以下、本発明を実施するための形態の一例(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
まず、第一実施形態に係る照明器具の構成を、図1から図4を用いて説明する。図1は、本発明の第一実施形態における照明器具を斜め下方から見た斜視図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図2のB−B線断面図である。図4は、本発明の実施形態における照明器具を斜め上方すなわち天井側から見た全体分解斜視図である。
ここで、照明器具1が、天井2に取り付けられた際の天井側を上方向、床面側を下方向とする。つまり照明器具1が、天井2に取り付けられた場合、上方向から下方向へ器具本体3、発光体ユニット4の順になるよう取り付けられる。また、照明器具1の外形は長尺な略直方体であるため、照明器具1には6つの面が存在する。これ以降、照明器具1が天井2に取り付けられた状態を基準として、照明器具1の天井側の面を上面、照明器具1の床面側の面を下面、天井2と直交し長尺な照明器具1の長手面を長手方向側面、上面・下面・長手方向側面以外の天井2と直交し長尺な照明器具1の短手面を短手方向側面と呼ぶことにする。また、これ以降、天井2に平行であり長手方向側面と平行となる方向を長手方向、天井2に平行であり短手方向側面と平行となる方向を短手方向と呼ぶ。
図1に示すように、本実施形態の照明器具1は、天井2の下面に固定される器具本体3と、器具本体3の下側に設けられた、例えば光源として発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード:LED)を内在し、下側表面は光を透過ないし拡散する透光カバー5で構成した着脱自在な発光体ユニット4とからなっている。
器具本体3は長尺の略直方体であり、一対のばね受け具6が長手方向の中心線に沿って下向きに配置され、ねじ30によって器具本体3に固定されている。発光体ユニット4に電源を供給するためのケーブル7aの一端にはコネクタ8aが設けられ、コネクタ8aはケーブル7aを介して天井2から器具本体3を通して下方に延伸されている。器具本体3は、例えば図示しないネジやフックによって下側から天井2に固定される。
器具本体3の形状の一例としては、図3ないし図4に示すように、短手方向の断面では発光体ユニット4と対向する部分が凹んでおり、発光体ユニット4の一部が器具本体3に嵌合する形状とすれば、天井2からの照明器具1の下向きの凸量が小さくなるので薄型化が図れるので好適である。
発光体ユニット4は、例えば鉄板の長手方向側面の両辺を曲げて略コの字断面をした発光体ベース9と、発光体ベース9の下面に沿って設けられた発光体基板10と、発光体基板10に電気的に接続された発光体基板10の下面側に設けられた例えばLEDである発光体素子11を備える。
発光体ベース9の上面側には発光体基板10と電気的に接続された電源装置12が設けられ、電源装置12から延伸されたケーブル7bの一端にはコネクタ8bが設けられ、天井2から器具本体3通して下方に延伸されたケーブル7aの一端に設けられたコネクタ8aと一対をなして互いに接続可能であり、コネクタ8a、8bを接続すれば電源装置12に通電して発光体基板10を介して発光体素子11を発光できる。
発光体ユニット4下面は発光体素子11からの光を透過する透光カバー5によって覆われている。
透光カバー5の長手方向に沿った両側面近傍には、先端部を互いに内側に向けて屈曲させた係合部13を設け、発光体ベース9の略コの字断面の端部に外側から嵌合して透光カバー5を発光体ベース9に対して保持する構成である。
透光カバー5は発光体素子11からの光を透過するものであればよく、透明の材料で作成しても半透明の材料で作成してもよい。また、透光カバー5は、拡散性でも非拡散性でもよい。透光カバー5が拡散性であれば均斉度は高くなり、非拡散性であれば効率がよくなる。
図3において、発光体素子11から照射された光14は透光カバー5を透過して、主に床面方向、一部は壁面方向に照射される。
発光体ベース9の上面には、器具本体3に下向きに設けられたばね受け具6に対応した位置に、ばね保持具15が例えばねじ30によって固定されている。
ばね保持具15は、円筒状に巻き回された捩りばね16のコイル部17の内側を貫通して捩りばね16を発光体ベース9に支持している。この捩りばね16のコイル部17の両端は略対称形状に延伸された一対のばね腕部18となっている。この捩りばね16のことを、本発明の記載においては以下キックばね16と称することがある。
ばね保持具15は、キックばね16のコイル部17を発光体ベース9に対して締めつけて固定しなくてもよく、がたつきのある状態であってもよい。ばね保持具15には、キックばね16の短手方向の移動を制限するための切り曲げ部28を設けている。
キックばね16の一対のばね腕部18を器具本体3に設けられたそれぞれ対応したばね受け具6に嵌合し、ばね受け具6に対して上向きの付勢力を作用することで、キックばね16とばね保持具15を介して発光体ベース9を上方に引き上げる力を生じ、発光体ユニット4を器具本体3に下側から押し当ててセットされる構成である。
