JP2018158156A - 吸収体 - Google Patents

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【課題】余剰排泄液の外部への漏れ出しを防止した、吸収体を提供する。【解決手段】吸収体を形成する吸収体シートを、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、表側シートと裏側シートの間に設けられた排泄液を吸収する吸収性ポリマー粒子で形成し、内側に折畳まれた両側部の間に形成された幅方向の幅を、吸収体の幅方向の幅に対して10〜50%に形成し、内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の一部を、内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下させることにより解決される。【選択図】図7

Description

本発明は、使い捨ておむつ、ナプキン、パット等の吸収性物品に用いられる吸収体に関するものである。
従来、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、表側シートと透液性の裏側シートの間に吸収性ポリマーが設けられた吸収体シートの幅方向の両側部を内側に折畳んで形成した吸収体が知られている。(特許文献1)
また、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、表側シートと透液性の裏側シートの間に吸収性ポリマーとパルプ繊維が設けられた吸収体シートの幅方向の両側部を内側に折畳み、且つ、折畳まれた両側部の内側部を外側に折畳んだ吸収体が知られている。(特許文献2)
特表2004−500165号公報 特開2013−132460号公報
しかし、特許文献1の吸収体は、内側に折畳まれた両側部の間に形成される空間がスリット状に形成されているので、吸収体で吸収できなかった余剰排泄液が外部に漏れ出す恐れがあった。
また、特許文献2の吸収体は、折畳まれて形成された吸収体の厚みが厚く、装着者に違和感を与える恐れがあった。
そこで、本発明の課題は、吸収体で吸収できなかった余剰排泄液の外部への漏れ出しを防止した吸収体を提供することにある。
上記課題を解決した手段は次記のとおりである。
第1手段は、吸収体シートの幅方向の両側部を内側に折畳んで形成した吸収体において、
前記吸収体シートを、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、前記表側シートと裏側シートの間に設けられた排泄液を吸収する吸収性ポリマー粒子で形成し、前記内側に折畳まれた両側部の間に形成された幅方向の幅を、前記吸収体の幅方向の幅に対して10〜50%に形成し、前記内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の一部を、前記内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下させたことを特徴とする。
第2手段は、第1手段の構成において、平面視において、前記表側シートと裏側シートを、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する第1接合部と、前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する第2接合部によって接合して、前記吸収性ポリマー粒子を、前記第1接合部と第2接合部によって区画される複数のセル内に配設したことを特徴とする。
第3手段は、第1又は2手段の構成において、前記表面シートの目付け量を、前記裏側シートの目付け量よりも多く形成したことを特徴とする。
第4手段は、第1〜3のいずれか1項の手段の構成において、前記表面シートの厚みを、前記裏側シートの厚みよりも厚く形成したことを特徴とする。
第5手段は、第1〜4のいずれか1項の手段の構成において、前記内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量を、前記吸収体シートの内側に折畳まれた部位を除いた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量よりも多く配設したことを特徴とする。
第1手段によれば、吸収体シートを、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、表側シートと裏側シートの間に設けられた排泄液を吸収する吸収性ポリマー粒子で形成し、内側に折畳まれた両側部の間に形成された幅方向の幅を、吸収体の幅方向の幅に対して10〜50%に形成し、内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の一部を、内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下させたので、吸収体の両側部で幅方向に拡散した排泄液を多く吸収して排泄液の外部への漏れ出しを防止することができ、また、吸収性ポリマー粒子を表面シート内にも分散してゲルブロッキング現象を防止することができる。また、パルプ繊維を設けていないので、吸収体が薄く形成でき、装着者に与える違和感も軽減することができる。
第2手段によれば、第1手段による効果に加えて、平面視において、表側シートと裏側シートを、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する第1接合部と、前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する第2接合部によって接合して、吸収性ポリマー粒子を、第1接合部と第2接合部によって区画される複数のセル内に配設したので、吸収体の幅方向の中心部に移送された排泄液を迅速に吸収体の両側部に拡散することができる。また、吸収性ポリマー粒子の偏在を抑制して吸収性ポリマー粒子のゲルブロッキング現象をより防止することもできる。
第3手段によれば、第1又は2手段による効果に加えて、表面シートの目付け量を、裏側シートの目付け量よりも多く形成したので、内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下する吸収性ポリマー粒子の漏下量を所定量に調整することができる。
第4手段によれば、第1〜3のいずれか1項の手段による効果に加えて、表面シートの厚みを、裏側シートの厚みよりも厚く形成したので、内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下する吸収性ポリマー粒子の漏下量を所定量により調整することができる。
第5手段によれば、第1〜4のいずれか1項の手段による効果に加えて、内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量を、吸収体シートの内側に折畳まれた部位を除いた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量よりも多く配設したので、吸収体の両側部で幅方向に拡散した排泄液をより多く吸収して排泄液の外部への漏れ出しをより防止することができる。
