以下では、本発明の第一実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
図1に示す電力供給システム1は、系統電源Kからの電力や、太陽光を利用して発電された電力を負荷Hへと供給するものである。第一実施形態に係る電力供給システム1は、集合住宅に設けられ、当該集合住宅の負荷H(例えば、複数の住宅の機器等)へと電力を供給する。電力供給システム1は、主として第一蓄電システム10、第二蓄電システム20、第三蓄電システム30及び制御部40を具備する。
第一蓄電システム10は、太陽光を利用して発電された電力を蓄電したり、負荷Hへと供給するものである。第一蓄電システム10は、太陽光発電部11、蓄電池12、ハイブリッドパワコン13及びセンサ14を具備する。
太陽光発電部11は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電部11は、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電部11は、例えば、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。
蓄電池12は、電力を充電可能に構成されるものである。蓄電池12は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。蓄電池12は、後述するハイブリッドパワコン13等を介して太陽光発電部11と接続される。なお、蓄電池12は、第一実施形態において、その最大放電量が2000(W)であるものとする。最大放電量とは、蓄電池12が単位時間当たりに放電可能な最大の電力量を指す。
ハイブリッドパワコン13は、電力を適宜変換するもの(ハイブリッドパワーコンディショナ)である。ハイブリッドパワコン13は、太陽光発電部11で発電された電力及び蓄電池12から放電された電力を負荷Hに出力可能であると共に、太陽光発電部11で発電された電力及び系統電源Kからの電力を蓄電池12に出力可能に構成される。ハイブリッドパワコン13は、系統電源Kから負荷Hへと電力を供給する電力経路Lの第一接続点P1と接続される。
センサ14は、電力経路Lにおいて、第一接続点P1と後述する第二蓄電システム20が接続される第二接続点P2との間に設けられる。センサ14は、設けられた箇所を流通する電力(例えば、負荷H及び蓄電池12へと供給される電力)の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。センサ14は、ハイブリッドパワコン13と接続され、検出結果に関する信号をハイブリッドパワコン13へ出力可能に構成される。
第二蓄電システム20は、第一蓄電システム10よりも電力経路Lの上流側(系統電源K側)の第二接続点P2に接続される点を除いて、第一蓄電システム10と同様に構成される。
第三蓄電システム30は、第二蓄電システム20よりも電力経路Lの上流側の第三接続点P3に接続される点を除いて、第一蓄電システム10と同様に構成される。
制御部40は、第一蓄電システム10から第三蓄電システム30までの情報を管理すると共に、第一蓄電システム10から第三蓄電システム30までの動作を制御するものである。制御部40は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置、並びにタッチパネル等の入出力装置等により構成される。制御部40は、太陽光発電部11・21・31で発電された電力の出力や、蓄電池12・22・32の充放電を制御することができる。また、制御部40は、プログラムや種々の情報を前記記憶装置に格納しており、当該プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、電力供給システム1の動作等を実行することができる。このような制御部40は、例えば、EMS(Energy Management System)によって構成される。
また、制御部40は、ハイブリッドパワコン13・23・33と接続される。制御部40は、ハイブリッドパワコン13・23・33から出力された信号により、センサ14・24・34の検出結果や太陽光発電部11・21・31及び蓄電池12・22・32の運転状態に関する情報を取得することができる。
以下では、上述の如く構成された電力供給システム1において、蓄電池12・22・32及び負荷Hへ電力を供給する流れについて、簡単に説明する。
系統電源Kや太陽光発電部11・21・31からの電力は、電力経路Lを介して負荷Hへ供給される。こうして、住宅の居住者は、系統電源Kや、太陽光発電部11・21・31からの電力を用いて照明を点灯させたり、調理器具やエアコンを使用したりすることができる。
この場合において、負荷Hの消費電力が太陽光発電部11・21・31からの電力で賄える場合には、系統電源Kからの電力を用いないことも可能である。このようにして系統電源Kからの買電量を減少させ、電力料金を節約することができる。
また、系統電源Kや太陽光発電部11・21・31からの電力は、適宜の時間帯に蓄電池12・22・32に供給することができる。蓄電池12・22・32に供給された電力は、当該蓄電池12・22・32に充電することができる。蓄電池12・22・32が充電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば、前記時間帯を深夜に設定すれば、料金の安い深夜電力を蓄電池12・22・32に充電することができる。また、前記時間帯を昼間の時間帯に設定すれば、太陽光発電部11・21・31からの電力を蓄電池12・22・32に充電することができる。
また、蓄電池12・22・32に充電された電力は、電力経路Lを介して負荷Hへ供給することができる。具体的には、蓄電池12・22・32を放電すると、当該放電された電力が電力経路Lを介して負荷Hに供給される。蓄電池12・22・32が放電される時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば、前記時間帯を昼間の時間帯に設定すれば、蓄電池12・22・32に充電した料金の安い深夜電力を当該昼間の時間帯に用いることができる。こうして、昼間の時間帯に系統電源Kからの電力量(買電量)を減少させ、電力料金を節約することができる。