キックばね16による付勢力の作用の詳細については後述する。
ここで、キックばね16、キックばね16のコイル部17を貫通して保持するばね保持具15、キックばね16のばね腕部18と作用するばね受け具6の配置について説明する。先に説明したように、発光体ベース9に設けられたばね保持具15と、器具本体3に設けられたばね受け具6とは互いに対応する位置に設けられ、ばね保持具15によってコイル部分を支持されたキックばね16のばね腕部18がばね受け溝19に勘合し、キックばね16により生じるばね力すなわち付勢力がばね受け溝19に作用する。キックばね16を介して発光体ユニット4に上向きの付勢力を付与し、その付勢力が発光体ユニット4の自重を上回ることによって発光体ユニット4を器具本体3に近接する方向、すなわち上向きに作用して発光体ユニット4を器具本体3に当接して保持する構成である。
ばね保持具15の一部には、キックばね16のコイル部が短手方向へ移動することを制限する所謂ストッパである切り起こし部20が設けられており、キックばね16を発光体ユニット4の長手方向の略中心線上に保持する。
本実施形態ではキックばね16を発光体ユニット4の長手方向に沿った中心線上に2式設け、互いに発光体ユニット4の重心位置Gを挟んで配置している。発光体ユニット4の重心位置Gは、概ね長手方向の中心位置近傍となるが、電源装置12が発光体ユニット4の中心位置からずれて配置された場合には、重心位置Gは長手方向の中心位置よりも電源装置12の側にずれた位置となる。
また、本実施形態においては図3に示すように短手方向の断面形状は略左右対称な構成としたので、発光体ユニット4の重心位置は長手方向に沿った中心線上にあり、キックばね16による上向きの付勢力は発光体ユニット4の重心を上方に付勢する構成である。
本実施形態においては、一対のキックばね16を互いに発光体ユニット4の重心位置Gを挟んで配置したので、キックばね16によるばね力が発光体ユニット4を上向きに安定に付勢して、器具本体3に当接して保持することができる。
発光体ユニット4を器具本体3に取り付ける際の施工手順としては、器具本体3を天井に取付け、ケーブル7aを介してコネクタ8aが器具本体3からぶら下がった状態とする。
しかる後に発光体ユニット4を器具本体3に近接させてキックばね16を図4の破線に示した状態から実線で示した状態まで弾性変形させつつキックばね16の先端部分を順次、器具本体3に設けられたばね受け具6に架ける。2本のキックばね16をそれぞればね受け具6に架けた状態で、発光体ユニット4は2本のキックばね16、ばね保持具15を介して器具本体3から吊下げられた状態となる。
2本のキックばね16は、先に述べたように発光体ユニット4の長手方向に沿った中心線上に、発光体ユニット4の重心位置Gを挟んで配置されているので、発光体ユニット4は器具本体3に対して略平行な位置で吊下げられる。
しかる後に、器具本体3からぶら下がった状態にあるコネクタ8aと、発光体ユニット4に設けられた電源装置12にケーブル7bを介して接続されたコネクタ8bとを互いに接続する。
しかる後に、発光体ユニット4を器具本体3に近接させるよう上昇させれば、キックばね16による付勢力が発光体ユニット4の自重より大なるようにしているので、発光体ユニット4は器具本体3に向けて引き上げられ、発光体ユニット4は器具本体3に当接されて、図1から図3に示すような形態となり(これを、セットされる、と表記することがある)、この状態で照明器具1として使用される。
このような施工手順なので、施工の容易な照明器具1としては、次のような効果を備えた構成が望ましい。
1.キックばね16をばね受け具6に架ける際に、ばね受け具6が目視確認できるとともに、キックばね16をばね受け具6の所定の位置、例えばばね受け溝19に容易に架けられる。
2.コネクタ8を接続する際に、キックばね16を介して発光体ユニット4を吊下げた状態で保持することが可能であり、紐や鎖のような特段の吊下げ部材が不要。
3.コネクタ8を接続するための作業スペースが大である。
4.コネクタ8を接続したのち発光体ユニット4を吊下げた状態から下方から持ち上げるだけで、発光体ユニット4はキックばね16の付勢力によって器具本体3に向けて引き上げられてセットされ、特段の道具を使うことなく発光体ユニット4を取り付けられる。
5.キックばね16は1本ずつ順次ばね受け具6に架けるので、キックばね16を1本だけ架けた状態でも、発光体ユニット4が安定しており支持しやすい。
本発明による照明器具1は上記の効果を備えているので、その詳細な構成を以下に説明する
次に、キックばね16とばね受け具6の詳細な構成について、図5から図6を用いて説明する。
図5(a)は図2のC矢視図であり、(b)は図5(a)のD−D線断面図である。図5(a)(b)は、図1から図3に示すと同様に、発光体ユニット4を器具本体3にセットした状態を示している。
図6(a)は本発明の実施形態における照明器具を斜め下方から見た斜視図であり、発光体ユニット4をキックばね16によって吊り下げた状態を示し、(b)は図6(a)のキックバネ周辺の構成を詳細に示す斜視図である。
