JP2018157037A - 粘着性フィルムおよび電子装置の製造方法 - Google Patents

粘着性フィルムおよび電子装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを抑制することが可能な電子部品仮固定用粘着性フィルムを提供する。【解決手段】本発明の粘着性フィルム50は、電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に上記電子部品を仮固定するために用いられる粘着性フィルムであって、上記電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、支持基板に貼り付けるために用いられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に設けられた中間層(C)と、を備え、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’が1.0×105Pa以上8.0×106Pa以下であり、かつ、中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)が0.1以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着性フィルムおよび電子装置の製造方法に関する。
電子装置(例えば、半導体装置)の小型化・軽量化を図ることができる技術として、ファンアウト型WLP(ウエハレベルパッケージ)が開発されている。
ファンアウト型WLPの作製方法のひとつであるeWLB(Embedded Wafer Level Ball Grid Array)では、支持基板に貼り付けた粘着性フィルム上に、半導体チップ等の複数の電子部品を離間させた状態で仮固定し、封止材により複数の電子部品を一括封止する手法が取られる。ここで、粘着性フィルムは、封止工程等においては電子部品および支持基板に固着させる必要があり、封止後は支持基板とともに封止された電子部品から除去する必要がある。
このようなファンアウト型WLPの製造方法に関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2011−134811号)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、基板レス半導体チップを樹脂封止する際に、貼着して使用される半導体装置製造用耐熱性粘着シートであって、上記耐熱性粘着シートは基材層と粘着剤層とを有し、該粘着剤層は貼り合わせ後の対SUS304粘着力が0.5N/20mm以上であり、樹脂封止工程完了時点に至るまでに受ける刺激により硬化して、対パッケージ剥離力が2.0N/20mm以下になる層であることを特徴とする半導体装置製造用耐熱性粘着シートが記載されている。
特開2011−134811号公報
本発明者らの検討によれば、支持基板に貼り付けた粘着性フィルム上に電子部品を配置して封止材により電子部品を封止し、その後支持基板から粘着性フィルムを剥離する際に、支持基板側に粘着性フィルムの粘着性樹脂層の一部(以下、糊とも呼ぶ。)が残ってしまう場合がある(以下、糊残りとも呼ぶ。)ことが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを抑制することが可能な電子部品仮固定用粘着性フィルムを提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)との間に、特定の弾性率および損失正接(tanδ)を有する中間層(C)を設けることにより、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを抑制することができることを見出して、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す粘着性フィルムおよび電子装置の製造方法が提供される。
[1]
電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に上記電子部品を仮固定するために用いられる粘着性フィルムであって、
上記電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、
支持基板に貼り付けるために用いられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、
上記粘着性樹脂層(A)と上記粘着性樹脂層(B)との間に設けられた中間層(C)と、
を備え、
上記中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’が1.0×10Pa以上8.0×10Pa以下であり、かつ、上記中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)が0.1以下である粘着性フィルム。
[2]
上記[1]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層(B)は加熱により粘着力が低下する粘着性フィルム。
[3]
上記[2]に記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層(B)が気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種を含む粘着性フィルム。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層(A)中の気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種の含有量が、上記粘着性樹脂層(A)の全体を100質量%としたとき、0.1質量%以下である粘着性フィルム。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記封止材がエポキシ樹脂系封止材である粘着性フィルム。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムにおいて、
上記粘着性樹脂層(A)は(メタ)アクリル系粘着性樹脂を含む粘着性フィルム。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の粘着性フィルムと、上記粘着性フィルムの上記粘着性樹脂層(A)に貼り付けられた電子部品と、上記粘着性フィルムの上記粘着性樹脂層(B)に貼り付けられた支持基板と、を備える構造体を準備する工程(1)と、
封止材により上記電子部品を封止する工程(2)と、
外部刺激を与えることにより上記粘着性樹脂層(B)の粘着力を低下させて上記構造体から上記支持基板を剥離する工程(3)と、
上記電子部品から上記粘着性フィルムを剥離する工程(4)と、
を少なくとも備える電子装置の製造方法。
[8]
上記[7]に記載の電子装置の製造方法において、
上記封止材がエポキシ樹脂系封止材である電子装置の製造方法。
本発明によれば、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを抑制することが可能な電子部品仮固定用粘着性フィルムを提供することができる。
