JP2018159687A - 模様位置検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駆動ローラと搬送ベルトがスリップすることで、模様の位置検査に誤判定が発生することを防ぐ模様位置の検査方法を提供するものである。【解決手段】 ベルトコンベアにより搬送中の用紙に対して、あらかじめ設定した検出位置に該当する模様位置を検出する位置検出工程と、ベルト表面端側に複数の補正用マークと、補正用マークの中から基準マークと、補正用マーク間の基準パルス数を設定し、用紙搬送中に測定したパルス数から基準パルス数を減じたパルス数の差に1パルス分の長さを乗じることで基準マーク間のベルトスリップ量を算出するベルトスリップ算出工程と、検出位置からベルトスリップ算出工程で算出したベルトスリップ量を減じることで位置を補正する位置補正工程と、位置補正工程の補正結果について、あらかじめ設定された模様位置に関する許容範囲と比較して正損判定を行う検査工程を有する。【選択図】 図4
Description
本発明は、ベルトコンベア方式で用紙を搬送しながら、用紙に形成された模様の位置を、精度良く検査する方法に関するものである。
近年、スキャナ、カラー複写機等のデジタル機器の発展により、紙幣や旅券等の貴重印刷物の精巧な偽造品を作製することが可能となり、大きな問題となっている。その偽造防止対策の一つとして抄紙機で形成したすき入れ模様や、透かしインキにより形成した透かし模様(以下総称して「透過模様」という。)が付与された用紙を用いた貴重印刷物が、多数流通している。
透過模様は、反射光下では模様を視認することができず、透過光下のみで視認することができることから、デジタル機器で複製することは不可能であり、更に印刷による技術と透過模様を複合した印刷物もあり、その偽造抵抗力は大きい。
また、紙幣及び旅券等のように、印刷模様と透過模様の位置、あるいは、印刷模様同士の位置に関連がある印刷物を作製する場合には、印刷模様と透過模様との刷り合せを確認することが極めて重要である。
例えば、透過模様位置の検査装置として特許文献1には、透明シリンダによって搬送中の透過模様が形成された用紙に対し、透明シリンダ内から照明を照射した後、透明シリンダの外に設置したカメラから透過光を撮像することで、透過模様を撮像可能とした検査装置が開示されている。
しかしながら、搬送速度を安定させて、透過模様を撮像するためには、大型の透明シリンダを用いる必要があるため、装置全体が非常に大型になり、設置箇所が限定されるだけではなく、装置そのものが高価となる、という問題があった。
そこで、この問題を解決する別の装置構成として特許文献2には、独立する二つのベルトコンベア間に設けた撮像部により、透過模様を撮像可能とした検査装置が開示されている。図1は、特許文献2の二つのベルトコンベアを説明する模式図であり、このベルトコンベアはローラが搬送ベルトを摩擦伝動させることで回転する。
図1に示すように、二つのベルトコンベア間に、搬送経路に対して向かい合うように、カメラと照明を設置することで、搬送中の透過模様が形成された用紙が、ベルトコンベア間を通過する際に、搬送経路下方に設置した照明を照射した後、搬送経路上方に設置したカメラにより、透過光を撮像することで、透過模様を撮像可能とした検査装置が開示されている。
前述したとおり、ローラが搬送ベルトを摩擦伝動させることでベルトコンベアは回転するため、ローラと搬送ベルト裏面の間で摩擦を発生させる必要がある。一方で、搬送ベルトの材質がゴム、樹脂、フェルト等であることから、長期的には搬送ベルトが伸びてローラに対する緩みが生じ、ベルトテンションが低減することで、この摩擦が少しずつ不安定になる。そして、摩擦が不安定になることで、ローラの回転が搬送ベルトに正確に伝動されず、搬送ベルトとローラのスリップが増加することになる。
さらに、同一の搬送ベルトを使い続けることで、ローラと接触する搬送ベルト裏面には摩耗が生じてしまう。この搬送ベルト裏面の摩耗が進んでいくと、ローラとの摩擦が不安定となり、ローラとのスリップはより発生しやすくなる。つまり、搬送ベルトとローラのスリップは、ベルトコンベアの構造上から完全に防ぐことはできない。