このような負荷Hへの電力の供給において、ハイブリッドパワコン13・23・33は、センサ14・24・34の検出結果に基づいて蓄電池12・22・32の放電量を決定する負荷追従運転を行う。当該負荷追従運転により、下流側に配置される第一蓄電システム10から負荷Hへ電力が優先的に供給される。また、第一蓄電システム10からの電力で負荷Hの消費電力を賄えない場合、第二蓄電システム20から電力が供給される。それでも負荷Hの消費電力を賄えない場合、第三蓄電システム30から電力が供給される。このように、電力供給システム1においては、蓄電池12・22・32が負荷追従運転可能(放電可能)である場合に、下流側に配置される蓄電池が優先的に放電される。
また、蓄電池12・22・32は、放電に関する運転状態(モード)として、充電モード及び停止モード等を有する。放電モードは、蓄電池12・22・32が放電可能な状態となるモードである。放電モードに切り替えられた蓄電池12・22・32は、必要に応じて電力を放電することができる。停止モードは、蓄電池12・22・32が充放電不能な状態となるモードである。停止モードに切り替えられた蓄電池12・22・32は、充放電が停止される。制御部40は、ハイブリッドパワコン13・23・33に信号を入力することで、このような放電モード及び停止モードの切替を行うことができる。
仮に、蓄電池12・22・32が放電モードである場合においては、図2に示すように、太陽光発電部21・31による売電と蓄電池12の放電とが同時に行われる可能性がある。
図2に示す状態においては、太陽光発電部11・21・31の発電量がそれぞれ1000(W)であると共に、負荷Hの消費電力量が3000(W)となっている。このような状態において、第一蓄電システム10の太陽光発電部11からの電力(1000(W))は、負荷Hに供給される。この際、センサ14は、太陽光発電部11からの電力では負荷Hの消費電力に対して不足する電力(2000(W))を検出し、その検出結果に関する信号をハイブリッドパワコン13に送信する。ハイブリッドパワコン13は、センサ14の検出結果に基づいて、放電量が2000(W)となるように蓄電池12を放電させる。これによって、負荷Hは、第一蓄電システム10からの電力によって消費電力が賄われることとなる。
このような状態において、第一蓄電システム10よりも上流側に配置される第二蓄電システム20及び第三蓄電システム30は、太陽光発電部21・31で発電した電力を逆潮流(売電)させる。この場合、太陽光発電部11・21・31で発電された電力(合計3000(W))で負荷Hの消費電力(3000(W))を賄えるにも関わらず蓄電池12を放電させることとなるため、太陽光発電部21・31で発電された電力を負荷Hで有効に活用することができなくなってしまう。
以上のように、蓄電池12・22・32が放電モードである場合においては、蓄電池12(下流側の蓄電池)からの電力が太陽光発電部21・31(上流側の太陽光発電部)からの電力よりも優先的に負荷Hに供給されてしまう。これにより、太陽光発電部21・31による売電と蓄電池12の放電とが同時に行われてしまう。当該売電と放電とは、蓄電池12が放電モードである場合に他の蓄電池22・32のモードに関わらず行われる可能性がある。また、蓄電池22を放電させることで負荷Hの消費電力を賄うことができた場合にも、太陽光発電部31による売電と蓄電池12・22の放電とが同時に行われてしまう。以下では、このような太陽光発電部11・21・31の少なくともいずれか1台による売電と、蓄電池12・22・32の少なくともいずれか1台の放電と、が同時に行われている状態(例えば、図2に示すような状態)を「売電放電状態」と称する。
第一実施形態に係る電力供給システム1は、図3に示す売電放電抑制処理を行うことで売電放電状態となることを抑制し、太陽光発電部11・21・31で発電された電力を有効に活用することができるようにしている。
以下では、図3から図6までを参照して、売電放電抑制処理について説明する。
売電放電抑制処理は、制御部40により繰り返し実行される。なお、以下においては、初期設定において、蓄電池12・22・32に対して放電モードが設定されているものとして、売電放電抑制処理の内容を説明する。
図3に示すように、まず、ステップS10において、制御部40は、売電状態であるか否かを確認する。第一実施形態において、売電状態とは、太陽光発電部11・21・31の少なくともいずれか1台からの電力を系統電源Kへと逆潮流させている状態を指す。前述の如く、負荷Hには、第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20からの電力で消費電力を賄えない場合に、第三蓄電システム30から電力が供給される。この場合、太陽光発電部11・21・31の発電量や負荷Hの消費電力に応じて、第三蓄電システム30の太陽光発電部31のみが売電する。また、太陽光発電部31は、第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20からの電力で負荷Hの消費電力を賄える場合、第一蓄電システム10からの電力で負荷Hの消費電力を賄える場合のいずれにおいても売電する。このように、電力供給システム1においては、売電状態となる場合に、必ず第三蓄電システム30の太陽光発電部31が売電している。よって、第三蓄電システム30の太陽光発電部31が売電していなければ、その下流側に配置される第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20の太陽光発電部11・21も売電していないこととなる。そこで、制御部40は、第三蓄電システム30のハイブリッドパワコン33からセンサ34の検出結果を取得することで、売電状態であるか否かを確認する。制御部40は、売電状態であると判断した場合にステップS20へ移行する。一方、制御部40は、売電状態でないと判断した場合にステップS60へ移行する。