本発明に係る実施形態の粘着性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態の粘着性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。また、数値範囲の「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。また、本実施形態において、「(メタ)アクリル」とはアクリル、メタクリルまたはアクリルおよびメタクリルの両方を意味する。
1.電子部品仮固定用粘着性フィルム
以下、本実施形態に係る粘着性フィルム50について説明する。
図1および図2は、本発明に係る実施形態の粘着性フィルム50の構造の一例を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る粘着性フィルム50は、電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に上記電子部品を仮固定するために用いられる粘着性フィルムであって、上記電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、支持基板に貼り付けるために用いられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に設けられた中間層(C)と、を備える。そして、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’が1.0×10Pa以上8.0×10Pa以下であり、かつ、中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)が0.1以下である。
上述したように、本発明者らの検討によれば、支持基板に貼り付けた粘着性フィルム上に電子部品を配置して封止材により電子部品を封止し、その後支持基板から粘着性フィルムを剥離する際に、支持基板側に糊残りが生じてしまう場合があることが明らかになった。
この理由は明らかではないが、以下の理由が考えられる。まず、封止材により電子部品を封止する際に金枠(金型の外周部)が粘着性フィルムに接触し、その接触部位において粘着性フィルムおよび支持基板に応力が加わる。この応力が加わる部位において、支持基板と粘着性樹脂層との粘着力が高まり、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際に、支持基板側に粘着性フィルムの粘着性樹脂層の一部が残る現象が起きてしまうと考えられる。
本発明者らは、電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に、支持基板側に生じる糊残りを抑制することが可能な電子部品仮固定用粘着性フィルムを実現するために、鋭意検討を重ねた。その結果、電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、を備える粘着性フィルムにおいて、粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に特定の弾性率および損失正接(tanδ)を有する中間層(C)を設けることが有効という知見を得た。
そして、本発明者らは上記知見を基にさらに鋭意検討した結果、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’および損失正接(tanδ)を上記範囲とすることにより、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを効果的に抑制することができることを初めて見出した。
すなわち、本実施形態に係る粘着性フィルム50は、粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に中間層(C)を設け、その中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’および損失正接(tanδ)を上記範囲とすることで、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを効果的に抑制することが可能となる。
本実施形態に係る粘着性フィルム50を用いると支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを効果的に抑制することができる理由は明らかではないが、以下の理由が考えられる。
まず、前述したように、封止材により電子部品を封止する際に金枠(金型の外周部)が粘着性フィルムに接触し、その接触部位において粘着性フィルムおよび支持基板に応力が加わる。この応力が加わる部位において、支持基板と粘着性樹脂層との粘着力が高まり、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際に、支持基板側に粘着性フィルムの粘着性樹脂層の一部が残る現象が起きてしまうと考えられる。
一方で、本実施形態に係る粘着性フィルム50は、粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に120℃における貯蔵弾性率E’および損失正接(tanδ)が上記範囲内である中間層(C)が設けられている。この中間層(C)によって、金枠からの応力が緩和され、支持基板と粘着性樹脂層との粘着力の上昇を抑制でき、その結果、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを効果的に抑制することができると考えられる。
本実施形態に係る粘着性フィルム50全体の厚さは、機械的特性と取扱い性のバランスの観点から、好ましくは10μm以上1000μm以下であり、より好ましくは20μm以上500μm以下である。
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、電子装置の製造工程において電子部品を仮固定するためのフィルム等に用いることができ、特に、ファンアウト型WLPの製造工程において電子部品を仮固定するためのフィルムとして好適に用いることができる。
次に、本実施形態に係る粘着性フィルム50を構成する各層について説明する。
<粘着性樹脂層(A)>
粘着性樹脂層(A)は、電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に、電子部品の表面に接触して電子部品を仮固定するための層である。
粘着性樹脂層(A)は、粘着性樹脂を含む。
粘着性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着性樹脂、シリコーン系粘着性樹脂、ウレタン系粘着性樹脂、オレフィン系粘着性樹脂、スチレン系粘着性樹脂等が挙げられる。
これらの中でも粘着力の調整を容易にする観点等から、(メタ)アクリル系粘着性樹脂が好ましい。
粘着性樹脂層(A)としては、放射線により粘着力を低下させる放射線架橋型粘着性樹脂層を用いることもできる。放射線架橋型粘着性樹脂層は、放射線の照射により架橋して粘着力が著しく減少するため、電子部品から粘着性フィルム50を剥離し易くなる。放射線としては、紫外線、電子線、赤外線等が挙げられる。
放射線架橋型粘着性樹脂層としては、紫外線架橋型粘着性樹脂層が好ましい。
粘着性樹脂層(A)に使用される(メタ)アクリル系粘着性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)および架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(B)を含む共重合体が挙げられる。
