JP2018159250A - コンクリート片の剥落防止構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境への負荷が少なく、強度が高く、施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造を提供すること。【解決手段】コンクリート片の剥落防止構造は、コンクリート基材上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む下塗塗料組成物により形成された下塗層と、前記下塗層上に形成され、メッシュシートを含んで構成されるとともに、水溶性樹脂組成物を含む中塗塗料組成物により形成された中塗層と、前記中塗層上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む上塗塗料組成物により形成された上塗層とを含み、前記中塗塗料組成物により形成される塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2あり、メッシュシートの引張強度が2,500〜4,300N/50mmである。【選択図】なし
Description
本発明は、水溶性樹脂組成物を含むコンクリート片の剥落防止構造に関する。
従来、道路等のコンクリート構造物は、コンクリートの中性化や、応力による変形によってひび割れが生じて、コンクリートの一部が剥落してしまう場合がある。そのため、コンクリート構造物の表面に塗膜を形成し、コンクリート片の剥落を防止する対策が実施されている。
例えば、メッシュシートと、ポリマーセメントモルタルエポキシ樹脂接着剤を含む層とを有するコンクリート片の剥落防止構造が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、ポリマーセメントモルタルエポキシ樹脂接着剤は溶剤系の接着剤であるため、環境への負荷が大きくなるという課題がある。また、コンクリート片の剥落防止構造に水溶性の接着剤を用いた場合には、接着剤の強度(付着強度、押抜き強度)の面で課題がある。
なお、特許文献1のコンクリート片の剥落防止構造の強度を高くするために、高強度のメッシュシートを用いた場合には、コンクリート片の剥落防止構造の施工性が悪化する。そのため、強度が高く、施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造が求められている。
本発明は、環境への負荷が少なく、強度が高く、施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造を提供することを目的とする。
本発明は、コンクリート基材上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む下塗塗料組成物により形成された下塗層と、前記下塗層上に形成され、メッシュシートを含んで構成されるとともに、水溶性樹脂組成物を含む中塗塗料組成物により形成された中塗層と、前記中塗層上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む上塗塗料組成物により形成された上塗層とを含み、前記中塗塗料組成物により形成される塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2であり、前記メッシュシートの引張強度が2,500〜4,300N/50mmであるコンクリート片の剥落防止構造に関する。
また、前記メッシュシートは、ポリエチレン樹脂、ビニロン樹脂またはガラス繊維製メッシュシートであることが好ましい。
また、付着強度が1.5N/mm2以上で、10cmφ当たりの押抜き荷重が1.5kN以上で、押抜き試験において10mm以上の変位があることが好ましい。
また、前記中塗塗料組成物は、塗装後、5℃にて6時間以内に半硬化することが好ましい。
また、リオン粘度計にて測定した前記中塗塗料組成物の5℃の粘度が、35℃の粘度の150%以下であることが好ましい。
本発明によれば、環境への負荷が少なく、強度が高く、施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本実施形態に係るコンクリート片の剥落防止構造は、コンクリート基材上に形成された下塗層と、下塗層上に形成された中塗層と、中塗層上に形成された上塗層とを備える。以下、これらの各層の構成について詳細に説明する。
本実施形態に係るコンクリート片の剥落防止構造は、コンクリート基材上に形成された下塗層と、下塗層上に形成された中塗層と、中塗層上に形成された上塗層とを備える。以下、これらの各層の構成について詳細に説明する。
<下塗層>
下塗層は、水溶性樹脂組成物を含む下塗塗料組成物により形成される。下塗層が水溶性樹脂組成物を含むことにより、下塗層による環境への負荷を軽減できる。
下塗層は、水溶性樹脂組成物を含む下塗塗料組成物により形成される。下塗層が水溶性樹脂組成物を含むことにより、下塗層による環境への負荷を軽減できる。
下塗塗料組成物は、水溶性樹脂組成物を含むものであれば特に限定されないが、コンクリート基材の表面との付着性に優れたものを用いることが好ましい。このような下塗塗料組成物として、アクリル樹脂、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、シリコン樹脂、またはこれらの樹脂の変性組成物のうち少なくともいずれか1種を含むものを挙げることができる。ここでいう水溶性樹脂組成物とは、エマルション樹脂のような水分散性樹脂であってよいし、水溶性の樹脂であってもよい。
上記水溶性樹脂組成物が含まれる下塗塗料組成物の形態は、一液形塗料でもよいし、主剤及び硬化剤からなる二液混合形塗料でもよい。