このように、ベルトコンベア方式の検査装置については、搬送ベルトとローラのスリップを完全に防ぐことはできないため、ベルトコンベア上で撮像する検査画像を使った位置検査にも影響を与えることとなる。具体的には、モータと接続して回転するローラである駆動ローラと搬送ベルトがスリップすることで用紙の搬送速度が不安定となり、検査画像が搬送方向側で伸縮するため、本来であれば正紙の範囲内である透過模様や印刷模様(以下総称して「模様」という。)の位置が、損紙と誤選別されることにつながってしまう。
そこで、本発明は、駆動ローラと搬送ベルトがスリップすることで発生する模様位置の検査誤差により、本来であれば正紙の範囲内であるものを検査装置が損紙と誤判定する事象を防ぐことを可能とする、模様位置の検査方法を提供する。
本発明の模様位置検査方法は、用紙をベルトコンベアにより搬送させながら、用紙に形成された模様の位置検査を行う方法であって、模様の位置を検出するために、基準となる、模様の検出位置をあらかじめ設定し、搬送中の用紙に対してあらかじめ設定した検出位置に該当する模様の位置を検出する位置検出工程と、ベルトコンベアのベルト表面において用紙の搬送方向に沿った端側に複数の補正用マークと、補正用マークの中から基準マークと、補正用マーク間の基準パルス数をそれぞれ設定し、用紙の搬送中に、補正用マーク間のパルス数を測定し、測定したパルス数から基準パルス数を減ずることでパルス数の差を算出し、パルス数の差に1パルス分の長さを乗ずることで基準マーク間のベルトスリップ量を算出するベルトスリップ算出工程と、位置検出工程において検出した位置から、ベルトスリップ算出工程において算出したベルトスリップ量を減ずることで検出した位置を補正する位置補正工程と、位置補正工程において補正した結果について、あらかじめ設定された模様の位置に関する許容範囲と比較することで正損判定を行う検査工程を、有することを特徴とする。
本発明の検査方法を用いることで、駆動ローラと搬送ベルトにおけるベルトのスリップが原因で発生する検査誤差を補正することが可能であるため、従来よりも誤判定が少なく精度の良い、模様の位置検査が実施できる。
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他様々な形態が実施可能である。
本発明における、ベルトスリップ量(R)を加味して模様の位置検査を行う方法は、位置検出工程、ベルトスリップ算出工程、位置補正工程及び検査工程を有する方法である。各工程の詳細について、図4のフローチャート及び図5の処理内容の詳細に準じて説明するが、まずは、本発明の被検査対象物と、本発明の模様位置検査装置についての例を説明する。
図2は、本発明の被検査対象物である用紙(1)の一例を示す平面図であり、用紙(1)の少なくとも一部に、位置検査の対象となる模様(2)が施されている。この模様(2)は、反射光下で観察される印刷模様であっても、透過光下で観察される透過模様であってもよい。
また、図2では、4列×5面の20面に複数の模様(2)が形成された用紙(1)を示しているが、被検査対象物である用紙(1)には、位置検査の対象となる模様(2)が形成されていれば、面数及び模様(2)を形成する位置は、特に限定されない。
なお、本発明における「用紙の紙頭(T1)」とは、模様位置検査装置における用紙の搬送方向(V1)における用紙(1)の前端のことであり、「用紙の紙尻(T2)」とは、用紙の搬送方向(V1)における用紙(1)の後端のことである。
次に、本発明の位置検査装置の一例について説明する。図3に示すように、本発明の位置検査装置は、ベルトコンベア(3)により用紙の搬送方向(V1)に向かって搬送中の用紙(1)に対して、公知の方法により、用紙(1)に形成された模様(2)の位置検査を行うものである。図3では、カメラで撮像した画像を使って位置検査を行う構成としているが、この構成については特に限定されない。
詳細は後述するが、本発明では、ベルトコンベア(3)の搬送ベルト(4)に、補正用マーク(M)を設定する必要がある。図3では、搬送ベルト(4)に、用紙の搬送方向(V1)とは逆方向に、M1から順に、M2、M3、…、M(j−1)、M(j)までの、合計でj個の補正用マーク(M)を設定した状態である。
