JP2018158994A - インクジェットインク組成物及びこれを用いたインクセット、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】白色画像を形成するためのインクジェットインク組成物において、組成物中の顔料粒子などの粒子の沈降を抑制しつつ、より白さの度合いが高い白色画像を提供する。
【解決手段】無機顔料(A)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着又は結合したポリカルボン酸塩(B)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着も結合もしていない水溶性のポリアクリル酸塩(C)と、水溶性有機溶剤(D)と、水(E)と、を成分として含有し、前記水溶性有機溶剤(D)の含有量が10質量%以上30質量%以下であり、前記水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時、25質量%以上が炭素数6以上のアルカンジオールであるインクジェットインク組成物とする。
【選択図】なし
【解決手段】無機顔料(A)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着又は結合したポリカルボン酸塩(B)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着も結合もしていない水溶性のポリアクリル酸塩(C)と、水溶性有機溶剤(D)と、水(E)と、を成分として含有し、前記水溶性有機溶剤(D)の含有量が10質量%以上30質量%以下であり、前記水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時、25質量%以上が炭素数6以上のアルカンジオールであるインクジェットインク組成物とする。
【選択図】なし
Description
本発明はインクジェット印刷に用いられるインクジェットインク組成物及びこれを用いたインクセットと画像形成方法に関する。
近年、商業印刷などの分野において、透明又は半透明のフィルム、或いは着色された紙など、白色以外の被記録媒体(基材)上に白色画像を形成する場合があるが、この場合、白色画像が十分に白く、被記録媒体を隠蔽することが望まれる。
一方、画像形成方法としては、プリンタより微細なインク液滴を被記録媒体に向けて飛翔させて所望の領域に該インク滴を付着させるインクジェット印刷が広く用いられている。インクジェット印刷に用いられるインクジェットインク組成物中に含まれる不溶性成分は均一に分散し、沈降しないことが望まれ、係る観点から、顔料粒子は小粒径である方が望ましい。
しかしながら、白色画像の形成に用いられる白色のインクジェットインク組成物において、小粒径の顔料粒子を用いると、得られる白色画像の白さの度合いが低下して、被記録媒体を十分に隠蔽することができなくなる。
特許文献1には、白色のインクジェットインク組成物として、小粒径の酸化チタン粒子に加え、大粒径の中空粒子を用いたインクジェットインク組成物が提案されている。係るインク組成物では、沈降を抑制するために小粒径の酸化チタンを用いたことによる白さの度合いの低下を、比重が小さく沈降しにくい中空粒子を加えて、光の散乱又は乱反射の度合いを増やすことで補っている。
一方、画像形成方法としては、プリンタより微細なインク液滴を被記録媒体に向けて飛翔させて所望の領域に該インク滴を付着させるインクジェット印刷が広く用いられている。インクジェット印刷に用いられるインクジェットインク組成物中に含まれる不溶性成分は均一に分散し、沈降しないことが望まれ、係る観点から、顔料粒子は小粒径である方が望ましい。
しかしながら、白色画像の形成に用いられる白色のインクジェットインク組成物において、小粒径の顔料粒子を用いると、得られる白色画像の白さの度合いが低下して、被記録媒体を十分に隠蔽することができなくなる。
特許文献1には、白色のインクジェットインク組成物として、小粒径の酸化チタン粒子に加え、大粒径の中空粒子を用いたインクジェットインク組成物が提案されている。係るインク組成物では、沈降を抑制するために小粒径の酸化チタンを用いたことによる白さの度合いの低下を、比重が小さく沈降しにくい中空粒子を加えて、光の散乱又は乱反射の度合いを増やすことで補っている。
本発明の課題は、白色画像を形成するためのインクジェットインク組成物において、顔料粒子などの粒子の沈降を抑制しつつ、白さの度合いがより高い白色画像を提供することにある。
本発明の第一は、無機顔料(A)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着又は結合したポリカルボン酸塩(B)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着も結合もしていない水溶性のポリアクリル酸塩(C)と、水溶性有機溶剤(D)と、水(E)と、を含有し、
前記水溶性有機溶剤(D)の含有量が10質量%以上30質量%以下であり、
前記水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時、25質量%以上が炭素数6以上のアルカンジオールであることを特徴とするインクジェットインク組成物である。
本発明の第二は、上記本発明の第一のインクジェットインク組成物と、前記無機顔料(A)の凝集剤を含む反応液と、からなることを特徴とするインクセットである。
本発明の第三は、上記本発明のインクジェットインク組成物をインクジェット方式によって液滴として飛翔させて、被記録媒体に付着させる工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第四は、上記本発明のインクセットを用い、前記反応液と、前記インクジェットインク組成物と、を被記録媒体上で接触させる工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