先に説明したように、ねじりバネであるキックばね16の円筒状のコイル部17の内側にばね保持具15が挿入され、ばね保持具15を発光体ベース9の上面に固定することで、キックばね16は発光体ユニット4に取り付けられる。キックばね16のコイル部17の中心軸は短手方向を向いて支持される。
キックばね16の両端は、コイル部17から接線状にコイル部17から遠ざかる方向に延伸した一対のばね腕部18を有している。それぞれのばね腕部18は、概ねばね腕部18の中央近傍に、コイル部17から離れるにしたがってコイル部17の中心軸から遠ざかる方向に屈曲した第一の屈曲部21と、第一の屈曲部21に対してコイル部17とは反対側のばね腕部18の先端近傍に、第一の屈曲部21とは逆向きに屈曲した第二の屈曲部22とを有している。ばね腕部18の先端はコイル部17の中心線に対して平行に、コイル部17の側に屈曲した幅sのストッパ部23を有している。このストッパ部23はさらに先端を180°屈曲させて先端を丸めてもよく、材料の切断面のバリが端部に露出することを防止できる。
第一の屈曲部21と第二の屈曲部22の作用については後述する。
図5(a)に示すように、コイル部17の両端から延伸された一対のばね腕部18は互いにeだけ離れて配置され、それぞれのばね腕部18はコイル部17の中心軸のまわりに回動するので、一対のばね腕部18がそれぞれ回動する面は長手方向に沿い、かつ上下方向に沿って互いにeだけ離れた面内となる。
換言すれば、一対のばね腕部18は、図5(a)のように上方から見た場合には、180°回転した時に同一形状となるような、回転対称の形状をしている。
また、図5(b)のように短手方向から見た場合には、左右対称の形状をしている。
図5(a)において、ばね受け具6は、キックばね16の一対のばね腕部18に対応した一対のばね受け溝19を備えている。一対のばね受け溝19は一対のばね腕部18に対応しており、互いに間隔eの位置にあり、かつ図5(a)のように上方から見た場合には、180°回転した時に同一形状となるような、互いに回転対称の位置に設けられている。
図5に示したように、発光体ユニット4がセットされた状態にある時は、ばね受け溝19はばね腕部18のうち、コイル部17から第一の屈曲部21までの間の区間で接し、キックばね16からの付勢力を受ける。
キックばね16は取り外してトルクのかからない状態ではばね腕部18は図5(b)の破線で示した形状をなしており、発光体ユニット4を器具本体3にセットした際には、弾性変形して矢印に示す方向のトルクを生じる。
このときの付勢力の大きさをFaとすれば、力Faの方向はばね受け溝19にばね腕部18が接する方向に対して垂直であり、上下方向に対して角度θaだけ傾斜している。したがって、発光体ユニット4に対する上向きの鉛直方向の力の成分はFa×cos(θa)であり、それぞれのキックばね16に対してばね腕部18は2本あるので、各キックばね16につき、発光体ユニット4を引き上げる力は2×Fa×cos(θa)となる。
本実施例のようにキックばね16を2本設けた形態においては、発光体ユニット4を引き上げる力は合計で4×Fa×cos(θa)となる。
ここで、発光体ユニット4の質量をm、重力加速度をgとすれば、自重に逆らって発光体ユニット4を器具本体3に当接してセットするには、一対のキックばね16による力の合計である4×Fa×cos(θa)が自重による力mgより大なる関係(4×Fa×cos(θa)>mg)とすることが好適である。
ここで、一対のばね腕部18同士の距離、およびばね受け溝19の間隔をそれぞれ同じくe寸法としたので、発光体ユニット4を下方に移動してキックばね16がねじり変位した場合でも、キックばね16のコイル部17の中心軸は常に短手方向を向いたままとなる。したがってコイル部17の中心軸とばね保持具15との関係は変わることがなく、キックばね16は常に安定に支持される。すなわち、発光体ユニット4を施工の際に上下に移動した場合でも、図5(a)のように上方から見た場合には、キックばね16が回動ないし揺動することがない。
したがって、キックばね16のコイル部17の内側と、コイル部17の内側を貫通したばね保持具15とが擦れたりこじられたりすることがないので、キックばね16は安定して保持されるとともに、キックばね16のコイル部17に傷が付きにくいので信頼性が高い。
なお、このe寸法は、キックばね16とばね受け具6において厳密に同一の寸法である必要はなく、部品の加工や取付けの誤差程度の相違があっても、キックばね16が弾性変形して安定して取付けられればよい。
また、捻りばねには、コイル部17を巻き回すために所謂リード角と呼ばれるねじり角があるために、一対のばね腕部18は平行ではなく先端ほど開いた形状となる。そのような形状であって、ばね腕部18同士の距離が、ばね受け溝19の間隔eとは異なったとしても、ばね腕部18の弾性変形の範囲であれば、本実施形態による効果が同等に得られることは言うまでもない。
先に説明したように、照明器具1の施工時には天井2に取付けた器具本体3に設けたばね受け具6にキックばね16を架けて発光体ユニット4を吊り下げた形態として、天井側の器具本体3から延伸したケーブル7aに設けられたコネクタ8aと、発光体ユニット4に設けられた電源装置12から延伸したケーブル7bに設けられたコネクタ8bとを接続する。