本実施形態において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、またはこれらの混合物を意味する。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)および架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(B)を含むモノマー混合物を共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)を形成するモノマー(A)としては、炭素数1〜12程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。好ましくは炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、10質量%以上98.9質量%以下であることが好ましく、85質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(B)を形成するモノマー(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂において、モノマー単位(B)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂は、モノマー単位(A)およびモノマー単位(B)以外に、2官能性モノマー(C)や界面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称する)単位をさらに含んでもよい。
重合性界面活性剤は、モノマー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)と共重合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。
2官能性モノマー単位(C)を形成するモノマー(C)としては、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、例えば、両末端がジアクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプロピレングリコール型(例えば、日本油脂(株)製、商品名;PDP−200、同PDP−400、同ADP−200、同ADP−400)、テトラメチレングリコール型(例えば、日本油脂(株)製、商品名;ADT−250、同ADT−850)およびこれらの混合型(例えば、日本油脂(株)製、商品名:ADET−1800、同ADPT−4000)であるもの等が挙げられる。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂において、モノマー単位(C)の含有量は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂中の全モノマー単位の合計を100質量%としたとき、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
重合性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN−10、同RN−20、同RN−30、同RN−50等)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンHS−10、同HS−20、同HS−1025等)、および分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系(花王(株)製;商品名:ラテムルS−120A、同S−180A等)等が挙げられる。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂は、さらに必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性2重結合を有するモノマーにより形成されたモノマー単位をさらに含有してもよい。
本実施形態に係る(メタ)アクリル系粘着性樹脂の重合反応機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられる。(メタ)アクリル系粘着性樹脂の製造コスト、モノマーの官能基の影響および電子部品表面へのイオンの影響等を考慮すればラジカル重合によって重合することが好ましい。
ラジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−ヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド等の有機過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
乳化重合法により重合する場合には、これらのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、同じく水溶性の4,4'−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が好ましい。電子部品表面へのイオンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物がさらに好ましく、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好ましい。
本実施形態に係る粘着性樹脂層(A)は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂に加えて、架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤をさらに含むことが好ましい。
架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤は、(メタ)アクリル系粘着性樹脂が有する官能基と反応させ、粘着力および凝集力を調整するために用いる。
このような架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N'−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N'−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N'−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物;N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N'−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の4官能性エポキシ系化合物;ヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物およびアジリジン系化合物から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
架橋剤の含有量は、通常、架橋剤中の官能基数が(メタ)アクリル系粘着性樹脂中の官能基数よりも多くならない程度の範囲が好ましい。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応じて過剰に含有してもよい。