上記下塗塗料組成物は、上記成分をSGミル、ディスパーやボールミル等、当業者によってよく知られた機器を用いて分散、撹拌、混合することによって得ることができる。
<中塗層>
中塗層は、メッシュシートを含んで構成されるとともに、水溶性樹脂組成物を含む中塗塗料組成物により形成される。中塗層が水溶性樹脂組成物を含むことにより、中塗層による環境への負荷を軽減できる。
中塗層は、メッシュシートを含んで構成されるとともに、水溶性樹脂組成物を含む中塗塗料組成物により形成される。中塗層が水溶性樹脂組成物を含むことにより、中塗層による環境への負荷を軽減できる。
本実施形態においては、メッシュシートの引張強度は、2,500〜4,300N/50mmである。引張強度が2,500N/50mmを下回ると、コンクリート片の剥落防止構造の付着強度が低下する。反対に、引張強度が4,300N/50mmを上回ると、後述するコンクリート構造物(コンクリート基材)の形状によっては施工性が悪下する。
メッシュシートとして、具体的には、ポリエチレン樹脂、ビニロン樹脂またはガラス繊維製メッシュシートを挙げることができる。
中塗塗料組成物により形成される塗膜が硬すぎると、コンクリート片の剥落防止構造の付着強度が低下する。反対に、中塗塗料組成物により形成される塗膜が柔らかすぎると、コンクリート片の剥落防止構造の押抜き強度が低下する。
そのため、中塗塗料組成物により形成される塗膜の伸び率は、50〜250%であり、抗張力は、5〜18N/mm2である。伸び率が50%を下回ると、コンクリート片の剥落防止構造の押抜き強度が低下する。伸び率が250%を上回ると、コンクリート片の剥落防止構造の付着強度が低下する。
抗張力が5N/mm2を下回ると、コンクリート片の剥落防止構造の付着強度が低下する。抗張力が18N/mm2を上回ると、コンクリート片の剥落防止構造の押抜き強度が低下する。
抗張力が5N/mm2を下回ると、コンクリート片の剥落防止構造の付着強度が低下する。抗張力が18N/mm2を上回ると、コンクリート片の剥落防止構造の押抜き強度が低下する。
なお、本明細書において、伸び率とは、試験片n個それぞれの破断時の伸び率(En)の平均値(Eave)をいい、これらの値は、以下のように求められる。
試験片毎にLHO,LHを測定し、下記式(1)より、破断時の伸び率(En)を求める。
試験片毎にLHO,LHを測定し、下記式(1)より、破断時の伸び率(En)を求める。
[数1]
En=((LH―LHO)/LHO)*100 ・・・(1)
En:破断時の伸び率(%)
LHO:標線間距離(50mm)
LH:破断時の標線間距離(mm)
En=((LH―LHO)/LHO)*100 ・・・(1)
En:破断時の伸び率(%)
LHO:標線間距離(50mm)
LH:破断時の標線間距離(mm)
さらに下記式(2)より、試験片n個それぞれの破断時の伸び率(En)の平均値(Eave)を求める。
[数2]
Eave=(E1+E2+E3+・・・+En)/n ・・・(2)
Eave=(E1+E2+E3+・・・+En)/n ・・・(2)
コンクリート片の剥落防止構造の施工上、気温が低い冬場でも短時間で中塗塗料組成物が硬化(半硬化)する低温乾燥性が求められる。本実施形態においては、中塗塗料組成物は、塗装後、5℃にて6時間以内に半硬化する。これにより、コンクリート片の剥落防止構造の施工性が良好になる。なお、本明細書において、半硬化する時間は、JIS−K−5600−1−1 4.3(乾燥時間)に準じて測定される。
また、一般に塗料の粘度は、温度に依存する性質(以下、温度依存性ともいう)があることが知られている。温度依存性が高い場合、気温が高い夏場の粘度と、気温が低い冬場の粘度とに差が生じてしまい、施工上の問題が生じる場合がある。具体的には、気温が高い夏場においては低粘度なため鏝で塗装できる塗料が、気温が低い冬場においては高粘度なため鏝で塗装できなくなるといった問題が生じる場合がある。
本実施形態においては、リオン粘度計にて測定した中塗塗料組成物の5℃の粘度が、35℃の粘度の150%以下である。このように、中塗塗料組成物の温度依存性が低いと当該中塗塗料組成物の温度による粘度変化が小さいため、一年を通して同様の手法(例えば鏝を用いて)で中塗塗料組成物を塗装することができ、夏場と冬場ともに単位面積当たり均一な施工性が得られる。これにより、コンクリート片の剥落防止構造の施工性が良好になる。一方、150%を超えると該中塗塗料組成物の温度による粘度変化が大きくなるため、季節により単位面積当たりの施工性が異なり、汎用性が劣る。
また、中塗塗料組成物のガラス転移温度は、塗膜物性及び塗装性の観点から、−15〜30℃の範囲内であることが好ましい。
中塗塗料組成物は、上記の特性を満たすものであれば特に限定されないが水溶性樹脂組成物を含むものであることが好ましい。このような中塗塗料組成物として、アクリル樹脂、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの樹脂の変性組成物のうち少なくともいずれか1種を含むものを挙げることができる。ここでいう水溶性樹脂組成物とは、エマルション樹脂のような水分散性樹脂であってよいし、水溶性の樹脂であってもよい。
上記水溶性樹脂組成物が含まれる中塗塗料組成物の形態は、一液形塗料でもよいし、主剤及び硬化剤からなる二液混合形塗料でもよい。
上記中塗塗料組成物には、必要に応じてその特性に影響のない範囲で、体質顔料、着色顔料、分散剤、増粘剤、可塑剤等の添加剤が含有されていてもよい。
上記中塗塗料組成物に含有される着色顔料は、無機系の着色顔料が好ましく、一例として、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。