このような施工作業は天井2に向けて下方から行うことになる。ここで、図6(a)によって明らかなように、キックばね16を発光体ユニット4の上面に設け、ばね受け具6を器具本体3から下方に向けて設けたので、器具本体3と発光体ユニット4の隙間を通して、下方からばね受け具6を目視できるので、キックばね16をばね受け具6に架けやすく、施工しやすい、という効果がある。
ばね受け具6にキックばね16を架ける際には、図6(b)に矢印で示すように、一対のキックばね16のばね腕部18を弾性変形させてばね受け具6に設けられた穴24に下方から潜らせ、ばね腕部18を対応するばね受け溝19に架けて、キックばね16のストッパ部23を上方に向けて曲げた切り起こし部20に引っ掛けることで、確実にばね受け溝19によってキックばね16を保持できる。
ここで、ばね受け溝19に隣接した切り起こし部20と、切り起こし部20に対してばね受け溝19とは反対側の辺を、ばね受け溝19側に向けて間隔が狭くなる向きに傾斜した傾斜部25としている。このような形状とすることによって、キックばね16を取り付ける際には、ばね腕部18が切り起こし部20ないし傾斜部25に沿ってばね受け溝19にガイドされて呼び込まれるので、キックばね16をばね受け溝19に確実に取り付けることができ、キックばね16が取り付けやすく、施工の容易な照明器具が得られる。
次に、図6により説明したものと同様に、キックばね16を介して発光体ユニット4を器具本体3から吊下げた状態と、コネクタ8の接続作業について、図7と図8を用いて説明する。
図7は、図6(a)のB’−B’線断面図であり、発光体ユニット4をキックばね16を介して吊り下げた状態である。B’−B’線断面図は、図2におけるB−B線断面図と同じ位置での断面図である。
図8は、図7と同様に図6(a)のB’−B’線断面図であり、発光体ユニット4をキックばね16によって吊り下げたまま短手方向奥側に揺動した状態を示している。
図7において、発光体ユニット4は2本のキックばね16によって器具本体3から吊下げられており、図3に示したセット状態からu3だけ下降した状態を示している。先に説明したように、キックばね16は発光体ユニット4の長手方向の中心線上に配置されており、特に、キックばね16が架けられるばね受け溝19の幅eの範囲内に発光体ユニット4の重心を設けることにより、発光体ユニット4を吊下げた状態でも発光体ユニット4は水平を保ったまま安定して支持される。
このとき、器具本体3と発光体ユニット4との間の隙間p1は、キックばね16のばね腕部18の長さと同等か、あるいはやや小なる値となる。
ここで、コネクタ8(8a、8b)を接続する際には、手前側のスペースに余裕がある方が作業しやすいことは言うまでもない。
本実施形態の照明器具1においては、短手方向の手前側から奥側に向けて発光体ユニット4を押すと、概ね器具本体3の長手方向中心線上に設けられたばね受け具6に架けられたキックばね16のストッパ部23を中心として奥側に揺動して図8に示すような形態となる。
すなわち、キックばね16がばね受け溝19に掛った状態で、キックばね16のストッパ部23はばね受け溝19の位置を中心としてばね受け具6から上側に傾斜することができる。ここで、ばね受け具6の上下方向の厚さhと、キックばね16のストッパ部23の長さsとの関係を、h>sなるようにすれば、キックばね16が発光体ユニット4とともに傾斜しても、ストッパ部23が器具本体3に当接して突っ張ったりこじられたりすることがなく、容易に発光体ユニット4を傾斜することができる。
すなわち、発光体ユニット4は、器具本体3に近接した、キックばね16先端のストッパ部23のまわりに傾斜可能な構成である。
図8に示すように、発光体ユニット4が奥側に傾斜すると、器具本体3と発光体ユニット4との隙間p2は、図7に示した吊下げられた状態における隙間p1より大であり、p2>p1となすことができる。またさらに、発光体ユニット4は奥側にp3だけ移動するので、コネクタ8やケーブル7を目視しやすく作業しやすい。
本実施例によれば、コネクタ8を接続する際には、発光体ユニット4を短手方向奥側に傾斜して手前側の隙間を拡大可能なので、目視しやすく施工の容易な照明器具を提供できる、という効果がある。
次に、図9を用いて発光体ユニット4を器具本体3に対して上下方向に移動して、発光体ユニット4を取り付け、または取り外しする際のキックばね16の形状と、そのときに生じる力について説明する。図9(a)は図3と同じく発光体ユニット4を器具本体3にセットした状態を示す長手方向の断面図である。図9(b)(c)(d)は、それぞれ発光体ユニット4が距離u1、u2、u3だけ下降した位置を示す長手方向の断面図である。図9(e)は、キックばね16を弾性変形させてばね受け具6に取り付ける際の動作を示す長手方向の断面図である。
