JP2018159273A - 先行待機運転ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気口位置における静圧変動を抑制できる先行待機運転ポンプを提供する。
【解決手段】先行待機運転ポンプは、インペラと、前記インペラを収容するケーシングとを備える。インペラより主流方向上流側のケーシング内面には、周方向において等間隔に凸部が設けられている。凸部の頂点付近には吸気口が形成されている。吸気口の数は、インペラの翼の枚数と同じである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、先行待機運転ポンプに関する。
先行待機運転とは、局地的な集中豪雨(いわゆるゲリラ豪雨)対策として、地下に設けられた地下河川等に一旦雨水を流入させるにあたり、事前にポンプの運転を開始しておき、急変する水量に対応させる運転方法である。
図1は、先行待機運転の運転状態を説明するための図である。図1に示すように、先行待機運転では、まず、吸込水位に関係なく降雨情報等に基づいて、インペラ没水前の気中状態でインペラを回転させ始める(A:気中運転)。低水位の状態から水位が上昇するに従って、インペラの位置まで水位が達し、ポンプの運転状態は、インペラで水を撹拌する運転(B:気水撹拌運転)から、吸気口から供給される空気を水と共に吸い込ませつつ水量を徐々に増やす運転(C:気水混合運転)を経て、定格流量での水の排出を行う通常運転(D:定常運転)へと移行する。
ところで、通常の立軸ポンプでは、高水位から水位が低下してベル吸込口以下に達すると、大気中に露出したベル吸込口から一気に大量の空気が入り込むことで、激しい振動および騒音が発生することになる。
一方、先行待機運転ポンプには、水位低下に伴うベル内の静圧低下に対応して大気中の空気をベル内に自然吸気する吸気口が設けられている。これにより、高水位から水位が低下するときは、定常運転から、吸気口から供給される空気を水と共に吸い込ませつつ水量を徐々に減らす運転(C:気水混合運転)へ移行する。水位がさらに低下して所定のエアロック水位に至ると、インペラの下方に空気だまりが形成され、インペラの上方の水がインペラに撹拌される運転(E:エアロック運転)へ移行する。エアロック運転状態では、インペラの上方にある水がインペラにより攪拌されているだけであり、ポンプ流量はゼロである。水位が再び上昇すると、気水混合運転に移行する。
特許文献1には、先行待機運転ポンプにおいて、ベルの内面から突き出すようにパイプが設けられ、パイプの先端に吸気口が形成された構造が開示されている。
特開平3−138481号公報
先行待機運転ポンプの振動発生は、吸気時に多く見られる。吸気時に振動が発生すると、運転停止を余儀なくされることがある。また、運転停止となる振動に至らずとも、ポンプ各部分の疲労原因となるため、吸気時の振動は可能な限り低減したいという要請がある。吸気時の吸気口位置における静圧変動が吸気(空気)量の変動をまねき、それが振動の原因と予測されるものの、振動の発生原因および物理的なメカニズムは未だ解明されていない。
ところで、ポンプの技術分野においては、インペラの翼(動翼)とその後段に設けられるディフューザの翼(静翼)により発生する干渉(動静翼干渉)を避ける、もしくは低減させるため、動翼および静翼の枚数を互いに素な数として設計することが、従来からの慣例として行われている(たとえば、J.F.Gulich,“Centrifugal Pumps”(2nd Edition),Springer社,2010年,pp.424−425参照)。
また、動翼に近い領域に構造物を周方向に配置する場合には、動翼の枚数(z)および回転速度(n)により発生する振動周波数(zn成分)を避けるため、静翼の場合と同様に、該構造物の数は、動翼の枚数とは異なる数として設計される。これは、直接振動原因とならなくても、潜在する振動リスクを避けるため、ポンプの技術分野では半ば常識として用いられている設計指針である。
本発明は、以上のような課題および慣例(常識)に鑑みてなされたものである。本発明は、吸気口位置における静圧変動を抑制できる先行待機運転ポンプを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る先行待機運転ポンプは、
インペラと、前記インペラを収容するケーシングとを備え、
前記インペラより主流方向上流側の前記ケーシング内面には、周方向において等間隔に凸部が設けられており、