前記水溶性有機溶剤(D)の含有量が10質量%以上30質量%以下であり、
前記水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時、25質量%以上が炭素数6以上のアルカンジオールであることを特徴とするインクジェットインク組成物である。
本発明の第二は、上記本発明の第一のインクジェットインク組成物と、前記無機顔料(A)の凝集剤を含む反応液と、からなることを特徴とするインクセットである。
本発明の第三は、上記本発明のインクジェットインク組成物をインクジェット方式によって液滴として飛翔させて、被記録媒体に付着させる工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第四は、上記本発明のインクセットを用い、前記反応液と、前記インクジェットインク組成物と、を被記録媒体上で接触させる工程を有することを特徴とする画像形成方法である。
本発明のインクジェットインク組成物によって形成された白色膜においては、膜中に適切なサイズの空隙が多数形成されるため、膜表面に照射された光が反射又は乱反射されて、十分な白さが得られる。よって、インクジェットインク組成物において小粒径の顔料粒子を用いて該粒子の沈降を抑制しつつ、白さの度合いの高い白色画像を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
本実施形態のインクジェットインク組成物(以下、「インク組成物」と記す)は、無機顔料(A)と、ポリカルボン酸塩(B)と、水溶性のポリアクリル酸塩(C)と、水溶性有機溶剤(D)と、水(E)と、を含有する水性インクである。本実施形態においては、ポリカルボン酸塩(B)は無機顔料(A)の表面に吸着又は結合している一方、ポリアクリル酸塩(C)は無機顔料(A)の表面に吸着も結合もしていない。また、本実施形態において、水溶性有機溶剤(D)は、インク組成物中に10質量%以上30質量%以下含まれ、該水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時、25質量%以上が炭素数6以上のアルカンジオールである。
本実施形態において、ポリカルボン酸塩(B)は、無機顔料(A)の分散剤である。本実施形態のインク組成物を乾燥させて得られる白色膜(白色画像)中においては、無機顔料(A)の粒子からなる凝集体が形成される。また、ポリカルボン酸塩(B)とポリアクリル酸塩(C)とを併用し、さらに、炭素数6以上のアルカンジオールを含むことから、上記無機顔料(A)粒子の凝集体と同程度の大きさの空隙が白色膜中に形成される。よって、係る空隙によって、白色膜に照射された光が反射又は乱反射して、白さの度合いを高めることができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
〔無機顔料(A)〕
本実施形態に用いられる無機顔料(A)は、白色顔料として使用可能な金属化合物の粒子であれば特に限定はされない。例えば、白色顔料として従来から用いられている金属酸化物や硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン(二酸化チタン)、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)酸化マグネシウムなどが挙げられる。
〔無機顔料(A)〕
本実施形態に用いられる無機顔料(A)は、白色顔料として使用可能な金属化合物の粒子であれば特に限定はされない。例えば、白色顔料として従来から用いられている金属酸化物や硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン(二酸化チタン)、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)酸化マグネシウムなどが挙げられる。
これら無機顔料(A)は、インク組成物中で二次粒子として存在し、その二次粒子の体積平均粒子径(二次粒径)は、30nm以上300nm以下であることが好ましい。インク組成物中の無機顔料(A)の体積平均粒子径を300nm以下とすることで、インクジェットインク組成物中における無機顔料(A)の沈降を抑制することができる。
インク組成物中の無機顔料(A)の体積平均粒子径は、例えば、光散乱式粒度分布測定法によって測定して得られる粒度分布から算出することができる。この時、無機顔料(A)の体積平均粒子径は、体積基準の粒度分布から算出されるメディアン径d50とする。光散乱式粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、ナノトラックUPA−EX150(日機装株式会社製))を用いることができる。
無機顔料(A)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。インク組成物中の無機顔料(A)の含有量を20質量%以下とすることで、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりの発生を抑制するなど、インクジェット吐出性を向上させることができる。また、上記含有量を1質量%以上とすることで、形成される白色膜の白さの度合いを向上させることができる。
〔ポリカルボン酸塩(B)〕
ポリカルボン酸塩(B)は、無機顔料(A)の分散剤である。ポリカルボン酸塩(B)は、インク組成物中において無機顔料(A)の表面に吸着又は結合しており、これにより、無機顔料(A)をインク組成物中に分散させている。
ポリカルボン酸塩(B)としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、のいずれかのナトリウム塩又はアンモニウム塩が挙げられる。本実施形態では、係るポリカルボン酸塩(B)を一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