図9(a)においては、図5(b)により説明したと同様に、キックばね16のばね腕部18からばね受け具6に対して力Faが鉛直方向から角度θaの向きに加わって、質量mの発光体ユニット4を上方の器具本体3に向けて付勢している。また、この状態において、器具本体3と発光体ベース9との間の間隔はHであり、照明器具1を薄型化するには、このH寸法を低減できる構成が望ましい。
図9(b)は、発光体ユニット4をセットした状態から距離u1だけ引き下げた位置を示しており、ばね腕部18のうちコイル部17と第一の屈曲部21との間がばね受け具6に掛った状態であり、力Fbが鉛直方向から角度θbの向きに加わって、質量mの発光体ユニット4を上方の器具本体3に向けて付勢している。ここで、図5(b)にて説明したと同様に、(4×Fb×cos(θb)>mg)なる関係とすれば、キックばね16による上向きの付勢力は発光体ユニット4の自重より大となるので、発光体ユニット4は上向きに付勢された状態である。
ここで、ばね腕部18に第一の屈曲部21と第二の屈曲部22を設けない形状を破線Kで示すと、キックばね16の先端が器具本体3の上面よりも上方に位置するので、キックばね16のばね腕部18を揺動させるには天井2に穴を設けるか、あるいはH寸法を拡大して照明器具1の厚さを大とする必要がある。
すなわち、ばね腕部18に第一の屈曲部21と第二の屈曲部22を設けたことによって、H寸法を低減して照明器具1の薄型化を実現できる、という効果がある。ここで、第一の屈曲部21と第二の屈曲部22とは互いに反対向きに屈曲しているので、H寸法の低減に対して効果があるのは第一の屈曲部21であり、第一の屈曲部21をばね腕部18の概ね中央近傍に設けることが効果的である。
図9(c)は、発光体ユニット4をさらに距離u2まで引き下げた位置を示しており、ばね腕部18の第一の屈曲部21がばね受け具6に掛った状態であり、力Fcが鉛直方向から角度θcの向きに加わって、質量mの発光体ユニット4を上方の器具本体3に向けて付勢している。図9(b)と比較すると、第一の屈曲部21によって角度(θc)<(θb)となり、cos(θb)<cos(θc)となるので、力Fcの上向きの鉛直方向成分は、さらに大となり、発光体ユニット4を引き上げる力は大となる。
図9(d)は、発光体ユニット4をさらに距離u3まで引き下げて、図7と同様に発光体ユニット4を吊下げた状態を示す。ここで、ばね腕部18の先端部にあるストッパ部23はばね受け具6の切り起こし部20に掛った状態であり、ばね腕部18に設けられた第二の屈曲部22はばね受け具6よりも下側に位置する。換言すれば、ばね受け具6は第二の屈曲部22よりもさらにばね腕部18の先端近傍を支持した状態である。
ばね腕部18は、第二の屈曲部22において第一の屈曲部21とは反対向きに屈曲しており、図9(d)に示した吊下げ状態においては、θdは大となって力Fdの方向は水平に近づき、鉛直方向成分Fd×cos(θd)は小となる。
ここで、一対のキックばね16による上方方向への付勢力の合計と発光体ユニット4の自重との大小関係を、(4×Fd×cos(θd)<mg)となるようにFdとθdとを定めれば、図9(d)ないし図6、図7に示した状態において、発光体ユニット4はキックばね16の付勢力によって上昇することがなく、そのまま発光体ユニット4の吊下げ状態を維持することができる。
すなわち、発光体ユニット4をキックばね16で吊下げた状態を保持することが可能であり、紐や鎖のような特段の吊下げ部材が不要であり、施工の容易な照明器具を提供できる、という効果がある。
図9(e)は、キックばね16の一対のばね腕部18を白抜き矢印方向に手指で互いに近接させて弾性変形させ、キックばね16の先端のストッパ部23をばね受け具6に対して下側から取り付ける際の動作を矢印で示している。
ここで、手指によってキックばね16を弾性変形させる際に、第一の屈曲部21に手指をかけることによって、キックばね16を弾性変形したままの状態で安定して支持できるので、キックばね16をばね受け具6に対して下側から取り付ける作業が容易であり、施工の容易な照明器具を提供できる、という効果がある。
なお、キックばね16をばね受け具6から取り外す際には、取り付ける際と同様にキックばね16を弾性変形した状態で、ばね受け具6から下方に移動すれば、容易に発光体ユニット4を器具本体3から取り外すことができる。
すなわち、発光体ユニット4を器具本体3に取り付ける際には、まず図9(e)に示すようにキックばね16を手指で弾性変形させた状態で、ばね腕部18先端のストッパ部23を下側からばね受け具6に設けられた穴24をくぐらせてばね受け溝19に取り付け、図9(d)に示すようにキックばね16を介して発光体ユニット4を器具本体3から吊下げた状態とする。このとき、吊下げ状態を維持するために、紐や鎖などの特段の吊下げ手段は不要である。
この状態でコネクタ8を接続した後、発光体ユニット4に下方から力を加えて上昇させれば、図9(c)、図9(b)の状態を経て図9(a)の状態に至り、発光体ユニット4と器具本体3とはセットされた状態となる。
発光体ユニット4を取り外す際には上記と逆の手順を行えばよく、特段の道具を用いることなく発光体ユニット4の取付けおよび取り外しをすることが可能な、施工の容易な照明器具を提供できる。
次に、図10を用いて、施工途中の状態について説明する。