前記凸部の頂点付近には吸気口が形成されており、
前記吸気口の数は、前記インペラの翼の枚数と同じである。
本発明の第2の態様に係る先行待機運転ポンプは、第1の態様に係る先行待機運転ポンプであって、
前記吸気口の数は5つであり、前記インペラの翼の枚数は5枚である。
本発明によれば、先行待機運転ポンプにおいて、吸気口位置における静圧変動を抑制できる。
図1は、先行待機運転の運転状態を説明するための図である。 図2は、一実施の形態に係る先行待機運転ポンプの構造を示す概略図である。 図3は、図2に示すポンプのケーシングの下端部、特に吸気口が位置するベルマウス部を拡大して示す概略図である。 図4は、図3に示すケーシングの下端部の内面を主流方向下流側から見た概略図である。 図5Aは、凸部の一例をポンプの半径方向内側から見た正面図である。 図5Bは、図5Aに示す凸部を二次流れ方向下流側から見た側面図である。 図5Cは、図5Aに示す凸部を主流方向下流側から見た側面図である。 図5Dは、凸部の一変形例を二次流れ方向下流側から見た側面図である。 図5Eは、凸部の一変形例を主流方向下流側から見た側面図である。 図5Fは、凸部の一変形例を二次流れ方向下流側から見た側面図である。 図6Aは、凸部の一変形例をポンプの半径方向内側から見た正面図である。 図6Bは、図6Aに示す凸部を二次流れ方向下流側から見た側面図である。 図6Cは、図6Aに示す凸部を主流方向下流側から見た側面図である。 図7は、一実施の形態に係る吸気口のような曲面を有する壁面近傍において、静圧が低下する物理的メカニズムを説明するための模式図である。 図8は、凸部のさらに別の変形例を二次流れ方向下流側から見た側面図である。 図9は、一実施の形態に係る実施例における吸気口の配置を説明するための図である。 図10は、一実施の形態に係る実施例での吸気口位置における静圧変動を示すグラフである。 図11は、比較例における吸気口の配置を説明するための図である。 図10は、比較例での吸気口位置における静圧変動を示すグラフである。
以下に、添付の図面を参照して、一実施の形態による先行待機運転ポンプを詳細に説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示の理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(全体構成)
図2は、一実施の形態に係る先行待機運転ポンプの構造を示す概略図である。図3は、図2に示すポンプのケーシングの下端部、特に吸気口が位置するベルマウス部を拡大して示す概略図である。図4は、図3に示すケーシングの下端部の内面を主流方向下流側から見た概略図である。
図2〜図4に示すように、先行待機運転ポンプ10は、インペラ11と、インペラ11を収容するケーシング12とを備えている。
このうちケーシング12は、軸方向に延びる筒形状を有しており、ケーシング12の内部には回転軸18が回転可能に挿設されている。インペラ11は、回転軸18の下端部に同軸状に固定されている。
回転軸18の上端部には原動機19が取り付けられており、原動機19から出力される駆動力によってインペラ11と回転軸18とが一体に回転される。インペラ11の回転によりケーシング12内の流体が流動されることで、ケーシング12の上端部から流体が吐き出されるとともに、ケーシング12の下端部から新たな液体が吸い込まれるようになっている。
本明細書では、ケーシング12が延びる方向(すなわち軸方向)を主流方向21と呼び、インペラ11の回転方向を二次流れ方向22と呼ぶ。
本実施の形態では、図3に示すように、ケーシング12は、インペラ11が格納された本体部12aと、本体部12aの下方に配置されたベルマウス12bとを有している。本体部12aとベルマウス12bとは、インペラ11の上流端位置においてフランジ12cで連結されている。
図2〜図4に示すように、インペラ11より主流方向22上流側のベルマウス12b内面には、複数の凸部13が周方向(二次流れ方向22)において等間隔に設けられている。
凸部13は、例えばケーシング12と一体に鋳造で製作され得る。凸部13の突出量が小さいほど、凸部13をケーシング12と一体に鋳造で製作する際の製作コストを低減できるとともに、凸部13の影響によるベルマウス12b内の不純物堆積の懸念が少なくなるため、好ましい。例えば、凸部13の突出量は、凸部13と同じ軸方向位置におけるケーシング12の直径の25%未満であってもよい。