なお、特許文献2に記載された模様位置検査装置のように、搬送中の用紙(1)の透過画像を撮像するために、ベルトコンベア(3)が上流側コンベアと下流側コンベアの両方を備えている場合には、補正用マーク(M)は、下流側コンベアを形成する搬送ベルト(4)にだけ設置すればよい。これは、ラインカメラで用紙(1)の画像を取り込む際の用紙(1)の搬送速度は、9割以上が下流側コンベアと一致しているため、補正用マーク(M)を下流側の搬送ベルト(4)にだけ設置すれば、本発明の効果は十分に発揮できるからである。
なお、この場合には、補正用マーク(M)や、搬送中の用紙(1)を検出するための手段等を、必要に応じて下流側コンベア上に設置することとなるが、模様位置検査装置の詳細な構成については、ベルトコンベア(3)の構成や、用紙(1)に形成された模様(2)の位置検査方法等に応じて、適宜設定すればよい。なお、補正用マーク(M)の詳細については後述する。
ここから、本発明における模様位置検査方法の詳細について説明する。図4に示すように、検出工程では、まずステップ(以下「S」とする。)Aにおいて、用紙(1)に形成された模様(2)の位置を検査するための基準となる検出位置をあらかじめ設定する。
例えば、本出願人による特開2013−57607等の位置検査方法では、用紙の紙頭(T1)から、任意の模様(2)までの位置検査を行う方法が開示されているが、この他にも、一つの模様(2)から、別の模様(2)までの位置検査を行う方法なども考えられる。そこで、模様(2)の位置を検出するために必要となる座標や、始点及び終点などの設定を行う。
SBでは、搬送中の用紙(1)に対して、SAで設定した検出位置に該当する模様(2)の位置を検出する。模様(2)の位置を検出する方法については、検査対象や検査精度によって適宜設定することができる。
例えば、特開2013−57607等の位置検査方法では、搬送中の用紙(1)に光を照射してラインカメラで撮像し、撮像した画像と基準画像を比較することで位置検査を行う方法が開示されているが、この他にも、ラインカメラ以外のセンサによって用紙(1)に形成された模様(2)を検出する方法なども考えられる。
次に、ベルトスリップ算出工程では、まずS1として、ベルトコンベア(3)を形成する搬送ベルト(4)に、複数の補正用マーク(M)を設定する。この補正用マーク(M)は、搬送ベルト(4)を購入した後に付与してもよいし、補正用マーク(M)が付与された搬送ベルト(4)を購入してもよい。いずれにしても、補正用マーク(M)の詳細は、以下のとおりである。
まず、補正用マーク(M)を付与する位置は、搬送ベルト(4)の表面側、つまり、用紙(1)を搬送する側の、搬送方向(V1)に沿った端側であり、用紙(1)によって隠れない位置とする。模様位置検査中は、搬送ベルト(4)上を連続的に用紙(1)が通紙されているため、補正用マーク(M)を搬送ベルト(4)の幅方向の中央に付与する場合には、補正用マーク(M)と用紙(1)が重なってしまい、補正用マーク(M)の読み取りができなくなるためである。なお、搬送ベルト(4)の端と端でベルトスリップ量(R)に違いがでるとは考えづらいため、補正用マーク(M)は、搬送方向(V1)に沿った端側の少なくとも一方に付与すればよいが、ベルトコンベア(3)の構成、搬送ベルト(4)や用紙(1)の大きさ、求める検査精度によって、一方の端側のみに付与するか、端側の双方に付与するかは適宜設定できる。図6(a)では、補正用マーク(M)を搬送ベルト(4)の一方の端側のみに付与した状態である。
補正用マーク(M)の大きさは、補正用マーク(M)の読み取りに使用する手段で検出できるとともに、搬送中の用紙(1)で隠れない大きさであればよく、読取り用の手段の精度や、ベルトコンベア(3)の構成によって適宜設定すればよい。
また、マーク間の距離(21)は、用紙の搬送方向の長さ(L)以下であることが好ましい。マーク間の距離(21)が用紙の搬送方向の長さ(L)よりも長い場合には、ベルトスリップ量(R)が過度に平均化されてしまうことから、模様(2)の位置の補正の精度が悪化するため、好ましくない。なお、マーク間の距離(21)は、等間隔であっても、等間隔でなくても問題はない。
なお、本発明における「マーク間の距離」とは、図6(a)に示すとおり、補正用マーク(M)の中心間の距離(21−1)、搬送方向(V1)に対する下流端同士の距離(21−2)、又は上流端同士の距離(21−3)を示すものである。後述するが、本発明では、補正用マーク(M)間で検出されるパルス数(P)を使用して検査を行うため、例えば、マーク間の距離を、補正用マーク(M)の下流端から上流端までの距離(22)とすると、補正用マーク(M)の幅に該当するパルス数(P)を、位置検査に使用できないためである。