粘着性樹脂層(A)中の架橋剤の含有量は、粘着性樹脂層(A)の耐熱性や密着力とのバランスを向上させる観点から、(メタ)アクリル系粘着性樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
粘着性樹脂層(A)の厚さは特に制限されないが、例えば、1μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上50μm以下であることがより好ましい。
粘着性樹脂層(A)は、例えば、中間層(C)あるいは後述の基材層10上に粘着剤を塗布することにより形成することができる。粘着剤は溶剤に溶解して塗布液として塗布してもよいし、水系エマルジョンとして塗布してもよいし、液状の粘着剤を直に塗布してもよい。
中でも有機溶剤に溶解した粘着剤塗布液が好ましい。有機溶剤は特に限定されず、溶解性や乾燥時間を鑑みて公知の中から適宜選択すればよい。有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系;アセトン、MEK等のケトン系;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族系;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の直鎖ないし環状脂肪族系;イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系を例示することができる。有機溶剤として酢酸エチル、トルエンが好ましい。これらの溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度範囲において、10秒〜10分間乾燥することが好ましい。さらに好ましくは、80〜170℃において、15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、40〜80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
また、中間層(C)あるいは基材層10と粘着性樹脂層(A)とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の中間層(C)あるいは基材層10とフィルム状の粘着性樹脂層(A)とをラミネート(積層)して形成してもよい。
<粘着性樹脂層(B)>
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、支持基板に貼り付けるために用いられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)を備える。
これにより、外部刺激を与えることで支持基板から粘着性フィルム50を容易に剥離することができる。
ここで、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)としては、例えば、加熱により粘着力が低下する加熱剥離型の粘着性樹脂層や、放射線により粘着力が低下する放射線剥離型の粘着性樹脂層等が挙げられる。これらの中でも加熱により粘着力が低下する加熱剥離型の粘着性樹脂層が好ましい。
加熱剥離型の粘着性樹脂層としては、例えば、気体発生成分を含む加熱膨張型粘着剤、膨張して粘着力を低減できる熱膨張性の微小球を含む加熱膨張型粘着剤、熱により接着剤成分が架橋反応することで接着力が低下する加熱膨張型粘着剤等により構成された粘着性樹脂層が挙げられる。
本実施形態において、粘着性樹脂層(B)に使用される加熱膨張型粘着剤は、熱を与えることで接着力が低下または喪失する粘着剤である。例えば、150℃以下では剥離せず、150℃を超える温度で剥離する材料を選択することができ、電子装置の製造工程中に粘着性フィルム50が支持基板から剥離しない程度の接着力を有していることが好ましい。
加熱膨張型粘着剤に使用される気体発生成分としては、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、メルドラム酸誘導体等を用いることができる。また、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水酸化ホウ素ナトリウム、各種アジド類等の無機系発泡剤や、水;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどの塩フッ化アルカン系化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジン系化合物;p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなどのN−ニトロソ系化合物等の有機系発泡剤等も用いることができる。気体発生成分は粘着性樹脂に添加されていてもよく、粘着性樹脂に直接結合されていてもよい。
加熱膨張型粘着剤に使用される熱膨張性の微小球としては、例えば、マイクロカプセル化されている発泡剤を用いることができる。このような熱膨張性の微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球などが挙げられる。上記殻を構成する材料として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性の微小球は、例えば、コアセルベーション法や、界面重合法などにより製造することができる。
熱膨張性の微小球は粘着性樹脂に添加することができる。
気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種の含有量は、加熱剥離型の粘着性樹脂層(B)の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、例えば、加熱剥離型の粘着性樹脂層(B)中の粘着性樹脂100質量部に対して、例えば1質量部以上150質量部以下、好ましくは5質量部以上130質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上100質量部以下である。
気体が発生する温度や熱膨張性の微小球が熱膨張する温度が、150℃を超える温度になるように設計することが好ましい。
加熱膨張型粘着剤を構成する粘着性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン−ジエンブロック共重合体系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
粘着性樹脂層(B)に使用される(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、前述した粘着性樹脂層(A)に使用される(メタ)アクリル系粘着性樹脂と同様のものを用いることができる。
また、本実施形態に係る粘着性フィルム50において、外部刺激を与えることにより粘着性樹脂層(B)の粘着力を低下させて粘着性樹脂層(B)から支持基板を剥離する際に電子部品を粘着性樹脂層(A)上に安定的に保持する観点から、粘着性樹脂層(A)中の気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種の含有量は、粘着性樹脂層(A)の全体を100質量%としたとき、0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましく、粘着性樹脂層(A)中に気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種が含まれないことが特に好ましい。