凸部13の頂点付近には、吸気口14が形成されている。吸気口14から延びる円筒形状の空間(吸気孔)は、凸部13を貫通するように形成されており、凸部13の外側に設けられた環状の空気室17に連通されている(図3参照)。空気室17には、一端が大気中に露出された空気管16が接続されており、吸気口14近傍の圧力と大気圧との差圧に応じて、大気中の空気が、空気管16から空気室17を通って吸気口14へと供給されるようになっている。
(凸部の形状)
次に、凸部13の形状について詳しく説明する。
図5Aは、凸部13の一例をポンプ10の半径方向内側から見た正面図である。図5Bは、図5Aに示す凸部13を二次流れ方向22下流側から見た側面図である。図5Cは、図5Aに示す凸部13を主流方向21下流側から見た側面図である。
図5A及び図5Bに示すように、凸部13は、主流方向21上流側において、吸気口14端部から離れるにつれて徐々にケーシング12内面からの突出量が減っていく主流方向上流側案内面15aを有している。吸気口14の主流方向上流側に案内面15aが設けられていることで、吸気口14近傍における静圧を低下させることができる。
図7は、吸気口近傍において静圧が低下する物理的メカニズムを説明するための模式図である。図7に示すように、流路に向かって凸部形状となる案内面を有している場合、案内面に近い流路Aを流れる流体は、案内面に沿って流れようとする傾向がある。
ここで、案内面に沿って流れる流体は、案内面より離れた流路Bを流れる流体と比較して、流れ方向の断面S1−S2間を通過する道のりが長くなるから、案内面近傍の流体は、流速が増加する傾向となる。
ベルヌーイの式により、流速増加は静圧低下を伴うから、結果的に、案内面近傍において静圧は低下する傾向となる。したがって、案内面に形成された吸気口近傍において静圧が低下することになる。
本実施の形態では、上述したように、吸気口14の主流方向上流側に案内面15aが設けられているため、案内面15aに沿って流れる吸気口14近傍の流体は、案内面15aより離れた流路を流れる流体と比較して、流速が増加する傾向となる。ベルヌーイの式により流速増加は静圧低下を伴うため、吸気口近傍では静圧が低下することになる。
また、本実施の形態では、吸気口14がベルマウス12b内面より内径側の凸部13の頂点付近に設けられているため、インペラ11の回転の影響による吸気口14近傍での静圧変動が低減される。
図5A及び図5Bに示すように、主流方向上流側案内面15aは、主流方向21に対して曲率を有していることが望ましい。この場合、主流方向21に流れる吸気口14近傍の流体を、主流方向上流側案内面15aに滑らかに沿うように案内することができ、主流方向上流側案内面15aからの剥離を抑制できる。
本実施の形態では、図5A及び図5Bに示すように、凸部13は、主流方向21下流側に、吸気口14端部から離れるにつれて徐々にベルマウス12b内面からの突出量が減っていく主流方向下流側案内面15bを有している。吸気口14の主流方向下流側にも案内面15bが設けられていることで、主流方向21に流れる吸気口14近傍の流体は、主流方向下流側案内面15bに滑らかに沿うように流れるようになる。これにより、案内面15a、15bからの剥離を抑制でき、静圧増加による吸気量の減少を低減できる。
図5A及び図5Bに示すように、主流方向下流側案内面15bは、主流方向21に対して曲率を有していることが望ましい。この場合、主流方向21に流れる吸気口14近傍の流体を、主流方向下流側案内面15bに滑らかに沿うように案内することができ、主流方向下流側案内面15bからの剥離をより効果的に抑制できる。
本実施の形態では、図5A及び図5Cに示すように、凸部13は、二次流れ方向22上流側に、吸気口14端部から離れるにつれて徐々にケーシング12内面からの突出量が減っていく二次流れ方向上流側案内面15cを有している。吸気口14の二次流れ方向上流側に案内面15cが設けられていることで、図7を参照して説明した物理的メカニズムにより、吸気口14近傍における静圧をさらに低下させることができる。
図5A及び図5Cに示すように、二次流れ方向上流側案内面15cは、二次流れ方向22に対して曲率を有していることが望ましい。この場合、二次流れ方向22に流れる吸気口14近傍の流体を、二次流れ方向上流側案内面15cに滑らかに沿うように案内することができ、二次流れ方向上流側案内面15cからの剥離をより効果的に抑制できる。