ステップS20において、制御部40は、第一蓄電システム10の蓄電池12(最も下流側に配置される蓄電池)が放電モードであるか否かを確認する。このとき、制御部40は、第一蓄電システム10のハイブリッドパワコン13から蓄電池12のモードを取得することで、蓄電池12が放電モードであるか否かを確認する。制御部40は、蓄電池12が放電モードであると判断した場合にステップS30へ移行する。一方、制御部40は、蓄電池12が放電モードでないと判断した場合にステップS40へ移行する。
ステップS30において、制御部40は、第一蓄電システム10のハイブリッドパワコン13に信号を入力し、蓄電池12を停止モードに設定する。これにより、制御部40は、売電状態である場合に(ステップS10:YES)、蓄電池12の放電を停止させる。これによって、制御部40は、負荷Hの消費電力のうち、第一蓄電システム10の蓄電池12で賄っていた分の電力を、第二蓄電システム20で賄うようにすることができる。制御部40は、ステップS30の処理が終了すると、売電放電抑制処理を終了する。
ステップS40において、制御部40は、ステップS20と同じ要領で、第二蓄電システム20の蓄電池22(第一蓄電システム10の蓄電池よりも一つ上流側に配置される蓄電池)が放電モードであるか否かを確認する。制御部40は、蓄電池22が放電モードであると判断した場合にステップS50へ移行する。一方、制御部40は、蓄電池22が放電モードでないと判断した場合に売電放電抑制処理を終了する。
ステップS50において、制御部40は、第二蓄電システム20のハイブリッドパワコン23に信号を入力し、蓄電池22を停止モードに設定する。これにより、制御部40は、蓄電池22の放電を停止させる。これによって、制御部40は、負荷Hの消費電力のうち、第二蓄電システム20の蓄電池22で賄っていた分の電力を、第三蓄電システム30で賄うようにすることができる。制御部40は、ステップS50の処理が終了すると、売電放電抑制処理を終了する。
図4に示すように、制御部40は、以上のようなステップS20〜S50の処理により、売電状態である場合(ステップS10:YES)に蓄電池12・22の放電を停止させることができる。これによれば、制御部40は、太陽光発電部11・21・31からの電力(それぞれ1000(W))を負荷Hに優先的に供給することができる。これにより、制御部40は、売電放電状態となることを抑制し、売電していた電力を負荷Hで有効に活用することができる。
ここで、複数の蓄電池が放電モードである場合においては、下流側に配置される蓄電池(例えば、蓄電池12)が優先的に放電されて放電量が多くなり易い。そこで、制御部40は、売電状態である場合に、このような下流側に配置される蓄電池の放電を優先的に停止することで(ステップS20〜S50)、当該蓄電池の放電量を抑制することができる。これによれば、制御部40は、蓄電池12・22・32の放電量が偏ることを抑制できる。
また、売電放電状態となった場合、蓄電池12・22の放電によって逆潮流させる電力量を押し上げてしまうことから、電力会社が買い取る電力の単価が売電放電状態でない場合の電力の単価よりも低くなってしまう。そこで、ステップS10〜S50によって売電放電状態を抑制すれば、電力の単価が下がることを抑制できる。
なお、太陽光発電部11・21・31からの電力で負荷Hの消費電力を賄える場合、第三蓄電システム30の蓄電池32は放電しない(売電放電状態の要因とならない)。このため、制御部40は、売電状態である場合(ステップS10:YES)に蓄電池12・22が放電モードでなければ(ステップS20:NO、ステップS40:NO)、蓄電池32に対して処理を行わずに売電放電抑制処理を終了している。また、図5に示すように、蓄電池32は、太陽光発電部11・21・31からの電力(合計3000(W))で負荷Hの消費電力(4000+a(W))を賄えない場合に、センサ34の検出結果に応じた負荷追従運転を行う(放電する)。なお、図5に示す状態において、蓄電池12・22は、停止モードに設定されている。
また、図5に示すように、ハイブリッドパワコン33は、蓄電池32の放電によって負荷Hの消費電力を賄える場合に、蓄電池32の放電量を調整して所定量の電力を系統電源Kから購入する。これにより、ハイブリッドパワコン33は、太陽光発電部11・21・31の発電量及び負荷Hの消費電力の僅かな変動によって、蓄電池32の放電中に電力が逆潮流しないようにしている。以下においては、このような蓄電池32の放電時に購入する電力量を「放電時購入電力量a」と称する。
図3に示すように、売電状態でない場合にステップS10から移行するステップS60において、制御部40は、太陽光発電部11・21・31や蓄電池12・22・32(以下では、「太陽光発電部11・21・31等」と称する)からの電力で負荷Hの消費電力を賄えているか否かを確認する。仮に、太陽光発電部11・21・31等からの電力で負荷Hの消費電力を賄えなくなった場合、当該賄えなくなった分の電力を系統電源Kから購入することとなる。この場合、買電量は、放電時購入電力量aから増えることとなる。よって、買電量が放電時購入電力量aよりも大きいか否かを確認すれば、太陽光発電部11・21・31等からの電力で負荷Hの消費電力を賄えているか否かを確認することができる。そこで、制御部40は、第三蓄電システム30のハイブリッドパワコン33からセンサ34の検出結果を取得することで買電量を判断し、当該買電量と放電時購入電力量aとを比較する。制御部40は、買電量が放電時購入電力量aよりも大きいと判断した場合に、ステップS70へと移行する。一方、制御部40は、買電量が放電時購入電力量a以下であると判断した場合に、後述する放電変更処理へと移行する。