粘着性樹脂層(B)の厚さは特に制限されないが、例えば、5μm以上300μm以下であることが好ましく、10μm以上150μm以下であることがより好ましい。
粘着性樹脂層(B)は、例えば、中間層(C)あるいは後述の基材層10上に粘着剤塗布液を塗布することにより形成することができる。
粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度範囲において、10秒〜10分間乾燥することが好ましい。さらに好ましくは、80〜170℃において、15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後、40〜80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
また、中間層(C)あるいは基材層10と粘着性樹脂層(B)とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の中間層(C)あるいは基材層10とフィルム状の粘着性樹脂層(B)とをラミネート(積層)して形成してもよい。
<中間層(C)>
本実施形態に係る粘着性フィルム50は粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に特定の弾性率および損失正接(tanδ)を有する中間層(C)を備えている。これにより粘着性フィルム50全体の応力吸収性が向上し、封止材により電子部品を封止する際の金枠からの応力を緩和することができ、その結果、支持基板と粘着性樹脂層(B)との粘着力の上昇を抑制でき、その結果、支持基板から粘着性フィルム50を剥離する際の支持基板側の糊残りを効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る粘着性フィルム50において、支持基板から粘着性フィルム50を剥離する際の支持基板側の糊残りを効果的に抑制する観点から、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’は1.0×10Pa以上、好ましくは1.5×10Pa以上、そして、8.0×10Pa以下、好ましくは5.0×10Pa以下、より好ましくは3.0×10Pa以下である。
中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’は、例えば、中間層(C)を構成する各成分の種類や配合割合を制御することにより上記範囲内に制御することができる。
また、本実施形態に係る粘着性フィルム50において、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを効果的に抑制する観点から、120℃における損失正接(tanδ)が0.1以下である。120℃における損失正接(tanδ)の下限値は特に限定されないが、例えば、0.0001以上、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上である。
中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)は、例えば、中間層(C)を構成する各成分の種類や配合割合を制御することにより上記範囲内に制御することができる。
中間層(C)を構成する樹脂は、120℃における貯蔵弾性率E’が上記範囲内であるものであれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。
より具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン−ジエンブロック共重合体系樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも、120℃における貯蔵弾性率E’の調整が容易である点から、(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
中間層(C)を構成する樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
中間層(C)に使用される(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、前述した粘着性樹脂層(A)に使用される(メタ)アクリル系粘着性樹脂と同様のものを用いることができる。
本実施形態に係る中間層(C)は(メタ)アクリル系樹脂を使用する場合、(メタ)アクリル系樹脂に加えて、架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤をさらに含むことが好ましい。
架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤は、(メタ)アクリル系樹脂が有する官能基と反応させ、粘着力および凝集力を調整するために用いる。
このような架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N'−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N'−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N'−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物;N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N'−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の4官能性エポキシ系化合物;ヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物およびアジリジン系化合物から選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。
中間層(C)中の架橋剤の含有量は、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’および120℃における損失正接(tanδ)を所望の値に調整する観点から、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.7質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る粘着性フィルム50において、外部刺激を与えることにより粘着性樹脂層(B)の粘着力を低下させて粘着性樹脂層(B)から支持基板を剥離する際に中間層(C)と粘着性樹脂層(B)との間の接着性を良好に保つ観点から、中間層(C)中の気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種の含有量は、中間層(C)の全体を100質量%としたとき、0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましく、中間層(C)中に気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種が含まれないことが特に好ましい。
中間層(C)の厚さは特に制限されないが、例えば、5μm以上300μm以下であることが好ましく、10μm以上150μm以下であることがより好ましい。