さらに、図5A及び図5Cに示すように、凸部13は、二次流れ方向22下流側に、吸気口14端部から離れるにつれて徐々にケーシング12内面からの突出量が減っていく二次流れ方向下流側案内面15dを有している。吸気口14の二次流れ方向下流側にも案内面15dが設けられていることで、二次流れ方向22に流れる吸気口14近傍の流体は、二次流れ方向下流側案内面15dに滑らかに沿うように流れるようになる。これにより、案内面15c、15dからの剥離を抑制でき、静圧増加による吸気量の減少を抑制できる。
図5A及び図5Cに示すように、二次流れ方向下流側案内面15dは、二次流れ方向22に対して曲率を有していることが望ましい。この場合、二次流れ方向22に流れる吸気口14近傍の流体を、二次流れ方向下流側案内面15dに滑らかに沿うように案内することができ、二次流れ方向下流側案内面15dからの剥離をより効果的に抑制できる。
なお、本実施の形態では、図5A〜図5Cに示すように、吸気口14の中心が凸部13の頂点と一致するように位置決めされているが、これに限定されない。
例えば、図5Dに示すように、吸気口14の中心は、凸部13の頂点よりも主流方向上流側、もしくは主流方向下流側に位置していてもよい。本件発明者の検証によれば、流路形状(すなわちベルマウス内壁の形状、凸部13の形状)、もしくはポンプ運転状況により、凸部13の頂点よりも主流方向上流側、もしくは主流方向下流側において静圧が、より低くなる傾向がある場合があることを確認できた。したがって、このような態様によれば、吸気口14近傍において流体の静圧をより低下させることができ、吸気口14から供給される吸気量を更に増加できる。
また、例えば、図5Eに示すように、吸気口14の中心は、凸部13の頂点よりも二次流れ方向上流側、もしくは二次流れ方向下流側に位置していてもよい。本件発明者の検証によれば、流路形状、もしくはポンプ運転状況により、凸部13の頂点よりも二次流れ方向上流側、もしくは二次流れ方向下流側において静圧が、より低くなる傾向がある場合があることを確認できた。したがって、このような態様によれば、吸気口14近傍において流体の静圧をより低下させることができ、吸気口14から供給される吸気量を更に増加できる。
また、本実施の形態では、図5Aおよび図5Bに示すように、案内面15a、15bは、主流方向下流側における突出量の減り方が主流方向上流側における突出量の減り方と一致するようなっていたが、これに限定されない。
例えば、図5Fに示すように、案内面15a、15bは、主流方向下流側における突出量の減り方が主流方向上流側における突出量の減り方より少なくなっていてもよい(すなわち、主流方向下流側案内面15bは主流方向上流側案内面15aより傾斜がなだらかであってもよい)。この場合、主流方向21に流れる吸気口14近傍の流体は、主流方向下流側に設けられた案内面15bに沿うように案内されやすくなる。これにより、案内面15bからの剥離を抑制でき、静圧増加による吸気量の減少を抑制できる。
図6Aは、凸部13の一変形例をポンプ10の径方向から見た正面図である。図6Bは、図6Aに示す凸部13を二次流れ方向22から見た側面図である。図6Cは、図5Aに示す凸部13を主流方向21から見た側面図である。
図6A〜図6Cに示す例では、凸部13は、主流方向上流側および主流方向下流側にそれぞれ、吸気口14端部から離れるにつれて徐々にケーシング12内面からの突出量が減っていく案内面15a、15bを有しているが、二次流れ方向上流側および二次流れ方向下流側にはそのような案内面を有していない。この場合も、主流方向に流れる流体に関しては、図5A〜図5Cに示す態様と同様に、図7を参照して説明した物理的メカニズムにより、吸気口14近傍における静圧を低下させることができる。
図8は、凸部13のさらに別の変形例を二次流れ方向22から見た側面図である。図8に示す例では、凸部13は、ケーシング12内面から突出する円筒部31を有し、吸気口14と案内面15a、15bとは円筒部31の先端に配置されている。
このような態様によれば、図5Bに示す態様に比べて、吸気口14が、より内径側に位置決めされるため、インペラ11の回転の影響による吸気口14近傍での静圧変動がより効果的に低減される。
また、図8に示す例では、円筒部31の基端部全周にフィレット32が設けられている。この場合、円筒部31基端部とケーシング12内面との接する部分の角度が180°に近くなる。これにより、円筒部31基端部とケーシング12内面との間での応力集中を緩和して壊れにくくすることができる。