上記中塗塗料組成物に含有される分散剤、増粘剤及び可塑剤は、水溶性の塗料に対して一般に使用されているものを用いることができる。分散剤の市販品として、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−192、DISPERBYK−193、DISPERBYK−194、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2090、DISPERBYK−2091、DISPERBYK−2096等(以上、ビックケミー・ジャパン社製、「DISPERBYK」は登録商標)を用いることができる。
また、増粘剤の市販品として、プライマルASE−60、プライマルTT−615(以上、ローム&ハース社製、「プライマル」は登録商標)、アデカノールUH−140S、アデカノールUH−526、アデカノールUH−420、アデカノールUH−438、アデカノールUH−472、アデカノールUH−450、アデカノールUH−462、アデカノールUH−530、アデカノールUH−540、アデカノールUH−550、アデカノールUH−541、アデカノールUH−752等(以上、旭電化工業社製、「アデカノール」は登録商標)を用いることができる。
また、可塑剤の市販品として、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコール系溶剤;キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200等の芳香族系溶剤;ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(チッソ社製、商品名「CS−12」)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート(JNC社製、商品名「CS−16」)、ジエチルアジペート、ジイソブチルアジペート等のエステル系溶剤等を用いることができる。
また、増粘剤の市販品として、プライマルASE−60、プライマルTT−615(以上、ローム&ハース社製、「プライマル」は登録商標)、アデカノールUH−140S、アデカノールUH−526、アデカノールUH−420、アデカノールUH−438、アデカノールUH−472、アデカノールUH−450、アデカノールUH−462、アデカノールUH−530、アデカノールUH−540、アデカノールUH−550、アデカノールUH−541、アデカノールUH−752等(以上、旭電化工業社製、「アデカノール」は登録商標)を用いることができる。
また、可塑剤の市販品として、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコール系溶剤;キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200等の芳香族系溶剤;ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(チッソ社製、商品名「CS−12」)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート(JNC社製、商品名「CS−16」)、ジエチルアジペート、ジイソブチルアジペート等のエステル系溶剤等を用いることができる。
上記中塗塗料組成物は、上記成分をSGミル、ディスパーやボールミル等、当業者によってよく知られた機器を用いて分散、撹拌、混合することによって得ることができる。
<上塗層>
上塗層は、水溶性樹脂組成物を含む上塗塗料組成物により形成される。これにより上塗層による環境への負荷を軽減できる。
上塗層は、水溶性樹脂組成物を含む上塗塗料組成物により形成される。これにより上塗層による環境への負荷を軽減できる。
上塗塗料組成物は、水溶性樹脂組成物を含むものであれば特に限定されないが、紫外線劣化を防止できるものや、景観を良好にできるものを用いることが好ましい。このような上塗塗料組成物として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂またはこれらの樹脂の変性組成物のうち少なくともいずれか1種を含むものを挙げることができる。ここでいう水溶性樹脂組成物とは、エマルション樹脂のような水分散性樹脂であってよいし、水溶性の樹脂であってもよい。
上記水溶性樹脂組成物が含まれる上塗塗料組成物の形態は、一液形塗料でもよいし、主剤及び硬化剤からなる二液混合形塗料でもよい。
また、上記上塗塗料組成物は架橋剤を含むことができる。架橋剤を含み、得られる塗膜を架橋させることによって、塗膜に撥水性が付与され、耐水性を高めることができる。上記架橋剤としては、上記水溶性樹脂組成物の有する硬化性官能基に応じて選択することができ、例えば、上記水溶性樹脂組成物がカルボン酸基を有している場合には、上記架橋剤がカルボジイミド化合物であること、また、カルボニル基を有している場合には、上記架橋剤がヒドラジン化合物であることが好ましい。
上記カルボニル基とはカルボニル基の両端に炭素原子が結合した構造を有するもの、およびアルデヒド基に含まれるものを意味するが、これを含むモノマーとして、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、メタクリル酸アセトアセトキシエチル、アクリル酸アセトアセトキシエチル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン、アクロレイン、ホルミルスチロールなどを挙げることができる。