中間層(C)は、例えば、粘着性樹脂層(A)、粘着性樹脂層(B)あるいは後述の基材層10上に塗布液を塗布することにより形成することができる。
塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度範囲において、10秒〜10分間乾燥することが好ましい。さらに好ましくは、80〜170℃において、15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、塗布液の乾燥が終了した後、40〜80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
また、粘着性樹脂層(A)、粘着性樹脂層(B)あるいは基材層10と中間層(C)とは共押出成形によって形成してもよいし、フィルム状の粘着性樹脂層(A)、粘着性樹脂層(B)あるいは基材層10とフィルム状の中間層(C)とをラミネート(積層)して形成してもよい。
<基材層>
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、図2に示すように、粘着性フィルム50の取り扱い性や機械的特性、耐熱性等の特性をより良好にすることを目的として粘着性樹脂層(A)と粘着性樹脂層(B)との間に基材層10をさらに設けることができる。基材層10は、例えば、図2に示すように粘着性樹脂層(A)と中間層(C)との間に設けてもよいし、粘着性樹脂層(B)と中間層(C)との間に設けてもよい。
基材層10は特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。
上記樹脂フィルムを構成する樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタアクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリフェニレンエーテル等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、透明性や機械的強度、価格等のバランスに優れる観点から、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミドから選択される一種または二種以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートから選択される少なくとも一種がより好ましい。
基材層10は、単層であっても、二種以上の層であってもよい。
また、基材層10を形成するために使用する樹脂フィルムの形態としては、延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよいが、基材層10の機械的強度を向上させる観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層10の厚さは、良好なフィルム特性を得る観点から、好ましくは1μm以上500μm以下、より好ましくは5μm以上300μm以下、さらに好ましくは10μm以上250μm以下である。
基材層10は、他の層との接着性を改良するために、表面処理を行ってもよい。具体的には、コロナ処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理等を行ってもよい。
<その他の層>
本実施形態に係る粘着性フィルム50は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、基材層10と粘着性樹脂層(A)との間あるいは基材層10と粘着性樹脂層(B)との間に、例えば接着層等がさらに設けられていてもよい。
2.電子装置の製造方法
次に、本実施形態に係る電子装置の製造方法について説明する。図3および4は、本発明に係る実施形態の電子装置の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係る電子装置の製造方法は、以下の4つの工程を少なくとも備えている。
(1)本実施形態に係る粘着性フィルム50と、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(A)に貼り付けられた電子部品70と、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(B)に貼り付けられた支持基板80と、を備える構造体100を準備する工程
(2)封止材60により電子部品70を封止する工程
(3)外部刺激を与えることにより粘着性樹脂層(B)の粘着力を低下させて構造体100から支持基板80を剥離する工程
(4)電子部品70から粘着性フィルム50を剥離する工程
そして、本実施形態に係る電子装置の製造方法では、電子部品70を仮固定する粘着性フィルムとして、前述した本実施形態に係る粘着性フィルム50を使用する。
以下、本実施形態に係る電子装置の製造方法の各工程について説明する。
(工程(1))
はじめに、粘着性フィルム50と、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(A)に貼り付けられた電子部品70と、粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(B)に貼り付けられた支持基板80と、を備える構造体100を準備する。
このような構造体100は、例えば、以下の手順で作製することができる。
まず、支持基板80上に、粘着性フィルム50を、粘着性樹脂層(B)が支持基板80側となるように貼着する。粘着性樹脂層(B)上には保護フィルムが貼付けられていてもよく、当該保護フィルムを剥がし、粘着性樹脂層(B)の露出面を支持基板80表面に貼着することができる。
支持基板80としては、例えば、石英基板、ガラス基板、SUS基板等を使用することができる。
次いで、支持基板80上に貼着された粘着性フィルム50の粘着性樹脂層(A)上に電子部品70を配置することにより構造体100を得ることができる。
電子部品70としては、例えば、IC、LSI、ディスクリート、発光ダイオード、受光素子等の半導体チップや半導体パネル、半導体パッケージ等を挙げることができる。
(工程(2))
次いで、封止材60により電子部品70を封止する。
封止材60により電子部品70を覆い、例えば150℃以下の温度で封止材60を硬化させて、電子部品70を封止する。
また、封止材60の形態としては特に限定されないが、例えば、顆粒状、シート状または液状である。
封止材60としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂系封止材を用いることができる。
特に、粘着性フィルム50への封止材60の親和性がより良好になり、電子部品70をより一層ムラなく封止することが可能となる点から、液状のエポキシ樹脂系封止材が好ましい。
このようなエポキシ樹脂系封止材としては、例えば、ナガセケムテックス社製のT693/R4000シリーズやT693/R1000シリーズ、T693/R5000シリーズ等を用いることができる。
封止方法としては、例えば、トランスファー成形、射出成形、圧縮成形、注型成形等が挙げられる。封止材60で電子部品70を封止後、例えば150℃以下の温度で加熱することによって封止材60を硬化させ、電子部品70が封止された構造体100が得られる。
(工程(3))