ステップS70において、制御部40は、ステップS40と同様に、第二蓄電システム20の蓄電池22が放電モードであるか否かを確認する。制御部40は、蓄電池22が放電モードでないと判断した場合にステップS80へ移行する。一方、制御部40は、蓄電池22が放電モードであると判断した場合にステップS90へ移行する。
ステップS80において、制御部40は、ステップS50と同じ要領で、第二蓄電システム20の蓄電池22を放電モードに設定する。これにより、制御部40は、買電量が放電時購入電力量aよりも大きい場合に(ステップS60:YES)、蓄電池22を放電させる。
例えば、図5に示すような状態(蓄電池12・22が停止モードである状態)で、太陽光発電部11・21・31の発電量が減ったり負荷Hの消費電力が増えると、蓄電池32を最大放電量(2000(W))で放電させても負荷Hの消費電力を賄えなくなる可能性がある。この場合、系統電源Kから電力を購入することとなって、買電量が放電時購入電力量aよりも大きくなる(ステップS60:YES)。制御部40は、このような場合にステップS80へと移行するようにして(ステップS70:NO)、第二蓄電システム20の蓄電池22を放電させる。これによれば、負荷Hの消費電力に対して太陽光発電部11・21・31及び蓄電池32からの電力では不足する電力を、蓄電池22で賄うことができる。なお、ハイブリッドパワコン33は、蓄電池22の放電により前記不足する電力を賄える場合、放電時購入電力量aの電力を系統電源Kから購入する。制御部40は、ステップS80の処理が終了すると、売電放電抑制処理を終了する。
図3に示すように、ステップS90において、制御部40は、ステップS20と同様に、第一蓄電システム10の蓄電池12が放電モードであるか否かを確認する。制御部40は、蓄電池12が放電モードでないと判断した場合にステップS100へ移行する。一方、制御部40は、蓄電池12が放電モードであると判断した場合に売電放電抑制処理を終了する。
ステップS100において、制御部40は、ステップS30と同じ要領で、第一蓄電システム10の蓄電池12を放電モードに設定する。これにより、制御部40は、買電量が放電時購入電力量aよりも大きく、かつ第二蓄電システム20の蓄電池22が放電モードである場合に(ステップS60:YES、ステップS70:YES)、蓄電池12を放電させる。これによれば、負荷Hの消費電力に対して太陽光発電部11・21・31及び蓄電池22・32からの電力では不足する電力を、蓄電池12で賄うことができる。なお、ハイブリッドパワコン33は、蓄電池12の放電により前記不足する電力を賄える場合、放電時購入電力量aの電力を系統電源Kから購入する。制御部40は、ステップS100の処理が終了すると、売電放電抑制処理を終了する。
図6に示すように、制御部40は、以上のようなステップS70〜S100の処理により、太陽光発電部11・21・31及び蓄電池32からの電力では負荷Hの消費電力(10000(W))を賄えない場合に(ステップS60:YES)、蓄電池12・22を放電させることができる。これによって、太陽光発電部11・21・31の発電中に売電放電状態となることなく、蓄電池12・22を放電させることができる。これによれば、太陽光発電部11・21・31の電力を有効に活用しつつ、必要なときに蓄電池12・22を放電させて買電量を抑制することができる。なお、図6に示す状態においては、蓄電池12・22・32が最大放電量(2000(W))を放電しても負荷Hの消費電力を賄えず、1000(W)の電力を系統電源Kから購入している。
また、制御部40は、太陽光発電部11・21・31及び蓄電池32からの電力では負荷Hの消費電力を賄えない場合に、蓄電池12・22のうち、上流側に配置される蓄電池22(蓄電池12・22・32が放電モードである場合に放電量が少なくなり易い蓄電池)を優先的に放電させる。これにより、制御部40は、上流側に配置される蓄電池を積極的に放電させるようにしている。これによれば、制御部40は、蓄電池12・22・32の放電量が偏ることを抑制できる。
ここで、図6に示す状態から負荷Hの消費電力が減る等して、負荷Hの消費電力を太陽光発電部11・21・31及び蓄電池12・22・32からの電力で賄えるようになると、上流側の蓄電池の放電量が減ることとなる。具体的には、図7に示すように、負荷Hの消費電力量が10000(W)から7500+a(W)まで減った場合、第三蓄電システム30の蓄電池32の放電量が2000(W)から500(W)まで減少することとなる。このように、太陽光発電部11・21・31等からの電力で負荷Hの消費電力を賄っている場合においても、特段の処理を行わなければ、下流側に配置される蓄電池12の放電量が多くなって、放電量が偏る可能性がある。そこで、電力供給システム1は、図8に示す放電変更処理により、このような放電量の偏りを抑制するようにしている。なお、以下においては、このような太陽光発電部11・21・31等からの電力で負荷Hの消費電力を賄っている状態を「自己完結状態」と称する。
以下では、図8及び図9を参照して、放電変更処理について説明する。
放電変更処理は、放電させる蓄電池12・22・32を適宜変更することで、自己完結状態である場合に、放電量の偏りを抑制するための処理である。放電変更処理は、図3に示す売電放電抑制処理の一部を成す処理であり、ステップS60で買電量が放電時購入電力量a以下である場合(ステップS10:NO、ステップS60:NO)に実行される。
図8に示すように、ステップS110において、制御部40は、ハイブリッドパワコン13・23・33から蓄電池12・22・32の放電量を取得する。制御部40は、ステップS110の処理が終了すると、ステップS120へ移行する。
ステップS120において、制御部40は、必要放電台数Bを計算する。必要放電台数Bは、負荷Hの消費電力を賄うのに必要な蓄電池12・22・32の台数を示す変数である。制御部40は、蓄電池12・22・32の放電量の総和から蓄電池12・22・32の最大放電量を除算することで、必要放電台数Bを算出する。制御部40は、ステップS120の処理が終了すると、ステップS130へ移行する。