図10は、発光体ユニット4の取り付け、ないし取り外し動作を説明する長手方向A−A断面図である。
発光体ユニット4を取り付ける際には、2本あるキックばね16を両方同時にばね受け具6に架けることは困難なので、1本ずつ順次架ける作業を行う。図10においては、施工途中で一方のキックばね16だけをばね受け具6に架けた状態を示している。
本実施例におけるキックばね16においては、図9(d)により説明したように、キックばね16からばね受け具6への付勢力Fdは、一対のばね腕部18から長手方向に互いに対称に生じるので、これらの力は長手方向に釣り合う。したがって、図10に示すように図示右方の一方のキックばね16のみをばね受け具6に架けた状態において、キックばね16は発光体ユニット4に対して長手方向の付勢力を生じない。この状態で、発光体ユニット4は既に架けられた一方のキックばね16を介して、ばね保持具15はばね受け具6の真下に安定して位置するので、他方のキックばね16を架ける際に発光体ユニット4の位置が安定して架けやすい、という効果がある。
またさらに、キックばね16のばね腕部18には第一の屈曲部21が設けられているので、第一の屈曲部21と発光体ベース9との間には隙間26が生じる。この隙間26に手指を挿入することでキックばね16を図9(e)に示した状態まで弾性変形させやすいので、発光体ユニット4の取付作業が容易である。
すなわち、本実施形態によれば、施工の途中でキックばね16を1本だけ架けた状態でも、発光体ユニット4を支持しやすく、2本目のキックばね16を架けやすい、特段の道具を用いることなく発光体ユニット4の取付けおよび取り外しをすることが可能な、施工の容易な照明器具を提供できる。
図11を用いて、本発明の第二実施形態について説明する。図11は、本発明の第二実施形態における照明器具の、図3と同様な短手方向のD−D線断面図である。
第二実施形態が第一実施形態と異なるところは、器具本体3の短手方向の幅W2が発光体ユニット4の幅W1と略等しいことである。器具本体3と発光体ユニット4とを付勢するためのキックばね16とばね受け具6とは発光体ユニット4の上面かつ長手方向の中心線上に位置するので、器具本体3の短手方向の幅W2を発光体ユニット4の幅W1と略等しい寸法まで狭くすることができる。
このような寸法関係としたので、発光体ユニット4を短手方向に互いに近接して配置することができるとともに、特段の道具を用いることなく発光体ユニット4の取付けおよび取り外しをすることが可能な、施工の容易な照明器具を提供できる。
次に、図12を用いて、本発明の第三実施形態について説明する。
図12は、本発明の第三実施形態における照明器具の、発光体ユニット4の取り付け、ないし取り外し動作を説明する長手方向のA−A線断面図である。
図12(a)は図2と同様に発光体ユニット4を器具本体3にセットした状態、図12(b)は1か所のキックばね16のみをばね受け具6に架けて発光体ユニット4を器具本体3から吊下げた状態を示している。
第三実施形態が第一実施形態と異なるところは、器具本体3と発光体ユニット4とを付勢するためのキックばね16、ばね保持具15、ばね受け具6、を長手方向の中心線上に沿って3式設けたことである。このうち2式は長手方向の両端近傍に配置し、1式のキックばね16cは長手方向の中央近傍に配置する。
図12(a)に示すようにキックばね16を3本設けた構成であっても、キックばね16によって生じる上向きの付勢力が発光体ユニット4の自重より大なるものとすれば、発光体ユニット4は器具本体3に対して安定してセットされるので、長手方向に特に長い、所謂長尺の照明器具1に対して好適である。
第三実施形態において、電源装置12が発光体ユニット4の長手方向に沿って配置される場合には、発光体ユニット4の重心位置は、長手方向の中心位置よりも電源装置12の側に寄った位置となる。そこで、長手方向の中央近傍に配置されるキックばね16cの位置を長手方向の中心位置ではなく、発光体ユニット4における長手方向の端面からの寸法を、電源装置12のある側はL1、反対側をL2として、L1<L2となる位置に配置するのが好適である。
このように配置すれば、中央のキックばね16cは発光体ユニット4の重心位置近傍に配置されるので、図12(b)に示すように中央のキックばね16cだけを対応するばね受け具6に架けただけの状態で、発光体ユニット4は略水平に支持される。この状態でコネクタ8を接続してもよい。
このような状態から、発光体ユニット4の長手方向両端近傍に設けられたキックばね16を順次、それぞれ対応するばね受け具6に架けることは容易であり、3本のキックばね16をそれぞれ対応するばね受け具6に架ければ、発光体ユニット4は3本のキックばね16によって器具本体3から吊下げられた状態となる。コネクタ8を接続したのち発光体ユニット4を持ち上げれば、キックばね16による付勢力によって、図12(a)に示すように発光体ユニット4はセットされる。