上記カルボジイミド化合物は特に限定されず、具体的には、1分子中に2つ以上のカルボジイミド基を有する水溶性のものや水分散性のものを挙げることができる。上記カルボジイミド化合物で、市販されているものとしては、具体的には、水溶性タイプであるカルボジライトVシリーズ、エマルションタイプであるEシリーズ(いずれも日清紡績社製)等を挙げることができる。また、上記ヒドラジン化合物としては特に限定されず、具体的には、1分子中に2つ以上のヒドラジン基を有するもの、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等を挙げることができる。上記架橋剤は組み合わせても用いてもよい。
また、そのほかの架橋剤としてポリイソシアネート化合物やポリアミン化合物を用いてもよい。
上記上塗塗料組成物は、さらに体質顔料、着色顔料、硬化触媒、防カビ剤、沈降防止剤、顔料分散剤、消泡剤、塗面調整剤の添加剤等を必要に応じて配合することができる。
上記上塗塗料組成物は、上記成分をSGミル、ディスパーやボールミル等、当業者によってよく知られた機器を用いて分散、撹拌、混合することによって得ることができる。
<施工方法>
コンクリート片の剥落防止構造の施工方法は、コンクリート構造物(コンクリート基材)の表面に下塗塗料組成物、中塗塗料組成物、上塗塗料組成物を塗装する工程を含む。コンクリート構造物(コンクリート基材)の表面に下塗塗料組成物、中塗塗料組成物、上塗塗料組成物を塗装することで複層塗膜が形成される。コンクリート構造物としては、橋梁、高架道路、鉄道構造物、建築物等が挙げられる。
コンクリート片の剥落防止構造の施工方法は、コンクリート構造物(コンクリート基材)の表面に下塗塗料組成物、中塗塗料組成物、上塗塗料組成物を塗装する工程を含む。コンクリート構造物(コンクリート基材)の表面に下塗塗料組成物、中塗塗料組成物、上塗塗料組成物を塗装することで複層塗膜が形成される。コンクリート構造物としては、橋梁、高架道路、鉄道構造物、建築物等が挙げられる。
下塗塗料組成物を塗装する工程の前に、コンクリート構造物の表面に、ひび割れに含浸するプライマーを塗装する工程が含まれてもよい。これにより、コンクリート片が剥落し難くなる。また、下塗塗料組成物を塗装する工程の前にコンクリート構造物の表面に不陸調整材を塗装する工程が含まれてもよい。これにより、各塗料組成物を塗装しやすくなる。コンクリート構造物の表面にプライマーを塗装してから不陸調整材を塗装してもよい。
ひび割れに含浸するプライマーとして具体的には、日本ペイント社製のタフガードE−VM用プライマーを挙げることができる。また、不陸調整材として具体的には、日本ペイント社製のタフガードEWフィラー及びタフガードEパテN−2等を挙げることができる。
下塗塗料組成物は、水等の希釈溶媒によって塗装に適した粘度に調製されたのち、コンクリート基材に対して、一般に当業者によってよく知られた方法、例えば、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装等により、必要量(本実施形態においては0.1〜0.2kg/m2)塗装される。塗装後、常温または強制的に乾燥を行うことにより、塗膜(下塗層)を得ることができる。乾燥時間は、塗装環境条件などによって異なるが、常温で1日以上行われることが好ましい。
中塗塗料組成物は、例えば2層に分けて塗装される。1層目の中塗塗料組成物が、水等の希釈溶媒によって塗料固形分(NV)50〜60%に調製されたのち、下塗塗料組成物によりコンクリート基材上に形成された下塗層に対して、一般に当業者によってよく知られた方法、例えば、鏝塗り、へら塗り、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装等により必要量(本実施形態においては0.1〜1.0kg/m2)塗装される。
中塗塗料組成物の1層目の塗装後、塗装された中塗塗料組成物の上にメッシュシートが貼り付けられる。中塗塗料組成物の上にメッシュシートを貼り付けやすいように、1層目の中塗塗料が乾ききる前にメッシュシートが貼り付けられることが好ましい。中塗塗料組成物の1層目の塗装から、メッシュシートが貼り付けられるまでの時間は、気温等の条件によって異なるが、60分以内であることが好ましい。
2層目の中塗塗料組成物は、水等の希釈溶媒によって塗料固形分(NV)50〜60%に調製されたのち、中塗塗料組成物の上に貼り付けられたメッシュシートに対して、一般に当業者によってよく知られた方法、例えば、鏝塗り、へら塗り、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装等により必要量(本実施形態においては0.1〜1.0kg/m2)塗装される。塗装後、常温または強制的に乾燥を行うことにより塗膜を得ることができる。乾燥時間は、塗装環境条件などによって異なるが、常温で1日以上行われることが好ましい。
以上の条件で中塗塗料組成物が2層に分けて塗装されることで、メッシュシートを中塗塗料組成物に挟むように中塗層に含ませることができる。
上塗塗料組成物は、水等の希釈溶媒によって塗装に適した粘度に調製されたのち、中塗塗料組成物により下塗層上に形成された中塗層に対して、一般に当業者によってよく知られた方法、例えば、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装等により必要量(本実施形態においては0.05〜0.5kg/m2)塗装される。塗装後、常温または強制的に乾燥を行うことにより塗膜を得ることができる。乾燥時間は、塗装環境条件などによって異なるが、常温で1日以上行われることが好ましい。
上塗塗料組成物を塗装して形成される塗膜(上塗層)の厚みは、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜100μmである。厚みが100μmより厚い場合、塗装時にタレが発生するなどの不具合が生じるおそれがある。