ポリカルボン酸塩(B)は、無機顔料(A)の分散剤である。ポリカルボン酸塩(B)は、インク組成物中において無機顔料(A)の表面に吸着又は結合しており、これにより、無機顔料(A)をインク組成物中に分散させている。
ポリカルボン酸塩(B)としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、のいずれかのナトリウム塩又はアンモニウム塩が挙げられる。本実施形態では、係るポリカルボン酸塩(B)を一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
ポリカルボン酸塩(B)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。上記含有量を0.1質量%以上にすることで、白色膜中に適切なサイズの空隙径を形成することができ、0.5質量%以下とすることで、インク組成物の粘度を低く抑えることができ、好ましい。
尚、本実施形態においては、白さ度合いの高さの観点から、無機顔料(A)とポリカルボン酸塩(B)とを含有する市販品の酸化チタン粒子分散液として、例えば石原産業株式会社製の弱アルカリ性スラリー「STS−21」などが好ましく用いられる。
尚、本実施形態においては、白さ度合いの高さの観点から、無機顔料(A)とポリカルボン酸塩(B)とを含有する市販品の酸化チタン粒子分散液として、例えば石原産業株式会社製の弱アルカリ性スラリー「STS−21」などが好ましく用いられる。
〔ポリアクリル酸塩(C)〕
本実施形態のインク組成物中において、ポリアクリル酸塩(C)は水溶性であり、無機顔料(A)の表面に吸着も結合もしておらず、水溶性有機溶剤(D)及び水(G)中に溶解している。
ポリアクリル酸塩(C)としては、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、のいずれかのナトリウム塩又はアンモニウム塩が挙げられる。
市販品のポリアクリル酸塩としては、例えば東亜合成株式会社製のポリアクリル酸ナトリウム塩「T−50」や「A−210」、ポリアクリル酸アンモニウム塩「A−30SL」などが好ましく用いられる。
本実施形態のインク組成物中において、ポリアクリル酸塩(C)は水溶性であり、無機顔料(A)の表面に吸着も結合もしておらず、水溶性有機溶剤(D)及び水(G)中に溶解している。
ポリアクリル酸塩(C)としては、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、のいずれかのナトリウム塩又はアンモニウム塩が挙げられる。
市販品のポリアクリル酸塩としては、例えば東亜合成株式会社製のポリアクリル酸ナトリウム塩「T−50」や「A−210」、ポリアクリル酸アンモニウム塩「A−30SL」などが好ましく用いられる。
ポリアクリル酸塩(C)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、0.5質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。また、1.0質量%以上1.5質量%以下であることがさらに好ましい。上記含有量を0.5質量%以上とすることで、白色膜中に適切なサイズの空隙を形成することができ、2.0質量%以下とすることで、インク組成物の粘度を低く抑えることができ、好ましい。
また、ポリアクリル酸塩(C)の分子量は1000以上10000以下であることが好ましく、さらに2000以上6000以下であることがさらに好ましい。分子量が10000以下であることでインク組成物の粘度を低く抑えることができる。また、分子量を2000以上にすることで、形成される白色膜中に適切なサイズの空隙径を形成することができる。
尚、インク組成物を遠心分離することによって、インク組成物中の液体成分と固形成分とを分離することができる。この時、本実施形態のポリカルボン酸塩(B)は無機顔料(A)の表面に吸着又は結合しているため、固形成分として分離される。一方、本実施形態のポリアクリル酸塩(C)は、水溶性有機溶剤(D)及び水(E)からなる液体成分中に溶解して存在するため、固形成分以外の液体成分として分離される。ポリアクリル酸塩(B)及びポリアクリル酸塩(C)は、このように遠心分離によって固形成分を分離した後に各種分析を行うことで、その構造や含有量を測定することができる。
〔水溶性有機溶剤(D)〕
水溶性有機溶剤(D)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、10質量%以上30質量%以下であり、さらに、水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時に、炭素数6以上のアルカンジオールを25質量%以上含んでいる。これにより、インク組成物中の水(E)の蒸発が促され、白色膜中に適度な大きさの空隙を形成することができる。
水溶性有機溶剤(D)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、10質量%以上30質量%以下であり、さらに、水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時に、炭素数6以上のアルカンジオールを25質量%以上含んでいる。これにより、インク組成物中の水(E)の蒸発が促され、白色膜中に適度な大きさの空隙を形成することができる。
炭素数6以上のアルカンジオール以外の水溶性有機溶剤(D)としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1以上4以下のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2個以上6個以下の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。
〔水(E)〕