次いで、外部刺激を与えることにより粘着性樹脂層(B)の粘着力を低下させて構造体100から支持基板80を剥離する。
支持基板80は、例えば、電子部品70を封止した後、150℃を超える温度に加熱して、粘着性樹脂層(B)の接着力を低下させることにより、粘着性フィルム50から容易に除去することができる。
(工程(4))
次いで、電子部品70から粘着性フィルム50を除去し、電子装置200を得る。
電子部品70から粘着性フィルム50を除去する方法としては、例えば、機械的に剥離する方法や、粘着性フィルム50表面の粘着力を低下させてから剥離する方法等が挙げられる。
(工程(5))
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、図4に示すように、得られた電子装置200の露出面に、配線層310およびバンプ320を形成し、電子装置300を得る工程(5)をさらに備えてもよい。
配線層310は、最外面に形成された外部接続端子であるパッド(不図示)と、露出した電子部品70と該パッドとを電気的に接続する配線(不図示)と、を備える。配線層310は、従来公知の方法によって形成することができ、多層構造であってもよい。
そして、配線層310のパッド上にバンプ320を形成し、電子装置300を得ることができる。バンプ320としては、はんだバンプや金バンプ等を挙げることができる。はんだバンプは、例えば、配線層310の外部接続端子であるパッド上にはんだボールを配置し、加熱してはんだを溶融させる(リフローする)ことにより形成することができる。金バンプは、ボールボンディング法、めっき法、Auボール転写法等の方法により形成することができる。
(工程(6))
本実施形態に係る電子装置の製造方法において、図4に示すように、電子装置300をダイシングし、複数の電子装置400を得る工程(6)をさらに備えてもよい。
電子装置300のダイシングは、公知の方法で行うことができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
実施例および比較例における粘着性フィルムの作製に用いた材料の詳細は以下の通りである。
<粘着性樹脂層(A)形成用の粘着剤塗布液A>
(粘着性樹脂溶液A1の調製)
脱イオンを行った純水中に、重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド(大塚化学(株)製、商品名:ACVA)を0.5質量部、モノマー(A)としてアクリル酸−n−ブチルを74.3質量部およびメタクリル酸メチルを13.7質量部、モノマー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルを9質量部、重合性界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬社製;商品名:アクアロンHS−1025)を3質量部それぞれ投入した。次いで、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これをアンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分濃度42.5%の粘着性樹脂溶液A1を得た。
(粘着性樹脂溶液A2の調製)
脱イオンを行った純水中に、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを0.5質量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチルヘキシルを63質量部、アクリル酸−n−ブチルを21質量部およびメタクリル酸メチルを9質量部、モノマー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルを3質量部、モノマー(C)としポリテトラメチレングリコールジアクリレート(日本油脂(株)製、商品名;ADT−250)を1質量部、重合性界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの(第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンHS−1025)を2質量部それぞれ投入し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これをアンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分濃度56.5%の粘着性樹脂溶液A2を得た。
(粘着剤塗布液Aの調製)
粘着性樹脂溶液A1を100質量部、粘着性樹脂溶液A2を1質量部、ジメチルエタノールアミンを0.3質量部、架橋剤であるエポキシ系化合物(ナガセケムテックス社製、Ex−1610)を7質量部、それぞれ混合して粘着剤塗布液Aを得た。
<粘着性樹脂層(B)形成用の粘着剤塗布液B>
(ポリマーA溶液の調製)
アクリル酸−n−ブチル:74質量部、メタクリル酸メチル:16質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル:7質量部、アクリル酸:3質量部をトルエンおよび酢酸エチル混合溶媒中で共重合し、濃度45質量%、分子量25万のポリマーA溶液を得た。
(粘着剤塗布液Bの調製)
ポリマーA溶液、架橋剤であるイソシアネート系化合物(三井化学社製、オレスターP49−75S)、膨張開始温度160℃の熱膨張性の微小球、粘着付与剤(荒川化学製、ペンセルD125)を100:2:15:5の割合(固形分質量比)で混合して粘着剤塗布液Bを得た。
<中間層(C)形成用の塗布液C>
(ポリマーA溶液の調製)
アクリル酸−n−ブチル:74質量部、メタクリル酸メチル:16質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル:7質量部、アクリル酸:3質量部をトルエンおよび酢酸エチル混合溶媒中で共重合し、濃度45質量%、分子量25万のポリマーA溶液を得た。
(ポリマーB溶液の調製)
アクリル酸−2−エチルヘキシル:35質量部、アクリル酸−n−ブチル:41量部、アクリル酸エチル:15質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル:9質量部を窒素雰囲気下、トルエンおよび酢酸エチル混合溶媒中で共重合し、分子量30万のポリマーB溶液を得た。
(塗布液Cの調製)
ポリマーA溶液と架橋剤であるエポキシ系化合物(テトラッドC、三菱ガス化学社製)を100:1の割合(固形分質量比)で混合して塗布液C1を得た。
また、ポリマー溶液の種類、架橋剤の種類および配合量を表1に記載の値に変更した以外は塗布液C1と同様にして、塗布液C1〜C9をそれぞれ調製した。
なお、表1中のエポキシ系化合物はテトラッドC(三菱ガス化学社製)であり、イソシアネート系化合物はオレスターP49−75S(三井化学社製)である。
[実施例1]
基材層であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に、粘着剤塗布液Aを塗布した後、乾燥させて、厚さ13μmの粘着性樹脂層(A)を形成した。次いで、PETフィルムの粘着性樹脂層(A)とは反対側の表面に、塗布液C1を塗布した後、乾燥させて、厚さ20μmの中間層(C)を形成した。次いで、中間層(C)上に粘着剤塗布液Bを塗布した後、乾燥させて、厚さ25μmの粘着性樹脂層(B)を形成し、粘着性フィルムを得た。