各塗料組成物は、鏝、へら、刷毛、ローラー、スプレーを用いて手作業で塗装されることが好ましい。これにより、屋外において所望の膜厚の塗膜を形成することができる。
各塗料組成物は、硬化後の複層塗膜の膜厚が100〜3000μmとなるように塗装されることが好ましい。膜厚が100μm未満となる場合、コンクリート片の剥落防止効果が低くなる場合がある。一方、膜厚が3000μmを超える場合、各塗料組成物の量が多くなるのでコストが高くなり、作業が煩雑になる場合がある。
コンクリート片の剥落防止構造において、付着強度が1.5N/mm2以上で、10cmφ当たりの押抜き荷重が1.5kN以上で、押抜き試験において10mm以上の変位があることが好ましい。これにより、コンクリート構造物からのコンクリート片の剥落を十分に防止することができる。
付着強度は、東日本・中日本・西日本高速道路株式会社の構造物施工管理要領のJSCE−K 531−1999に準じて測定した値である。また、押抜き荷重は、JSCE K 533−2010に準じて測定した値である。また、押抜き試験における変位は、JSCE K 533−2010に準じて測定した値である。
以上説明したように、本実施形態におけるコンクリート片の剥落防止構造は、コンクリート基材上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む下塗塗料組成物により形成された下塗層と、下塗層上に形成され、メッシュシートを含んで構成されるとともに、水溶性樹脂組成物を含む中塗塗料組成物により形成された中塗層と、中塗層上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む上塗塗料組成物により形成された上塗層とを含み、中塗塗料組成物により形成される塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2であり、メッシュシートの引張強度が2,500〜4,300N/50mmである。
各塗料組成物がそれぞれ水溶性樹脂組成物を含むため、環境への負荷を低減できる。また、塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2であるため、強度(付着強度、押抜き強度)を高めることができる。また、メッシュシートの引張強度が2,500〜4,300N/50mmであるため、強度(特に押抜き強度)を高め、施工性を良好にすることができる。これにより、環境への負荷が少なく、強度が高く、施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造を提供することができる。
各塗料組成物がそれぞれ水溶性樹脂組成物を含むため、環境への負荷を低減できる。また、塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2であるため、強度(付着強度、押抜き強度)を高めることができる。また、メッシュシートの引張強度が2,500〜4,300N/50mmであるため、強度(特に押抜き強度)を高め、施工性を良好にすることができる。これにより、環境への負荷が少なく、強度が高く、施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造を提供することができる。
また、メッシュシートは、ポリエチレン樹脂、ビニロン樹脂またはガラス繊維製メッシュシートである。これにより、押抜き強度が高いコンクリート片の剥落防止構造を提供することができる。
また、付着強度が1.5N/mm2以上で、10cmφ当たりの押抜き荷重が1.5kN以上で、押抜き試験において10mm以上の変位がある。これにより、コンクリート構造物からのコンクリート片の剥落を十分に防止することができる。
また、中塗塗料組成物は、塗装後、5℃にて6時間以内に半硬化する。また、リオン粘度計にて測定した中塗塗料組成物の5℃の粘度が、35℃の粘度の150%以下である。これにより、コンクリート片の剥落防止構造の施工性が良好になる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<水溶性樹脂組成物(アクリルエマルション樹脂)の調製>
<調製例1>
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水200.0質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。
スチレン300質量部、メチルメタクリレート200.8質量部、n−ブチルアクリレート80.7質量部、2−エチルヘキシルアクリレート360.6質量部、ダイアセトンアクリルアミド20.0質量部、アクリル酸20.0質量部、および乳化剤としてのラテムルPD−104(花王社製、20%水溶液)100質量部を脱イオン水579.4質量部に加えて乳化したプレエマルションを、過硫酸アンモニウム3質量部を脱イオン水150質量部に溶解した開始剤水溶液とともに2時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続した後冷却し、N、N−ジメチルアミノエタール8.2質量部を加え樹脂固形分50質量%のアクリルエマルション(調製例1)を得た。
<調製例1>
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水200.0質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。
