。この導水管18の上流側は、洗浄水源である水道(図示せず)に直結されており、この水道の給水圧力を利用して、導水管18からリム通水路14内に供給された洗浄水は、リム通水路14内で前方へ導かれ、その後、内側且つ後方側に屈曲し、下流側のリム吐水口16まで導かれるようになっている。
そして、リム吐水口16に導かれた洗浄水は、後方に向けて吐水(リム吐水)され、ボウル部10内を旋回することにより、ボウル部10内に旋回流が形成されるようになっている。
なお、本実施形態の水洗大便器1においては、リム通水路14がボウル部10の右側領域Rのリム部8の内部に設けられていると共に、単一のリム吐水口16がボウル部10の前方側領域F且つ右側領域Rのリム部8の内周側に形成された形態について説明するが、このような形態に限られず、他の形態として、リム通水路14がボウル部10の左側領域Lのリム部8の内部に設けられていると共に、単一のリム吐水口16がボウル部10の前方側領域F且つ左側領域Lのリム部8の内周側に設けられて、リム吐水口16から後方に向けて吐水(リム吐水)が行われるような形態であってもよい。
なお、本実施形態による水洗大便器1においては、リム吐水口16によるリム吐水について水道の給水圧力を利用して行い、ジェット吐水口20によるジェット吐水について加圧ポンプ(図示せず)を制御することにより貯水タンク(図示せず)内の洗浄水を供給する、いわゆる、ハイブリット式の水洗大便器の形態について説明するが、このような形態に限られず、他の形態についても適用可能である。また、ジェット吐水口20によるジェット吐水について省略した形態であってもよい。
まず、図2に示すように、ボウル部10の前方側領域F且つ右側領域Rのリム部8の内周側に形成された単一のリム吐水口16は、ボウル部10内の前端10aからリム吐水口16までの前後方向の距離Y1がボウル部10内の前端10aから後端10bまでの距離Y2の30%の位置に設けられている。
また、図2に示すように、リム吐水口16は、その開口端面A1がボウル部10の左右方向に延びる中心軸線Xと平行になるように形成されている。
これらにより、ボウル部10よりも前方且つ上方の使用者側から見たリム吐水口16の隠蔽性を保つことができるようになっている。また、清掃時にしゃがむ等の姿勢で目線をボウル部10付近まで低くした際には、リム吐水口16が視認し易くなるため、清掃具をリム吐水口16に当てやすくなる等、清掃性を向上させることができるようになっている。
なお、ボウル部10内の前端10aからリム吐水口16までの前後方向の距離Y1については、ボウル部10内の前端10aから後端10bまでの距離Y2の20%〜40%になるように設定されていることが好ましく、25%〜35%になるように設定されていることが最も好ましい。
図1〜図4に示すように、リム吐水口16の下流側には、リム吐水部の一部としても機能する通水路22が形成されている。
また、図4に示すように、通水路22の流路断面A2については、棚部6の棚面6b、この棚面6bの外縁6a付近から立ち上がるリム内壁面8a、及び、このリム内壁面8aの上方部分に形成されるオーバーハング部分8bのそれぞれにより形成されている。
さらに、オーバーハング部分8bは、その下端8cから斜め上方に且つボウル部10の内側に向かって傾斜した傾斜面S1を形成している。
なお、ここでいう「帯状」とは、例えば、リム吐水口16の上下方向の大きさよりも広い範囲で平坦に広がった領域である。
まず、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、リム吐水部が、ボウル部10のリム部8に設けられて洗浄水を吐水するリム吐水口16をリム部8の全周において1つ形成し、このリム吐水口16は前方側領域F内の右側領域Rのリム部8に設けられて洗浄水を後方に吐水するものであるため、リム吐水口16から後方に吐水された洗浄水によるボウル部10の洗浄性能を維持しつつ、ボウル部10よりも前方且つ上方の使用者や便座(図示せず)に座った状態の使用者からリム吐水口16を見え難くすることができる。
また、リム内壁面8aにおける単一のリム吐水口16よりも上側の領域U1がボウル部10の全周に亘って連続的な帯状に形成されていることにより、リム吐水口16を隠蔽し易くすることができるため、美観性に優れた水洗大便器1を提供することができる。