また、補正用マーク(M)の間隔や大きさについての誤差を極めて小さく設定できる場合や、補正用マーク(M)を付与する搬送ベルト(4)に伸びや摩耗がほとんど発生しないものである場合には、補正用マーク(M)は全て同じ形状としても問題はないが、検査対象とする用紙(1)に対応する補正用マーク(M)を正確に検出し精度良く検査をするためには、個々のマーク(M)は区別できる構成とすることが好ましい。例えば、補正用マーク(M)ごとに色や形状、大きさを変える、ナンバリングをする、等の方法が考えられるが、補正用マーク(M)を正確に区別できる構成であればこの限りではない。
なお、本発明における「用紙(1)に対応する補正用マーク」とは、搬送中の用紙(1)の模様位置検査に使用する補正用マーク(M)を示し、これ以降、この補正用マーク(M)のことを基準マーク(Mk)とする。基準マーク(Mk)の詳細については、後述する。
次に、図4に示すS2として、S1で設定した補正用マーク(M)の中から、基準マーク(Mk)を設定する。この基準マーク(Mk)は、搬送する用紙(1)に対応するベルトスリップ量(R)を算出するために必須な構成である。例えば、用紙の紙頭(T1)及び紙尻(T2)に近傍するマークを基準マーク(Mk)とすることもできるし、前述した位置検出工程のSAにおいて設定する検出位置に近傍するマークとすることもできる。
例えば、用紙の紙頭(T1)から、任意の模様(2)までの位置検査を行う場合には、用紙の紙頭(T1)及び任意の模様(2)に近傍するマークを基準マーク(Mk)としてもよい。このように、基準マーク(Mk)は、検出位置や検査精度に応じて適宜設定すればよいが、少なくとも補正用マーク(M)の中から2つ以上を基準マーク(Mk)として設定する。基準マーク(Mk)の詳細は、後述する。
次に、S3として、補正用マーク(M)間の基準パルス数(PA)を設定する。この基準パルス数(PA)は、搬送する用紙(1)に対応するベルトスリップ量(R)を算出する際に、基準となるものである。基準パルス数(PA)は、例えば、S1で設定した補正用マーク(M)間の距離(21)を、1パルス分の長さ(e)で除することで得ることができる。なお、1パルス分の長さ(e)は、図3に示す駆動ローラ(5)の直径×円周率、より正確には、(駆動ローラ(5)の直径+搬送ベルト(4)の厚み×2)×円周率、の計算式で求められる値を、エンコーダ(6)のメモリ数で除することによって得られる。
あるいは、用紙(1)を搬送しない状態でベルトコンベア(3)を回転させて、補正用マーク(M)間におけるエンコーダ(6)からのパルス信号をカウントすることで、基準パルス数(PA)を得ることもできる。搬送ベルト(4)は、使用を続けることで日々劣化するため、この方法であれば、搬送ベルト(4)の伸びや摩耗を加味した基準パルス数(PA)を得ることが可能である。なお、このS3の処理は、図5の左から2列目に記載された内容が該当する。
前述した、S1からS3までの工程は、模様(2)の位置検査を開始する前の段階で、あらかじめ実施しておく工程であり、S4以降は、位置検査中の工程である。
S4では、用紙(1)を搬送させて模様(2)の位置検査を実施している状態で、補正用マーク(M)間の検査時のパルス数(PB)を測定する。なお、このS4の処理は、図5の左から3列目に記載された内容が該当する。
次に、S5においては、補正用マーク(M)間のベルトスリップ量(R)を算出する。まず、S5−1として、S4で測定した検査時のパルス数(PB)から、S3で設定した基準パルス数(PA)を減ずることで、各マーク(M)間のパルス数の差(PC)を算出する。このS5−1の処理は、図5の右から2列目に記載された内容が該当する。
次に、S5−2として、S5−1で算出したパルス数の差(PC)に、1パルス分の長さ(e)を乗ずることで、基準マーク(Mk)間のベルトスリップ量(R)を算出する。このS5−2の処理は、図5では右端に記載された内容が該当する。