使い捨ておむつを展開した内面平面図である。 使い捨ておむつを展開した外面平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 第1実施形態の吸収体を展開した(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第1実施形態の折畳み直前の吸収体を展開した(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第1実施形態の吸収体の(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第1実施形態の吸収体の折畳まれた左側部の説明図である。 第2実施形態の折畳み直前の吸収体を展開した(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第2実施形態の吸収体の折畳まれた左側部の説明図である。 他の折畳み形態である。
<使い捨ておむつ>
本発明の液拡散性に優れ、液通液性に優れた吸収体について図面を参照しながら説明する。本明細書では、「前後方向」は腹側と背側を結ぶ方向をいい、「幅方向」は前後方向と直交する方向をいい、「上下方向」は装着時の使い捨ておむつの胴回り方向と直交する方向をいい、「内面」はそれぞれの部材の身体側面をいい、「外面」とはそれぞれの部材の反身体側面をいうものとする。
図1,2に示すように、使い捨ておむつ100は、身体側の液透過性のトップシート1と、反身体側の液不透過性のバックシート2と、トップシート1とバックシート2の間に配置された吸収体3から形成されている。また、バックシート2の外面には、外装シート20が設けられている。
吸収体3の幅方向の外側には、排泄物の外部への漏れを防止するために脚周り用の立体ギャザー30がそれぞれ設けられ、立体ギャザー30の外側には、排泄物の外部への漏れを防止する脚周り用の平面ギャザー40がそれぞれ設けられている。
吸収体3の前後方向の外側には、吸収体3が延在しないエンドフラップ部EFがそれぞれ設けられ、吸収体3の幅方向の外側には、吸収体3が延在しないサイドフラップ部SFがそれぞれ設けられている。
サイドフラップ部SFの背側には、幅方向の外側に向かって延在するファスニングテープ50がそれぞれ設けられ、外装シート20の外面の腹側には、使い捨ておむつ100の装着時にファスニングテープ50を係止するターゲットシート60が設けられている。
(トップシート)
トップシート1は、吸収体3の外周縁よりも外側に延在し、延在部の外面は、ホットメルト等の接着剤を介してバックシート2の内面に固定されている。
トップシート1としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。トップシート1に用いる不織布の繊維目付け量は15〜30g/m2が好ましく、厚みは0.05〜1mmが好ましい。
(バックシート)
バックシート2は、吸収体3の外周縁よりも外側に延在し、吸収体3に吸収された排泄物の外部への移動を遮断するものである。
バックシート2としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。バックシート2の単位面積あたりの重量は13〜40g/m2が好ましく、厚みは0.01〜0.1mmが好ましい。
(吸収体)
図3,4,7に示すように、吸収体3は、吸収体シート70の左側折畳み部A1の表側シート71が左側部A2の表側シート71と対抗するように幅方向の内側に向けて折畳み、吸収体シート70の右側折畳み部A5の表側シート71が右側部A2の表側シート71と対抗するように幅方向の内側に向けて折畳んで形成されている。なお、吸収体シート70については後述する。
(外装シート)
外装シート20は、バックシート2の外面を覆い、使い捨ておむつ100の外面を布のような外観、肌触りとするものである。外装シート20としては、不織布で形成するのが好ましい。素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法は、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いて製作することができる。但し、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好ましい。
不織布は一枚で使用する他、複数枚を重ねて使用することもでき、複数枚を重ねて使用する場合は、不織布相互をホットメルト等の接着剤を介して固定するのが好ましい。また、不織布を用いる場合は、その繊維目付け量は10〜50g/m2、特に15〜30g/m2が好ましい。
(脚周り用の立体ギャザー)
脚周り用の立体ギャザー30を形成するギャザーシート31の基部31Aの外面は、バックシート2の内面の幅方向の外側部と外装シート20の内面の幅方向の外側部に前後方向に亘ってそれぞれ固定されている。また、ギャザーシート31の起立部31Bの前後方向の両端部は、トップシート1の内面の幅方向の外側部に固定され、ギャザーシート31の起立部31Bの前後方向の中間部は、トップシート1の内面には固定されておらず離間している。
ギャザーシート31の起立部31Bには、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する複数の細長状の弾性伸縮部材32が所定の伸張状態で設けられている。これにより、使い捨ておむつ100の装着時には、弾性伸縮部材32の収縮力によって起立部31Bを装着者の股間部に向かって起立させて、起立部31Bの先端部を装着者の股間部に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
ギャザーシート31としては、スパンボンド不織布等の不織布の他、バックシート2に用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好ましい。
弾性伸縮部材32としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材32の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸張率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。
(脚周り用の平面ギャザー)
脚周り用の平面ギャザー40は、立体ギャザー30を形成するギャザーシート31の基部31Aに設けられている。サイドフラップ部SFを形成するギャザーシート31の基部31Aとバックシート2の幅方向の外側部には、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する細長状の弾性伸縮部材41が所定の伸張状態で設けられている。これにより、使い捨ておむつ100の装着時には、弾性伸縮部材41の収縮力によって平面ギャザー40が装着者の脚部に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
弾性伸縮部材41としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材41の間隔は2〜15mm程度、特に3〜7mm程度が好ましい。さらに、弾性伸縮部材41の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸張率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。
(ファスニングテープ)