本実施形態のインク組成物は、上記(A)乃至(D)成分を水(E)に溶解又は分散させた組成物である。水(E)は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、超純水などを用いることが好ましい。水(E)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本実施形態のインク組成物は、上記(A)乃至(D)成分を水(E)に溶解又は分散させた組成物である。水(E)は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、超純水などを用いることが好ましい。水(E)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
〔樹脂バインダー(F)〕
本実施形態のインク組成物は、上記(A)乃至(E)成分以外に、樹脂バインダー(F)を添加することで、白色膜の堅牢性を高めることができる。樹脂バインダー(F)としては、具体的には、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、フッ素樹脂、などの樹脂成分が挙げられる。また、係る樹脂バインダー(F)は、樹脂エマルションとして含むことが好ましい。例えば、イーテック株式会社のアクリル樹脂エマルション「AE986B」などが挙げられる。
樹脂バインダー(F)を用いる場合、インク組成物の全量を100質量%とした時に、係る樹脂バインダー(F)の固形分の含有量が、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。係る含有量が1質量%以上で白色膜の堅牢性向上効果が得られ、10質量%以下でインク組成物を低粘度に抑えることができる。
本実施形態のインク組成物は、上記(A)乃至(E)成分以外に、樹脂バインダー(F)を添加することで、白色膜の堅牢性を高めることができる。樹脂バインダー(F)としては、具体的には、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、フッ素樹脂、などの樹脂成分が挙げられる。また、係る樹脂バインダー(F)は、樹脂エマルションとして含むことが好ましい。例えば、イーテック株式会社のアクリル樹脂エマルション「AE986B」などが挙げられる。
樹脂バインダー(F)を用いる場合、インク組成物の全量を100質量%とした時に、係る樹脂バインダー(F)の固形分の含有量が、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。係る含有量が1質量%以上で白色膜の堅牢性向上効果が得られ、10質量%以下でインク組成物を低粘度に抑えることができる。
〔界面活性剤(G)〕
本実施形態のインク組成物は、上記(A)乃至(E)成分、必要に応じて(F)成分以外に、界面活性剤(G)を含有していてもよい。界面活性剤(G)としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。これらを添加することで、被記録媒体の被記録面に対する本実施形態のインク組成物の濡れ性や浸透性を高めたりすることができる。中でも、アセチレングリコール系界面活性剤を添加するのが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアセチレングリコールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、川研ファインケミカル株式会社製の「アセチレノールE100」が挙げられる。
界面活性剤(G)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。また、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態のインク組成物は、上記(A)乃至(E)成分、必要に応じて(F)成分以外に、界面活性剤(G)を含有していてもよい。界面活性剤(G)としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。これらを添加することで、被記録媒体の被記録面に対する本実施形態のインク組成物の濡れ性や浸透性を高めたりすることができる。中でも、アセチレングリコール系界面活性剤を添加するのが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアセチレングリコールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、川研ファインケミカル株式会社製の「アセチレノールE100」が挙げられる。
界面活性剤(G)の含有量は、インク組成物の全量を100質量%とした時に、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。また、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
〔その他の成分〕
本実施形態のインクジェットインク組成物は、上述の各成分に加えて、保湿剤、消泡剤、防腐剤、及び防黴剤等の各種添加剤をさらに含有していてもよい。
本実施形態のインクジェットインク組成物は、上述の各成分に加えて、保湿剤、消泡剤、防腐剤、及び防黴剤等の各種添加剤をさらに含有していてもよい。
〔インクセット〕
次に、本実施形態のインクセットについて説明する。上記した本実施形態のインク組成物は、それ自体を単独で用いても良いが、無機顔料(A)を凝集させる凝集剤を含む反応液と組み合わせたインクセットとして用いても良い。
次に、本実施形態のインクセットについて説明する。上記した本実施形態のインク組成物は、それ自体を単独で用いても良いが、無機顔料(A)を凝集させる凝集剤を含む反応液と組み合わせたインクセットとして用いても良い。