スチレン300質量部、メチルメタクリレート200.8質量部、n−ブチルアクリレート80.7質量部、2−エチルヘキシルアクリレート360.6質量部、ダイアセトンアクリルアミド20.0質量部、アクリル酸20.0質量部、および乳化剤としてのラテムルPD−104(花王社製、20%水溶液)100質量部を脱イオン水579.4質量部に加えて乳化したプレエマルションを、過硫酸アンモニウム3質量部を脱イオン水150質量部に溶解した開始剤水溶液とともに2時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続した後冷却し、N、N−ジメチルアミノエタール8.2質量部を加え樹脂固形分50質量%のアクリルエマルション(調製例1)を得た。
<調製例2〜11:水溶性樹脂組成物(アクリルエマルション樹脂)の調製>
製造例1と同様の方法にて、表1に示した配合を用いて、樹脂固形分50質量%のアクリルエマルション(調製例2〜11)を得た。
製造例1と同様の方法にて、表1に示した配合を用いて、樹脂固形分50質量%のアクリルエマルション(調製例2〜11)を得た。
なお、表1に記載したアクリルエマルション樹脂はそれぞれ以下の通りであった。
ST:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
nBA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
AA:アクリル酸
ST:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
nBA:n−ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
AA:アクリル酸
<中塗塗料組成物の作成>
<実施例1>
脱イオン水191.0部、TipureR−706(DuPont社製酸化チタン)5.0部、TALC SSS(日本タルク社製珪酸マグネシウム)30.0部、スペシャルライス SSS(丸尾カルシウム社製炭酸カルシウム)10.0部、DISPERBYK−190(BYK−Chemie社製分散剤)2.0部、アデカノールUH−550(ADEKA社製増粘剤)3.0部および、調製例1で得られた水溶性樹脂組成物(アクリルエマルション樹脂)50.0部を加え、ディスパーで撹拌および混合することにより実施例1の中塗塗料組成物を得た。この中塗塗料組成物の塗料固形分(NV)は60%であった。また、ポリエチレン製のメッシュシートを選択した。
<実施例2〜12>
実施例1と同様の方法にて、表2に示した水溶性樹脂組成物に、表2に示した含有量の顔料(二酸化チタン、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム)、分散剤、増粘剤、可塑剤を添加し、実施例2〜12の中塗塗料組成物を得た。また、表2に示したメッシュシートを選択した。
<実施例1>
脱イオン水191.0部、TipureR−706(DuPont社製酸化チタン)5.0部、TALC SSS(日本タルク社製珪酸マグネシウム)30.0部、スペシャルライス SSS(丸尾カルシウム社製炭酸カルシウム)10.0部、DISPERBYK−190(BYK−Chemie社製分散剤)2.0部、アデカノールUH−550(ADEKA社製増粘剤)3.0部および、調製例1で得られた水溶性樹脂組成物(アクリルエマルション樹脂)50.0部を加え、ディスパーで撹拌および混合することにより実施例1の中塗塗料組成物を得た。この中塗塗料組成物の塗料固形分(NV)は60%であった。また、ポリエチレン製のメッシュシートを選択した。
<実施例2〜12>
実施例1と同様の方法にて、表2に示した水溶性樹脂組成物に、表2に示した含有量の顔料(二酸化チタン、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム)、分散剤、増粘剤、可塑剤を添加し、実施例2〜12の中塗塗料組成物を得た。また、表2に示したメッシュシートを選択した。
<比較例1〜5>
実施例1と同様の方法にて、表3に示した水溶性樹脂組成物に、表3に示した含有量の顔料(二酸化チタン、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム)、分散剤、増粘剤、可塑剤を添加し、比較例1〜5の中塗塗料組成物を得た。また、表3に示したメッシュシートを選択した。
実施例1と同様の方法にて、表3に示した水溶性樹脂組成物に、表3に示した含有量の顔料(二酸化チタン、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム)、分散剤、増粘剤、可塑剤を添加し、比較例1〜5の中塗塗料組成物を得た。また、表3に示したメッシュシートを選択した。
なお、表2、3に記載した水溶性樹脂組成物、顔料、分散剤、増粘剤、可塑剤はそれぞれ以下の通りであった。
ウレタンエマルション樹脂:ボンディックー1940、NE(DIC)社製
顔料
二酸化チタン:TI−PURE R−706、デュポン社製
珪酸マグネシウム:TALC SSS、日本タルク社製
炭酸カルシウム:スペシャルライス SSS、丸尾カルシウム社製
分散剤:DISPERBYK(登録商標)−190、BYK−Chemie社製
増粘剤:アデカノール(登録商標)UH−550、ADEKA社製
可塑剤:CS−12、JNC社製
ウレタンエマルション樹脂:ボンディックー1940、NE(DIC)社製
顔料
二酸化チタン:TI−PURE R−706、デュポン社製
珪酸マグネシウム:TALC SSS、日本タルク社製
炭酸カルシウム:スペシャルライス SSS、丸尾カルシウム社製
分散剤:DISPERBYK(登録商標)−190、BYK−Chemie社製
増粘剤:アデカノール(登録商標)UH−550、ADEKA社製
可塑剤:CS−12、JNC社製