図1〜3に示すように、サイドフラップ部SFの背側部には、それぞれ外側に向かって延在するファスニングテープ50が設けられている。ファスニングテープ50は、基材シート51と、基材シート51の内面の外側部に設けられた係止部52から形成されている。また、基材シート51の内側部は、ギャザーシート31と外装シート20の幅方向の外側部に固定されている。
基材シート51の素材は、不織布が好ましく、不織布としては公知のものを特に限定無く用いることができる。不織布を構成する繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の製造方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。特にオレフィン系繊維を用いたスパンボンド不織布、SMS不織布が好ましい。使用する不織布の坪量は適宜定めることができるが、本体部5bにおける不織布の総坪量が20〜75g/m2、特に26〜46g/m2であり、固定部5f及び先端部5pにおける不織布の総坪量がそれぞれ35〜130g/m2、特に46〜116g/m2であると好ましい。この範囲内であれば、外装シート20とギャザーシート31の間に固定される基部における強度や剛性を確保でき、且つ本体部74の柔軟性や伸縮性の確保をすることができる。
係止部52としては、メカニカルファスナーのフック材が好ましい。フック材は、多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。また、フック材に替えて粘着剤層を用いることもできる。
(ターゲットシート)
ターゲットシート60としては、ループ糸が表面に多数設けられたプラスチックフィルムや不織布等が好ましい。これにより、装着者に使い捨ておむつ100を装着する場合には、ファスニングテープ50の係止部52をターゲットシート60に効率良く係止することができる。
(中間シート)
実施形態1においては、トップシート1と吸収体3の間に、中間シート4が設けられている。これにより、トップシート1を透過した排泄液を吸収体3に速やかに移動させて、排泄液がトップシート1に逆戻りするのを防止することができる。なお、中間シート4は、トップシート1の外面に、ホットメルト接着剤、ヒートエンボスや超音波溶着によって固定されている。
中間シート4としては、不織布を用いる他、多数の透過孔を有する樹脂フィルムを用いることもできる。不織布としては、トップシート1と同様の素材を用いることができるが、トップシート1よりも親水性が高いものや、繊維密度が高いものが、トップシート1から中間シート4への排泄液の移動特性に優れるため好ましい。
<吸収体シート>
(第1実施形態)
吸収体3を形成する第1実施形態の吸収体シート70について説明する。図5に示すように、吸収体シート70は、トップシート1側の液透過性の表側シート71と、バックシート2側の液透過性の裏側シート72と、表側シート71と裏側シート72の間に設けられた吸収性ポリマー粒子73から形成されている。
表側シート71と裏側シート72は、接合部によって接合され、吸収性ポリマー粒子73は、接合部によって区画された複数のセル74にそれぞれ設けられている。なお、セル74に位置する表側シート71と裏側シート72は、接合されずに離間して所定の空間が形成されている。これにより、吸収性ポリマー粒子73が吸収体シート70の一部分に遍在するのを防止して、ゲルブロッキングの発生を抑制することができる。また、吸収性ポリマー粒子73は、表側シート71又は裏側シート72に非接着とすることもできるが、表側シート71又は裏側シート72にホットメルト接着剤等を介して接着させることもできる。
接合部は、吸収体シート70の幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する6本の接合部(請求項における「第1接合部」)75と、吸収体シート70の前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に向かって延在する6本の接合部(請求項における「第2接合部」)76で形成されている。本明細書では、左側から順に数えて第1接合部75と第2接合部75で区画される部位を左側折畳み部A1と言い、第2接合部75と第3接合部75で区画される部位を左側部A2と言い、第3接合部75と第4接合部75で区画される部位を中央部A3と言い、第4接合部75と第5接合部75で区画される部位を右側部A4と言い、第5接合部75と第6接合部75で区画される部位を右側折畳み部A5と言う。
平面視において、左側折畳み部A1に形成されたセル74は略正方形に形成され、左側部A2に形成されたセル74は、幅方向に延在する接合部77によって前後に分離され、分離された小セル74Aは、幅方向に長辺を有する略長方形に形成されている。中央部A3に形成されたセル74は略正方形に形成され、右側部A4に形成されたセル74は、幅方向に延在する接合部77によって前後に分離され、分離された小セル74Aは、幅方向に長辺を有する略長方形に形成されている。右側折畳み部A5に形成されたセル74は略正方形に形成されている。
表側シート71としては、有孔または無孔の不織布が用いられる。不織布を用いる場合は、エアスルー法、メルトブローン法、ニ一ドルパンチ法によって加工された不織布を用いるのが好ましく、表側シート71に用いられる不織布の繊維径を裏側シート72に用いられる繊維径よりも太くし、表側シート71の不織布の繊維目付け量を裏側シート72に用いられる不織布の繊維目付け量よりも多くし、表側シート71の不織布の厚みを裏側シート72に用いられる不織布の厚みよりも厚くするのが好ましい。これにより、吸収体シート70の左側部A2の内側に折畳まれた左側折畳み部A1の内部にセル74に設けられた所定量の吸収性ポリマー粒子73が移送されて、幅方向に拡散する排泄液を効率良く吸収することができる。同様に、吸収体シート70の右側部A4の内側に折畳まれた右側折畳み部A5の内部にセル74に設けられた所定量の吸収性ポリマー粒子73が移送されて、幅方向に拡散する排泄液を効率良く吸収することができる。なお、表側シート71に用いられる不織布の繊維径は3.0〜30dtexが好ましく、繊維目付け量は20〜100g/m2が好ましく、厚みは2〜5mmが好ましい。
裏側シート72としては、有孔または無孔の不織布が用いられる。不織布を用いる場合は、スパンボンド法、メルトブローン法、ニ一ドルパンチ法によって加工された繊維密度が高い不織布を用いるのが好ましく、これにより、吸収性ポリマー粒子73のセル74からの脱落を軽減することができる。なお、裏側シート72に用いられる不織布の繊維径は1.0〜3.0dtexが好ましく、繊維目付け量は10〜20g/m2が好ましく、厚みは0.2〜2mmが好ましい。
吸収性ポリマー粒子73としては、使い捨ておむつ、ナプキン等の吸収性物品に使用されている高吸収性ポリマー粒子が用いられる。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系があり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体等を用いることができる。
吸収性ポリマー粒子73の吸水量は、40g/g以上で、吸水速度は、70秒以下、特に40秒以下のものが好ましい。これにより、トップシート1を透過した排泄液を吸収体シート70で吸効率良く吸収することができ、排泄液がトップシート1に逆戻りするのを防止することができる。
吸収性ポリマー粒子73のゲル強度は、1000Pa以上のものが好ましい。これにより、排泄液を吸収した吸収体シート70のべとつき感を低減することができる。