具体的には、基準マーク(Mk)を用紙の紙頭(T1)及び紙尻(T2)に近傍するマークと設定した場合は、図7に示すとおり、用紙の紙頭(T1)に最も近傍するマーク(Mk−1)から用紙の紙尻(T2)に最も近傍するマーク(Mk−4)までに存在する全ての補正用マーク(M)間のベルトスリップ量(R)を算出することとなる。
なお、図7(a)のように、用紙の紙頭(T1)に最も近傍するマーク(Mk−1)が用紙の紙頭(T1)と同じ位置、さらに、用紙の紙尻(T2)に最も近傍するマーク(Mk−4)が用紙の紙尻(T2)と同じ位置に存在すれば、搬送中の用紙の搬送方向の長さ(L)と一致するベルトスリップ量のみを使用できるが、一般的に、用紙(1)と補正用マーク(M)の位置関係は、このように単純ではない。具体的には、図7(b)や図7(c)に示すように、用紙の紙頭(T1)及び紙尻(T2)は、いずれかの補正用マーク(M)間に存在する可能性が圧倒的に高い。
そこで、図7(b)の場合には、補正用マーク(Mk−1)〜補正用マーク(Mk−4)間のベルトスリップ量から、補正用マーク(Mk−1)〜用紙の紙頭(T1)間のベルトスリップ量と、用紙の紙尻(T2)〜補正用マーク(Mk−4)間のベルトスリップ量を減算することで、用紙の搬送方向の長さ(L)と一致するベルトスリップ量を算出することも可能である。
あるいは、図7(c)に示す場合には、補正用マーク(Mk−1)〜補正用マーク(Mk−4)間のベルトスリップ量に、用紙の紙頭(T1)〜補正用マーク(Mk−1)間のベルトスリップ量と、補正用マーク(Mk−4)〜用紙の紙尻(T2)間のベルトスリップ量を加算することで、用紙の搬送方向の長さ(L)と一致するベルトスリップ量を算出することも可能である。
あるいは、図2で示したとおり、用紙(1)が多面判である場合には、用紙の紙頭(T1)から任意の模様(2)(この場合は、用紙の紙頭(T1)から数えて4つ目の模様(2))に近傍するマークを基準マーク(Mk)と設定することも可能であり、この場合は、図8に示すとおり、用紙の紙頭(T1)に最も近傍するマーク(Mk−1)から任意の模様(2)に最も近傍するマーク(Mk−3)までに存在する全ての補正用マーク(M)間のベルトスリップ量(R)を算出することとなる。
なお、このS5−2で算出するベルトスリップ量(R)の値が正の値であれば、基準パルス数(PA)を設定した時期よりも補正用マーク(M)間のベルトスリップ量(R)が増加したことを意味しており、模様(2)の位置は、用紙の紙尻(T2)側にずれて測定されることとなる。逆に、S5−2で算出したベルトスリップ量(R)の値が負の値であれば、基準パルス数(PA)を設定した時期よりも補正用マーク(M)間のベルトスリップ量(R)が減少したことを意味しており、模様(2)の位置は、用紙の紙頭(T1)側にずれて測定されることとなる。また、S5−2で算出する補正用マーク(M)間のベルトスリップ量(R)の値が0であれば、基準パルス数(PA)を設定した時期からベルトスリップ量(R)に差が無いことを意味しており、模様(2)の位置検査結果を補正する必要はない。以上が、ベルトスリップ算出工程の説明である。
続いて、位置補正工程では、位置検出工程において検出した位置を、ベルトスリップ算出工程において算出したベルトスリップ量(R)に応じて補正する。具体的には、位置検出工程における検出結果から、ベルトスリップ算出工程におけるベルトスリップ量(R)を減ずる処理を行う。
最後に、検査工程において、位置補正工程において補正された位置検出結果を、あらかじめ設定された模様位置に関する許容範囲と比較することで正損判定を行う。具体的には、許容の範囲内であれば正紙、許容の範囲外であれば損紙とする処理を行う。
例えば、位置検出工程で検出した模様(2)の位置が400.4mm、ベルトスリップ算出工程において算出したベルトスリップ量(R)が+0.4mmであった場合、位置補正工程における補正結果は400mmとなる。あらかじめ設定された模様位置の許容範囲が400±0.3mmであった場合、ベルトスリップ量(R)に応じて補正した後の400mmは正紙判定となる。しかし、このような補正を行わず、位置検出工程での検出位置で正損判定を行った場合には、本来であれば正紙判定とすべき模様位置を、損紙と誤選別することとなる。
このように、ベルトスリップ量(R)に応じた補正を行いながら位置検査を行うことで、適切な正損判定が実施できる。
1 用紙
2 模様