さらに、ボウル部10の前端10aにリム吐水口16が形成される場合に比べ、ボウル部10の前端10aが複雑な形状になりにくく、美観性を向上させることができる。
したがって、例えば、開口端面がリム吐水口から吐水される洗浄水の吐水方向と直交する場合(開口端面がボウル部の外側から中心側へ向けて後方に傾いている場合)、リム吐水口の隠蔽性は高くなるが、清掃時にボウル部を後方側から覗き込まなければリム吐水口を視認しにくく、清掃性が低下するのに比べ、本実施形態においては、リム吐水口16の隠蔽性と清掃性とを両立させることができる。
さらに、清掃時にしゃがむ等の姿勢で目線をボウル部10付近まで低くした際には、リム吐水口16がより視認し易くなるため、清掃具をリム吐水口16に当てやすくなる等、清掃性をより向上させることができる。
したがって、リム吐水口16の隠蔽性と清掃性とを両立させることができる。
また、清掃時にしゃがむ等の姿勢で目線をボウル部10付近まで低くした際には、リム吐水口16が視認し易くなるため、清掃具をリム吐水口16に当てやすくなる等、清掃性を向上させることができる。
したがって、リム吐水口16の隠蔽性と清掃性とを両立させることができる。
2 便器本体
4 汚物受け面
4a 汚物受け面の上縁
6 棚部
6a 棚部(棚面)の外縁
6b 棚面
8 リム部
8a リム内壁面
8b オーバーハング部分
8c オーバーハング部分の下端
10 ボウル部
10a ボウル部の前端
10b ボウル部の後端
12 排水トラップ管路
12a 入口部
14 リム通水路(リム吐水部)
16 リム吐水口(リム吐水部)
18 導水管
20 ジェット吐水口
22 通水路(リム吐水部)
A1 リム吐水口の開口端面
A2 リム吐水口の下流側の通水路の流路断面
B ボウル部の後方側領域
L ボウル部の左側領域
F ボウル部の前方側領域
O ボウル部の中心
R ボウル部の右側領域
S1 オーバーハング部分の傾斜面
U1 リム内壁面におけるリム吐水口よりも上側の領域
X ボウル部の水平左右方向の中心軸線
Y ボウル部の水平前後方向の中心軸線
Y1 ボウル部内の前端からリム吐水口までの前後方向の距離
Y2 ボウル部内の前端から後端までの距離
Z ボウル部の中心を通る鉛直方向の中心軸線
Claims (4)
- 洗浄水源から供給される洗浄水によって洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
ボウル形状の汚物受け面と、この汚物受け面の上縁に形成される棚部と、この棚部の外縁から立ち上がるリム内壁面を形成するリム部と、を備えたボウル部と、
上記ボウル部内に洗浄水を吐水するリム吐水部と、を有し、
上記ボウル部は、このボウル部を前後方向に二等分する左右方向に延びる中心軸線に対して前方側及び後方側にそれぞれ形成される前方側領域及び後方側領域をそれぞれ備えており、
上記リム吐水部は、上記ボウル部の上記リム部に設けられて洗浄水を吐水するリム吐水口を上記リム部の全周において1つ形成し、上記リム吐水口は上記前方側領域の左右いずれかの上記リム部に設けられて洗浄水を後方に吐水するものであり、
上記リム内壁面における上記リム吐水口よりも上側の領域は、上記ボウル部の全周に亘って連続的な帯状に形成されていることを特徴とする水洗大便器。 - 上記リム吐水口の開口端面は、上記左右方向に延びる中心軸線と平行に設定されている請求項1記載の水洗大便器。
- 上記リム吐水部は、上記リム吐水口の下流側に通水路を形成し、この通水路の流路断面は、上記棚部の棚面、この棚面の外縁から立ち上がる上記リム内壁面、及び、このリム内壁面の上方部分に形成されるオーバーハング部分のそれぞれにより形成され、
上記オーバーハング部分は、その下端から斜め上方に且つ上記ボウル部の内側に向かって傾斜した傾斜面を形成している請求項1又は2に記載の水洗大便器。 - 上記リム吐水口は、上記ボウル部の前端から上記リム吐水口までの前後方向の距離が上記ボウル部の前端から後端までの距離の20%〜40%になるように上記ボウル部の前方側領域の左右いずれかの上記リム部に設けられている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
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