ステップS130において、制御部40は、必要放電台数Bが2よりも大きいか否かを確認する。制御部40は、必要放電台数Bが2以下である場合に、ステップS140へ移行する。一方、制御部40は、必要放電台数Bが2よりも大きい場合、蓄電池12・22・32が全て放電していて放電させる蓄電池12・22・32を変更できないと判断し、放電変更処理を終了する。
ステップS140において、制御部40は、必要放電台数Bが2以下、かつ1よりも大きいか否かを確認する。制御部40は、必要放電台数Bが2以下、かつ1よりも大きい場合に、ステップS150へ移行する。一方、制御部40は、必要放電台数Bが2よりも大きい、又は1以下の場合に、ステップS160へ移行する。なお、必要放電台数Bが2よりも大きい場合、ステップS130からステップS140へ移行しないため、制御部40は、実質的には必要放電台数Bが1以下の場合にステップS160へ移行することとなる。
ステップS150において、制御部40は、第二蓄電システム20及び第三蓄電システム30の蓄電池22・32を放電モードに設定すると共に、第一蓄電システム10の蓄電池12を停止モードに設定する。必要放電台数Bが2以下、かつ1よりも大きい場合、蓄電池12・22・32の中から2台を放電させれば、負荷Hの消費電力を賄うことができる。そこで、制御部40は、上流側に配置される2台の蓄電池22・32を放電させると共に、下流側に配置される蓄電池12の放電を停止する。これによって、制御部40は、蓄電池22・32を優先的に放電させるように、放電させる蓄電池12・22・32を変更する。制御部40は、ステップS150の処理が終了すると、放電変更処理を終了する。
ステップS160において、制御部40は、第三蓄電システム30の蓄電池32を放電モードに設定すると共に、第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20の蓄電池12・22を停止モードに設定する。必要放電台数Bが1以下である場合、蓄電池12・22・32の中から1台を放電させれば、負荷Hの消費電力を賄うことができる。そこで、制御部40は、最も上流側に配置される蓄電池32のみを放電させると共に、下流側に配置される蓄電池12・22の放電を停止する。これによって、制御部40は、蓄電池32を優先的に放電させるように、放電させる蓄電池12・22・32を変更する。制御部40は、ステップS160の処理が終了すると、放電変更処理を終了する。
以上のように、制御部40は、放電変更処理において、上流側に配置される蓄電池が上位となるように放電に関する優先順位を設定し、当該優先順位に基づいて放電させる蓄電池12・22・32を変更している。このような放電変更処理により、図9に示すように、制御部40は、自己完結状態である場合に、上流側に配置される蓄電池22・23を優先的に放電させることができる。これによれば、特段の処理を行わなければ放電量が少なくなり易い蓄電池22・32を、自己完結状態において積極的に放電させることができる。このため、制御部40は、蓄電池12・22・32の放電量の偏りを抑制できる。
また、制御部40は、必要放電台数Bを算出することで(ステップS120)、最低何台の蓄電池12・22・32を放電させればよいかを把握することができる。このため、制御部40は、把握した台数と同一台数の蓄電池12・22・32の放電を許可すれば、放電させる蓄電池12・22・32の台数を最小の台数にまで絞ることができる。
また、第一実施形態に係る制御部40は、必要放電台数B(放電量の総和から最大放電量を除算した結果)の小数点第1位を切り上げた値を、放電を許可する蓄電池12・22・32の台数としている(ステップS130〜S160)。これによれば、制御部40は、最低何台の蓄電池12・22・32を放電させればよいかを簡単に把握することができる。
また、第一実施形態に係る電力供給システム1は、第三接続点P3(最も上流側の接続点)に太陽光発電部31及び蓄電池32をまとめて接続し、さらにその上流側に1台のセンサ34を設けている。これによれば、センサ34の検出結果から売電状態や自己完結状態等を判断できると共に、センサ34の検出結果から蓄電池32の負荷追従運転を行うことができる。これによって、電力供給システム1は、自己完結状態等の判断を行うためのセンサと蓄電池32の負荷追従運転を行うためのセンサとを別々に設けなくて済むため、部品点数を削減し、コストを低減することができる。
以上の如く、第一実施形態に係る電力供給システム1は、自然エネルギーを利用して発電可能であると共に当該発電された電力を負荷Hへと供給可能な太陽光発電部11・21・31(発電部)と、前記太陽光発電部11・21・31で発電された電力及び系統電源Kからの電力を充電可能であると共に、当該充電された電力を放電して前記負荷Hへと供給可能な複数の蓄電池12・22・32と、前記系統電源Kへと逆潮流される電力及び前記系統電源Kからの電力を検出可能なセンサ34(検出部)と、前記センサ34の検出結果を取得可能であると共に前記複数の蓄電池12・22・32を制御可能に構成される制御部40と、を具備し、前記制御部40は、前記センサ34の検出結果に基づいて前記太陽光発電部11・21・31及び前記複数の蓄電池12・22・32からの電力で前記負荷Hの消費電力を賄っている自己完結状態であるか否かを判断し(ステップS10:NO、ステップS60:NO)、当該自己完結状態であると判断した場合に、前記複数の蓄電池12・22・32の放電に関する優先順位に基づいて放電を許可する前記蓄電池12・22・32を変更する(ステップS150・S160)ものである。
このように構成することにより、自己完結状態において放電量が少ない蓄電池12・22・32を優先的に放電させることが可能となるため、蓄電池12・22・32の放電量の偏りを抑制できる。
また、制御部40は、前記自己完結状態であると判断した場合に、前記複数の蓄電池12・22・32の放電量の総和及び最大放電量に基づいて放電を許可する前記蓄電池12・22・32の台数を決定する(ステップS120)ものである。