また、表2、3に記載したメッシュシートはそれぞれ以下の通りであった。
ポリエチレン:DN−1000、クラボウ社製
ビニロンA:VHA1105、クラボウ社製
ガラスクロス:V375、ユニチカ社製
ビニロンB:V220、前田工繊社製
ポリエステル:#10000L、キョーワ社製
ポリエチレン:DN−1000、クラボウ社製
ビニロンA:VHA1105、クラボウ社製
ガラスクロス:V375、ユニチカ社製
ビニロンB:V220、前田工繊社製
ポリエステル:#10000L、キョーワ社製
<塗膜特性>
各実施例、比較例の中塗塗料組成物(塗料NV=60%)を水で10%希釈し、遊星式攪拌機(自転・公転ミキサー、商品名で、あわとり練太郎(登録商標)、シンキー社製)で3分間脱泡後、ポリプロピレン製の板(PP板)に40milのアプリケーターで塗装した。これを室温で1週間乾燥した後、得られた乾燥塗膜の中心部からスケールにて10×70mmの塗膜を3個切り出した。このようにして、塗膜特性用の各実施例、比較例の試験片を得た。これらの試験片に対して、50mm/min、23℃条件下で引張圧縮試験機(商品名で、ストログラフVG5−E、東洋精機製作所社製)を用いて引張り試験を行い塗膜の伸び率及び抗張力を測定した。結果を表2、表3に示した。
各実施例、比較例の中塗塗料組成物(塗料NV=60%)を水で10%希釈し、遊星式攪拌機(自転・公転ミキサー、商品名で、あわとり練太郎(登録商標)、シンキー社製)で3分間脱泡後、ポリプロピレン製の板(PP板)に40milのアプリケーターで塗装した。これを室温で1週間乾燥した後、得られた乾燥塗膜の中心部からスケールにて10×70mmの塗膜を3個切り出した。このようにして、塗膜特性用の各実施例、比較例の試験片を得た。これらの試験片に対して、50mm/min、23℃条件下で引張圧縮試験機(商品名で、ストログラフVG5−E、東洋精機製作所社製)を用いて引張り試験を行い塗膜の伸び率及び抗張力を測定した。結果を表2、表3に示した。
なお、試験片3個それぞれの破断時の伸び率(En)の平均値(Eave)を伸び率とし、以下のように求めた。
試験片毎にLHO,LHを測定し、下記式(3)より、破断時の伸び率(En)を求めた。
試験片毎にLHO,LHを測定し、下記式(3)より、破断時の伸び率(En)を求めた。
[式3]
En=((LH―LHO)/LHO)*100 ・・・(3)
En:破断時の伸び率(%)
LHO:標線間距離(50mm)
LH:破断時の標線間距離(mm)
En=((LH―LHO)/LHO)*100 ・・・(3)
En:破断時の伸び率(%)
LHO:標線間距離(50mm)
LH:破断時の標線間距離(mm)
さらに下記式(4)より、試験片3個それぞれの破断時の伸び率(En)の平均値(Eave)を求めた。
[式4]
Eave=(E1+E2+E3)/3 ・・・(4)
Eave=(E1+E2+E3)/3 ・・・(4)
各実施例、比較例の中塗塗料組成物を5℃条件下にてガラス板に各種試料を1mmスペーサーと金鏝を用いて塗装した。各実施例、比較例の中塗塗料組成物(塗膜)が半硬化するまでの時間を測定した。結果を表2、表3に示した。
各実施例、比較例の中塗塗料組成物について、5℃、35℃条件下にて各中塗塗料組成物(塗膜)の粘度をリオン粘度計(B型粘度計、商品名で、VISCOMETER TVB−10、TOKI SANGYO社製)を用いて、JIS−Z 8803 「液体の粘度測定方法 9. 単一円筒形回転粘度計による粘度測定方法」に準じて測定した。結果を表2、表3に示した。
<メッシュシート特性>
各実施例、比較例のメッシュシートについて、引張強度を測定した。結果を表2、表3に示した。
各実施例、比較例のメッシュシートについて、引張強度を測定した。結果を表2、表3に示した。
<強度評価>
試験用のコンクリート構造物の表面に、各実施例、比較例の1層目の中塗塗料組成物(塗膜)を塗装した。1層目の中塗塗料組成物(塗膜)に対して、各実施例、比較例のメッシュシートを貼り付けた。メッシュシートに対して、各実施例、比較例の2層目の中塗塗料組成物(塗膜)を塗装した。このようにして、強度評価試験用の各実施例、比較例の試験体が得られた。
試験用のコンクリート構造物の表面に、各実施例、比較例の1層目の中塗塗料組成物(塗膜)を塗装した。1層目の中塗塗料組成物(塗膜)に対して、各実施例、比較例のメッシュシートを貼り付けた。メッシュシートに対して、各実施例、比較例の2層目の中塗塗料組成物(塗膜)を塗装した。このようにして、強度評価試験用の各実施例、比較例の試験体が得られた。
強度評価試験用の各実施例、比較例の試験体を用いて、JSCE−K 531−1999に準じて付着強度を測定した。結果を表2、表3に示した。表2に示したように全ての実施例で1.5N/mm2以上の高い付着強度が測定された。
強度評価試験用の各実施例、比較例の試験体を用いて、JSCE−K 533−2010に準じて押抜き強度を測定した。結果を表2、表3に示した。表2に示したように全ての実施例で1.5kN以上の高い付着強度が測定された。
<施工性評価>
試験用のコンクリートブロックの端部に、各実施例、比較例の1層目の中塗塗料組成物(塗膜)を、金鏝を用いて塗装量が1500g/m2となるよう塗装にした。コンクリートブロックの端部に塗装された1層目の中塗塗料組成物(塗膜)に対して、各実施例、比較例のメッシュシートを貼り付けた。コンクリートブロックの端部に貼り付けられたメッシュシートに対して、各実施例、比較例の2層目の中塗塗料組成物(塗膜)を、金鏝を用いて塗装量が1500g/m2となるよう塗装にした。このようにして、施工性評価試験用の各実施例、比較例の試験体が得られた。