吸収性ポリマー粒子73の粒径は、500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが好ましい。
セル74の吸収性ポリマー粒子73の目付け量は、要求される吸収量に応じて適宜定められるが、50〜350g/m2とするのが好ましい。なお、目付け量が50g/m2未満の場合は、吸収量の確保が困難になり、350g/m2を超えた場合は、吸収量が過大になりすぎる。また、セル74の形状は、平面視で正方形に形成されているが、長方形、菱形、六角形、円形、及び楕円形に形成することもできる。なお、セル74が六角形に形成される場合には、接合部75は、六角形の幅方向の形状に沿って幅方向に凹凸しながら前後方向に向かって延在し、接合部76は、六角形の前後方向の形状に沿って前後方向に凹凸しながら幅方向に向かって延在して形成される。
接合部75の幅方向の幅は、5〜10mmに形成され、接合部76の前後方向の幅は、5〜10mmに形成され、接合部77の前後方向の幅は、5〜10mmに形成されている。これにより、トップシート1を透過した排泄液を吸収体シート70の全域に拡散させて、複数のセル74で排泄液を効率良く吸収することができる。
接合部75と、接合部76と、接合部77は、超音波溶着やヒートシールのように表側シート71と裏側シート72を溶着させて接合するのが好ましいが、ホットメルト接着剤を介して接合することもできる。
次に、吸収体シート70を折畳んで吸収体3を形成する方法について説明する。図6に示すように、先ず、吸収体シート70の左側部A2と右側部A4に位置する表側シート71にホットメルト接着剤78を塗布する。なお、ホットメルト接着剤78は、高い通液性を維持するために、スパイラル状、ストライプ状に塗布するのが好ましい。
次に、左側折畳み部A1と左側部A2の間の接合部75の略幅方向の中心部に前後方向に向けて延在する折畳み線79Aを中心として、左側折畳み部A1を内側に向けて折畳んで、左側折畳み部A1に位置する表側シート71を左側部A2に位置する表側シート71にホットメルト接着剤78を介して固定する。同様に、右側折畳み部A5と右側部A4の間の接合部75の略幅方向の中心部に前後方向に向けて延在する折畳み線79Bを中心として、右側折畳み部A5を内側に向けて折畳んで、右側折畳み部A5に位置する表側シート71を右側部A4に位置する表側シート71にホットメルト接着剤78を介して固定する。なお、ホットメルト接着剤78に替えて、左側折畳み部A1と左側部A2、及び右側折畳み部A5と右側部A4を熱圧着や超音波接着によって固定することもできる。
次に、吸収体シート70を折畳んで形成された吸収体3について説明する。図7に示すように、吸収体3の幅方向の左側部B1と右側部B3は、吸収体3の幅方向の中央部B2よりも内側(身体側)に向けて凸状に形成される。これにより、装着者の臀部等に吸収体3の中央部B2で吸収できなかった排泄液(以下、余剰排泄液と言う。)が接触するのを防止して装着者に不快感を与えるのを抑制することができる。
吸収体3の中央部B2の幅方向の幅は、吸収体3の幅方向の幅に対して10〜40%にするのが好ましい。中央部B2の幅が10%未満の場合、トップシート1を透過した排泄液が吸収体3の左側部B1又は右側部B3に移送される恐れがある。また、中央部B2の幅が40%超の場合には、幅方向に拡散された全ての余剰排泄液を吸収できない恐れがある。
吸収体3の左側部B1と右側部B3には、幅方向に延在する接合部76が形成されている。これにより、余剰排泄液を吸収体3の左側部B1と右側部B3に迅速に拡散させることができ、ゲルブロッキングの発生を抑制することができる。また、吸収体3の左側部B1の外側(反身体側)を形成する左側部A2と右側部B3の外側を形成する右側部A4には、幅方向に延在する接合部77がさらに形成されている。これにより、多くの余剰排泄液を接合部76と接合部77によって吸収体3の左側部B1と右側部B3により迅速に拡散させて、吸収速度を速めて、外部への漏れ出しを防止することができる。また、吸収体3の左側部B1に拡散された余剰排泄液は、左側部B1を形成する左側折畳み部A1と左側部A2で吸収され、吸収体3の右側部B3に拡散された余剰排泄液は、右側部B3を形成する右側折畳み部A5と右側部A4で吸収されて濡れ戻り現象を低減し、装着者に与える不快感を抑制することができる。
図8に示すように、吸収体3の左側部B1を形成する左側折畳み部A1の表側シート71と右側部B3を形成する右側折畳み部A5の表側シート71には、セル74から漏下した吸収性ポリマー粒子73が分散されている。これにより、吸収体3の左側部B1と右側部B3に拡散された余剰排泄液を吸収して、外部への漏れ出しを防止することができる。
(第2実施形態)
吸収体3を形成する第2実施形態の吸収体シート70について説明する。なお、第1実施形態の吸収体シート70と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。図9に示すように、第2実施形態の吸収体シート70においては、吸収体シート70の左側折畳み部A1と右側折畳み部A5に形成されたセル74に設けられた吸収性ポリマー粒子73の目付け量を、吸収体シート70の左側部A2と、中央部A3と、右側部A4に形成されたセル74に設けられた吸収性ポリマー粒子73の目付け量に対して150%に設定している。なお、第2実施形態の吸収体シート70においては、吸収性ポリマー粒子73の目付け量を相違させているが、吸収性ポリマー粒子73の素材、吸水量、ゲル強度、又は粒径を相違させることもできる。
図10に示すように、第2実施形態の吸収体シート70を折畳んで形成された吸収体3の左側部B1を形成する左側折畳み部A1の表側シート71と右側部B3を形成する右側折畳み部A5の表側シート71には、セル74から漏下した多くの吸収性ポリマー粒子73が分散されている。これにより、吸収体3の左側部B1と右側部B3に拡散されたより多くの余剰排泄液を吸収して、外部への漏れ出しをより防止することができる。
(他の折畳み形態)
次に、他の折畳み形態について説明する。なお、第1実施形態の吸収体シート70と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。図11に示すように、吸収体3の左側部B1を形成する左側折畳み部A1の幅方向の内側部を外側に向けて折畳み、吸収体3の右側部B3を形成する右側折畳み部A5の幅方向の内側部を外側に向けて折畳むことができる。これにより、装着者の臀部等に余剰排泄液が接触するのをより防止して装着者に不快感を与えるのをより抑制すことができる。
本発明は、テープ式使い捨ておむつ、パンツ式使い捨ておむつ、ナプキン、パッド等の吸収性物品に利用できるものである。
70 吸収体シート
71 表側シート
72 裏側シート
73 吸収性ポリマー粒子
74 セル
75 接合部(第1接合部)
76 接合部(第2接合部)
本発明は、使い捨ておむつ、ナプキン、パット等の吸収性物品に用いられる吸収体に関するものである。
従来、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、表側シートと透液性の裏側シートの間に吸収性ポリマーが設けられた吸収体シートの幅方向の両側部を内側に折畳んで形成した吸収体が知られている。(特許文献1)