このように構成することにより、最低何台の蓄電池12・22・32を放電させる必要があるのかを把握することができる。これにより、例えば、最低2台放電させる必要があるのに対して1台の放電を許可してしまい、放電量が足りなくなるといった不具合の発生を抑制できる。これによって、放電を許可する蓄電池12・22・32の台数を好適に決定することができる。
また、前記制御部40は、必要放電台数B(前記放電量の総和から前記最大放電量を除算した結果)に基づいて、前記負荷Hの消費電力を賄うために必要な前記蓄電池12・22・32の台数の最小値を判断し、前記放電を許可する蓄電池12・22・32の台数を前記最小値に決定するものである。
このように構成することにより、放電を許可する蓄電池12・22・32の台数を最小の台数にまで絞ることができる。
また、前記系統電源Kと前記負荷Hとの間で流通する電力を検出可能な複数のセンサ14・24をさらに具備し、前記複数の蓄電池12・22・32は、前記系統電源Kから前記負荷Hへと電力が流通する方向に並んで配置され、前記複数のセンサ14・24・34の検出値に基づいて負荷追従運転を行うことで前記負荷Hへと電力を供給可能に構成され、前記制御部40は、前記自己完結状態であると判断した場合に、前記複数の蓄電池12・22・32のうち、前記電力が流通する方向の上流側に配置される前記蓄電池12・22・32の放電を優先的に許可する(ステップS150・S160)ものである。
このように構成することにより、自己完結状態において、特段の制御を行わなければ下流側の蓄電池12・22・32から優先的に放電されるところを、上流側の蓄電池12・22・32から優先的に放電させることができる。これによって、蓄電池12・22・32の放電量の偏りを抑制できる。
なお、第一実施形態に係る太陽光発電部11・21・31は、本発明に係る発電部の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係るセンサ34は、本発明に係る検出部の実施の一形態である。
次に、第二実施形態に係る電力供給システム101について説明する。
なお、以下において、第一実施形態に係る電力供給システム1と同様に構成される機器については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10に示すように、第二実施形態に係る電力供給システム101は、第一蓄電システム10、第二蓄電システム20、第三蓄電システム30、第四蓄電システム140及び制御部150を具備する。このように、電力供給システム101は、蓄電システムの台数が一台多い点で、第一実施形態に係る電力供給システム1と相違する。
第四蓄電システム140は、第三蓄電システム30よりも電力経路Lの上流側の第四接続点P4に接続される点を除いて、第一蓄電システム10と同様に構成される。
制御部150は、ハイブリッドパワコン13・23・33・143と接続される点を除いて、第一実施形態に係る制御部40と同様に構成される。制御部150は、ハイブリッドパワコン13・23・33・143から出力された信号により、センサ14・24・43・144の検出結果や太陽光発電部11・21・31・141及び蓄電池12・22・32・142の運転状態に関する情報を取得することができる。また、制御部150は、ハイブリッドパワコン13・23・33・143に信号を入力することで蓄電池12・22・32・142の放電モード及び停止モードの切替を行うことができる。
このような電力供給システム101においては、図11に示すように、蓄電池12が放電モードである場合に、蓄電池12(下流側の蓄電池)からの電力(2000(W))が太陽光発電部21・31・141からの電力(それぞれ1000(W))よりも優先的に負荷Hに供給されて売電放電状態となる可能性がある。また、蓄電池22・32が放電モードである場合にも、蓄電池12の場合と同様に、売電放電状態となる可能性がある。
次に、図12及び図13を参照して、第二実施形態に係る売電放電抑制処理について説明する。
第二実施形態に係る売電放電抑制処理は、第一実施形態に係る売電放電抑制処理と同様に、蓄電池12等を停止モードに設定することで、売電放電状態となることを抑制する。第二実施形態に係る売電放電抑制処理は、その処理の対象が第一実施形態に係る売電放電抑制処理と異なっている。
なお、以下においては、初期設定において、蓄電池12・22・32・142に対して放電モードが設定されているものとして、売電放電抑制処理の内容を説明する。
図12に示すように、まず、ステップS210において、制御部150は、売電状態であるか否かを確認する。この際、制御部150は、第四蓄電システム140のハイブリッドパワコン143からセンサ144(最も上流側に配置されるセンサ)の検出結果を取得することで、売電状態であるか否かを確認する。制御部150は、売電状態であると判断した場合にステップS20へ移行する。一方、制御部150は、売電状態でないと判断した場合にステップS240へ移行する。
ステップS20へ移行した制御部150は、第一実施形態と同様に、ステップS20〜S50を行う。これにより、制御部150は、第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20の蓄電池12・22を停止モードに設定する。また、制御部150は、ステップS40で第二蓄電システム20の蓄電池22が放電モードでないと判断した場合に、ステップS220へ移行する。
ステップS220において、制御部150は、第三蓄電システム30の蓄電池32が放電モードであるか否かを確認する。このとき、制御部150は、第三蓄電システム30のハイブリッドパワコン33から蓄電池32のモードを取得することで、蓄電池32が放電モードであるか否かを確認する。制御部150は、蓄電池32が放電モードであると判断した場合にステップS230へ移行する。一方、制御部150は、蓄電池32が放電モードでないと判断した場合に売電放電抑制処理を終了する。