3 ベルトコンベア
4 搬送ベルト
5 駆動ローラ
6 エンコーダ
7 照射手段
8 カメラ
9 ローラ
21、21−1、21−2、21−3 マーク間の距離
22 マーク間の距離
L 用紙の搬送方向の長さ
M 補正用マーク
Mk 基準マーク
P パルス数
PA 基準パルス数
PB 検査時のパルス数
PC パルス数の差
R ベルトスリップ量
T1 用紙の紙頭
T2 用紙の紙尻
V1 用紙の搬送方向
V2 用紙の幅方向
Y 用紙の紙頭(T1)から任意の模様(2)までの距離
e 1パルス分の長さ
2 模様
3 ベルトコンベア
4 搬送ベルト
5 駆動ローラ
6 エンコーダ
7 照射手段
8 カメラ
9 ローラ
21、21−1、21−2、21−3 マーク間の距離
22 マーク間の距離
L 用紙の搬送方向の長さ
M 補正用マーク
Mk 基準マーク
P パルス数
PA 基準パルス数
PB 検査時のパルス数
PC パルス数の差
R ベルトスリップ量
T1 用紙の紙頭
T2 用紙の紙尻
V1 用紙の搬送方向
V2 用紙の幅方向
Y 用紙の紙頭(T1)から任意の模様(2)までの距離
e 1パルス分の長さ
Claims (1)
- 用紙をベルトコンベアにより搬送させながら、前記用紙に形成された模様の位置検査を行う方法であって、
前記模様の位置を検出するために基準となる、前記模様の検出位置をあらかじめ設定し、搬送中の前記用紙に対して前記あらかじめ設定した検出位置に該当する前記模様の位置を検出する位置検出工程と、
前記ベルトコンベアのベルト表面において前記用紙の搬送方向に沿った端側に複数の補正用マークと、前記補正用マークの中から基準マークと、前記補正用マーク間の基準パルス数をそれぞれ設定し、前記用紙の搬送中に、前記補正用マーク間のパルス数を測定し、前記測定したパルス数から前記基準パルス数を減ずることでパルス数の差を算出し、前記パルス数の差に1パルス分の長さを乗ずることで前記基準マーク間のベルトスリップ量を算出するベルトスリップ算出工程と、
前記位置検出工程において検出した位置から、前記ベルトスリップ算出工程において算出したベルトスリップ量を減ずることで前記検出した位置を補正する位置補正工程と、
前記位置補正工程において補正した結果について、あらかじめ設定された前記模様の位置に関する許容範囲と比較することで正損判定を行う検査工程を、
有することを特徴とする位置検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017058442A JP2018159687A (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 模様位置検査方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018159687A true JP2018159687A (ja) | 2018-10-11 |
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2018159687A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3712864A1 (en) * | 2019-03-19 | 2020-09-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Paper sheet processing apparatus and paper sheet processing method |
-
2017
- 2017-03-24 JP JP2017058442A patent/JP2018159687A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3712864A1 (en) * | 2019-03-19 | 2020-09-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Paper sheet processing apparatus and paper sheet processing method |
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