本実施形態のインクセットの反応液に含まれる凝集剤としては、無機顔料(A)を凝集可能であれば、特に限定はされないが、好ましくは金属イオンもしくは有機酸を用いることができる。
金属イオンとしては、具体的には、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの1価の金属イオン;カルシウムイオン、銅イオン、ニッケルイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンなどの2価の金属イオン;アルミニウムイオン、鉄(III)イオン、クロム(III)イオン、イットリウムイオンなどの3価の金属イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの金属イオンの中でも、無機顔料(A)を凝集させる能力の高さから、2価又は3価の金属イオンである多価金属イオンを用いることが好ましい。
金属イオンとしては、具体的には、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの1価の金属イオン;カルシウムイオン、銅イオン、ニッケルイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオンなどの2価の金属イオン;アルミニウムイオン、鉄(III)イオン、クロム(III)イオン、イットリウムイオンなどの3価の金属イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの金属イオンの中でも、無機顔料(A)を凝集させる能力の高さから、2価又は3価の金属イオンである多価金属イオンを用いることが好ましい。
これらの金属イオンを反応液に含有させるためには、金属塩を用いることが好ましい。金属塩とは、上述の金属イオンと、これらのイオンに結合する陰イオンとから構成される塩のことであるが、水に可溶なものであることを要する。塩を形成するための好ましい陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、硝酸イオン、ヨウ化物イオン、シュウ化物イオン、塩素酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、酢酸イオン、ギ酸イオン、安息香酸イオン、乳酸イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。金属塩の具体例としては、塩化ナトリウムなどの1価の金属イオンを含む金属塩;塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、水酸化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、酢酸バリウム、水酸化バリウム、などの多価の金属イオンを含む金属塩;などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機酸としては、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、サリチル酸、安息香酸、グルクロン酸、アスコルビン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〔画像形成方法〕
本実施形態のインク組成物は、インクジェット方式によって微細な液滴として飛翔させて被記録媒体上に付着させて白色画像を得る工程に好ましく用いられる。インクジェット方式としては、特に限定されない。よって、インク組成物に熱エネルギーを作用させて液滴を吐出するサーマルジェット方式や、インク組成物に力学的エネルギーを作用させて液滴を吐出するピエゾジェット方式のいずれにも使用することができる。
本実施形態のインク組成物は、インクジェット方式によって微細な液滴として飛翔させて被記録媒体上に付着させて白色画像を得る工程に好ましく用いられる。インクジェット方式としては、特に限定されない。よって、インク組成物に熱エネルギーを作用させて液滴を吐出するサーマルジェット方式や、インク組成物に力学的エネルギーを作用させて液滴を吐出するピエゾジェット方式のいずれにも使用することができる。
また、本実施形態のインク組成物を、凝集剤を含む反応液と組み合わせて用いる場合、インク組成物と反応液とを被記録媒体上で接触させる。この時、インク組成物と反応液とを被記録媒体上の同一領域に重ねて付着させることが好ましい。反応液を被記録媒体上に付着させる方法としては、インクジェット塗布、ローラー塗布などが挙げられる。反応液とインク組成物を付着させる順序は特に限定はされない。例えば、反応液を被記録媒体上に付着させた後に、本実施形態のインク組成物の液滴の少なくとも一部が、上記反応液が付着した領域に重なるように、インク組成物の液滴を付着させてもよい。或いは、本実施形態のインク組成物を被記録媒体上に付着させた後に、該インク組成物が付着した領域に反応液の少なくとも一部が重なるように、反応液を付着させてもよい。反応液をインクジェット方式で塗布する場合は、反応液の液滴と本実施形態のインク組成物の液滴とが、被記録媒体上に同時に着弾するようにしてもよい。被記録媒体に付着した反応液及びインク組成物は十分に乾燥させることで、良好な白色画像が得られる。
本実施形態のインク組成物は、上記したように、白色画像を提供するための組成物、即ち、白色画像形成用インクジェットインク組成物であるが、係るインク組成物を、他の色の着色剤を含むインク組成物と組み合わせたインクセットとしても良い。具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの着色剤をそれぞれ含有するインク組成物と併用することで、白を含むフルカラー画像を形成することができる。或いは、本実施形態のインク組成物を用いて形成した白色画像の上に、他の色の着色剤を含有するインク組成物を用いて白色以外の色の画像を形成してもよい。