ステップS230において、制御部150は、第三蓄電システム30のハイブリッドパワコン33に信号を入力し、蓄電池32を停止モードに設定する。これにより、制御部150は、売電状態である場合に(ステップS210:YES)、蓄電池32の放電を停止させる。これによって、制御部150は、負荷Hの消費電力のうち、第三蓄電システム30の蓄電池32で賄っていた分の電力を、第四蓄電システム140で賄うようにすることができる。制御部150は、ステップS230の処理が終了すると、売電放電抑制処理を終了する。
このように、第二実施形態に係る制御部150は、ステップS20〜S50・S210〜S230によって、最も上流側に配置される第四蓄電システム140の蓄電池142を除く蓄電池12・22・32を停止モードに設定する。これによれば、図13に示すように、制御部150は、蓄電システム(蓄電池12・22・32・142)の台数が増えた場合でも、売電放電状態となることを抑制することができる。
図12に示すように、売電状態でない場合にステップS210から移行するステップS240において、制御部150は、太陽光発電部11・21・31・141及び蓄電池12・22・32・142からの電力によって負荷Hの消費電力を賄っているか否かを確認する。第二実施形態においては、太陽光発電部11・21・31・141及び蓄電池12・22・32・142からの電力によって負荷Hの消費電力を賄えなくなった場合に、系統電源Kから電力を購入して買電量が放電時購入電力量aよりも大きくなる。そこで、制御部150は、第四蓄電システム140のハイブリッドパワコン143からセンサ144の検出結果を取得することで買電量を判断し、当該買電量と放電時購入電力量aとを比較する。制御部150は、買電量が放電時購入電力量aよりも大きいと判断した場合に、ステップS250へと移行する。一方、制御部150は、買電量が放電時購入電力量a以下であると判断した場合に、後述する放電変更処理へと移行する。
ステップS250において、制御部150は、ステップS220と同様に、第三蓄電システム30の蓄電池32が放電モードであるか否かを確認する。制御部150は、蓄電池32が放電モードであると判断した場合にステップS70へ移行する。そして、制御部150は、第一実施形態と同様に、ステップS70〜S100の処理を行う。一方、制御部150は、蓄電池32が放電モードでないと判断した場合にステップS260へ移行する。
ステップS260において、制御部150は、ステップS230と同じ要領で、第三蓄電システム30の蓄電池32を放電モードに設定する。これにより、制御部150は、買電量が放電時購入電力量aよりも大きい場合に(ステップS240:YES)、蓄電池32を放電させる。制御部150は、ステップS260の処理が終了すると、売電放電抑制処理を終了する。
このように、第二実施形態に係る制御部150は、ステップS70〜S100・S250・S260によって、最も上流側に配置される第四蓄電システム140の蓄電池142を除く蓄電池12・22・32を放電モードに設定する。これによれば、制御部150は、蓄電システム(蓄電池12・22・32・142)の台数が増えた場合でも、太陽光発電部11・21・31・141の発電中に売電放電状態となることなく、蓄電池12・22・32・142を放電させることができる。
ここで、第二実施形態においても、蓄電池12・22・32・142が放電モードである場合、下流側に配置される蓄電池が優先的に放電される。このため、自己完結状態において特段の処理を行わなければ、第一実施形態と同様に、下流側に配置される蓄電池12の放電量が多くなり易い。そこで、電力供給システム101は、図14に示す放電変更処理により、放電量の偏りを抑制するようにしている。
次に、図14及び図15を参照して、第二実施形態に係る放電変更処理について説明する。
放電変更処理は、第一実施形態に係る放電変更処理と同様に、放電させる蓄電池12・22・32・142を適宜変更することで、自己完結状態である場合に、放電量の偏りを抑制するための処理である。放電変更処理は、第一実施形態に係る放電変更処理と同様に、買電量が放電時購入電力量a以下である場合(ステップS210:NO、ステップS240:NO)に実行される。第二実施形態に係る電力供給システム101は、その処理の対象が第一実施形態に係る放電変更処理と異なっている。
図14に示すように、ステップS310において、制御部150は、ハイブリッドパワコン13・23・33・143から蓄電池12・22・32・142の放電量を取得する。制御部150は、ステップS310の処理が終了すると、ステップS320へ移行する。
ステップS320において、制御部150は、必要放電台数Bを計算する。この際、制御部150は、蓄電池12・22・32・142の放電量の総和から蓄電池12・22・32・142の最大放電量を除算することで、必要放電台数Bを算出する。制御部150は、ステップS320の処理が終了すると、ステップS330へ移行する。
ステップS330において、制御部150は、必要放電台数Bが3よりも大きいか否かを確認する。制御部150は、必要放電台数Bが3以下である場合に、ステップS340へ移行する。一方、制御部150は、必要放電台数Bが3よりも大きい場合、蓄電池12・22・32・142が全て放電していて放電させる蓄電池12・22・32・142を変更できないと判断し、放電変更処理を終了する。
ステップS340において、制御部150は、必要放電台数Bが3以下、かつ2よりも大きいか否かを確認する。制御部150は、必要放電台数Bが3以下、かつ2よりも大きい場合に、ステップS350へ移行する。一方、制御部150は、必要放電台数Bが3よりも大きい、又は2以下の場合に、ステップS360へ移行する。なお、必要放電台数Bが3よりも大きい場合、ステップS330からステップS340へ移行しないため、制御部150は、実質的には必要放電台数Bが2以下の場合にステップS360へ移行することとなる。