また、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、表側シートと透液性の裏側シートの間に吸収性ポリマーとパルプ繊維が設けられた吸収体シートの幅方向の両側部を内側に折畳み、且つ、折畳まれた両側部の内側部を外側に折畳んだ吸収体が知られている。(特許文献2)
特表2004−500165号公報 特開2013−132460号公報
しかし、特許文献1の吸収体は、内側に折畳まれた両側部の間に形成される空間がスリット状に形成されているので、吸収体で吸収できなかった余剰排泄液が外部に漏れ出す恐れがあった。
また、特許文献2の吸収体は、折畳まれて形成された吸収体の厚みが厚く、装着者に違和感を与える恐れがあった。
そこで、本発明の課題は、吸収体で吸収できなかった余剰排泄液の外部への漏れ出しを防止した吸収体を提供することにある。
上記課題を解決した手段は次記のとおりである。
第1手段は、吸収体シートの幅方向の両側部を内側に折畳んで形成した吸収体において、
前記吸収体シートを、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、前記表側シートと裏側シートの間に設けられた排泄液を吸収する吸収性ポリマー粒子で形成し、前記内側に折畳まれた両側部の間に形成された幅方向の幅を、前記吸収体の幅方向の幅に対して10〜50%に形成し、前記内側に折畳まれた折畳み部における吸収性ポリマー粒子の一部を、前記内側に折畳まれた折畳み部における表面シート内に漏下させ、平面視において、前記表側シートと裏側シートを、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する第1接合部と、前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する第2接合部によって接合し、前記表側シートと裏側シートにおける折畳み部に対向する部位を、隣接する前記第2接合部の前後方向の中央部に幅方向に延在する第3接合部によって接合し、前記吸収性ポリマー粒子を、前記第1接合部、第2接合部、及び第3接合部によって区画される複数のセル内に配設したことを特徴とする。
手段は、第手段の構成において、前記表面シートの目付け量を、前記裏側シートの目付け量よりも多く形成したことを特徴とする。
手段は、第1又は2手段の構成において、前記表面シートの厚みを、前記裏側シートの厚みよりも厚く形成したことを特徴とする。
手段は、第1〜のいずれか1項の手段の構成において、前記内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量を、前記吸収体シートの内側に折畳まれた部位を除いた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量よりも多く配設したことを特徴とする。
第1手段によれば、吸収体シートを、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、表側シートと裏側シートの間に設けられた排泄液を吸収する吸収性ポリマー粒子で形成し、内側に折畳まれた両側部の間に形成された幅方向の幅を、吸収体の幅方向の幅に対して10〜50%に形成し、内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の一部を、内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下させたので、吸収体の両側部で幅方向に拡散した排泄液を多く吸収して排泄液の外部への漏れ出しを防止することができ、また、吸収性ポリマー粒子を表面シート内にも分散してゲルブロッキング現象を防止することができる。また、パルプ繊維を設けていないので、吸収体が薄く形成でき、装着者に与える違和感も軽減することができる。
面視において、表側シートと裏側シートを、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する第1接合部と、前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する第2接合部によって接合して、吸収性ポリマー粒子を、第1接合部と第2接合部によって区画される複数のセル内に配設したので、吸収体の幅方向の中心部に移送された排泄液を迅速に吸収体の両側部に拡散することができる。また、吸収性ポリマー粒子の偏在を抑制して吸収性ポリマー粒子のゲルブロッキング現象をより防止することもできる。
また、多くの余剰排泄液を第2接合部と第3接合部によって吸収体の両側部により迅速に拡散させて、吸収速度を速めて、外部への漏れ出しを防止することができる。
手段によれば、第手段による効果に加えて、表面シートの目付け量を、裏側シートの目付け量よりも多く形成したので、内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下する吸収性ポリマー粒子の漏下量を所定量に調整することができる。
手段によれば、第1又は2手段による効果に加えて、表面シートの厚みを、裏側シートの厚みよりも厚く形成したので、内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下する吸収性ポリマー粒子の漏下量を所定量により調整することができる。
手段によれば、第1〜のいずれか1項の手段による効果に加えて、内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量を、吸収体シートの内側に折畳まれた部位を除いた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量よりも多く配設したので、吸収体の両側部で幅方向に拡散した排泄液をより多く吸収して排泄液の外部への漏れ出しをより防止することができる。
使い捨ておむつを展開した内面平面図である。 使い捨ておむつを展開した外面平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 第1実施形態の吸収体を展開した(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第1実施形態の折畳み直前の吸収体を展開した(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第1実施形態の吸収体の(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第1実施形態の吸収体の折畳まれた左側部の説明図である。 第2実施形態の折畳み直前の吸収体を展開した(a)は内面平面図、(b)はA−A断面図である。 第2実施形態の吸収体の折畳まれた左側部の説明図である。 他の折畳み形態である。
<使い捨ておむつ>
本発明の液拡散性に優れ、液通液性に優れた吸収体について図面を参照しながら説明する。本明細書では、「前後方向」は腹側と背側を結ぶ方向をいい、「幅方向」は前後方向と直交する方向をいい、「上下方向」は装着時の使い捨ておむつの胴回り方向と直交する方向をいい、「内面」はそれぞれの部材の身体側面をいい、「外面」とはそれぞれの部材の反身体側面をいうものとする。
図1,2に示すように、使い捨ておむつ100は、身体側の液透過性のトップシート1と、反身体側の液不透過性のバックシート2と、トップシート1とバックシート2の間に配置された吸収体3から形成されている。また、バックシート2の外面には、外装シート20が設けられている。