得られた粘着性フィルムについて以下の評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
[実施例2〜6および比較例1〜3]
塗布液C1の代わりに塗布液C2〜C9をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムをそれぞれ作製した。
得られた粘着性フィルムについて以下の評価をそれぞれおこなった。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
[比較例4]
中間層(C)を形成しない以外は実施例1と同様にして粘着性フィルムを作製した。
得られた粘着性フィルムについて以下の評価をそれぞれおこなった。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
<評価>
(1)中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’および損失正接(tanδ)の測定
塗布液C1〜C9を離型フィルム上に乾燥厚みが20μmとなるようにそれぞれ塗布した後、110℃オーブン中で3分間乾燥させた。次いで、サンプル厚みが1mmとなるまでそれぞれ重ね合わせて粘弾性測定用サンプルをそれぞれ得た。
次いで、固体粘弾性測定装置(RSA−3、TAインスツルメント社製)を用いて、周波数1Hz、昇温速度5℃/min、ひずみ0.05%、チャック間距離20mm、サンプル幅10mmの条件で中間層(C)の固体粘弾性を測定し、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’および損失正接(tanδ)をそれぞれ算出した。
(2)支持基板上の糊残り
実施例および比較例で得られた粘着性フィルムの粘着性樹脂層(B)を支持基板上に貼付け、次いで粘着性樹脂層(A)上にシリコンチップを複数個配置した。
次いで、23℃で1分間放置後、圧縮成形機(アピックヤマダ社製、WCM−300MC)を用いて、粘着性樹脂層(A)上に複数個配置したシリコンチップを、液状のエポキシ樹脂系封止材(ナガセケムテックス社製、T693/R4212)を用いて温度120℃で3分間封止した。
次いで、支持基板/粘着性フィルム/シリコンチップ/封止材の構造体を圧縮成形機から取り出し、オーブンで150℃、30分間加熱した後、185℃で粘着性樹脂層(B)を発泡させて支持基板を粘着性フィルム/シリコンチップ/封止材の構造体から脱離させた。
次いで、脱離後の支持基板表面を目視で観察し、支持基板表面の粘着性フィルムの糊残りを確認し、下記の基準で粘着性フィルムの糊残りを評価した。
〇:目視により、支持基板表面に糊残りが観察されなかった
×:目視により、支持基板表面に糊残りが観察された
Figure 2018157037
中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’が1.0×10Pa以上8.0×10Pa以下であり、かつ、中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)が0.1以下である粘着性フィルムを用いた実施例1〜6では、支持基板上に糊残りは観察されなかった。よって、実施例1〜6の粘着性フィルムでは、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際の支持基板側の糊残りを抑制できることが理解できる。
これに対し、中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’が1.0×10Pa未満であり、かつ、損失正接(tanδ)が0.1を超える粘着性フィルムを用いた比較例2および3、あるいは中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)が0.1を超える粘着性フィルムを用いた比較例1、あるいは中間層(C)を設けない粘着性フィルムを用いた比較例4では、支持基板上に糊残りが観察された。よって、比較例1〜4の粘着性フィルムでは、支持基板から粘着性フィルムを剥離する際に支持基板側に糊残りが発生してしまうことが理解できる。
A 粘着性樹脂層
B 粘着性樹脂層
C 中間層
10 基材層
50 粘着性フィルム
60 封止材
70 電子部品
80 支持基板
100 構造体
200 電子装置
300 電子装置
310 配線層
320 バンプ
400 電子装置

Claims (8)

  1. 電子装置の製造工程において封止材により電子部品を封止する際に前記電子部品を仮固定するために用いられる粘着性フィルムであって、
    前記電子部品を仮固定するための粘着性樹脂層(A)と、
    支持基板に貼り付けるために用いられ、かつ、外部刺激により粘着力が低下する粘着性樹脂層(B)と、
    前記粘着性樹脂層(A)と前記粘着性樹脂層(B)との間に設けられた中間層(C)と、
    を備え、
    前記中間層(C)の120℃における貯蔵弾性率E’が1.0×10Pa以上8.0×10Pa以下であり、かつ、前記中間層(C)の120℃における損失正接(tanδ)が0.1以下である粘着性フィルム。
  2. 請求項1に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記粘着性樹脂層(B)は加熱により粘着力が低下する粘着性フィルム。
  3. 請求項2に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記粘着性樹脂層(B)が気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種を含む粘着性フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記粘着性樹脂層(A)中の気体発生成分および熱膨張性の微小球から選択される少なくとも一種の含有量が、前記粘着性樹脂層(A)の全体を100質量%としたとき、0.1質量%以下である粘着性フィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記封止材がエポキシ樹脂系封止材である粘着性フィルム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の粘着性フィルムにおいて、
    前記粘着性樹脂層(A)は(メタ)アクリル系粘着性樹脂を含む粘着性フィルム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の粘着性フィルムと、前記粘着性フィルムの前記粘着性樹脂層(A)に貼り付けられた電子部品と、前記粘着性フィルムの前記粘着性樹脂層(B)に貼り付けられた支持基板と、を備える構造体を準備する工程(1)と、
    封止材により前記電子部品を封止する工程(2)と、
    外部刺激を与えることにより前記粘着性樹脂層(B)の粘着力を低下させて前記構造体から前記支持基板を剥離する工程(3)と、
    前記電子部品から前記粘着性フィルムを剥離する工程(4)と、
    を少なくとも備える電子装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載の電子装置の製造方法において、
    前記封止材がエポキシ樹脂系封止材である電子装置の製造方法。
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