(吸気口の数とインペラの翼の枚数との関係)
ところで、発明が解決しようとする課題の欄でも言及したように、ポンプの技術分野においては、インペラの翼(動翼)とその後段に設けられるディフューザの翼(静翼)により発生する干渉(動静翼干渉)を避ける、もしくは低減させるため、動翼および静翼の枚数を互いに素な数として設計することが、従来からの慣例として行われている(たとえば、J.F.Gulich,“Centrifugal Pumps”(2nd Edition),Springer社,2010年,pp.424−425参照)。
また、動翼に近い領域に構造物を周方向に配置する場合には、動翼の枚数(z)および回転速度(n)により発生する振動周波数(zn成分)を避けるため、静翼の場合と同様に、該構造物の数は、動翼の枚数とは異なる数として設計される。これは、直接振動原因とならなくても、潜在する振動リスクを避けるため、ポンプの技術分野では半ば常識として用いられている設計指針である。
これに対し、本実施の形態では、図4に示すように、吸気口14の数は、インペラ11の翼の枚数と同じになっている。図示された例では、吸気口14の数は5つであり、インペラ11の翼の枚数は5枚である。このような設計は、従来からの慣例(常識)から大きく外れるものであることに留意されたい。
後述するように、本件発明者の検証によれば、吸気口14の数がインペラ11の翼の枚数と同じであることにより、吸気口14位置における静圧変動が抑制され得ることを確認できた。したがって、このような態様によれば、吸気口14からの吸気量の変動を低減させることができ、吸気時における振動発生のリスクを低減させることができる。
以下、実施例を用いて本実施の形態をより詳細に説明するが、本実施の形態は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、本実施の形態に係る実施例として、図9に示すように、吸気口14の数が5つであり、インペラ11の翼の枚数が5枚であるポンプ10を設計した。また、比較例として、図11に示すように、吸気口14の数が4つであり、インペラ11の翼の枚数が5枚であるポンプを設計した。
次に、実施例および比較例のポンプについて、インペラ回転時における吸気口位置での静圧変動を、以下の条件において、数値解析(非定常単相流解析の流体シミュレーション)により検証した。
・インペラの回転速度n=1100min-1
・流量Q=2.1m3/min
図10は、実施例での各吸気口位置における静圧変動を示すグラフである。図12は、比較例での各吸気口位置における静圧変動を示すグラフである。
図12に示すように、比較例のポンプでは、各吸気口位置(Point1〜4)での静圧変動(各グラフの振幅)は、いずれも5×103Pa程度であった。一方、図10に示すように、実施例のポンプでは、各吸気口位置(Point1〜5)での静圧変動(各グラフの振幅)は、いずれも1×103Pa以下であり、すなわち比較例での静圧変動の5分の1以下に低減されることがわかった。したがって、上記実施例のポンプを用いれば、吸気口14からの吸気量の変動が低減され、吸気時における振動発生のリスクが低減されることが予測できる。
なお、上述した実施の形態は、インペラ11の回転速度、流量、およびインペラ11の径に対して凸部13の曲率および突き出し量などを好適に設計することにより、様々な運転条件に対して適用可能である。
10 先行待機運転ポンプ
11 インペラ
12 ケーシング
13 凸部
14 吸気口
15a 主流方向上流側案内面
15b 主流方向下流側案内面
15c 二次流れ方向上流側案内面
15d 二次流れ方向下流側案内面
16 空気管
17 空気室
18 回転軸
19 原動機
21 主流方向
22 二次流れ方向
31 筒部
32 フィレット

Claims (2)

  1. インペラと、前記インペラを収容するケーシングとを備え、
    前記インペラより主流方向上流側の前記ケーシング内面には、周方向において等間隔に凸部が設けられており、
    前記凸部の頂点付近には吸気口が形成されており、
    前記吸気口の数は、前記インペラの翼の枚数と同じである
    ことを特徴とする先行待機運転ポンプ。
  2. 前記吸気口の数は5つであり、前記インペラの翼の枚数は5枚である
    ことを特徴とする請求項1に記載の先行待機運転ポンプ。
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