以上説明したように、第三実施形態においては、長手方向に沿って配置された3本のキックばね16を用いて発光体ユニット4を吊下げ支持する構成とし、かつ中央に設けたキックばね16cを発光体ユニット4の重心近傍に配置したので、中央のキックばね16cのみを架けた状態でも発光体ユニット4は略水平に支持されるので、コネクタ8の接続や長手方向両端近傍の2本のキックばね16を架けることが容易であり、特段の道具を用いることなく発光体ユニット4の取付けおよび取り外しをすることが可能な、施工の容易な照明器具を提供できる。
次に、図13を用いて、本発明の第四実施形態について説明する。図13は、本発明の第四実施形態における照明器具1を、天井2側からみた概略上面図である。
第四実施形態が第一実施形態と異なるところは、器具本体3と発光体ユニット4とは長手方向に直線状ではなく、全体または一部が曲線によって構成されていることであり、長手方向のA−A線断面は図2と同様な構成である。
図13においては、長手方向に略S字形状に湾曲した形態を第四実施形態の一例として示している。第四実施形態において、一対のキックばね16は重心位置Gを挟んで発光体ユニット4の長手方向の両端近傍に配置され、一対のキックばね16の円筒状のコイル部17の中心線は、互いに平行となるよう配置されている。さらに、重心位置Gをキックばね16のばね腕部18の間隔であるeの範囲内に設けると、発光体ユニット4を安定して支持できるので望ましい。
一対のキックばね16をこのように配置したので、キックばね16の付勢力によって発光体ユニット4を器具本体3に対して付勢してセットすることが可能であり、さらに図7に示すと同様に発光体ユニット4を水平に吊下げることや、またさらに図8のように発光体ユニット4を揺動することが可能である。したがって、第一実施形態と同様にコネクタ8の接続やキックばね16を架けることが容易であり、特段の道具を用いることなく発光体ユニット4の取付けおよび取り外しをすることが可能な、施工の容易な照明器具を提供できる。
第四実施形態として、図13においては器具本体3と発光体ユニット4が略S字形状に湾曲した一例を示したが、このような形状に限定されるものではなく、部分円弧形状や、くの字形状、あるいは長手方向に複数の屈曲部を備えた形状であってもよく、同様な効果が得られることは言うまでもない。
また、第三実施形態に示したと同様に、発光体ユニット4の略中央部にさらにキックばね16cを設けた構成であってもよい。
次に、図14を用いて本発明とは異なる構成について説明する。
図14は本発明とは異なる構成の照明器具1における、発光体ユニット4の取り付け、ないし取り外し動作を説明する長手方向のA−A線断面図であり、図10と同様に2本設けられたキックばね16のうちの片側のみをばね受け具6に架けた状態を示している。
本発明と異なるところは、キックばね16を保持するばね保持具15が器具本体3に取り付けられており、ばね受け具6が発光体ユニット4の発光体ベース9に設けられていることである。
このように配置されるので、施工時にばね受け具6は発光体ユニット4の陰になって下方から目視することができない。したがって、キックばね16のばね腕部18先端を、ばね受け具6に設けられたばね受け溝19に挿入して架ける動作を目視できない状態で行うので、作業性に問題が生じる恐れがある。
一方、本発明の実施形態においては、ばね受け具6を下方から目視できるので、作業性が良好である。
次に、図15を用いて本発明とはさらに異なる構成について説明する。
図15は本発明とはさらに異なる構成の照明器具1における、発光体ユニット4の取り付け、ないし取り外し動作を説明する長手方向のA−A線断面図であり、図10と同様に2本設けられたキックばね16のうちの片側のみをばね受け具6に架けた状態を示している。
本発明と異なるところは、キックばね16のばね腕部18は一対を対称形状に設けられているのではなく、ばね腕部18はキックばね16の一方にのみ設けられ、他方のばね他端部27は発光体ベース9に当接しており、一方のばね腕部18のみを対応するばね受け具6に架ける構成である。
この構成では、図15に示すように一方のキックばね16のみをばね受け具6に架けた状態においては、発光体ユニット4はキックばね16によるばね受け溝19から長手方向の反力Qを受け、この力は発光体ユニット4を長手方向に移動させようとする力となる。
このような状態で他方のキックばね16のばね腕部18をばね受け具6に架ける際には、発光体ユニット4が移動しないように、反力Qに抗った力を発光体ユニット4の長手方向に加えて位置を維持しなければならず、余計な力を要するので作業性に問題が生じる恐れがある。
一方、本発明の実施形態においては、一方のキックばね16をばね受け具6に架けた状態であっても、発光体ユニット4の長手方向への反力は生じないので、作業性が良好である。