吸収体3の幅方向の外側には、排泄物の外部への漏れを防止するために脚周り用の立体ギャザー30がそれぞれ設けられ、立体ギャザー30の外側には、排泄物の外部への漏れを防止する脚周り用の平面ギャザー40がそれぞれ設けられている。
吸収体3の前後方向の外側には、吸収体3が延在しないエンドフラップ部EFがそれぞれ設けられ、吸収体3の幅方向の外側には、吸収体3が延在しないサイドフラップ部SFがそれぞれ設けられている。
サイドフラップ部SFの背側には、幅方向の外側に向かって延在するファスニングテープ50がそれぞれ設けられ、外装シート20の外面の腹側には、使い捨ておむつ100の装着時にファスニングテープ50を係止するターゲットシート60が設けられている。
(トップシート)
トップシート1は、吸収体3の外周縁よりも外側に延在し、延在部の外面は、ホットメルト等の接着剤を介してバックシート2の内面に固定されている。
トップシート1としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。トップシート1に用いる不織布の繊維目付け量は15〜30g/m2が好ましく、厚みは0.05〜1mmが好ましい。
(バックシート)
バックシート2は、吸収体3の外周縁よりも外側に延在し、吸収体3に吸収された排泄物の外部への移動を遮断するものである。
バックシート2としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。バックシート2の単位面積あたりの重量は13〜40g/m2が好ましく、厚みは0.01〜0.1mmが好ましい。
(吸収体)
図3,4,7に示すように、吸収体3は、吸収体シート70の左側折畳み部A1の表側シート71が左側部A2の表側シート71と対抗するように幅方向の内側に向けて折畳み、吸収体シート70の右側折畳み部A5の表側シート71が右側部A2の表側シート71と対抗するように幅方向の内側に向けて折畳んで形成されている。なお、吸収体シート70については後述する。
(外装シート)
外装シート20は、バックシート2の外面を覆い、使い捨ておむつ100の外面を布のような外観、肌触りとするものである。外装シート20としては、不織布で形成するのが好ましい。素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法は、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いて製作することができる。但し、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好ましい。
不織布は一枚で使用する他、複数枚を重ねて使用することもでき、複数枚を重ねて使用する場合は、不織布相互をホットメルト等の接着剤を介して固定するのが好ましい。また、不織布を用いる場合は、その繊維目付け量は10〜50g/m2、特に15〜30g/m2が好ましい。
(脚周り用の立体ギャザー)
脚周り用の立体ギャザー30を形成するギャザーシート31の基部31Aの外面は、バックシート2の内面の幅方向の外側部と外装シート20の内面の幅方向の外側部に前後方向に亘ってそれぞれ固定されている。また、ギャザーシート31の起立部31Bの前後方向の両端部は、トップシート1の内面の幅方向の外側部に固定され、ギャザーシート31の起立部31Bの前後方向の中間部は、トップシート1の内面には固定されておらず離間している。
ギャザーシート31の起立部31Bには、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する複数の細長状の弾性伸縮部材32が所定の伸張状態で設けられている。これにより、使い捨ておむつ100の装着時には、弾性伸縮部材32の収縮力によって起立部31Bを装着者の股間部に向かって起立させて、起立部31Bの先端部を装着者の股間部に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
ギャザーシート31としては、スパンボンド不織布等の不織布の他、バックシート2に用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好ましい。
弾性伸縮部材32としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材32の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸張率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。
(脚周り用の平面ギャザー)
脚周り用の平面ギャザー40は、立体ギャザー30を形成するギャザーシート31の基部31Aに設けられている。サイドフラップ部SFを形成するギャザーシート31の基部31Aとバックシート2の幅方向の外側部には、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する細長状の弾性伸縮部材41が所定の伸張状態で設けられている。これにより、使い捨ておむつ100の装着時には、弾性伸縮部材41の収縮力によって平面ギャザー40が装着者の脚部に押接させ排泄物の外部への漏れを防止することができる。
弾性伸縮部材41としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。また、弾性伸縮部材41の間隔は2〜15mm程度、特に3〜7mm程度が好ましい。さらに、弾性伸縮部材41の太さは500〜1500dtex程度、特に800〜1300dtex程度(天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度)が好ましく、また取り付け時の伸張率は150〜250%程度、特に160〜200%程度が好ましい。
(ファスニングテープ)
図1〜3に示すように、サイドフラップ部SFの背側部には、それぞれ外側に向かって延在するファスニングテープ50が設けられている。ファスニングテープ50は、基材シート51と、基材シート51の内面の外側部に設けられた係止部52から形成されている。また、基材シート51の内側部は、ギャザーシート31と外装シート20の幅方向の外側部に固定されている。
基材シート51の素材は、不織布が好ましく、不織布としては公知のものを特に限定無く用いることができる。不織布を構成する繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の製造方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。特にオレフィン系繊維を用いたスパンボンド不織布、SMS不織布が好ましい。使用する不織布の坪量は適宜定めることができるが、本体部5bにおける不織布の総坪量が20〜75g/m2、特に26〜46g/m2であり、固定部5f及び先端部5pにおける不織布の総坪量がそれぞれ35〜130g/m2、特に46〜116g/m2であると好ましい。この範囲内であれば、外装シート20とギャザーシート31の間に固定される基部における強度や剛性を確保でき、且つ本体部74の柔軟性や伸縮性の確保をすることができる。
係止部52としては、メカニカルファスナーのフック材が好ましい。フック材は、多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。また、フック材に替えて粘着剤層を用いることもできる。
(ターゲットシート)