尚、本実施形態のインク組成物を付着させて白色画像を得るための被記録媒体としては特に限定はされず、紙、塩化ビニルやPETなどの高分子材料、金属、木材、布帛、ガラス、セラミックスなどを用いることができる。また、被記録媒体の形状は特に限定はされず、フィルムであっても板であってもよいし、その他の立体物であってもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下に使用される「部」および「%」は、特に示さない限りすべて質量基準である。
<インク組成物の調製>
以下に示す構成材料を表1に示す比率で配合して撹拌し、実施例1乃至7及び比較例1乃至6の各インク組成物を得た。尚、表1に記載されている数値の単位は質量%であり、酸化チタン粒子については固形分換算濃度である。
実施例1乃至7及び比較例1乃至6のインク組成物のそれぞれについて、50mlのガラス製サンプル瓶に30mlそれぞれ入れて密栓し、室温で静置しておいたところ、2週間経過した後でも沈殿物は確認されなかった。
以下に示す構成材料を表1に示す比率で配合して撹拌し、実施例1乃至7及び比較例1乃至6の各インク組成物を得た。尚、表1に記載されている数値の単位は質量%であり、酸化チタン粒子については固形分換算濃度である。
実施例1乃至7及び比較例1乃至6のインク組成物のそれぞれについて、50mlのガラス製サンプル瓶に30mlそれぞれ入れて密栓し、室温で静置しておいたところ、2週間経過した後でも沈殿物は確認されなかった。
〔無機顔料(A)〕
(A−1)市販品の「STS−21」(石原産業株式会社製)を用いた。STS−21は、アナターゼ型酸化チタン粒子が二次粒子として分散した水系ゾルであり、体積平均粒子径d50が約250nm、固形分濃度が約40質量%の弱アルカリ性ゾル(pH8〜9)である。また、STS−21は、酸化チタン粒子の表面に分散剤としてポリカルボン酸アンモニウムが吸着又は結合した分散体である。
(A−2)市販品の「STS−21」(石原産業株式会社製)をRMB型バッチ式レディーミル(アイメックス株式会社製)にて下記に記載の条件で解膠させて、分散している酸化チタン粒子の粒径を小さくした分散体を用いた。
ビーズ:ジルコニアビーズ(φ30μm)
ビーズと酸化チタン粒子水系ゾルとの比率(質量比):3:1
温度:25℃
撹拌時間:6時間
回転数:1600rpm
(A−1)市販品の「STS−21」(石原産業株式会社製)を用いた。STS−21は、アナターゼ型酸化チタン粒子が二次粒子として分散した水系ゾルであり、体積平均粒子径d50が約250nm、固形分濃度が約40質量%の弱アルカリ性ゾル(pH8〜9)である。また、STS−21は、酸化チタン粒子の表面に分散剤としてポリカルボン酸アンモニウムが吸着又は結合した分散体である。
(A−2)市販品の「STS−21」(石原産業株式会社製)をRMB型バッチ式レディーミル(アイメックス株式会社製)にて下記に記載の条件で解膠させて、分散している酸化チタン粒子の粒径を小さくした分散体を用いた。
ビーズ:ジルコニアビーズ(φ30μm)
ビーズと酸化チタン粒子水系ゾルとの比率(質量比):3:1
温度:25℃
撹拌時間:6時間
回転数:1600rpm
解膠させた分散体をナノトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)で測定したところ、体積平均粒子径d50は30nmであった。
(A−3)市販品の「TTO−W−5」(石原産業株式会社製)を用いた。TTO−W−5は、ルチル型酸化チタン粒子が二次粒子として分散した水系ゾルであり、体積平均粒子径d50が数十nm、固形分濃度が約30質量%の中性ゾル(pH6〜8)である。尚、TTO−W−5には、分散剤としてポリカルボン酸塩は用いられていない。
〔ポリアクリル酸塩(C)〕
(C−1)ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製「T−50」、Mw6000)
(C−2)ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製「A−210」、Mw2000)
(C−3)ポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成株式会社製「A−30SL」、Mw6000)
(C−1)ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製「T−50」、Mw6000)
(C−2)ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製「A−210」、Mw2000)
(C−3)ポリアクリル酸アンモニウム(東亜合成株式会社製「A−30SL」、Mw6000)
〔水溶性有機溶剤(D)〕
(D−1)1,6−ヘキサンジオール(東京化成工業株式会社製)
(D−2)トリメチロールプロパン(キシダ化学株式会社製)
(D−3)1,2−ヘキサンジオール(東京化成工業株式会社製)
(D−4)1,2−プロパンジオール(キシダ化学株式会社製)
(D−1)1,6−ヘキサンジオール(東京化成工業株式会社製)
(D−2)トリメチロールプロパン(キシダ化学株式会社製)
(D−3)1,2−ヘキサンジオール(東京化成工業株式会社製)
(D−4)1,2−プロパンジオール(キシダ化学株式会社製)
〔樹脂バインダー(F)〕
体積平均粒径150nm、Tg60℃のアクリル樹脂エマルション(イーテック株式会社製)
〔界面活性剤(G)〕
川研ファインケミカル株式会社製「アセチレノールE100」
〔水(E)〕
イオン交換水
体積平均粒径150nm、Tg60℃のアクリル樹脂エマルション(イーテック株式会社製)
〔界面活性剤(G)〕
川研ファインケミカル株式会社製「アセチレノールE100」
〔水(E)〕
イオン交換水
<画像形成>