以上説明したように、本発明による照明器具は、発光体ユニット4を天井2に取り付けられた器具本体3に対して付勢する捻りばねであるキックばね16を、発光体ユニット4の上面に長手方向の中心線上に沿って複数設け、それぞれのキックばね16に対応したばね受け具6を器具本体3に下向きに設け、キックばね16をばね受け具6に架けることで、発光体ユニット4を器具本体3に対して当接する構成としたことで、下方から施工する際にばね受け具6を目視できるので、キックばね16をばね受け具6に架けやすく、施工の容易な照明器具を得られる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、キックばね16を介して発光体ユニット4を吊下げた状態を保持することが可能なので、コネクタ8を接続する際に紐や鎖のような特段の吊下げ部材を用いて発光体ユニット4を吊下げる必要がなく、簡素な構成であって特段の道具を用いることなく発光体ユニット4を着脱可能な照明器具を得られる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、キックばね16を介して発光体ユニット4を吊下げた状態において、発光体ユニット4を短手方向に揺動することが可能であり、発光体ユニット4を奥側に揺動した際には、手前側にコネクタ8を接続するためのスペースが大であり、ばね受け具6をさらに目視しやすく、施工の容易な照明器具を得られる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、コネクタ8を接続したのち発光体ユニット4を吊下げた状態から上方から持ち上げるだけで、発光体ユニット4はキックばね16の付勢力によって器具本体3に向けて引き上げられてセットされるので、特段の道具を使うことなく発光体ユニット4を取り付けることができる、施工の容易な照明器具が得られる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、キックばね16の一対のばね腕部18をばねのコイル部17に対して対称な形状とし、ばね受け具6にはそれぞれのばね腕部18に対応したばね受け溝19を設けたので、複数本のキックばね16のうち1本のみをばね受け具6に架けた状態であっても、発光体ユニット4を長手方向に移動する力を生じることがなく、発光体ユニット4を安定して吊り下げることができるので、施工の容易な照明器具を得られる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、ばね受け具6に設けられたばね受け溝19に隣接した辺ないし切り起こし部20をばね受け溝19に向けて間隔が狭くなるよう傾斜した傾斜部25としたので、キックばね16を取り付ける際には、ばね腕部18が切り起こし部20ないし傾斜部25に沿ってばね受け溝19にガイドされて呼び込まれるので、キックばね16をばね受け溝19に確実にかつ容易に取り付けることができ、キックばね16が取り付けやすく、施工の容易な照明器具を得られる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、器具本体3の短手方向の幅寸法を発光体ユニット4の短手方向の幅寸法とほぼ等しくすることができるので、複数の照明器具を短手方向に隣接して配置できる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、所謂長尺の長手方向に特に長い照明器具1において、キックばね16を3本設け、そのうちの1本は発光体ユニット4の略中央の重心位置近傍に配置したので、中央近傍のキックばね16cのみをばね受け具6に架けた状態であっても発光体ユニット4を略水平に安定して吊り下げることができるので、施工の容易な照明器具を得られる、という効果がある。
本発明による照明器具はさらに、器具本体3と発光体ユニット4とは長手方向に直線状ではなく、全体または一部が曲線によって構成されていても、一対のキックばね16は重心位置Gを挟んで発光体ユニット4の長手方向の両端近傍に、コイル部17の中心線が互いに平行となるよう配置し、重心位置Gはキックばね16のばね腕部18の間隔であるeの範囲内に設けることで、キックばね16を介して発光体ユニット4を吊下げた状態を保持することが可能であり、施工の容易な照明器具を得られる、という効果がある。
なお、本実施形態では光源である発光体素子11をLEDとして説明したが、発光体素子11はLEDに限定されるものではなく、有機EL(OLED:オーガニック・ライト・エミッティング・ダイオード)であってもよい。
また、本実施形態では、コイル部17の巻き方向が同一のキックばね16を複数設けた例を図示したが、そのような構成に限定されるものではなく、複数設けられたキックばね16は、互いにコイル部17の巻き方向が逆向きであってもよく、そのような構成であっても本発明に記載したと同様な効果が得られることは明らかである。
本実施形態においては、一対のキックばね16を発光体ユニット4の長手方向の中心線上に配置するものとして説明したが、そのような配置に限定されるものではなく、一方のキックばね16を短手方向の手前側にずらして配置し、他方のキックばね16を短手方向の奥側にずらして配置してもよく、このように配置してもこれら一対のキックばね16は重心を挟んで配置されるので、発光体ユニット4を安定して保持することが可能であり、本実施形態と同様な効果がある。
以上の構成により、天井に取り付けられた器具本体に発光体ユニットを取り付ける際に、特段の道具を用いる必要がなく、コネクタの接続がしやすいとともに係止手段であるキックばねが架けやすい、施工の容易な照明器具を得ることができる。