試験用のコンクリートブロックの端部に、各実施例、比較例の1層目の中塗塗料組成物(塗膜)を、金鏝を用いて塗装量が1500g/m2となるよう塗装にした。コンクリートブロックの端部に塗装された1層目の中塗塗料組成物(塗膜)に対して、各実施例、比較例のメッシュシートを貼り付けた。コンクリートブロックの端部に貼り付けられたメッシュシートに対して、各実施例、比較例の2層目の中塗塗料組成物(塗膜)を、金鏝を用いて塗装量が1500g/m2となるよう塗装にした。このようにして、施工性評価試験用の各実施例、比較例の試験体が得られた。
施工性評価試験用の各実施例、比較例の試験体を用いて、コンクリートブロックに対するメッシュの接着度合いを目視観察して、以下の評価基準で施工性を評価した。結果を表2、表3に示した。
(評価基準)
1:メッシュがコンクリートブロックの角面に接着して浮きがない状態。
0:メッシュがコンクリートブロックの角面に接着せずに浮いた状態。
(評価基準)
1:メッシュがコンクリートブロックの角面に接着して浮きがない状態。
0:メッシュがコンクリートブロックの角面に接着せずに浮いた状態。
表2、表3に示した強度評価から、実施例1〜12と、比較例1〜3とを比較することで、中塗塗料組成物により形成される塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2であることにより、強度(付着強度、押抜き強度)が高いコンクリート片の剥落防止構造を提供できることが確認された。
また、実施例1〜12と、比較例5とを比較することで、メッシュシートの引張強度が2,500N/50mm以上であること、またはメッシュシートがポリエチレン樹脂、ビニロン樹脂またはガラス繊維製メッシュシートであることにより、強度(特に押抜き強度)が高いコンクリート片の剥落防止構造を提供できることが確認された。
また、実施例1〜12と、比較例5とを比較することで、メッシュシートの引張強度が2,500N/50mm以上であること、またはメッシュシートがポリエチレン樹脂、ビニロン樹脂またはガラス繊維製メッシュシートであることにより、強度(特に押抜き強度)が高いコンクリート片の剥落防止構造を提供できることが確認された。
また、表2、表3に示した施工性評価から、実施例1〜12と、比較例4とを比較することで、メッシュシートの引張強度が4,300N/50mm以下であることにより、施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造を提供できることが確認された。
このように、中塗塗料組成物により形成される塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2であり、メッシュシートの引張強度が2,500〜4,300N/50mmであることにより、強度(付着強度、押抜き強度)および施工性が良好なコンクリート片の剥落防止構造を提供できることが確認された。
Claims (5)
- コンクリート基材上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む下塗塗料組成物により形成された下塗層と、
前記下塗層上に形成され、メッシュシートを含んで構成されるとともに、水溶性樹脂組成物を含む中塗塗料組成物により形成された中塗層と、
前記中塗層上に形成され、水溶性樹脂組成物を含む上塗塗料組成物により形成された上塗層とを含み、
前記中塗塗料組成物により形成される塗膜の伸び率が50〜250%、かつ、抗張力が5〜18N/mm2であり、前記メッシュシートの引張強度が2,500〜4,300N/50mmであるコンクリート片の剥落防止構造。 - 前記メッシュシートは、ポリエチレン樹脂、ビニロン樹脂またはガラス繊維製メッシュシートである請求項1に記載のコンクリート片の剥落防止構造。
- 付着強度が1.5N/mm2以上で、10cmφ当たりの押抜き荷重が1.5kN以上で、押抜き試験において10mm以上の変位がある請求項1または2に記載のコンクリート片の剥落防止構造。
- 前記中塗塗料組成物は、塗装後、5℃にて6時間以内に半硬化する請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート片の剥落防止構造。
- リオン粘度計にて測定した前記中塗塗料組成物の5℃の粘度が、35℃の粘度の150%以下である請求項1から4のいずれかに記載のコンクリート片の剥落防止構造。
Priority Applications (2)
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JP2017058248A JP2018159250A (ja) | 2017-03-23 | 2017-03-23 | コンクリート片の剥落防止構造 |
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KR102313313B1 (ko) * | 2020-12-31 | 2021-10-18 | 삼화페인트공업주식회사 | 방수막 하도용 폴리우레아 조성물 및 이를 이용한 방수 구조 시공 방법 |
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2017
- 2017-03-23 JP JP2017058248A patent/JP2018159250A/ja active Pending
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- 2018-02-28 WO PCT/JP2018/007463 patent/WO2018173662A1/ja active Application Filing
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