表1に示した各例のインク組成物を、厚さ100μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム製「テトロンHL92W」)上に滴下し、塗布膜厚が20μmとなるバーコーターで塗布した。各インク組成物の塗布膜を60℃の恒温槽で1時間乾燥させ、膜厚約4μmの白色膜を作製した。
表1に示した各例のインク組成物を、厚さ100μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム製「テトロンHL92W」)上に滴下し、塗布膜厚が20μmとなるバーコーターで塗布した。各インク組成物の塗布膜を60℃の恒温槽で1時間乾燥させ、膜厚約4μmの白色膜を作製した。
<白さの度合いの評価>
白さの度合いの評価は、目視評価、明度(L*値)測定、隠蔽率(Opacity)測定によって評価した。明度の測定は、分光測色計(コニカミノルタ製「CM−2600d」)を用いて、正反射光を含むSCI方式で行った。
白さの度合いの評価は、目視評価、明度(L*値)測定、隠蔽率(Opacity)測定によって評価した。明度の測定は、分光測色計(コニカミノルタ製「CM−2600d」)を用いて、正反射光を含むSCI方式で行った。
隠蔽率は、ISO2471:2008に準拠した評価方法により評価した。ISO2471:2008は、紙及び板紙の不透明度試験方法に関する規格であるが、本実施例ではこの規格に準拠して画像の隠蔽率を評価した。
ISO2471:2008では、試験対象の紙に対して白色板及び黒色板をそれぞれ裏当てして、反射率をそれぞれ測定する。そして、測定対象の紙に白色板を裏当てした場合の反射率(R∞)と、黒色板を裏当てした場合の反射率(R0)の比率((R0/R∞)×100))を、不透明度、或いは隠蔽率(Opacity)として評価する。
本実施例ではこの方法に準拠して、画像を形成したフィルムに白色板であるアルミナ板を裏当てして反射率(YBg_white)を測定した。また、黒色板を裏当てする代わりに、フィルムの裏側に十分な厚みの空気層が配置されるようにして反射率(視感反射率YBg_air)を測定した。これは、隠蔽性を評価対象の画像の下地(フィルム)もしくは裏面からの影響を受けずに、画像由来の反射率のみを測定するためである。これらの反射率を用いて、下記式(1)から測定対象の画像の隠蔽率を算出した。尚、反射率の測定条件は、印刷物の評価に用いられるD50光源を選択し、測定範囲3mmφとし、反射率は正反射成分を含んだ全反射光の視感反射率を計測するSCI方式で測定した。
隠蔽率(Opacity)=(YBg_air/YBg_white)×100 (1)
隠蔽率(Opacity)=(YBg_air/YBg_white)×100 (1)
ここで、式(1)において、YBg_airは画像を形成したフィルムの裏側に十分な厚さの空気層が配置されるようにして測定した視感反射率であり、YBg_whiteは画像を形成したフィルムの裏側に白色板を裏当てして測定した視感反射率である。白さの度合いの評価結果を下記表1に示す。評価基準は以下の通りである。
A:目視評価及び明度(L*値)のいずれもが十分であり、隠蔽率(Opacity)が55%以上100%以下である。
B:目視評価及び明度(L*値)のいずれかが十分であり、隠蔽率(Opacity)が50%以上55%未満である。
C:目視評価及び明度(L*値)のいずれもが不十分であり、隠蔽率(Opacity)が50%未満である。
A:目視評価及び明度(L*値)のいずれもが十分であり、隠蔽率(Opacity)が55%以上100%以下である。
B:目視評価及び明度(L*値)のいずれかが十分であり、隠蔽率(Opacity)が50%以上55%未満である。
C:目視評価及び明度(L*値)のいずれもが不十分であり、隠蔽率(Opacity)が50%未満である。
<インク組成物の吐出性評価>
バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッドを用いて吐出性評価を行った。吐出周波数は10KHzとし、スコープを用いてノズル先端からインクが吐出される様子を目視で観察した。その結果を下記表1に示す。評価基準は以下の通りである。
可:ノズルからインク組成物が吐出した。
不可:ノズルからインク組成物が吐出しなかった。
バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッドを用いて吐出性評価を行った。吐出周波数は10KHzとし、スコープを用いてノズル先端からインクが吐出される様子を目視で観察した。その結果を下記表1に示す。評価基準は以下の通りである。
可:ノズルからインク組成物が吐出した。
不可:ノズルからインク組成物が吐出しなかった。
<白色画像の観察>
得られた白色画像のうち、実施例1、比較例1について電子顕微鏡を用いて加速電圧5kv、倍率10万倍の条件下で観察した。その結果をそれぞれ図1、図2に示す。
得られた白色画像のうち、実施例1、比較例1について電子顕微鏡を用いて加速電圧5kv、倍率10万倍の条件下で観察した。その結果をそれぞれ図1、図2に示す。
<評価結果>
実施例1乃至7はいずれも明度(L*値)、隠蔽率(Opacity)が大きく、良好な白色画像が得られた。これは、酸化チタン粒子の凝集体が形成される乾燥工程時において、カルボキシル基を有する水溶性のポリアクリル酸塩と分散剤であるポリカルボン酸塩とが酸化チタンの粗大粒子化を抑制するからだと考えられる。また、水溶性有機溶剤の中でも保水力が高くない炭素数6以上のアルカンジオールを一定量添加することにより、水分蒸発による空隙形成が良好であるためと考えられる。その結果、酸化チタン粒子の凝集体によって光が反射或いは散乱されるだけでなく、空隙によっても散乱されるため、明度(L*値)、隠蔽率(Opacity)がより大きくなったと考えられる。