ステップS350において、制御部150は、第二蓄電システム20から第四蓄電システム140までの蓄電池22・32・142を放電モードに設定すると共に、第一蓄電システム10の蓄電池12を停止モードに設定する。必要放電台数Bが3以下、かつ2よりも大きい場合、蓄電池12・22・32・142の中から3台を放電させれば、負荷Hの消費電力を賄うことができる。そこで、制御部150は、上流側に配置される3台の蓄電池22・32・142を放電させると共に、下流側に配置される蓄電池12の放電を停止する。これによって、制御部150は、蓄電池22・32・142を優先的に放電させるように、放電させる蓄電池12・22・32・142を変更する。制御部150は、ステップS350の処理が終了すると、放電変更処理を終了する。
ステップS360において、制御部150は、必要放電台数Bが2以下、かつ1よりも大きいか否かを確認する。制御部150は、必要放電台数Bが2以下、かつ1よりも大きい場合に、ステップS370へ移行する。一方、制御部150は、必要放電台数Bが2よりも大きい、又は1以下の場合に、ステップS380へ移行する。なお、必要放電台数Bが2よりも大きい場合、ステップS340からステップS360へ移行しないため、制御部150は、実質的には必要放電台数Bが1以下の場合にステップS380へ移行することとなる。
ステップS370において、制御部150は、第三蓄電システム30及び第四蓄電システム140の蓄電池32・142を放電モードに設定すると共に、第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20の蓄電池12・22を停止モードに設定する。必要放電台数Bが2以下、かつ1よりも大きい場合、蓄電池12・22・32・142の中から2台を放電させれば、負荷Hの消費電力を賄うことができる。そこで、制御部150は、上流側に配置される2台の蓄電池32・142を放電させると共に、下流側に配置される2台の蓄電池12・22の放電を停止する。これによって、制御部150は、蓄電池32・142を優先的に放電させるように、放電させる蓄電池12・22・32・142を変更する。制御部150は、ステップS370の処理が終了すると、放電変更処理を終了する。
ステップS380において、制御部150は、第四蓄電システム140の蓄電池142を放電モードに設定すると共に、第一蓄電システム10から第三蓄電システム30までの蓄電池12・22・32を停止モードに設定する。必要放電台数Bが1以下である場合、蓄電池12・22・32・142の中から1台を放電させれば、負荷Hの消費電力を賄うことができる。そこで、制御部150は、最も上流側に配置される蓄電池142のみを放電させると共に、下流側に配置される蓄電池12・22・32の放電を停止する。これによって、制御部150は、蓄電池142を優先的に放電させるように、放電させる蓄電池12・22・32・142を変更する。制御部150は、ステップS380の処理が終了すると、放電変更処理を終了する。
図15に示すように、制御部150は、以上のような放電変更処理により、蓄電システム(蓄電池12・22・32・142)の台数が増えた場合でも、自己完結状態である場合に、上流側に配置される蓄電池22・32・142を優先的に放電させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、電力供給システム1・101は、集合住宅に設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、オフィス等に設けられるものであってもよい。
また、発電部は、太陽光を利用して発電する太陽光発電部11・21・31・141であるものとしたが、自然エネルギー(例えば、水力や風力)を利用して発電するものであれば、これに限定されるものではない。
また、第一実施形態及び第二実施形態において太陽光発電部11・21・31・141の台数は、3台又は4台であるものとしたが、これに限定されるものではなく、任意の台数とすることができる。
また、第一実施形態及び第二実施形態において蓄電池12・22・32・142の台数は、3台又は4台であるものとしたが、これに限定されるものではなく、2台以上の任意の台数とすることができる。
また、制御部40・150は、EMSによって構成されるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、市販のPCによって構成されるものであってもよい。
また、一つの接続点P1〜P4には、太陽光発電部11・21・31・141及び蓄電池12・22・32・142がそれぞれ1台ずつ接続されるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、太陽光発電部11・21・31・141又は蓄電池12・22・32・142のいずれか1台が接続されるものであってよい。
また、制御部40・140は、放電変更処理において、放電を許可する蓄電池12・22・32・142の台数を最小の台数まで絞るものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、前記最小の台数よりも多い台数の蓄電池12・22・32・142の放電を許可してもよい。このように構成しても、制御部40・140は、放電を許可する蓄電池12・22・32・142を変更した際に、放電量が足りなくなることを防止できる。これによって、制御部40・150は、放電を許可する蓄電池12・22・32・142の台数を好適に(不具合が生じることなく)決定することができる。
また、制御部40・140は、放電変更処理において、上流側に配置される蓄電池が上位となるように放電に関する優先順位を設定したが、優先順位を設定する基準は、蓄電池12・22・32・142の配置に限定されるものではない。制御部40・140は、例えば、所定の期間の間に放電した電力量の蓄電池12・22・32・142毎の総和(蓄電池12・22・32・142毎の積算放電量)に基づいて、放電変更処理時の優先順位を設定してもよい。この場合、制御部40・140は、例えば、積算放電量が少ない蓄電池が上位となるように優先順位を設定すれば、放電量の偏りを抑制できる。