ターゲットシート60としては、ループ糸が表面に多数設けられたプラスチックフィルムや不織布等が好ましい。これにより、装着者に使い捨ておむつ100を装着する場合には、ファスニングテープ50の係止部52をターゲットシート60に効率良く係止することができる。
(中間シート)
実施形態1においては、トップシート1と吸収体3の間に、中間シート4が設けられている。これにより、トップシート1を透過した排泄液を吸収体3に速やかに移動させて、排泄液がトップシート1に逆戻りするのを防止することができる。なお、中間シート4は、トップシート1の外面に、ホットメルト接着剤、ヒートエンボスや超音波溶着によって固定されている。
中間シート4としては、不織布を用いる他、多数の透過孔を有する樹脂フィルムを用いることもできる。不織布としては、トップシート1と同様の素材を用いることができるが、トップシート1よりも親水性が高いものや、繊維密度が高いものが、トップシート1から中間シート4への排泄液の移動特性に優れるため好ましい。
<吸収体シート>
(第1実施形態)
吸収体3を形成する第1実施形態の吸収体シート70について説明する。図5に示すように、吸収体シート70は、トップシート1側の液透過性の表側シート71と、バックシート2側の液透過性の裏側シート72と、表側シート71と裏側シート72の間に設けられた吸収性ポリマー粒子73から形成されている。
表側シート71と裏側シート72は、接合部によって接合され、吸収性ポリマー粒子73は、接合部によって区画された複数のセル74にそれぞれ設けられている。なお、セル74に位置する表側シート71と裏側シート72は、接合されずに離間して所定の空間が形成されている。これにより、吸収性ポリマー粒子73が吸収体シート70の一部分に遍在するのを防止して、ゲルブロッキングの発生を抑制することができる。また、吸収性ポリマー粒子73は、表側シート71又は裏側シート72に非接着とすることもできるが、表側シート71又は裏側シート72にホットメルト接着剤等を介して接着させることもできる。
接合部は、吸収体シート70の幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する6本の接合部(請求項における「第1接合部」)75と、吸収体シート70の前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に向かって延在する6本の接合部(請求項における「第2接合部」)76で形成されている。本明細書では、左側から順に数えて第1接合部75と第2接合部75で区画される部位を左側折畳み部A1と言い、第2接合部75と第3接合部75で区画される部位を左側部A2と言い、第3接合部75と第4接合部75で区画される部位を中央部A3と言い、第4接合部75と第5接合部75で区画される部位を右側部A4と言い、第5接合部75と第6接合部75で区画される部位を右側折畳み部A5と言う。
平面視において、左側折畳み部A1に形成されたセル74は略正方形に形成され、左側部A2に形成されたセル74は、幅方向に延在する接合部(請求項における「第3接合部」)77によって前後に分離され、分離された小セル74Aは、幅方向に長辺を有する略長方形に形成されている。中央部A3に形成されたセル74は略正方形に形成され、右側部A4に形成されたセル74は、幅方向に延在する接合部77によって前後に分離され、分離された小セル74Aは、幅方向に長辺を有する略長方形に形成されている。右側折畳み部A5に形成されたセル74は略正方形に形成されている。
表側シート71としては、有孔または無孔の不織布が用いられる。不織布を用いる場合は、エアスルー法、メルトブローン法、ニ一ドルパンチ法によって加工された不織布を用いるのが好ましく、表側シート71に用いられる不織布の繊維径を裏側シート72に用いられる繊維径よりも太くし、表側シート71の不織布の繊維目付け量を裏側シート72に用いられる不織布の繊維目付け量よりも多くし、表側シート71の不織布の厚みを裏側シート72に用いられる不織布の厚みよりも厚くするのが好ましい。これにより、吸収体シート70の左側部A2の内側に折畳まれた左側折畳み部A1の内部にセル74に設けられた所定量の吸収性ポリマー粒子73が移送されて、幅方向に拡散する排泄液を効率良く吸収することができる。同様に、吸収体シート70の右側部A4の内側に折畳まれた右側折畳み部A5の内部にセル74に設けられた所定量の吸収性ポリマー粒子73が移送されて、幅方向に拡散する排泄液を効率良く吸収することができる。なお、表側シート71に用いられる不織布の繊維径は3.0〜30dtexが好ましく、繊維目付け量は20〜100g/m2が好ましく、厚みは2〜5mmが好ましい。
裏側シート72としては、有孔または無孔の不織布が用いられる。不織布を用いる場合は、スパンボンド法、メルトブローン法、ニ一ドルパンチ法によって加工された繊維密度が高い不織布を用いるのが好ましく、これにより、吸収性ポリマー粒子73のセル74からの脱落を軽減することができる。なお、裏側シート72に用いられる不織布の繊維径は1.0〜3.0dtexが好ましく、繊維目付け量は10〜20g/m2が好ましく、厚みは0.2〜2mmが好ましい。
吸収性ポリマー粒子73としては、使い捨ておむつ、ナプキン等の吸収性物品に使用されている高吸収性ポリマー粒子が用いられる。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系があり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体等を用いることができる。
吸収性ポリマー粒子73の吸水量は、40g/g以上で、吸水速度は、70秒以下、特に40秒以下のものが好ましい。これにより、トップシート1を透過した排泄液を吸収体シート70で吸効率良く吸収することができ、排泄液がトップシート1に逆戻りするのを防止することができる。
吸収性ポリマー粒子73のゲル強度は、1000Pa以上のものが好ましい。これにより、排泄液を吸収した吸収体シート70のべとつき感を低減することができる。
吸収性ポリマー粒子73の粒径は、500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが好ましい。
セル74の吸収性ポリマー粒子73の目付け量は、要求される吸収量に応じて適宜定められるが、50〜350g/m2とするのが好ましい。なお、目付け量が50g/m2未満の場合は、吸収量の確保が困難になり、350g/m2を超えた場合は、吸収量が過大になりすぎる。また、セル74の形状は、平面視で正方形に形成されているが、長方形、菱形、六角形、円形、及び楕円形に形成することもできる。なお、セル74が六角形に形成される場合には、接合部75は、六角形の幅方向の形状に沿って幅方向に凹凸しながら前後方向に向かって延在し、接合部76は、六角形の前後方向の形状に沿って前後方向に凹凸しながら幅方向に向かって延在して形成される。
接合部75の幅方向の幅は、5〜10mmに形成され、接合部76の前後方向の幅は、5〜10mmに形成され、接合部77の前後方向の幅は、5〜10mmに形成されている。これにより、トップシート1を透過した排泄液を吸収体シート70の全域に拡散させて、複数のセル74で排泄液を効率良く吸収することができる。
接合部75と、接合部76と、接合部77は、超音波溶着やヒートシールのように表側シート71と裏側シート72を溶着させて接合するのが好ましいが、ホットメルト接着剤を介して接合することもできる。