実施例1乃至7はいずれも明度(L*値)、隠蔽率(Opacity)が大きく、良好な白色画像が得られた。これは、酸化チタン粒子の凝集体が形成される乾燥工程時において、カルボキシル基を有する水溶性のポリアクリル酸塩と分散剤であるポリカルボン酸塩とが酸化チタンの粗大粒子化を抑制するからだと考えられる。また、水溶性有機溶剤の中でも保水力が高くない炭素数6以上のアルカンジオールを一定量添加することにより、水分蒸発による空隙形成が良好であるためと考えられる。その結果、酸化チタン粒子の凝集体によって光が反射或いは散乱されるだけでなく、空隙によっても散乱されるため、明度(L*値)、隠蔽率(Opacity)がより大きくなったと考えられる。
一方、比較例1はポリカルボン酸塩を含まないため、空隙が形成されず、その結果、酸化チタン粒子の小粒径の凝集体だけでは明度や隠蔽率が不十分であるため、白さの度合いが小さくなったと考えられる。
比較例2はポリアクリル酸塩を含まないため、空隙が形成されず、その結果、酸化チタン粒子の小粒径の凝集体だけでは明度や隠蔽率が不十分であるため、白さの度合いが小さくなったと考えられる。
比較例3は水溶性有機溶剤に炭素数3のアルカンジオールのみを使用しているため、水分蒸発速度が遅く、空隙が形成されにくい。酸化チタン粒子の小粒径の凝集体だけでは明度や隠蔽率が不十分であるため、白さの度合いが小さくなったと考えられる。
比較例4、5は水溶性有機溶剤に保水力の高いトリメチロールプロパンを90%以上用いているため、白色膜中の水分が蒸発しにくく、空隙が形成されない。よって、酸化チタン粒子の小粒径の凝集体だけでは明度や隠蔽率が不十分であるため、白さの度合いが小さくなったと考えられる。
比較例6は白色膜中に酸化チタン粒子の小粒径の凝集体と空隙が形成されるが、インク組成物の吐出性は不可である。これは水溶性有機溶剤を含まないため、ノズル近傍の水分蒸発が速く、吐出できなくなったためと考えられる。
Claims (14)
- 無機顔料(A)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着又は結合したポリカルボン酸塩(B)と、前記無機顔料(A)の表面に吸着も結合もしていない水溶性のポリアクリル酸塩(C)と、水溶性有機溶剤(D)と、水(E)と、を含有し、
前記水溶性有機溶剤(D)の含有量が10質量%以上30質量%以下であり、
前記水溶性有機溶剤(D)を100質量%とした時、25質量%以上が炭素数6以上のアルカンジオールであることを特徴とするインクジェットインク組成物。 - 前記ポリアクリル酸塩(C)の含有量が0.5質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記ポリアクリル酸塩(C)の分子量が1000以上10000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記ポリアクリル酸塩(C)は、ポリアクリル酸のナトリウム塩又はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記炭素数6以上のアルカンジオールは、1,2−ヘキサンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記ポリカルボン酸塩(B)は、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、のいずれかのナトリウム塩又はアンモニウム塩から選択される一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記無機顔料(A)の二次粒径が30nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記無機顔料(A)は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- さらに、樹脂バインダー(F)を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物。
- 前記樹脂バインダー(F)が樹脂エマルションであることを特徴とする請求項9に記載のインクジェットインク組成物。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物と、前記無機顔料(A)の凝集剤を含む反応液と、からなることを特徴とするインクセット。
- 前記凝集剤が有機酸であることを特徴とする請求項11に記載のインクセット。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のインクジェットインク組成物をインクジェット方式によって液滴として飛翔させて、被記録媒体に付着させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項11又は12に記載のインクセットを用い、前記反応液と、前記インクジェットインク組成物と、を被記録媒体上で接触させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
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JP2020084072A (ja) * | 2018-11-28 | 2020-06-04 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 顔料分散体、およびインクジェット用インク |
JP2020122037A (ja) * | 2019-01-29 | 2020-08-13 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 顔料分散体、およびインクジェット用インク |
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-
2017
- 2017-03-23 JP JP2017056847A patent/JP2018158994A/ja active Pending
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