次に、吸収体シート70を折畳んで吸収体3を形成する方法について説明する。図6に示すように、先ず、吸収体シート70の左側部A2と右側部A4に位置する表側シート71にホットメルト接着剤78を塗布する。なお、ホットメルト接着剤78は、高い通液性を維持するために、スパイラル状、ストライプ状に塗布するのが好ましい。
次に、左側折畳み部A1と左側部A2の間の接合部75の略幅方向の中心部に前後方向に向けて延在する折畳み線79Aを中心として、左側折畳み部A1を内側に向けて折畳んで、左側折畳み部A1に位置する表側シート71を左側部A2に位置する表側シート71にホットメルト接着剤78を介して固定する。同様に、右側折畳み部A5と右側部A4の間の接合部75の略幅方向の中心部に前後方向に向けて延在する折畳み線79Bを中心として、右側折畳み部A5を内側に向けて折畳んで、右側折畳み部A5に位置する表側シート71を右側部A4に位置する表側シート71にホットメルト接着剤78を介して固定する。なお、ホットメルト接着剤78に替えて、左側折畳み部A1と左側部A2、及び右側折畳み部A5と右側部A4を熱圧着や超音波接着によって固定することもできる。
次に、吸収体シート70を折畳んで形成された吸収体3について説明する。図7に示すように、吸収体3の幅方向の左側部B1と右側部B3は、吸収体3の幅方向の中央部B2よりも内側(身体側)に向けて凸状に形成される。これにより、装着者の臀部等に吸収体3の中央部B2で吸収できなかった排泄液(以下、余剰排泄液と言う。)が接触するのを防止して装着者に不快感を与えるのを抑制することができる。
吸収体3の中央部B2の幅方向の幅は、吸収体3の幅方向の幅に対して10〜40%にするのが好ましい。中央部B2の幅が10%未満の場合、トップシート1を透過した排泄液が吸収体3の左側部B1又は右側部B3に移送される恐れがある。また、中央部B2の幅が40%超の場合には、幅方向に拡散された全ての余剰排泄液を吸収できない恐れがある。
吸収体3の左側部B1と右側部B3には、幅方向に延在する接合部76が形成されている。これにより、余剰排泄液を吸収体3の左側部B1と右側部B3に迅速に拡散させることができ、ゲルブロッキングの発生を抑制することができる。また、吸収体3の左側部B1の外側(反身体側)を形成する左側部A2と右側部B3の外側を形成する右側部A4には、幅方向に延在する接合部77がさらに形成されている。これにより、多くの余剰排泄液を接合部76と接合部77によって吸収体3の左側部B1と右側部B3により迅速に拡散させて、吸収速度を速めて、外部への漏れ出しを防止することができる。また、吸収体3の左側部B1に拡散された余剰排泄液は、左側部B1を形成する左側折畳み部A1と左側部A2で吸収され、吸収体3の右側部B3に拡散された余剰排泄液は、右側部B3を形成する右側折畳み部A5と右側部A4で吸収されて濡れ戻り現象を低減し、装着者に与える不快感を抑制することができる。
図8に示すように、吸収体3の左側部B1を形成する左側折畳み部A1の表側シート71と右側部B3を形成する右側折畳み部A5の表側シート71には、セル74から漏下した吸収性ポリマー粒子73が分散されている。これにより、吸収体3の左側部B1と右側部B3に拡散された余剰排泄液を吸収して、外部への漏れ出しを防止することができる。
(第2実施形態)
吸収体3を形成する第2実施形態の吸収体シート70について説明する。なお、第1実施形態の吸収体シート70と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。図9に示すように、第2実施形態の吸収体シート70においては、吸収体シート70の左側折畳み部A1と右側折畳み部A5に形成されたセル74に設けられた吸収性ポリマー粒子73の目付け量を、吸収体シート70の左側部A2と、中央部A3と、右側部A4に形成されたセル74に設けられた吸収性ポリマー粒子73の目付け量に対して150%に設定している。なお、第2実施形態の吸収体シート70においては、吸収性ポリマー粒子73の目付け量を相違させているが、吸収性ポリマー粒子73の素材、吸水量、ゲル強度、又は粒径を相違させることもできる。
図10に示すように、第2実施形態の吸収体シート70を折畳んで形成された吸収体3の左側部B1を形成する左側折畳み部A1の表側シート71と右側部B3を形成する右側折畳み部A5の表側シート71には、セル74から漏下した多くの吸収性ポリマー粒子73が分散されている。これにより、吸収体3の左側部B1と右側部B3に拡散されたより多くの余剰排泄液を吸収して、外部への漏れ出しをより防止することができる。
(他の折畳み形態)
次に、他の折畳み形態について説明する。なお、第1実施形態の吸収体シート70と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。図11に示すように、吸収体3の左側部B1を形成する左側折畳み部A1の幅方向の内側部を外側に向けて折畳み、吸収体3の右側部B3を形成する右側折畳み部A5の幅方向の内側部を外側に向けて折畳むことができる。これにより、装着者の臀部等に余剰排泄液が接触するのをより防止して装着者に不快感を与えるのをより抑制すことができる。
本発明は、テープ式使い捨ておむつ、パンツ式使い捨ておむつ、ナプキン、パッド等の吸収性物品に利用できるものである。
70 吸収体シート
71 表側シート
72 裏側シート
73 吸収性ポリマー粒子
74 セル
75 接合部(第1接合部)
76 接合部(第2接合部)
77 接合部(第3接合部)

Claims (5)

  1. 吸収体シートの幅方向の両側部を内側に折畳んで形成した吸収体において、
    前記吸収体シートを、液透過性の表側シートと、液透過性の裏側シートと、前記表側シートと裏側シートの間に設けられた排泄液を吸収する吸収性ポリマー粒子で形成し、
    前記内側に折畳まれた両側部の間に形成された幅方向の幅を、前記吸収体の幅方向の幅に対して10〜50%に形成し、
    前記内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の一部を、前記内側に折畳まれた部位における表面シート内に漏下させたことを特徴とする吸収体。
  2. 平面視において、前記表側シートと裏側シートを、幅方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する第1接合部と、前後方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する第2接合部によって接合して、
    前記吸収性ポリマー粒子を、前記第1接合部と第2接合部によって区画される複数のセル内に配設した請求項1記載の吸収体。
  3. 前記表面シートの目付け量を、前記裏側シートの目付け量よりも多く形成した請求項1又は2記載の吸収体。
  4. 前記表面シートの厚みを、前記裏側シートの厚みよりも厚く形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収体。
  5. 前記内側に折畳まれた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量を、前記吸収体シートの内側に折畳まれた部位を除いた部位における吸収性ポリマー粒子の目付け量よりも多く配設した請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収体。
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